JP5262227B2 - 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜 - Google Patents

芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜 Download PDF

Info

Publication number
JP5262227B2
JP5262227B2 JP2008081682A JP2008081682A JP5262227B2 JP 5262227 B2 JP5262227 B2 JP 5262227B2 JP 2008081682 A JP2008081682 A JP 2008081682A JP 2008081682 A JP2008081682 A JP 2008081682A JP 5262227 B2 JP5262227 B2 JP 5262227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
represented
integer
following formula
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008081682A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009235202A (ja
Inventor
高杉晋吾
大塚巧治
山川芳孝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2008081682A priority Critical patent/JP5262227B2/ja
Publication of JP2009235202A publication Critical patent/JP2009235202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262227B2 publication Critical patent/JP5262227B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Description

本発明は、新規な芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた燃料電池用の固体高分子電解質膜に関する。
固体高分子型燃料電池に用いられるプロトン伝導膜を構成する固体高分子電解質としては、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系電解質が知られているが、非架橋であることから耐熱性が低いため、高温で使用できないといった問題があり、これに替わる材料として、芳香族ポリアリーレンエーテルケトン類や芳香族ポリアリーレンエーテルスルホン類などの炭化水素系ポリマーに、スルホン酸基などを導入したポリアリーレン系高分子電解質が研究されている(たとえば、特許文献1、非特許文献1〜3)。ポリアリーレン系高分子電解質は、その高温耐久性において優れている。
一方で、ポリマーの機械的強度を向上させて耐久性を改善する目的で、重合体の分子量を増大させると溶媒に対する溶解性が低下して製膜性に難を生じるなど加工性の問題が知られていた。本願発明者らは、スルホン化ポリアリーレン系重合体に分岐点を導入した分岐状スルホン化ポリアリーレン系重合体を提案し、これによってフィルム加工時の問題点を改善するにいたっている(特許文献2)。
しかしながら、当該発明によれば、高分子量であっても溶媒に対する溶解性が改善されて優れた製膜性を得ることができるものの、スルホン酸当量を2.2meq/g以上に増大させた場合には、該重合体からなる固体高分子電解質膜の耐水性が低下して、高温高湿度環境下で固体高分子電解質膜が膨潤し、スルホン化ポリアリーレン系高分子の一部が溶出するなどの課題が明らかとなった。これは、得られるポリマーの分岐点が、親水性ユニットとなるモノマーと、疎水ユニットとなるモノマーとの間でランダムに挿入される合成方法のため、モノマーの比率が多い親水性ユニットの高密度化が逆に起こり易くなっているためと考えられる。
米国特許第5,403,675号公報 特開2003−113226号公報 Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730 (1993) Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492 (1993) Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736 (1994)
本発明の課題は、スルホン酸基の導入量を増加して高いプロトン伝導性を有しつつ、高温加湿条件下でも膨潤しにくく優れた寸法安定性を有する分岐状スルホン化ポリアリーレン系重合体およびその電解質膜を提供することにある。本発明の分岐状スルホン化ポリアリーレン系重合体は、固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜用の材料として好適に用いられる。
なお、ここで、固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性を有するプロトン伝導性を有する高分子電解質膜(プロトン伝導膜)の両面に電極を設け、改質ガス等の水素を含む燃料ガスを一方の電極(燃料極)へ供給し、空気等の酸素を含む酸化剤ガスを他方の電極(空気極)へ供給し、燃料が酸化する際に発生する化学エネルギーを、直接電気エネルギーとして取り出す電池である。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく、鋭意研究した結果、分岐点を有しスルホン酸基を有しない特定の構造ブロック(スルホン酸基を有するブロックとの比較において疎水的であるため、「疎水ブロック」ともいう。)およびスルホン酸基を有する構造ブロック(「親水ブロック」ともいう。)からなるスルホン化ポリアリーレン系高分子を合成し、該高分子を用いることにより問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の態様は、以下[1]〜[8]に示される。
[1]下記一般式(1)で表される芳香族化合物;
Figure 0005262227
(R01は、下記式(1a)および(1b)で表される構造単位がそれぞれ独立に1〜40個結合し
てなる。該式(1a)および(1b)の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a)で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下記式(1b)で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形成してもよい。)
Figure 0005262227
(式(1)、(1a)、および(1b)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し
、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO−
、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基からな
る群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2)〜(4)で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である
。)
Figure 0005262227
[式(2)〜(4)中、X、A、D、Bおよびは上記一般式(1)、(1a)、および(1b)と同じ定
義であり、H01は下記式(2-a)〜(2-b)で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造
である。
1〜R36は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。]
Figure 0005262227
[式(2-a)および(2-b)中、Xは前記式(1)と同じであり、Wは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C
(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じで
ある。また、sは0〜4の整数を示す。]
[2]下記式(1A)で表される[1]の芳香族化合物。
Figure 0005262227
(式中、Aは、互いに同一であっても異なっていてもよく、−CO−または−SO2−で
あり、Bは酸素原子であり、Dは−C(CF3)2−であり、Xは塩素原子である。また、l、mは、l+m=100であり、l,m>0である)
[3]下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを縮合させたものである[1]の芳香族化合物。
Figure 0005262227
[式中、X'はハロゲン原子、B'は-OH基または-SH基を示す。X、A、D、、W1〜R39、q、r、sは前記したものと同じである。]
[4]下記式(1')で表される構造および下記式(5)で表される構造を有する分岐状ポリアリーレン系共重合体;
Figure 0005262227
(R01は、下記式(1a')および(1b')で表される構造単位がそれぞれ独立に1〜40個結合してなる。該式(1a')および(1b')の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下記式(1b')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形成してもよい。)
Figure 0005262227
[式中、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−
SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基
からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2')〜(4')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構
造である。
Figure 0005262227
[式(2')〜(4')中、A、D、Bおよびは上記一般式(1')と同じ定義であり、H01は下記式(2-a')〜(2-b')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
1〜R36は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。]
Figure 0005262227
[式(2-a')および(2-b')中、Wは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−C
OO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の
整数を示す。]
Figure 0005262227
[式(5)中、Vは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なく
とも1種の構造を示し、Z01は直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは−CO−または−SO2−または−SO−を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。
tは0〜2の整数を示し、uは0〜2の整数を示し、jは0〜2の整数を示す(ただし、uが
1〜2の場合はjは0であり、jが1〜2の場合uは0である)。lおよびkは、1〜4
の整数を示す。]
[5]前記式(5)で表される構造が、下記式(5a)で表される化合物から誘導されるものである[4]の分岐状ポリアリーレン系共重合体。
Figure 0005262227
[6]前記重合体が、下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを縮合させたのち、得られた芳香族化合物と、下記式(10)で表されるスルホン酸化合物とを反応させ、さらにスルホン酸エステル基を加水分解またはエステル交換反応を行い、スルホン酸基としたものである[4]の分岐状ポリアリーレン系共重合体。
Figure 0005262227
[式中、X'、B'、X、A、D、、V、W、R1〜R39、q、r、s、l、k、Z01Y、t、uは前記した通りである。また、Ar'は、−SO3Rまたは−O(CH2)pSO3Rまたは−O(CF2)pSO3Rで表される置換基を有する芳香族基を示す。Rは、互いに独立に、炭素数4〜12のアルキル基を示す。]
[7]前記[4]または[5]の分岐状ポリアリーレン系共重合体から得られることを特徴とする固体高分子電解質。
[8][4]または[5]の分岐状ポリアリーレン系共重合体から得られることを特徴とするプロトン伝導膜。
本発明によれば、分岐状ポリアリーレン系重合体が得られ、該重合体を用いることにより、高いスルホン酸当量の電解質膜としても、高温高加湿条件下において優れた膨潤抑制効果を発揮し、寸法変化の小さい電解質膜を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<新規芳香族化合物>
本発明の芳香族化合物(以下、「分岐点を有する芳香族化合物」という。)は、下記一般式(1)で表される。本芳香族化合物を用いてポリアリーレン系高分子を合成することにより、一定個所に特定した分岐点を有する該高分子を得ることができる。
Figure 0005262227
Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し、好ましくは塩素、臭素、ヨウ素の内のいずれかであり、更に好ましくは塩素である。
A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO−
、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基からな
る群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、好ましくは−O−、−CO−、−SO2
−、−SO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の
整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン
化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基であり、更に好まし
くは−CO−、−SO2−、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基である
1〜R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基であり、好ましくは水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリール基、およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基である。
R01は、下記式(1a)および(1b)で表される構造単位がそれぞれ独立に1〜40個結合し
たものである。該式(1a)および(1b)の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a)で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下記式(1b)で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形成してもよい。
Figure 0005262227
A、Dは前記した通りである。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、好ましくは酸素原子である。
Qは下記式(2)〜(4)で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造であり、
後述のポリアリーレン系高分子の高分子鎖の分岐点となる構造を与える。
また、q、rは0〜4の整数を示す。また、式(1a)で表される構造単位の比率(n)および(1b)で表される構造単位の比率(m)は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+m=1である。
Figure 0005262227
[式(2)〜(4)中、X、A、D、Bおよびは上記一般式(1)、(1a)、および(1b)と同じ定
義であり、H01は下記式(2-a)〜(2-b)で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造
である。
1〜R8は前記した通りであり、R24〜R36は互いに同一でも異なっていてもよく、R1〜R8と同じである。
q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
Figure 0005262227
Figure 0005262227
[式(2-a)および(2-b)中、Xは前記した通りである。またWは−CO−、−SO2−、−
SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造であり、好ましくは−CO−、
−SO2−、−SO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造であり、さらに好ましくは−CO−、−SO2
−、−SO−である。
Zは直接結合または、−(CH2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造であり、好ましくは、−O−である。R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の整数を示す。ま
た、sは0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0〜1である。
分岐点を有する芳香族化合物の分子量は、通常、4000〜20000であり、好ましくは、6000〜15000である。該分子量が、20000を超えるとスルホン酸を有しない式(1’)の構造ユニットが大きすぎるため分岐状スルホン化ポリアリーレン系重合体が大きな疎水的構造ユニットを有することとなり該重合体中の荷電分布が不均一となって、スルホン酸当量を増大させた場合に該重合体からなる固体高分子電解質膜の耐水性が低下する問題を生じる場合があり、他方、4000未満であると、後述の式(5)で表されるスルホン酸を有する親水性ユニットが小さな式(1’)の構造ユニットを介して集合する結果となるため、同じく該重合体中の荷電分布が不均一となって、スルホン酸当量を増大させた場合に該重合体からなる固体高分子電解質膜の耐水性が低下する問題を生じる場合がある。
<芳香族化合物の合成方法>
本発明に係る分岐点を有する芳香族化合物は、下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを、縮合させたものである。 具体的には、〔1〕ハロゲン化合物であるモノマーと〔2〕フェノール性水酸基若しくはフェノール性チオール基を有するモノマーとを縮合反応させて得られるものであるが、その際に、〔1〕ハロゲン化合物であるモノマーの一部又は〔2〕フェノール性水酸基若しくはフェノール性チオール基を有するモノマーの一部に分岐点構造を有するモノマーを含めることにより合成される。具体的には、下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを、縮合させたものである。
分岐構造を有しないモノマーとしては、ハロゲン化合物である下記式(6)で表されるモノマーおよびフェノール性水酸基又はフェノール性チオール基を有する化合物である下記式(7)で表されるモノマーを挙げることができる。一方、分岐構造を有するモノマーとしては、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)で表されるモノマーおよびフェノール性水酸基又はフェノール性チオール基を有する化合物である下記式(9)で表されるモノマーを挙げることができる。
以下、便宜的に、下記式(6)で表される化合物を「モノマー(A)」と、下記式(7)で表される化合物を「モノマー(B)」と、下記式(8−a)、(8−b)若しくは(8−c)で表される化合物をそれぞれ「モノマー(C−a)」、「モノマー(C−b)」、「モノマー(8−c)」と、下記式(6)で表される化合物を「モノマー(A)」という。また、式(8−a)、(8−b)又は(8−c)で表される化合物を総称して、「モノマー(C)」ともいう。下記式(9)で表される化合物を「モノマー(D)」という。
すなわち分岐構造を有しない構造単位は、モノマー(A)とモノマー(B)の結合により得られ、分岐構造を有する構造単位は、モノマー(C)とモノマー(B)の結合又はモ
ノマー(A)とモノマー(D)の結合により得られる。
分岐構造を有しないモノマー
[モノマー(A)]
Figure 0005262227
(式(6)中、X’はハロゲン原子を示し、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の内のいずれかであり、好ましくはフッ素、塩素であり、更に好ましくはフッ素である。フッ素は、後述する重合体製造工程で、反応選択性が高く、所望の重合体を効率よく調製することができる。
A、R1〜R8、qは前記した通りである。)
[モノマー(B)]
Figure 0005262227
(式(7)中、B’は-OH基または-SH基を示し、D、R9〜R16、rは前記した通りで
ある。)
分岐構造を有するモノマー
[モノマー(C)]
Figure 0005262227
(式(8-a)中、XおよびX’、D、R17〜R23、qは前記した通りである。)
Figure 0005262227
(式(8-b)および(8-c)中、XおよびX’、W、R37〜R39、sは前記した通りである。)
[モノマー(D)]
Figure 0005262227
(式(9)中、XおよびX’、B’、R24〜R36は前記した通りである。)
上記モノマー(A)の具体例としては、下記式で示されるような化合物が挙げられる。
Figure 0005262227
また、上記化合物において、フッ素原子が塩素原子に置き換わった化合物、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、−SO2−が−CO−に置き換わった化合物、ならびに、フッ素原子が塩素原子に置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合
物なども挙げられる。
上記モノマー(B)の具体例としては、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニルー4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン等のビスフェノール化合物、およびその水酸基の酸素原子が硫黄原子に置き換わった化合物が挙げられる。
上記モノマー(C)の具体例としては、下記式で示されるような化合物が挙げられる。
Figure 0005262227
Figure 0005262227
また、上記化合物において、例示した化合物に限られず、フッ素原子が塩素原子に置き
換わった化合物、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、−SO2−が−CO−に置き換わった化合物、ならびに、フッ素原子が塩素原子に置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
本発明にかかる分岐点を有する芳香族化合物は、たとえば、以下に示す求核置換反応により合成することができる。
まず、フェノール性水酸基またはフェノール性チオール基を有する前記モノマー(B)又は(D)を、対応するアルカリ金属塩とする。このために、誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、または、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などのアルカリ金属化合物を加える。上記誘電率の高い極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。上記アルカリ金属は、フェノール性水酸基に対して、通常1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で用いる。
次いで、水と共沸する溶媒、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどを共存させて、上記モノマー(B)又は(D)のアルカリ金属塩と、ハロゲン化物である前記モノマー(A)又は(C)とを反応させる。モノマー(A)及び(C)は、反応性の観点から、フッ素化合物または塩素化合物であることが好ましい。
反応条件のうち、上記モノマー類の比率は、以下の様に設定される。
(a)分岐点を導入するモノマーにモノマー(C)を用いる場合
モノマー(C)の量は、モノマー(A)1モルに対し、0.01〜0.2モル、好ましく
は0.01〜0.1モル、より好ましくは0.03〜0.1モルの範囲の量で用いられる。モノマー(B)の量は、モノマー(A)と(C)の合計で1モルに対し、0.1〜4.
0モル、好ましくは0.3〜2.8モル、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲の量で用いられる。
(b)分岐点を導入するモノマーにモノマー(D)を用いる場合
モノマー(D)の量は、モノマー(B)1モルに対し、0.01〜0.2モル、好まし
くは0.01〜0.1モル、より好ましくは0.03〜0.1モルの範囲の量で用いられる。モノマー(B)と(D)の量は、モノマー(A)1モルに対し、合計で0.1〜4.
0モル、好ましくは0.3〜2.8モル、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲の量で用いられる。
(c)分岐点を導入するモノマーにモノマー(C)、(D)両方を用いる場合
モノマー(C)のモノマー(A)に対する量およびモノマー(D)のモノマー(B)に対する量は、それぞれそれぞれを単独で用いる場合(上記(a)および(b))と同様で用いられる。それぞれの量は、モノマー(A)と(C)の合計で1モルに対し、モノマー
(B)と(D)の合計で0.1〜4.0モル、好ましくは0.3〜2.8モル、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲の量で用いられる。
また、反応温度は60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。
なお、次の共重合反応を考えると、分岐点を有する芳香族化合物の末端基がフッ素原子、塩素原子となるよう、モノマー(A)とモノマー(B)とのモル比を調節することが望ましい。また、必要に応じて、反応に用いたモノマー(A)1モルに対して、0.01〜1モルのモノマー(A)を末端キャップ剤として添加してもよい。
以上に挙げたモノマー(A)〜(D)を用いて製造される芳香族化合物は、たとえば、下記式で表される構造を有する。
Cl−[分岐を有しない構造単位−O−分岐を有する構造単位−O]−[モノマー(A)]−Cl
ここで、[分岐を有しない構造単位−O−分岐を有する構造単位−O]は、1個又は複数の分岐を有しない構造単位と1個又は複数の分岐を有する構造単位が不規則にエーテル結合している構造を示す。また、[モノマー(A)]−Clの構造部分は、モノマー(A)に由来する。
さらに、分岐を有しない構造単位は、下記式で表される構造を有する。
[モノマー(A)]−O−[モノマー(B)]
また、分岐を有する構造単位は、下記式のいずれかで表される構造を有する。
[モノマー(C)]−O−[モノマー(B)]
[モノマー(A)]−O−[モノマー(D)]
ここで、[モノマー(A)]は、モノマー(A)に由来する構造部分を、[モノマー(B)]は、モノマー(B)に由来する構造部分を、[モノマー(C)]は、モノマー(C)に由来する構造部分を、[モノマー(D)]は、モノマー(D)に由来する構造部分をそれぞれ示す。
芳香族化合物の具体例は、下表に示される
Figure 0005262227
このような化合物として、たとえば以下のものが例示される。
Figure 0005262227
Figure 0005262227
以上に挙げたモノマー(A)〜(D)を用いて製造される本発明の芳香族化合物の例として、たとえば下記式(1A)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005262227
式中、Aは、互いに同一であっても異なっていてもよく、−CO−または−SO2−で
あり、Bは酸素原子であり、Dは−C(CF3)2−であり、Xは塩素原子である。
上記例示および式(1A)中、l、mは、l+m=100であり、l,m>0である。lと
mは、用いるハロゲン化モノマーの量により調節可能である。mが多くなれば、より分岐構造の多い重合体が得られ、mが少なくなれば分岐構造の少ない重合体が得られる。
<分岐状ポリアリーレン系重合体>
本発明に係る分岐状ポリアリーレン系重合体は、前記分岐点を有する芳香族化合物に由来する下記式(1’)で表される構造単位[1]を必須成分として含む。さらに、構造単位[1]とともに、(5)式で表されるスルホン酸基を有する構造単位[2]とを有してなる。より詳しくは、該重合体は、構造単位[1]どうしが式(1’)の両末端の結合手を介して又は式(1’)の分岐点の結合手を介して結合すると共に、これらの結合手の少なくとも一部が構造単位[2]と結合した構造を有する。また、構造単位[2]は、構造単位[1]の末端の結合手に結合してもよいし、構造単位[1]の分岐点の結合手に結合してもよい。
Figure 0005262227
(R01は、下記式(1a')および(1b')で表される構造単位がそれぞれ独立に1〜40個結合
してなる。該式(1a')および(1b')の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下
記式(1b')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形
成してもよい。)
Figure 0005262227
[式中、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−
SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基
からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2')〜(4')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構
造である。
Figure 0005262227
[式(2')〜(4')中、A、D、Bおよびは上記一般式(1')と同じ定義であり、H01は下記式(2-a')〜(2-b')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
1〜R36は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。]
Figure 0005262227
[式(2-a')および(2-b')中、Wは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−C
OO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の
整数を示す。]
前記スルホン酸基を有する構造単位[2]としては、下記式(5)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 0005262227
[式(5)中、Vは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なく
とも1種の構造を示し、Z01は直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは−CO−または−SO2−または−SO−を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。
tは0〜2の整数を示し、uは0〜2の整数を示し、jは0〜2の整数を示す(ただし、uが1〜2の場合はjは0であり、jが1〜2の場合uは0である)。lおよびkは、1〜4の整数を示す。]
分岐状ポリアリーレン系重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で、1万〜100万、好ましくは2万〜50万、より好ましくは10万〜40万である。
分岐状ポリアリーレン系重合体のイオン交換容量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜4meq/g、さらに好ましくは0.8〜3.5meq/gである。イオン交換容量が上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低く、発電性能が低くなる傾向にあり、上記範囲を超えると、耐水性が大幅に低下する傾向にある。
上記イオン交換容量は、たとえば、構造単位(1)および(5)の種類、使用割合、組み合わせなどを変えることにより、調整することができる。なお、本発明の分岐状ポリアリーレン系重合体は、構造単位(1)を0.01〜100モル%、好ましくは0.1〜99.99モル%の割合で、さらに好ましくは1〜99.9モル%の割合で、構造単位(5)を99.99〜0モル%、好ましくは99.9〜0.01モル%の割合で、さらに好ましくは99〜0.1モル%の割合で含有することが望ましい。
<スルホン酸基を有する分岐状ポリアリーレン系重合体の製造方法>
本発明の分岐状ポリアリーレン系重合体は、前記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを縮合させたのち、得られた前記式(1)で表される芳香族化合物と
、式(10)で表されるスルホン酸化合物とを反応させ、さらにスルホン酸エステル基を加水分解またはエステル交換反応を行い、スルホン酸基としたものである。
かかる重合体は、たとえば、特開2004−137444号公報に記載の方法で合成することができる。
具体的には、まず、上記したようにして前記式(1)で表される分岐点を有する芳香族化合物を合成したのち、かかる芳香族化合物と、前記式(5)で表される構造単位の前駆体となる下記式(10)で表される化合物を用い、触媒の存在下で共重合させ、スルホン酸エステル基を有する分岐状ポリアリーレンを製造し、該スルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
Figure 0005262227
X、V、Z01、Y、Arおよびt,u,jは前記した通りである。Rは炭素原子数4〜20の炭化
水素基を示し、具体的にはtert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基がより好ましい。)
上記重合の際に用いられる触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、このような触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。) 、または、配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)と、(ii)還元剤とを必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件などは、特開2001−342241号公報に記載されている化合物および条件等を参考にして使用または設定することができる。
式(10)で表される化合物としては、
Figure 0005262227
なお、スルホン酸基は、どの位置に結合していてもよいが、好ましくはメタ位であることが望ましい。これらのなかでも、好ましいのは、下記式(5a)で表される化合物である。
Figure 0005262227
である。
このようなスルホン酸エステル化合物は、たとえば特開2004-137444号公報に記載され
ているように、以下の工程により得ることができる。
(1)スルホン化 スルホン酸ナトリウム塩化(例えば、アセチル硫酸、苛性ソーダ)
例えば、2,5−ジクロロベンゾフェノンの1,2−ジクロロメタン溶液に、5倍モルのアセチル硫酸の1,2−ジクロロメタン溶液を60℃で3〜5時間反応させる。反応後、1−プロパノールで反応を終結させ、3倍モルのNaOH水溶液に注ぐ。得られた溶液を濃縮していくと微粉のスルホン酸ナトリウム塩が得られる。
(2)スルホン酸クロライド化(例えば、塩化ホスホリル)
例えば、2,5−ジクロロベンゾフェノン−3’−スルホン酸ナトリウムに対し、約3〜4倍(重量/容積)の溶媒(スルホラン/アセトニトリル=4/6(容積比)の混合溶媒)に溶解させ、70℃に加温し、塩化ホスホリルを10℃付近で、5時間程度反応させる。反応後、大過剰の冷水で希釈し、生成物を沈殿させる。濾過後、トルエンで再結晶し、精製結晶を得る。
なお、(1)で用いたアセチル硫酸の代わりに5〜10倍モル量のクロロスルホン酸を用いれば、一挙にスルホン化クロリドに転換できる。
(3)スルホン酸エステル化(例えば、i−ブチルアルコール)
例えば、2,5−ジクロロベンゾフェノン−3’−スルホン酸クロライドに対し、等量以上(通常1〜3倍モル)のi−ブチルアルコールとピリジンを冷却した混合溶液に、スルホン酸クロライドを滴下して反応させる。反応は〜20℃までに抑える。反応時間は反応スケールにもよるが10分〜5時間程度である。反応混合液を希塩酸処理、水洗した後、酢酸エチルで目的物を抽出する。抽出液を濃縮分離後、メタノールで再結晶する。
共重合後、スルホン酸エステル基を加水分解するが、かかる加水分解は、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記ポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記ポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)ポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍
モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチルピロリドンなどの溶液中で上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
〔固体高分子電解質膜〕
本発明の固体高分子電解質膜(以下、電解質膜)は、上記のような方法で得られる、上記構造単位(1)および構造単位(5)を有する分岐状ポリアリーレン系重合体を溶剤中で溶解または膨潤させ、それを基体上に流延してフィルム状に成形するキャスティング法などにより成膜することができる。
上記基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、たとえばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
共重合体を溶解または膨潤させる溶媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン、アセトニトリル等の非プロトン系極性溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γーブチルラクトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、溶解性および溶液粘度の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう)が好ましい。
また、上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤と他の溶剤との混合物を用いる場合、該混合物の組成は、非プロトン系極性溶剤が95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%、他の溶剤が5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(ただし、合計を100重量%とする)である。他の溶剤の量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。このような非プロトン系極性溶剤と他の溶剤との組み合わせとしては、非プロトン系極性溶剤としてNMP、他の溶剤として幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があるメタノールが好ましい。
共重合体を溶解させた溶液のポリマー濃度は、共重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。ポリマー濃度が上記範囲よりも低いと、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい傾向にあり、上記範囲を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、共重合体の分子量、ポリマー濃度、添加剤の濃度などによっても異なるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。溶液粘度が上記範囲よりも低いと、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがあり、上記範囲を超えると、粘度が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶媒を水と置換することができ、膜中の残留溶媒量を低減することができる。なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルム(予備乾燥後のフィルムも含む。以下同じ。)を水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式でもよく、基板フィルム(たとえば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、または基板から分離した膜を、水に浸漬させて巻き取っていく連続方式でもよい。また、バッチ方式の場合は、処理後のフィルム表面に皺が形成されることを抑制するために、未乾燥フィルムを枠にはめるなどの方法で、水に浸漬させることが好ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の使用量は、未乾燥フィルム1重量部に対して、10重量部以上、好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上である。水の使用量が上記範囲であれば、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を少なくすることができる。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を低減することに有効である。さらに、プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが効果的である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、置換速度および取り扱いやすさの点から、通常5〜80℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。高温ほど、有機溶媒と水と
の置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も多くなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が悪化することがある。また、フィルムの浸漬時間は、初期の残存溶媒量、水の使用量および処理温度にもよるが、通常10分〜240時間、好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減された膜が得られるが、このようにして得られる膜の残存溶媒量は、通常5重量%以下である。また、浸漬条件によっては、得られる膜の残存溶媒量を1重量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルム1重量部に対する水の使用量が50重量部以上であり、浸漬する際の水の温度が10〜60℃、浸漬時間が10分〜10時間である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間真空乾燥することにより、膜を得ることができる。
本発明のプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン97.6g(290mmol;モノマー(B))、4,4’−ジクロロベンゾフェノン73.9g(294mmol;モノマー(A))、2,4,4’−ト
リクロロベンゾフェノン4.4g(15mmol;モノマー(C−a))、炭酸カリウム52.2g(377mmol)をはかりとった。窒素置換後、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)436mL、トルエン218mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を130℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を190℃に上げ、2時間攪拌を続けた後、反応液を放冷後、テトラヒドロフラン(THF)300mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール3Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、THF600mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、下記一般式(I)で示される
目的物145gを得た。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は12,000であった。また得られた化合物の1H-NMRスペクトルを図1に示す。
Figure 0005262227
<実施例2>
実施例1における、4,4’−ジクロロベンゾフェノンの代わりとして、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン84.5g(294mmol;モノマー(A))を用いること
以外は実施例と同様に行い、下記一般式(II)で示される目的物153gを得た。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は11,000であった。
Figure 0005262227
<実施例3>
3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの調製
Figure 0005262227
攪拌機、冷却管を備えた3Lの三口フラスコに、クロロスルホン酸(233.0g、2モル)を加え、続いて2,5−ジクロロベンゾフェノン(100.4g、400ミリモル
)を加え、100℃のオイルバスで8時間反応させた。所定時間後、反応液を砕氷(1000g)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、淡黄色の粗結晶(3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸クロリド)を得た。粗結晶は精製することなく、そのまま次工程に用いた。
2,2-ジメチル-1-プロパノール(ネオペンチルアルコール)(38.8g、440ミリモル)をピリジン 300mLに加え、約10℃に冷却した。ここに上記で得られた粗結
晶を約30分かけて徐々に加えた。全量添加後、さらに30分撹拌し反応させた。反応後、反応液を塩酸水1000ml中に注ぎ、析出した固体を回収した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、粗結晶を得た。これをメタノールで再結晶し、目的物である3-(2,5-ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの白色結晶を得た。得られた白色粉末の1H-NMRスペクトルを図2に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3-(2,5-ジクロロベ
ンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル51.4g(128.1mmol)、実施例1
で得られたMn12,000の疎水性ユニット(I)22.5g(1.9mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.4g(5.2mmol)、ヨウ化ナトリ
ウム0.58g(3.9mmol)、トリフェニルホスフィン13.64g(52.0mm
ol)、亜鉛20.4g(312mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。
ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)265mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc480mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム31g(355mmol)を加えた。7時間攪拌後
、イオン交換水7Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、アセトン、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体50gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(M
w)は218,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
<実施例4>
実施例3における疎水性ユニット(I)の代わりに実施例2で得られた疎水性ユニット
(II)を用いる以外は同様に行い、目的の重合体50gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は201,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
<比較例1>
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックをとりつけた1Lの三つ口のフラスコに、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロ
パン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'-ジクロロベンゾフェノン(4,4'-DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められ
なくなった。反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4'-D
CBP10.0g(0.40モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノ
ール4Lに再沈殿し、下記式(III)で表される化合物95g(収率85%)を得た。
実施例3における疎水性ユニット(I)の代わりに、式(III)で示されるMn12,000の疎水性ユニットを用いる以外は同様に行い、目的の重合体58gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は196,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
Figure 0005262227
<比較例2>
前記比較例1において、4,4’−ジクロロベンゾフェノンの代わりとして、ビス(4-
クロロフェニル)スルホン(BCPS)を使用し、その最初の仕込量を53.5g(0.214モル)とし、後添加する仕込み量を3.3g(0.0133モル)としたこと、また炭酸カリウムの使
用量を58.0g(0.42モル)に変えた以外は、比較例1と同様にして重合を行った。その結果、式(IV)で表される重合体が96%の収率で120g得られた。GPC(THF溶媒)で求
めたポリスチレン換算の数平均分子量は4,600、重量平均分子量は7,600であった。また、得られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホランなどに可溶で、Tgは158℃、
熱分解温度は513℃であった。
実施例3における疎水性ユニット(I)の代わりに、下記式(IV)で示されるMn11,
000の疎水性ユニットを用いる以外は同様に行い、目的の重合体52gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は190,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
Figure 0005262227
<比較例3>
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,5−ジクロロベンゾフェノン−3’−スルホン酸ネオペンチル51.4g(128.1mmol)、比較例1で用いたMn12,000の疎水性ユニット(III)22.5g(1.9mmol)、2,4,4’−トリクロロベンゾフェノン4.4g(15mmol)、ビス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケルジクロリド3.4g(5.2mmol)、ヨウ化ナトリウム0.58g(3.9mmol)、トリフェニルホスフィン13.64g(52.0mmol)、亜鉛20
.4g(312mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。
ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)250mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc600mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム30g(349mmol)を加えた。7時間攪拌後、イオン交換水7Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、アセトン、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体47gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(M
w)は236,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
[評価方法]
(評価用フィルムの作製)
実施例3,4および比較例1〜3で得られたポリマーをそれぞれ濃度12〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
(分子量)
重合体の分子量は、GPCによってポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。溶媒として臭化リチウムを添加したN−メチル−2−ピロリドンを用いた。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去して十分に洗浄し、乾燥した後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解させ、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
(耐水性試験)
まず、2×3cmに切削した試料膜を23℃50%RHの環境下で8時間以上静置し状態調節した後、重量、長辺と短辺の長さを精密に測定した。同試料膜を耐熱性樹脂容器に入れ、十分な量の水を加えて密栓した後、オーブンまたはプレッシャークッカー試験機を用い、それぞれ95℃、120℃で24時間加熱処理した。加熱終了後、室温まで放冷し、試料膜を取出し、表面の水滴を軽く拭き取った後、各辺の長さ及び膜厚を測定した。さらに、試料膜を23℃50%RHの環境下で8時間以上静置し状態調節した後、膜の重量を測定した。得られた数値を用い、試料の耐水性について以下の通り算出した。
重量保持率(%)=(試験後の膜重量(g)/試験前の膜重量(g))×100
寸法変化率(%)=(試験後の長辺(cm)/試験前の長辺(cm))+(試験後の短辺(c
m)/試験前の短辺(cm))/2×100
膜厚変化率(%)=(試験後の膜厚(μm))/(試験後の膜厚(μm))×100
[評価結果]
得られたフィルムを用い、耐水性試験およびプロトン伝導度の測定を実施した。結果を表2に示す。
Figure 0005262227
表2に示すとおり、本発明の疎水性ユニットを用いて合成されたスルホン化ポリマー(実施例3,4)からなる膜は、高温加湿環境化において優れた膨潤抑制効果を発揮している。
実施例1で得られた化合物の1H-NMRチャートを示す。 3-(2,5-ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの1H-NMRスペクトルを示す。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される芳香族化合物;
    Figure 0005262227
    (R01は、下記式(1a)および(1b)で表される構造単位がそれぞれ独立に1〜40個結合してなる。該式(1a)および(1b)の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a)で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下記式(1b)で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形成してもよい。)
    Figure 0005262227
    (式(1)、(1a)、および(1b)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2)〜(4)で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。)
    Figure 0005262227
    [式(2)〜(4)中、X、A、D、Bおよびは上記一般式式(1)、(1a)、および(1b)と同じ定義であり、H01は下記式(2-a)〜(2-b)で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。R1〜R36は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。]
    Figure 0005262227
    [式(2-a)および(2-b)中、Xは前記式(1)と同じであり、Wは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の整数を示す。]
  2. 下記式(1A)で表される請求項1に記載の芳香族化合物。
    Figure 0005262227
    (式中、Aは、互いに同一であっても異なっていてもよく、−CO−または−SO2−であり、Bは酸素原子であり、Dは−C(CF3)2−であり、Xは塩素原子である。また、l、mは、当該化合物中に占める各構造ブロックのモル分率(%)であって、l+m=100であり、l,m>0である。モル分率lおよびmで示される構造ブロックは、同一の構造ブロックどうしが集合して存在する必要はない。)
  3. 下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを、縮合させたものであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族化合物。
    Figure 0005262227
    [式中、X'はハロゲン原子、B'は-OH基または-SH基を示す。X、A、D、Z、W1〜R39、q、r、sは前記したものと同じである。]
  4. 下記式(1')で表される構造および下記式(5)で表される構造を有する分岐状ポリアリーレン系共重合体;
    Figure 0005262227
    (R01は、下記式(1a')および(1b')で表される構造単位がそれぞれ独立に1〜40個結合してなる。該式(1a')および(1b')の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下記式(1b')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形成してもよい。)
    Figure 0005262227
    [式中、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2')〜(4')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
    Figure 0005262227
    [式(2')〜(4')中、A、D、Bおよびは上記一般式(1')と同じ定義であり、H01は下記式(2-a')〜(2-b')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。R1〜R36は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。]
    Figure 0005262227
    [式(2-a')および(2-b')中、Wは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の整数を示す。]
    Figure 0005262227
    [式(5)中、Vは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Z01は直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは−CO−または−SO2−または−SO−を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。tは0〜2の整数を示し、uは0〜2の整数を示し、jは0〜2の整数を示す(ただし、uが1〜2の場合はjは0であり、jが1〜2の場合uは0である)。lおよびkは、1〜4の整数を示す。]
  5. 前記式(5)で表される構造が、下記式(5a)で表される化合物から誘導されるものであることを特徴とする請求項4に記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体。
    Figure 0005262227
  6. 前記重合体が、下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを縮合させたのち、得られた芳香族化合物と、下記式(10)で表されるスルホン酸化合物とを反応させ、さらにスルホン酸エステル基を加水分解またはエステル交換反応を行い、スルホン酸基としたものであることを特徴とする請求項4に記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体。
    Figure 0005262227
    [式中、X'、B'、X、A、D、、V、W、R1〜R39、q、r、s、l、k、Z01、t、uは前記した通りである。また、Ar'は、−SO3Rまたは−O(CH2)pSO3Rまたは−O(CF2)pSO3Rで表される置換基を有する芳香族基を示す。Rは、互いに独立に、炭素数4〜12のアルキル基を示す。]
  7. 請求項4または5に記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体から得られることを特徴とする固体高分子電解質。
  8. 請求項4または5に記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体から得られることを特徴とするプロトン伝導膜。
JP2008081682A 2008-03-26 2008-03-26 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜 Expired - Fee Related JP5262227B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008081682A JP5262227B2 (ja) 2008-03-26 2008-03-26 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008081682A JP5262227B2 (ja) 2008-03-26 2008-03-26 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009235202A JP2009235202A (ja) 2009-10-15
JP5262227B2 true JP5262227B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=41249565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008081682A Expired - Fee Related JP5262227B2 (ja) 2008-03-26 2008-03-26 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262227B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5339757B2 (ja) * 2008-03-26 2013-11-13 Jsr株式会社 高分子型燃料電池用電極電解質およびその用途
WO2013183386A1 (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Jsr株式会社 共重合体、組成物、高分子電解質膜、膜-電極接合体および固体高分子型燃料電池

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3840942B2 (ja) * 2001-10-03 2006-11-01 Jsr株式会社 分岐状ポリアリーレン系共重合体の製法、スルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体の製法およびスルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体からなるプロトン伝導膜
JP3975908B2 (ja) * 2002-08-22 2007-09-12 Jsr株式会社 新規な芳香族スルホン酸エステル誘導体、ポリアリーレン、スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびその製造方法、ならびにプロトン伝導膜およびその製造方法
JP4788136B2 (ja) * 2003-12-09 2011-10-05 Jsr株式会社 プロトン伝導膜およびその製造方法
KR100657740B1 (ko) * 2004-12-22 2006-12-14 주식회사 엘지화학 브랜치된 술폰화 멀티 블록 공중합체 및 이를 이용한전해질막
JP2006176682A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Jsr Corp アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー
JP2006206779A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Toyobo Co Ltd スルホン酸基含有ポリマー、そのポリマーを含むポリマー組成物、そのポリマーを用いたイオン交換樹脂およびイオン交換膜、そのイオン交換膜を用いて得られる膜/電極接合体および燃料電池、並びにそのポリマーの製造方法
JP4994945B2 (ja) * 2007-05-18 2012-08-08 Jsr株式会社 高分子型燃料電池用電極電解質およびその用途
JP2009238468A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009235202A (ja) 2009-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2615494C (en) Nitrogen-containing aromatic compounds, and production process, polymers and proton conductive membranes of the compounds
CA2548439C (en) Proton conductive membrane and production thereof
KR101338588B1 (ko) 방향족 화합물 및 술폰화 폴리아릴렌계 중합체
JP4269777B2 (ja) 新規な芳香族スルホン酸エステル誘導体、ポリアリーレン、スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
JP4428181B2 (ja) ニトリル型疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP2007294408A (ja) Ppp型炭化水素電解質及びその製造方法、ppp、並びに、ppp型炭化水素電解質を用いた電解質膜、触媒層及び固体高分子型燃料電池
JP5417864B2 (ja) 重合体およびプロトン伝導膜
JP2006299080A (ja) 多スルホン化芳香族化合物、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜
KR20090005215A (ko) 플루오렌 골격을 갖는 방향족 화합물 및 술폰산기를 갖는 폴리아릴렌
JP4505573B2 (ja) 芳香族スルホン酸誘導体、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜
JP4876410B2 (ja) 直接メタノール型燃料電池用プロトン伝導膜
WO2011046234A1 (ja) ポリアリーレン系共重合体及びその用途
JP5262227B2 (ja) 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜
JP5597924B2 (ja) 芳香族化合物およびスルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体、ならびにその用途
JP4356546B2 (ja) スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP2010031231A (ja) 新規な芳香族化合物および含窒素芳香環を有するポリアリーレン系共重合体
JP2009238468A (ja) 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体
JP5692226B2 (ja) スルホン酸基を有するポリアリーレン系ブロック共重合体、ならびにその用途
JP2005112985A (ja) 疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP2006176682A (ja) アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー
JP2006298794A (ja) 芳香族スルホン酸誘導体、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜
JP2006299081A (ja) 多核芳香族スルホン酸誘導体、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜
JP2005135652A (ja) 高分子電解質組成物およびプロトン伝導膜
JP2006299082A (ja) ニトリル基を有する芳香族スルホン酸誘導体、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜
JP6179080B2 (ja) 高分子電解質材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100922

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5262227

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees