JP5253925B2 - 多層光学シート - Google Patents

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Description

本発明は、特に導光板に用いられる多層光学シートに関する。さらに詳しくは、特定の熱可塑性樹脂を特定の条件下で押出成形し、シートの固体構造における高次構造、層構成を制御することにより得られる、透明性、導光性、転写性に優れた多層光学シートに関する。
近年、携帯電話、携帯音楽プレイヤー、ノートパソコンなどモバイル電子機器の普及に伴い、これら製品機器の薄型化・画面拡大化が図られてきている。LED光源の薄型化技術の発展と共にこれに搭載される液晶ディスプレイ用バックライトもまた薄型化・画面拡大化の検討が活発に行われている。バックライトを構成する部材の中でも導光板が製品サイズを支配することから、導光板の薄型化と画面拡大化の検討が重視されてきている。
具体的には、既に厚さ0.8mmであったものが0.6〜0.4mmに薄肉化され、最近では0.3mm以下の0.2mmへとさらなる薄肉化が進められている。これら薄肉化はLED光源の薄肉化に伴うものである。一方、画面サイズは1.8〜2.8インチ程度であったものが、近々3〜3.5インチへと拡大しつつある。さらには、ノートパソコンにおいてもCCFL光源からのLED光源化が進み、12インチクラスの画面サイズについても厚さ0.4〜0.6mmの導光板採用への検討が試みられている。
モバイル機器用のバックライトに用いられる導光板はポリカーボネート樹脂製のものが主流である。これらは主として射出成形法によりポリカーボネート樹脂を板状に成形すると同時にその表面にバックライトを均一発光させる目的で光学設計された微細な凹凸が形成される。
特許文献1〜5には、ポリカーボネート樹脂層にアクリル樹脂層を積層してなるポリカーボネート樹脂積層体が開示されており、表面硬度、透明性、耐衝撃性、耐候性などに優れるとされている。
特開2005−219330号公報 特開2005−225018号公報 特開2006−103169号公報 特開2007−160892号公報 特開2007−237700号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1〜5記載の発明において用いられている芳香族ポリカーボネートは、粘度平均分子量が大きすぎるため、透明性に劣ることを見出した。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、透明性、転写性、打ち抜き適正などに優れ、薄肉・大画面化が図られた導光板に適用可能な多層光学シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究したところ、特定の粘度分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、特定のキャピラリー粘度を有する透明樹脂を用いて、それぞれ特定の膜厚の層を形成させて積層体とすることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる基材層と、その少なくとも片面に積層された表層とを有する、厚さ0.1〜1.1mm、かつ、全光線透過率91.0%以上の多層光学シートであって、
(a)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、粘度平均分子量17,000〜23,000の芳香族ポリカーボネートと、その100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜1質量部を含有すること、及び
(b)前記表層の厚さが20〜100μmであり、かつ該表層を構成する透明樹脂における、温度280℃及びせん断速度100s-1の条件で測定したキャピラリー粘度が300Pa・s以下であること、
を特徴とする多層光学シート。
2.前記基材層及び表層を共押出して得られる上記1記載の多層光学シート、
3.前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、前記芳香族ポリカーボネート100質量部に対して、さらに熱可塑性アクリル系樹脂0.01〜1質量部を含有する上記1又は2記載の多層光学シート、
4.前記透明樹脂がアクリル系樹脂又は芳香族ポリカーボネートである上記1〜3のいずれかに記載の多層光学シート、
5.前記表層に、熱転写による凹凸パターンが形成されている上記1〜4のいずれかに記載の多層光学シート、及び
6.転写用金型の凹凸パターン深さを100%としたとき、転写された多層光学シートの凹凸パターンの対応する高さが90%以上である上記5記載の多層光学シート、
を提供するものである。
本発明によれば、透明性、転写性、打ち抜き適正などに優れ、薄肉・大画面化が図られた導光板に適用可能な多層光学シートを提供することができる。
本発明の多層光学シートは、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる基材層と、その少なくとも片面に積層された表層とを有する、厚さ0.1〜1.1mm、かつ、全光線透過率91.0%以上の多層光学シートであって、
(a)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、粘度平均分子量17,000〜23,000の芳香族ポリカーボネートと、その100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜1質量部を含有すること、及び
(b)前記表層の厚さが20〜100μmであり、かつ該表層を構成する透明樹脂における、温度280℃及びせん断速度100s-1の条件で測定したキャピラリー粘度が300Pa・s以下であること、
を特徴とする。
本発明の多層光学シートは、芳香族ポリカーボネートをベース樹脂として酸化防止剤を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる基材層を有するため、シート成形時の黄変の低減が図られ、導光板にした際の輝度の向上が図られる。
また、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、一般的な芳香族ポリカーボネート樹脂に比べ、380〜450nm付近の青色の可視光の透過率が高く、黄色度が低いため、本発明の多層光学シートは、基材層の材料として青色系色素(または顔料)を含有する必要がなく、従って、導光板の輝度特性の低下がない。青色系色素(または顔料)を含有させた場合、その配合量にもよるが、輝度数が10%のオーダーで低下する。
(芳香族ポリカーボネート)
上記芳香族ポリカーボネートとしては、光学透明性、機械強度、耐熱性の観点から、粘度平均分子量17,000〜23,000のものであればよい。通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される種々の芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド及びビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールA又はビスフェノールAを主原料としたものである。
カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カルボニルエステル及びハロホルメートなど、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、芳香族ポリカーボネートは、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸及びイサチンビス(o−クレゾール)などが挙げられる。
芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は、17,000〜23,000であり、17,000〜20,000であると好ましい。粘度平均分子量が23,000を超えると、押出成形条件にもよるが、基材層が黄変したり、レターデーション値が大きくなりやすい。
また、本発明の多層光学シートの表面に、ロールエンボス成形またはプレス成形により数〜数百μmの微細な凹凸パターン(プリズムやドット、ドーム状の凸レンズ)を形成することで、導光板が製造されるが、粘度平均分子量が20,000以下であると、この際の熱転写性が改善される。さらに、粘度平均分子量が17,000以上であると、製品強度が改善し、肉厚を0.3mm以下の薄肉にした場合であっても、製品強度が維持され、割れにくくなる傾向がある。
(芳香族ポリカーボネート樹脂組成物)
本発明の多層光学シートに基材層を形成する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート100質量部に対し酸化防止剤0.01〜1質量部、好ましくは0.05〜0.5質量部含有する。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤及びヒンダードフェノール系酸化防止剤、などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、亜リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸及びこれらのエステル並びに第3級ホスフィンなどが例示される。
中でも、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸、トリオルガノホスフェート化合物及びアシッドホスフェート化合物が好ましい。
なお、アシッドホスフェート化合物における有機基は、一置換、二置換及びこれらの混合物のいずれも含む。
下記の例示化合物においても同様にいずれをも含むものとする。
トリオルガノホスフェート化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート及びトリブトキシエチルホスフェートなどが挙げられる。
中でも、トリアルキルホスフェートが好ましい。
トリアルキルホスフェートにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜22、より好ましくは1〜4である。
特に好ましいトリアルキルホスフェートはトリメチルホスフェートである。
アシッドホスフェート化合物としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート及びビスフェノールAアシッドホスフェートなどが挙げられる。
中でも、炭素数10以上の長鎖ジアルキルアシッドホスフェートが熱安定性の向上に有効であり、該アシッドホスフェート自体の安定性が高いことから好ましい。
ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−イソ−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−trt−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及びジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
更に、他のホスファイト化合物としては、二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。
例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト及び2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトなどが挙げられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。
ホスホナイト化合物は、上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物と併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル及びベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。
第3級ホスフィンとしては、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリナフチルホスフィン及びジフェニルベンジルホスフィンなどが挙げられる。
特に好ましい第3級ホスフィンは、トリフェニルホスフィンである。
好ましいリン系酸化防止剤としては、トリオルガノホスフェート化合物、アシッドホスフェート化合物及び一般式(1)で表されるホスファイト化合物である。
中でも、トリオルガノホスフェート化合物を配合することが好ましい。
Figure 0005253925
(式中、R及びR’は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
上記のように、ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、該ホスホナイトを主成分とする安定剤は、Sandostab P−EPQ(商標、Clariant社製)及びIrgafos P−EPQ(商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)として市販されておりいずれも利用できる。
また、一般式(1)の中でも好ましいホスファイト化合物としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス{2,4−ビス(1−メチル−1フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイトである。
ヒンダードフェノール酸化防止剤としては、通常、樹脂に配合される各種の化合物が使用できる。
ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ナピルアルコール、ビタミンE、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコールビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)アセチルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス[メチレン−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)ベンゼン及びトリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
中でも、テトラキス[メチレン−3−(3−tertブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート及び3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましく利用される。
特に、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
リン系酸化防止剤及びヒンダードフェノール系酸化防止剤はいずれかが配合されることが好ましい。
中でも、リン系酸化防止剤を配合することが好ましく、トリオルガノホスフェート化合物を配合することがより好ましい。
このような芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネートに酸化防止剤を添加した組成物に、さらに熱可塑性アクリル系樹脂を微量添加することで、分光特性がさらに向上する。熱可塑性アクリル系樹脂の配合量は、芳香族ポリカーボネート100質量部に対して0.01〜1質量部であると好ましく、0.05〜0.5質量部であるとより好ましい。熱可塑性アクリル系樹脂の配合量が0.01質量部以上であると、多層光学シートの透明性が向上し、1質量部以下であると、他の所望物性を損なうことなく透明性を保持することができる。
熱可塑性アクリル系樹脂としてはアクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル及びその誘導体のモノマー単位から選ばれる少なくとも一種を繰り返し単位とする重合体であり、単独重合体又はスチレン、ブタジエン等との共重合体でもよい。具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル、アクリル酸エチル−アクリル酸−2−クロロエチル共重合体、アクリル酸−n−ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、特に、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を好適に用いることができる。ポリメタクリル酸メチル(PMMA)としては公知のものを使用することができるが、通常、過酸化物、アゾ系の重合開始剤の存在下、メタクリル酸メチルモノマーを塊状重合して製造されたものが好ましい。
熱可塑性アクリル系樹脂は、分子量が200〜10万であることが好ましく、さらに好ましくは2万〜6万である。分子量が200〜10万であることにより、成形時に、芳香族ポリカーボネートと熱可塑性アクリル系樹脂間の相分離が速くなりすぎることがないので、光学シートにおいて十分な透明性を得ることができる。
(透明樹脂)
本発明の多層光学シートが有する表層(転写層)を構成する透明樹脂としては、280℃、せん断速度100s-1でのキャピラリー粘度が300Pa・s以下、好ましくは200Pa・s以下のものが用いられる。透明樹脂の上記キャピラリー粘度が300Pa・sを超えると、転写ロールを用いて表層に凹凸形状を形成しても、転写率が低く、十分な高さ(深さ)を有する凹凸形状が得られない。透明樹脂の具体例としては、粘度平均分子量13,000〜16,000の芳香族ポリカーボネートやアクリル系樹脂(ゴム成分共重合体含む)が好適であり、アクリル系樹脂(ゴム成分共重合体含む)がより好ましい。透明樹脂として用いられる芳香族ポリカーボネートとしては、上述と同様のものが用いられる。
アクリル系樹脂としては、市販のアクリル樹脂が活用でき、透明性、耐熱性の観点から例えば三菱レイヨン株式会社製アクリペットや住友化学株式会社製スミペックスなどが好適に利用できる。また表層を耐衝撃性アクリル樹脂とすることで、本発明の多層光学シートの打ち抜き加工時の割れ、切粉などによる不良が低減できる。透明樹脂の耐衝撃強さ(JIS K7110)としては2kJ/m2以上が好ましく、より好ましくは3kJ/m2以上である。耐熱性としては荷重撓み温度(JIS K7191、荷重1.80MPa)80℃以上が好ましく、より好ましくは90℃以上である。
これら表層(転写層)を構成する透明樹脂には、太陽光集光レンズ用のフレネルレンズのような用途の場合には耐光性向上の観点から、紫外線吸収剤を含有させても良い。
(シート特性)
本発明の多層光学シートの厚さは、0.1〜1.1mmであり、好ましくは0.2〜1.0mmである。多層光学シートの厚さが0.1mm未満であると、強度が著しく低下し、割れやすいものとなり、1.1mmを超えると光線透過率が低下する。
また、本発明の多層光学シートの全光線透過率は91.0%以上である。全光線透過率の上限については特に制限はないが、工業的入手性の観点から、通常95%程度である。全光線透過率が91.0%未満であると輝度が低下する。
本発明の多層光学シートは、複屈折(位相差;波長550nmにおけるレターデーション値)が150nm以下であると好ましい。一般に射出成形品は、射出成形時の剪断による分子配向したまま金型内で冷却され、その分子配向が凍結されるめ残留応力歪が大きくなる傾向があり、金型のゲート付近と反ゲート末端では、残留応力歪の度合いが不均一となる。通常、ゲート周辺部の残留応力歪が大きくなるため、レターデション値はより大きな計測値を示す傾向にある。一方、押出成形によるシートは、押出成形時の条件、材料の粘度(粘度平均分子量に依存する)にもよるが、レターデション値を低くすることが可能であり、レターデーションのシート製品内の分布も均一化が容易である。このため、射出成形による導光板よりもより表示品位の高い導光板を得ることができる。レターデーション値が150nm以下であると、液晶パネルを搭載した場合の表示品位が良好であり、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
(製造方法)
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる基材層と、透明樹脂からなる表層とを共押出して本発明の多層光学シートを製造する方法としては、上記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物と、上記透明樹脂層とをシート状に溶融押し出しする成形工程と、溶融押し出しされたシート状体を急冷する冷却工程と、必要に応じて、冷却されたシート状体を、50℃以上、前記芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度以下で熱処理する熱処理工程による方法が挙げられる。
前記冷却工程は、冷却水が流下するスリットにシート状体を通過させることにより、前記シート状体を冷却することができる。また、前記熱処理工程は、鏡面を有する金属製エンドレスベルトおよび/または金属ロールで、前記シート状体の表裏面を挟持して加熱することより、実施することができる。
押出成形法としては、通常一般に用いられる3本ロールを備えたシート成形機でも成形条件を選定することにより、導光板に利用可能な多層光学シートの製造が可能である。しかしながら、特に芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部及び酸化防止剤0.01〜1質量部を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を原料として押出シート成形を行う場合には上記の溶融押し出しされたシート状体をガラス転移温度以下に急冷する冷却工程が重要であり、このような冷却工程を具備する押出成形装置を適用した方が、効率よく、より光学的に透明度が高い多層光学シートを得ることができる。
冷却温度はガラス転移温度以下とすることが肝要であり、好ましくは140℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。冷却温度をガラス転移温度以下とすることにより、光学シートの厚み0.1〜1mmにおける全光線透過率を91.0%以上とすることができる。冷却温度の下限は樹脂の組成の違い、ガラス転移温度等にも依存するが50℃程度である。50℃以上とすることにより、成形された光学シートにおける残留ひずみを少なくして光学的等方性を確保することができる。冷却は、通常、複数のロールを用いて行なわれる。
また、冷却されたシート状体を、50℃以上、前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度以下で熱処理する熱処理工程により、前述の急冷過程による残留歪を一旦開放し、賦形することで、皺がなく、均一、肉厚で、レターデーション値が低い多層光学シートを得ることができる。
これらの工程を具備する製造法としては、弾性ロール法またはスチールベルト法などが挙げられ、これらを具備した押出成形機の適用がより好ましい。
スチールベルト法は、例えば特許公開公報2004−230598号公報にて開示されている製造法が挙げられる。
この製造法においては、複数のロールに巻装され、加熱ロール部により加熱された無端ベルトに、成形されたシートを密着して走行させ、次いで同シートを前記無端ベルト及びロール間で面状又は線状圧接した後、同シートを前記無端ベルトから剥離させるシートの製造方法であって、同シートの無端ベルトとは反対側から、加熱された同シートを走行中に保温及び/又は加熱する(図1参照)。保温及び/又は加熱は、保温板、熱風吹き出し、赤外線により行なわれる。
図1において、1はテンションロール、2は加熱ロール、3は冷却ロール、4は挾圧ロール、5は無端ベルト、6はシート供給ロール、7はテンションロール、8は加熱装置である。Sは凹凸形状を転写する前のシートを、dは挾圧ロール4と無端ベルト5との間で挟圧されるシートの長さを示す。
弾性ロール法としては、例えば、特許公開公報2004−155101号に開示されている方法が挙げられる。
この製造法においては、押出機にT型ダイを取り付けてシートを形成させ、このシートを第一挟圧ロール、第二挟圧ロール、第三挟圧ロールに通し、複数の移送ロールを直線状に並べてシートを製造し、引取りロールを通して製造する方法である(図2参照)。
図2において、21は押出機、22、23、25は挟圧ロール、24は引取りロール、26a、26b、26cは移送ロールである。
これらの製造工程を具備した押出成形機を適用することで、芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部及び酸化防止剤0.01〜1質量部を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の溶融状態から冷却過程で起こる相分離を抑制することが可能となる。この相分離ドメインが200nmを超えると可視光領域の波長の光を散乱が生じ、導光板に要求される導光性能が低下し、無駄な散乱光が増加するために、輝度特性が低下する。相分離ドメインサイズは200未満が好ましく、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
このような相分離の観測は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が熱可塑性アクリル系樹脂を含む場合には、透過型電子顕微鏡を用いることで可能であり、芳香族ポリカーボネートリッチ相が熱可塑性アクリル系樹脂リッチ相に比べて、オスミウム酸に染色され難いために生じるコントラストにより観察が可能である。
通常、比重がほぼ同等の完全非相溶性を示す2成分系高分子対の場合には、配合比率と相分離ドメインのコントラスト比率はほぼ一致する。例えば、芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部であり、熱可塑性アクリル系樹脂0.1質量部ならば、1000:1の面積比率の2相に分離したその形態画像が得られる。
しかしながら、芳香族ポリカーボネート100質量部及び熱可塑性アクリル系樹脂0.01〜1質量部を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる高分子対の場合には、半相溶性を示すことが知られており、熱可塑性アクリル系樹脂の分子量及び成形時の凍結条件を選ぶことで、可視光散乱を生じないより小さなドメインサイズに制御できる。本系においては、非平衡系の自己組織化による散逸構造として良く知られたスピノーダル分解過程(濃度揺らぎにより相分離が進行する過程)であり、この揺らぎの初期状態の構造を凍結することで、光学的に透明な光学シートの成形が可能である。また、押出成形の適用により射出成形時よりも剪断による相分離の助長がないことから、それよりもさらに微細なミクロ相分離ドメインのサイズに制御可能であり、光学的により透明な樹脂基材を得ることができる。
本系の場合には、芳香族ポリカーボネート系樹脂マトリックスに比較して、熱可塑性アクリル系樹脂が微量に配合された系なので、透過型電子顕微鏡による観察像は、上記コントラストが曖昧となり、明確な濃度差の相分離ドメインを示さず、モザイク状のあたかも熱可塑性アクリル系樹脂分子の希薄な雲が芳香族ポリカーボネート系樹脂マトリックスの海に漂っているような状態となり、100nm以下のドメインサイズの相が画像全体に広がって観測される。即ち、配合比率と相分離ドメインのコントラスト比率は一致しない。
以上の特性、組成、製造により得られた本発明の多層光学シートは、その表面に微細な凹凸を形成することで、配光制御が可能となり、凹凸形状としてはドット形状、凸レンズ、凹レンズ、V溝プリズム、三角錘、四角錘などの多角錘などが挙げられる。
導光板ならば、凹凸形状にグラデーション(濃淡)を付与すれば良い。
通常の拡散シート、再帰性反射板ならば均一なパターンを形成すれば良い。
また、直下型バックライトで用いられる拡散シートの場合には光源上の光源影から光源間までの距離の間に凹凸形状の濃淡を形成することで、輝度の均一化を図ることができる。
このような凹凸の形成法としては、ロールエンボス法、真空プレス成形法、ベルト転写法などが挙げられる。中でもベルト状の薄板ステンレスの表面にニッケルめっき箔に微細な凹凸を形成した金型を製作し、上下で回転する金型ベルトの間で樹脂フィルムを同期搬送しながら加熱、加圧転写、剥離の各工程を連続して行う手段を備えた装置を適用することが好ましい。この工程では真空引き、昇温、降温のための時間が不要で、高い生産性で大面積への転写を行うことができる(図3参照)。
図3において、31は加熱ロール、32は凹凸を形成させるための転写ロール、33は予備加熱ロール、34は冷却ロール、35は搬送ロール、36はエンドレスベルトである。左側の矢印は凹凸形状を転写する前の多層光学シート、右側の矢印は転写後の多層光学シート、すなわち、導光板等の成形体を示す。
この他、微細な凹凸形状が形成された金型を用いてアクリル系紫外線硬化樹脂を本発明の光学シートに押し当てながら紫外線で硬化させるリソグラフィー法や、白色インキを用いたスクリーン印刷法になどが適用できる。
前記シート成形と表面に凹凸形成する工程を同時に行うことを特徴とする成形体の製造方法により、導光板等の成形体を製造することもできる。このような同時工程を備える製造装置としては、例えば、東芝機械株式会社製連続押出エンボス成形機SPU−03026Wが好適に利用できる(図4参照)。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例および比較例で使用された配合材料等は以下の通りである。
<配合材料>
(1)芳香族ポリカーボネート(PC1)
タフロンFN1700A〔出光興産株式会社製のビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:17,500、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、390Pa・s〕
(2)芳香族ポリカーボネート(PC2)
タフロンFN1900A〔出光興産株式会社製のビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:19,500、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、780Pa・s〕
(3)芳香族ポリカーボネート(PC3)
タフロンFN2200A〔出光興産株式会社製のビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:22,500、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、1300Pa・s〕
(4)芳香族ポリカーボネート(PC4)
タフロンFN1500A〔出光興産株式会社製のビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:14,500、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、250Pa・s〕
(5)芳香族ポリカーボネート(PC5)
タフロンFN2600A〔出光興産株式会社製のビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:26,500、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、2500Pa・s〕
(6)芳香族ポリカーボネート(PC6)
タフロンFD1400〔出光興産株式会社製のビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:13,000、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、150Pa・s〕
(7)リン系酸化防止剤
アデガスタブPEP36〔株式会社ADEKA製のビス(2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト〕
(8)熱可塑性アクリル系樹脂
ダイアナールBR83〔三菱レイヨン株式会社製、分子量:25,000、屈折率1.490、分子量は、オストワルド型粘度管を用いて25℃におけるクロロホルム溶液の極限粘度[η]を測定し、次の関係式により平均重合度PAを求めて計算した。logPA=1.613log([η]×104/8.29)〕
(9)アクリル樹脂(PMMA1)
アクリペットIR S404〔三菱レイヨン株式会社製、キャピラリー粘度:280℃、100s-1、200Pa・s〕
(10)アクリル樹脂(PMMA2)
アクリペットIR H30〔三菱レイヨン株式会社製:280℃、100s-1、450Pa・s〕
<多層光学シート押出成形>
図2に示す装置を設けた押出機により多層光学シートを製造した。スクリュウ直径65mm、T型ダイの幅が650mmの押出機21、直径300mmの第一挟圧ロール22を使用した。第二挟圧ロール23及び第三挟圧ロール25は、いずれも直径300mmの金属ロールを使用した。移送ロール26a、26b及び26cは、直径70mmの金属ロール3個が直線状に並んだものを使用した。なお、最初の移送ロール26aから最終の移送ロール26c間の合計距離は3mとした。
<評価方法>
(1)全光線透過率
スガ試験機株式会社製のヘイズメーター(HGM−2DP)を用いてJIS−K−7105に準拠して測定した。
(2)転写率
実施例1〜8および比較例1〜6で得られた各光学シートについて、以下に示す転写率を測定した。
転写率(%)=[転写した光学シートの三角錘の平均高さ(μm)/スタンパーにおける三角錘の平均深さ(50μm)]×100
(3)打ち抜き性
トムソン刃を用い100kg/cm2のプレス圧で3インチ(7.62cm)の導光板を打ち抜いたとき、端部の割れ、ヒゲ、切り粉の発生有無を目視にて判定した。判定基準を以下に示す。
○:問題なし
×:端部割れ
実施例1
上記芳香族ポリカーボネート(PC1)にリン系酸化防止剤PEP36(株式会社ADEKA製)を表1に示す割合で添加、260℃で溶融混練し、基材層材料を得た。また芳香族ポリカーボネート(PC4)に同じくリン系酸化防止材(PEP36)および熱可塑性ポリアクリル系樹脂(BR83)をそれぞれ表1に示す割合で添加し260℃で溶融混練し、表層材料を得た。これら材料をHITZ産機テクノ製単軸押出機のメイン65mmφ、サブ25mmφを用い、それぞれで基材層、表層用樹脂を押出し、水平3本ロールで冷却固化し基材層、表層がそれぞれ350、50μm厚みの2種2層の光学シートを得た。ロール冷却の際、第2ロール上に形成された平均深さ50μmの三角錐プリズム形状を表層へと転写した。転写後のシートに対し、打ち抜き試験を実施し、打ち抜き適性を判断した。
実施例2
PC1に熱可塑性ポリアクリル系樹脂(BR83)を添加して基材層材料とした以外は実施例1と同様にして多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
実施例3
PC1に代えてPC2を用いて基材層材料を得た以外は実施例2と同様にして多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
実施例4
PC1に代えてPC3を用いて基材層材料を得た以外は実施例2と同様にして多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
実施例5
基材層の厚みを900μm、表層の厚みを100μmとした以外は実施例2と同様にして多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
実施例6
表層材料として、三菱レイヨン製アクリル樹脂 アクリペットIR S404を用いた以外は実施例1と同様にして多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
実施例7
PC4に代えて芳香族ポリカーボネート(PC6)を用いて表層材料を得た以外は実施例1と同様にして多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
実施例8
基材層の厚さを300μmとし、基材層の両面に三菱レイヨン製アクリル樹脂 アクリペットIR S404を用いて厚さ50μmの表層をそれぞれ設けた以外は実施例1と同様にして、2種3層の多層光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
比較例1
芳香族ポリカーボネート(PC1)にリン系酸化防止剤(PEP36)と熱可塑性ポリアクリル系樹脂(BR83)を表1に示す割合で添加、260℃で溶融混練した。この材料をHITZ産機テクノ製65mmφ単軸押出機を用い、上記材料を押出し、水平3本ロールで冷却固化し、厚みが350μmの光学シートを得た。ロール冷却の際、第2ロール上に形成された深さ50μの三角錐プリズム形状を転写した。転写後の単層光学シートについて、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
比較例2
表層材料としてアクリル樹脂(PMMA2)を用いた以外は、実施例2と同様にして光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
比較例3
PC1に代えてPC4を用いて基材層材料を得て、表層材料としてアクリル樹脂(PMMA1)を用いた以外は、実施例2と同様にして光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
比較例4
PC4に代えてPC5を用いた以外は、比較例3と同様にして光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
比較例5
基材層の厚さを45μm、表層の厚さを5μm、総厚みを50μmとし、表層材料としてアクリル樹脂(PMMA1)を用いた以外は比較例2と同様にして光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
比較例6
基材層の厚さを1080μm、表層の厚さを120μm、総厚みを1200μmとし、表層材料としてアクリル樹脂(PMMA1)を用いた以外は比較例2と同様にして光学シートを作製し、全光線透過率、転写率及び打ち抜き性を評価した。
表1に実施例1〜8及び比較例1〜6における基材層材料及び表層材料の配合比率、基材層及び表層の厚み、成形条件並びに光学シート特性を示す。
Figure 0005253925
本発明の多層光学シートは、高い光学透明性(導光性、色調)、複屈折性、転写性に優れるため、LEDを光源とする肉厚1mm以下の薄肉のバックライトの導光板用の光学シート及び成形体(導光板)として有用である。この他、用途に応じて表面に形成する凹凸パターンを最適化することにより、再帰性反射シート、拡散シート、輝度向上プリズムシートの基材として好適である。
スチールベルト法による転写工程を示す模式図である。 挟圧ロール法による転写工程を示す図である。 ベルト転写法による転写工程を示す模式図である シート成形と凹凸パターンを形成させる工程を同時に行う製造装置の模式図である。
符号の説明
1:テンションロール
2:加熱ロール
3:冷却ロール
4:挾圧ロール
5:無端ベルト
6:シート供給ロール
7:テンションロール
8:加熱装置
S:凹凸形状を転写する前のシート
d:挾圧ロールと無端ベルトにより挟圧されるシートの長さ
21:押出機
22:挟圧ロール
23:挟圧ロール
24:引取りロール
25:挟圧ロール
26a:移送ロール
26b:移送ロール
26c:移送ロール
31:加熱ロール
32:凹凸を形成させるための転写ロール
33:予備加熱ロール
34:冷却ロール
35:搬送ロール
36:エンドレスベルト

Claims (6)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる基材層と、その少なくとも片面に積層された表層とを有する、厚さ0.1〜1.1mm、かつ、全光線透過率91.0%以上の多層光学シートであって、
    (a)前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、粘度平均分子量17,000〜23,000で、温度280℃及びせん断速度100s -1 の条件で測定したキャピラリー粘度が390〜1300Pa・sの芳香族ポリカーボネートと、その100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜1質量部を含有すること、及び
    (b)前記表層の厚さが20〜100μmであり、かつ該表層を構成する透明樹脂における、温度280℃及びせん断速度100s-1の条件で測定したキャピラリー粘度が300Pa・s以下であること、
    を特徴とする多層光学シート。
  2. 前記基材層及び表層を共押出して得られる請求項1記載の多層光学シート。
  3. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、前記芳香族ポリカーボネート100質量部に対して、さらに熱可塑性アクリル系樹脂0.01〜1質量部を含有する請求項1又は2記載の多層光学シート。
  4. 前記透明樹脂がアクリル系樹脂又は芳香族ポリカーボネートである請求項1〜3のいずれかに記載の多層光学シート。
  5. 前記表層に、熱転写による凹凸パターンが形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の多層光学シート。
  6. 転写用金型の凹凸パターン深さを100%としたとき、転写された多層光学シートの凹凸パターンの対応する高さが90%以上である請求項5記載の多層光学シート。
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