JP5262192B2 - 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5262192B2
JP5262192B2 JP2008053379A JP2008053379A JP5262192B2 JP 5262192 B2 JP5262192 B2 JP 5262192B2 JP 2008053379 A JP2008053379 A JP 2008053379A JP 2008053379 A JP2008053379 A JP 2008053379A JP 5262192 B2 JP5262192 B2 JP 5262192B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biphenylyl
formula
naphthyl
group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008053379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008247895A5 (ja
JP2008247895A (ja
Inventor
洋平 小野
大輔 馬場
内田  学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
JNC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JNC Corp filed Critical JNC Corp
Priority to JP2008053379A priority Critical patent/JP5262192B2/ja
Publication of JP2008247895A publication Critical patent/JP2008247895A/ja
Publication of JP2008247895A5 publication Critical patent/JP2008247895A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262192B2 publication Critical patent/JP5262192B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、3,4’−ビピリジル基を有する新規な電子輸送材料、この電子輸送材料を用いた有機電界発光素子(以下、有機EL素子または単に素子と略記することがある。)等に関する。
近年、次世代のフルカラーフラットパネルディスプレイとして有機EL素子が注目され、活発な研究がなされている。有機EL素子の実用化を促進するには、素子の駆動電圧の低減、長寿命化が不可欠な要素であり、これらを達成するために新しい電子輸送材料の開発がなされてきた。特開2003−123983号公報(:特許文献1)には、フェナントロリン誘導体を電子輸送材料に使用することで有機EL素子を低電圧で駆動させることができると記載されており、更に、フェナントロリンの類似体である2,2’−ビピリジル化合物も同様に、電子輸送材料に使用することで有機EL素子を低電圧で駆動させることができると記載されている。しかしながらこの文献の実施例に報告されている素子の特性(駆動電圧、発光効率など)は比較例を基準にした相対値のみであり、実用的な値と判断できる実測値は記載されていない。他に、2,2’−ビピリジル化合物を電子輸送材料に使用した例は、Proceedings of the 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(:非特許文献1)、特開2002−158093号公報(:特許文献2)、および特表平11−514143号公報(:特許文献3)に開示されている。非特許文献1に記載されている2,2’−ビピリジル化合物はガラス転移温度(以下、Tgと略記する。)が低く、実用的ではなかった。特許文献3に記載の2,2’−ビピリジル化合物は比較的低電圧で有機EL素子を駆動させることができるが、実用化には更なる低電圧化が望まれる。特許文献3には、具体的な化合物が示されていない。
特開2003−123983号公報 特開2002−158093号公報 特表平11−514143号公報 Proceedings of the 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。本発明は、有機EL素子の駆動電圧の低減、長寿命化等に寄与する電子輸送材料を提供することを課題とする。さらに本発明は、この電子輸送材料を用いた有機EL素子を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、3,4’−ビピリジルを有する化合物を有機EL素子の電子輸送層に用いることにより、高輝度で長寿命、かつ低電圧で駆動できる有機EL素子が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
上記の課題は以下に示す各項によって解決される。
[1]下記の式(1)で表される化合物。

Figure 0005262192
式中、Gはn価の連結基であり、nは2〜4の整数であり;
〜Rは独立して水素、1価の基またはGに結合する遊離原子価であり、R〜Rは独立して水素または1価の基であるが、R〜Rの1つはGに結合する遊離原子価であり;そして、n個の3,4’−ビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよい。

[2]R〜Rの1つがGに結合する遊離原子価であり、それ以外が水素であり、R〜R8が水素である、前記[1]項に記載の化合物。
[3]下記の式(2)で表される、前記[2]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gは下記の式(G1)〜(G3)で表される連結基の群から選択される1つであり;R〜R12の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素であり;そして、R13〜R16の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素である。

Figure 0005262192
式中、Gは独立して、下記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である。

Figure 0005262192

Figure 0005262192

Figure 0005262192

上記の式中、Rは独立して水素、炭素数1〜8のアルキル、炭素数3〜10のシクロアルキル、または炭素数6〜20のアリールであり;式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物から誘導される2価の基は、遊離原子価を持つ原子以外の位置に置換基を有していてもよい。
[4]下記の式(2−1)で表される、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gの定義は前記[3]項に記載の式(2)におけるGと同じである。

[5]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[4]項に記載の化合物。

[6]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−4)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[4]項に記載の化合物。

[7]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが下記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[4]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Rは独立して水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルであり;式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に置換基を有していてもよい。

[8]Gが前記の式(G2)で表される連結基であり、式(G2)中、Gが前記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される同一の2価の基である、前記[4]項に記載の化合物。

[9]Gが前記の式(G2)で表される連結基であり、式(G2)中、Gが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基である、前記[4]項に記載の化合物。

[10]Gが下記の式(G3−1)〜(G3−3)で表される連結基の群から選択される1つである、前記[4]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、G1Aは独立して、前記の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であり;G1Bは独立して、前記の記載の式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である。

[11]Gが式(G3−2)で表される連結基であり;G1Aが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基であり、G1Bが下記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[10]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Rは独立して水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルであり;式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に置換基を有していてもよい。

[12]Gが式(G3−3)で表される連結基であり;G1Aが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1Bが前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である、前記[10]項に記載の化合物。

[13]Gが下記の式(G3−4)で表される連結基である、前記[10]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、G1B1は前記の式(D−1)〜(D−5)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1B2は前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である。
[14]下記の式(2−2)で表される、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gの定義は前記[3]項に記載の式(2)におけるGと同じである。

[15]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[14]項に記載の化合物。

[16]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−4)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[14]項に記載の化合物。

[17]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[14]項に記載の化合物。

[18]Gが式(G2)で表される連結基であり、式(G2)中Gが前記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される同一の2価の基である、前記[14]項に記載の化合物。

[19]Gが前記の式(G2)で表される連結基であり、式(G2)中Gが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基である、前記[14]項に記載の化合物。

[20]Gが下記の式(G3−1)〜(G3−3)で表される連結基の群から選択される1つである、前記[14]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、G1Aは独立して、前記の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であり;G1Bは独立して、前記の式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である。

[21]Gが式(G3−2)で表される連結基であり;G1Aが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基であり、G1Bが前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[20]項に記載の化合物。

[22]Gが式(G3−3)で表される連結基であり;G1Aが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1Bが前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である、前記[20]項に記載の化合物。

[23]Gが下記の式(G3−4)で表される連結基である、前記[20]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、G1B1は前記の式(D−1)〜(D−5)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1B2は前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である。
[24]下記の式(2−3)で表される、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gの定義は前記[3]項に記載の式(2)におけるGと同じである。

[25]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[24]項に記載の化合物。

[26]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−4)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[24]項に記載の化合物。

[27]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[24]項に記載の化合物。

[28]Gが前記の式(G2)で表される連結基であり、式(G2)中Gが前記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される同一の2価の基である、前記[24]項に記載の化合物。

[29]Gが前記の式(G2)で表される連結基であり、式(G2)中Gが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基である、前記[24]項に記載の化合物。

[30]Gが下記の式(G3−1)〜(G3−3)で表される連結基の群から選択される1つである、前記[24]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、G1Aは独立して、前記の記載の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であり;G1Bは独立して、前記の式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である。

[31]Gが前記の式(G3−2)で表される連結基であり;G1Aが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基であり、G1Bが前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[30]項に記載の化合物。

[32]Gが式(G3−3)で表される連結基であり;G1Aが前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1Bが前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である、前記[30]項に記載の化合物。

[33]Gが下記の式(G3−4)で表される連結基である、前記[30]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、G1B1は前記の式(D−1)〜(D−5)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1B2は前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である。
[34]下記の式(2−4)で表される、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gの定義は前記[3]項に記載の式(2)におけるGと同じである。

[35]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である、前記[34]項に記載の化合物。

[36]Gが前記の式(G1)で表される連結基であり、式(G1)中Gが前記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つである、前記[34]項に記載の化合物。
[37]下記の式(3)で表される、前記[2]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gは下記の式(G4)または(G5)で表される連結基であり;R17〜R20の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素であり;R21〜R24の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素であり;R25〜R28の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素である。

Figure 0005262192
式中、Gは独立して、前記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であり;G2Aは、下記の式(E−1)〜(E−9)で表される3価の基の群から選択される1つであり、G2Bはホウ素、ホスホリル基、または式(E−1)〜(E−9)で表される3価の基の群から選択される1つである。

Figure 0005262192

[38]Gが式(G5)で表される連結基であり、式(G5)においてGが同一である、前記[37]項に記載の化合物。
[39]下記の式(4)で表される、前記[2]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
式中、Gは下記の式(G6)または(G7)で表される連結基であり;R29〜R32の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素であり;R33〜R36の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素であり;R37〜R40の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素であり;R41〜R44の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素である。

Figure 0005262192
式中、Gは独立して、前記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であり;G3Aは、下記の式(F−1)〜(F−8)で表される4価の基の群から選択される1つであり;G3Bは炭素、ケイ素、式(F−1)〜(F−8)で表される4価の基の群から選択される1つである。

Figure 0005262192

[40]Gが式(G7)で表される連結基であり、式(G7)においてGが同一である、前記[39]項に記載の化合物。
[41]Gが下記の式(5)で表される連結基である、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
上記の式中、R45は水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。

[42]Gが前記の式(5)で表される連結基である、前記[4]項に記載の化合物。

[43]Gが前記の式(5)で表される連結基である、前記[14]項に記載の化合物。
[44]Gが下記の式(6)で表される連結基である、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
上記の式中、R46〜R49は独立して水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。

[45]Gが前記の式(6)で表される連結基である、前記[4]項に記載の化合物。

[46]Gが前記の式(6)で表される連結基である、前記[14]項に記載の化合物。
[47]Gが下記の式(7)で表される連結基である、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
上記の式中、R50およびR51は独立して水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。

[48]Gが前記の式(7)で表される連結基である、前記[4]項に記載の化合物。

[49]Gが前記の式(7)で表される連結基である、前記[14]項に記載の化合物。
[50]Gが下記の式(8)で表される連結基である、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192

[51]Gが前記の式(8)で表される連結基である、前記[4]項に記載の化合物。

[52]Gが前記の式(8)で表される連結基である、前記[14]項に記載の化合物。
[53]Gが下記の式(9)で表される連結基である、前記[3]項に記載の化合物。

Figure 0005262192
上記の式中、R52は独立してフェニル、ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。

[54]Gが前記の式(9)で表される連結基である、前記[4]項に記載の化合物。

[55]Gが下記の式(9)で表される連結基である、前記[14]項に記載の化合物。
[56]前記[1]〜[55]項のいずれか1項に記載の化合物を含有する有機電界発光素子。

[57]陽極および陰極により挟持された、少なくとも正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を基板上に有する有機電界発光素子であって、該電子輸送層が、前記[1]〜[55]項のいずれか1項に記載の化合物を含有する有機電界発光素子。
本発明の化合物は薄膜状態で電圧を印加しても安定であり、また、電荷の輸送能力が高いという特徴を持つ。本発明の化合物は有機EL素子における電荷輸送材料として適している。本発明の化合物を有機EL素子の電子輸送層に用いることで、駆動電圧が低く、長寿命の有機EL素子を得ることができる。本発明の有機EL素子を用いることにより、フルカラー表示等の高性能のディスプレイ装置を作成できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<化合物の説明>
本願の第1の発明は、下記の式(1)で表される、3,4’−ビピリジル基を有する化合物である。

Figure 0005262192
式中、Gは単結合ではないn価の連結基である。n価の連結基とはn価の原子、n価の基およびn個の遊離原子価をもつ環系を指す総称であり、かつ、n価の連結基はこれらを組み合わせて構成されてもよい。n価の連結基が非対称な構造である場合も、n個の3,4’−ビピリジル基は該連結基の任意の位置に結合してよい。n価の連結基Gについての詳しい説明は後述する。nは2〜4の整数である。
本明細書中、R1〜R8と3,4’−ビピリジル核で形成される基のことを3,4’−ビピリジル基と称する。3,4’−ビピリジル基におけるR1〜Rの1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は独立して水素または1価の基である。R〜Rは独立して水素または1価の基である。n個の3,4’−ビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。なお、前記の連結基Gにおける「n個の遊離原子価」および、3,4’−ビピリジル基における「Gに結合する遊離原子価」という表記は、Gおよび3,4’−ビピリジル基が遊離基(ラジカル)で存在する事を表すものではない。「遊離原子価」とは、共有結合によって他の基や原子と結合している、いわゆる「結合手」のことを表す。すなわち、「3,4’−ビピリジル基におけるR1〜Rの1つはGに結合する遊離原子価であり」という表記は、3,4’−ビピリジル基におけるR1〜Rのどれか1つが連結基Gの遊離原子価を持つ原子に結合している状態を表すものである。
〜Rにおける1価の基は、ニトロ基、シアノ基、ジメシチルボリル基、炭素数6〜12のアリール、または炭素数1〜12のアルキルである。このアルキルは直鎖でも分岐鎖でも環状でもよい。1価の基の具体例はフェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシルである。R〜Rは水素が好ましい。
3,4’−ビピリジル基は、R、RまたはRがGに結合することが好ましい。Gとの結合に関与しないR〜Rは水素であることが好ましい。
式(1)において、nは2が最も好ましく、次に3が好ましく、その次に4が好ましい。その理由の1つは化合物が製造し易いことである。2つめは、分子量が極端に大きくならず比較的昇華性が高くなると考えられ、有機EL素子の製造時製膜し易いという利点が見込めることである。
<n=2である化合物>
nが2である化合物は、詳しくは下記の式(2)で表される。

Figure 0005262192
〜R12の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R、R10またはR11がGに結合することが好ましい。R13〜R16の1つはGに結合する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R13、R14またはR15がGに結合することが好ましい。2つの3,4’−ビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。また、n=2の場合、Gはパラテルフェニレンの持つエネルギーギャップより小さくなる事が好ましい。その理由はπ共役系が拡がる事で隣接分子間の電荷移動が容易になると考えられ、駆動電圧の低下に繋がることが期待されるからである。
Gは下記の式(G1)〜(G3)で表される連結基の群から選択される1つである。式(G2)および(G3)において、Gは同一でもよく、異なっていてもよい。

Figure 0005262192
は独立して、下記の式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基である。以降、式(A−1)〜(A−21)で表される化合物の群をA群、式(B−1)〜(B−41)で表される化合物の群をB群と称することがある。
Figure 0005262192
Figure 0005262192
Figure 0005262192
上記の式(A−1)〜(A−21)および(B−1)〜(B−40)において、Rは独立して水素、炭素数1〜8のアルキル、炭素数3〜10のシクロアルキル、または炭素数6〜20のアリールである。炭素数1〜8のアルキルは直鎖および分岐鎖どちらでもよく、炭素数1〜8の直鎖アルキルまたは炭素数3〜8の分岐鎖アルキルがあげられる。炭素数1〜8の直鎖アルキルの例はメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルである。炭素数3〜8の分岐鎖アルキルの例はイソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1−メチルヘキシル、t−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチルなどである。炭素数3〜10のシクロアルキルの例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどである。炭素数6〜20のアリールの例はフェニル、トリル、キシリル、ビフェニリル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、テルフェニリル、フルオレニル、ピレニルなどである。好ましいRは水素、メチル、エチル、ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、および2−ナフチルである。
式(A−1)〜(A−21)および式(B−1)〜(B−41)で表される化合物から誘導される2価の基は、遊離原子価を持つ原子以外の位置に置換基を有していてもよい。置換基の具体例はフェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、m−テルフェニル−2’−イル及びm−テルフェニル−5’−イルである。
<n=3である化合物>
nが3である化合物は、詳しくは下記の式(3)で表される。

Figure 0005262192
17〜R20の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R17、R18またはR19がGに結合することが好ましい。R21〜R24の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R21、R22またはR23がGに結合することが好ましい。R25〜R28の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R25、R26またはR27がGに結合することが好ましい。3つの3,4’−ビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
Gは下記の式(G4)または(G5)で表される連結基である。式(G5)において、Gは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。

Figure 0005262192
は独立して、前記のA群およびB群の化合物から選択される1つから誘導される2価の基である。
2Aは、下記の式(E−1)〜(E−9)で表される3価の基の群から選択される1つであり、G2Bはホウ素、ホスホリル基、または式(E−1)〜(E−9)で表される3価の基の群から選択される1つである。

Figure 0005262192
<n=4である化合物>
nが4である化合物は、詳しくは下記の式(4)で表される。

Figure 0005262192
29〜R32の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R29、R30またはR31がGに結合することが好ましい。R33〜R36の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R33、R34またはR35がGに結合することが好ましい。R37〜R40の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R37、R38またはR39がGに結合することが好ましい。R41〜R44の1つはGに連結する遊離原子価であり、それ以外は水素である。ここで、R41、R42またはR43がGに結合することが好ましい。4つの3,4’−ビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
Gは下記の式(G6)または(G7)で表される連結基である。式(G7)において、Gは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。

Figure 0005262192
は独立して、前記のA群およびB群の化合物から選択される1つから誘導される2価の基である。
3Aは、下記の式(F−1)〜(F−8)で表される4価の基の群から選択される1つであり、G3Bは炭素、ケイ素、または式(F−1)〜(F−8)で表される4価の基の群から選択される1つである。

Figure 0005262192
<n=2である化合物のさらに詳細な説明>
nが2である好ましい化合物は下記の式(2−1)〜(2−4)で表される。

Figure 0005262192

Figure 0005262192

Figure 0005262192

Figure 0005262192
式(2−1)〜(2−4)においては、式(2−1)および(2−2)が好ましい。式(2−1)〜(2−4)においては、Gは式(G1)であることが好ましく、次いで式(G3)であることが好ましく、次いで式(G2)であることが好ましい。
式(2−1)〜(2−4)において、Gが式(G1)であるとき、Gは前記のA群の化合物から選択される1つから誘導される2価の基であることが好ましく、A群の中でも式(A−1)〜(A−4)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であることがより好ましく、下記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つであることがさらに好ましい。C群の中では下記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される1つであることが好ましい。

Figure 0005262192
Rは独立して水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルである。式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に置換基を有していてもよい。置換基の具体例はフェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、m−テルフェニル−2’−イル及びm−テルフェニル−5’−イルである。
式(2−1)〜(2−3)において、Gが式(G2)であるとき、Gは前記のA群およびB群の化合物から選択される1つから誘導される同一の2価の基であることが好ましく、式(A−1)〜(A−4)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される同一の2価の基であることがより好ましく、前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基であることがさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−3)において、Gが式(G3)であるとき、さらに詳しくは下記の式(G3−1)〜(G3−3)で表される連結基であることが好ましい。

Figure 0005262192
1Aは独立して、前記のA群の化合物から選択される1つから誘導される2価の基であり、G1Bは独立して、前記のB群の化合物から選択される1つから誘導される2価の基である。
式(2−1)〜(2−4)において、Gが式(G3−1)で表される連結基であるとき、G1Bは下記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基であることが好ましい。

Figure 0005262192
Rは水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルである。式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に置換基を有していてもよい。置換基の具体例はフェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシルである。
式(2−1)〜(2−3)において、Gが式(G3−2)で表される連結基であるとき、G1Aは前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される同一の基であり、G1Bは前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される1つであることが好ましい。
式(2−1)〜(2−3)において、Gが式(G3−3)で表される連結基であるとき、G1Aは前記の式(C−1)〜(C−6)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1Bは前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基であることが好ましい。
式(2−1)〜(2−3)において、Gが式(G3−1)で表される連結基であるとき、Gはさらに詳しくは式(G3−4)で表される連結基であることがより好ましい。

Figure 0005262192
1B1は前記の式(D−1)〜(D−5)で表される2価の基の群から選択される1つであり、G1B2は前記の式(D−1)〜(D−12)で表される2価の基の群から選択される同一の基である。
<化合物の具体例>
本発明の化合物の具体例は以下に列記する式によって示されるが、本発明はこれらの具体的な構造の開示によって限定されることはない。なお、下記の具体例において、Meはメチルを示し、t−Buはt−ブチルを示す。
<式(2−1)で表される化合物の具体例>
式(2−1)で表される化合物の具体例は下記の式(2−1−1)〜(2−1−67)で示される。これらの中で好ましい化合物は式(2−1−1)〜(2−1−28)で示される。より好ましい化合物は式(2−1−1)〜(2−1−3)、(2−1−8)〜(2−1−10)、(2−1−15)、(2−1−21)および(2−1−23)で示される。
Figure 0005262192
Figure 0005262192
Figure 0005262192
Figure 0005262192
<式(2−2)で表される化合物の具体例>
式(2−2)で表される化合物の具体例は下記の式(2−2−1)〜(2−2−51)で示される。これらの中で好ましい化合物は式(2−2−1)〜(2−2−26)で示される。より好ましい化合物は式(2−2−1)〜(2−2−3)、(2−2−8)〜(2−2−10)、(2−2−14)、(2−2−19)および(2−2−21)で示される。
Figure 0005262192
Figure 0005262192
Figure 0005262192
<式(2−3)で表される化合物の具体例>
式(2−3)で表される化合物の具体例は下記の式(2−3−1)〜(2−3−51)で示される。これらの中で好ましい化合物は式(2−3−1)〜(2−3−26)で示される。より好ましい化合物は式(2−3−1)〜(2−3−3)、(2−3−8)〜(2−3−10)、(2−3−14)、(2−3−19)および(2−3−21)で示される。
Figure 0005262192
Figure 0005262192
Figure 0005262192
<式(3)で表される化合物の具体例>
式(3)で表される化合物の具体例は下記の式(3−1)〜(3−5)で示される。

Figure 0005262192
式(4)で表される化合物の具体例は下記の式(4−1)〜(4−4)で示される。

Figure 0005262192
<化合物の合成法>
本発明の化合物は既知の方法、例えば鈴木カップリング反応や根岸カップリング反応を利用して合成することができる。式(2)で表される化合物を、鈴木カップリング反応または根岸カップリング反応で合成するスキームを以下に例示する。

Figure 0005262192

上記式中、Gは2価の基または2個の遊離原子価をもつ環系である。Rは短鎖のアルキルであり、通常メチル、エチル、イソプロピルなどが好適に用いられる。Xは塩素、臭素、ヨウ素、またはトリフラートである。
Figure 0005262192

上記式中、Gは2価の基または2個の遊離原子価をもつ環系であり、Xは塩素、臭素、ヨウ素、またはトリフラートである。
スキーム1には、2箇所をボロン酸またはボロン酸エステルにしたGに、パラジウム触媒と塩基の存在下、反応性基を有する3,4’−ビピリジンを2段階に反応させる方法、および2箇所に反応性基を有するGにパラジウム触媒と塩基の存在下、3,4’−ビピリジンのボロン酸を2段階に反応させる方法を示した。Gに同一の3,4’−ビピリジル基を導入する場合、上のプロセスではGの2倍モルの反応性基を有する3,4’−ビピリジンを一度に反応させてもよいし、下のプロセスではGの2倍モルの3,4’−ビピリジンのボロン酸を一度に反応させてもよい。
スキーム2には、2箇所を亜鉛錯体にしたGに、パラジウム触媒の存在下、反応性基を有する3,4’−ビピリジンを2段階に反応させる方法、および2箇所に反応性基を有するGにパラジウム触媒の存在下、3,4’−ビピリジンの亜鉛錯体を2段階に反応させる方法を示した。Gに同一の3,4’−ビピリジル基を導入する場合、上のプロセスではGの2倍モルの反応性基を有する3,4’−ビピリジンを一度に反応させてもよいし、下のプロセスではGの2倍モルの3,4’−ビピリジンの亜鉛錯体を一度に反応させてもよい。
Gが複数の2価の基が連結している場合、または複数の2個の遊離原子価をもつ環系が連結している場合、あるいは2価の基と2個の遊離原子価をもつ環系の組み合わせである場合、たとえば−G−G−である場合には、それぞれ単体のGに上記のカップリング反応を用いて3,4’−ビピリジル基を連結した後、既知のカップリング反応でG同士を連結して目的の化合物を合成してもよい。このカップリング反応の際にも、鈴木カップリング反応または根岸カップリング反応は好ましく用いられる。
また、Gがたとえばオキサジアゾールのようなヘテロ環である場合、共に3,4’−ビピリジル基を有する環系の酸クロリドとヒドラジンを反応させて得たヒドラジドから、分子内環化脱水反応を経て合成するような方法を用いることもできる。
式(3)で表される化合物または式(4)で表される化合物も、上記の合成法を適宜組み合わせて合成することができる。以上、本発明の化合物の合成法を例示したが、本発明はこれら例示した合成法によって制限されることはない。
鈴木カップリング反応で用いられるパラジウム触媒の具体例は、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)等である。反応促進するため、場合によりこれらのパラジウム化合物にホスフィン化合物を加えてもよい。そのホスフィン化合物の具体例は、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(N,N−ジブチルアミノメチル)−2−(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(メトキシメチル)−2−(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジt−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−メトキシ−2’−(ジt−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル等である。この反応で用いられる塩基の具体例は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、酢酸ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウム等である。さらに、この反応で用いられる溶媒の具体例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、メタノ−ル、エタノール、イソプロピルアルコ−ル等である。これらの溶媒は適宜選択でき、単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。
根岸カップリング反応で用いられるパラジウム触媒の具体例は、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ビス(トリt−ブチルホスフィノ)パラジウム(0)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)等である。さらに、この反応で用いられる溶媒の具体例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチルエ−テル、1,4−ジオキサン等である。これらの溶媒は適宜選択でき、単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。
本発明の化合物を、有機EL素子における、電子注入層または電子輸送層に用いた場合、電界印加時において安定であり、また、低電圧で発光を得ることが可能となる。これらは、本発明の化合物が、電界発光型素子の電子注入材料、または電子輸送材料として優れていることを表す。ここで言う電子注入層とは陰極から有機層へ電子を受け取る層であり、電子輸送層とは注入された電子を発光層へ輸送するための層である。また、電子輸送層が電子注入層を兼ねることも可能である。それぞれの層に用いる材料を、電子注入材料および電子輸送材料という。
<有機EL素子の説明>
本願の第2の発明は、電子注入層、または電子輸送層に、本発明の式(1)で表される化合物を含有する有機EL素子である。本発明の有機EL素子は、駆動電圧が低く、駆動時の耐久性が高い。
本発明の有機EL素子の構造は各種の態様があるが、基本的には陽極と陰極との間に少なくとも正孔輸送層、発光層、電子輸送層を挟持した多層構造である。素子の具体的な構成の例は、(1)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、等である。
本発明の化合物は、高い電子注入性および電子輸送性を持っているので、単体又は他の材料と併用して電子注入層、または電子輸送層に使用できる。本発明の有機EL素子は、本発明の電子輸送材料に他の材料を用いた正孔注入層、正孔輸送層、発光層、などを組み合わせることで、青色、緑色、赤色や白色の発光を得ることもできる。
本発明の有機EL素子に使用できる発光材料または発光性ドーパントは、高分子学会編、高分子機能材料シリーズ“光機能材料”、共同出版(1991)、P236に記載されているような昼光蛍光材料、蛍光増白剤、レーザー色素、有機シンチレータ、各種の蛍光分析試薬等の発光材料、城戸淳二監修、“有機EL材料とディスプレイ”シーエムシー社出版(2001)P155〜156に記載されているようなドーパント材料、P170〜172に記載されているような3重項材料の発光材料等である。
発光材料または発光性ドーパントとして使用できる化合物は、多環芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、有機金属錯体、色素、高分子系発光材料、スチリル誘導体、芳香族アミン誘導体、クマリン誘導体、ボラン誘導体、オキサジン誘導体、スピロ環を有する化合物、オキサジアゾール誘導体、フルオレン誘導体等である。多環芳香族化合物の例は、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、コロネン誘導体、ルブレン誘導体等である。ヘテロ芳香族化合物の例は、ジアルキルアミノ基またはジアリールアミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ピリジン誘導体、ピラン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体、トリフェニルアミノ基を有するチオフェン誘導体、キナクリドン誘導体等である。有機金属錯体の例は、亜鉛、アルミニウム、ベリリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、イリジウム、白金、オスミウム、金、等と、キノリノール誘導体、ベンゾキサゾ−ル誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピロール誘導体、ピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体等との錯体である。色素の例は、キサンテン誘導体、ポリメチン誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、オキソベンズアントラセン誘導体、カルボスチリル誘導体、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体等の色素が挙げられる。高分子系発光材料の例は、ポリパラフェニルビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾ−ル誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体等である。スチリル誘導体の例は、アミン含有スチリル誘導体、スチリルアリーレン誘導体等である。
本発明の有機EL素子に使用される他の電子輸送材料は、光導電材料において電子伝達化合物として使用できる化合物、有機EL素子の電子輸送層および電子注入層に使用できる化合物の中から任意に選択して用いることができる。
このような電子輸送材料の具体例は、キノリノール系金属錯体、2,2’−ビピリジル誘導体、フェナントロリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チオフェン誘導体、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、オキシン誘導体の金属錯体、キノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体のポリマー、ベンザゾール類化合物、ガリウム錯体、ピラゾール誘導体、パ−フルオロ化フェニレン誘導体、トリアジン誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、イミダゾピリジン誘導体、ボラン誘導体等である。
本発明の有機EL素子に使用される正孔注入材料および正孔輸送材料については、光導電材料において、正孔の電荷輸送材料として従来から慣用されている化合物や、有機EL素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。それらの具体例は、カルバゾ−ル誘導体、トリアリールアミン誘導体、フタロシアニン誘導体等である。
本発明の有機EL素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を蒸着法、スピンコート法またはキャスト法等の方法で薄膜とすることにより、形成することができる。このようにして形成された各層の膜厚については特に限定はなく、材料の性質に応じて適宜設定することができるが、通常2nm〜5000nmの範囲である。なお、発光材料を薄膜化する方法は、均質な膜が得やすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から蒸着法を採用するのが好ましい。蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、本発明の発光材料の種類により異なる。蒸着条件は一般的に、ボート加熱温度50〜400℃、真空度10−6〜10−3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−150〜+300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
本発明の有機EL素子は、前記のいずれの構造であっても、基板に支持されていることが好ましい。基板は機械的強度、熱安定性および透明性を有するものであればよく、ガラス、透明プラスチックフィルム等を用いることができる。陽極物質は4eVより大きな仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を用いることができる。その具体例は、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(以下、ITOと略記する)、SnO、ZnO等である。
陰極物質は4eVより小さな仕事関数の金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を使用できる。その具体例は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、マグネシウム合金、アルミニウム合金等である。合金の具体例は、アルミニウム/弗化リチウム、アルミニウム/リチウム、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム等である。有機EL素子の発光を効率よく取り出すために、電極の少なくとも一方は光透過率を10%以上にすることが望ましい。電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下にすることが好ましい。なお、膜厚は電極材料の性質にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜400nmの範囲に設定される。このような電極は、上述の電極物質を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
次に、本発明の発光材料を用いて有機EL素子を作成する方法の一例として、前述の陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/本発明の電子輸送材料/陰極からなる有機EL素子の作成法について説明する。適当な基板上に、陽極材料の薄膜を蒸着法により形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔注入層および正孔輸送層の薄膜を形成させる。この上に発光層の薄膜を形成させる。この発光層の上に本発明の電子輸送材料を真空蒸着し、薄膜を形成させ、電子輸送層とする。さらに陰極用物質からなる薄膜を蒸着法により形成させて陰極とすることにより、目的の有機EL素子が得られる。なお、上述の有機EL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた有機EL素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として印加すればよく、電圧2〜40V程度を印加すると、透明又は半透明の電極側(陽極又は陰極、および両方)より発光が観測できる。また、この有機EL素子は、交流電圧を印加した場合にも発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明する。
合成例1:式(2−1−2)の化合物の合成
<5−ブロモ−3,4’−ビピリジンの合成>
4−ピリジンボロン酸9.8g、3,5−ジブロモピリジン23.7g、Pd(PPh4.6g、2.1M炭酸ナトリウム水溶液76ml、トルエン250ml及びエタノール7mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で24時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し純水で洗浄した。有機層を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン/酢酸エチル)にて精製し、次いでトルエンから再結晶して、5−ブロモ−3,4’−ビピリジン8.3gを得た。
1H−NMR(CDCl): 7.5(d, 1H), 7.5(d, 1H), 8.1 (t, 1H), 8.7(m, 3H), 8.8 (d, 1H).
<2−フェニルアントラセンの合成>
2−クロロアントラセン5.00g、フェニルボロン酸4.3g、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)538mg、トリシクロヘキシルホスフィン494mg、リン酸三カリウム9.98g、およびトルエン75mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で2時間攪拌した。加熱終了後反応液に1.5リットルのトルエンを加え、室温まで冷却後濾別し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘプタン)により精製した。溶媒を減圧留去し、濃縮物をトルエンから再結晶して、2−フェニルアントラセン5.0gを得た。
<9,10−ジブロモ−2−フェニルアントラセンの合成>
窒素雰囲気下のフラスコ中に、2−フェニルアントラセン3.32gを400mlのジクロロメタンに溶かした。そこに、5.00gの臭素を30mlの四塩化炭素に溶かした溶液を15分掛けて滴下した。滴下終了後、2時間室温で攪拌し、チオ硫酸ナトリウム水溶液で反応を停止した。有機層を抽出し、溶媒を減圧留去して得た濃縮物をトルエン50mlから再結晶し、9,10−ジブロモ−2−フェニルアントラセン4.4gを得た。
<9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセンの合成>
9,10−ジブロモ−2−フェニルアントラセン10.0g、ビス(ピナコラート)ジボロン14.8g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)838mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.02g、酢酸カリウム7.15gおよび1,4−ジオキサン50mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で8時間攪拌した。加熱終了後反応液にトルエンを加え、室温まで冷却後固形物を濾別し、濾液を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン)により精製した後、テトラヒドロフラン/ヘプタン混合溶液から再結晶し、9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン8.3gを得た。
<9,10−ビス(3,4'−ビピリジン−5−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン5.06g、5−ブロモ−3,4’−ビピリジン5.64g、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)228mg、トリシクロヘキシルホスフィン210mg、リン酸三カリウム17g、トルエン50ml、エタノール10mlおよび純水10mlをフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、還流温度で10時間攪拌した。加熱終了後反応液を室温まで冷却し、純水で洗浄した。有機層を濃縮し、濃縮物を活性アルミナカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン/酢酸エチル)にて精製した。減圧下溶媒を留去し、濃縮物を酢酸エチルで洗浄後、トルエンで再結晶し、9,10−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−2−フェニルアントラセン520mgを得た。
1H−NMR(CDCl): 7.3-7.4 (m, 5H), 7.4-7.5 (m, 2H), 7.6-7.8 (m, 9H), 8.0-8.2 (m, 2H), 8.7-8.8 (m, 4H), 8.9 (m, 2H),9.2 (s, 2H).
合成例2:式(2−1−21)の化合物の合成
<2,7−ジヒドロキシトリフェニレンの合成>
1,2−ビス(3−メトキシフェニル)ベンゼン2gをフラスコに入れ、窒素雰囲気下、100mlのジクロロメタンに溶解させた。この溶液に塩化鉄(III)3.25gを加え、室温で56時間半攪拌した。メタノールを加え反応を終了させた後、水で洗浄した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン/ヘプタン)により精製した後、トルエン/ヘプタン混合溶媒から再結晶し、2,7−ジメトキシトリフェニレン1.4gを得た。得られた2,7−ジメトキシトリフェニレンを含むジクロロメタン溶液に三臭化ホウ素を加える事で、2,7−ジヒドロキシトリフェニレンを得た。
<2,7−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)トリフェニレンの合成>
窒素雰囲気下、2,7−ジヒドロキシトリフェニレン8.7gの入ったフラスコに脱水ピリジン100mlを加えた。この溶液を氷水で冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物25gを滴下した。滴下終了後、室温で18時間攪拌した後、水を加え反応を終了した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル500mlで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、濃縮物を水100ml、メタノール100mlで洗浄した後、酢酸エチルから再結晶し、2,7−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)トリフェニレン6.9gを得た。
<2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)トリフェニレンの合成>
2,7−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)トリフェニレン6.3g、ビス(ピナコラート)ジボロン6.7g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)414mg、トリシクロヘキシルホスフィン485mg、酢酸カリウム3.5g、およびエチレングリコールジメチルエーテル50mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で2時間攪拌した。加熱終了後、反応液にトルエンを加え、室温まで冷却後濾別し、濾液を減圧下濃縮した。濃縮物をエタノールで洗浄し、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)トリフェニレン3.1gを得た。
<2,7−ビス(3,4'−ビピリジン−5−イル)トリフェニレンの合成>
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)トリフェニレン2.0g、5−ブロモ−3,4'−ビピリジン2.2g、Pd(PPh317mg、炭酸ナトリウム1.8gおよびトルエン20ml、エタノール7ml、水7mlをフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、還流温度で6時間半攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却した後、純水を加え、固形物を吸引濾過にて濾別した。この固形物をメタノールで洗浄した後、N,N−ジメチルホルムアミドから再結晶し、2,7−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)トリフェニレン1.4gを得た。
1H−NMR(DMSO−d6):δ= 7.8 (m, 2H), 7.95(m, 4H), 8.2 (d, 2H), 8.7 (s, 2H), 8.75(m, 4H), 9.0 (d, 2H), 9.05-9.1(m, 4H), 9.2 (s, 2H),9.25(m, 2H)
合成例3:式(2−1−23)の化合物の合成
<2,7−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−9−フェニルカルバゾールの合成>
窒素雰囲気下、2,7−ジヒドロキシ−9−フェニルカルバゾール9.6gの入ったフラスコに脱水ピリジン100mlを加えた。この溶液を氷水で冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物25gを滴下した。滴下終了後、室温で18時間攪拌した後、水を加え反応を終了した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、濃縮物を水、メタノールで洗浄した後、酢酸エチル/メタノール混合溶媒から再結晶し、2,7−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−9−フェニルカルバゾール14.6gを得た。
<2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9−フェニルカルバゾールの合成>
2,7−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−9−フェニルカルバゾール12.0g、ビス(ピナコラート)ジボロン11.2g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)748mg、トリシクロヘキシルホスフィン897mg、酢酸カリウム6.5gおよびエチレングリコールジメチルエーテル100mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で1時間攪拌した。加熱終了後、反応液をエバポレータにより濃縮し、濃縮物にトルエン100mlを加えた。この溶液を吸引濾過にて濾別し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層:トルエン)により精製した。更にジクロロメタン/ヘプタン混合溶媒から再結晶し、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9−フェニルカルバゾール6.1gを得た。
<2,7−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−9−フェニルカルバゾールの合成>
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9−フェニルカルバゾール2.5g、5−ブロモ−3,4’−ビピリジン2.6g、Pd(PPh694mg、炭酸ナトリウム2.1g、トルエン30ml、エタノール10mlおよび水10mlをフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、還流温度で32.5時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水とクロロベンゼンを加え、分液ロートで分液した。有機層を濃縮し、濃縮物を活性アルミナカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン/酢酸エチル⇒酢酸エチル/メタノール)にて精製した。更にクロロベンゼンから再結晶し、2,7−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−9−フェニルカルバゾール588mgを得た。
1H−NMR(CDCl):δ= 7.55-7.7 (m, 13H), 8.1(m, 2H), 8.3 (d, 2H), 8.75(d, 4H), 8.85 (m, 2H), 8.95 (m, 2H)
合成例4:式(2−1−29)の化合物の合成
<2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9,9’−スピロビフルオレンの合成>
2,7−ジブロモ−9,9’−スピロビフルオレン7.5g、ビス(ピナコラート)ジボロン9.1g、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)730mg、酢酸カリウム8.8gおよびジメチルスルホキシド100mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、80℃で3.5時間攪拌した。加熱終了後室温まで冷却し、水を加え分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層:トルエン/酢酸エチル)により精製し、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9,9’−スピロビフルオレン7.7gを得た。
<2,7−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−9,9’−スピロビフルオレンの合成>
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9,9’−スピロビフルオレン4.0g、5−ブロモ−3,4’−ビピリジン3.6g、Pd(PPh485mg、炭酸ナトリウム3.1g、トルエン30ml、エタノール10mlおよび水10mlをフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、還流温度で32.5時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、飽和食塩水とトルエンを加え分液ロートで分液した。有機層を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン/酢酸エチル⇒酢酸エチル/メタノール)にて精製した。更にクロロベンゼンから再結晶し、2,7−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−9,9’−スピロビフルオレン1.4gを得た。
1H−NMR(CDCl):δ= 6.85 (d, 2H), 7.0 (s, 2H), 7.15 (t, 2H), 7.4(t, 2H), 7.45 (m, 4H), 7.7 (d, 2H), 7.9 (m, 4H), 8.05(d, 2H), 8.65-8.8(m, 8H)
合成例5:式(2−1−28)の化合物の合成
<3,6−ジブロモ−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾールの合成>
3,6−ジブロモ−9H−カルバゾール10.00g、1−フルオロナフタレン4.1ml、炭酸セシウム12.06gおよびジメチルスルホキシド300mlをフラスコに入れ、窒素雰囲気下、145℃で36時間攪拌した。加熱終了後、室温まで冷却後反応液を濾別し、濾液を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘプタン/トルエン)により精製した後、メタノールで洗浄することで、3,6−ジブロモ−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾール5.5gを得た。
<3,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾールの合成>
3,6−ジブロモ−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾール2.00g、ビス(ピナコラート)ジボロン2.46g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)304mg、トリシクロヘキシルホスフィン358mg、酢酸カリウム1.30gおよび1,4−ジオキサン30mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下還流温度で7時間攪拌した。加熱終了後反応液にトルエンを加え、室温まで冷却後濾別し、濾液を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン)により精製し、3,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾール820mgを得た。
<3,6−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾールの合成>
3,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾール、5−ブロモ−3,4'−ビピリジン、Pd(PPh、リン酸三カリウム、1,4−ジオキサンおよび水をフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下還流温度で攪拌する。加熱終了後反応液を室温まで冷却し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層をエバポレータにより濃縮し、濃縮物を活性アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することで、3,6−ビス(3,4'−ビピリジン−5−イル)−9−ナフタレン−1−イル−カルバゾールを得ることが出来る。
合成例6:式(2−2−33)の化合物の合成
<5,9−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−7,7−ジフェニル−ベンゾ〔c〕フルオレンの合成>
5,9−ビス(トリフルオロメタンスホニルオキシ)−7,7−ジフェニル−ベンゾ〔c〕フルオレン13.1g、ビス(ピナコラート)ジボロン11.2g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)1.2g、トリシクロヘキシルホスフィン1.4g、酢酸カリウム6.5gおよび1,4−ジオキサン300mlをフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下80℃で4時間半攪拌した。加熱終了後反応液を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン)により精製した後、エタノールで洗浄し、5,9−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−7,7−ジフェニル−ベンゾ〔c〕フルオレン9.8を得た。
<5,9−ビス(3,4'−ビピリジン−5−イル)−7,7−ジフェニル−ベンゾ〔c〕フルオレンの合成>
5,9−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−7,7−ジフェニル−ベンゾ〔c〕フルオレン、5−ブロモ−3,4'−ビピリジン、Pd(PPh、リン酸三カリウム、1,4−ジオキサンおよび水をフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下還流温度で攪拌する。加熱終了後反応液を室温まで冷却し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層をエバポレータにより濃縮し、濃縮物を活性アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することで、5,9−ビス(3,4'−ビピリジン−5−イル)−7,7−ジフェニル−ベンゾ〔c〕フルオレンを得ることが出来る。
合成例7:式(2−1−15)の化合物の合成
<1,4−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−ナフタレンの合成>
1,4−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−ナフタレン、5−ブロモ−3,4’−ビピリジン、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリシクロヘキシルホスフィン、リン酸三カリウムおよびトルエンをフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下還流温度で攪拌する。加熱終了後反応液を室温まで冷却し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を濃縮し、濃縮物を活性アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することで、1,4−ビス(3,4’−ビピリジン−5−イル)−ナフタレンを得ることが出来る。
原料の化合物を適宜選択することにより、上記の合成例に準じた方法で、本発明の他の発光材料を合成することができる。
ITOを150nmの厚さに蒸着した25mm×75mm×1.1mmのガラス基板(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホルダーに固定し、銅フタロシアニンを入れたモリブデン製蒸着用ボート、N,N'−ジフェニル−N,N'−ジナフチル−4,4'−ジアミノビフェニル(以下、NPDと略記する。)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、下記化合物(A):9−フェニル−10−〔6−(1,1’;3,1’’)テルフェニル−5’−イル〕ナフタレン−2−イル〕アントラセンを入れたモリブデン製蒸着用ボート、下記スチリルアミン誘導体(B):N,N,N’,N’−テトラ(4−ビフェニリル)−4,4’−ジアミノスチルベンを入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(2−1−2)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、弗化リチウムを入れたモリブデン製蒸着用ボート、およびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。

Figure 0005262192
真空槽を1×10−3Paまで減圧し、銅フタロシアニンが入った蒸着用ボートを加熱して、膜厚20nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、NPD入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚30nmになるようにNPDを蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、化合物(A)を入れた蒸着用ボートと化合物(B)を入れた蒸着用ボートを同時に加熱して、膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。化合物(A)と化合物(B)の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に化合物(2−−2)入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚20nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。以上の蒸着速度は0.001〜3.0nm/秒であった。その後、弗化リチウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚0.5nmになるように0.003〜0.01nm/秒の蒸着速度で蒸着し、次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.1〜1.0nm/秒の蒸着速度で蒸着することにより、有機EL素子を得た。ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、約波長455nmの青色発光を得た。輝度1000cd/mを得るための駆動電圧は5.73Vで、80時間経過時の輝度は890cd/mだった。
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を実施例8で使用した蒸着装置の基板ホルダーに固定し、CuPcを入れたモリブデン製蒸着用ボート、NPDを入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(A)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(B)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(2−1−21)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、弗化リチウムを入れたモリブデン製蒸着用ボート、およびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10−4Paまで減圧し、まず、CuPcが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚50nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、ついで、NPDが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、化合物(A)が入った蒸着用ボートと化合物(B)の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚35nmになるように蒸着して発光層を形成した。化合物(A)と化合物(B)の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(2−1−21)の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚15nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
その後、弗化リチウム入りの蒸着用ボートを加熱して膜厚0.5nmになるように0.003〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着し、次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して膜厚100nmになるように0.01〜10nm/秒の蒸着速度で蒸着することにより、陰極を形成し、有機電界発光素子を得た。
ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、約波長455nmの青色発光を得た。また、初期輝度2000cd/mを得るための電流密度により、定電流駆動試験を実施した。駆動試験開始電圧は4.96Vで、80時間経過時の輝度は1618cd/mだった。
化合物(2−1−21)を化合物(2−1−23)に替えた以外は実施例9と同様にして有機EL素子を得た。ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、初期輝度2000cd/mを得るための電流密度により、定電流駆動試験を実施した。駆動試験開始電圧は6.17Vで80時間経過時の輝度は1678cd/mであった。
(比較例1)
化合物(2−1−2)を化合物(C)(特許文献2に記載の化合物II−4)に替えた以外は実施例8と同様にして有機EL素子を得た。ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、初期輝度1000cd/mを得るための電流密度により、定電流駆動試験を実施した。駆動試験開始電圧は3.71Vで80時間経過時の輝度は496cd/mであった。

Figure 0005262192
(比較例2)
化合物(2−1−2)をトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)に替えた以外は実施例8と同様にして有機EL素子を得た。ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、初期輝度1000cd/mを得るための電流密度により、定電流駆動試験を実施した。駆動試験開始電圧は6.36Vで80時間経過時の輝度は830cd/mであった。
化合物(2−−21)を上記化合物(C)(特許文献2に記載の化合物II−4)に替えた以外は実施例9と同様にして有機EL素子を得た。ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、初期輝度2000cd/mを得るための電流密度により、定電流駆動試験を実施した。駆動試験開始電圧は4.14Vで80時間経過時の輝度は1375cd/mであった。
(比較例4)
化合物(2−−21)をトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)に替えた以外は実施例9と同様にして有機EL素子を得た。ITO電極を陽極、弗化リチウム/アルミニウム電極を陰極として、初期輝度2000cd/mを得るための電流密度により、定電流駆動試験を実施した。駆動試験開始電圧は6.58Vで80時間経過時の輝度は1562cd/mであった。
本発明の好ましい態様によれば、駆動電圧、素子寿命において更に性能のよい有機EL素子を提供することができる。殊に青色発光の素子の駆動電圧、素子寿命が改善され、より実用的になるので、それを備えた高性能なディスプレイ装置などを提供することができる。

Claims (17)

  1. 下記の式(1)で表される化合物。

    Figure 0005262192
    式中、Gは下記の式(A−1)〜(A−16)で表される化合物の群から選択される1つから誘導される2価の基であり、nは2であり;
    およびR のどちらか一方はGに結合する遊離原子価であり、他方は水素、フェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、またはシクロヘキシルであり、R 、R およびR 〜R は独立して水素、フェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、またはシクロヘキシルであり;そして、個の3,4’−ビピリジル基は同一でもよく、異なっていてもよい。

    Figure 0005262192

    式中、Rは独立して水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルであり;式(A−1)〜(A−16)で表される化合物から誘導される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に、フェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、m−テルフェニル−2’−イル、およびm−テルフェニル−5’−イルからなる群から選択される置換基を有していてもよい。
  2. 下記の式(2−1)で表される、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
  3. が下記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つである、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192

    式中、Rは独立して水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルであり;式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に、フェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、m−テルフェニル−2’−イル、およびm−テルフェニル−5’−イルからなる群から選択される置換基を有していてもよい。
  4. 下記の式(2−2)で表される、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
  5. Gが下記の式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基の群から選択される1つである、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192

    式中、Rは独立して水素、メチル、エチル、へキシル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルであり;式(C−1)〜(C−10)で表される2価の基は、遊離原子価をもつ原子以外の位置に、フェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、m−テルフェニル−2’−イル、およびm−テルフェニル−5’−イルからなる群から選択される置換基を有していてもよい。
  6. Gが下記の式(5)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R45は水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、m−テルフェニル−2’−イル、またはm−テルフェニル−3’−イルである。
  7. Gが下記の式(5)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R45は水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、m−テルフェニル−2’−イル、またはm−テルフェニル−3’−イルである。
  8. Gが下記の式(6)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R46〜R49は独立して水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、m−テルフェニル−2’−イル、またはm−テルフェニル−3’−イルである。
  9. Gが下記の式(6)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R46〜R49は独立して水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、m−テルフェニル−2’−イル、またはm−テルフェニル−3’−イルである。
  10. Gが下記の式(7)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R50およびR51は独立して水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、m−テルフェニル−2’−イル、またはm−テルフェニル−3’−イルである。
  11. Gが下記の式(7)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R50およびR51は独立して水素、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、m−テルフェニル−2’−イル、またはm−テルフェニル−3’−イルである。
  12. Gが下記の式(8)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
  13. Gが下記の式(8)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
  14. Gが下記の式(9)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R52は独立してフェニル、ナフチルまたはビフェニリルである。
  15. Gが下記の式(9)で表される連結基である、請求項に記載の化合物。

    Figure 0005262192
    上記の式中、R52は独立してフェニル、ナフチルまたはビフェニリルである。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物を含有する有機電界発光素子。
  17. 陽極および陰極により挟持された、少なくとも正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を基板上に有する有機電界発光素子であって、該電子輸送層が、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物を含有する有機電界発光素子。
JP2008053379A 2007-03-07 2008-03-04 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子 Active JP5262192B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008053379A JP5262192B2 (ja) 2007-03-07 2008-03-04 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007057026 2007-03-07
JP2007057026 2007-03-07
JP2008053379A JP5262192B2 (ja) 2007-03-07 2008-03-04 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008247895A JP2008247895A (ja) 2008-10-16
JP2008247895A5 JP2008247895A5 (ja) 2011-03-24
JP5262192B2 true JP5262192B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=39973270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008053379A Active JP5262192B2 (ja) 2007-03-07 2008-03-04 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262192B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1144632A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Toa Medical Electronics Co Ltd 粒子計測装置のデータ異常判定方法
EP3112336B1 (en) 2007-08-08 2018-08-01 Universal Display Corporation Single triphenylene chromophores in phosphorescent light emitting diodes
EP2479234B1 (en) * 2008-05-13 2017-06-21 Konica Minolta Holdings, Inc. Organic electroluminescent element, display device and lighting device
JP5493333B2 (ja) * 2008-11-05 2014-05-14 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、白色有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
US8486544B2 (en) 2009-08-28 2013-07-16 Industrial Technology Research Institute Quinoxaline derivatives and organic light-emitting diodes comprising the same
TWI402259B (zh) 2009-08-28 2013-07-21 Ind Tech Res Inst 喹啉衍生物及包含此喹啉衍生物之有機發光二極體
DE102009053382A1 (de) * 2009-11-14 2011-05-19 Merck Patent Gmbh Materialien für elektronische Vorrichtungen
TWI491602B (zh) 2009-12-03 2015-07-11 Jnc Corp 具有含吡啶取代基的苯并[c]咔唑化合物及有機電激發光元件
KR101864902B1 (ko) * 2010-06-02 2018-06-05 제이엔씨 주식회사 전자 수용성 질소 함유 헤테로아릴을 함유하는 치환기를 갖는 카르바졸 화합물 및 유기 전계 발광 소자
JP5799772B2 (ja) * 2010-11-25 2015-10-28 Jnc株式会社 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
TWI504722B (zh) * 2010-12-03 2015-10-21 Jnc Corp 具有含吡啶取代基的苯并[c]咔唑化合物及有機電激發光元件
CN102532105A (zh) * 2010-12-17 2012-07-04 清华大学 一种含有吡啶基团的三亚苯类化合物及其应用
CN103402981A (zh) * 2011-02-23 2013-11-20 保土谷化学工业株式会社 具有被取代的三亚苯环结构的化合物以及有机电致发光器件
JP5807601B2 (ja) * 2011-04-01 2015-11-10 Jnc株式会社 アントラセン誘導体およびこれを用いた有機電界発光素子
JP6126577B2 (ja) * 2012-02-28 2017-05-10 保土谷化学工業株式会社 置換基を有するピリジル基とトリフェニレン環構造を有する化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5641068B2 (ja) * 2013-01-24 2014-12-17 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
CN107602355A (zh) * 2017-09-16 2018-01-19 浙江工业大学 一种苯并菲双硼酸酯关键中间体关键中间体的制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19628719B4 (de) * 1996-07-17 2006-10-05 Hans-Werner Prof. Dr. Schmidt Elektronenleitende Schicht in organischen, elektrolumineszierenden Anordnungen
EP1186605B1 (en) * 2000-09-07 2003-04-16 Chisso Corporation Organic electroluminescent device comprising dipyridylthiophene derivative
JP4172172B2 (ja) * 2001-10-10 2008-10-29 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2006013226A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Stanley Electric Co Ltd 有機led素子
JP2006176491A (ja) * 2004-11-25 2006-07-06 Kyoto Univ ピレン系化合物及びこれを用いた発光トランジスタ素子
TWI382080B (zh) * 2005-02-15 2013-01-11 Tosoh Corp 具有懸掛結構之π-共軛化合物、其製造方法及使用方法
US7994316B2 (en) * 2005-08-26 2011-08-09 Tosoh Corporation 1,3,5-triazine derivative, production method thereof and organic electroluminescence device comprising this as a composing component
JP2008120696A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Chemiprokasei Kaisha Ltd 新規なトリピリジルフェニル誘導体、それよりなる電子輸送材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008247895A (ja) 2008-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5262192B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP5076901B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP5176343B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP5262081B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP5119929B2 (ja) 新規化合物およびこれを用いた有機電界発光素子
KR101964435B1 (ko) 헤테로 고리 화합물 및 이를 포함하는 유기 발광 소자
JP5353233B2 (ja) ピリジルフェニル基を有するアントラセン誘導体化合物及び有機電界発光素子
JP4788202B2 (ja) 発光材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP2008214306A (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
WO2019031679A1 (ko) 유기 발광 소자
JP5807637B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP5509606B2 (ja) ピリジル基を有するアントラセン誘導体化合物及び有機電界発光素子
JPWO2009151039A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
TW201105771A (en) Material for use in phosphorescent device and organic electroluminescent device using same
JP5737294B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP2010511696A (ja) 新規なフルオレン誘導体およびこれを用いた有機電子素子
JP5907069B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP5176366B2 (ja) 新規ビピリジン誘導体、およびこれを含む有機電界発光素子
JP2012126717A (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
JP2008156266A (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
KR101741322B1 (ko) 함질소 다환 화합물 및 이를 이용한 유기 전자 소자
JP6402904B2 (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子
KR20200068568A (ko) 신규한 화합물 및 이를 포함하는 유기발광 소자
WO2019004612A1 (ko) 신규한 헤테로 고리 화합물 및 이를 이용한 유기 발광 소자
JP2013227251A (ja) 電子輸送材料およびこれを用いた有機電界発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110208

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110208

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5262192

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250