JP5256718B2 - 転写箔及び表示体付き物品 - Google Patents

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Description

本発明は、偽造防止技術に関する。
物品の偽造を防止するために、その物品自体の偽造を困難とすることがある。例えば、紙幣及び株券などの有価証券には、透かし、マイクロ文字などの微細な印刷パターン、及び色再現が困難な色調の彩色などの特殊な表示技術が適用されている。
この技術を適用すると、機械読み取りと印刷による像の再現とが困難であり且つ肉眼での真贋判定に利用可能な像を表示させることができる。それゆえ、この技術を適用することにより、物品の偽造を困難とすることができる。
しかしながら、上記の表示技術を適用した物品であっても、デジタル技術の進歩に伴い、偽造が可能となりつつある。そのため、偽造防止効果を高めるべく印刷パターンを更に微細化することがあるが、印刷パターンを微細化すると、物品の真贋を肉眼で判定することが難しくなる。
物品の偽造を防止するために、その物品自体の偽造を困難とする代わりに又はこれに加えて、その物品に偽造が困難な素子を取り付けることがある。そのような素子としては、ホログラムや回折格子などの回折構造が設けられた表示体が広く使用されている。
この表示体は特殊な視覚効果を有しているため、これを真正品に取り付けると、物品の真贋を肉眼で容易に判定できる。また、この視覚効果を印刷で再現することは不可能であるため、この表示体を使用すると、比較的高い偽造防止効果を達成できる。
ところで、回折構造が設けられた表示体としては、金属反射層を含んだものがある。そして、このような表示体の物品への取り付けには、転写箔を利用することがある。
例えば、特許文献1には、基材と、その上に形成され、表面にレリーフ型ホログラムが設けられた透明樹脂層と、その上に蒸着によって形成された金属反射層と、これを被覆した感熱接着材層とを含んだ転写箔が記載されている。感熱接着材層と物品とを接触させた状態で転写箔に熱圧を印加することにより、透明樹脂層と金属反射層とを含んだ転写材層の一部を基材から物品上へと転写する。このようにして、先の転写材層の一部からなる表示体を物品に支持させる。
このような表示体が含んでいる反射層は、例えば、レーザ光線、熱線若しくは電子線照射又は放電破壊によって除去することができる。仮に、そのような不正加工が為された場合、表示体を利用して物品の真偽判定を行う者(以下、「判定者」という)は、この不正加工が行われた表示体を見てもそのことに気付かずに、その表示体は不良品であると感じるか、又は、その表示体は良品であり且つ不正加工は行われていないと感じる可能性がある。何れの場合であっても、表示体が持っている偽造防止効果に対する判定者の信頼度は低下する。
このように、判定者に気付かれることのない不正加工が容易である場合、表示体の利用者及び供給業者の双方に不利益をもたらす。
特開昭61−190369号公報
本発明の目的は、金属反射層への不正加工が行われた場合に、判定者がそのことを容易に知覚できるようにすることにある。
本発明の第1側面によると、基材と、前記基材の一方の主面に剥離可能に支持された転写材層とを具備し、前記転写材層は、前記主面と向き合った光透過層と、前記光透過層を間に挟んで前記基材の一方の主面の全体又は一部と向き合った金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と光を吸収して発熱する光吸収材とを含有し且つレーザ光線の照射によって不可逆的に黒化するか、又は、透明樹脂と変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする転写箔が提供される。
本発明の第2側面によると、基材と、前記基材の一方の主面に剥離可能に支持された転写材層とを具備し、前記転写材層は、前記主面と向き合った光透過層と、前記光透過層を間に挟んで前記基材の一方の主面の全体又は一部と向き合った金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と、光を吸収して発熱する光吸収材と、変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする転写箔が提供される。
本発明の第3側面によると、被転写体としての物品と、第1又は第2側面に係る転写箔を用いた転写によって前記物品上に貼り付けられた表示体とを具備したことを特徴とする表示体付き物品が提供される。
本発明の第4側面によると、物品と、これに支持された表示体とを具備し、前記表示体は、前記物品の一方の主面の一部又は全部と向き合った光透過層と、前記光透過層と前記物品との間に介在した金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と光を吸収して発熱する光吸収材とを含有し且つレーザ光線の照射によって不可逆的に黒化するか、又は、透明樹脂と変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする表示体付き物品が提供される。
本発明の第5側面によると、物品と、これに支持された表示体とを具備し、前記表示体は、前記物品の一方の主面の一部又は全部と向き合った光透過層と、前記光透過層と前記物品との間に介在した金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と、光を吸収して発熱する光吸収材と、変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする表示体付き物品が提供される。
本発明によると、金属反射層への不正加工が行われた場合に、判定者がそのことを容易に知覚できるようにすることが可能となる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、全ての図面を通じて同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る転写箔を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す転写箔のII−II線に沿った断面図である。
図1及び図2に示す転写箔10は、長さ方向がX方向に平行であり、幅方向がX方向と直交するY方向に平行であり、厚さ方向がX方向及びY方向と直交するZ方向に平行な帯形状を有している。転写箔10は、帯形状以外の形状を有していてもよい。
この転写箔10は、図2に示すように、基材110と転写材層120と接着層130とを含んでいる。
基材110は、例えば、樹脂からなるフィルム又はシートである。基材110は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。基材110の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は塩化ビニル樹脂を使用することができる。ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した場合、耐熱性及び厚さの均一性に特に優れた基材110を得ることができる。
基材110には、処理及び/又は加工が施されていてもよい。例えば、基材110には、帯電防止処理、マット加工、エンボス加工、印刷及びレーザマーキングなどの処理及び/又は加工が施されていてもよい。
基材110上には、転写材層120が形成されている。転写材層120は、基材の一方の主面に剥離可能に支持されている。転写材層120は、基材110の一方の主面の全体に設けられていてもよく、その一部にのみ設けられていてもよい。
転写材層120は、剥離保護層1201と回折構造形成層1202と金属反射層1203と図示しない印刷パターンとを含んでいる。
剥離保護層1201は、基材110の一方の主面上に形成されている。剥離保護層1201は、例えば、グラビア印刷法及びマイクログラビア法などの塗布法を用いて基材110上に形成することができる。
剥離保護層1201は、転写材層120の基材110からの剥離を安定化すると共に、転写後に回折構造形成層1202を保護する役割を果たす。加えて、剥離保護層1201は、転写箔10を用いて得られる表示体から金属反射層1203の一部又は全部が不正に除去された場合に、この不正加工が行われたことを判定者が容易に知覚できるようにする役割を果たす。
具体的には、この表示体から、金属反射層1203の一部又は全部が、例えば、レーザ光線、熱線若しくは電子線照射又は放電破壊によって不正に除去されると、その位置で保護層1201に不可逆的な色変化が生じる。判定者は、この不可逆的な色変化を生じた保護層1201を視認することにより、表示体に不正加工が行われたことを知覚する。これについては、後で図面を参照しながらより詳細に説明する。
剥離保護層1201の材料としては、例えば、透明樹脂と光吸収材とを含有した混合物を使用することができる。或いは、剥離保護層1201の材料として、透明樹脂と感熱着色材とを含有した混合物を使用することができる。或いは、剥離保護層1201の材料として、透明樹脂と光吸収材と感熱着色材とを含有した混合物を使用することができる。
透明樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、水分硬化性樹脂、又は紫外線若しくは電子線硬化性樹脂を使用することができる。例えば、透明樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂又はポリアミドイミド樹脂を使用することができる。
光吸収材としては、光を吸収して発熱する物質を使用することができる。そのような光吸収材としては、例えば、赤外線吸収材、紫外線吸収材又はこれらの混合物を使用することができる。
赤外線吸収材としては、例えば、カーボンブラックなどの炭素材料、フタロシアニン系、アゾ系及びチオアミド系などの有機金属錯体、ジイミニウム系、アントラキノン系、ポリメチン系、アズレニウム系、スクワリリウム系及びチオピリリウム系などの有機系赤外線吸収材、又はこれらの混合物を使用することができる。
紫外線吸収材としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート及びp−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収材、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン及び2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収材、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収材、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート及びエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収材、又はこれらの混合物を使用することができる。或いは、紫外線吸収材として、TiO2及びZnOなどの微粉末からなる無機紫外線遮蔽材を使用してもよい。
光吸収材を使用する場合、その含量は、例えば、剥離保護層1201を構成している組成物100質量部に対して約0.1質量部乃至約20質量部の範囲内とする。この含量が小さいと、レーザ光線を照射した際の発熱が不十分となり、光照射部の色変化が生じ難くなる可能性がある。この含量が過剰に大きいと、剥離保護層1201の透明性及び耐久性等の性能が不十分となる可能性がある。
感熱着色材としては、変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材を使用する。この感熱着色材は、変色温度より高い温度に加熱することによって、無色から有色へと変色してもよく、有色から無色へと変色してもよく、或る有色から他の有色へと変色してもよい。
感熱着色材としては、転写箔10の製造及び熱転写の際に、並びに、転写箔10を用いて得られる表示体の通常の使用環境において色変化を生じないものを使用する。即ち、感熱着色層としては、その着色温度が少なくとも接着層130を構成している感熱接着材のガラス転移温度と比較してより高いものを使用する。従って、感熱接着材の変色温度は、例えば、約200℃以上とする。
感熱着色材としては、典型的には、示温塗料として知られている物質を使用することができる。例えば、感熱着色材として、サーモクロミック有機色素、金属錯塩結晶又は電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物と有極性有機化合物との混合物を使用することができる。感熱着色材として、これらの混合物を使用してもよい。
感熱着色材を使用する場合、その含量は、例えば、剥離保護層1201を構成している組成物100質量部に対して約0.1質量部乃至約20質量部の範囲内とする。この含量が小さいと、レーザ光線を照射した際の発熱が不十分となり、光照射部の色変化が生じ難くなる可能性がある。この含量が過剰に大きいと、剥離保護層1201の透明性及び耐久性等の性能が不十分となる可能性がある。
剥離保護層1201には、滑材を更に添加してもよい。こうすると、剥離保護層1201の耐摩耗性が向上する。滑材としては、例えば、ポリエチレン粉末又はカルナウバ蝋などのワックスを使用することができる。剥離保護層1201を100質量部とした場合、剥離保護層1201における滑材の含量は、例えば、0.1質量部乃至20質量部の範囲内とする。
回折構造形成層1202は、剥離保護層1201上に形成されている。回折構造形成層1202の表面には、レリーフ型の回折構造が設けられている。この回折構造は、ホログラム及び/又は回折格子を構成している。
回折構造は、回折構造形成層1202の表面全体に設けられていてもよく、その一部にのみ設けられていてもよい。ここでは、一例として、回折構造形成層1202の表面全体に回折構造が設けられているとする。そして、ここでは、回折構造形成層1202の表面のうち、図1の破線で囲まれた領域に対応した部分には、他の部分に設けられた回折構造とは異なる回折構造が設けられているとする。
回折構造形成層1202は、透明樹脂などの透明材料からなる。この透明樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性、又は紫外線若しくは電子線硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂又はビニル樹脂を使用することができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリルポリオール及びポリエステルポリオールなどの反応性水酸基を有しているポリオールにポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させてなるウレタン樹脂、メラミン樹脂又はフェノール樹脂を使用することができる。紫外線又は電子線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル樹脂、エポキシメタクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂又はウレタンメタクリレート樹脂を使用することができる。
回折構造形成層1202は、例えば、剥離保護層1201上に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層に回折構造を記録することにより得られる。例えば、二光束干渉法を使用して、互いに干渉し合う2本の光線を感光性樹脂層に照射してその表面に干渉縞を生じさせる。その後、感光性樹脂層を現像及び乾燥等の後処理に供することにより、回折構造形成層1202を得ることができる。なお、この方法を利用した場合、転写箔10を用いて得られる表示体に、例えば、立体像及び/又は観察方向に応じて変化する像(以下、「チェンジング像」と呼ぶ)を表示させることができる。
回折構造形成層1202は、他の方法でも得られる。
例えば、剥離保護層1201上に電子線硬化性樹脂層を形成し、この電子線硬化性樹脂層に電子線を用いて描画する。その後、電子線硬化性樹脂層を現像及び乾燥等の後処理に供することにより、回折構造形成層1202を得ることができる。この方法を利用した場合、描画パターンの形状に制限はなく、転写箔10を用いて得られる表示体に、例えば、立体像及び/又はチェンジング像を表示させることができる。また、この方法によると、表示体の表示領域を複数の画素に分割し、表示体に表示させるべき像に基いて各画素に採用する回折構造を決定することができる。即ち、この方法によると、転写箔10の設計が容易になる。なお、Z方向から見た各画素の形状は、どのような形状を有していてもよい。例えば、Z方向から見た各画素の形状は、四角形、円形又は星形であってもよい。
或いは、回折構造形成層1202は、誘起表面レリーフ形成法を利用して形成してもよい。例えば、剥離保護層1201上に、アゾベンゼンを鎖側に持つポリマーを含んだアモルファス膜を形成する。次に、このアモルファス膜に青色乃至緑色の範囲内の波長を有している数10mW/cm2程度の比較的弱い光を照射する。これにより、ポリマー分子を数μm移動させ、アモルファス膜の表面に凹凸構造を形成する。このような現象を利用することにより、回折構造形成層1202を得ることができる。
或いは、回折構造形成層1202は、転写を利用して形成してもよい。例えば、まず、回折構造形成層1202について例示した方法により、転写面に凹凸構造が設けられた原版を形成する。次に、例えば、電鋳により、原版の転写面上に金属層を形成する。この金属層から原版を除去することにより、金型を得る。その後、この金型のパターンを熱可塑性樹脂又は紫外線若しくは電子線硬化性樹脂層に転写して複数の版を製造し、これら版から電鋳によって複数の金型を製造する。このようにして得られた金型の凹凸構造を熱可塑性樹脂又は紫外線若しくは電子線硬化性樹脂層に転写することにより、一方の主面に回折構造として凹凸構造が設けられた回折構造形成層1202を得ることができる。
なお、ここでは、レリーフ型の回折構造が設けられた回折構造形成層1202を例示しているが、回折構造形成層1202には他の構造を採用してもよい。例えば、回折構造形成層1202は、イメージホログラム、リップマンホログラム、レインボーホログラム又はインテグラルホログラムであってもよい。
回折構造形成層1202は、省略してもよい。或いは、回折構造形成層1202の代わりに又は回折構造形成層1202に加えて、高分子液晶層を形成してもよい。高分子液晶層を設けた場合、例えば、その複屈折性を利用して潜像を形成することができる。
金属反射層1203は、回折構造形成層1202上に形成されている。金属反射層1203は、剥離保護層1201及び回折構造形成層1202を間に挟んで、基材110の一方の主面の全体と向き合っている。
金属反射層1203は、回折構造形成層1202の凹凸構造が設けられた面の全体を被覆している。金属反射層1203の回折構造形成層1202との接触面には、回折構造形成層1202の凹凸構造に対応した凹凸構造が設けられている。この金属反射層1203の凹凸構造は、レリーフ型の回折構造を構成している。即ち、金属反射層1203は、回折構造に由来する視覚効果をより大きくする役割を果たす。
金属反射層1203は、単体金属又は合金からなる。金属反射層1203の材料としては、例えば、アルミニウム、錫、クロム、ニッケル、銅、金又は真鍮を使用することができる。
回折構造形成層1202の表面に回折構造としての凹凸構造が設けられていない場合、例えば、回折構造形成層1202がリップマンホログラムである場合、回折構造形成層1202と金属反射層1203とは互いに接触していなくてもよい。即ち、それらの間に透明層が介在していてもよい。
この金属反射層1203は、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。この金属反射層1203の厚さは、例えば、約5nm乃至約1000nmの範囲内とする。
図示しない印刷パターンは、回折構造形成層1202上に形成されている。印刷パターンは、剥離保護層1201と回折構造形成層1202との間に介在させてもよい。或いは、印刷パターンの一部を剥離保護層1201と回折構造形成層1202との間に介在させ、他の一部を回折構造形成層1202上に形成してもよい。
印刷パターンの材料としては、例えば、プロセスインキを使用することができる。印刷パターンの材料として、蛍光体などの特殊な光学特性を有している材料を含有した特殊インキを使用してもよい。
印刷パターンは、図形、絵柄及び模様などのように表示体に装飾又は美的な効果を与える形状を有していてもよく、文字、数字及び記号などの情報を表示する形状を有していてもよい。
印刷パターンの代わりに、例えば、透明な連続膜としての印刷層を剥離保護層1201と回折構造形成層1202との間に形成してもよい。或いは、印刷パターンは省略してもよい。
転写材層120は、上述した以外の層を更に含んでいてもよい。例えば、隣接している2つの層間にアンカーコート層を介在させ、それらの密着性を向上させてもよい。アンカーコート層は、例えば、剥離保護層1201と回折構造形成層1202との間、又は金属反射層1203と接着層130との間に形成することができる。アンカーコート層の材料としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用することができる。
接着層130は、転写材層120を被覆している。接着層130は、例えば、熱を印加したときに粘着性を発現する感熱接着材を含んでいる。感熱接着材としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体などの熱可塑性樹脂を使用することができる。接着層130は、例えば、上述した樹脂を含有した塗工液を転写材層120上に塗布することにより得られる。
図3は、図1及び図2に示す転写箔を用いた転写によって得られる表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図である。図4は、図3に示す表示体付き物品のIV−IV線に沿った断面図である。
この表示体付き物品20は、被転写体としての物品210と、表示体220と、それらの間に介在した接着層230とを含んでいる。図3及び図4に示す例では、表示体付き物品20は商品券である。
物品210は、この例では印刷物である。物品210は、基材2101と、その上に形成された印刷パターン2102とを含んでいる。基材2101は、典型的には紙を含んでいる。基材2101の材料として、プラスチック又は合成紙を使用してもよい。
表示体220は、物品210に支持されている。表示体220は、図1及び図2を参照しながら説明した転写材層120の一部である。表示体220は、剥離保護層1201と回折構造形成層1202と金属反射層1203と上述した印刷パターン1205とを含んでいる。金属反射層1203は、物品220と向き合っている。なお、回折構造形成層1202及び印刷パターン1205は省略することができる。
接着層230は、表示体220と物品210とを貼り合せている。接着層230は、図1及び図2を参照しながら説明した接着層130の一部である。
表示体付き物品20は、株券などの商品券以外の有価証券であってもよい。或いは、表示体付き物品20は、キャッシュカード、クレジットカード及びパスポートなどの認証媒体であってもよい。或いは、表示体付き物品20は、表示体が取り付けられた美術品、工芸品、タグ又は包装材料であってもよい。
この表示体付き物品20は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、図1及び図2に示す転写箔10と物品210とを、転写箔10の接着層130が物品210と向き合うように配置する。次に、転写箔10を物品210に押し当てると共に、転写箔10のうち物品210に接触させている部分を加熱する。転写箔10を加熱すると、その加熱部で、接着層130は粘着性を発現する。その結果、転写材層120は、接着層130を介して物品210に接着する。その後、転写箔10、特には基材110を物品210から剥離する。これにより、転写材層120に、先の加熱部の輪郭に沿った破断を生じさせ、転写材層120の加熱部を物品210上に残したまま、転写箔10を物品210から剥がす。以上のようにして、先の加熱部を表示体220として含んだ表示体付き物品20が得られる。
この表示体付き物品20は、金属反射層1203への不正加工が行われたとしても、判定者はそのことを容易に知覚できる。これについて、図5及び図6を参照しながら説明する。
図5は、金属反射層に不正加工が行われた表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図である。図6は、図5に示す表示体付き物品のVI−VI線に沿った断面図である。
図3及び図4に示す表示体付き物品20の金属反射層1203へ不正加工を行う場合、例えば、Nd:YAGレーザ又はCO2ガスレーザなどのレーザを用いて、剥離保護層1201側から金属反射層1203に向けてレーザ光線を照射する。これにより、図6に示すように、表示体220のレーザ光線LBを照射した照射部から、金属反射層1203を除去する。
レーザ光線LBの照射により照射部から金属反射層1203を除去すると、この除去部では、剥離保護層1201に不可逆的な色変化が生じる。例えば、剥離保護層1201が感熱着色材を含んでいる場合には、感熱着色材の少なくとも一部が加熱されて不可逆的な色変化を生じ、これにより、照射部で剥離保護層1201の色が不可逆的に変化する。また、剥離保護層1201が感熱着色材を含まずに光吸収材を含んでいる場合、例えば、光吸収材の含量が十分に大きければ、照射部で剥離保護層1201が不可逆的に黒化する。剥離保護層1201の色変化を生じた部分1201’が呈する色を他の部分の色と対比させることにより、判定者は、不正加工が行われたことを知覚する。
このように、不正加工が行われた場合、表示体付き物品20には、判定者が容易に知覚可能な不正加工の痕跡が形成される。従って、表示体220が持っている偽造防止効果に対する判定者の信頼度が低下するのを抑制できる。
また、この表示体付き物品20では、反射層1203の前面側に位置した保護層1201が感熱着色材及び/又は光吸収材を含有している。そのため、保護層1201が感熱着色材及び/又は光吸収材の添加によって着色している場合、この保護層1201の色が表示に影響を及ぼす。しかしながら、保護層1201は、表示体220の前面全体に亘って設けられている。そして、感熱着色材及び/又は光吸収材の濃度は保護層1201内で均一である。従って、接着層230に感熱着色材及び/又は光吸収材が使用されていることは悟られ難い。
なお、ここでは、レーザ光線の照射による不正加工について説明したが、この表示体220は、熱線若しくは電子線照射又は放電破壊による不正加工に対しても上述したのと同様の効果を発揮する。
上述した転写箔10には、様々な変形が可能である。
図7は、図1及び図2に示す転写箔の一変形例を概略的に示す平面図である。図8は、図7に示す転写箔のVIII−VIII線に沿った断面図である。
図7及び図8に示す転写箔10は、以下の構成を採用したこと以外は、図1及び図2を参照しながら説明した転写箔10と同様の構造を有している。即ち、この転写箔10では、金属反射層1203はパターニングされている。そして、この転写箔10では、転写材層120は、耐薬品性保護層1204を更に含んでいる。
金属反射層1203は、どのような形状を有していてもよい。例えば、金属反射層1203は、図形、絵柄及び模様などのように表示体に装飾又は美的な効果を与える形状を有していてもよく、文字、数字及び記号などの情報を表示する形状を有していてもよい。
耐薬品性保護層1204は、金属反射層1203と同一の形状を有している。そして、耐薬品性保護層1204は、金属反射層1203の回折構造形成層1202との対向面の裏面全体を被覆している。
耐薬品性保護層1204は、パターニングされた金属反射層1203を形成する際にエッチングマスクとしての役割を果たす。これについては、後で詳述する。
耐薬品性保護層1204は、例えば、樹脂を含有している。この樹脂としては、比較的高いガラス転移温度(Tg)、例えば約150℃以上のガラス転移温度を有している樹脂を使用することができる。そのような樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(Tg=140℃乃至150℃)、ポリアリレート樹脂(Tg=193℃)、ポリスルホン樹脂(Tg=190℃)、ポリエーテルスルホン樹脂(Tg=225℃)、ポリエーテルイミド樹脂(Tg≧200℃)、環状ポリオレフィン共重合体(Tg=171℃)、変性ノルボルネン系樹脂(Tg=171℃)、ポリアミドイミド樹脂(Tg≧200℃)及びポリイミド樹脂(Tg≧250℃)などの熱可塑性樹脂を使用することができる。或いは、このような樹脂として、熱硬化性樹脂、水分硬化性樹脂、又は紫外線若しくは電子線硬化性樹脂を使用してもよい。
耐薬品性保護層1204は、充填材などの他の材料を更に含有していてもよい。但し、樹脂以外の成分の合計含量が大きくなると、耐薬品性保護層1204の組成が不均一になり易く、その結果、耐薬品性保護層1204の機械的強度及び/又は耐熱性が不十分となることがある。また、樹脂以外の成分の合計含量が大きくなると、耐薬品性保護層1204の形成に使用する塗工液の流動性が低下する。塗工液の流動性が低いと、版を利用して耐薬品性保護層1204を形成する場合には、版上で塗工液が乾燥し、印刷適性が劣化する可能性がある。そして、樹脂以外の成分の合計含量が大きいと、塗工液の保管時又は塗工時に、固形分の凝集又は沈降を生じ易い。耐薬品性保護層1204が含有している樹脂に対するその他の成分の比は、例えば40質量%以下とする。
金属反射層1203及び耐薬品性保護層1204は、例えば、以下の方法により形成する。
まず、回折構造形成層1202上に、単体金属又は合金からなる金属層を形成する。この金属層の形成には、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法を利用することができる。この金属層の厚さは、例えば、約5nm乃至約1000nmの範囲内とする。
次に、金属層上に、耐薬品性保護層1204を形成する。耐薬品性保護層1204は、例えば、樹脂を含有した塗工液をインキとして用いた印刷法により形成することができる。或いは、耐薬品性保護層1204は、金属層上に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターン露光及び現像処理に供することにより形成してもよい。
その後、耐薬品性保護層1204をエッチングマスクとして用いて、金属層をエッチングする。具体的には、アルカリ性又は酸性のエッチング液を金属層に適用して、その露出部をエッチング液に溶解させる。例えば、金属層と耐薬品性保護層1204との積層体を含んだ構造を、1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬させる。水酸化ナトリウム水溶液の温度は、例えば40℃乃至50℃とする。また、浸漬時間は、例えば5秒乃至30秒とする。このようにして、パターニングされた金属反射層1203が得られる。なお、耐薬品性保護層1204は、金属層のパターニング後に除去してもよい。
図9は、図7及び図8に示す転写箔を用いた転写によって得られる表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図である。図10は、図9に示す表示体付き物品のX−X線に沿った断面図である。
この表示体付き物品20は、表示体220及び接着層230が、図7及び図8を参照しながら説明した転写材層120及び接着層130の一部であること以外は、図3及び図4を参照しながら説明した表示体付き物品20と同様の構成を有している。この表示体付き物品20は、図7及び図8に示す転写箔10を使用すること以外は、図3及び図4を参照しながら説明したのと同様の方法により製造することができる。
図11は、金属反射層に不正加工が行われた表示体付き物品の他の例を概略的に示す平面図である。図12は、図11に示す表示体付き物品のXII−XII線に沿った断面図である。
図9及び図10に示す表示体付き物品20の金属反射層1203へ不正加工を行う場合、例えば、Nd:YAGレーザ又はCO2ガスレーザなどのレーザを用いて、剥離保護層1201側から金属反射層1203に向けてレーザ光線を照射する。これにより、図12に示すように、表示体220のレーザ光線LBを照射した照射部から、金属反射層1203を除去する。
レーザ光線LBの照射により照射部から金属反射層1203を除去すると、図5及び図6を参照しながら説明したのと同様に、この除去部では、剥離保護層1201に不可逆的な色変化が生じる。従って、表示体220が持っている偽造防止効果に対する判定者の信頼度が低下するのを抑制できる。
また、この表示体10では、反射層1203の前面側に位置した保護層1201が感熱着色材及び/又は光吸収材を含有しているものの、保護層1201は、表示体220の前面全体に亘って設けられている。そして、感熱着色材及び/又は光吸収材の濃度は保護層1201内で均一である。従って、接着層230に感熱着色材及び/又は光吸収材が使用されていることは悟られ難い。
更に、この表示体10では、金属反射層1203はパターニングされているものの、感熱着色材及び/又は光吸収材は、パターニングされていない剥離保護層1201中に均一に含ませている。それゆえ、パターニングされた層に感熱着色材及び/又は光吸収材を含有させる場合とは異なり、位置合わせを考慮しなくても、不正加工が行われたことを判定者に容易に知覚させる効果を得ることができる。
なお、ここでは、レーザ光線の照射による不正加工について説明したが、この表示体220は、熱線若しくは電子線照射又は放電破壊による不正加工に対しても上述したのと同様の効果を発揮する。
以上、感熱着色材及び/光吸収材が剥離保護層1201に含まれている場合について説明したが、感熱着色材及び/光吸収材は、金属反射層1203の前面と向き合った他の光透過層が含んでいてもよい。例えば、感熱着色材及び/光吸収材は、回折構造形成層1202が含んでいてもよい。或いは、剥離保護層1201と回折構造形成層1202との間にアンカーコート層を設けた場合、このアンカーコート層が感熱着色材及び/又は光吸収材を含んでいてもよい。或いは、剥離保護層1201と回折構造形成層1202との間の全体に亘って透明な連続膜としての印刷層を設けた場合、この印刷層が感熱着色材及び/又は光吸収材を含んでいてもよい。
感熱着色材及び/又は光吸収材を含んだ層は、典型的には開口が設けられていない連続膜であるが、網目状の膜、ストライプ状の膜又は互いに離間した多数のドットからなる膜のように開口が設けられた膜であってもよい。但し、開口の寸法又は密度が大きくなると、不正加工が行われたことを判定者に容易に知覚させる効果が小さくなる。
以下、本発明の例について説明する。
(例1)
図1及び図2に示す転写箔10を以下の方法により製造した。なお、本例では、印刷パターン1205は省略した。
まず、基材110として、厚さが25μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
次に、この基材110の一方の主面上に、表1に示す組成を有しているインキを塗布し、この塗膜を乾燥させた。このようにして、基材110上に、厚さが2μmの剥離保護層1201を形成した。
Figure 0005256718
次いで、剥離保護層1201上に、表2に示す組成を有しているインキを塗布し、この塗膜を乾燥させた。このようにして、厚さが1μmの熱可塑性樹脂層を得た。更に、この熱可塑性樹脂層に熱を加えながらプレス版を押し当てることにより、表面に回折構造としての凹凸構造が設けられた回折構造形成層1202を形成した。
Figure 0005256718
その後、回折構造形成層1202の全面に、真空蒸着法により、厚さが50nmのアルミニウム層を形成した。
更に、回折構造形成層1202及び金属反射層1203上に、表3に示す組成を有しているインキを印刷することにより、厚さが3μmの接着層130を形成した。以上のようにして、図1及び図2に示す転写箔10を完成した。
Figure 0005256718
次に、この転写箔10を用いて、図3及び図4に示す表示体付き物品20を以下の方法により製造した。
即ち、紙からなる基材2101上に印刷パターン2102が形成された物品20を準備した。熱ロール転写機を用いて、転写材層120の一部を基材110から基材2101上へと転写した。具体的には、この物品20と転写箔10とを、接着層130が物品20と向き合うように重ね合わせ、これに、120℃に設定した熱ロールを用いて熱及び圧力を印加した。熱及び圧力の印加後、直ちに基材2101から基材110を剥離した。以上のようにして、図3及び図4に示す表示体付き物品20を完成した。
次に、剥離保護層1201側から金属反射層1203に波長が1064nmのレーザ光線を照射して、金属反射層1203の一部を除去した。ここでは、レーザ出力は2Wに設定した。この表示体付き物品20を観察したところ、図5に示すように、レーザ光線の照射部に対応した位置で不可逆的な色変化を生じた部分1201’を視認することができ、金属反射層1203の一部が除去されていることを容易に知覚することができた。
(例2)
図7及び図8に示す転写箔10を以下の方法により製造した。なお、本例では、印刷パターン1205は省略した。
まず、例1で説明したのと同様の方法により、基材110上に、剥離保護層1201、回折構造形成層1202及びアルミニウム層をこの順に形成した。
次に、このアルミニウム層上に、表4に示す組成を有しているインキをパターン印刷した。これにより、厚さが1μmの耐薬品性保護層1204を得た。
Figure 0005256718
次いで、このようにして得られた構造を、50℃に保温された1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液中に10秒間浸した。これにより、アルミニウム層のうち耐薬品性保護層1204で被覆されていない部分を除去した。続いて、この構造を、中和、水洗及び乾燥処理に順次供した。中和処理は、先の構造を0.1Nの塩酸水溶液に浸すことにより行った。このようにして、耐薬品性保護層1204と同一のパターン形状を有している金属反射層1203を得た。
その後、回折構造形成層1202及び金属反射層1203上に、上記表3に示す組成を有しているインキを印刷することにより、厚さが3μmの接着層130を形成した。以上のようにして、図7及び図8に示す転写箔10を完成した。
続いて、この転写箔10を用いたこと以外は例1で行ったのと同様の方法により、図9及び図10に示す表示体付き物品20を製造した。
次に、剥離保護層1201側から金属反射層1203に波長が1064nmのレーザ光線を照射して、金属反射層1203の一部を除去した。ここでは、レーザ出力は2Wに設定した。この表示体付き物品20を観察したところ、図5に示すように、レーザ光線の照射部に対応した位置で不可逆的な色変化を生じた部分1201’を視認することができ、金属反射層1203の一部が除去されていることを容易に知覚することができた。
本発明の一態様に係る転写箔を概略的に示す平面図。 図1に示す転写箔のII−II線に沿った断面図。 図1及び図2に示す転写箔を用いた転写によって得られる表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図。 図3に示す表示体付き物品のIV−IV線に沿った断面図。 金属反射層に不正加工が行われた表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図。 図5に示す表示体付き物品のVI−VI線に沿った断面図。 図1及び図2に示す転写箔の一変形例を概略的に示す平面図。 図7に示す転写箔のVIII−VIII線に沿った断面図。 図7及び図8に示す転写箔を用いた転写によって得られる表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図。 図9に示す表示体付き物品のX−X線に沿った断面図。 金属反射層に不正加工が行われた表示体付き物品の他の例を概略的に示す平面図。 図11に示す表示体付き物品のXII−XII線に沿った断面図。
符号の説明
10…転写箔、20…表示体付き物品、110…基材、120…転写材層、130…接着層、210…物品、220…表示体、230…接着層、1201…剥離保護層、1201’…変色部、1202…回折構造形成層、1203…金属反射層、1204…耐薬品性保護層、1205…印刷パターン、2101…基材、2102…印刷パターン。

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の一方の主面に剥離可能に支持された転写材層とを具備し、前記転写材層は、前記主面と向き合った光透過層と、前記光透過層を間に挟んで前記基材の一方の主面の全体又は一部と向き合った金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と光を吸収して発熱する光吸収材とを含有し且つレーザ光線の照射によって不可逆的に黒化するか、又は、透明樹脂と変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする転写箔。
  2. 基材と、前記基材の一方の主面に剥離可能に支持された転写材層とを具備し、前記転写材層は、前記主面と向き合った光透過層と、前記光透過層を間に挟んで前記基材の一方の主面の全体又は一部と向き合った金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と、光を吸収して発熱する光吸収材と、変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする転写箔。
  3. 前記光透過層は前記基材と隣接した剥離保護層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写箔。
  4. 前記転写材層は、前記金属反射層と前記剥離保護層との間に介在し、前記金属反射層側の主面にレリーフ型の回折構造が設けられ、透明材料からなる回折構造形成層を更に含んでいることを特徴とする請求項3に記載の転写箔。
  5. 前記転写材層を被覆した接着層を更に具備したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の転写箔。
  6. 前記転写材層は、印刷パターン及び/又はアンカーコート層を更に含んでいることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の転写箔。
  7. 被転写体としての物品と、請求項1乃至6の何れか1項に記載の転写箔を用いた転写によって前記物品上に貼り付けられた表示体とを具備したことを特徴とする表示体付き物品。
  8. 物品と、これに支持された表示体とを具備し、前記表示体は、前記物品の一方の主面の一部又は全部と向き合った光透過層と、前記光透過層と前記物品との間に介在した金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と光を吸収して発熱する光吸収材とを含有し且つレーザ光線の照射によって不可逆的に黒化するか、又は、透明樹脂と変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする表示体付き物品。
  9. 物品と、これに支持された表示体とを具備し、前記表示体は、前記物品の一方の主面の一部又は全部と向き合った光透過層と、前記光透過層と前記物品との間に介在した金属反射層とを含み、前記光透過層は、透明樹脂と、光を吸収して発熱する光吸収材と、変色温度より高い温度に加熱することによって不可逆的な色変化を生じる感熱着色材とを含有していることを特徴とする表示体付き物品。
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