JP5261735B2 - ゴム組成物 - Google Patents
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Description
水素化ニトリルゴムと、
カーボンファイバーと、を有し、
前記カーボンファイバーが、ランダム構造を有するピッチ系カーボンファイバーであり、
前記カーボンファイバーの平均繊維長さが60〜300μmであり、
前記水素化ニトリルゴム100重量部に対して、前記カーボンファイバーが10〜110重量部含有される。
本実施形態のゴム組成物において、水素化ニトリルゴムとしては、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合ゴムであるNBRの主鎖中に含まれるブタジエンユニットの二重結合を水素化することにより得られるもの(HNBR)が好適である。しかしながら、水素化ニトリルゴムとしては、HNBRに限定されるものではなく、ブタジエンの一部または全部をイソプレンに置換したもの(NBIR,NIR)を水素化したもの等であってもよい。
本実施形態のゴム組成物において、カーボンファイバーは、ピッチ系カーボンファイバーである。カーボンファイバーには、主に、ピッチ系カーボンファイバーと、PAN系カーボンファイバーとがある。ピッチ系カーボンファイバーは、石油コールタールなどを原料にして生産され、PAN系カーボンファイバーは、ポリアクリロニトリルを原料にして生産される。
本実施形態のゴム組成物は、さらに、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックを含有することで、耐摩耗性をさらに向上させることができる。本発明で用いるカーボンブラックとしては、特に限定されず、SRF、GPF、FEF、HAF、IISAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
本実施形態のゴム組成物は、さらに、グラファイトを含むことが好ましい。グラファイトは特にカーボンブラックと併用する場合に耐摩耗性を向上させる。本発明で用いるグラファイトとしては、特に限定されず、市販のものを用いることができる。
本実施形態のゴム組成物は、さらに架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、有機過酸化物が好ましく、水素化ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部含有される。
本実施形態のゴム組成物は、その他必要に応じて架橋促進剤、補強剤、加工助剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤などの添加剤を含有してもよい。
まず、水素化ニトリルゴムとして日本ゼオン(株)製Zetpol2000:100重量部、カーボンファイバーとして大阪ガスケミカル製ピッチ系炭素繊維(平均繊維長さ180μm):50重量部、SRFカーボンブラックとして新日鐵化学(株)製ニテロン#75:70重量部、グラファイトとして中越黒鉛工業所製APR:20重量部、老化防止剤として川口化学工業製アンテージ6C:3重量部、架橋剤として日本油脂(株)製パーブチルP:6重量部を配合した。これを、3Lニーダーおよび10インチロールにて混練した。この混練物を、185℃、5分の条件で、圧縮成形機により、厚さ2mmのシート状ゴム組成物およびリップ型シールを成形した。
なお、Zetpol2000のアクリロニトリル量は36.2%、ヨウ素価は7以下、ムーニー粘度は85であった。
得られた厚さ2mmのシートを用いて、常態物性として、引張り強さおよび伸びを測定した。引張り強さおよび伸びは、JIS−K−6251に準拠して測定した。
まず、得られたリップ型シールを圧力容器内に入れ、CO2ガスで圧力容器内をパージした。そして、温度:常温、圧力:6MPaの条件で、24時間放置した。その後、リップ型シールを180℃に加熱し、シールの断面中に発泡が発生しているか否かを評価した。これをシールの10断面について行い、発泡が発生している断面の数を算出した。
得られたリップ型シールに対して、密封流体としてエンジン用オイル(タービン油 VG32)を用いて、周速:5m/sec、流体圧力:3MPa、流体温度:170℃、試験時間:10時間の条件下で、回転試験を行った。試験後のリップ型シールの摩耗深さおよび流体の漏れ量を測定した。
得られたリップ型シールに対して、密封流体としてコンプレッサー用オイル(PAGオイル)を用いて、周速:5m/sec、流体温度:150℃、CO2ガス圧力:5MPa、試験時間:10時間の条件下で、回転試験を行った。試験後のリップ型シールの摩耗深さおよび流体の漏れ量を測定した。
カーボンファイバーとして、大阪ガスケミカル製ピッチ系炭素繊維(平均繊維長さ100μm)(実施例2)、クレハ製ピッチ系炭素繊維(平均繊維長さ300μm)(実施例3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製・成形し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
カーボンファイバーの含有量を、80重量部(実施例4)、20重量部(実施例5)とした以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製・成形し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
カーボンファイバーとして、大阪ガスケミカル製ピッチ系炭素繊維(平均繊維長さ500μm)(比較例1)、東レ製PAN系炭素繊維(平均繊維長さ130μm)(比較例2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製・成形し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
カーボンファイバーの含有量を、120重量部(比較例3)、5重量部(比較例4)とした以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製・成形し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
カーボンファイバーとして、三菱化学産資製ピッチ系炭素繊維(平均繊維長さ50μm)(比較例5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製・成形し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。なお、三菱化学産資製ピッチ系炭素繊維はラジアル構造を有している。
カーボンファイバーとして、大阪ガスケミカル製ピッチ系炭素繊維(平均繊維長さ40μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製・成形し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
表1より、カーボンファイバーとして、均一構造を有するピッチ系カーボンファイバーであって、平均繊維長さおよび含有量が本発明の範囲内にある場合(実施例1〜5)には、発泡は発生せず、2つの回転試験の両方について、良好な耐摩耗性を示していることが確認できる。また、常態での伸びも良好である。
これに対し、ピッチ系カーボンファイバーの平均繊維長さが本発明の範囲外である場合(比較例1)には、耐発泡性や耐摩耗性は良好であるものの、常態での伸びが大きく低下していることが確認できる。
また、カーボンファイバーとして、PAN系カーボンファイバーを用いた場合(比較例2)には、耐発泡性が極めて悪化していることが確認できる。
ピッチ系カーボンファイバーの含有量が本発明の範囲よりも多い場合(比較例3)には、耐摩耗性は良好であるが、常態での伸びが大きく低下していることが確認できる。また、ピッチ系カーボンファイバーの含有量が本発明の範囲よりも少ない場合(比較例4)には、耐摩耗性が悪化する傾向にあることが確認できる。
また、平均繊維長さおよび含有量が本発明の範囲内であっても、ランダム構造ではないラジアル構造を有するピッチ系カーボンファイバーを用いた場合(比較例5)には、カーボンファイバー自体が摩耗しやすいため、耐発泡性および耐摩耗性の両方が悪化していることが確認できる。
また、ピッチ系カーボンファイバーの平均繊維長さが60μmより短い場合(比較例6)には、耐発泡性や常態での伸びは良好であるものの、耐摩耗性は大きく低下していることが確認できる。
Claims (3)
- 水素化ニトリルゴムと、
カーボンファイバーと、を有し、
前記カーボンファイバーが、ランダム構造を有するピッチ系カーボンファイバーであり、
前記カーボンファイバーの平均繊維長さが70〜300μmであり、
前記水素化ニトリルゴム100重量部に対して、前記カーボンファイバーが10〜110重量部含有されるゴム組成物。 - 請求項1に記載のゴム組成物を用いてなるシール材。
- 請求項1に記載のゴム組成物を用いてなるCO2冷媒用シール材。
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