本実施形態に係る自動洗面器は、室内の照明が比較的暗く設計されている化粧室等に配設されて使用されるものであり、吐水口を備えた吐水部と、この吐水部からの吐水と止水とを切替える吐水切替部と、吐水口の前方下側の領域である第一の対象物検知範囲内における使用者の手を検知する手検知用センサと、手検知用センサが使用者の手を検知すると、吐水切替部の動作を制御して吐水させる吐水制御部とを備えた吐水ユニットと、この吐水ユニットからの吐水を受ける洗面器とを備えている。
特に、この自動洗面器が備える吐水ユニットは、その上方又は前方の位置に、視認可能に設けられた照明部と、第一の対象物検知範囲の上側の領域である第二の対象物検知範囲内における使用者を検知する使用者検知用センサと、使用者検知用センサが前記使用者を検知すると、照明部を点灯させる照明制御部とを備えている。
そのため、この自動洗面器は、室内の照明が比較的暗く設計されている場所に設置しても、使用者に確実且つ良好に手洗いを行わせることができる。
すなわち、この自動洗面器は、暗所に配設されていても、使用者が接近してきたことを使用者検知用センサにより検知して、照明制御部が照明部を点灯させるため、使用者に対して当該自動洗面器の設置位置を的確に報知することができる。
そのため、この自動洗面器の使用者は、この自動洗面器に設けられた照明部の明かりを目印に自動洗面装置の位置を認識することができ、しかも、照明部を吐水ユニットの上方又は前方の位置に、視認可能に配設しているため、自動洗面器の配設位置ばかりでなく、吐水ユニットの配設位置までを的確に認識することができるので、手を手検知用センサの対象物検知範囲内へ容易に差し出すことができ、暗所であっても確実且つ良好に手洗いを行うことができるのである。
さらに、この自動洗面器では、従来の自動水栓のように、発光部を発光させて吐水流や手元を照らすのではなく、点灯している照明部の配設位置によって、使用者に吐水ユニットの配設位置を認識させるように構成しているため、照明部の消費電力を可及的に低減させることができる。
また、この自動洗面器は、照明部を吐水ユニットの上部カバーに凸設し、照明部を点灯することによって、照明部の吐水ユニットから突出している部分を光らせるように構成している。
そのため、この自動洗面器は、高級感を演出できるだけでなく、目線が吐水ユニットの配設されている高さ程しかない子供等が使用する場合であっても、その使用者に対して容易に当該自動洗面器の配設位置を報知することができる。
また、照明部を制御する照明制御部は、使用者検知用センサの検知結果に基づいて照明部を点灯させているときに、手検知用センサがその使用者の手を検知すると、照明部に発している光の強度を低減させる制御を行うように構成している。
そのため、この自動洗面器は、使用者に配設位置を認識させた後、使用者が手洗いを行う際に、照明部の光が眩しすぎて手洗いに支障をきたすことを防止することができる。
また、この照明制御部は、使用者検知用センサが使用者を検知していない状態で、手検知用センサが使用者の手を検知すると、照明部を点灯させる制御を行うように構成している。
そのため、この自動洗面器は、使用者が使用者検知用センサの対象物検知領域に入らないような身長の低い子供等であった場合や、使用者検知用センサが故障した場合等であっても、手検知用センサが使用者の手を検知すれば、照明部を点灯させることができるので、使用者に照明部の点灯を視認させることによって、使用者の手が確実に手洗いのできる位置まで差し出されていることを確実に報知することができる。
また、照明制御部は、照明部を点灯させる際に、照明部に発する光の強度を徐々に増大させ、且つ、照明部を消灯させる際に、照明部に発している光の強度を徐々に低減させる制御を行うように構成している。
そのため、この自動洗面器は、照明部の緩やかな点灯と消灯とによって高級感を演出できるだけでなく、暗所で突然照明部が点灯することで使用者に驚きや不快感を与えることを防止することができる。
また、照明制御部は、照明部が発している光の強度を低減させて吐水を開始する際にも、光の強度を徐々に低減させる制御を行うことによって、高級感を演出することができるだけでなく、暗所でいきなり照明部が減光することにより使用者が不安感を抱くことを防止することができる。
この自動洗面器が有する手検知用センサは、第一の時間間隔で間欠的に手検知用の光を投光する第一投光部と、光を受光する第一受光部と、第一受光部が受光した光のレベルに基づいて使用者の手を検知すると共に、第一投光部の投光制御を行う第一センサ制御部とを備えており、使用者検知用センサは、第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で間欠的に使用者を検知する使用者検知用の光を投光する第二投光部と、光を受光する第二受光部と、第二受光部が受光した光のレベルに基づいて使用者を検知すると共に、第二投光部の投光制御を行う第二センサ制御部とを備えている。
そして、使用者検知用センサの第二センサ制御部は、第二投光部が投光したときに第二受光部が受光した光のレベルから検知した結果と、第二投光部が前回投光したときに第二受光部が受光した光のレベルから検知した結果とが異なると、第二投光部に第一の時間間隔よりも短い第三の時間間隔を空けて使用者検知用の光を再投光させ、この再投光させた光の反射光を第二受光部が受光したときに、第二受光部が所定レベル以上の光を受光したことを条件として、使用者を検知するように構成している。
そのため、使用者検知用センサの第二投光部が光を投光するタイミングと、手検知用センサの第一投光部が光を投光するタイミングとが同期した場合に、使用者検知用センサの第二受光部が、手検知用センサの第一投光部から投光された光の反射光を受光して、使用者がいないにもかかわらず使用者を検知してしまうことを防止することができる。
しかも、第二センサ制御部は、第二投光部が第三の時間間隔で2回連続して光を投光しても第二受光部が受光しない場合に、使用者がいないと判断するため、使用者がいなくなったことを確実に検出することができる。
また、手検知用センサは、第一投光部が投光したときに第一受光部が受光した光のレベルから検知した結果と、第一投光部が前回投光したときに第一受光部が受光した光のレベルから検知した結果とが異なると、第一投光部に第三の時間間隔よりも短い第四の時間間隔を空けて手検知用の光を再投光させ、この再投光させた光の反射光を第一受光部が受光したときに、第一受光部が所定レベル以上の光を受光したことを条件として、使用者の手を検知するように構成している。
そのため、使用者検知用センサの第二投光部が光を投光するタイミングと、手検知用センサの第一投光部が光を投光するタイミングとが同期した場合に、手検知用センサの第一受光部が、使用者検知用センサの第二投光部から投光された光の反射光を受光して、使用者の手がないにもかかわらず誤検知してしまうことを防止することができる。
しかも、第一センサ制御部は、第一投光部が第四の時間間隔で2回連続して光を投光しても第一受光部が受光しない場合に、使用者の手がないと判断するため、使用者の手がないことを確実に検知することができる。
また、手検知用センサの第一投光部は、吐水ユニットの前方下側へ向けて手検知用の光を投光し、使用者検知用センサの第二投光部は、吐水ユニットの前方へ向けて使用者検知用の光を投光するように構成している。
そして、吐水制御部は、使用者検知用センサが使用者を検知し、手検知用センサが使用者の手を検知している状態で、手検知用センサが依然として使用者の手を検知しているにもかかわらず、使用者検知用センサが使用者を検知しなくなると、吐水切替部を制御して所定期間吐水を停止させるように構成している。
そのため、この自動洗面器は、たとえば、洗面器を清掃する場合等のように、吐水ユニットからの吐水を所定期間停止させたい場合に、容易に止水することができる。
すなわち、この自動洗面器を清掃する作業員は、まず、自動洗面器の正面に立ち、自身を使用者検知用センサに検知させた後、吐水ユニットの前方下側へ差し出すことによって手を手検知用センサに検知させたままの状態で、体を使用者検知用センサの対象物検知領域の外側へ移動させることによって、その後、所定期間吐水を停止させることができ、その期間内に洗面器の清掃を行うことができる。
しかも、このように構成したことにより、自動洗面器に、吐水ユニットからの吐水を所定期間停止させるために操作する操作手段を別途設ける必要がないので、吐水ユニットの美観を損ねることがない。
また、この自動洗面器に、使用者が操作することにより、吐水制御部が吐水切替部を制御して吐水させる操作部を設けても良い。
このような操作部を設けた場合、照明制御部は、操作部が使用者により操作されると、照明部に発している光の強度を低減させるように構成する。
このように構成することによって、手検知用センサが故障した場合等、自動での吐水が行えない場合に、使用者は、操作部を操作することによって、吐水させることができ、良好に手洗いを行うことができる。
しかも、使用者が操作部を操作して吐水が開始されると、照明部が減光するため、照明部の光が手洗いの妨げになることがない。
また、このように操作部を設けた場合に、吐水制御部は、使用者検知用センサが使用者を検知し、操作部が使用者により継続操作されている状態で、操作部が依然として継続操作されているにもかかわらず、使用者検知用センサが使用者を検知しなくなると、吐水切替部を制御して所定期間吐水を停止させるように構成する。
このように構成することによって、吐水ユニットからの吐水を所定期間停止させたい場合に、さらに容易に所定期間止水することができる。
すなわち、自動洗面器を清掃する場合等、吐水ユニットからの吐水を所定期間停止させる場合、まず、自動洗面器の正面に立ち、自身を使用者検知用センサに検知させた後、操作部を操作しながら体を使用者検知用センサの対象物検知領域の外側へ移動させることによって、その後、所定期間吐水を停止させることができ、その期間内に洗面器の清掃等を行うことができる。
また、このように構成することによっても、吐水ユニットからの吐水を所定期間停止させるために操作する操作手段を別途設ける必要がないので、吐水ユニットの美観を損ねることがない。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る自動洗面器について、更に具体的に説明する。
図1は、自動洗面器を示す説明図であり、図2は、自動洗面器の吐水ユニットを示す説明図であり、図3及び図4は、自動洗面器の使用形態を示す説明図であり、図5及び図6は、自動洗面器の清掃時における使用形態を示す説明図であり、図7は、自動洗面器の電気的構成を示す説明図であり、図8は、自動洗面器の吐水ユニットが備える各センサの動作を示す説明図であり、図9は、自動洗面器の吐水ユニットが備える照明部の動作を示す説明図であり、図10は、自動洗面器の吐水ユニットが備える制御部が行う処理を示す説明図であり、図11及び図12は、自動洗面器の吐水ユニットが備えるセンサ制御部が行う処理を示す説明図であり、図13は、自動洗面器の吐水ユニットが備える制御部が行う処理を示す説明図である。
[自動洗面器の外観及び内部構成等について]
図1(a)は、本実施形態の自動洗面器を示す外観斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線における断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の自動洗面器1は、化粧室等の壁面に取付けて使用するものであり、吐水ユニット2と、吐水ユニット2からの吐水を受ける洗面器3とを備えている。なお、図中の符号5は洗面器3の底部中央に設けられた排水口であり、符号6は、吐水の温度を切替える水温切替スイッチである。
また、この自動洗面器1の吐水ユニット2は、図1(b)に示すように、吐水口7を備えた吐水部8と、吐水部8の吐水と止水とを切替える吐水切替部9と、吐水口7から第一の対象物検知範囲10内における使用者の手を検知する手検知用センサ11と、吐水切替部9の動作を制御する吐水制御部として機能する制御部12とを備えており、使用者が手洗いを行う際に、手検知用センサ11が使用者の手を検知すると、制御部12が吐水切替部9を制御して自動的に吐水するように構成している。なお、図中の符号13は、自動洗面器1へ水を供給する給水管である。
特に、この吐水ユニット2は、吐水口7から第二の対象物検知範囲14内の使用者を検知する使用者検知用センサ15と、この吐水ユニット2の上部カバー16に一部を突出させて凸設した照明部4とを備えており、使用者検知用センサ15が使用者を検知すると、制御部12が照明制御部として機能して照明部4を点灯させることにより、化粧室内が比較的暗い場合であっても、自動洗面器1の配設位置を使用者が的確に認識できるように構成している。
ここで、吐水ユニット2の具体的構成について、図2を参照して説明する。図2(a)は、図1(b)の吐水ユニット2部分を拡大した側面部分断面図であり、図2(b)は、吐水ユニット2の平面部分断面図であり、図2(c)は、吐水ユニット2の正面部分断面図である。
図2(a)に示すように、この吐水ユニット2は、上部が開放した箱型のケース17の内部に、上記手検知用センサ11、使用者検知用センサ15、制御部12、吐水部8の先端部分等を収納し、このケース17の開放上部を上面が平坦な上部カバー16で閉塞している。
そして、この上部カバー16の略中央に照明部4を配設している。この照明部4は、上部カバー16の下面に配設されて照明部4の光源となるLED(Light Emitting Diode)4aと、上部カバー16の上面に凸設されてLED4aが発する光を導くことにより使用者に光を視認させる部分となる導光体4bとを備えている。なお、LED4aは図示しない配線により制御部12と接続している。
この導光体4bは、図2(a)〜(c)に示すように、上部カバー16の上面から突出している部分を側面視三角形の横細長形状に形成することによって、照明部4を点灯させた際の光を使用者が吐水ユニット2の上方又は前方から視認できるように構成している。
なお、本実施形態では、照明部4を吐水ユニット2の上方の位置に視認可能に設けているが、この照明部4は、吐水ユニット2の前方の位置19に視認可能に設けてもよい。また、導光体4bの形状についても、上記した側面視三角形の横細長形状に限定するものではなく、上部カバー16の上面から突出させることができる形状であれば、任意の形状とすることができる。
このように、本実施形態では、使用者検知用センサ15が使用者を検知すると、制御部12が照明部4を点灯させて導光体4bを光らせて、暗所において自動洗面器1の配設位置を使用者に報知するように構成しているため、照明部4で洗面器3や吐水流を照らす従来の自動水栓装置よりも少ない消費電力で確実に自動洗面器1の配設位置を使用者に報知することができる。
また、この吐水ユニット2では、手検知用センサ11と使用者検知用センサ15の下方に吐水部8の吐水口7を配設して、吐水ユニット2の上方から吐水口7を使用者に視認させないように構成することによって、吐水ユニット2の美観を向上させるようにしている。
そして、この吐水ユニット2では、吐水部8と給水管13との間に電磁弁により構成した吐水切替部9を配設し、制御部12により電磁弁の開閉制御を行うことによって、吐水と止水とを切替えるように構成している。なお、この吐水切替部9は、図示しない配線により制御部12と接続している。
また、この吐水ユニット2では、図2(b)に示すように、手検知用センサ11と使用者検知用センサ15とを吐水ユニット2の前側部分に並設配置することによって、吐水ユニット2の薄型化を図り、吐水ユニット2の美観を向上させるようにしている。
また、この吐水ユニット2では、図2(c)に示すように、吐水口7の形状を横長形状に形成して、吐水口7から水を幅広の滝のように吐水させることによって、自動洗面器1の高級感を演出するように構成している。
[自動洗面器の使用時における動作について]
次に、上記のように構成した自動洗面器1の使用時における動作について、図3及び図4を参照して説明する。
図3(a)に示すように、この自動洗面器1は、使用者18が使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14内にいない間は、図3(b)に示すように、制御部12が照明部4を点灯させない制御を行う。
このように、本実施形態では、使用者検知用センサ15が使用者を検知していない期間、制御部12が照明部4を点灯させないようにしているため、自動洗面器1の消費電力を可及的に低減することができる。
そして、この自動洗面器1は、図3(c)に示すように、使用者18が使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14内に入ると、図3(d)に示すように、制御部12が照明部4を点灯させることによって、使用者18に自動洗面器1の配設位置を報知する。
次に、図4(a)に示すように、使用者18が手を洗うために手を洗面器3のボール部内へ差し出して、その手が手検知用センサ11の第一の対象物検知範囲10に入ると、図4(b)に示すように、制御部12が照明部4に発している光の強度を低減(以下、「減光」という。)させる制御を行い、吐水切替部9を制御して吐水口7から幅広の滝状に吐水させる。
このように、使用者検知用センサ15が使用者18を検知して、制御部12が照明部4を点灯させているときに、手検知用センサ11が使用者18の手を検知すると、制御部12が照明部4に減光させる制御を行うので、使用者18が手洗いの最中に照明部4の光を眩しく感じることがなく、不快感を抱かずに手洗いを行うことができる。
しかも、使用者18は、照明部4が減光されたこと視認することによって、手が確実に手検知用センサ11に検知されていることを認識することができると共に、この減光された光が点灯していることを視認することによって、手洗い中にも手が確実に手検知用センサ11に検知されていることを認識することができるので、良好に手洗いを行うことができる。
次に、使用者18が手洗いを終えて、手検知用センサ11が使用者18の手を検知しなくなると、制御部12は、吐水切替部9を制御して止水する。
その後、使用者18が自動洗面器1から離れ、図4(c)に示すように、使用者検知用センサ15が使用者18を検知しなくなくなると、制御部12は、照明部4を消灯させる制御を行う。
このように、本実施形態では、制御部12が使用者18の手洗い終了後に、自動洗面器1から離れると照明部4を消灯させるように構成しているため、自動洗面器1の消費電力を可及的に低減することができる。
また、ここでは、比較的身長の高い大人が自動洗面器1を使用する場合について説明したが、この自動洗面器1は、たとえば、身長の低い子供等でも良好に使用することができる。
すなわち、この自動洗面器1では、使用者の身長が低く、使用者検知用センサ15が使用者を検知できないような場合であっても、その使用者が手を洗面器3のボール部内へ差し出して、手検知用センサ11がその手を検知すると、制御部12が照明部4を点灯させ、その後、照明部4に減光させた後、吐水切替部9を制御して吐水を開始させることにより、身長の低い子供等でも良好に使用することができるように構成している。
[自動洗面器の清掃時における動作について]
また、本実施形態の自動洗面器1は、清掃作業員が洗面器3のボール部を清掃する際に、自動的に吐水が開始されて清掃作業に支障をきたすことを防止するめ、清掃作業中に吐水させない清掃モードを備えている。
ここで、清掃作業員が自動洗面器1を清掃モードにして洗面器3のボール部の清掃作業を行う際の自動洗面器1の動作について、図5及び図6を参照して説明する。
図5(a)に示すように、この自動洗面器1では、清掃作業員20が使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14内に入ると、図5(b)に示すように、制御部12が照明部4を点灯させて、清掃作業員20へ自動洗面器1の配設位置を報知する。
その後、図5(c)に示すように、清掃作業員20がさらに自動洗面器1へ近づき、手を洗面器3のボール部へ差し出して、その手が手検知用センサ11の第一の対象物検知範囲10に入ると、図5(d)に示すように、制御部12が照明部4を減光させる制御を行い、その後、吐水切替部9を制御して吐水口7から吐水させる。
次に、図6(a)に示すように、清掃作業員20が手を洗面器3のボール部に差し込んだままの状態で、体を自動洗面器1の側方へ移動させて、使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14外へ移動させると、使用者検知用センサ15が清掃作業員20を検知しなくなくなる。
このように、手検知用センサ11が清掃作業員20の手を検知している状態で、使用者検知用センサ15が清掃作業員20を検知しなくなると、制御部12は、図6(b)に示すように、吐水切替部9を制御して所定期間止水する清掃モードにする。
このように本実施形態では、清掃作業員20が上記のような動作を行うことにより、制御部12が自動洗面器1を清掃モードにするように構成しているため、図6(c)に示すように、清掃作業員20が洗面器3のボール部を清掃している間、図6(d)に示すように、吐水が行われることがなく、清掃作業中に自動的に吐水が開始されて清掃作業の妨げになることを防止することができる。
[吐水ユニットの電気的構成について]
ここで、上記のように動作する自動洗面器1が備える吐水ユニット2の電気的構成について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、吐水ユニット2は、手検知用センサ11と使用者検知用センサ15と、吐水部8とを備えている。
手検知用センサ11は、第一の対象物検知範囲10に手検知用の光を投光して、その光が使用者の手に反射した反射光を受光し、受光した光のレベルに基づいて、使用者の手を検知する光電変換式のセンサである。
この手検知用センサ11は、手検知用の光を吐水ユニット2の前方下側へ向けて(図1(b)参照。)投光する第一投光部21と、この第一投光部21に所定のタイミングで間欠的に光を投光させる第一センサ制御部22と、光を受光して、受光した光のレベル(強度)に応じた電圧を出力する第一受光部23と、第一受光部23から出力される受光した光のレベルに応じた電圧を増幅して第一センサ制御部22へ出力する第一増幅部24とを備えている。
そして、この手検知用センサ11では、第一センサ制御部22が第一増幅部24から入力される電圧が所定の閾値以上となったときに、使用者の手が第一の対象物検知範囲10内に存在すると判断して、制御部12へ手検知信号を送信するように構成している。
また、使用者検知用センサ15は、第二の対象物検知範囲14に使用者検知用の光を投光して、その光が使用者に反射した反射光を受光し、受光した光のレベルに基づいて、使用者を検知する光電変換式のセンサである。
この使用者検知用センサ15は、使用者検知用の光を吐水ユニット2の前方へ向けて(図1(b)参照。)投光する第二投光部25と、この第二投光部25に所定のタイミングで間欠的に光を投光させる第二センサ制御部26と、光を受光して、受光した光のレベル(強度)に応じた電圧を出力する第二受光部27と、第二受光部27から出力される受光した光のレベルに応じた電圧を増幅して第二センサ制御部26へ出力する第二増幅部28とを備えている。
そして、この使用者検知用センサでは、第二センサ制御部26が第二増幅部28から入力される電圧が所定の閾値以上となったときに、使用者が第二の対象物検知範囲14内に存在すると判断して、制御部12へ使用者検知信号を送信するように構成している。
また、吐水ユニット2の吐水部8は、制御部12と照明部4と吐水切替部9とを備えている。
制御部12は、マイクロコンピュータにより構成しており、自動洗面器1全体の統括制御するものであり、手検知用センサ11から入力される手検知信号と、使用者検知用センサ15から入力される使用者検知信号とに基づいて、照明部4を制御する照明制御部として機能する他、吐水切替部9を制御する吐水制御部として機能するものである。
そして、この制御部12は、自動洗面器1の動作を統括制御するために実行する各種プログラムを記憶した記憶部(図示略)を備えており、この記憶部に記憶している各種プログラムを実行することによって、手検知用センサ11及び使用者検知用センサ15の起動制御、照明部4の動作制御、吐水切替部9の動作制御等を行う。
また、照明部4は、制御部12の制御により点灯、減光、消灯を行い光源として機能するLED4aと、このLED4aが発する光を導いて使用者に視認される部分となる導光体4bとにより構成している。
また、吐水切替部9は、制御部12の制御により吐水口7からの吐水と止水とを切替える電磁弁により構成している。
[自動洗面器の各センサの動作について]
次に、吐水ユニット2が備えている手検知用センサ11及び使用者検知用センサ15の動作について、図8を参照して具体的に説明する。
図8において、A-1は、使用者検知用センサ15の第二投光部25が使用者検知用の光を投光するタイミングを示しており、A-2は、使用者検知用センサ15の第二受光部27が光を受光したレベルから検知した結果を示しており、A-3は、使用者検知用センサ15の第二センサ制御部26が制御部12へ使用者検知信号を送信するタイミングを示している。
また、図8において、B-1は、手検知用センサ11の第一投光部21が手検知用の光を投光するタイミングを示しており、B-2は、手検知用センサ11の第一受光部23が光を受光したレベルから検知した結果を示しており、B-3は、手検知用センサ11の第一増幅部24が制御部12へ手検知信号を送信するタイミングを示している。
本実施形態では、手検知用センサ11の第一投光部21と、使用者検知用センサ15の第二投光部25とが、それぞれ異なる時間間隔を空けて間欠的に光を投光させるように構成しているが、このように構成した場合、第一投光部21と第二投光部25とが同じ投光タイミングで光を投光することが起こるおそれがある。
このように、第一投光部21と第二投光部25とが同期して同時に光を投光すると、手検知用センサ11の第一受光部23及び使用者検知用センサ15の第二受光部27は、他のセンサから投光された光の反射光を受光して検知対象物を誤検知するおそれがある。
そのため、この吐水ユニット2では、以下に説明するように手検知用センサ11と使用者検知用センサ15とを動作させることによって、検知制度の向上及び検知対象物の誤検知を防止するように構成している。
ここでは、使用者が時刻T1で自動洗面器1の正面に立ち、時刻T3で洗面器3のボール部に手を差し出し、時刻T3〜時刻T7まで手洗いを行い、時刻TT5で自動洗面器1から離れる場合を例に挙げて説明する。
図8のB-1に示すように、手検知用センサ11の第一投光部21は、使用者がいない時刻T1以前において、第一の時間間隔tbで間欠的に手検知用の光を投光する。
この期間、使用者検知用センサ15の第二投光部25は、上記第一の時間間隔tbよりも長い第二の時間間隔taで間欠的に使用者検知用の光を投光する。なお、本実施形態では、第二の時間間隔taを第一の時間間隔tbの整数倍(ここでは二倍。)に設定することによって、各センサの設計を容易にしている。
このように、本実施形態では、手検知用センサ11が光を投光する周期を、使用者検知用センサ15が光を投光する周期よりも短くして、手検知用センサ11の検知感度を高め、使用者が洗面器3のボール部へ手を差し出したことを手検知用センサ11で即座に検知して吐水を開始させることによって、使用者が快適に手洗いを行うことができるようにしている。
その後、時刻T1において、使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14内に使用者が入ると、図8のA-2に示すように、使用者検知用センサ15の第二受光部27が、第二投光部25から投光された光が使用者に反射した反射光を受光する。
このとき、使用者検知用センサ15の第二センサ制御部26は、この時刻T1において第二受光部が受光した光のレベルから検知した結果と、第二投光部25が前回光を投光したときに第二受光部が受光した光のレベルから検知した結果とが異なると判断し、時刻T1から第三の時間間隔tcを空けて、第二投光部25に再度使用者検知用の光を投光させるようにしている。
このとき、第二投光部25は、第一投光部21が光を投光している第一の時間間隔tbよりも短い第三の時間間隔tcで使用者検知用の光を再投光させるようにしている。
こうすることにより、第二投光部25が光を再投光させるタイミングと、第一投光部21が光を投光するタイミングとをずらすことができる。
そして、時刻T2において、第二受光部27がこの第二投光部25から再投光された光の反射光を受光したレベルが所定レベルを超えていると、使用者検知用センサ15の第二センサ制御部26は、図8のA-3に示すように、この時刻T2から使用者検知信号を制御部12へ送信する。
このように、本実施形態では、使用者検知用センサ15の第二受光部27の受光状態に変化が生じた場合に、第二センサ制御部26が第二投光部25から再度使用者検知用の光を投光させる制御を行うことによって、使用者の誤検知を防止するようにしている。
また、時刻T1において、手検知用センサ11の第一投光部21から投光した光は、使用者には反射しないが、この時刻T1では、たまたま手検知用センサ11と使用者検知用センサ15との光の投光タイミングが同期しているので、図8のB-2に示すように、使用者検知用センサ15の第二投光部25から投光された光が使用者に反射して手検知用センサ11の第一受光部23に受光され、手検知用センサ11が使用者の手を誤検知するおそれがある。
しかし、本実施形態の手検知用センサ11では、時刻T1において、第一受光部23が受光した光のレベルから検知した結果と、第一投光部21が前回投光したときに第一受光部23が受光した光のレベルから検知した結果とが異なり、第一受光部23の受光状態に変化生じた場合、第一センサ制御部22が時刻T1から第四の時間間隔tdを空けて、第一投光部21に再度手検知用の光を投光させることにより、手検知用センサによる誤検知を防止するようにしている。
このとき、第一投光部21は、上記第二投光部25が光を再投光する第三の時間間隔tcよりも、さらに短い第四の時間間隔tdで手検知用の光を再投光させるようにしている。
このように、本実施形態では、手検知用センサ11が光を再投光する周期を、使用者検知用センサ15が光を再投光する周期よりも短くして、手検知用センサ11の検知感度を高め、使用者が洗面器3のボール部へ手を差し出したことを手検知用センサ11で即座に検知して吐水を開始させることによって、使用者が快適に手洗いを行うことができるようにしている。
ここで、第一受光部23は、第一投光部21から再投光された光の反射光を受光しないため、第一センサ制御部22は制御部12へ手検知信号を送信しない。
こうすることにより、第一投光部21が光を再投光させるタイミングと、第二投光部25が光を投光するタイミングとをずらすことができるため、手検知用センサ11が使用者の手が存在しないにもかかわらず、手を誤検知して吐水が開始されることがなく、節水効率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、手検知用センサ11の第一受光部23の受光状態に変化が生じた場合に、第一センサ制御部22が第一投光部21から再度手検知用の光を投光させる制御を行うことによって、使用者の手の誤検知を防止するようにしている。なお、各センサの受光部は、他のセンサから投光される光を毎回受光するものではない。
その後、使用者が自動洗面器1へ更に近づき、時刻T3において、使用者が手を洗面器3のボール部へ差し出すと、手検知用センサ11の第一受光部23が光を受光する。
こうして、これまで第一の時間間隔で光を受光していなかった手検知用センサ11の第一受光部23が光を受光すると、第一センサ制御部22は、第一投光部21に上記第四の時間間隔tdを空けて再度手検知用の光を投光させる制御を行う。
ここでは、使用者が洗面器3のボール部へ手を差し出しているため、時刻T4において第一受光部23は、光を受光することとなり、第一センサ制御部22は、この時刻T4から制御部12へ手検知信号を送信する。
その後、時刻T7において使用者が手洗いを終え、洗面器3のボール部から手を挙げると、これまで第一の時間間隔で光を受光していた手検知用センサ11の第一受光部23は、光を受光しなくなる。
このように、第一受光部23の受光状態に変化が生じると、時刻T8において第一センサ制御部22は、上記第四の時間間隔tdを空けて、第一投光部21に再度手検出用の光を投光させる。
ここでは、使用者が既に洗面器3のボール部から手を挙げており、第一受光部23が光を受光しないので、第一センサ制御部22は、時刻T8において制御部12への手検知信号の送信を停止する。
その後、時刻T5において使用者が自動洗面器1から遠ざかり、使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14外へ出ると、使用者検知用センサ15の第二受光部27は、光を受光しなくなる。
このように、これまで第二の時間間隔で光を受光していた第二受光部27の受光状態に変化が生じると、時刻T6において第二センサ制御部26は、上記第三の時間間隔をあけて、第二投光部25に再度使用者検知用の光を投光させる。
ここでは、使用者が既に使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14外へ出ており、第二受光部27が光を受光しないので、第二センサ制御部26は、時刻T6において制御部12へ使用者検知信号の送信を停止する。
[吐水ユニットの照明部の動作について]
次に、吐水ユニット2が備える照明部4の動作について、図9を参照して更に具体的に説明する。特に本実施形態では、制御部12が照明部4に点灯、減光、消灯させるときに、照明部4から発する光の強度を徐々に変化させるように構成している。
図9においてA-3は、使用者検知用センサ15の第二センサ制御部26が制御部12へ使用者検知信号を送信するタイミングを示しており、B-3は、手検知用センサ11の第一増幅部24が制御部12へ手検知信号を送信するタイミングを示しており、Cは、照明部4が発する光の強度変化を示している。
本実施形態では、図9に示すように、時刻T2において第二センサ制御部26が制御部12へ使用者検知信号を送信すると、制御部12がこの使用者検知信号受信して照明部4を点灯させる制御を行う。
このとき制御部12は、照明部4に消灯状態から点灯状態まで徐々に光の強度を増大させる制御を行う。
その後、時刻T4において第二センサ制御部26が制御部12へ手検知信号を送信すると、制御部12がこの手検知信号を受信して照明部4に減光させる制御を行う。
このとき制御部12は、照明部4に時刻T4から徐々に発する光の強度を低減させる制御を行う。
その後、制御部12は、第二センサ制御部26が制御部12への使用者検知信号の送信を停止した後、第五の時間間隔teを空けて照明部4を消灯させる制御を行う。
このとき制御部12は、照明部4に点灯状態から消灯状態まで徐々に光の強度を低減させる制御を行う。
このように、本実施形態では、制御部12が照明部4を点灯及び消灯させる際に光の強度を徐々に変化させるように構成しているため、自動洗面器1の高級感を演出することができる。
また、本実施形態では、照明部4に減光させる際にも、照明部4が発する光の強度を徐々に低減するように構成しているため、使用者が手洗いを開始する際に、照明部4が急に減光して使用者が不安感を抱くことなく、安心して手洗いを行うことができる。
[自動洗面器の制御部と各センサ制御部が行う処理について]
次に、本実施形態の吐水ユニット2が備える制御部12と第一センサ制御部22と第二センサ制御部26とが行う処理について説明する。
図10及び図13は、制御部12が行う処理を示す説明図であり、図11は、第二センサ制御部26が行う処理を示す説明図であり、図12は、第一センサ制御部22が行う制御を示す説明図である。
図10に示すように、吐水ユニット2の制御部12は、電源が投入されると、まず、システムの初期化処理を行い(ステップS01)、その後、処理をステップS02へ移す。この初期化処理において制御部12は、図示しない内部メモリの初期化や内部クロックの初期化等といったマイクロコンピュータが一般に行う処理を実行する。
ステップS02において制御部12は、使用者検知用センサ15を起動させる使用者検知用センサ起動処理を行い、その後、処理をステップS03へ移す。
ステップS03において制御部12は、手検知用センサ11を起動させる手検知用センサ起動処理を行い、その後、処理をステップS04へ移す。
ステップS04において制御部12は、手検知用センサ11及び使用者検知用センサ15の検知結果に基づいて、照明部4及び吐水切替部9の動作制御を行う自動水栓処理を行い、その後、処理をステップS05へ移す。なお、この自動水栓処理については、後に詳述する。
ステップS05において制御部12は、電源がOFFされたか否かの判断を行い、OFFされていないと判断した場合に(ステップS05:NO)、処理をステップS04戻し、OFFされたと判断した場合に(ステップS05:YES)、処理を終了する。
次に、図10に示すステップS02の使用者検知用センサ起動処理が行われた後に、使用者検知用センサ15の第二センサ制御部26が行う処理について説明する。
使用者検知用センサ起動処理が行われると、第二センサ制御部26は、図11に示すように、第二投光部25に使用者検知用の光を投光させる使用者検知用光投光処理を行い(ステップS11)、その後、処理をステップS12へ移す。
ステップS12において、第二センサ制御部26は、第二受光部27が今回受光した光の強度レベルから検知した結果(以下、「今回の検知結果」という。)と、第二投光部25が前回投光したときに第二受光部27が受光した光の強度レベルから検知した結果(以下、「前回の検知結果」という。)との差が所定値を超えていて等しくないか否かを判断する。
ここで第二センサ制御部26は、今回の検知結果と前回の検知結果とが等しくないと判断した場合に(ステップS12:YES)、処理をステップS13へ移し、等しいと判断した場合に(ステップS12:NO)、処理をステップS17へ移す。
ステップS13において、第二センサ制御部26は、第二投光部25に再度使用者検知用の光を投光させる使用者検知用光再投光処理を行い、その後、処理をステップS14へ移す。
ステップS14において、第二センサ制御部26は、第二受光部27の受光レベルが第一閾値TH1以上であるか否かの判断を行い、第一閾値TH1以上であると判断した場合に(ステップS14:YES)、処理をステップS15へ移し、第一閾値TH1よりも低いと判断した場合に(ステップS14:NO)、処理をステップS16へ移す。
ステップS15において、第二センサ制御部26は、制御部12に対して使用者を検知したことを示す使用者検知信号の送信を開始する使用者検知信号送信開始処理を行い、その後、処理をステップS11へ戻す。
また、ステップS16において、第二センサ制御部26は、制御部12への使用者検知信号の送信を停止する使用者検知信号送信停止処理を行い、その後、処理をステップS11へ戻す。
また、ステップS17において、第二センサ制御部26は、第二受光部27が受光した受光レベルが第一閾値TH1以上であるか否かの判断を行い、第一閾値TH1以上であると判断した場合に(ステップS17:YES)、処理をステップS18へ移し、第一閾値TH1よりも低いと判断した場合に(ステップS17:NO)、処理をステップS11へ戻す。
ステップS18において、第二センサ制御部26は、制御部12への使用者検知信号の送信を継続する使用者検知信号送信継続処理を行い、その後、処理をステップS11へ戻す。
次に、図10に示すステップS03の手検知用センサ起動処理が行われた後に、手検知用センサ11の第一センサ制御部22が行う処理について説明する。
手検知用センサ起動処理が行われると、第一センサ制御部22は、図12に示すように、第一投光部21に手検知用の光を投光させる手検知用光投光処理を行い(ステップS21)、その後、処理をステップS22へ移す。
ステップS22において、第一センサ制御部22は、第一受光部23が今回受光した光の強度レベルから検知した結果(以下、「今回の検知結果」という。)と、第一投光部21が前回投光したときに第一受光部23が受光した光の強度レベルから検知した結果(以下、「前回の検知結果」という。)との差が所定値を超えていて等しくないか否かを判断する。
ここで第一センサ制御部22は、今回の検知結果と前回の検知結果とが等しくないと判断した場合に(ステップS22:YES)、処理をステップS23へ移し、等しいと判断した場合に(ステップS22:NO)、処理をステップS27へ移す。
ステップS23において、第一センサ制御部22は、第一投光部21に再度手検知用の光を投光させる手検知用光再投光処理を行い、その後、処理をステップS24へ移す。
ステップS24において、第一センサ制御部22は、第一受光部23の受光レベルが第二閾値TH2以上であるか否かの判断を行い、第二閾値TH2以上であると判断した場合に(ステップS24:YES)、処理をステップS25へ移し、第二閾値TH2よりも低いと判断した場合に(ステップS24:NO)、処理をステップS26へ移す。
ステップS25において、第一センサ制御部22は、制御部12に対して使用者の手を検知したことを示す手検知信号の送信を開始する手検知信号送信開始処理を行い、その後、処理をステップS21へ戻す。
また、ステップS26において、第一センサ制御部22は、制御部12への手検知信号の送信を停止する手検知信号送信停止処理を行い、その後、処理をステップS21へ戻す。
また、ステップS27において、第一センサ制御部22は、第一受光部23が受光した受光レベルが第二閾値TH2以上であるか否かの判断を行い、第二閾値TH2以上であると判断した場合に(ステップS27:YES)、処理をステップS28へ移し、第二閾値TH2よりも低いと判断した場合に(ステップS27:NO)、処理をステップS21へ戻す。
次に、図10に示すステップS04の自動水栓処理において、制御部12が行う処理について説明する。
この自動水栓処理において制御部12は、図13に示すように、まず、使用者検知用センサ15から使用者検知信号を受信したか否かの判断を行い(ステップS31)、受信したと判断した場合に(ステップS31:YES)、処理をステップS32へ移し、受信していないと判断した場合に(ステップS31:NO)、処理をステップS33へ移す。
ステップS33において制御部12は、手検知用センサ11から手検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS33:YES)、処理をステップS34へ移し、受信していないと判断した場合に処理をステップS37へ移す。
ステップS34において制御部12は、照明部4を制御して点灯させる点灯処理を行った後、処理をステップS35へ移し、照明部4を制御して減光させる減光処理を行い、その後、処理をステップS36へ移し、吐水切替部9を制御して吐水させる吐水処理を行って、処理をステップS33へ戻す。
また、ステップS37において制御部12は、吐水切替部9を制御して止水させる止水処理を行い、その後、処理をステップ38へ移す。
ステップS38において制御部12は、使用者検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS38:YES)、処理をステップS31へ戻し、受信していないと判断した場合に(ステップS38:NO)、処理をステップS39へ移し、第五の時間間隔teを空けて照明部4を制御して消灯させる消灯処理を行った後、処理をステップS31へ戻す。
また、ステップS32において制御部12は、照明部4を制御して点灯させる点灯処理を行い、その後、処理をステップS40へ移す。
ステップS40において制御部12は、手検知用センサ11から手検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS40:YES)、処理をステップS41へ移し、受信していないと判断した場合に(ステップS40:NO)、処理をステップS37へ移す。
ステップS41において制御部12は、照明部4を制御して減光させる処理を行った後、処理をステップS42へ移し、吐水切替部9を制御して吐水させる吐水処理を行い、その後、処理をステップS43へ移す。
ステップS43において制御部12は、使用者検知用センサ15から使用者検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS43:YES)、処理をステップS40へ戻し、受信していないと判断した場合に(ステップS43:NO)、処理をステップS44へ移す。
ここで、制御部12は、使用者検知用センサ15が一旦使用者を検知し、且つ手検知用センサ11が使用者の手を検知しているにもかかわらず、使用者検知用センサ15が使用者を検知しなくなったと判断するため、上記清掃モードに移行させる。
こうして清掃モードに移行すると、まず、ステップS44において制御部12は、照明部4を制御して消灯させる消灯処理を行った後、処理をステップS45へ移し、吐水切替部9を制御して止水させる止水処理を行い、その後、処理をステップS46へ移して手検知用センサ11の動作を停止させる手検知用センサ動作停止処理を行い、処理をステップS47へ移す。
ステップS47において制御部12は、手検知用センサ11の動作を停止させてから5分が経過したか否かの判断を行い、5分が経過したと判断した場合に(ステップS47:YES)、処理をステップS48へ移し、5分が経過していないと判断した場合に(ステップS47:NO)、処理をステップS45へ戻す。
そして、ステップS48において制御部12は、手検知用センサ11の動作を再開させる手検知用センサ動作再開処理を行い、清掃モードを終了させて処理をステップS31へ戻す。
[他の実施形態における自動洗面器の外観等について]
次に、本発明に係る自動洗面器1の他の実施形態について、図14〜図18を参照して説明する
図14は、他の実施形態に係る自動洗面器を示す外観斜視図であり、図15及び図16は、他の実施形態に係る自動洗面器1の清掃時における動作を示す説明図であり、図17及び図18は、他の実施形態に係る自動洗面器1の吐水ユニットが備える制御部が行う処理を示す説明図である。
なお、図14〜図16において、上記した実施形態における自動洗面器1と同一の構成要件に関しては、同一の符号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
この自動洗面器1は、その基本的構成に関して上記した実施形態の自動洗面器1と同様であるが、吐水ユニット2に、強制吐水するためのスイッチSWを備えているところだけが異なる。
このスイッチSWは、吐水ユニット2で制御部12と接続されており、制御部12は、このスイッチSWから入力される操作信号を、手検知用センサ11から入力される手検知信号よりも優先させて吐水切替部9を制御し、吐水を行わせるように構成している。
そのため、この自動洗面器1では、手検知用センサ11が故障した場合や、使用者が手を的確に手検知用センサ11に的確に検知させることができない場合であっても、このスイッチSWを押圧操作することによって、吐水ユニット2に吐水させることができる。
また、この自動洗面器1では、清掃作業員が上記スイッチSWを継続的に押圧操作した後、所定の動作をすることによって、容易に清掃モードにすることができるように構成している。
[他の実施形態における自動洗面器の清掃時の動作について]
ここで、この自動洗面器1の清掃時における動作について、説明する。
図15(a)に示すように、この自動洗面器1では、清掃作業員20が使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14内に入ると、図15(b)に示すように、制御部12が照明部4を点灯させて、清掃作業員20へ自動洗面器1の配設位置を報知する。
その後、図15(c)に示すように、清掃作業員20がさらに自動洗面器1へ近づき、スイッチSWを押圧操作すると、図15(d)に示すように、制御部12が照明部4を減光させる制御を行い、その後、吐水切替部9を制御して吐水口7から吐水させる。
次に、図16(a)に示すように、清掃作業員20がスイッチを継続して押圧操作したままの状態で、体を自動洗面器1の側方へ移動させて、使用者検知用センサ15の第二の対象物検知範囲14外へ移動させると、使用者検知用センサ15が清掃作業員20を検知しなくなくなる。
このように、スイッチSWを継続して押圧操作している状態で、使用者検知用センサ15が清掃作業員20を検知しなくなると、制御部12は、図16(b)に示すように、吐水切替部9を制御して所定期間止水する清掃モードにする。
このように本実施形態では、清掃作業員20が上記のような動作を行うことにより、制御部12が自動洗面器1を清掃モードにするように構成しているため、図16(c)に示すように、清掃作業員20が洗面器3のボール部を清掃している間、図16(d)に示すように、吐水が行われることがなく、清掃作業中に自動的に吐水が開始されて清掃作業の妨げになることを防止することができる。
[他の実施形態における自動洗面器の制御部が行う処理について]
次に、このスイッチSWを備えた自動洗面器1の吐水ユニット2が有する制御部12が行う処理について説明する。なお、このスイッチSWを備えた自動洗面器1において、第一センサ制御部22と第二センサ制御部26が行う処理は、上記スイッチSWを備えていない自動洗面器1の各センサ制御部が行う処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ここで、この制御部12は、電源が投入されると、図10に示したステップS01〜ステップS05の処理を行うが、ステップS04における自動水栓処理だけが、上記スイッチSWを備えない自動洗面器1の制御部12と異なるため、ここでは、自動水栓処理についてのみ説明する。
図17に示すように、制御部12は、まず、使用者検知用センサ15から使用者検知信号を受信したか否かの判断を行い(ステップS51)、受信したと判断した場合に(ステップS51:YES)、処理をステップS52へ移し、受信していないと判断した場合に(ステップS51:NO)、処理をステップS53へ移す。
ステップS53において制御部12は、手検知用センサ11から手検知信号を受信したか否かを判断し、受信したと判断した場合に(ステップS53:YES)、処理をステップS54へ移し、受信していないと判断した場合に(ステップS53:NO)、処理をステップS62へ移す。
ステップS54において制御部12は、照明部4を制御して点灯させる点灯処理を行った後、処理をステップS55へ移し、照明部4を制御して減光させる減光処理を行い、その後、処理をステップS56へ移し、吐水切替部9を制御して吐水を行わせる吐水処理を行って、処理をステップS57へ移す。
ステップS57において制御部12は、手検知用センサ11から手検知信号を受信したか否かを判断して、受信したと判断した場合に(ステップS57:YES)、処理をステップS55へ戻し、受信していないと判断した場合に(ステップS57:NO)、処理をステップS58へ移す。
ステップS58において制御部12は、吐水切替部9を制御して止水させる止水処理を行い、その後、処理をステップS59へ移す。
ステップS59において制御部12は、使用者検知用センサ15から使用者検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS59:YES)、処理をステップS51へ戻し、受信していないと判断した場合に(ステップS59:NO)、処理をステップS60へ移す。
ステップS60において制御部12は、第五の時間間隔teを空けて照明部4を制御して消灯させる消灯処理を行った後、処理をステップS51へ戻す。
また、ステップS52において制御部12は、照明部4を制御して点灯させる点灯処理を行った後、処理をステップS61へ移す。
ステップS61において制御部12は、手検知用センサ11から手検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS61:YES)、処理をステップS55へ移し、受信していないと判断した場合に(ステップS61:NO)、処理をステップS62へ移す。
ステップS62において制御部12は、スイッチSWが押圧操作(以下、「ON操作」という。)されたか否かの判断を行い、ON操作されたと判断した場合に(ステップS62:YES)、処理をステップS63へ移し、ON操作されていないと判断した場合に(ステップS62:NO)、処理をステップS51戻す。
ステップS63において制御部12は、照明部4を制御して点灯させる点灯処理を行い、その後、処理を図18に示すステップS64へ移す。
図18に示すように、ステップS64において制御部12は、スイッチSWが継続操作(継続してON操作)されているか否かの判断を行い、継続操作されていると判断した場合に(ステップS64:YES)、処理をステップS65へ移し、継続操作されていないと判断した場合に(ステップS64:NO)、処理をステップS71へ移す。
ステップS65において制御部12は、照明部4を制御して消灯させる消灯処理を行い、その後、処理をステップS66へ移す。
ステップS66において制御部12は、使用者検知用センサ15から使用者検知信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合に(ステップS66:YES)、処理を図17に示すステップS61へ戻し、受信していないと判断した場合に(ステップS66:NO)、処理をステップS67へ移す。
ステップS67において制御部12は、使用者検知用センサ15が一旦使用者を検知し、且つスイッチSWが継続されているにもかかわらず、使用者検知用センサ15が使用者を検知しなくなったと判断するため、上記清掃モードに移行させる。
こうして清掃モードに移行すると、まず、ステップS67において制御部12は、吐水切替部9を制御して止水させる止水処理を行い、その後、処理をステップS68へ移して手検知用センサ11の動作を停止させる手検知用センサ動作停止処理を行い、処理をステップS68へ移す。
ステップS69において制御部12は、手検知用センサ11の動作を停止させてから5分が経過したか否かの判断を行い、5分が経過したと判断した場合に(ステップS69:YES)、処理をステップS70へ移し、5分が経過していないと判断した場合に(ステップS69:NO)、処理をステップS67へ戻す。
そして、ステップS70において制御部12は、手検知用センサ11の動作を再開させる手検知用センサ動作再開処理を行い、清掃モードを終了させて処理をステップS51へ戻す。
また、ステップS71において制御部12は、照明部4を制御して減光させる減光処理を行った後、処理をステップS72へ移し、吐水切替部9を制御して吐水させる吐水処理を行い、その後、処理をステップS73へ移す。
ステップS73において制御部12は、スイッチSWがON状態のときに再度押圧操作(以下、「OFF操作」という。)されたか否かの判断を行い、OFF操作されたと判断した場合に(ステップS73:YES)、処理をステップS74へ移し、OFF操作されていないと判断した場合に(ステップS73:NO)、処理をステップS72へ戻す。
そして、制御部12は、ステップS74において照明部4を制御して消灯させる消灯処理を行った後、処理をステップS75へ移し、吐水切替部9を制御して止水させる止水処理を行い、その後、処理をステップS51へ戻す。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これらは一例であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
たとえば、上記実施形態において、清掃モードの継続期間を5分としているが、清掃モードの継続期間は、任意に変更することができる。
さらに、本発明に係る制御部と各センサ制御部とを用いれば、第一の対象物検知範囲内における第一の対象物を検知する第一センサと、第二の対象物検知範囲内における第二の対象物を検知する第二センサと、これら第一センサ及び第二センサの検知結果に基づいて、所定の負荷を駆動制御する制御部とを有し、前記第一センサは、第一の時間間隔で間欠的に前記第一の対象物検知用の光を投光する第一投光部と、光を受光する第一受光部と、前記第一受光部が受光した光のレベルに基づいて前記第一の対象物を検知すると共に、前記第一投光部の投光制御を行う第一センサ制御部とを有し、前記第二センサは、前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で間欠的に前記第二の対象物検知用の光を投光する第二投光部と、光を受光する第二受光部と、前記第二受光部が受光した光のレベルに基づいて前記第二の対象物を検知すると共に、前記第二投光部の投光制御を行う第二センサ制御部とを有し、前記第二センサ制御部は、前記第二投光部が投光したときに前記第二受光部が受光した光のレベルから検知した結果と、前記第二投光部が前回投光したときに前記第二受光部が受光した光のレベルから検知した結果とが異なると、前記第二投光部に前記第一の時間間隔よりも短い第三の時間間隔を空けて前記第二の対象物検知用の光を再投光させ、この再投光させた光の反射光を前記第二受光部が受光したときに、前記第二受光部が所定レベル以上の光を受光したことを条件として、前記第二の対象物を検知する制御機器を提供することができる。
また、この制御機器において、前記第一検知用センサは、前記第一投光部が投光したときに前記第一受光部が受光した光のレベルから検知した結果と、前記第一投光部が前回投光したときに前記第一受光部が受光した光のレベルから検知した結果とが異なると、前記第一投光部に前記第三の時間間隔よりも短い第四の時間間隔を空けて前記第一の対象物検知用の光を再投光させ、この再投光させた光の反射光を前記第一受光部が受光したときに、前記第一受光部が所定レベル以上の光を受光したことを条件として、前記第一の対象物を検知するように構成することもできる。
このように構成した制御機器を用いれば、それぞれ検知対象物の異なる光電変換式のセンサを少なくとも2つ備え、各センサがそれぞれに対応した検知対象物を検知すると、制御部がその検知結果に応じて所定の負荷を駆動するような任意の装置において、各センサの検知感度を向上させることができると共に、各センサの投光部が同時に光を投光するような事態が発生しても、各センサがそれぞれに対応した検知対象物を誤検知することがない。