JP5265032B2 - 燃料電池システム及びその発電停止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスを導入して化学反応により発電を行う燃料電池システムに係り、特に、燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極の触媒のCO被毒を防止すべく改良を施した燃料電池システム及びその発電停止方法に関するものである。
燃料電池システムは、水素等の燃料と空気等の酸化剤を燃料電池に供給して、電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換して外部へ取り出す発電装置である。この燃料電池システムは、比較的小型であるにもかかわらず、高効率で、環境性に優れており、また発電に伴う発熱を温水や蒸気として回収することにより、コージェネレーションシステムとしての適用が可能であることから、工場や病院などの業務用、一般家庭用、自動車用など、幅広い用途への採用が期待されている。
また、固体高分子形燃料電池は、高分子電解質膜の両面に燃料極及び酸化剤極を接合した膜電極接合体を、その両側に燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路が形成されたセパレータで挟んだ構造を有している。また、燃料極及び酸化剤極の一部を構成する触媒層は、白金や白金合金のような金属触媒を担持した炭素担体と高分子電解質との複合体から構成されている。そして、燃料電池は、一般に、このような構造を備えた単セルを多数積層してなるスタックから構成されている。
このような燃料電池システムとしては、燃料極に導入される燃料ガスとして、都市ガス等の炭化水素系ガスを予め改質器により改質してなる改質ガスを用いる運転方法があるが、その改質ガスにはCOが含まれている。このCOは、燃料極側の触媒表面を被毒することで燃料電池システムの特性を損なうものであるが、燃料電池の発電運転中においては、燃料極に酸化剤ガスを供給し、COをCO2に酸化して除去することによって、CO被毒による燃料電池システムの発電運転中の特性低下を抑制する方法が提案されている。(特許文献1参照)。
特開2004−241239
しかしながら、特許文献1に示された方法は、燃料電池システムの発電運転中における燃料極の触媒に被毒したCOの酸化除去に関するものであり、燃料電池システムの発電停止保管時においては、燃料極の触媒はCOに被毒された状態のままである。
この燃料極の触媒としては、白金とルテニウムの合金触媒がよく用いられているが、白金とルテニウムの合金触媒がCOに被毒され続けると、触媒の状態が変化することによって、触媒の耐CO性が低下する恐れがある。このように触媒の耐CO性が低下すると、燃料電池システムの発電運転中において、上記のように燃料極に酸化剤ガスを供給しても、COの酸化除去が不充分となり、その結果、燃料電池システムの特性が低下し、燃料電池システムを運転することができなくなる恐れがある。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、燃料電池システムの発電停止操作時及び発電停止保管時において、燃料極のCO酸化除去を促進し、燃料電池システムの発電停止保管時における触媒のCO被毒を抑制し、燃料極の触媒の耐CO性の低下を抑制することができる燃料電池システム及びその発電停止方法を提供することにある。
実施形態では、燃料電池システムの発電停止操作時及び発電停止保管時において、燃料極内に存在するCOの酸化除去を促進する。
すなわち燃料電池と、前記燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の燃料極にCO酸化用ガスを供給するCO酸化用ガス供給手段を設けると共に、前記燃料極に供給されるCO酸化用ガスの流量を制御する制御手段を設け、前記燃料電池システムの発電停止時には、前記制御手段によって、前記燃料極側の燃料ガスに含まれるCO量に対するCO酸化用ガスの供給割合が、通常発電時における該CO酸化用ガスの供給割合より高くなるように制御する。
上記のような構成よれば、燃料電池システムの発電停止時に、前記燃料極側の燃料ガスに含まれるCO量に対するCO酸化用ガスの供給割合を通常発電時よりも高くすることによって、燃料ガス中のCOの酸化除去を通常発電時よりも促進することができる。その結果、燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極の触媒のCO被毒が抑制されるので、触媒の耐CO性の低下を抑制することができる。
また燃料電池と、前記燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の燃料極にCO酸化用ガスを供給するCO酸化用ガス供給手段を設けると共に、前記燃料極に供給される燃料ガス流量、酸化剤極に供給される酸化剤ガス流量及び燃料極に供給されるCO酸化用ガス流量を制御する制御手段を設け、前記燃料電池システムの発電停止時には、前記制御手段によって、前記燃料極側の燃料ガスに含まれるCO量に対するCO酸化用ガスの供給割合が、通常発電時における該CO酸化用ガスの供給割合より高くなるように制御すると共に、前記燃料極側のCO酸化用ガスに含まれる酸素と、前記酸化剤極側の酸化剤ガスに含まれる酸素の総和の物質量が、前記燃料極側の燃料ガスに含まれる水素の物質量の半分以下になるように、前記燃料ガス流量、酸化剤ガス流量及びCO酸化用ガス流量を制御する。
上記のような構成よれば、燃料電池システムの発電停止時に、燃料極側の燃料ガスに含まれるCO量に対するCO酸化用ガスの供給割合を通常発電時よりも高くすると共に、CO酸化用ガスと酸化剤極へ供給する空気に含まれる酸素の総和の物質量が、燃料極に供給される水素の物質量の半分以下になるようにCO酸化用ガスの供給流量を調整することにより、燃料電池システムの発電停止保管時に、燃料電池中で酸素が過剰となった場合でも、その酸素が水素と反応することによって消費されるので、燃料極電位が酸素によって高電位に保持されることを防ぐことができ、触媒の高電位保持による耐CO性の低下を抑制することができる。
さらに、燃料電池と、前記燃料電池の燃料極と酸化剤極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池の燃料極と酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料ガスと酸化剤ガスの供給先を、前記燃料極と酸化剤極の間で切り替える反応ガス供給切替手段と、前記反応ガス供給切替手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段によって、燃料電池システムの通常発電時においては、前記燃料極に燃料ガスを供給すると共に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給するように制御し、燃料電池システムの発電停止時においては、前記酸化剤極に燃料ガスを供給すると共に、前記燃料極に酸化剤ガスを供給するように制御する。
上記のような構成よれば、燃料電池システムの発電停止時には、燃料電池の燃料極に酸化剤ガスを供給することによって、燃料極電位が上昇し、燃料極の触媒に被毒しているCOを酸化除去することによって、燃料電池発電停止保管時における触媒上のCO被毒を抑制することができる。また、燃料ガスと酸化剤ガスの供給先を切り替え、各々のガス供給を停止した後に燃料電池から逆電流を取り出すことによって、燃料極内の酸素を消費し、燃料極電位を下げ、これにより、燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極の高電位保持による触媒の耐CO性の低下を防止することができる。
以上のような本発明によれば、燃料電池システムの発電停止操作時おいて、燃料極のCO酸化除去を促進し、燃料電池システムの発電停止保管時における触媒のCO被毒を抑制し、燃料極の触媒の耐CO性の低下を抑制することができる
本発明による燃料電池システムの第1実施形態の全体構成を示す図。 第1実施形態における燃料電池システムの発電停止手順を示すフローチャート。 第1実施形態におけるCO除去操作の有無による耐CO性低下度の比較を示す図。 第2実施形態における燃料電池システムの発電停止手順を示すフローチャート。 CO被毒の際の燃料極電位と電流密度の関係を示す図。 本発明による燃料電池システムの第4実施形態の全体構成を示す図。 第4実施形態における燃料電池システムの発電停止手順を示すフローチャート。
以下、燃料電池システム及びその発電停止方法実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、第1〜第3実施形態は参考例である。
(1)第1実施形態
(1−1)構成
本実施形態の燃料電池システム1は、図1に示すように、大別して、燃料電池10と、燃料電池10の燃料極10aに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段20と、燃料電池10の酸化剤極10bに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段30と、燃料電池10の燃料極10aにCOを酸化除去するための空気を供給するCO酸化用ガス供給手段40とから構成されている。
また、前記燃料電池10には、固体高分子形燃料電池が用いられる。この固体高分子形燃料電池は、高分子電解質膜の両面に燃料極及び酸化剤極を接合した膜電極接合体を、その両側に燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路が形成されたセパレータで挟んだ構造を有している。また、燃料極及び酸化剤極の一部を構成する触媒層は、触媒を担持した担体と高分子電解質との複合体から構成されている。燃料電池10は、一般にこのような構造を備えた単セルが多数積層されたスタックを用いてなるものである。
また、前記燃料ガス供給手段20は、燃料ガスである改質ガスを供給する燃料ガス供給源21と、燃料電池10の燃料極10aに改質ガスを供給する燃料ガス供給配管22、及び燃料電池10の燃料極10aから排ガスを排出する燃料ガス排出配管23から構成され、前記燃料ガス供給源21から供給された改質ガスは、燃料ガス供給配管22を通って燃料電池10の燃料極10aに供給され、燃料ガス排出配管23から排出されるように構成されている。
また、前記酸化剤ガス供給手段30は、酸化剤ガスである空気を供給する酸化剤ガス供給源31と、燃料電池10の酸化剤極10bに空気を供給する酸化剤ガス供給配管32と、燃料電池10の酸化剤極10bから酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出配管33とから構成されている。そして、前記酸化剤ガス供給源31から供給された空気は、酸化剤ガス供給配管32を通って燃料電池10の酸化剤極10bに供給され、酸化剤ガス排出配管33から排出されるように構成されている。
さらに、本実施形態においては、前記CO酸化用ガス供給手段40として、前記燃料ガス供給配管22に接続されたCO酸化用ガス供給配管42と、これに接続されたCO酸化用ガス供給源41が設けられている。そして、制御装置50によって、前記燃料ガス供給源21、酸化剤ガス供給源31及びCO酸化用ガス供給源41から供給される各ガス流量が制御されるように構成されている。なお、図中、点線で示した矢印は、制御装置50による制御を示している。また、CO酸化用ガスとして空気を用いた。
(1−2)燃料電池システムの発電停止方法
次に、上記のような構成を有する本実施形態の燃料電池システムの発電停止方法について説明する。なお、図2は、本実施形態における燃料電池システムの発電停止手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、燃料電池システムの発電を停止する場合には、まず、通常発電状態にある燃料電池10からの電流の取り出しを停止する(ステップ201)。そして、燃料電池10の燃料極10aに供給されるCO酸化用空気の供給割合を増加させる(ステップ202)。
なお、CO酸化用空気の供給割合を増加させる方法としては、例えば、CO酸化用空気の供給流量を増やして、燃料極10a内におけるCO酸化用空気の濃度が、燃料電池の通常発電時におけるCO酸化用空気の濃度よりも高くなるように調整する、あるいは、燃料ガスの供給量を減少させることによって、燃料極10a内のCO酸化用空気の濃度を増加させる方法を用いることができる。
このようにしてCO酸化用空気の供給割合を増加させた後、さらに、CO酸化用空気と酸化剤極へ供給する空気に含まれる酸素の総和の物質量が、燃料極10aに供給される燃料ガスに含まれる水素の物質量の半分以下になるように、CO酸化用空気の供給流量を調整することが好ましい。その理由は、CO酸化用空気の供給割合を過剰に増加させ過ぎると、燃料電池停止保管時に燃料電池中で酸素が余ってしまい、この酸素によって燃料極が高電位に保持されてしまう恐れがあるため、過剰な酸素を水素と反応させることで消費するためである。
その後、燃料極10aへの燃料ガス及びCO酸化用空気の供給を停止すると共に、酸化剤極10bへの空気の供給を停止する(ステップ203)。また、燃料極10aの燃料ガス出入口及び酸化剤極10bの空気出入口に遮断弁を設け、この遮断弁により燃料電池内部のガスと外気のリークを遮断しても良い。
上記の発電停止方法によれば、燃料電池10に供給される燃料ガスの供給を停止する前に、通常発電時よりもCO酸化用空気の供給流量を増加させる等の方法で、燃料ガスに含まれるCO量に対するCO酸化用空気の供給流量の割合を大きくすることにより、燃料ガス中のCOの酸化除去は通常発電時よりも促進される。それによって、燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極の触媒のCO被毒が抑制される。このようにして燃料電池システムの発電停止保管時における触媒のCO被毒が抑制されることによって、触媒の耐CO性の低下を抑制することができる。
また、CO酸化用空気と酸化剤極へ供給する空気に含まれる酸素の総和の物質量が、燃料極に供給される水素の物質量の半分以下になるようにCO酸化用空気の供給流量を調整することにより、燃料電池システムの発電停止保管時において、燃料電池内の酸素が過剰となった場合でも、その酸素は水素と反応することによって消費されるので、燃料極電位が酸素によって高電位に保持されることを防ぎ、触媒の高電位保持による耐CO性の低下を抑制することができる。
(1−3)試験例
図3は、燃料極からCOを除去した状態で保持した単セルと、燃料極からCOを除去しない状態で保持した単セルについて、通常発電時の電流密度におけるそれぞれの耐CO性低下度相対比を示したものである。
図3から明らかなように、燃料極からCOを除去した状態で保持した単セルの耐CO性低下度は、燃料極からCOを除去しない状態で保持した単セルの耐CO性低下度に比べて、およそ10%になることが示された。すなわち、燃料極の触媒に被毒したCOを除去することによって、燃料極の触媒の耐CO性の低下をおよそ10%に抑制できることが示された。
(1−4)作用・効果
上述したように、本実施形態によれば、燃料極に供給されるCO酸化用空気の量を、燃料電池システムの発電停止時において、燃料極側の燃料ガスに含まれるCO量に対するCO酸化用空気の供給割合が、燃料電池システムの通常発電運転時におけるCO酸化用空気の供給割合よりも高くなるように制御することによって、燃料電池システムの発電停止時及び発電停止保管時における燃料極の触媒に被毒するCOの酸化除去を促進し、触媒のCO被毒による耐CO性の低下を抑制することができるので、電池耐久性を飛躍的に向上させることができる。
また、燃料極の触媒の耐CO性は、燃料極電位が高電位に保持される際にも低下する現象が確認されているが、本実施形態によれば、燃料電池システムの発電停止時におけるCO酸化用空気中の酸素量を、該CO酸化用空気中の酸素と、酸化剤極に供給される空気中の酸素の総和の物質量が、燃料極に供給される水素の物質量の半分以下になるように調整することにより、燃料電池システムの発電停止保管時において、燃料電池内の酸素は水素と反応することによって消費される。その結果、燃料極電位が酸素によって高電位に保持されることを防ぐことができるので、触媒の高電位保持による耐CO性の低下を抑制することができる。
(2)第2実施形態
本実施形態は、上記第1実施形態におけるCO酸化除去操作が、燃料極の電位操作であることに特徴を有し、その他の形態については上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
(2−1)燃料電池システムの発電停止方法
次に、本実施形態の燃料電池システムの発電停止方法について説明する。なお、図4は、本実施形態における燃料電池システムの発電停止手順を示すフローチャートである。
図4に示したように、燃料電池システムの発電を停止する場合には、まず、通常発電状態にある燃料電池への燃料ガスの供給流量の調整と、燃料電池から取り出す電流値を調整することによって、燃料電池の電圧が0Vになるようにする(ステップ401)。電圧が0Vになったら(ステップ402)、燃料電池からの電流の取り出しを停止し、さらに燃料電池への燃料ガスと空気の供給を停止する(ステップ403)。また、燃料極10aの燃料ガス出入口及び酸化剤極10bの空気出入口に遮断弁を設け、この遮断弁により燃料電池内部のガスと外気のリークを遮断しても良い。
このように、本実施形態においては、燃料電池に供給される燃料ガスの供給量を減少させながら、燃料電池から電流を取り出すことによって、燃料極電位を上昇させる。燃料極電位が上昇することによって、燃料極の触媒に被毒しているCOは酸化除去され、それによって燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極の触媒のCO被毒は抑制される。
(2−2)試験例
図5は、燃料極の触媒がCO被毒した際の、各電流密度における水素電極電位に対する燃料極電位を示したものである。図から明らかなように、電流密度が高くなるに従って燃料極電位は高くなるが、これは燃料極の触媒のCO被毒による反応分極の増加によるものである。さらに電流密度を増加させると、燃料極電位は水素電極電位に対して0.3V付近に近づくことがわかる。これは、燃料極電位が0.3V付近では、触媒に被毒しているCOが酸化除去されているためである。したがって、燃料極電位を水素電極電位に対して0.3V以上に上昇させることによって、燃料極の触媒に被毒するCOを酸化除去することができることが分かる。
この場合、燃料極電位がさらに高電位に上昇することによる触媒の状態の変化による耐CO性の低下を防ぐため、燃料電池が転極しないように燃料電池の電圧を監視しながら、燃料ガスの流量と電流値を調整し、燃料電池10の電圧が0Vになったら電流値を0にする。
(2−3)作用・効果
上述したように、本実施形態によれば、燃料電池システムの発電停止時において、燃料極にCO酸化用空気を供給することなく、簡易的に燃料極内の触媒に被毒しているCOを酸化除去することができる。なお、本実施形態による効果は、上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
(3)第3実施形態
本実施形態は、燃料電池システムの発電停止保管時にCO酸化除去操作を行う点に特徴があり、その他の形態については上記第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
(3−1)燃料電池システムの発電停止保管方法
次に、燃料電池システムの発電停止保管時における操作について説明する。
すなわち、燃料電池システムの発電停止保管時においては、燃料極に空気を追加供給する。その際、追加供給する空気中の酸素は、該空気中の酸素と燃料電池システムの発電停止時における酸化剤極に供給される空気中の酸素との総和の物質量が、燃料電池システムの発電停止時における燃料極に供給される水素の物質量の半分以下になるように調整する。
(3−2)作用・効果
このように、燃料電池システムの発電停止保管時に、燃料極に空気を追加供給することにより、燃料極の触媒に被毒しているCOを簡便に酸化除去することができる。また、上記第1及び第2実施形態による燃料電池システムの発電停止時のCO酸化除去が不充分であった場合にも、本実施形態によって追加操作を行うことができる。
また、追加供給する空気中の酸素を、燃料電池システムの発電停止時における燃料極内のCO酸化用空気中の酸素と酸化剤極に供給される空気中の酸素との総和の物質量が、燃料電池システムの発電停止時における燃料極に供給される水素の物質量の半分以下になるように調整することによって、燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極電位の高電位保持を防ぐことができるので、触媒の高電位保持による耐CO性の低下を抑制することができる。
本実施形態では、燃料電池システムの発電停止保管中に、燃料極に空気を追加供給することでCO酸化除去操作としたが、上記第2実施形態のように、燃料極電位を上昇させることによって、燃料極の触媒に被毒したCOを酸化除去しても良い。
なお、燃料極電位は、願わくは標準水素電極電位に対して0.3V以上に上昇させることが好ましい。その際には、燃料電池から取り出す電流値を制御し、燃料電池の電位を0Vになるように電流値を制御する。このとき、燃料電池が転極して燃料極の触媒の高電位保持による耐CO性の低下が進行しないように電流値を制御する。
(4)第4実施形態
(4−1)構成
本実施形態の燃料電池システム2は、図6に示すように、燃料電池10と、燃料電池10の燃料極10aと酸化剤極10bの両方に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段25と、燃料電池10の燃料極10aと酸化剤極10bの両方に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段35と、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を燃料極10aと酸化剤極10bの間で切り替える反応ガス供給切替手段60と、この反応ガス供給切替手段60による切替操作を制御する制御手段70から構成されている。
(4−2)燃料電池システムの発電停止方法
続いて、本実施形態の燃料電池システムの発電停止方法について説明する。なお、図7は燃料電池システムの発電停止手順を示すフローチャートである。また、この燃料電池システム2は、通常発電時においては、燃料極10aに燃料ガスを供給し、酸化剤極10bに空気を供給するように、前記制御手段70によって反応ガス供給切替手段60を制御するように構成されている。
図7に示すように、燃料電池システム2の発電停止時においては、まず、燃料電池10からの電流の取り出しを停止し(ステップ701)、制御手段70によって反応ガス供給切替手段60を制御して、燃料ガスを酸化剤極10bに、空気を燃料極10aに各々供給する(ステップ702)。
燃料ガスと空気が各々酸化剤極10bと燃料極10aに供給され、燃料電池の電圧が0V未満になったら(ステップ703)、燃料ガス及び空気の供給を停止する(ステップ704)。その後、燃料電池から逆電流を取り出し(ステップ705)、燃料電池の電圧が0Vを上回らないように電流を調整し、電圧が0Vになったら(ステップ706)、逆電流の取り出しを停止すると共に、燃料ガス及び空気の供給を停止する(ステップ707)。また、燃料極10aの燃料ガス出入口及び酸化剤極10bの空気出入口に遮断弁を設け、この遮断弁により燃料電池内部のガスと外気のリークを遮断しても良い。
上述したように、図5は、燃料極の触媒がCO被毒した際の、各電流密度における水素電極電位に対する燃料極電位を示したものであるが、これより、燃料極電位を水素電極電位に対して0.3V以上に上昇させることによって、燃料極の触媒に被毒するCOを酸化除去することができることが分かる。
(4−3)作用・効果
本実施形態によれば、燃料電池の燃料極に空気を供給することによって、燃料極電位が上昇し、燃料極の触媒に被毒しているCOを酸化除去することによって、燃料電池発電停止保管時における触媒上のCO被毒を抑制することができる。燃料極電位は、願わくは標準水素電極電位に対して0.3V以上に上昇させることが好ましい。
また、燃料ガスと空気を切り替え、各々のガス供給を停止した後に燃料電池から逆電流を取り出すことによって、燃料極内の酸素を消費し、燃料極電位を下げ、これにより、燃料電池システムの発電停止保管時における燃料極の高電位保持による触媒の耐CO性の低下を防止することができる。
以上のように、燃料ガス及び空気の供給切り替えと電流取り出し制御によって、燃料極の触媒に被毒するCOを完全に酸化除去することができる。なお、本実施形態による効果は、上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
(5)他の実施形態
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施形態も含むものである。例えば、上記実施形態では、酸化剤ガス及びCO酸化用ガスとして空気を用いた例について説明したが、酸化剤ガス及びCO酸化用ガスとして酸素を用いてもよい。
また、本発明は、固体高分子形燃料電池を備えた燃料電池システムに対して好適であるが、これらの手法は、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体電解質形燃料電池、アルカリ燃料電池を備えた燃料電池システムに対しても同様に適用することができる。
1、2…燃料電池システム
10…燃料電池
10a…燃料極
10b…酸化剤極
20、25…燃料ガス供給手段
21…燃料ガス供給源
30、35…酸化剤ガス供給手段
31…酸化剤ガス供給源
40…CO酸化用ガス供給手段
41…CO酸化用ガス供給源
50…制御手段
60…反応ガス供給切替手段
70…制御手段

Claims (2)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池の燃料極と酸化剤極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池の燃料極と酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料ガスと酸化剤ガスの供給先を、前記燃料極と酸化剤極の間で切り替える反応ガス供給切替手段と、
    前記反応ガス供給切替手段を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段によって、燃料電池システムの通常発電時においては、前記燃料極に燃料ガスを供給すると共に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給するように制御し、
    燃料電池システムの発電停止時においては、前記燃料電池からの電流の取り出しを停止し、
    前記反応ガス供給切替手段によって、前記燃料ガスと酸化剤ガスの供給先を前記燃料極と酸化剤極の間で切り替え、前記燃料ガスを前記酸化剤極へ、前記酸化剤ガスを前記燃料極へ各々供給し、
    前記燃料電池の電圧が0V未満になったら、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの供給を停止し、前記燃料電池から逆電流を取り出し、前記燃料電池の電圧が0Vを上回らないように電流を調整し、電圧が0Vになったら、前記逆電流の取り出しを停止することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料電池と、
    前記燃料電池の燃料極及び酸化剤極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池の燃料極及び酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料ガスと酸化剤ガスの供給先を、前記燃料極と酸化剤極の間で切り替える反応ガス供給切替手段と
    前記反応ガス供給切替手段を制御する制御手段を備えた燃料電池システムの発電停止方法において、
    前記燃料電池からの電流の取り出しを停止
    前記反応ガス供給切替手段によって、前記燃料ガスと酸化剤ガスの供給先を前記燃料極と酸化剤極の間で切り替え、前記燃料ガスを前記酸化剤極へ、前記酸化剤ガスを前記燃料極へ各々供給し、
    前記燃料電池の電圧が0V未満になったら、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの供給を停止し、前記燃料電池から逆電流を取り出し、前記燃料電池の電圧が0Vを上回らないように電流を調整し、電圧が0Vになったら、前記逆電流の取り出しを停止することを特徴とする燃料電池システムの発電停止方法。
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