JP5252389B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP5252389B2
JP5252389B2 JP2007551042A JP2007551042A JP5252389B2 JP 5252389 B2 JP5252389 B2 JP 5252389B2 JP 2007551042 A JP2007551042 A JP 2007551042A JP 2007551042 A JP2007551042 A JP 2007551042A JP 5252389 B2 JP5252389 B2 JP 5252389B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
cantilever
phase
trigger pulse
reference wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007551042A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007072706A1 (ja
Inventor
貴之 内橋
敏夫 安藤
隼人 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanazawa University NUC
Original Assignee
Kanazawa University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanazawa University NUC filed Critical Kanazawa University NUC
Priority to JP2007551042A priority Critical patent/JP5252389B2/ja
Publication of JPWO2007072706A1 publication Critical patent/JPWO2007072706A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5252389B2 publication Critical patent/JP5252389B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
    • G01Q60/00Particular types of SPM [Scanning Probe Microscopy] or microscopes; Essential components thereof
    • G01Q60/24AFM [Atomic Force Microscopy] or apparatus therefor, e.g. AFM probes
    • G01Q60/32AC mode

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡に関し、特に、カンチレバーの振動の位相を検出する技術に関する。
従来、典型的な走査型プローブ顕微鏡(SPM)としては、走査型トンネル顕微鏡(STM)および原子間力顕微鏡(AFM)が知られている。これらのうち、AFMは、探針を自由端に持つカンチレバーと、カンチレバーの変位を検出する変位センサと、試料ステージスキャナとを備える。
AFMは、ピエゾ素子(圧電素子)を振動させることによってカンチレバーを共振周波数付近の周波数で振動させ、振動するカンチレバーの探針を試料に接触させる。試料とカンチレバーがXY方向に相対的に走査され、XY走査過程で変位センサを用いて振動振幅が検出される。そして、振動振幅が一定に保たれるように試料とカンチレバーが相対的にZ方向(上下方向)にフィードバック走査される。フィードバック走査により、試料の表面の高さ変化が分かり、試料形状が計測される。このようにして、AFMは、試料と探針の接触による振動振幅の変化を変位センサで検出することにより試料形状を計測する。
AFMでは、振動振幅の他に、“位相”も有用な情報として計測される。試料と探針のエネルギー散逸を伴う相互作用により、カンチレバー振動の位相がシフトすることが知られている。位相情報は、試料の粘性、弾性および組成などの物性情報を含む。したがって、位相変化を検出することにより生体分子の構造変化のみならず、物性情報の動的変化も捉えることが可能になる。AFMを使った位相計測は、例えば、 Miriam Argaman et al., "Phase imaging of moving DNA molecules and DNA molecules replicated in the atomic force microscope", Nucleic Acids Research, Oxford University Press, 1997, Volume 25, Number 21, pp.4379-4384. に開示されている。
従来のAFMは、位相を検出するためにロックインアンプ等を用いている。しかし、ロックインアンプは、高速なAFM測定に求められる十分な帯域を有していない。例えば、カンチレバーの振動の一周期ごとに位相を検出するといった要求には、ロックインアンプは応えられない。そのため、より高速な位相検出技術が求められる。
また、AFMには、接触AFM(Contact AFM)の他に非接触AFM(Non-contact AFM)が知られている。非接触AFMは、探針が試料に近接した状態で使用される。上述した励振効率の問題は、接触AFMに限られない。同様の問題が非接触AFMにも生じ得る。
本発明は、上記背景の下でなされてものであり、その目的は、カンチレバー振動の位相を高速に検出可能な走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
また、本発明の一つの目的は、高感度な位相検出を行える走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
さらに、本発明の一つの目的は、位相変化に基づくフィードバック走査と形状測定を行うことができ、高感度で試料損傷も低減可能な走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
本発明の一つの目的は、高速位相検出を利用して、さらなる計測点数増大が可能な走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーを振動させて、カンチレバーと試料を相対的に走査する。この走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーを励振する励振手段と、カンチレバーの変位を検出するセンサと、カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成手段と、カンチレバーの変位に基づき、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成手段と、基準波信号とトリガパルス信号に基づき、パルス位置における基準波信号の大きさに応じた信号をカンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成手段と、を備える。
上述のように、本発明は、位相が固定された基準波信号と、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号とを比較して、カンチレバーの振動の位相を検出する。トリガパルス信号のパルス位置における基準波信号の大きさが、カンチレバーの位相に対応する。基準波信号の周波数に対応する速度で位相を検出できるので、高速な位相検出が可能になる。
基準波生成手段は、基準波信号として、励振信号と同一の周波数を有し、励振信号との位相差が固定された信号を生成してよく、トリガパルス生成手段は、トリガパルス信号として、カンチレバーの変位から得られる振動波形の時間軸上の位置を表すパルス信号を生成してよい。これにより、カンチレバーの1周期ごとに位相を検出することができ、高速な位相検出が可能になる。
トリガパルス生成手段は、カンチレバーが試料に接触または最接近するタイミングに対応する振動波形上の位置でトリガパルス信号を発生してよい。接触AFM(Contact AFM)ではカンチレバーが試料に接触するタイミングに、非接触AFM(Non-contact AFM)ではカンチレバーが試料に最も近接するタイミングに、トリガパルス信号が生成されてよい。カンチレバーが試料に接触または最接近するタイミングでは位相の変化が最も大きく顕著であると考えられる。したがって、カンチレバーが試料に接触または最接近するタイミングでトリガパルスを生成することにより、位相変化を好適に検出できる。具体的には、カンチレバーが試料に接触または最接近するタイミングとは、振動波形上でのZ方向の最下点に相当する。そこで、本発明では、この最下点付近でパルスが生成するように信号が処理される。この処理のため、後述の実施の形態では移相器が好適に用いられる。
また、基準波生成手段は、基準波信号としてノコギリ波信号を生成してよい。ノコギリ波は、基準波信号の1周期の間に単調に変化する波である。ノコギリ波とトリガーパルスを比較することにより位相を好適に検出できる。
複数のチャネルを有する発振器が備えられてよく、発振器が、励振手段の励振信号を生成すると共に、基準波生成手段として基準波信号を生成してよい。例えば、2チャンネル発振器が励振信号と基準波信号を生成する。適切な基準波信号を容易に生成できる。
また、トリガパルス生成手段は、カンチレバーの変位信号から励振信号の周波数成分の振動波形信号を抽出するバンドパスフィルタと、振動波形信号を矩形波信号に変換するコンパレータと、矩形波信号から矩形波発生タイミングのパルス信号を生成する微分器と、を含んでよい。適切な回路構成によって適当なトリガパルス信号を生成できる。
また、位相信号生成手段は、トリガパルス信号をサンプリングタイミングとして用いて基準波信号を保持するサンプルホールド回路を含んでよい。サンプルホールドによって適切に位相信号を生成できる。
また、カンチレバーは、長さが10μm以下で、幅が2μm以下の微小カンチレバーでよい。好ましくは、カンチレバーは、長さが10μm以下、5μm以上で、幅が2μm以下、1μm以上である。微小カンチレバーを使うことで、敏感に位相を検出できる。
また、走査型プローブ顕微鏡は、位相信号生成手段により生成される位相信号が一定になるように試料とカンチレバーをZ方向に相対的に走査してよい。走査型プローブ顕微鏡は、位相信号を一定に制御するための信号から試料のZ方向の位置を特定し、試料の形状を求めてよい。ここで、Z方向は、試料の凹凸方向(より詳細には、凹凸の高さ方向)である。試料のZ方向の位置は、試料の凹凸の高さを表す。
この構成は、カンチレバーと試料の距離に応じた位相変化に基づいて、フィードバック走査を行い、さらには、形状測定を行う。上述のようにして位相が高速で検出されるので、位相を使ったフィードバック走査が可能になり、形状測定も可能になる。
また、本発明の位相検出は、基準波信号の周波数に対応する速度で位相を検出でき、例えば、カンチレバーの一周期に一度の検出を可能にする。したがって、本発明の位相検出は振幅検出よりもさらに高速で行うことが可能であり、そして、フィードバック走査と形状測定の高速化および分解能向上が可能になる。
また、本発明者の研究によれば、微小カンチレバーを使うと、液中であっても探針−試料間距離に位相が好適に応答し、位相の感度が高く、位相の感度が振幅の感度よりも高い傾向がある。したがって、位相に基づきフィードバック走査を行うと、高感度の形状測定ができる。しかも、カンチレバーを試料からより遠くに配置可能であり、これにより、試料への荷重を低減して、探針−試料間の相互作用が弱い状態での測定が可能になり、試料の表面の損傷を低減できる。こうして、位相を使って好適なフィードバック走査および形状測定が可能になる。
トリガパルス生成手段は、基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号を生成してよく、位相信号生成手段は、複数のトリガパルス信号の各々から位相信号を生成してよい。これにより、位相検出点の数をさらに増大でき、高速な検出が可能になる。フィードバック走査に位相を使う場合の広帯域化も可能になる。
位相信号生成手段は、トリガパルス信号をサンプリングタイミングとして用いて基準波信号を保持する複数のサンプルホールド回路を含み、複数のサンプルホールド回路に複数のトリガパルス信号がそれぞれ入力されてよい。これにより、位相検出点を適切に増やせる。
走査型プローブ顕微鏡が、複数のサンプルホールドで生成される複数の位相信号を、複数のトリガパルス信号のずれに応じてオフセットする手段を含んでよい。これにより、位相検出点を適切に増やせる。
走査型プローブ顕微鏡が、トリガパルス信号のずれに応じて互いにずれた複数の基準波信号を生成する手段を含み、複数のサンプルホールド回路に複数のトリガパルス信号と共に複数の基準波信号がそれぞれ入力されてよい。これにより、位相検出点を適切に増やせる。
本発明の別の態様において、走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーと、カンチレバーを振動させる発振器と、カンチレバーの変位を検出するセンサと、カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成回路と、カンチレバーの変位に基づき、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成回路と、基準波信号とトリガパルス信号に基づき、パルス位置における基準波信号の大きさに応じた信号をカンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成回路と、を備える。この構成によっても同様の利点が得られる。
本発明の別の態様は、カンチレバーを振動させて、カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡にて用いられ、カンチレバーの振動の位相を検出するカンチレバー位相検出装置であって、カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成手段と、カンチレバーの変位に基づき、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成手段と、基準波信号とトリガパルス信号に基づき、パルス位置における基準波信号の大きさに応じた信号をカンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成回路と、を備える。この構成によっても同様の利点が得られる。
本発明の別の態様は、カンチレバーを振動させて、カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡にて用いられ、カンチレバーの位相を検出するカンチレバー位相検出方法であって、カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成し、カンチレバーの変位に基づき、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成し、基準波信号とトリガパルス信号に基づき、パルス位置における基準波信号の大きさに応じた信号をカンチレバーの振動の位相信号として生成する。この方法によっても同様の利点が得られる。
本発明は、位相が固定された基準波信号と、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号とを用いることによって、高速な位相検出が可能になる。
以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の態様の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。
図1は、本発明の実施の形態における原子間力顕微鏡(AFM)のブロック図である。 図2は、本実施の形態のAFMにおける位相検出器の構成を示す図である。 図3は、位相信号生成処理を示す図である。 図4は、本実施の形態のAFMにおける位相検出回路の構成を示す図である。 図5は、位相検出器におけるトリガパルス生成回路の移相器の機能を示す図である。 図6は、AFMによって得られる試料形状および弾性分布を示す図である。 図7は、探針−試料間距離に対するカンチレバー振動の位相の変化を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態に係るAFMを示す図である。 図9は、本発明の第3の実施の形態に係るAFMを示す図である。 図10は、本発明の第3の実施の形態に係るAFMによる位相検出を示す図である。 図11は、本発明の第4の実施の形態に係るAFMを示す図である。 図12は、本発明の第4の実施の形態に係るAFMによる位相検出を示す図である。
以下に本発明の詳細な説明を述べる。ただし、以下の詳細な説明と添付の図面は発明を限定するものではない。代わりに、発明の範囲は添付の請求の範囲により規定される。
以下の実施の形態では、本発明が原子力間顕微鏡(AFM)に適用される。
“第1の実施の形態(位相検出の高速化技術)”
図1は、第1の実施の形態に係るAFMの構成を示している。AFM1は、全体構成としては、試料ステージ3と、カンチレバー5と、試料ステージ3をXYZ方向に走査する構成と、カンチレバー5を共振周波数付近の周波数で振動させる構成と、カンチレバー5の変位を検出する構成と、カンチレバー5の振動の振幅を検出して振幅を一定に保つフィードバック走査のための構成と、カンチレバー5の振動の位相を検出するための構成と、装置全体を制御するコンピュータ7とを備えている。
試料ステージ3は、下面に試料を保持するように構成されている。試料ステージ3はスキャナ11に取り付けられており、スキャナ11はアクチュエータ13を備えている。アクチュエータ13は、ピエゾ素子(圧電素子)で構成されており、試料ステージ3をX、Y、Z方向に動かして、試料をカンチレバー5に対して相対的に走査する。図1では、XY方向は、水平面上で直交する方向であり、Z方向は鉛直方向である。Z方向は試料の凹凸方向(高さ方向)である。アクチュエータ13は、アクチュエータ駆動回路15によって駆動され、アクチュエータ駆動回路15は走査制御回路17によって制御される。
カンチレバー5は、窒化シリコン製であり、自由端に探針を有している。本実施の形態では、カンチレバー5は、微小カンチレバーである。微小カンチレバーは、標準的なカンチレバーと比べて非常に小さいカンチレバーであり、通常のカンチレバーの10分の1以下の大きさを有する。具体的には、標準的なカンチレバーは、例えば、長さが約100μmであり、幅が約20μmである。これに対して、微小カンチレバーは、長さが10μm以下で、幅が2μm以下である。好ましくは、微小カンチレバーは、長さが10μm以下、5μm以上で、幅が2μm以下、1μm以上である。図1の例では、カンチレバー5が、長さが約7μmで、幅が約1μmの矩形形状を有している。
カンチレバー5はホルダ21によって保持されている。ホルダ21は励振用圧電素子23(典型的にはピエゾ素子)と共に設けられており、励振用圧電素子23は、圧電素子駆動回路25によって駆動される。
発振器27は正弦波発振器であり、コンピュータ7により制御されて、励振信号を生成する。発振器27から供給される励振信号に従って、圧電素子駆動回路25が励振用圧電素子23を振動させ、カンチレバー5を振動させる。
本実施の形態では、発振器27が複数チャネルタイプの発振器であり、より具体的には2チャンネルタイプの発振器である。発振器27は、励振信号を生成して一つのチャネルから出力する。さらに、発振器27は、位相検出のための基準波信号を生成してもう一つのチャネルから出力し、これにより本発明の基準波生成回路または手段として機能する。基準波信号を使う位相検出については後に詳細に説明する。
センサ31は、レーザユニット33と共に、光てこ式の変位センサを構成している。レーザユニット33は、レーザ光をカンチレバー5に照射する。レーザ光はカンチレバー5で反射してセンサ31に届く。センサ31は、フォトダイオードで構成されており、カンチレバー5の変位を表す信号を出力する。図では、センサに関連したレンズ等の光学系の構成は省略されている。
AFM1は、フィードバック走査のために、振幅検出回路35およびフィードバック回路37を備えている。振幅検出回路35は、センサ31から入力される変位信号を処理してカンチレバー5の振幅を求める。
検出された振幅値は、フィードバック回路37へ出力される。また、フィードバック回路37には、コンピュータ7から振幅目標値が入力される。フィードバック回路37は、検出された振幅値から振幅目標値を減算して偏差信号を生成する減算器と、偏差信号を増幅するPID回路とを備えており、これら構成によってフィードバック信号が生成される。フィードバック走査の振幅目標値は、コンピュータ7から供給される。この振幅目標値は、適当な回路構成などを用いて手動で設定されてもよい。
フィードバック信号は走査制御回路17に供給されて、フィードバック走査に利用される。また、フィードバック信号はコンピュータ7に供給されて、試料画像の生成処理に使用される。
また、AFM1は、本実施の形態の特徴として、センサ31で検出される変位信号に基づいてカンチレバー5の位相を検出するために、トリガパルス生成回路41と位相信号生成回路43を備えている。これら構成については後に詳細に説明する。
コンピュータ7は、AFM1の全体を制御してる。コンピュータ7はユーザインターフェース機能も提供し、ユーザの各種の指示がコンピュータ7に入力され、コンピュータ7はユーザの入力に従ってAFM1を制御する。また、コンピュータ7は試料表面の画像を生成してモニタ51に出力する。さらに、コンピュータ7は、カンチレバー5の振動の位相変化の画像を生成してモニタ51に出力する。
次に、AFM1の動作を説明する。走査制御回路17にコンピュータ7からXY方向の走査の制御信号が供給される。走査制御回路17は制御信号に従ってアクチュエータ駆動回路15を制御して、アクチュエータ13にXY方向の走査を行わせる。また、コンピュータ7は発振器27へ励振強度(振幅)の指令値を供給する。発振器27は、コンピュータ7の制御下で励振信号を生成して、励振信号を圧電素子駆動回路25へ供給する。圧電素子駆動回路25が励振用圧電素子23を駆動し、カンチレバー5が共振周波数近傍の周波数で振動する。このようにして、カンチレバー5が振動した状態で、カンチレバー5と試料が相対的にXY方向に走査される。
XY走査中、カンチレバー5の変位がセンサ31により検出され、振幅検出回路35によりカンチレバー5の振幅が求められる。そして、フィードバック回路37が、コンピュータ7から供給される振幅目標値に基づき、検出された振幅値と振幅目標値の差分に応じたフィードバック信号を生成する。フィードバック信号が走査制御回路17に供給され、走査制御回路17は、フィードバック信号に従って、検出振幅値と振幅目標値が一致するようにアクチュエータ駆動回路15を制御する。このフィードバック制御により、カンチレバー5と試料の距離が一定に保たれる。
このようにして、カンチレバー5と試料の距離を一定に保つZ走査を行いながら、XY走査が行われる。Z走査のフィードバック信号は、フィードバック回路37からコンピュータ7にも供給される。フィードバック信号は、試料のZ方向の高さに対応している。また、試料上のXY方向の位置は、コンピュータ7が発生して走査制御回路17に供給するXY走査の制御信号により特定される。コンピュータ7は、XY走査の制御データと、入力されるフィードバック信号とに基づいて、試料表面の画像を生成してモニタ51に表示する。3次元画像が好適に生成され、表示される。
次に、本実施の形態に特徴的な、カンチレバー5の振動の位相を検出するための構成と方法について説明する。既に説明したように、図1において、発振器27は、カンチレバー5の励振のための励振信号を生成すると共に、本実施の形態の位相検出のために基準波信号を生成する。また、本実施の形態は、位相検出のためにトリガパルス生成回路41と位相信号生成回路43を備えている。
図2は、位相検出のための上記構成をより詳細に示している。発振器27は、複数チャネルタイプの発振器であり、より具体的には2信号系発振器(2チャンネルタイプの発振器)である。発振器27は、カンチレバー5を振動させるための励振信号を生成して一つのチャネルから圧電素子駆動回路25へ出力する。さらに、発振器27は、位相検出のための基準波信号を生成してもう一つのチャネルから位相信号生成回路43へ出力し、これにより、発振器27は、本発明の基準波生成回路または手段としても機能する。
励振信号が正弦波であるのに対して、基準波信号はノコギリ波である。基準波信号の周波数は励振信号の励振周波数と同一である。また、基準波信号と励振信号の位相差は固定されている。位相差は0でもよい。
トリガパルス生成回路41には、センサ31からカンチレバー5の変位の信号が入力される。変位信号は、カンチレバー5の振動波形を表している。トリガパルス生成回路41は、カンチレバー5の変位に基づきトリガパルス信号を生成する。トリガパルス信号は、カンチレバー5の振動の位相に応じてパルス位置が変化するパルス信号である。より詳細には、トリガパルス生成回路41は、トリガパルス信号として、カンチレバーの変位から得られる振動波形の時間軸上の位置を表すパルス信号を生成する。パルス信号は振動の各周期で生成される。
位相信号生成回路43には、上記の基準波信号とトリガパルス信号が入力される。位相信号生成回路43は、基準波信号とトリガパルス信号に基づき、カンチレバー5の振動の位相信号を生成する。
図3に示されるように、基準波信号は、位相が固定されている。一方、トリガパルス信号の位置は、カンチレバー5の振動の位相に応じて変化する。したがって、パルス位置における基準波信号の大きさが、カンチレバー5の振動位相に1対1で対応する。そこで、位相信号生成回路43は、パルス位置における基準波信号の大きさに対応する信号をカンチレバー5の振動の位相信号として生成する。位相信号生成回路43は具体的には後述のようにサンプルホールド回路で実現できる。
図3では、トリガパルス信号が、基準波信号のノコギリ波の1周期における中央付近で変動している。トリガパルス信号がこのような位置で変動するように、基準波信号の位相が設定されている。この例のように、基準波信号の位相は、トリガパルス位置が基準波信号の1周期の範囲で変動するように設定される。そのためには、発振器27における励振信号と基準波信号の位相差が調整される。
位相信号生成回路43は、位相信号をコンピュータ7に供給する。コンピュータ7では、位相マッピングが行われ、位相分布の画像が生成される。位相信号は、試料上の位相変化を表している。試料上のXY方向の位置は、コンピュータ7が発生して走査制御回路17に供給するXY走査の制御信号により特定される。コンピュータ7は、XY走査の制御データと、入力される位相信号に基づいて、試料上に位相変化をマッピングして、位相変化分布の画像を生成してモニタ51に表示する。位相変化分布の画像は、試料の弾性分布を表す。
図4は、上記の位相検出の回路構成をより詳細に示している。図4に示すように、トリガパルス生成回路41は、バンドパスフィルタ61、移相器63、コンパレータ65、微分器67およびAND回路69で構成されている。
バンドパスフィルタ61は、カンチレバー5の変位信号から、カンチレバー5の励振周波数成分の信号を抽出する。バンドパスフィルタ61の通過帯域は例えば800kHz〜1300kHzである。これにより、励振周波数成分の振動波形信号が得られる。移相器63は、振動波形信号の位相をずらす。移相器63を設けたことにより、カンチレバー振動の任意の位置での位相を検出することができる。本実施の形態では、位相が、励振信号の周期の3/4だけ好適にずらされる。移相器63は、270度位相を遅らせてもよく、90度位相を進めてもよい。移相器63の機能は後述する。
コンパレータ65は、振動波形信号を矩形波信号に変換する。具体的には、コンパレータ65は、振動波形信号の振幅値が正のときに、所定値の信号を出力する。したがって、矩形波信号の値は、振幅値が正のときに所定値になり、振幅値が負の時に0になる。そして、矩形波信号は振幅値が正の期間を表す信号になる。矩形波信号では、振幅の情報は消されているが、位相の情報が残っている。
微分器67は、矩形波信号から矩形波発生タイミングのパルス信号を生成する。微分器67は、信号の変化を検出する。微分器67に矩形波信号が通されると、矩形波の最初(立上り)と最後にパルス信号が生成される。矩形波の最初には正のパルスが発生し、矩形波の終わりには負のパルスが発生する。これらのうち、正のパルスが、矩形波発生タイミングである。そこで、微分器67からパルス信号がAND回路69に供給され、AND回路69が正のパルスのみを出力する。
こうしてトリガパルス信号が生成される。トリガパルス信号の位置は、矩形波の時間軸上の位置に応じて、すなわち、振動波形の位相に応じて変化する。
トリガパルス信号は、AND回路69からサンプルホールド回路71に供給される。サンプルホールド回路71には、さらに、発振器27から基準波信号が入力される。サンプルホールド回路71は、トリガパルス信号をサンプリングタイミングとして用いて基準波信号を保持する。
図3に示されるように、基準波信号がノコギリ波なので、基準波信号は1周期の間に単調に、より詳細には直線的に増大する。したがって、トリガパルスの位置がカンチレバーの振動位相に応じて変化すると、パルス位置変化に応じてサンプルホールド回路71の出力も変化する。これにより、サンプルホールド回路71の出力が位相信号として得られる。
ここで、図4の構成では、既に述べたように、移相器63が設けられており、カンチレバー振動の任意の位置での位相を検出することができる。本実施の形態では、振動波形の位相が、励振信号の周期の3/4だけ好適にずらされている。この理由を以下に説明する。
コンパレータ65は、振動波形の振幅が負から正に変わる0クロス点にて矩形波を発生させる。したがって、図4の回路では、トリガパルス信号は、0クロス点にて生成される。仮に移相器63が設けられていないとすれば、トリガパルス信号は、カンチレバー5の振動振幅の中央で発生することになる。
しかし、本実施の形態では、移相器63により、振動波形の位相が3/4周期ずらされている。したがって、カンチレバー5の振動波形の最下点部分(谷底部分)が、0クロス点(振幅が負から正に変わる点)へと移動している。その結果、元々の振動波形の最下点部分にてトリガパルス信号が生成される。
図5は、上記の移相器63の機能を示している。元々の振動波形の最下点Aが、位相の移動によって0クロス点Bへ移動している。そして、コンパレータ65が、振幅が正の期間に矩形信号を生成する。微分器67が、矩形の最初と最後に正のパルスと負のパルスを生成する。AND回路69が正のパルスを残す。これにより、元々の振動波形の最下点部分にてトリガパルス信号が生成される。
AFM測定中、カンチレバー5は、試料に接触しながら振動する。振動波形の最下点部分(谷底部分)は、カンチレバー5が最も下に到達して試料に接触するタイミングに相当する。位相器63を設けたことにより、この接触タイミングでトリガパルス信号を生成できる。
このようにして、トリガパルス信号は、カンチレバー5と試料の接触タイミングに対応する振動波形上の位置で生成される。この接触タイミングでは位相の変化が最も大きく顕著であると考えられる。したがって、上記接触タイミングでトリガパルスを生成することにより、位相変化を好適に検出することができる。
ただし、上記の説明においては、カンチレバー5と試料の接触タイミングは、厳密な意味での接触の瞬間を指してはいない。接触タイミングは、接触の瞬間およびその直前直後を意味している。接触の真の瞬間は実際の位相によって細かく変動する。
図6は、本実施の形態のAFM1によって得られる表面形状および弾性分布の画像の例を示している。試料はポリマーであり、液中で測定が行われている。表面形状は、振動振幅に基づくフィードバック走査によって得られる。弾性分布は、検出された位相をマッピングした位相変化分布の画像である。弾性の変化(柔らかいところと硬いところ)が画像の濃淡により現される。
また、本実施の形態では、既に説明したように、カンチレバー5が微小カンチレバーであり、レバーサイズが標準的なレバーの10分の1以下である。具体的にはカンチレバー5が長さが約7μmで、幅が約1μmの矩形形状を有している。このような微小カンチレバーによって図6の測定結果が好適に得られている。
この点に関し、溶液環境下では、カンチレバーのQ値が低くなる。Q値は感度と応答速度を表すパラメータであり、粘性抵抗が大きいほどQ値が低くなり、Q値が低いほど感度が下がる。そのため、従来は、溶液中では十分な感度での位相変化の検出が困難であると考えられていた。これに対して、本発明では、高い共振周波数を有する微小カンチレバーが用いられている。カンチレバーが微小であれば、水の粘性抵抗を受けにくい。したがって、探針−試料間の相互作用による粘性抵抗にAFMが極めて敏感になる。そして、高感度かつ高速な位相マッピングが可能になった。
また、上述の実施の形態では、主として接触AFM(Contact AFM)が想定され、本発明が接触AFMに適用された。しかし、本発明は、非接触AFM(Non-contact AFM)にも適用されてよい。非接触AFMは、探針と試料が接触しなくても探針と試料との間に微弱ながらも存在する相互作用力を利用する。この微弱な相互作用でもカンチレバーの振幅、位相(励振信号とカンチレバー振動との位相差)が僅かに変化する。非接触AFMにも上述の位相検出器の構成が適用されてよく、このことは下記の他の実施の形態においても同様である。
なお、接触AFMと非接触AFMでは下記のような現象の相違がある。上記実施の形態では、移相器63が、振動波形の位相を励振信号の3/4周期だけ遅らせる。これにより、探針−試料の接触タイミングでトリガパルスが生成される。非接触AFMでも同様の移相器が好適に設けられる。ただし、非接触AFMでは、探針が試料に最接近するときにトリガパルスが生成される。なお、これらの現象は、探針がZ方向の最下点に達するタイミングでトリガパルスを発生するという観点では同じである。
以上に本発明の第1の実施の形態に係るAFM1について説明した。上記のように、本発明は、位相が固定された基準波信号と、カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号とを比較して、カンチレバーの振動の位相を検出する。トリガパルス信号のパルス位置における基準波信号の大きさが、カンチレバーの位相に対応する。基準波信号の周波数に対応する速度で位相を検出できるので、高速な位相検出が可能になる。
また、本発明では、基準波信号が、励振信号と同一の周波数を有し、励振信号との位相差が固定された信号である。トリガパルス信号は、カンチレバーの変位から得られる振動波形の時間軸上の位置を表すパルス信号である。これにより、カンチレバーの1周期ごとの位相を検出することができ、高速な位相検出が可能になる。
ただし、本発明の範囲内で、基準波信号は励振信号に応じた周波数を持てばよい。励振信号と基準波信号の周波数を異ならせることも原理的には可能である。例えば、基準波信号の周波数が励振周波数の半分でもよい。
また、本発明では、トリガパルス信号が、カンチレバーが試料に接触または最接近するタイミングに対応する振動波形上の位置で生成される。接触AFMではカンチレバーの接触タイミング、非接触AFMではカンチレバーの最接近タイミングでトリガパルスが生成される。あるいは、Z方向の最下点のタイミングでトリガパルスが生成される。このようなタイミングでは位相の変化が最も大きく顕著であると考えられ、したがって、本発明により位相変化を好適に検出できる。
また、本発明では、基準波信号がノコギリ波信号であり、1周期の間に単調に変化する波である。ノコギリ波とトリガーパルスを比較することで位相を好適に検出できる。
また、本発明では、複数チャネルタイプの発振器が、励振信号と基準波信号を生成して出力する。励振信号に応じた適切な基準波信号を容易に生成できる。
また、本発明は、上記のバンドパスフィルタ61、コンパレータ65および微分器67により、また上記の移相器63により、さらには上記のAND回路によって適当なトリガパルス信号を生成できる。
また、本発明は、上記のようにサンプルホールド回路によって位相信号を適切に生成できる。
また、本発明では、カンチレバー5が微小カンチレバーであり、敏感に位相を検出できる。
“第2の実施の形態(位相に基づくフィードバック走査と形状測定)”
図7は、振幅および位相の、探針−試料間距離依存性を示す図であり、同図を用いて位相に基づくフィードバック走査の原理を説明する。図7において、横軸は、探針と試料の間の距離である。図7の振幅ラインLaは、カンチレバー振動の振幅特性であり、探針−試料間距離とカンチレバー振動振幅の関係である。位相ラインLbは、カンチレバー振動の位相特性であり、探針−試料間距離とカンチレバー振動位相の関係である。
図7は、図1のAFM1を使って、液中の測定で得られたデータである。使用されたカンチレバー5は、前述したように微小カンチレバーである。Z方向のフィードバック走査を行うことなく、振動するカンチレバー5が試料に近づけられる。この過程で図7の振幅データと位相データが得られる。
図7の振幅ラインLaに示されるように、振幅は、探針−試料間の距離が大きいときはほぼ一定である。そして、探針−試料間の距離が小さくなると、振幅が小さくなる。振幅ラインLaは、従来一般のカンチレバーのフォースカーブに相当する。従来のフィードバック走査では、フィードバックの目標値が、一定値より少し小さな値に設定される。
図7の位相ラインLbに示されるように、位相も、探針−試料間の距離が大きいときはほぼ一定である。そして、探針−試料間の距離が小さくなると、位相が小さくなる。このことから、位相を使ってフィードバック走査が理論的には可能である。さらに、本発明では、フィードバック走査に必要な速度の位相検出技術も上述の実施の形態で説明した位相検出回路によって提供される。これらにより、位相に基づくフィードバック走査が実現可能になる。
また、振動ラインLaと振幅ラインLbを比べると、位相が下がり始めるポイントは、振幅が下がり始めるポイントよりも大きい。すなわち、位相は、探針が試料からより遠くにあるときに下がり始める。このように、本発明者は、探針−試料間距離に対する位相変化が、振幅変化よりも高い感度を有していることを見いだした。
図7の現象は下記のように考えられる。カンチレバーの探針が試料に近づくと、探針が試料表面付近の水分子を押しのけようとして、試料表面近傍の粘性抵抗が急激に変化する。粘性抵抗の急激な変化により、カンチレバーの振動の位相が大きく変化する。この位相変化が図7の位相データに現れていると考えられる。特に、本発明では、微小カンチレバーが好適に用いられている。微小カンチレバーを用いると、粘性抵抗の悪影響が小さい。これにより、図7の顕著なデータが得られる。
この点についてさらに説明を加える。従来から、空気中では、探針−試料間距離に応じた位相の変化は知見されていた。この既知の位相変化は、探針が物体に当たるときの斥力に起因すると考えられる。空気中ではこの既知の位相変化を用いてフィードバック制御が可能と考えられていた。
しかし、上記の既知の位相変化は、あくまで、空気等の気体中の現象である。液中では、液体の粘性抵抗でカンチレバーのQ値が下がる。前述したように、Q値は感度と応答速度を表すパラメータであり、粘性抵抗が大きいほどQ値が低くなり、Q値が低いほど感度が下がる。したがって、液中では位相変化の感度が低く、位相変化を使ったフィードバック制御は不可能であると考えられていた。
本発明者は、標準のカンチレバーよりも大幅に小さい微小カンチレバーをAFMに適用した。前述したように、微小カンチレバーは、長さが10μm以下で、幅が2μm以下である。好ましくは、微小カンチレバーは、長さが10μm以下、5μm以上で、幅が2μm以下、1μm以上である。微小カンチレバーを使うと、水等の液体の粘性抵抗を受けにくくなる。そして、探針が試料に近づくときの粘性抵抗の変化によって位相が大きく変化する。このとき、水分子を押しのける力で位相が変化していると考えられる。このように、液中の位相変化が、空気中の位相変化と異なる現象により生じる。そして、この位相変化が振幅変化より高い感度で検出されると考えられる。
以上に、図7を用いて、探針−試料間の距離とカンチレバー振動の位相との関係を詳細に説明した。上記のように、図7に示され通り、位相特性が振幅特性と類似した形状のラインを描くので、位相も振幅と同様にフィードバック走査に使える。しかも、位相の感度は、振幅の感度より大きい。さらに、フィードバック走査に必要な高速な検出は本発明の位相検出回路により実現される。したがって、本発明の高速位相検出を活用して、位相に基づくフィードバック走査を高速で高感度に行える。
そこで、本実施の形態は、位相を使ってフィードバック走査と形状測定を行うAFMを提供する。フィードバック走査の原理は、制御対象が振幅でなく位相である点を除き、振幅を使った走査と同様でよい。
図8は、本実施の形態のAFMの構成を示すブロック図である。図示のように、AFM101は、位相信号生成回路43から位相信号を受け付けるフィードバック回路103を備えている。振動振幅に基づいてはフィードバック走査が行われないので、振幅検出回路が示されていない(ただし、振幅検出回路が設けられてもよい)。
フィードバック回路103には、位相目標値がコンピュータ7から入力される。位相目標値は、位相の目標値である。位相目標値は従来のフィードバック走査の振幅目標値に対応する。位相目標値は、原理的には図7の特性データに基づいて生成される。位相目標値は、位相の一定値より少し小さい値に設定される。一定値は、自由振動時の位相に相当する。例えば、位相目標値は、一定値の0.9倍に設定される。
フィードバック回路103は、検出された位相と位相目標値との差分に応じたフィードバック信号を生成する。フィードバック回路37は、例えば、検出された位相値から位相目標値を減算して偏差信号を生成する減算器と、偏差信号を増幅するPID回路とを備えており、これら構成によってフィードバック信号が生成される。
フィードバック信号は走査制御回路17に供給されて、フィードバック走査に利用される。走査制御回路17は、XY走査の過程で、フィードバック信号に従って、検出位相値と位相目標値が一致するようにアクチュエータ駆動回路15を制御する。このフィードバック制御により、カンチレバー5と試料の距離が一定に保たれる。
このようにして、カンチレバー5と試料の距離を一定に保つZ走査を行いながら、XY走査が行われる。Z走査のフィードバック信号は、フィードバック回路103からコンピュータ7にも供給されて、試料画像の生成処理に使用される。フィードバック信号は、試料のZ方向の高さに対応している。また、試料上のXY方向の位置は、コンピュータ7が発生して走査制御回路17に供給するXY走査の制御信号により特定される。コンピュータ7は、XY走査の制御データと、入力されるフィードバック信号とに基づいて、試料表面の画像を生成してモニタ51に表示する。3次元画像が好適に生成され、表示される。
以上に本発明の第2の実施の形態について説明した。本発明は、位相信号が一定になるように試料とカンチレバー5をZ方向に相対的に走査している。また、本発明は、位相信号を一定に制御するための信号から試料のZ方向の位置を特定し、試料の形状を求めている。Z方向は試料の凹凸方向(より詳細には、凹凸の高さ方向)であり、試料のZ方向の位置は凹凸の高さを表す。このようにして、カンチレバーと試料の距離に応じた位相変化に基づいて、フィードバック走査が行われ、さらには、形状測定が行われる。位相が高速で検出されているので、フィードバック走査が位相を使って好適に実現されており、また、形状測定も好適に行われる。
本発明の位相検出は非常に高速であり、振幅検出よりもさらに高速での位相検出が可能である。より詳細には、振幅検出の分解能は、カンチレバーの共振周波数の1/8までしか上がらないことが知られている。一方、本発明の位相検出は、カンチレバーの一周期毎に検出可能である。このように位相検出が高速なので、フィードバック走査と形状測定の高速化および分解能向上が可能になる。
また、本発明は、特に、微小カンチレバーを使っている。図7に示されるように、微小カンチレバーを使うと、探針−試料間距離に位相が好適に応答し、位相の感度が高く、さらに、位相の感度が振幅の感度よりもむしろ高くなる。しかも、この高感度の測定が液中でも好適に行われる。さらに、カンチレバーを試料からより遠くに配置しての測定が可能であり、これにより、低荷重での測定ができ、探針−試料間の相互作用が弱い状態での測定が可能になる。試料の損傷を低減でき、より柔らかい試料の測定やより弱い試料の測定が可能になる。
“第3の実施の形態(多点位相検出)”
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述の実施の形態のさらなる応用例である。これまでの実施の形態では、基準波信号の1周期の間に1つのトリガパルス信号が生成された。本実施の形態では、基準波信号の1周期の間に、互いにずれた複数のトリガパルス信号が生成される。そして、これら複数のトリガパルス信号の各々から位相信号が生成される。これにより、位相検出点(タイミング)を増やすことができる。
図9は、本実施の形態のAFMにおける位相検出回路の部分を示している。図9の構成が、図8のAFM101に好適に備えられる。この場合、図8のトリガパルス生成回路41が、図9のトリガパルス生成回路201に置き換えられ、図8の位相信号生成回路43が、図9の位相信号生成回路203に置き換えられる。その他の構成は、図8と同様でよい。このような構成により、位相を使ったフィードバック走査における位相検出点が増やし、フィードバック走査の広帯域化が可能になる。
図9に示すように、トリガパルス生成回路201では、バンドパスフィルタ61の出力が、3つの経路201a、201b、201cへ分かれる。経路201aには、移相器63a、コンパレータ65a、微分器67aおよびAND回路69aが順次備えられている。同様に、経路201bには、移相器63b、コンパレータ65b、微分器67bおよびAND回路69bが備えられている。さらに、経路201cには、移相器63c、コンパレータ65c、微分器67cおよびAND回路69cが備えられている。これら要素の機能は、図4における対応する構成(移相器63、コンパレータ65、微分器67およびAND回路69)と同様である。
したがって、図9のトリガパルス生成回路201は、図8または図4のトリガパルス生成回路41を3つ備えた構成に相当しており、3つのトリガパルス信号を生成してAND回路69a、69b、69cから出力する。
ただし、図9のトリガパルス生成経路201では、3つの移相器63a、63b、63cによる位相のずれ量が異なっている。第1の移相器63aは、前述の実施の形態と同様に、励振周期の3/4(270度)だけ位相を遅らせる。移相器63bは、移相器63aよりさらに90度だけ位相を遅らせる(1周期)。移相器63cは、移相器63bよりさらに90度だけ位相を遅らせる(5/4周期)。したがって、本実施の形態は、前述の実施の形態で生成されたトリガパルス信号の後に90度ずつずれた位置で2つのトリガパルス信号を生成する(実際には、さらに、位相変化成分がパルス位置に含まれる、本明細書にて同じ)。以下、経路201a、201b、201cが生成するトリガパルス信号を、トリガパルス信号TP1、TP2、TP3という。
位相信号生成回路203は、3つのサンプルホールド回路71a、71b、71cと3つの減算器205a、205b、205cと、加算器207とを備えている。
発振器27の出力が3つの経路203a、203b、203cに分かれ、3つの経路203a、203b、203cにそれぞれサンプルホールド回路71a、71b、71cが接続される。サンプルホールド回路71a、71b、71cは、図4のサンプルホールド回路71と同様に機能する。
サンプルホールド回路71a、71b、71cに減算器205a、205b、205cが接続される。減算器205a、205b、205cはオフセット調整器として機能し、サンプルホールド回路71a、71b、71cの出力からオフセット電圧OS1、OS2、OS3をそれぞれ減算する。オフセット電圧OS1、OS2、OS3はコンピュータ7から入力される。
減算器205a、205b、205cが加算器207に接続され、そして、加算器207は、図8に示されるフィードバック回路103およびコンピュータ7へと接続されている。
次に、図9および図10を参照し、本実施の形態における位相検出器の動作を説明する。ただし、上述の実施の形態にて既に説明した事項の詳細な説明は省略する。
バンドパスフィルタ61は、センサ31の変位信号から、励振周波数の成分の振動波形信号を取り出す。この振動波形が3つの経路201a、201b、201cへと供給されて、これにより、3つのトリガパルス信号TP1、TP2、TP3が生成される。
ただし、移相器63a、63b、63cでは位相ずらし量が互いに90度異なっている。したがって、図10に示されるように、トリガパルス信号TP1、TP2、TP3では、発生点の位相が90度ずれている。すなわち、トリガパルス信号TP1、TP2、TP3は、カンチレバー5の元の振動波形上で90度ずれた位置で発生する。
トリガパルス信号TP1、TP2、TP3は、AND回路69a、69b、69cから出力されて、サンプルホールド回路71a、71b、71cに入力される。サンプルホールド回路71a、71b、71cには、発振器27から共通の基準波信号が入力される。基準波信号の位相は図10に示すように調整され、図10の位置で固定されている。そして、サンプルホールド回路71a、71b、71cは、それぞれ、トリガパルス信号TP1、TP2、TP3のタイミングで基準波信号から位相信号S1、S2、S3を生成する。
位相信号は、サンプルホールド回路71a、71b、71から減算器205a、205b、205cへと入力される。減算器205a、205b、205cでは、図10に示されるオフセット電圧OS1、OS2、OS3が、位相信号S1、S2、S3から減算される。オフセット電圧OS2は、基準波信号の90度に相当する値だけオフセット電圧OS1より大きく、また、オフセット電圧OS3は、基準波信号の90度に相当する値だけオフセット電圧OS2より大きい。したがって、このオフセット処理は、トリガパルスの位置をずらしたことによる位相信号S1、S2、S3の差分を打ち消すことができ、振動の位相変化に応じたパルス位置の微小変化に対応する信号を残すことができる。
オフセット調整後の位相信号S1、S2、S3は、減算器205a、205b、205cから加算器207に入力されて、加算器207にて加算される。そして、加算器207の出力が、位相信号生成回路203の出力として、フィードバック回路103およびコンピュータ7へと供給される。
このようにして、本実施の形態では、位相の検出点の数を増大でき、フィードバック走査のための検出点の数を増大できる。本実施の形態は、振幅を使った従来のフィードバック走査と比べると下記のように有利である。
カンチレバーの振幅は、探針が試料に当たったときにしか変化しない。しかも、振幅検出の分解能は、最大でもカンチレバーの共振周波数の1/8であることが原理的に知られている。一方、カンチレバーの位相は、探針が試料に当たっていないときでも変化する。すなわち、カンチレバーの位相は、探針と試料の接触の前後でも変化する。この点が本発明では利用されている。そして、互いにずれた複数のトリガーパルスが生成され、カンチレバーの振動の1周期の間に複数の位相検出点が設けられ、これら位相検出点で検出される位相がフィードバック走査に使われる。従来の振幅と比べると、検出点の数が大幅に増大し、そして、フィードバック走査の広帯域化が可能になる。
上記の実施の形態の例では、1周期の間に3つのトリガパルスが生成された。しかし、本発明はこれに限定されない。2つのトリガパルスが生成されてもよく、4つ以上のトリガパルスが生成されてもよい。
また、上記の説明では、本実施の形態の位相検出器が、図8に示した第2の実施の形態に係るAFMに適用されて、位相信号がフィードバック走査に利用された。しかし、本実施の形態の位相検出器は、図1に示した第1の実施の形態に係るAFMに適用されてもよい。この場合、図4の回路構成に変えて、図9の回路構成が備えられる。そして、位相信号がコンピュータ7へ入力され、位相マッピングが行われて、位相変化分布(弾性分布)を表す画像が生成される。
以上に本発明の第3の実施の形態について説明した。本発明によれば、基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号が生成され、それら複数のトリガパルス信号の各々から位相信号が生成される。これにより、位相検出点の数を増大でき、高速な検出が可能になる。
本発明では、複数のサンプルホールド回路が設けられ、複数のサンプルホールド回路に複数のトリガパルス信号がそれぞれ入力される。これにより、位相検出点を適切に増やせる。
本発明では、複数のサンプルホールドで生成される複数の位相信号に対して、複数のトリガパルス信号のずれに応じてオフセット調整が施される。このオフセット調整は、一つの共通の基準波信号を利用したことに起因する3つの位相信号の偏差を消せる。オフセット調整といった比較的簡単な回路構成で、複数の検出点の位相を適切に得られる。
“第4の実施の形態(多点位相検出)”
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、上述の第3の実施の形態の変形例である。第3の実施の形態では、一つの共通の基準波信号から3つの位相信号が生成され、それから3つの位相信号のオフセット調整が行われた。第4の実施の形態では、予め位相がずれた3つの基準波信号が用意され、3つの基準波信号と3つのトリガパルス信号から3つの位相信号が生成される。
図11は、本実施の形態のAFMにおける位相検出回路の部分を示している。図11に示されるように、本実施の形態の位相検出回路は、発振器27と、トリガパルス生成回路301と、位相信号生成回路303と、基準波加工回路305とで構成されている。トリガパルス生成回路301は、図9のトリガパルス生成回路201と同様である。
位相信号生成回路303は、図9の位相信号生成回路203と同様に、3つのサンプルホールド回路71a、71b、71cを備えている。しかし、オフセット調整器としての減算器205a、205b、205cは削除されて、サンプルホールド回路71a、71b、71cは減算器を経ることなく加算器307に接続されている。
基準波加工回路305は、発振器27と位相信号生成回路303の間に設けられている。基準波加工回路305は、3つの積分器311a、311b、311cと2つの遅延回路313、315で構成されている。発振器27が積分器311aおよび遅延回路313に接続されており、遅延回路313が積分器311bおよび遅延回路315に接続されており、遅延回路315が積分器311cに接続されている。そして、積分器311a、311b、311cがそれぞれサンプルホールド回路71a、71b、71cに接続されている。
したがって、発振器27とサンプルホールド回路71aの間には、積分器311aが配置されている。また、発振器27とサンプルホールド回路71bの間には、遅延回路313と積分器311bが配置されている。さらに、発振器27とサンプルホールド回路71cの間には、遅延回路313、315と積分器311cが配置されている。
基準波加工回路305は基準波生成手段または回路の一部として機能し、基準波加工回路305が発振器27と共に基準波生成手段または回路を構成する。発振器27の基準波信号は、基準波加工回路305で加工されて、加工後の基準波信号が、位相信号生成回路303の3つのサンプルホールド回路71a、71b、71cに入力される。
次に、図11および図12を参照し、本実施の形態における位相検出器の動作を説明する。ただし、上述の実施の形態にて既に説明した事項の詳細な説明は省略する。
トリガパルス生成回路301は、センサ41の変位信号から、互いに90度ずつずれた3つのトリガパルス信号TP1、TP2、TP3を生成する。トリガパルス信号TP1、TP2、TP3は、それぞれ、位相信号生成回路303のサンプルホールド回路71a、71b、71cに入力される。
発振器27は、矩形波からなる基準波信号を基準波加工回路305へ供給する。これまでの実施の形態では、基準波信号がノコギリ波であった。本実施の形態では、基準波信号が矩形波である。ただし、波形は異なるものの、これまでの実施の形態と同様に、基準波信号の周波数はカンチレバーの励振信号と同じであり、基準波信号と励振信号の位相差は固定されている。
基準波信号は、発振器27から積分器311aを経てサンプルホールド回路71aに入力される。積分器311aは、矩形波信号をノコギリ波信号に変換する。したがって、サンプルホールド回路71aは、これまでの実施の形態と同様にノコギリ波の基準波信号を取得する。
また、基準波信号は、発振器27から遅延回路313および積分器311bを経てサンプルホールド回路71bに入力される。さらに、基準波信号は、発振器27から遅延回路313、315および積分器311cを経てサンプルホールド回路71cに入力される。積分器311b、311cが機能するので、サンプルホールド回路71b、71cもノコギリ波からなる基準波信号を取得する。ただし、遅延回路313、315が設けられているので、基準波信号の位相が、サンプルホールド回路71aへの基準波信号よりも遅れる。
遅延回路313の遅延量は、トリガパルスTP1、TP2間のずれ量に等しく設定されており、具体的には、90度(1/4周期)に設定されている。また、遅延回路315の遅延量は、トリガパルスTP2、TP3間のずれ量に等しく設定されており、具体的には、90度(1/4周期)に設定されている。
したがって、図12に示されるように、本実施の形態では、サンプルホールド回路71a、71b、71cは、互いにずれたトリガパルスTP1、TP2、TP3と同じずれ量だけ互いにずれた3つの基準波信号をそれぞれ取得する。サンプルホールド回路71a、b、cは、これら3つのトリガパルスTP1、TP2、TP3と、互いにずれた3つの基準波信号から、3つの位相信号S1、S2、S3を生成する。事前に3つのずれた基準波信号が使用されているので、位相信号S1、S2、S3のオフセット調整は不要である。そこで、位相信号S1、S2、S3は、加算器307に供給されて、加算器307で加算されて、位相信号として出力される。
図11の構成がフィードバック走査に適用される場合、位相信号は加算器307からフィードバック回路へ供給される。また、位相マッピングに適用される場合、位相信号が、画像処理のためにコンピュータへと好適に供給される。
以上に本発明の第4の実施の形態について説明した。本実施の形態でも、基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号が生成され、それら複数のトリガパルス信号の各々から位相信号が生成される。これにより、位相検出点をさらに増大でき、高速な検出が可能になる。
また、本実施の形態でも、複数のサンプルホールド回路が設けられ、複数のサンプルホールド回路に複数のトリガパルス信号がそれぞれ入力される。これにより、位相検出点を適切に増大できる。
また、本実施の形態では、トリガパルス信号のずれに応じて互いにずれた複数の基準波信号が生成される。これら複数の基準波信号が、複数のトリガパルス信号と共に、複数のサンプルホールド回路にそれぞれ入力される。これにより、本実施の形態でも位相検出点を適切に増大できる。
以上に本発明の好適な各種の実施の形態を説明してきた。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、本実施の形態では、試料ステージの下面に試料が保持された。しかし、試料ステージの上面に試料が保持されてよい。また、カンチレバーは窒化シリコン製でなくてもよい。
また、本実施の形態ではカンチレバー5がピエゾ素子(圧電素子)によって励振された。しかし、本実施の形態の方法は、カンチレバーの励振法に依存しない。ピエゾ素子以外の構成によってカンチレバー5が励振されてよい。例えば、カンチレバー5は、光によって励振されてもよい。また、磁性化されたカンチレバーが交流磁場によって励振されてよい。光を使う場合、カンチレバー5に励振用のレーザ光が照射され、カンチレバー5が熱で変形する。レーザ光強度が周期的に振動し、これによりカンチレバー5が振動する。
また、既に説明したように、本発明は、接触AFM(Contact AFM)にも非接触AFM(Non-contact AFM)にも適用されてよい。
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能なことが理解され、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
本発明の走査型プローブ顕微鏡は、例えば、生体分子のナノ機能動態を観察するために利用可能である。

Claims (22)

  1. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記カンチレバーを励振する励振手段と、
    前記カンチレバーの変位を検出するセンサと、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成手段と、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成手段と、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成手段と、
    を備え、
    前記トリガパルス生成手段は、前記カンチレバーが前記試料に接触または最接近するタイミングに対応する前記振動波形上の位置で前記トリガパルス信号を発生させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記カンチレバーを励振する励振手段と、
    前記カンチレバーの変位を検出するセンサと、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成手段と、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成手段と、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成手段と、
    を備え、
    前記トリガパルス生成手段は、前記基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号を生成し、
    前記位相信号生成手段は、前記複数のトリガパルス信号の各々から前記位相信号を生成することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  3. 前記位相信号生成手段は、前記トリガパルス信号をサンプリングタイミングとして用いて前記基準波信号を保持する複数のサンプルホールド回路を含み、前記複数のサンプルホールド回路に前記複数のトリガパルス信号がそれぞれ入力されることを特徴とする請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記複数のサンプルホールドで生成される複数の位相信号を、前記複数のトリガパルス信号のずれに応じてオフセットする手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記トリガパルス信号のずれに応じて互いにずれた複数の基準波信号を生成する手段を含み、前記複数のサンプルホールド回路に前記複数のトリガパルス信号と共に前記複数の基準波信号がそれぞれ入力されることを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記基準波生成手段は、前記基準波信号として、前記励振信号と同一の周波数を有し、前記励振信号との位相差が固定された信号を生成し、
    前記トリガパルス生成手段は、前記トリガパルス信号として、前記カンチレバーの変位から得られる振動波形の時間軸上の位置を表すパルス信号を生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記基準波生成手段は、前記基準波信号としてノコギリ波信号を生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 複数のチャネルを有する発振器を備え、
    前記発振器が、前記励振手段の前記励振信号を生成すると共に、前記基準波生成手段として前記基準波信号を生成することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. 前記トリガパルス生成手段は、
    前記カンチレバーの変位信号から前記励振信号の周波数成分の振動波形信号を抽出するバンドパスフィルタと、
    前記振動波形信号を矩形波信号に変換するコンパレータと、
    前記矩形波信号から矩形波発生タイミングのパルス信号を生成する微分器と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. 前記位相信号生成手段は、前記トリガパルス信号をサンプリングタイミングとして用いて前記基準波信号を保持するサンプルホールド回路を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  11. 前記カンチレバーは、長さが10μm以下で、幅が2μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  12. 前記位相信号生成手段により生成される位相信号が一定になるように前記試料と前記カンチレバーをZ方向に相対的に走査することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  13. 前記位相信号を一定に制御するための信号から前記試料のZ方向の位置を特定し、前記試料の形状を求めることを特徴とする請求項12に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  14. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡であって、
    カンチレバーと、
    前記カンチレバーを振動させる発振器と、
    前記カンチレバーの変位を検出するセンサと、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成回路と、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成回路と、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成回路と、
    を備え、
    前記トリガパルス生成手段は、前記カンチレバーが前記試料に接触または最接近するタイミングに対応する前記振動波形上の位置で前記トリガパルス信号を発生させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  15. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡であって、
    カンチレバーと、
    前記カンチレバーを振動させる発振器と、
    前記カンチレバーの変位を検出するセンサと、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成回路と、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成回路と、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成回路と、
    を備え、
    前記トリガパルス生成手段は、前記基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号を生成し、
    前記位相信号生成手段は、前記複数のトリガパルス信号の各々から前記位相信号を生成することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  16. 前記位相信号生成手段により生成される位相信号が一定になるように前記試料と前記カンチレバーをZ方向に相対的に走査することを特徴とする請求項14又は15に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  17. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡にて用いられ、前記カンチレバーの振動の位相を検出するカンチレバー位相検出装置であって、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成手段と、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成手段と、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成手段と、
    を備え、
    前記トリガパルス生成手段は、前記カンチレバーが前記試料に接触または最接近するタイミングに対応する前記振動波形上の位置で前記トリガパルス信号を発生させることを特徴とするカンチレバー位相検出装置。
  18. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡にて用いられ、前記カンチレバーの振動の位相を検出するカンチレバー位相検出装置であって、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成手段と、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス生成手段と、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成手段と、
    を備え、
    前記トリガパルス生成手段は、前記基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号を生成し、
    前記位相信号生成手段は、前記複数のトリガパルス信号の各々から前記位相信号を生成することを特徴とするカンチレバー位相検出装置。
  19. 前記位相信号生成手段により生成される位相信号が一定になるように前記試料と前記カンチレバーをZ方向に相対的に走査することを特徴とする請求項17又は18に記載のカンチレバー位相検出装置。
  20. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡にて用いられ、前記カンチレバーの位相を検出するカンチレバー位相検出方法であって、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成ステップと、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス信号生成ステップと、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成ステップとを含み、
    前記トリガパルス生成ステップは、前記カンチレバーが前記試料に接触または最接近するタイミングに対応する前記振動波形上の位置で前記トリガパルス信号を発生させることを特徴とするカンチレバー位相検出方法。
  21. カンチレバーを振動させて、前記カンチレバーと試料を相対的に走査する走査型プローブ顕微鏡にて用いられ、前記カンチレバーの位相を検出するカンチレバー位相検出方法であって、
    前記カンチレバーの励振信号に応じた周波数を有しており前記励振信号との位相差が固定された基準波信号を生成する基準波生成ステップと、
    前記カンチレバーの変位に基づき、前記カンチレバーの振動の位相に応じてパルス位置が変化するトリガパルス信号を生成するトリガパルス信号生成ステップと、
    前記基準波信号と前記トリガパルス信号に基づき、前記パルス位置における前記基準波信号の大きさに応じた信号を前記カンチレバーの振動の位相信号として生成する位相信号生成ステップとを含み、
    前記トリガパルス生成ステップは、前記基準波信号の1周期の間に互いにずれた複数のトリガパルス信号を生成し、
    前記位相信号生成ステップは、前記複数のトリガパルス信号の各々から前記位相信号を生成することを特徴とするカンチレバー位相検出方法。
  22. 前記位相信号生成ステップにより生成される位相信号が一定になるように前記試料と前記カンチレバーをZ方向に相対的に走査することを特徴とする請求項20又は21に記載のカンチレバー位相検出方法。
JP2007551042A 2005-12-20 2006-12-12 走査型プローブ顕微鏡 Active JP5252389B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007551042A JP5252389B2 (ja) 2005-12-20 2006-12-12 走査型プローブ顕微鏡

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005366395 2005-12-20
JP2005366395 2005-12-20
PCT/JP2006/324723 WO2007072706A1 (ja) 2005-12-20 2006-12-12 走査型プローブ顕微鏡
JP2007551042A JP5252389B2 (ja) 2005-12-20 2006-12-12 走査型プローブ顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007072706A1 JPWO2007072706A1 (ja) 2009-05-28
JP5252389B2 true JP5252389B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=38188487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007551042A Active JP5252389B2 (ja) 2005-12-20 2006-12-12 走査型プローブ顕微鏡

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8065908B2 (ja)
EP (1) EP1972920B1 (ja)
JP (1) JP5252389B2 (ja)
WO (1) WO2007072706A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029562A1 (en) * 2006-09-04 2008-03-13 National University Corporation Kanazawa University Atomic force microscope
US8387159B2 (en) 2008-08-28 2013-02-26 National University Corporation Scanning type probe microscope
US20120047610A1 (en) 2010-04-09 2012-02-23 Boise State University Cantilever-based optical interface force microscope
US8549660B2 (en) * 2010-04-09 2013-10-01 Boise State University Cantilever-based optical fiber probe interfacial force microscope for partial immersion in liquid
JP5930153B2 (ja) * 2011-10-14 2016-06-08 オリンパス株式会社 走査型プローブ顕微鏡およびその制御方法
WO2013054715A1 (ja) 2011-10-14 2013-04-18 オリンパス株式会社 走査型プローブ顕微鏡およびその制御方法
JP6112944B2 (ja) * 2013-04-05 2017-04-12 オリンパス株式会社 走査型プローブ顕微鏡および走査型プローブ検鏡法
JP2016148763A (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 スタンレー電気株式会社 映像投射装置
EP3570045B1 (en) 2017-01-10 2021-12-01 Osaka University Scanner and scanning probe microscope
US11193913B2 (en) * 2020-01-31 2021-12-07 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Methods and systems to detect sub-surface defects in electronics modules using shear force microscopy

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06323845A (ja) * 1993-03-19 1994-11-25 Tadatomo Suga 走査型力顕微鏡用薄膜式力検出プローブ
JPH10283972A (ja) * 1997-04-10 1998-10-23 Seiko Instr Inc 走査型プローブ顕微鏡を用いた加工、記録、再生装置
JP2000146809A (ja) * 1998-08-31 2000-05-26 Agency Of Ind Science & Technol プロ―ブ顕微鏡における試料表面のイメ―ジ作成方法
JP2001183458A (ja) * 1999-12-28 2001-07-06 Tadanori Miyauchi 距離センサ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5406832A (en) * 1993-07-02 1995-04-18 Topometrix Corporation Synchronous sampling scanning force microscope
JPH1130619A (ja) * 1997-07-11 1999-02-02 Jeol Ltd 走査プローブ顕微鏡
US7250602B2 (en) * 2002-08-26 2007-07-31 Osaka University Probe device
JP4190936B2 (ja) * 2002-09-17 2008-12-03 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 走査型プローブ顕微鏡およびその操作法
US7509844B2 (en) * 2006-05-31 2009-03-31 Applied Materials, Inc. Atomic force microscope technique for minimal tip damage
US7963153B2 (en) * 2007-11-30 2011-06-21 Applied Materials, Inc. Non-destructive ambient dynamic mode AFM amplitude versus distance curve acquisition

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06323845A (ja) * 1993-03-19 1994-11-25 Tadatomo Suga 走査型力顕微鏡用薄膜式力検出プローブ
JPH10283972A (ja) * 1997-04-10 1998-10-23 Seiko Instr Inc 走査型プローブ顕微鏡を用いた加工、記録、再生装置
JP2000146809A (ja) * 1998-08-31 2000-05-26 Agency Of Ind Science & Technol プロ―ブ顕微鏡における試料表面のイメ―ジ作成方法
JP3376374B2 (ja) * 1998-08-31 2003-02-10 独立行政法人産業技術総合研究所 プローブ顕微鏡における試料表面のイメージ作成方法
JP2001183458A (ja) * 1999-12-28 2001-07-06 Tadanori Miyauchi 距離センサ

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6011047059; M. Stark and R. Guckenberger: 'Fast low-cost phase detection setup for tapping-mode atomic force microscopy' REVIEW OF SCIENTIFICINSTRUMENTS Vol. 70, No. 9, 19990924, p3614-3619 *

Also Published As

Publication number Publication date
US8065908B2 (en) 2011-11-29
JPWO2007072706A1 (ja) 2009-05-28
EP1972920A4 (en) 2012-12-12
EP1972920B1 (en) 2018-09-26
WO2007072706A1 (ja) 2007-06-28
US20080307864A1 (en) 2008-12-18
EP1972920A1 (en) 2008-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5252389B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
CN102272610B (zh) 动态探针检测***
KR101488059B1 (ko) 탐침 검출 시스템
US8448501B2 (en) Multiple frequency atomic force microscopy
EP0574234B1 (en) Automatic tip approach method and apparatus for scanning probe microscope
JP4496350B2 (ja) 原子間力顕微鏡
JP2005531781A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
WO2007072621A1 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2000346784A (ja) 粘弾性分布測定方法
JP3764917B2 (ja) 高周波微小振動測定装置
JP2001108601A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
WO2010067570A1 (ja) 走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法および走査型プローブ顕微鏡
JP2005147979A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
US7854015B2 (en) Method for measuring the force of interaction in a scanning probe microscope
JP3274087B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2007017388A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
JP3588701B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法
JP2009109377A (ja) 走査プローブ顕微鏡
JP2006267027A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
JP2000146806A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JPH06258068A (ja) 原子間力顕微鏡
JP2000162115A (ja) 走査探針顕微鏡および走査探針顕微鏡法および信号処理装置および信号処理方法
Ando High-Speed SPM
JPH08248039A (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法
JPH09281118A (ja) 走査型プローブ顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5252389

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250