以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
第1図ないし第5図は、本発明の一実施例による制御装置としてのセーフティコントローラ(安全PLC:「プログラマブル・ロジック・コントローラ」)を説明するための図である。第1図および第2図は本実施例によるセーフティコントローラの正面図であって、第1図は保護カバーを閉めた状態を示す図、第2図は保護カバーを開けた状態を示す図、第3図はセーフティコントローラのブロック構成図、第4図は第3図の一部詳細図、第5図はセーフティコントローラの設定手順を示すフローチャートである。
第1図および第2図に示すように、このセーフティコントローラ1は、センサやスイッチ等の外部入力機器が接続される入力用コネクタ部2と、出力制御対象である外部の機器に接続される出力用コネクタ部3と、セーフティコントローラの内部に格納された複数(ここでは8個)のロジックパターン(安全制御プログラム)の中からユーザーが所望のロジックパターンを選択して設定するためのロジックパターン設定スイッチ4と、オフ動作時の遅延時間であるオフディレータイマ値を選択して設定するためのタイマ設定スイッチ5と、ユーザーが設定した設定条件を有効にするための承認スイッチ6と、ロジックパターン設定スイッチ4、タイマ設定スイッチ5および承認スイッチ6を覆うように開閉可能に設けられた保護カバー7とを備えている。
ここでは、ロジックパターン設定スイッチ4が8個設けられており、それぞれが上述した8個のロジックパターンの各々に対応している。また、第2図に示す例では、ロジックパターン設定スイッチ4およびタイマ設定スイッチ5がいずれもディップスイッチから構成されているが、他のスイッチ(例えばタッチパネル等)を採用するようにしてもよい。保護カバー7は、セーフティコントローラの上部に設けられたロックホール71により、閉位置にロックされるようになっている。
セーフティコントローラ1はさらに、表示部としての7セグメントLEDディスプレイ8および9と、LED表示器10および11とを備えている。LEDディスプレイ8は、ロジックパターン設定スイッチ4により設定されたロジックパターンを表示するためのものであり、LEDディスプレイ9は、エラー表示を行うためのものである。これらのLEDディスプレイ8および9は、LCDまたはCRTから構成するようにしてもよい。LED表示器10は、タイマ設定スイッチ5により設定されたタイマ値を表示するためのものであり、LED表示器11は、入出力状態を表示するためのものである。
第3図に示すように、セーフティコントローラ1は、演算処理部である演算処理回路50を有している。演算処理回路50には、入力部としての入力回路51および非安全入力回路52と、出力部としての出力回路53および非安全出力回路54とが接続されている。また、演算処理回路50、入力回路51、出力回路53および非安全出力回路54に電源電圧を印加するための電源回路55が設けられている。
入力回路51は、例えば非常停止スイッチ、安全スイッチ、ライトカーテン、ミューティングセンサ、イネーブルスイッチ等の外部入力機器からの入力信号が入力される回路である。非安全入力回路52は、スタートスイッチやスタートセンサ等からの入力信号が入力される回路である。なお、入力回路51は、非常停止スイッチ、安全スイッチ、ライトカーテン、イネーブルスイッチ等の入力を二重化して処理する回路であり、非安全入力回路52は、二重化処理を行わずに、単に入力するだけの回路である。出力回路53および非安全出力回路54は、例えば産業用ロボットや工作機械等の外部の機械に対して制御信号を出力するための回路である。具体的には、サーボモーターや油圧シリンダ、ソレノイドバルブ等のアクチュエータやリレー等の機器が安全出力の制御対象となる。なお、出力回路53は、或る一定レベルの安全性を要求される出力制御対象に対して出力(PLC出力)を二重化して処理する回路であり、非安全出力回路54は、そのような処理を行わずに、PLC出力を単に出力するだけの回路である。
セーフティコントローラ1の演算処理回路50にはさらにプログラムインターフェース(I/F)回路56と、ユーザーインターフェース(I/F)回路57とが接続されている。プログラムI/F回路56は、セーフティコントローラを提供するメーカーが、安全制御プログラムであるロジックパターンを作成するための回路である。このプログラムI/F回路56には、例えばパソコン等が接続可能になっている。メーカーは、セーフティコントローラの工場出荷前に、様々なアプリケーションに対応できる、汎用性の高いいくつかのロジックパターンをパソコン上で作成し、これらのロジックパターンをプログラムI/F回路56を介してセーフティコントローラのメモリにダウンロードしている。ユーザーI/F回路57は、上述したロジックパターン設定スイッチ4、タイマ設定スイッチ5、承認スイッチ6、ならびにLEDディスプレイ8、9およびLED表示器10、11を有している。
第4図に示すように、演算処理回路50は、第1の演算処理装置(第1の演算処理部)50Aおよび第2の演算処理装置(第2の演算処理部)50Bを含んで構成されている。第1、第2の演算処理装置50A、50Bは、それぞれ主としてCPUから構成されており、通信ポートを介して相互に通信可能に構成されている。
第1の演算処理装置50Aには、ロジックパターン設定スイッチ4、タイマ設定スイッチ5および承認スイッチ6が接続されている。第2の演算処理装置50Bには、LEDディスプレイ8、9およびLED表示器10、11が接続されている。また、第2の演算処理装置50Bには、ROM70が接続されている。ROM70は、ロジックパターン設定スイッチ4およびタイマ設定スイッチ5により設定された設定情報が記憶されている。
次に、上述のように構成されるセーフティコントローラ1の設定手順について、安全制御プログラム設定ルーチンを示す第5図のフローチャートを用いて説明する。なお、同図中、左側が第1の演算処理装置50Aの処理を、右側が第2の演算処理装置50Bの処理をそれぞれ示している。
安全制御プログラム設定ルーチンがスタートすると、まず、第5図のステップS1において、第1の演算処理装置50Aは、ユーザーがロジックパターン設定スイッチ4およびタイマ設定スイッチ5を用いて行った設定情報を読み込む。
次に、ステップS2において、第1の演算処理装置50Aは、ステップS1で読み込んだ設定情報を第2の演算処理装置50Bに送信する。第2の演算処理装置50Bは、ステップT1において、第1の演算処理装置50Aから送信された設定情報を受信する。
第2の演算処理装置50Bは、ステップT2において、ROM70に格納されていた前回の旧設定情報を読み込んで、当該旧設定情報を第1の演算処理装置50Aに送信する。第1の演算処理装置50Aは、ステップS3において、第2の演算処理装置50Bから送信された旧設定情報を受信する。
第1の演算処理装置50Aは、ステップS4において、ステップS1で読み込んだ設定情報を、前回設定されていた旧設定情報と比較して、両データ(情報)が一致しているか否かを判断する。
ステップS4において、両データが一致していると判断されれば、安全制御プログラム設定ルーチンは終了する。この場合、後述の安全制御プログラム実行ルーチンへ移行し、第1の演算処理装置50Aが外部の機械に対して制御信号を出力しているときには、出力が停止されることなく続行される。
ステップS4において、両データが一致していないと判断されれば、安全制御プログラム設定ルーチンはステップS5に移行する。ステップS5では、第1の演算処理装置50Aが外部の機械に対して制御信号を出力しているとき、その出力を停止する。
次に、ステップS6において、承認スイッチ6がオンされたか否かを判断する。承認スイッチ6がオンされていなければ、安全制御プログラム設定ルーチンは最初に戻り、ステップS1〜S6の処理を繰り返す。
ステップS6において、承認スイッチ6がオンされたと判断されれば、ステップS7に移行する。ステップS7では、ステップS1で読み込まれた設定情報を確定情報として第2の演算処理装置50Bに送信する。ステップS7での処理後、安全制御プログラム設定ルーチンは終了する。この場合、後述の安全制御プログラム実行ルーチンへ移行し、新たに設定された設定データに基づき、外部の機械に対して制御信号を出力する。すなわち、ユーザーがロジックパターン設定スイッチ4で新たに設定したロジックパターンにしたがって、第1の演算処理装置50Aから制御信号が出力されて、外部の機械が制御される。
一方、第2の演算処理装置50Bは、ステップT3において、ステップT1で受信した設定データを、前回設定されていたデータと比較して、両データが一致しているか否かを判断する。
ステップT3において、両データが一致していると判断されれば、ステップT4に移行する。ステップT4では、設定データをLEDディスプレイ8に点灯表示させる。例えば、ユーザーがロジックパターン設定スイッチ4で設定したロジックパターン番号が1である場合、LEDディスプレイ8に「1」が点灯表示される。ステップT4での処理後、安全制御プログラム設定ルーチンは終了する。この場合、後述の安全制御プログラム実行ルーチンへ移行し、第2の演算処理装置50Bが外部の機械に対して制御信号を出力しているときには、出力が停止されることなく続行される。
ステップT3において、両データが一致していないと判断されれば、安全制御プログラム設定ルーチンはステップT5に移行する。ステップT5では、第2の演算処理装置50Bが外部の機械に対して制御信号を出力しているとき、その出力を停止する。
次に、ステップT6において、設定データをLEDディスプレイ8に点滅表示(つまりアラーム表示)させる。例えば、ユーザーがロジックパターン設定スイッチ4で設定したロジックパターン番号が2である場合、LEDディスプレイ8に「2」が点滅表示される。
次に、ステップT7では、承認スイッチ6がオンされたか否かを判断する。承認スイッチ6がオンされていなければ、安全制御プログラム設定ルーチンは最初に戻り、ステップT1〜T7の処理を繰り返す。
ステップT7において、承認スイッチ6がオンされたと判断されれば、ステップT8に移行する。ステップT8では、第1の演算処理装置50Aから送信された確定情報を受信するとともに、ステップT1で受信した設定情報を確定情報として第1の演算処理装置50Aに送信する。第1の演算処理装置50Aでは、ステップS7において、この送信データを受信する。ステップT8での処理後、安全制御プログラム設定ルーチンは終了する。この場合、後述の安全制御プログラム実行ルーチンへ移行し、新たに設定された設定データに基づき、外部の機械に対して制御信号を出力する。すなわち、ユーザーがロジックパターン設定スイッチ4で新たに設定したロジックパターンにしたがって、第2の演算処理装置50Bから制御信号が出力されて、外部の機械が制御される。
次に、安全制御プログラム実行ルーチンについて説明する。
このルーチンにおいては、入力回路51、52から入力された同一の入力信号が、第1の演算処理装置50Aおよび第2の演算処理装置50Bに入力される。第1、第2の演算処理装置50A、50Bはそれぞれ、設定情報に対応する安全制御プログラムを実行し、前記入力信号に対して演算処理を行う。そして、各演算処理装置は、それぞれの演算結果を他方の演算処理装置に出力して、自身の演算結果と他方の演算結果とを照合する。第1の演算処理装置50Aおよび第2の演算処理装置50Bのそれぞれの照合結果がいずれも一致している場合には、演算処理回路50は、この演算結果に基づいて出力回路53、54を制御する。もし、第1、第2の演算処理装置50A、50Bの少なくともいずれか一方の照合結果が一致していない場合には、演算処理装置50は、外部の機械に対して制御信号を出力しないように出力回路53、54を制御する。
このように、安全制御プログラム実行ルーチンにおいては、演算処理回路50は、演算結果の信頼性向上のため、第1の演算処理回路50Aおよび第2の演算処理回路50Bを用いたデュアルシステムとして機能し、入力回路51、52から入力された入力信号に対して、設定スイッチにより設定された安全制御プログラムにしたがって演算処理を行うとともに、両者の演算結果の照合結果に基づいて出力回路53、54を制御する。
以上説明したように、本実施例によれば、外部の機械を制御するための複数のロジックパターンを予め演算処理回路に格納させるとともに、ユーザーが所望のロジックパターンを選択して設定するためのロジックパターン設定スイッチを設けたので、ロジックパターンを設定する際には、複数のロジックパターンの中から所望のロジックパターンをユーザーが選択し、これに対応するセーフティコントローラのロジックパターン設定スイッチをオンにするだけでよい。このようにして、セーフティコントローラの設定を簡単に行うことができ、ユーザーの負担を軽減できる。
また、本実施例によれば、ユーザーがロジックパターン設定スイッチにより設定した設定情報を確定情報として有効にするための承認スイッチを設けたので、ユーザーが設定スイッチによりロジックパターンを設定した後、承認スイッチをオンにすることで、ユーザーが設定した設定情報が確定情報として有効にされる。これにより、ユーザーの設定ミスや設定スイッチの操作ミスなどによる誤った設定を未然に防止できる。
さらに、本実施例によれば、ロジックパターン設定スイッチからの設定入力は、第1の演算処理装置にのみ入力されて、第2の演算処理装置には入力されず、また、表示部への表示出力は第2の演算処理装置のみが行い、第1の演算処理装置は行わない。これにより、演算処理回路の負荷を分散でき、演算処理回路全体の信頼性を向上させる。
次に、セーフティコントローラ1のメモリに格納された複数(この例では8個)の安全制御ロジック(ロジックパターン)の各々の詳細について、第6図ないし第16図のブロック図を用いて説明する。なお、これらの図において、同一符号は同一または相当部分を示している。
<ロジックパターン1>
第6図は、第1の安全制御ロジック(ロジックパターン1)を実現するための回路構成を示すブロック図であり、第7図は、ソレノイド制御のための回路構成を示すブロック図である。セーフティコントローラ1の入力回路51(第3図)は、第6図に示すように、非常停止スイッチや安全スイッチ等の複数台(この例では6台)の直接開路機器からの安全入力1〜6がそれぞれ二重化されて入力される計12個(つまり6×2個)の安全入力端子を有している。また、セーフティコントローラ1の非安全入力回路52は、スタート入力1、2および外部デバイスモニタ1、2からの非安全入力が入力される非安全入力端子を有している。外部デバイスモニタ1、2は、セーフティコントローラ1の制御対象機器を監視するためのものであって、例えばコンタクタやセーフティリレー等のNC接点に接続される。
6個の安全入力1〜6は、アンド回路100に入力されている。アンド回路100は、これらの6個の安全入力1〜6の論理積を出力するためのロジック回路である。アンド回路100の出力S1は、自己保持回路101に入力されている。一方、スタート入力1、2は、オア回路102に入力されている。オア回路102は、スタート入力1、2の論理和を出力するためのロジック回路である。オア回路102の出力は、自己保持回路101のトリガー端子に入力されている。自己保持回路101は、アンド回路100からのオン入力S1を一旦保持するとともに、トリガー端子に入力されるスタート入力1、2をトリガー入力として、保持されていたオン入力S1を後段のオフディレータイマ付の安全出力回路103、104に出力するための回路である。また、外部デバイスモニタ1、2からの非安全入力は、安全出力回路103、104のEDM端子に入力されている。
安全出力回路103、104は、自己保持回路101の出力を、オフディレータイマで設定された所定時間保持した後、それぞれ安全制御出力1、2として出力するための回路である。安全制御出力1、2は、いずれも二重化されて出力されている。
安全制御出力1の出力Y0、Y1およびアンド回路100の出力S1は、第7図に示すように、それぞれ反転されてソレノイド制御用アンド回路105に入力されている。ソレノイド制御用アンド回路105は、安全制御出力1の出力Y0、Y1の反転入力およびアンド回路100の出力S1の反転入力の論理積を出力するための回路である。ソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1は、外部の制御対象機器に設けられた安全扉のロック状態を解除するためのソレノイドに入力されている。
同様に、安全制御出力2の出力Y2、Y3およびアンド回路100の出力S1は、第7図に示すように、それぞれ反転されてソレノイド制御用アンド回路106に入力されている。ソレノイド制御用アンド回路106は、安全制御出力1の出力Y2、Y3の反転入力およびアンド回路100の出力S1の反転入力の論理積を出力するための回路である。ソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2は、外部の制御対象機器に設けられた安全扉のロック状態を解除するためのソレノイドに入力されている。
このようなロジックパターン1においては、すべての直接開路機器の接点が閉で、すべての安全入力1〜6がオンされている場合には、アンド回路100の出力S1がオンとなり、出力S1は自己保持回路101に入力される。この状態で、いずれかのスタート入力1、2がオンされると、オア回路102の出力がオンとなり、これが自己保持回路101のトリガー端子に入力されることで、自己保持回路101に保持されていた安全入力S1が安全出力回路103、104に出力される。これにより、安全出力回路103、104からの各安全出力1、2がオンとなって、外部の制御対象機械の稼働状態が維持される。
また、このとき、安全出力回路103の安全出力1(つまりY0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。同様に、安全出力回路104の出力2(つまりY2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。
次に、この状態から、いずれかの安全入力機器の接点が開となると、アンド回路100の出力S1がオフとなり、オフ出力S1は自己保持回路101を介して安全出力回路103、104に入力される。安全出力回路103、104は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、安全出力1、2をオフとする。これにより、外部の制御対象機械の運転が停止される。
また、このとき、安全出力回路103の安全出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路104の安全出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。
この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1〜6を非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器に接続しかつ安全出力1、2を外部の制御対象機器に接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。また、この場合には、安全出力回路からの安全制御出力がオフでかつアンド回路からの出力がオフの場合にのみ、ソレノイド制御用アンド回路からの出力がオンとなるので、ソレノイドが駆動されて安全扉のロック状態が解除されるが、それ以外の場合は、ソレノイド制御用アンド回路からの出力はオフとなって、安全扉のロック状態が維持される。これにより、外部機器の稼働中に安全扉のロック状態が解除されることはなく、操作者の安全が確保される。さらに、この場合、外部の制御対象機械として、工作機械やロボット等の様々な機械に適用できる汎用性の高い安全制御装置を実現できる。
<ロジックパターン2>
第8図は、第2の安全制御ロジック(ロジックパターン2)を実現するための回路構成を示すブロック図である。この回路構成は、第6図のロジックパターン1のものと類似しているが、ここでは、安全入力1〜4として、例えば可動扉用の非接触安全スイッチ等のNO/NC接点機器からのNO/NC入力が二重化されて入力されている点がロジックパターン1と異なっている。また、安全入力5、6としては、非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器からの安全入力が二重化されて入力されている。6個の安全入力1〜6は、アンド回路100に入力されている。
このようなロジックパターン2においては、すべてのNO/NC接点機器のオン条件が成立するとともに直接開路機器の接点が閉で、すべての安全入力1〜6がオンされている場合には、アンド回路100の出力S1がオンとなり、出力S1は自己保持回路101に入力される。この状態で、いずれかのスタート入力1、2がオンされると、オア回路102の出力がオンとなり、これが自己保持回路101のトリガー端子に入力されることで、自己保持回路101に保持されていた安全入力S1が安全出力回路103、104に出力される。これにより、安全出力回路103、104からの各安全出力1、2がオンとなって、外部の制御対象機械の稼働状態が維持される。
また、このとき、ロジックパターン1の場合と同様に、第7図に示すように、安全出力回路103の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路105に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。同様に、安全出力回路104の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路106に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。
次に、この状態から、いずれかのNO/NC接点機器または直接開路機器からの安全入力1〜6がオフとなると、アンド回路100の出力S1がオフとなり、出力S1は、自己保持回路101を介して安全出力回路103、104に入力される。安全出力回路103、104は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、各安全出力1、2をオフとする。これにより、外部の制御対象機械の運転が停止される。
また、このとき、安全出力回路103の安全出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路104の安全出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。
この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1〜6を非接触安全スイッチ等のNO/NC接点機器、および非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器に接続し、かつ安全出力1、2を外部の制御対象機器に接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。また、この場合、外部の制御対象機械として、半導体製造装置や食品包装機械等の機械に好適の安全制御装置を実現できる。
<ロジックパターン3>
第9図は、第3の安全制御ロジック(ロジックパターン3)を実現するための回路構成を示すブロック図である。この回路構成は、第6図のロジックパターン1のものと類似しているが、ここでは、安全入力1、2として、例えばセーフティライトカーテンやセーフティレーザスキャナ等の半導体入力機器からの入力が二重化されて入力されている点がロジックパターン1と異なっている。また、安全入力3〜6としては、非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器からの安全入力が二重化されて入力されている。6個の安全入力1〜6は、アンド回路100に入力されている。
このようなロジックパターン3においては、すべての半導体入力機器からのすべての安全入力1、2がオンされる(例えばセーフティライトカーテンが未遮光である)とともに、すべての直接開路機器の接点が閉で、すべての安全入力1〜6がオンされている場合には、アンド回路100の出力S1がオンとなり、出力S1は自己保持回路101に入力される。この状態で、いずれかのスタート入力1、2がオンされると、オア回路102の出力がオンとなり、これが自己保持回路101のトリガー端子に入力されることで、自己保持回路101に保持されていた安全入力S1が安全出力回路103、104に出力される。これにより、安全出力回路103、104からの各安全出力1、2がオンとなって、外部の制御対象機械の稼働状態が維持される。
また、このとき、ロジックパターン1の場合と同様に、第7図に示すように、安全出力回路103の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路105に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。同様に、安全出力回路104の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路106に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。
次に、この状態から、いずれかの半導体入力機器からの安全入力1、2がオフされ(例えばセーフティライトカーテンが遮光され)、または直接開路機器からの安全入力3〜6がオフになると、アンド回路100の出力S1がオフとなり、出力S1は、自己保持回路101を介して安全出力回路103、104に入力される。安全出力回路103、104は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、各安全出力Y1、2をオフとする。これにより、外部の制御対象機械の運転が停止される。
また、このとき、安全出力回路103の安全出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路104の安全出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。
この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1〜6を、セーフティライトカーテンやセーフティレーザスキャナ等の半導体入力機器、および非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器に接続し、かつ安全出力1、2を外部の制御対象機器に接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。また、この場合、外部の制御対象機械として、ロボットへの搬送ライン等のように開口部がある装置に好適の安全制御装置を実現できる。
<ロジックパターン4>
第10図は、第4の安全制御ロジック(ロジックパターン4)を実現するための回路構成を示すブロック図である。この回路構成は、第9図のロジックパターン3のものと類似しているが、ここでは、安全入力1、2に加えて、ミューティングセンサからの入力が入力されるミューティング入力1、2が設けられている点がロジックパターン3と異なっている。なお、安全入力1、2としては、ロジックパターン3と同様に、例えばセーフティライトカーテンやセーフティレーザスキャナ等の半導体入力機器からの入力が二重化されて入力されている。また、安全入力3、4としては、ロジックパターン1、2、3と同様に、非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器からの安全入力が二重化されて入力されている。
安全入力1およびミューティング入力1は、ミューティング回路110に入力されており、同様に、安全入力2およびミューティング入力2は、ミューティング回路111に入力されている。ミューティング回路110、111は、安全入力1、2にミューティング機能を付加するための回路である。ここで、「ミューティング機能」とは、ミューティングセンサが反応したときに、安全入力機器(例えばセーフティライトカーテン)の安全機能を一時的に留保させる(つまり、セーフティライトカーテンのオフ信号を一時的に無効にする)ことをいう。ミューティング回路110、111の出力および安全入力3、4は、アンド回路100に入力されている。
第10A図および第10B図は、ミューティングセンサおよびセーフティライトカーテンのレイアウトの一例を示す平面図である。これらの図に示すように、仕切壁210に形成された開口210aを挿通してコンベア211が配設されている。コンベア211上に載置されたワークWは、コンベア211により、仕切壁210の左側の安全領域から右側の危険領域に向かって矢印方向に搬送されている。危険領域には、制御対象機械である工作機械やロボット等が配置されている。
コンベア211の両側方には、ミューティングセンサ200、201が設けられている。ミューティングセンサ200は、安全領域に設けられた投光部200aと、危険領域に設けられた受光部200bとから構成されており、同様に、ミューティングセンサ201は、安全領域に設けられた投光部201aと、危険領域に設けられた受光部201bとから構成されている。ミューティングセンサ200、201は、それぞれの光線L1、L2が互いにX字状に交差している。仕切壁210の開口部210aを挟んで両側にセーフティライトカーテン202が設けられている。セーフティライトカーテン202は、投光部202aおよび受光部202bから構成されている。また、仕切壁210の近傍には、ミューティング状態にあることを操作者に知らせるためのミューティングランプ203が設けられている。
このロジックパターン4においては、すべての半導体入力機器からの安全入力1、2がオンされている(例えば、第10A図に示すようにセーフティライトカーテン202が未遮光である)場合には、ミューティング回路110、111からの出力はいずれもオンとなる。このとき、すべての直接開路機器のすべての接点が閉で、安全入力3、4がオンされている場合には、アンド回路100の出力S1がオンとなり、出力S1は自己保持回路101に入力される。この状態で、いずれかのスタート入力1、2がオンされると、オア回路102の出力がオンとなり、これが自己保持回路101のトリガー端子に入力されることで、自己保持回路101に保持されていた安全入力S1が安全出力回路103、104に出力される。これにより、安全出力回路103、104からの各安全出力1、2がオンとなって、外部の制御対象機械の稼働状態が維持される。
また、このとき、ロジックパターン1の場合と同様に、第7図に示すように、安全出力回路103の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路105に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。同様に、安全出力回路104の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路106に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。
次に、ワークWがコンベア211により搬入されて、ミューティングセンサ200、201の各光線L1、L2を遮光することで(第10B図参照)、ミューティング入力1、2が入力されるとともに、ワークWがライトカーテン202の光線L3を遮光することで(同図参照)安全入力1、2がオフされた場合には、ミューティング回路110、111からの出力はいずれもオンとなって、ミューティング状態に移行する。このとき、すべての直接開路機器のすべての接点が閉で、安全入力3、4がオンされていれば、アンド回路100の出力S1がオンとなり、出力S1は自己保持回路101に入力される。そして、スタート入力1または2の入力をトリガー入力として、自己保持回路101に保持されていた入力S1が安全出力回路103、104に入力される。これにより、安全出力回路103、104からの各安全出力1、2がオンとなって、外部の制御対象機械の稼働状態が維持される。これにより、機械の生産性を向上できる。なお、このミューティング状態においては、ミューティングランプ203に対してミューティングランプ出力が出力されることで、ミューティングランプ203が点灯しており、これにより、制御対象機械がミューティング状態にあることを操作者に知らせることができる。
なお、この場合において、ミューティングセンサ200、201がワークWを同時に検出することでミューティング入力1、2が同時に入力された場合、あるいは、ミューティングセンサ200、201のうちの一方のミューティングセンサからのミューティング入力が入力された後、所定時間内(例えば0.5秒以内)に他方のミューティングセンサからのミューティング入力が入力された場合に限って、ミューティング状態に移行できるように制御することにより、より安全性の高い制御を行えるようになる。
また、人の進入などにより、ミューティングセンサ200、201の各光線L1、L2が遮光されずに、セーフティライトカーテン202の光線L3が遮光された場合には、ミューティング入力1、2が入力されずに、安全入力1、2がオフになる。このとき、ミューティング回路110、111からの出力はいずれもオフとなり、このとき、アンド回路100の出力S1はオフとなって、出力S1は、自己保持回路101を介して安全出力回路103、104に入力される。安全出力回路103、104は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、各安全出力1、2をオフとする。これにより、外部の制御対象機械の運転が停止される。このようにして、機械の安全性が確保される。
また、このとき、安全出力回路103の安全出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路104の安全出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。
この場合、外部の制御対象機械(例えば工作機械やロボット等)へのワークの搬入に対しては、例えばセーフティライトカーテン等の入力機器およびミューティングセンサの双方がワークを検知することで、セーフティライトカーテン等の入力機器を一時的に無効にして、機械の稼働状態を維持させる一方、人の進入に対しては、ミューティングセンサが検知せずにセーフティライトカーテンのみが検知することで、機械を停止させる。これにより、機械の生産性を向上できる。また、この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1、2をセーフティライトカーテンやセーフティレーザスキャナ等の半導体入力機器に接続し、ミューティング入力1、2をミューティングセンサに接続し、安全入力3、4を非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器に接続するとともに、安全出力1、2を外部の制御対象機器に接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。なお、この場合、外部の制御対象機械として、ロボットへの搬送ライン等のように開口部がある装置に好適の安全制御装置を実現できる。
<ロジックパターン5>
第11図は、第5の安全制御ロジック(ロジックパターン5)を実現するための回路構成を示すブロック図である。この回路構成は、第6図のロジックパターン1のものと類似しているが、ここでは、安全入力1〜6として、例えば安全スイッチ等の二重化連動動作機構を有する安全機器からの入力が入力される点がロジックパターン1と異なっている。また、この場合、二重化入力の2つの入力状態のモニタ時間(不一致監視時間)が「∞(無限)」に設定されている。すなわち、この場合には、二重化入力の2つの入力状態の不一致時間監視を行なわないようになっている。
第11A図ないし第11C図は、外部の制御対象機械としてのロボットの作業区域に設置された安全扉にドアスイッチが設けられた例を示す概略図である。これらの図に示すように、安全扉220の端部の上側および下側に、二重化連動動作機構を有する安全機器として第1、第2のドアスイッチ221、222がそれぞれ設けられている。各ドアスイッチ221、222の出力は、二重化入力として、例えば安全入力2(第11図)に入力されている。なお、図示していないが、安全扉220には、ロックおよびロック解除用のソレノイドが設けられている。
このロジックパターン5においては、ドアスイッチ221、222を含むすべての安全機器の接点が閉で(第11A図参照)、すべての安全入力1〜6がオンされている場合には、アンド回路100の出力S1がオンとなり、出力S1は自己保持回路101に入力される。この状態で、いずれかのスタート入力1、2がオンされると、オア回路102の出力がオンとなり、これが自己保持回路101のトリガー端子に入力されることで、自己保持回路101に保持されていた安全入力S1が安全出力回路103、104に出力される。これにより、安全出力回路103、104からの各安全出力1、2がオンとなって、ロボットの稼働状態が維持される。
また、このとき、ロジックパターン1の場合と同様に、第7図に示すように、安全出力回路103の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路105に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオフとなって、ソレノイドは安全扉220のロック状態を維持する。同様に、安全出力回路104の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力は、ソレノイド制御用アンド回路106に入力されており、このとき、ソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオフとなって、ソレノイドは安全扉220のロック状態を維持する。
次に、この状態から、第11B図に示すように、操作者Pが安全扉220を開こうとしたときに、第1のドアスイッチ221のみが「開」状態となって、第2のドアスイッチ222が「閉」状態を維持していたとする。このとき、第1のドアスイッチ221からの一方の安全入力2はオフとなるが、これと連動すべき第2のドアスイッチ222からの他方の安全入力2はオンのままである。ところが、この場合、これら2つの二重化連動安全入力2の入力状態のモニタ時間(不一致監視時間)が「∞(無限)」に設定されており、2つの二重化連動安全入力2の入力状態の不一致時間監視は行なわれない。このため、安全入力2はオフとなって、アンド回路100に入力され、アンド回路100の出力S1がオフとなる。出力S1は、自己保持回路101を介して安全出力回路103、104に入力される。安全出力回路103、104は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、各安全出力1、2をオフとする。これにより、ロボットの運転が停止される。
また、このとき、安全出力回路103の安全出力1(Y0、Y1)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路105の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉221のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路104の安全出力2(Y2、Y3)およびアンド回路100の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路106の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉221のロック状態を解除する。
次に、第11C図に示すように、操作者Pがさらに安全扉220を開くと、第2のドアスイッチ222も「開」状態に移行する。このとき、第2のドアスイッチ222からの安全入力2もオフとなるが、アンド回路100の出力S1はオフのままであり、ロボットは運転停止状態を維持する。
この場合には、一方のドアスイッチの接点がオフとなれば、他方のドアスイッチの接点のオフを待たずに、直ちにロボットが停止する。この場合、安全扉220を開放する速度に影響されることなく、ロボットが停止するので、装置の安全性能を向上できる。
また、この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1〜6を、二重化連動動作機構を有する安全機器に接続しかつ安全出力1、2を外部の制御対象機器に接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。また、この場合、外部の制御対象機械として、安全扉を有する工作機械やロボット等の機械に好適の安全制御装置を実現できる。
<ロジックパターン6>
第12図は、第6の安全制御ロジック(ロジックパターン6)を実現するための回路構成を示すブロック図であり、第13図および第14図は、ソレノイド制御のための回路構成を示すブロック図である。このロジックパターンは、通常運転モードとメンテナンスモード(ティーチモード)の切替えを行なえるように構成されたロジックである。
第12図に示すように、安全入力1には、モードセレクトスイッチ等のモード選択機能を有する機器からの入力(モードセレクト入力)が入力されるようになっている。安全入力2には、イネーブルスイッチやティーチングペンダント等のティーチング機器からの安全入力が入力されている。安全入力3、4には、安全スイッチ等の直接開路機器からの安全入力が入力されており、安全入力5、6には、非常停止スイッチ等の直接開路機器からの安全入力が入力されている。
安全入力1のティーチモード入力および安全入力2は、アンド回路110に入力されている。アンド回路110は、ティーチモード入力および安全入力2の論理積を出力する回路である。安全入力1の通常運転モード入力および安全入力3、4は、アンド回路111に入力されている。アンド回路111は、通常運転モード入力および安全入力3、4の論理積を出力する回路である。安全入力5、6は、アンド回路112に入力されている。アンド回路112は、安全入力5、6の論理積を出力する回路である。
アンド回路110の出力は自己保持回路113に入力され、アンド回路111の出力S1は自己保持回路114に入力され、アンド回路112の出力S2は自己保持回路115に入力されている。自己保持回路113のトリガー端子には、スタート入力1が入力されており、自己保持回路114、115の各トリガー端子には、スタート入力2が入力されている。自己保持回路113、114からの各出力はオア回路116に入力されており、オア回路116は、これらの入力の論理和を出力する回路である。オア回路116の出力および自己保持回路115の出力は、アンド回路117に入力されている。アンド回路117は、オア回路116の出力および自己保持回路115の出力の論理積を出力する回路である。アンド回路117の出力は、安全出力回路118、119に入力されている。安全出力回路118、119のEDM端子には、外部デバイスモニタ1、2からの非安全入力が入力されている。
安全出力回路118の安全出力1(Y0、Y1)およびアンド回路111、112の出力S1、S2は、第13図に示すように、通常運転モード時においては、それぞれ反転されてソレノイド制御用アンド回路120に入力されている。ソレノイド制御用アンド回路120は、安全出力1(Y0、Y1)の反転入力およびアンド回路111、112の出力S1、S2の反転入力の論理積を出力するための回路である。ソレノイド制御用アンド回路120の出力SL1は、外部の制御対象機器に設けられた安全扉のロック状態を解除するためのソレノイドに入力されている。
同様に、安全出力回路119の安全出力2(Y2、Y3)およびアンド回路111、112の出力S1、S2は、第13図に示すように、通常運転モード時においては、それぞれ反転されてソレノイド制御用アンド回路121に入力されている。ソレノイド制御用アンド回路121は、安全出力2(Y2、Y3)の反転入力およびアンド回路111、112の出力S1、S2の反転入力の論理積を出力するための回路である。ソレノイド制御用アンド回路121の出力SL2は、外部の制御対象機器に設けられた安全扉のロック状態を解除するためのソレノイドに入力されている。
また、安全出力回路118の安全出力1(Y0、Y1)は、第14図に示すように、ティーチモード時においては、反転されて出力SL1になっており、出力SL1は、外部の制御対象機器に設けられた安全扉のロック状態を解除するためのソレノイドに入力されている。同様に、安全出力回路119の安全出力2(Y2、Y3)は、第14図に示すように、ティーチモード時においては、それぞれ反転されて出力SL2になっており、出力SL2は、外部の制御対象機器に設けられた安全扉のロック状態を解除するためのソレノイドに入力されている。
このロジックパターン6において、モードセレクトスイッチで通常運転モードが選択された場合には、安全入力1に通常運転モード入力が入力される。このとき、ティーチモード入力はオフとなっているので、イネーブルスイッチ等のティーチング機器を操作してもアンド回路110の出力はオフのままであり、ティーチング機器の機能は無効化されている。また、このとき、安全入力3〜6がオンされている場合には、アンド回路111、112の出力S1、S2はオンとなり、出力S1は自己保持回路114に入力され、出力S2は自己保持回路115に入力される。
この状態から、スタート入力1、2がオンされると、スタート入力1は自己保持回路113のトリガー端子に入力され、スタート入力2は、自己保持回路114、115の各トリガー端子に入力される。これにより、自己保持回路114に保持されていた安全入力S1がオア回路116に出力される。このとき、自己保持回路113の出力はオフのままなので、オア回路116の出力はオンとなり、これがアンド回路117に入力される。その一方、自己保持回路115に保持されていた安全入力S2は、アンド回路117に入力される。これにより、アンド回路117からの出力はオンとなって、安全出力回路118、119に入力される。これにより、安全出力回路118、119からの各安全出力1、2がオンとなって、外部の制御対象機械の稼働状態が維持される。
このとき、第13図に示すように、安全出力回路118の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路111、112の出力S1、S2のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路120の出力SL1はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。同様に、安全出力回路119の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路111、112の出力S1、S2のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路121の出力SL2はオフとなって、ソレノイドは安全扉のロック状態を維持する。
次に、この状態から、いずれかの安全入力機器の接点が開となって、例えば安全入力3、4がオフになると、アンド回路111の出力S1がオフとなり、オア回路116の出力もオフとなる。これにより、アンド回路111からの出力はオフとなり、安全出力回路118、119は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、各安全出力1、2をオフとする。これにより、外部の制御対象機械の運転が停止される。
このとき、安全出力回路118の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路111の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路120の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路119の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路111の出力S1のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路121の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。
また、ソレノイドのロック状態において、いずれかの安全入力機器の接点が開となって、例えば安全入力5、6がオフになった場合には、アンド回路112の出力S2がオフとなって、アンド回路117に入力されることで、アンド回路117の出力はオフとなり、安全出力回路118、119は、オフディレータイマで設定した所定時間の経過後、各安全出力1、2をオフとする。これにより、外部の制御対象機械の運転が停止される。
このとき、安全出力回路118の出力1(Y0、Y1)およびアンド回路112の出力S2のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路120の出力SL1はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。同様に、安全出力回路119の出力2(Y2、Y3)およびアンド回路112の出力S2のそれぞれの反転入力が入力されるソレノイド制御用アンド回路121の出力SL2はオンとなって、ソレノイドが駆動され、ソレノイドは安全扉のロック状態を解除する。
また、機械の稼動中に非常停止スイッチが押されて、安全入力5、6がオフになった場合には、アンド回路112の出力S2がオフになって、自己保持回路115の出力がオフになり、アンド回路117の出力がオフになる。アンド回路117の出力は、安全出力回路118、119に入力されており、このため、オフディレータイマ設定時間後に両安全出力1、2がオフになって、外部の制御対象機械の運転が停止される。
次に、モードセレクトスイッチでティーチモードが選択された場合には、安全入力1にティーチモード入力が入力される。このとき、通常運転モード入力はオフとなっているので、安全入力3、4がオンの状態でもアンド回路111の出力S1はオフとなる。すなわち、この場合、安全入力3、4は無効化される。また、安全入力5、6がオンされていれば、アンド回路112の出力S2はオンとなり、自己保持回路115は、スタート入力2が入力されると、保持されていた入力S2をアンド回路117に出力する。
一方、イネーブルスイッチ等のティーチング機器がオフの状態では、安全入力2はオフとなり、アンド回路110の出力はオフとなる。このオフ出力は、オア回路116に入力される。一方、アンド回路111の出力S1もオフであり、このオフ出力S1はオア回路116に入力される。これにより、オア回路116の出力はオフになる。このオフ出力は、アンド回路117に入力される。その結果、アンド回路117の出力がオフとなって、安全出力回路118、119の出力がオフとなる。
このとき、第14図に示すように、安全出力回路118、119の出力1(Y0、Y1)および出力2(Y2、Y3)が反転されて出力SL1、SL2がオンとなることにより、ソレノイドが駆動される。これにより、安全扉のロック状態が解除されるので、操作者が安全扉を開けて危険区域に進入することができる。
次に、操作者がティーチング機器を操作すると、安全入力2がオンとなって、アンド回路110の出力がオンとなり、このオン出力が自己保持回路113に入力される。自己保持回路113は、スタート入力1がトリガー端子に入力されることで、保持されていたアンド回路110からの入力をオア回路116に出力する。これにより、オア回路116の出力がオンとなって、このオン出力がアンド回路117に入力される。その一方、アンド回路117には、自己保持回路115からのオン出力が入力されているので、アンド回路117の出力はオンとなる。これにより、安全出力回路118、119から安全出力1、2が出力され、操作者がティーチング機器を操作して、制御対象機器のティーチングを行なうことができる。
このティーチング時には、第14図に示すように、出力1(Y0、Y1)の反転出力がソレノイドの安全出力として用いられ、出力2(Y2、Y3)の反転出力がソレノイドの安全出力として用いられている。すなわち、ティーチモード時には、ソレノイドへの出力がオフとなることで、安全扉がロックされ、安全性が確保される。
この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1〜6をイネーブルスイッチ等のティーチング機器、モード選択機能付機器、非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開路機器に接続するとともに、安全出力1、2を外部の制御対象機器に接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。また、この場合、外部の制御対象機械として、工作機械やロボット等の様々な機械に適用できる汎用性の高い安全制御装置を実現できる。
<ロジックパターン7>
第15図は、第7の安全制御ロジック(ロジックパターン7)を実現するための回路構成を示すブロック図である。このロジックパターンは、例えば並設された2つの制御対象機器としての第1、第2のロボットを同時に停止させてはいけない場合や、同時に停止させる必要のない場合に好適のロジックである。
安全入力1には、第1、第2のロボットを同時に停止させるための非常停止スイッチからの安全入力が入力されている。安全入力2、3には、第1のロボットの危険区域に対応して設けられた直接開路機器としての第1および第2の安全スイッチ(例えば安全ガード開閉検出スイッチ等)からの安全入力が二重化されて入力されている。また、安全入力4、5には、第2のロボットの危険区域に対応して設けられた直接開路機器としての第3および第4の安全スイッチ(例えば安全ガード開閉検出スイッチ等)からの安全入力が二重化されて入力されている。
安全入力1からの入力S1は、自己保持回路122に入力されており、自己保持回路122の出力は、後段のアンド回路127に入力されている。安全入力2、3からの各入力は、アンド回路120に入力されており、アンド回路120は、安全入力2、3の論理積を出力している。アンド回路120の出力S2は自己保持回路123に入力されており、自己保持回路123の出力は、後段のアンド回路127に入力されている。アンド回路127は、自己保持回路122、123の各出力の論理積を出力している。安全入力4、5からの各入力は、アンド回路121に入力されており、アンド回路121は、安全入力4、5の論理積を出力している。アンド回路121の出力S3は自己保持回路124に入力されており、自己保持回路124の出力は、後段のアンド回路128に入力されている。アンド回路128には、自己保持回路122の出力も入力されている。アンド回路128は、自己保持回路122、124の各出力の論理積を出力している。
自己保持回路122のトリガー端子には、スタート入力1が入力されている。また、オア回路125にはスタート入力2、3が入力されており、オア回路126にはスタート入力2、4が入力されている。オア回路125の出力は、自己保持回路123のトリガー端子に入力されており、オア回路126の出力は、自己保持回路124のトリガー端子に入力されている。アンド回路127の出力は安全出力回路129に入力され、アンド回路128の出力は安全出力回路130に入力されている。安全出力回路129は、第1のロボットに対して安全制御出力1を出力し、安全出力回路130は、第2のロボットに対して安全制御出力2を出力している。
このロジックパターン7においては、安全入力1がオンされた状態で、第1のロボットの側の安全ガードが開いて第1または第2の安全スイッチからの安全入力2または3がオフになると、アンド回路120の出力S2がオフになって、自己保持回路123の出力がオフとなり、アンド回路127の出力がオフになる。これにより、オフディレータイマ設定時間後に安全出力回路129からの安全出力1がオフになって、第1のロボットの運転が停止される。このとき、第2のロボットの側の安全スイッチからの安全入力4、5がオンの状態にあれば、アンド回路121の出力S3はオンであり、スタート入力2または4の入力により、自己保持回路124からの出力はオンとなって、アンド回路128に入力される。また、このとき、スタート入力1の入力によって、自己保持回路122の出力もオンとなって、これがアンド回路128に入力されており、アンド回路128からの出力はオンとなる。これにより、安全出力回路130からの安全出力2がオンとなって、第2のロボットの運転は維持される。
これとは逆に、安全入力1がオンされた状態で、第2のロボットの側の安全ガードが開いて第3または第4の安全スイッチからの安全入力4または5がオフになると、アンド回路121の出力S3がオフになって、自己保持回路124の出力がオフとなり、アンド回路128の出力はオフになる。これにより、オフディレータイマ設定時間後に安全出力回路130からの安全出力2がオフになって、第2のロボットの運転が停止される。このとき、第1のロボットの側の安全スイッチからの安全入力2、3がオンの状態にあれば、アンド回路120の出力S2はオンであり、スタート入力2または3の入力により、自己保持回路123からの出力はオンとなって、アンド回路127に入力される。また、このとき、スタート入力1の入力によって、自己保持回路122の出力もオンとなって、これがアンド回路127に入力されており、アンド回路127からの出力はオンとなる。これにより、安全出力回路129からの安全出力1がオンとなって、第1のロボットの運転は維持される。
次に、安全入力2、3および4、5がオンされた状態で、非常停止スイッチが押され、安全入力1がオフになった場合には、自己保持回路122への入力S1がオフになって、自己保持回路122の出力がオフになる。自己保持回路122の出力は、アンド回路127、128に入力されており、このため、両アンド回路127、128の出力はいずれもオフになる。その結果、オフディレータイマ設定時間後に両安全出力回路129、130の出力がいずれもオフになって、第1、第2のロボットの運転が停止される。
この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1を非常停止スイッチに接続し、安全入力2、3を第1のロボットの側の安全スイッチ等の直接開路機器に接続し、安全入力4、5を第2のロボットの側の安全スイッチ等の直接開路機器に接続するとともに、安全出力1を第1のロボットに接続し、安全出力2を第2のロボットに接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。
<ロジックパターン8>
第16図は、第8の安全制御ロジック(ロジックパターン8)を実現するための回路構成を示すブロック図である。このロジックパターン8は、ロジックパターン7と類似しているが、自己保持回路122の出力がアンド回路128に入力されておらず、アンド回路127の出力がアンド回路128に入力されている点が、ロジックパターン7と異なっている。
このロジックパターン8においては、安全入力1がオンされた状態で、第1のロボットの側の安全ガードが開いて第1または第2の安全スイッチからの安全入力2または3がオフになると、アンド回路120の出力S2がオフになって、自己保持回路123の出力がオフとなり、アンド回路127の出力がオフになる。これにより、オフディレータイマ設定時間後に安全出力回路129からの安全出力1がオフになって、第1のロボットの運転が停止される。また、このとき、アンド回路127のオフ出力はアンド回路128に入力されており、このため、アンド回路128の出力もオフになる。これにより、オフディレータイマ設定時間後に安全出力回路130からの安全出力2もオフになって、第2のロボットの運転も停止される。
これとは逆に、安全入力1がオンされた状態で、第2のロボットの側の安全ガードが開いて第3または第4の安全スイッチからの安全入力4または5がオフになると、アンド回路121の出力S3がオフになって、自己保持回路124の出力がオフとなり、アンド回路128の出力はオフになる。これにより、オフディレータイマ設定時間後に安全出力回路130からの安全出力2がオフになって、第2のロボットの運転が停止される。このとき、第1のロボットの側の安全スイッチからの安全入力2、3がオンの状態にあれば、アンド回路120の出力S2はオンであり、スタート入力2または3の入力により、自己保持回路123からの出力はオンとなって、アンド回路127に入力される。また、このとき、スタート入力1の入力によって、自己保持回路122の出力もオンとなって、このオン出力がアンド回路127に入力されており、アンド回路127からの出力はオンとなる。これにより、安全出力回路129からの安全出力1がオンとなって、第1のロボットの運転は維持される。
次に、安全入力2、3および4、5がオンされた状態で、非常停止スイッチが押され、安全入力1がオフになった場合には、自己保持回路122への入力S1がオフになって、自己保持回路122の出力がオフになる。自己保持回路122のオフ出力は、アンド回路127に入力されており、このため、アンド回路127の出力はオフになる。アンド回路127のオフ出力はアンド回路128に入力されており、このため、アンド回路128の出力もオフになる。その結果、オフディレータイマ設定時間後に両安全出力回路129、130の出力がいずれもオフになって、第1、第2のロボットの運転が停止される。
この場合には、セーフティコントローラ1の安全入力1を非常停止スイッチに接続し、安全入力2、3を第1のロボットの側の安全スイッチ等の直接開路機器に接続し、安全入力4、5を第2のロボットの側の安全スイッチ等の直接開路機器に接続するとともに、安全出力1を第1のロボットに接続し、安全出力2を第2のロボットに接続するだけで、所望の制御を行なうことができるので、ユーザーの負担を軽減できる。
なお、本発明の適用は、上述した8種類のロジックパターンに限定されないことはいうまでもない。本発明によるセーフティコントローラは、プログラムI/F回路を介して内蔵プログラムの書き換えが可能であり、セーフティコントローラを使用するユーザーにおける各種アプリケーションに対応して、様々なロジックパターンを構築することができる。また、以下に述べる拡張ユニットをセーフティコントローに接続することによって、8個に限定されていたロジックパターンの数を増やすことが可能である。
次に、上述したセーフティコントローラは拡張(増設)機能を有していてもよく、このようなセーフティコントローラについて、第17図ないし第21図の各ブロックを用いて説明する。なお、各図において、前記実施例と同一の参照数字は、同一または相当部分を示している。
第17図は、セーフティコントローラ1に拡張ユニット1Aが接続されたブロック図である。セーフティコントローラ1は、拡張インターフェース(I/F)回路58を有しており、同様に、拡張ユニット1Aは、拡張インターフェース(I/F)回路58A1および58A2を有している。セーフティコントローラ1および拡張ユニット1Aは、拡張インターフェース回路58、58A1を介して接続されている。拡張インターフェース回路58は、演算処理回路50に接続されている。拡張インターフェース(I/F)回路58A1および58A2は、シリアルバスを用いてシリアル接続されるとともに、パラレルバスを用いてパラレル接続されている。これらシリアルバスおよびパラレルバスには、演算処理回路50Aがバス接続されている。拡張ユニット1Aは、セーフティコントローラ1とほぼ同様の構成を有しており、セーフティコントローラ1と同様の入出力機能を有している。なお、拡張ユニット1Aの演算処理回路50Aには、さらにシリアルインターフェース(I/F)回路59が接続されている。
なお、図示していないが、拡張ユニット1Aには、拡張インターフェース58A2を介して他の拡張ユニットが接続可能になっている。また、演算処理回路50および拡張インターフェース回路58間の通信、拡張インターフェース回路58A1、58A2間の通信、および演算処理回路50Aおよび拡張インターフェース回路58A1、58A2間の通信は、CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)を用いたり、データにシーケンス番号を付加したりすることによって、その安全性が確保されている。
第18図は、入力回路用拡張ユニット1Bのブロック図である。この拡張ユニット1Bは、入力機能に特化しており、出力回路は搭載されていない。この場合においても、第17図の拡張ユニット1Aと同様に、拡張インターフェース回路58B1、58B2を介して、セーフティコントローラまたは他の拡張ユニットが接続可能になっている。
第19図は、出力回路用拡張ユニット1Cのブロック図である。この拡張ユニット1Cは、出力機能に特化しており、入力回路は搭載されていない。出力回路53Cからの出力には、半導体出力のみならず、リレー出力も含まれている。この場合においても、第17図の拡張ユニット1Aと同様に、拡張インターフェース回路58C1、58C2を介して、セーフティコントローラまたは他の拡張ユニットが接続可能になっている。
第20図は、拡張ユニットとしての通信ユニット1Dのブロック構成図である。この場合、演算処理回路50Dおよびシリアルインターフェース回路59の変更により、安全有線通信、非安全有線通信、安全無線通信、非安全無線通信等を構成できる。この場合においても、第17図の拡張ユニット1Aと同様に、拡張インターフェース回路58D1、58D2を介して、セーフティコントローラまたは他の拡張ユニットが接続可能になっている。
第21図は、プログラム拡張ユニット1Eのブロック構成図である。上述したセーフティコントローラ1では、安全制御用のロジック(プログラム)が8個のパターンに限定されているが、このプログラム拡張ユニット1Eを用いれば、無数のプログラムにまで拡張することが可能である。この場合においても、第17図の拡張ユニット1Aと同様に、拡張インターフェース回路58E1、58E2を介して、セーフティコントローラまたは他の拡張ユニットが接続可能になっている。
次に、上述したセーフティコントローラは本質安全防爆機能を有していてもよく、このようなセーフティコントローラについて、第22図および第23図の各ブロック図を用いて説明する。なお、各図において、前記実施例と同一の参照数字は、同一または相当部分を示している。
第22図に示すセーフティコントローラ1’においては、本質安全防爆入力対応の安全入力回路61が安全入力回路51’に接続されるとともに、本質安全防爆対応の入力回路62および出力回路63がそれぞれ非安全入力回路52’、非安全出力回路59’にそれぞれ接続されている。安全入力回路61には、本質安全防爆電源回路60からの電源電圧が印加されている。
本質安全防爆電源回路60は、ツェナーダイオードZDまたはサイリスタ等で構成された電圧制限回路を有している。本質安全防爆対応の安全入力回路61および本質安全防爆対応の入力回路62は、電流制限を行なう抵抗や半導体電流制限回路R等で構成されている。また、これらの安全入力回路61、入力回路62および出力回路63は、それぞれ安全入力回路51’、非安全入力回路52’および非安全出力回路59’に対して、フォトカプラPCやトランス等の絶縁素子で絶縁されている。このような構成により、セーフティコントローラの入力回路への電圧および電流が制限されるようになるので、爆発の危険性のある場所に設置された非常停止スイッチや安全スイッチ等の安全機器を安心して使用できるようになる。なお、入力回路は、専用基板上に搭載されているので、基板の切替えのみで防爆に対応することが可能である。
第23図は、本質安全防爆入力に対応した入力回路用拡張ユニット1’Bのブロック図である。この拡張ユニット1’Bは、主として入力機能に特化しており、出力回路は搭載されていない。この場合には、拡張入力に対しても防爆機能を実現できる。また、この場合においても、第11図のセーフティコントローラ1と同様に、本質安全防爆電源回路60B、本質安全防爆対応の安全入力回路61B、本質安全防爆対応の入力回路62Bおよび出力回路63Bが設けられている。
なお、上述した非防爆対応の入力回路および本質安全防爆入力対応の入力回路を適宜使い分けることにより、セーフティコントローラが用いられるシステムに最適の安全回路を構築できるようになる。
また、安全入力を出力する機器を駆動させるための信号を、セーフティコントローラが生成して供給する構成にしてもよい。例えば、安全入力を出力する機器として、非常停止スイッチや安全スイッチ等の直接開閉機器は、第1および第2の接点が閉じたとき、第1の接点に与えられている信号(例えばパルス信号)を第2の接点を介して安全入力として流出する。この信号を生成して出力する信号生成回路をセーフティコントローラに内蔵させて、直接開閉機器からの安全入力を用いる安全制御ロジックが選択された場合に、演算処理回路50が安全制御ロジックに基づき、信号生成回路を制御して信号を生成して出力する構成にしてもよい。このように、安全入力を出力する機器を駆動する信号をセーフティコントローラが生成して供給することにより、安全入力を出力する機器を適切に駆動させることができる。
さらに、セーフティコントローラは、外部の機器を制御して機械を停止制御するだけではなく、機械への人の接近も制御する。すなわち、セーフティコントローラは、安全出力1、2をオフすることによって機械を停止させた後、当該機械への人の接近を許容するための信号(出力SL1、2のオン信号)を出力して、安全扉のロック状態を解除する。これにより、機械が停止した後、人が安全扉を開いて機械へ接近することが許可される。このようにして、停止した機械に人を接近させることができ、安全性を確保できる。なお、機械への人の接近を許容するための信号は、上述したように、安全スイッチのソレノイドに与える場合の他、人が機械に接近してもよいことを表示する表示灯に与えるようにしてもよい。