JP5250204B2 - 粒子状吸水剤、吸収体および吸収性物品 - Google Patents

粒子状吸水剤、吸収体および吸収性物品 Download PDF

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Description

本発明は、吸水性樹脂(別称;水膨潤性架橋重合体)を主成分とする粒子状吸水剤、この粒子状吸水剤を用いた吸収体および吸収性物品に関する。より詳細には、本発明は、紙オムツや生理用ナプキンなどに用いられる吸収体用の粒子状吸水剤で、粉体搬送性に優れ、従来になく優れた吸収能を発揮する粒子状吸水剤等に関するものである。
現在、紙オムツ、生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とした吸水性樹脂(粒子状吸水剤)およびパルプ等の親水性繊維が幅広く使用されている。
従来から上記の吸水性樹脂に望まれる吸水特性としては、無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、吸水速度、無加圧下通液性、加圧下通液性、耐衝撃性、耐尿性、流動性、ゲル強度、色、粒度など数多くの特性(パラメーター)が知られ、また、さらに同じ物性(例、無加圧下吸収倍率)の中でも種々の観点で数多くの規定(パラメーター測定法)が提案されている。
例えば、文献1では通液性,耐衝撃性に優れた吸水性樹脂が提案されている。文献2〜4はカチオン水溶液を使用した表面架橋を施した吸水性樹脂が提案されている。文献5では粒子の脆さを改善するため、含水率を制御した吸水性樹脂などが提案されている。さらに、文献6では特定の含水率を有しかつ特定の加圧下吸収倍率を有する吸水性樹脂が提案されている。また、文献7では、立体的または静電的スペーサーでコーティングされたヒドロゲルが提案されている。
これら多くの物性に着目されて開発されてきた吸水性樹脂(粒子状吸水剤)は、これらの物性をターゲットとして、または、これらの物性を備えたものとして、製造され使用されてきている。しかし、上記数多くの物性(例、「無加圧下吸収倍率」や「加圧下吸収倍率」など)をコントロールしても、粉体搬送性に劣り、また、いまだ紙おむつなど吸収体での実使用では十分な性能を発揮しているとは言い難いという問題があった。
〔文献1〕 米国特許6414214号
〔文献2〕 米国特許6620889号
〔文献3〕 特表2002−539281号公報
〔文献4〕 特表2003−529647号公報
〔文献5〕 特開平9−124879号公報
〔文献6〕 米国特許6323252号
〔文献7〕 特表2004−517173号公報
本発明の解決しようとする課題は、粉体搬送性に優れ、吸収体での使用に充分な吸収性能を発揮でき、さらに実使用で好適な吸収体用の粒子状吸水剤を与えることである。
パラメーター物性に制御された数多くの吸水性樹脂(粒子状吸水剤)が提案される中で、本発明者は、全く新たな観点で、吸水性樹脂の「加圧下通液効率(PPUP)」および「摩擦帯電電荷」の特性に新たに着目した。さらに、これら2つの新規な特性と「含水率」とが、吸水性樹脂の実使用で重要な因子であることを見出した。
すなわち、従来公知の「無加圧下吸収倍率」、「加圧下吸収倍率」だけでなく、従来全く知られていない特性である「加圧下通液効率(PPUP)」および「摩擦帯電電荷」が特定の範囲に制御され、さらに、これら4つの特性だけでなく、さらに「含水率」が特定の範囲に制御された粒子状吸水剤が、実使用の吸収体に最適に使用される吸水性樹脂(粒子状吸水剤)となることを、本発明者は見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の粒子状吸水剤は、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体由来の構成単位を有する水膨潤性架橋重合体(A)と水(B)とを含み、下記(a)〜(e)を満たす粒子状吸水剤である。
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜50g/gである。
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/gである。
(c)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が2〜10質量%である。
(d)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が0.5質量%以下とされた際の摩擦帯電電荷が正電荷である。
(e)下記式(I)で規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
本発明の粒子状吸水剤によれば、おむつなど吸収性物品での実使用時、従来になく優れた吸収能を発揮する。
以下、本発明の吸水性樹脂および粒子状吸水剤に使用する原料や反応条件等について説明する。
(1)吸水性樹脂(別称;水膨潤性架橋重合体)
本発明の吸水性樹脂とは、ヒドロゲルを形成しうる架橋重合体であって且つ水膨潤性と水不溶性とを有する架橋重合体のことである。水膨潤性とは、イオン交換水中での無加圧下吸収倍率(CRC)が5g/g以上、好ましくは50〜1000g/gという多量の水を吸収するものを指す。また、水不溶性とは、水可溶分(米国再発行特許Re32649号の平行抽出性重合体で規定)の比率が必須に0〜50質量%、好ましくは0〜25質量%、より好ましくは0〜15質量%であることを指す。
本発明に係る好ましい吸水性樹脂(別称;水膨潤性架橋重合体)は、酸基および/またはその塩由来の構成単位を有している。本発明に係る好ましい吸水性樹脂は、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体を、水膨潤性を有する範囲で架橋重合した重合体であれば良い。特に好ましくは、本発明に係る吸水性樹脂(別称;水膨潤性架橋重合体)として、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする不飽和単量体を重合・架橋することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体が用いられる。このポリアクリル酸部分中和物重合体は、アクリル酸および/またはその塩由来の構成単位を有する。
本発明において、「吸水性樹脂」とは、内部のみが架橋された重合体、および/または、内部および表面が架橋された重合体をいう。特に、「表面処理された吸水性樹脂」とは、内部及び表面が架橋された重合体をいう。
(2)粒子状吸水剤およびその製造方法
本発明で粒子状吸水剤とは、吸水性樹脂を主成分とし、且つ、水性液体を吸収して固化しうる吸収固化剤である。さらに、この粒子状吸水剤は、特定量の水(含水率2〜10質量%)を必須に含有する。吸水性樹脂の含有量は、好ましくは全体の70〜98質量%、より好ましくは80〜98質量%、さらに好ましくは90〜98質量%であり、さらに必要により後述の添加剤が使用される。なお、水性液体としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒ないし無機溶媒との混合物、雨水、地下水など、水を含めば特定に制限されないが、好ましくは尿であり、より好ましくは人尿である。本発明の粒子状吸水剤は、好ましくは、人尿の吸収固化剤とされる。なお、本発明において、粒子の形状は、特定の形状に制限されず、球状、略球状、(粉砕物である)不定形破砕状、棒状、多面体状、ソーセージ状(例;米国特許4973632号)、皺を有する粒子(例;米国特許5744564号)などが挙げられる。それらは一次粒子(single
particle)でもよく、造粒粒子でもよく、これらの混合物でもよい。また、粒子は発泡した多孔質でもよい。好ましい粒子として、不定形破砕状の一次粒子ないし造粒物が挙げられる。
本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、例えば、後述の特定粒度および特定無加圧下吸収倍率の吸水性樹脂を後述の特定表面架橋剤で表面架橋するによって、「無加圧下吸収倍率(CRC)」を28〜50g/gに保つ本発明の範囲内で、「加圧下吸収倍率(AAP:0.9g)」を20g/g以上に高めた上で、さらに、後述の特定の「含水率」に水を添加することで得られる。
かかる本発明の粒子状吸水剤は、例えば、生理食塩水への無加圧下吸収倍率(CRC)が28g/g以上の吸水性樹脂を用い、この吸水性樹脂の吸収倍率(CRC)を、特定の表面架橋剤での表面架橋によって表面架橋前の吸収倍率(CRC)の95〜50%にまで低下させ、さらに含水率を制御して得られる。生理食塩水への無加圧下吸収倍率(CRC)が28g/g以上の上記吸水性樹脂として、例えば、質量平均粒子径が200〜500μmであり、150μm未満の粒子の割合が0〜8質量%であり、嵩比重(JIS K−3362で規定)が0.40〜0.90g/mlであり、600〜150μmの間の粒子が全体の60〜100質量%であり、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.50である吸水性樹脂が用いられる。
(3)加圧下通液効率(PPUP)
本発明の特徴の一つは、従来全く知られていない特性である「加圧下通液効率(PPUP)」を規定したことである。この「加圧下通液効率(PPUP)」は、特定粒度および特定無加圧下吸収倍率の吸水性樹脂を後述の特定表面架橋剤で表面架橋することによって、本発明で規定された範囲とされうる。
本発明で新たに見出された加圧下吸収効率(PPUP)は下記式(I)で規定される。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。また、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
従来、加圧下吸収倍率(AAP:0.9g)の重要性は知られ、数多くの加圧下吸収倍率が、その測定時間(例えば、5分〜3時間)、被吸収液(例えば、種々の人工尿、生理食塩水、イオン交換水、L−アスコルビン酸水溶液)、荷重(例えば、0.01psi〜1.4psi)、測定時の測定粒度(例えば、粒度全体/または600〜300μmカット)などを変えて規定されてきた。しかし、かかる従来の加圧下吸収倍率と異なり、本発明の加圧下通液効率(PPUP)は、吸水性樹脂量または粒子状吸水剤量(測定の単位面積あたりの量)を0.90gから5.0gに増加させた際における加圧下吸収倍率(AAP)の安定性に関する全く新たな指標である。換言すれば、本発明の加圧下通液効率(PPUP)は、吸水性樹脂量または粒子状吸水剤量(測定の単位面積あたりの量)を0.90gから5.0gに増加させた際における加圧下吸収倍率(AAP)の低下の少なさに関する全く新たな指標である。本発明の加圧下通液効率(PPUP)は、本発明の思想で新たに規定される新規パラメーターである。
従来の吸水性樹脂は、従来提案された種々の測定法により測定された加圧下吸収倍率(AAP)が高くされたにも関わらず、実用のおむつで性能を発揮できなった。この原因を鋭意追求した結果、本発明者は、同じ荷重(加圧)でも単位面積あたりの吸水性樹脂量(粒子状吸水剤量)によって加圧下吸水倍率(AAP)が変化することを見出した。更に、本発明者は、おむつ中では吸水性樹脂量または粒子状吸水剤量(測定の単位面積あたりの量)が部分的に異なっており、その樹脂量の変化による加圧下吸水倍率(AAP)の変化が、実使用時のおむつの物性低下の原因であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の粒子状吸水剤は、下記式(I)で規定される(PPUP)が非常に高く、いかなるおむつ中の吸水性樹脂量または粒子状吸水剤量(濃度)でも安定的に高物性を発揮し、さらに通液性も高い。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
(4)正の摩擦帯電電荷
上記の加圧下通液効率(PPUP)と並んで本発明で新たに規定された吸水剤の特徴は、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」である。さらに、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」は特定の吸水性樹脂と特定の表面架橋剤との組み合せにより制御される。
かかる「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を示す粒子状吸水剤は、比較的均一な表面架橋を有するため、粒子状吸水剤として高物性を示し、さらに、おむつの実使用でも高物性を示す。「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を持つ粒子状吸水剤は、比較的均一な表面架橋を示す。さらに、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を持つ粒子状吸水剤と、パルプ(後述の測定方法では「負(マイナス)の摩擦帯電電荷」を持つ)とで成形された吸収体は、優れたおむつを提供する。粒子状吸水剤の摩擦帯電電荷が正電荷とされることにより、粒子状吸水剤とパルプの均一混合性も向上する。また、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を持つ粒子状吸水剤は、後述する特定の含水率が制御されることにより、優れた粉体搬送性を示す。
(5)不飽和単量体
後述の特定表面架橋剤との組み合せで「摩擦帯電電荷」がプラスとなる吸水性樹脂としては、アクリル酸および/またはその一価塩が主成分として使用された吸水性樹脂が好ましいが、「摩擦帯電電荷」がプラスとなる範囲で、アクリル酸(塩)以外の単量体の単量体が併用されてもよく、アクリル酸(塩)以外の単量体だけから吸水性樹脂を得てもよい。
本発明でアクリル酸(塩)以外の単量体を用いる場合、本発明を達成するため、該アクリル酸(塩)以外の単量体の割合は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩の合計量に対して、好ましくは0〜30モル%、より好ましくは0〜10モル%、最も好ましくは0〜5モル%の割合である。
なお、単量体として酸基含有の不飽和単量体が使用される場合、その塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、得られる吸水性樹脂の性能、工業的入手の容易さ、安全性等の観点からナトリウム塩及びカリウム塩が好ましい。
また、物性面およびpH面から、アクリル酸などの酸基含有不飽和単量体は、酸基が中和されることが好ましく、酸基の中和率は通常20〜100モル%、さらには好ましくは30〜95モル%、より好ましく40〜80モル%である。酸基の中和は単量体で行ってもよいし、重合体で行ってもよいし、それらを併用しても良い。
(6)架橋性単量体(内部架橋剤)
本発明の吸水性樹脂は架橋重合体であり、架橋の手法は限定されない。この架橋重合体は、架橋性単量体を使用しない自己架橋型のものであってもよい。ただし、物性面から、好ましくは、この架橋重合体は、一分子中に2個以上の重合性不飽和基、2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(吸水性樹脂の内部架橋剤とも言う)を共重合又は反応させて得られる。なお、本発明の吸水性樹脂が架橋重合体あることは、前記水不溶性であることからも規定される。
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これら内部架橋剤は単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。また、上記内部架橋剤は、上記単量体の重合前あるいは重合途中、あるいは重合後、または中和後に反応系に添加すればよい。
本発明の粒子状吸水剤を得るために、これら内部架橋剤の使用量は前記単量体(内部架橋剤を除く)に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%、さらに好ましくは0.01〜0.2モル%、特に好ましくは0.03〜0.15モル%の範囲内とされる。本発明の吸水剤を得るために、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物が、内部架橋剤として重合時に必須に用いられることが好ましい。
(7)重合開始剤
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際して使用される重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。本発明の吸水剤を得るために、これら重合開始剤の使用量は、好ましくは0.001〜2モル%であり、より好ましくは0.01〜0.1モル%(対全単量体)である。
(8)重合方法および重合溶液
本発明ではバルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、物性面から、上記単量体を水溶液とし、水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは20〜60質量%である。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。重合により得られた重合体は、必要により粉砕すればよい。
上記の重合を開始させる際には、前述の重合開始剤を使用して開始させる。また、前述重合開始剤の他にも紫外線や電子線、γ線などの活性エネルギー線を単独あるいは重合開始剤と併用しても良い。重合開始時の温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜120℃の範囲が好ましい。
なお、逆相懸濁重合とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させる重合法であり、例えば、米国特許4093776号、同4367323号、同4446261号、同4683274号、同5244735号などの米国特許に記載されている。水溶液重合は分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法であり、例えば、米国特許4625001号、同4873299号、同4286082号、同4973632号、同4985518号、同5124416号、同5250640号、同5264495号、同5145906号、同5380808号などの米国特許や、欧州特許0811636号、同0955086号,同0922717号などの欧州特許に記載されている。これら重合法に例示の単量体や開始剤なども本発明では適用できる。
(9)連鎖移動剤添加
本発明の製法においては、重合時に連鎖移動剤が使用されてもよい。前述の前記不飽和単量体、内部架橋剤、重合開始剤に加えて水溶性連鎖移動剤を存在させて重合することで得られる吸水性樹脂を、本発明の粒子状吸水剤として用いた場合、吸収能が高く、尿に対する安定性に優れる吸収体を得ることが可能になる。使用できる連鎖移動剤は例えば、米国特許6335406号、同6110992号、同6043311号などに例示されている。
水溶性連鎖移動剤の使用量は、水溶性連鎖移動剤の種類や単量体水溶液の濃度にもよるが、全単量体に対して0.001〜1モル%であり、好ましくは0.005〜0.3モル%である。
(10)乾燥
上記架橋重合体は含水ゲル状架橋重合体であり、架橋重合体は、必要に応じてゲルの状態で粉砕され、さらに乾燥される。乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲(熱媒温度で規定)で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(実施例で規定)は特に限定されないが、本発明の粒子状吸水剤を得るために、室温でも流動性を示す粒子(粉末)であるのが好ましい。本発明の粒子状吸水剤を得るために、この吸水性樹脂の含水率は、好ましくは0.2〜30質量%、さらに好ましくは0.3〜15質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
用いられる乾燥方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等である。目的の含水率となるように種々の乾燥方法が採用されうる。この乾燥方法は、特に限定されるものではない。
(11)粉砕・分級および粒度制御、ならびに吸収倍率
本発明の吸水性樹脂(架橋重合体)は、本発明の粒子状吸水剤を得るために、好ましくは粉末として特定の粒度に調整される。
本発明の吸水性樹脂(架橋重合体粒子)の粒径としては、本発明の粒子状吸水剤を得るために、質量平均粒子径が通常200〜500μm、好ましくは230〜480μm、より好ましくは250〜450μm、特に好ましくは280〜450μmに狭く制御されるのがよく、かつ、さらに、本発明の吸水性樹脂は、150μm未満の粒子の割合が、0〜8質量%、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜3質量%に制御される。
また、本発明の吸水性樹脂は、本発明の粒子状吸水剤を得るために、その嵩比重(JIS K−3362で規定)は好ましくは0.40〜0.90g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/mlの範囲に調整される。また、本発明の吸水性樹脂は、600〜150μmの間の粒子が全体の好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%とされる。本発明の吸水性樹脂は、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が好ましくは0.20〜0.50、より好ましくは0.20〜0.45、特に好ましくは0.20〜0.40とされる。
粒度調整は逆相縣濁重合のように粒子状で分散重合および分散乾燥させて調整してもよいが、通常、特に水溶液重合の場合、乾燥後に粉砕および分級されて、特定粒度に調整される。なお、以下、乾燥後の粉砕物をその形状から実施例では不定形破砕物と呼ぶ。
なお、本発明で得られた上記吸水性樹脂は、上記粒度に調整されるのが好ましい。より好ましくは、この吸水性樹脂は、表面架橋前の生理食塩水への無加圧下吸収倍率(CRC)が28g/g以上、より好ましくは30〜70g/g、さらに好ましくは30〜60g/g、特に好ましくは35〜60g/gとされる。吸収倍率の制御は、内部架橋剤など、前述の重合条件や乾燥条件を制御して行えばよい。
(12)表面架橋処理
本発明で用いられる粒子状吸水剤は、好ましくは、特定の粒度に調整し、得られた特定吸収倍率の架橋重合体粒子をさらに表面架橋して得ることができる。例えば、本発明で用いられる粒子状吸水剤は、かかる表面架橋によってその吸収倍率(CRC)を低下させて得られる。より好ましくは、本発明で用いられる粒子状吸水剤は、表面架橋により、吸収倍率(CRC)を表面架橋前の95〜50%、さらには90〜60%にまで低下させて得られる。なお、吸収倍率の低下の度合いは、架橋剤の種類や量、表面架橋時の反応温度、表面架橋反応に要する時間などにより適宜調整すればよい。
さらに、「プラスの摩擦帯電電荷」は、特定の吸水性樹脂と特定の表面架橋剤との組み合せにより制御される。前記のポリアクリル酸塩を吸水性樹脂とする場合、表面架橋剤としては、「プラスの摩擦帯電電荷」とするために例えば、エポキシ化合物、アルキレンカーボネート、多価金属が使用されるが、「プラスの摩擦帯電電荷」を示す範囲でその他表面架橋剤を使用してもよい。
本発明で用いることができる表面架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、米国特許6228930号、同6071976号、同6254990号などに例示されている表面架橋剤を用いることができる。
本発明で用いられる表面架橋剤として、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドールなどのエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物(米国特許4755562号、同4824901号);2−オキサゾリジノンなどのオキサゾリジノン化合物(米国特許6472478号、同6503978号);エチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネート化合物(米国特許5409771号)等;アルミニウム塩、ジルコニウムなどの多価金属化合物(欧州特許1516884号、国際公開WO2004/069915号)などが挙げられ、「プラスの摩擦帯電電荷」を示す範囲でこれらの1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記以外の表面架橋剤として、モノ,ジ,トリ,テトラまたはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール化合物も使用できる。
本発明の効果を十分に発揮するためには、これらの表面架橋剤の中で多価アルコールを必須に併用ないし単独で用いることが好ましい。多価アルコールとしては、炭素数2〜10のものが好ましく、炭素数3〜8のものがより好ましい。
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂に対して、0.001〜10質量%の範囲内が好ましく、0.01〜5質量%の範囲内がより好ましい。
本発明で表面架橋を行う場合には、水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、吸水性樹脂に対して0.5〜20質量%の範囲内が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲内である。また、水以外に親水性有機溶媒を用いてもよい。親水性有機溶媒を用いる場合、その使用量は、吸水性樹脂に対して0〜10質量%の範囲内が好ましく、より好ましくは0〜5質量%の範囲内、さらに好ましくは0〜3質量%の範囲内である。
本発明において表面架橋を行う場合には、水及び/または親水性有機溶媒と表面架橋剤とを予め混合した後、次いで、その水溶液を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは、平均粒子径で0.1〜300μmの範囲内が好ましく、0.1〜200μmの範囲がより好ましい。
吸水性樹脂体と該表面架橋剤、水や親水性有機溶媒を混合する際に用いられる混合装置としては両者を均一にかつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては例えば、円筒型混合機、二重壁円錐混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型ニーダー、粉砕型ニーダー、回転式混合機、気流型混合機、タービュライザー、バッチ式レディゲミキサー、連続式レディゲミキサー等が好適である。
表面架橋剤を混合後の吸水性樹脂は加熱処理されることが好ましい。加熱温度(熱媒温度または材料温度/特に熱媒温度)は、好ましくは100〜250℃の範囲内、より好ましくは150〜250℃の範囲内であり、加熱時間は1分〜2時間の範囲内が好ましい。加熱温度と加熱時間の組み合わせの好適例としては180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。
(13)含水率
上記表面架橋で得られた吸水性樹脂は、加圧下吸収倍率(AAP)の向上のために表面架橋処理において強い加熱処理(上記の高温長時間の加熱)が行なわれる。よって、上記表面架橋で得られた吸水性樹脂は、通常、含水率が1%以下に乾燥されている。上記表面架橋で得られた粒子状吸水剤は、(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜50g/g、(b)4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率において、粒子状吸水剤の0.9gでの加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/gで、(d)含水率0.5質量%以下に乾燥した際の摩擦帯電電荷が正電荷、(e)下記式(I)に規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%、である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
かかる粒子状吸水剤は、上記(a)(b)および(d)(e)の特性を備え、特に、加圧下通液効率(PPUP)が60%以上100%以下であるという新規な特徴とするが、本発明ではさらに、(c)含水率が2〜10質量%、さらには後述(15)の含水率範囲に調整される。
本発明の粒子状吸水剤を得るために、表面架橋反応時での含水率を2〜10質量%に制御してもよいし、表面架橋後に乾燥ないし水を添加して本発明の含水率(2〜10質量%)としてもよいが、本発明の物性を確実に達成するには、表面架橋時に含水率1質量%以下に加熱した後、さらに表面架橋後に含水率2〜10質量%に再加湿することが好ましい。かかる再加湿では水をバインダーとして造粒することがより好ましい。
すなわち、好ましくは、本発明の粒子状吸水剤の製造方法は、造粒工程を含む。この造粒工程は、前記表面処理された後、水を加えて含水率2〜10質量%を保ったまま加熱し、必要により粉砕する工程である。この造粒工程により、粉末として特定の粒度への調整がなされる。なお、造粒されたか否かは、平均粒子径の増大(例えば、1.01〜2倍)、または、150μm以下の微粉量の減少で容易に判別できる。
加える水の中に、後述するキレート剤、植物成分、抗菌剤、水溶性高分子、無機塩などを含んでもよい。これらの含有量は、水溶液の濃度が、0.001〜50質量%の範囲であるのが好ましい。
本発明において含水率の制御方法は、水、または、その水溶液を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは、平均粒子径で0.1〜300μmの範囲内が好ましく、0.1〜200μmの範囲がより好ましい。水を添加する装置としては、前記の表面架橋剤を添加する装置が使用できる。
水の均一な添加および浸透のため、さらには粉体流動性向上のため、好ましくは、水またはその水溶液を混合後に加熱処理がなされ、好ましくは、加熱処理時には含水率が2〜10質量%を保ったまま加熱がなされる。なお、含水率が2〜10質量%を保つ限り、加熱処理時に一部の水が揮発してもよい。
加熱には熱風などの熱媒が使用され、加熱温度(熱媒温度または材料温度)は、好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜100℃であり、加熱時間は1分〜2時間が好ましい。加熱は好ましくは静置(無攪拌)によって硬化(弱いブロック状)とされる。好ましくは、加熱には水を添加した吸水性樹脂を1〜100cm、さらには5〜80cm、特に10〜70cm程度に積層して加熱することで、硬化すればよい。硬化された吸水性樹脂は次いで粉砕、好ましくはさらに分級することで、目的とする本発明の粒子状吸水剤を得ることができる。
(14)その他添加剤
本発明ではさらに、上記したキレート剤以外にも、下記の(A1)植物成分、(B1)有機酸の多価金属塩、(C1)無機微粒子((D1)複合含水酸化物を含む)等を微量成分として添加し、これにより本発明の粒子状吸水剤に種々の機能を付与させることも出来る。
これら(A1)〜(D1)および(E1)、(F1)の添加剤の使用量は、目的や付加機能によっても異なるが、通常、その1種類の添加量として、吸水性樹脂100質量部に対して0〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.002〜3質量部の範囲である。通常、0.001質量部より少ないと十分な効果や付加機能が得られず、10質量部以上の場合は添加量に見合った効果が得られないか、吸収性能の低下を招くことがある。
(A1)植物成分
消臭性を発揮させるために、本発明にかかる粒子状吸水剤には、植物成分を配合することが出来る。この植物成分の好ましい配合比率は、上記の通りである。本発明において用いることが出来る植物成分は、好ましくは、植物自体の粉末または植物からの抽出物である。この植物成分に含まれる化合物は、好ましくは、ポリフェノール、フラボンおよびその類およびカフェインから選ばれる少なくとも1種の化合物、または、タンニン、タンニン酸、五倍子、没食子および没食子酸から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、例えば、米国特許第6469080号公報、欧州特許第1352927号公報、国際公開WO2003/104349号公報に例示されている。本発明において配合されうる植物成分の形態としては、植物から抽出されたエキス(精油等)、植物自体(植物粉末等)、植物加工業や食物加工業における製造過程で副生する植物滓や抽出滓などが挙げられる。
また、植物成分(A1)が粉末の場合における該粉末の粒子径、および/または、植物から抽出した植物成分(A1)を含んだエキス(精油)を担持させた粉末の粒子径は、通常、0.001〜1000μmであり、好ましくは1〜600μmである。植物成分を含む粒子の質量平均粒子径(M1)は、500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましい。この質量平均粒子径(M1)が500μmより大きいと、尿と接触した際、植物成分に含まれる有効成分の作用が不十分となり、安定した消臭性能が発揮されないことがある。また、優れた消臭性能および安定性が付与される観点から、この質量平均粒子径(M1)は、吸水性樹脂の質量平均粒子径よりも小さいのが好ましい。なお、植物成分を含む粒子としては、植物自体が粉末とされた植物粉末や、植物成分を担持する粒子状の担持物などが挙げられる。この担持物としては、植物から抽出された植物成分を含むエキス(精油)を担持するものが挙げられる。前述した吸水性樹脂に添加しやすくする観点から、本発明で用いることの出来る植物成分は、常温において、液体および/または水溶液となりうるものが好ましい。
(B1)有機酸の多価金属塩
粉体特性を改善するため、国際公開WO2004/069936号に例示に有機酸の多価金属塩使用が好ましい。
(C1)無機微粒子
吸湿時のブロッキング防止のために、本発明にかかる粒子状吸水剤に、無機微粒子、特に水不溶性無機微粒子を配合することが出来る。使用される無機粉末としては、具体的には例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が0.001〜200μmの二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
(D1)複合含水酸化物
優れた吸湿流動性と優れた消臭性能とを発揮させるために、本発明にかかる粒子状吸水剤に、亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(例えば、国際公開WO2005/010102号に例示)が配合されうる。
(E1)キレート剤の添加
本発明の粒子状吸水剤を得るために、好ましくはキレート剤、特に多価カルボン酸およびその塩が配合されうる。
本発明の粒子状吸水剤に用いることが出来るキレート剤としては、好ましくは、FeやCuに対するイオン封鎖能やキレート能が高いキレート剤、具体的にはFeイオンに対する安定度定数が10以上、好ましくは20以上のキレート剤が好ましく、さらに好ましくは、アミノ多価カルボン酸およびその塩、特に好ましくは、カルボキシル基を3個以上有するアミノカルボン酸およびその塩である。
これら多価カルボン酸は具体的には、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、エチレングリコールジエチルエーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酢酸、N−アルキル−N‘−カルボキシメチルアスパラギン酸、N−アルケニル−N’−カルボキシメチルアスパラギン酸、およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩が挙げられる。中でも、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸およびその塩が最も好ましい。
(F1)その他
抗菌剤、水溶性高分子、水不溶性高分子、水、界面活性剤、有機微粒子など、その他添加剤は、特に本発明の粒子状吸水剤が得られる限り、その添加は任意である。
(15)本発明の粒子状吸水剤
上記製法を一例とする本発明の粒子状吸水剤は、従来にない新規な性能を示す新規な粒子状吸水剤である。
すなわち、本発明の粒子状吸水剤は、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体由来の構成単位を有する水膨潤性架橋重合体(A)と水(B)とを含み、下記(a)〜(e)を満たす粒子状吸水剤である。
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜50g/gである。
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/gである。
(c)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が2〜10質量%である。
(d)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が0.5質量%以下とされた際の摩擦帯電電荷が正電荷である。
(e)下記式(I)で規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
本発明の粒子状吸水剤は、吸収体又は吸収性物品の製造時において特に顕著な効果を発揮する。好ましくは、本発明の粒子状吸水剤は、吸収体又は吸収性物品に使用されるための粒子状吸水剤である。好ましくは、本発明の粒子状吸水剤は、衛生材料用の吸収体又はこの吸収体を備えた吸収性物品に使用されるための粒子状吸水剤である。好ましくは、本発明の粒子状吸水剤は、オムツ等の衛生材料に使用されるための粒子状吸水剤である。
本発明の粒子状吸水剤は、(a)無加圧下吸収倍率(CRC)が、28〜50g/g、好ましくは28〜45g/g、更に好ましくは30〜45g/g、特に好ましくは30〜40g/gとされる。CRCが高すぎると、ゲル強度、耐尿性等の本発明に規定されない他の物性が低下し、さらに、CRCが低すぎると、実使用時におむつとして吸収量が不十分となる。
本発明の粒子状吸水剤は、(b)0.90gでの加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/g、好ましくは20〜35g/g、より好ましくは20〜33g/g、特に好ましくは20〜30g/gとされる。AAP:0.90gが高すぎると、製造コスト面からバランスが悪いし、また、AAP:0.90gが低すぎると、実使用時におむつとして吸収量が不十分となる。
本発明の粒子状吸水剤は、(c)含水率が必須に2〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは2〜7質量%、更に好ましくは2〜6質量%、特に好ましくは2〜5質量%とされる。含水率が上記範囲を外れると、吸収性能が低下し、また粉体特性(流動性、搬送性、耐ダメージ)に劣った吸水剤となる。(c)含水率が上記範囲とされ、且つ摩擦帯電電荷等の他の特性が上記の如く規定されることにより、オムツ等の製造工程において、吸収性能の安定し且つ吸水剤量のバラツキが少ないオムツ等が連続生産されうる。この粒子状吸水剤の(c)含水率は、吸収体又は吸収性物品(オムツ等)の製造に使用される前における含水率である。又は、この粒子状吸水剤の(c)含水率は、吸収体又は吸収性物品(オムツ等)の製造に使用される際における含水率である。なお、例えば、オムツが流通される過程において、このオムツ内の粒子状吸水剤は、通常、吸湿する。この吸湿により、流通後のオムツから取り出された粒子状吸水剤の含水率は、製造直後(流通前)のオムツ内における粒子状吸水剤の含水率よりも高くなる。
本発明の粒子状吸水剤は、(d)含水率0.5質量%以下に乾燥した際の摩擦帯電電荷が正電荷(プラス)とされる。摩擦帯電電荷が負電荷(マイナス)の場合、おむつでの実使用時に求められる吸収性能(CRC,AAP,PPUP)が得られず、吸収性能に見合った物性をおむつ中で発揮しない。
本発明の粒子状吸水剤は、(e)加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%、好ましくは65〜100%、特に好ましくは70〜100%とされる。
(16)本発明の粒子状吸水剤のその他の特性
(f)搬送速度安定指数
本発明の粒子状吸水剤は、搬送速度安定指数が0〜4.0%、好ましくは0〜3.5%、より好ましくは0〜3.0%、特に好ましくは0〜2.5%である。搬送速度安定指数が4.0%より大きいと、例えば実際のオムツ等の連続生産において、オムツ一枚あたりに含まれる吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の量の振れ(ばらつき)が大きくなり、その結果、オムツ自体の吸収性能にもばらつきが生じ、吸収性能の安定したオムツ連続生産をできない恐れがある。オムツ以外の吸収性物品の連続生産についても同様である。なお、下限は特に問わないが、製造の困難によるコストアップ等を考慮すると、搬送速度安定指数は0.01%以上であることが好ましい。上記範囲の搬送速度安定指数は、例えば、前記の特定の粒度、特定の含水率、および、摩擦帯電電荷が正電荷(プラス)であることで達成される。
(g1)600〜150μmの粒子、(h1)対数標準偏差
本発明の粒子状吸水剤の嵩比重(JIS K−3362で規定)は、好ましくは0.40〜0.90g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/mlの範囲に調整される。また、本発明の粒子状吸水剤は、(g1)600〜150μmの間の粒子が全体の好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%とされる。本発明の粒子状吸水剤の質量平均粒子径は、200〜500μmが好ましく、250〜500μmがより好ましく、300〜500μmが更に好ましい。本発明の粒子状吸水剤は、150μm以上の粒子が全体の90〜100質量%であるのが好ましく、全体の93〜100質量%であるのがより好ましく、全体の95〜100質量%であるのが更に好ましい。 本発明の粒子状吸水剤における粒度分布の(h1)対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20〜0.50、より好ましくは0.20〜0.45、特に好ましくは0.20〜0.40とされる。これらの好ましい範囲から外れると、吸収体に使用された場合、本発明の効果が奏されない場合がある。粒子状吸水剤の粒度や粒度分布は、粉砕、分級、造粒、微粉回収などにより適宜調整されうる。
(17)吸収体
本発明の粒子状吸水剤は通常は粒子状であって、任意の他の吸収材料とともに成形することで、本発明の吸収体(成形物)が得られる。吸収体の形状は特に限定されないが、好ましくは、シート状、筒状、フィルム状、繊維状に加工され、特に好ましくはシート状(別称ウェッブ状)に加工されることで吸収体とされる。
本発明の効果を発揮するために、吸収体は、本発明にかかる粒子状吸水剤と親水性繊維とを含んでなる吸収体とされる。本発明で用いることができる親水性繊維は、特に限定されないが、通常、後述する測定方法において測定された帯電電荷が負電荷(マイナス)を有する親水性繊維が好ましい。親水性繊維としては、例えば、粉砕された木材パルプ、その他、コットンリンターや架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等が例示でき、好ましくはそれらをエアレイドしたものがよい。
本発明にかかる吸収体が粒子状吸水剤と親水性繊維とを含む吸収体である場合、粒子状吸水剤と親水性繊維との合計質量に対する粒子状吸水剤の含有量(通常、コア濃度と称される)が20〜100%質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは25〜90質量%の範囲、より好ましくは30〜80質量%の範囲である。かかる吸収体は、密度0.001〜0.50g/cc、坪量0.01〜0.20g/cmの範囲に圧縮成形されることが好ましい。
(18)吸収性物品
本発明にかかる吸収性物品(最終消費財)は、上記した本発明の吸収体、液透過性を有する表面シート、液不透過性を有する背面シートを備える。本発明にかかる吸収性物品の製造方法は、特に限定されないが、例えば、吸収体を液透過性を有する基材(表面シート)と液不透過性を有する基材(背面シート)でサンドイッチして、必要に応じて、弾性部材、拡散層、粘着テープ等を装備することで、吸収性物品、例えば、紙オムツや生理用ナプキンとすればよい。
本発明にかかる粒子状吸水剤や吸収体は、吸収性物品に高い吸収性能を付与でき、長時間にわたり、優れた吸収性能と吸収特性を示すものである。
以下に本発明の実施例と比較例を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、吸水性樹脂、粒子状吸水剤(以下、粒子状吸水剤の略称)、吸収性物品の諸性能は以下の方法で測定した。また実施例において使用される電気機器はすべて100V、60Hzの条件で使用した。さらに、吸水性樹脂、粒子状吸水剤、吸収性物品は、特に指定がない限り、25℃±2℃、相対湿度50%RHの条件下で使用した。また、生理食塩水として0.90質量%塩化ナトリウム水溶液を用いた。また、吸水倍率の測定時の吸水性樹脂固形分は95±3%で行う。
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC/Cenrifuge Retention Capacity)
吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)0.20gを不織布製の袋(60mm×85mm)に均一に入れ、25±2℃に調温した生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式H−122小型遠心分離機)を用いて250G(250×9.81m/s)で3分間水切りを行った後、袋の質量W2(g)を測定した。また、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量W1(g)を測定した。そして、これら質量W1(g)、質量W2(g)から、次式に従って、無加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
無加圧下吸収倍率(g/g)=(W2−W1)/吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の質量(g)−1 = 〔(W2−W1)/0.20〕−1
(b)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する4.8kPaの圧力下での加圧下吸収倍率(AAP:0.90g/Absorbency Against Pressure)
400メッシュのステンレス製金網(目の大きさ38μm)を円筒断面の一辺(底)に溶着させた内径60mmのプラスチック製支持円筒の底の金網上に、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)0.900gを均一に散布し、その上に外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じずかつ上下の動きは妨げられないピストン(cover plate)を載置し、支持円筒と吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)とピストンの質量W3(g)を測定した。質量W3(g)は、支持円筒の質量と、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の質量と、ピストンの質量とを合わせた質量である。このピストン上に、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)に対して、ピストンを含め4.8kPaの荷重を均一に加えることができるように調整された荷重を載置し、測定装置一式を完成させた。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm、厚さ5mmのガラスフィルターを置き、25±2℃に調温した生理食塩水をガラスフィルターの上部面と同レベルになるように加えた。その上に直径9cmの濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2)を1枚載せて表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を上記湿った濾紙上にのせ、液を荷重下で吸収させた。液面がガラスフィルターの上部から低下したら液を追加し、液面レベルを一定に保った。1時間後に測定装置一式を持ち上げ、荷重を取り除いた質量W4(g)(支持円筒と膨潤した吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)とピストンの質量)を再測定した。そして、これら質量W3(g)、質量W4(g)から、次式に従って加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)(g/g)=(W4−W3)/吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の質量(g)=(W4−W3)/0.900
(c)加圧下通液効率(PPUP/Permeability Potential Under Pressure)
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)の測定において、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の量を0.900gから5.000gに変えた以外は同様の操作をして、加圧下吸収倍率(AAP:5.0g)の値をもとめた。この時、加圧下吸収倍率(AAP:5.0g)が高いものは、膨潤した吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の層の高さが非常に高くなる可能性があるので、使用する支持円筒の高さは十分余裕を持たせておく必要がある。以上の操作で求められた加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)、(AAP:5.0g)を用いて、下式により加圧下通液効率(PPUP)が求められる。
加圧下通液効率(PPUP)(%)=(AAP:5.0g(g/g)/AAP:0.90g(g/g))×100
(d)吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の含水率
基本的な操作は、EDANA(EUROPEAN DISPOSABLES AND NONWOVENS ASSOCIATION)のRECOMMENDED TEST METHOD 430.1−99に記載されている測定方法(105℃の無風オーブンで3時間加熱し、その乾燥減量により算出)に準じておこなった。
(e)摩擦帯電電荷
上記(d)に記載された測定方法で計算された含水率が0.5質量%未満になるよう乾燥させられた吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)25gを、ガラス製のスクリュー管(株式会社マルエム社製、スクリュー管No.7、口内径×胴径×高さ=Φ23mm×Φ35mm×78mm、キャップ:ポリプロピレン製、パッキン:耐熱ハイシート)に入れて密閉した。
この吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)が密閉されたスクリュー管を、連続で20秒間震盪した。この震盪の操作は、機械で行ってもよいし、手で行ってもよい。この震盪の条件は、1秒間に3〜5回の振動数で、振幅の距離は10〜20cmで行う。この震盪は、出来るだけスクリュー管内の吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)が大きく速く動くようになされる必要がある。
20秒間の震盪後、すぐにスクリュー管内の吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)をシート上に広げ、非接触の静電気測定器(製品名:シムコ静電気測定器 FMX−002、シムコジャパン株式会社社製)を用いて、測定器に備えられた製造メーカー作成のマニュアルに従い、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の帯電電位を測定した。帯電電位の測定は、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)をシート上に広げてから15秒以内に測定を完了させる。さらに上記マニュアルに記載されているように、測定時において、静電気測定器と吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)との距離は25mm±1mmとされる。この15秒以内の測定時間において静電気測定装置に表示される帯電電位を即座に読み取る。読み取られた帯電電位がプラスの電位であれば、摩擦帯電電荷は正電荷であるとし、読み取られた帯電電位がマイナスの電位であれば、摩擦帯電電荷は負電荷であるとした。より具体的には、上記静電気測定器に表示される帯電電位が、+0.01〜+20.00kvの範囲であれば、摩擦帯電電荷は正電荷であるとし、上記静電気測定器に表示される帯電電位が、−0.01〜−20.00kvの範囲であれば、摩擦帯電電荷は負電荷であるとした。搬送速度安定指数を小さくする観点から、摩擦帯電電荷の測定において観測される上記帯電電位は、+0.01kv以上+10.0kv以下が好ましく、+0.01kv以上+5.00kv以下がより好ましい。
尚、上記した測定の際に使用するシートとして、ショーワ株式会社製の手袋(商品名:ビニトップ厚手、材料名(表):塩化ビニール樹脂(非フタル酸エステル系可塑剤)、材料名(裏):レーヨン(植毛))を12cm×12cmに切り取ったものが使用された。また、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)をシート上に広げる際は、手袋の表をシートの上面として使用し、このシート上面の上に、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を、シートからこぼれず且つ山盛りの状態となるように広げ、この状態で摩擦帯電電荷が測定された。この山盛りの状態とは、例えば、シート上に広げられた吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)が、高さ2〜4cmで且つ底面の直径が7〜12cmである略円錐形状とされた状態である。さらに、この摩擦帯電電荷の測定は、室温が23±2℃、相対湿度が40±3%RHに調整させた部屋にて行われた。また、本測定に使用する吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の含水率は0.5%未満であるから、0.5質量%以上の含水率を有する吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の場合、適宜乾燥して含水率を下げてから摩擦帯電電荷の測定がなされる。吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の含水率を0.5質量%未満に下げるための乾燥温度は、使用される乾燥機の設定温度で180±3℃とされるのが好ましい。吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の含水率を0.5質量%未満に下げるための乾燥時間は、1時間が好ましい。
(f)搬送速度安定指数(SI値)
吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の搬送速度の測定は、DRY MATERIAL FEEDER(製品名:ACCURATE 300型、株式会社クマエンジニアリング社製)を用いて行われる。スクリュー部分のサイズは、スクリュー部分の全長:30cm、スクリューのピッチ:2cm、スクリューの形状:4mm(水平方向の幅)×4.5mm(回転軸方向への幅)、外径:2.6cm、スクリューの材質:SUS304製のバネ型スクリュー、のものを使用する。パイプはSUS304製であり、パイプの内径は2.9cmとされ、パイプの長さはスクリューがちょうど収まる長さに調整して使用される。吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)5kgをフィーダーのホッパーに投入する。スクリューの回転数は96rpmに設定される。スクリューの回転数を96rpmとするため、スクリュー装置の設定メモリが900とされる。ただしメモリによる制御では機器によって回転数に若干のズレが有る可能性があるため、測定の際は回転数で制御するのが好ましい。吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)のフィードが安定してから搬送量の測定が開始される。フィードが安定するのは、スクリューの回転開始後約20秒後以降である。測定の開始から30秒間毎の吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の搬送量(g)を5分間(測定点数10点)測定し、各時間における搬送速度(g/s)を計算により求める。得られた搬送速度(g/s)10点のデータから搬送速度の標準偏差σを求める。得られた標準偏差σ、搬送速度10点の平均値Fave.より、次式に従い搬送速度安定指数SI値(%)を求める。
搬送速度安定指数(SI値)(%)=σ/Fave.×100
(g)標準篩分級で規定された質量(重量)平均粒子径(D50)および標準篩分級で規定された対数標準偏差(σζ)
国際公開WO2004/069404号に準じて、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm及び45μmのJIS標準ふるい(JIS Z8801−1(2000))ないしそれらに相当するふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50重量%に相当する粒径を重量平均粒子径(D50)として読み取った。また、対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ = 0.5 × ln(X2/X1)
(X1はR=84.1%、X2は15.9%の時のそれぞれの粒径)
(h)吸収体性能評価
後述する吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を、吸収体として性能評価するために吸収体を作製し戻り量評価を行った。
まず、評価用の吸収体の作製方法を以下に示した。
後述する吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)2質量部と、木材粉砕パルプ2質量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上に広げ、直径90mmφの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPa(2kgf/cm)で1分間プレスすることにより、坪量が約0.06g/cmの評価用吸収体を得た。
続いて、戻り量評価の方法を以下に示した。
内径90mmφのSUS製シャーレの底に上記評価用吸収体を置き、この評価用吸収体の上に直径90mmφの不織布を敷いた。続いて、この不織布の上に、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりを置いた。このピストンとおもりは、中心部分に直径5mmの液投入口を装備しているものを使用した。次いで、生理食塩水(0.90質量%の塩化ナトリウム水溶液)25mlを、上記液投入口から該評価用吸収体の中心部へと注ぎ入れ、上記評価用吸収体に吸液させた。30分後、さらに生理食塩水(0.90質量%の塩化ナトリウム水溶液)25mlを、上記液投入口から該評価用吸収体の中心部へと注ぎ入れ、さらに30分間、上記評価用吸収体に吸液させた。この30分間の吸液の後、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりが取り除かれ、予め総重量(W7(g))を測定した外径90mmφの濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2)30枚が評価用吸収体の上に置かれた。さらに、外径90mmφで上記吸収体、不織布および濾紙に均一に荷重がかかるピストンとおもり(ピストンとおもりの総和が20kg)をこの濾紙上にすばやく置き、5分間荷重をかけて上記濾紙に液の戻り分を吸液させた。その後、30枚の濾紙の重量(W8(g))測定し、以下の計算式から戻り量を測定した。
戻り量(g)=W8−W7
〔参考例1〕
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)4.9gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を目開き300μmの金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(1)を得た。
〔参考例2〕
参考例1と同様の重合及び乾燥を行った。ついで乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより不定形破砕状の吸水性樹脂(2)を得た。
〔参考例3〕
68モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)5.02gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.8g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(3)を得た。
〔参考例4〕
参考例3と同様の重合及び乾燥を行った。ついで乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより不定形破砕状の吸水性樹脂(4)を得た。
〔参考例5〕
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)8.6gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度90℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(5)を得た。
〔参考例6〕
参考例5と同様の重合及び乾燥を行った。ついで乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより不定形破砕状の吸水性樹脂(6)を得た。
〔実施例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.93質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(1)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(1)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(1)を得た。
〔実施例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例2で得られた吸水性樹脂(2)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(2)を得た。
〔実施例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例3で得られた吸水性樹脂(3)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(3)を得た。
〔実施例4〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例4で得られた吸水性樹脂(4)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(4)を得た。
〔実施例5〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例5で得られた吸水性樹脂(5)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(5)を得た。
〔実施例6〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例6で得られた吸水性樹脂(6)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(6)を得た。
〔実施例7〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレンカーボネート0.1質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤4.0質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(7)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(7)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(7)を得た。
〔実施例8〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、エチレンカーボネート0.1質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤4.03質量部を混合した。上記の混合物を210℃で40分間加熱処理することにより吸水性樹脂(8)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(8)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(8)を得た。
〔実施例9〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.93質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(9)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(9)−1に、さらに、4質量部の水と、植物成分(A1)としてのツバキ科植物の葉抽出物の15質量%水溶液0.5質量部とを噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(9)を得た。このツバキ科植物の葉抽出物の15質量%水溶液の製品名は、FS−80MOであり、その販売者は、白井松新薬株式会社(所在地:滋賀県甲賀郡水口町宇川37−1))である。
〔参考例7〕
調合の条件を変える以外は参考例1と同様にして、不定形破砕状の吸水性樹脂(7)を得た。
〔実施例10〕
噴霧混合される水の質量が8質量部に変更された以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(10)を得た。
〔実施例11〕
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)の搬送速度の評価を行った。
〔比較例1〕
水を噴霧混合しない以外は実施例1と同様にして、比較用粒子状吸水剤(1)を得た。
〔比較例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.9質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより比較用吸水性樹脂(2)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(2)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、比較用粒子状吸水剤(2)を得た。
〔比較例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.93質量部を混合した。上記の混合物を210℃で25分間加熱処理することにより比較用吸水性樹脂(3)−1を得た。100質量部の比較用吸水性樹脂(3)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、比較用粒子状吸水剤(3)を得た。
〔比較例4〕
加熱処理の時間が70分に変更された以外は実施例1と同様にして、比較用粒子状吸水剤(4)を得た。
〔比較例5〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)が、参考例7で得られた吸水性樹脂(7)に変更された以外は、実施例1と同様にして、比較用粒子状吸水剤(5)を得た。
〔比較例6〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に対し、プロピレングリコール2.0質量部、2−オキサゾリジノン0.4質量部及び水5質量部からなる表面架橋剤7.4質量部を混合して混合物を得た。この混合物を、185℃で70分間加熱処理することにより比較用吸水性樹脂(6)−1を得た。100質量部の比較用吸水性樹脂(6)−1に対し、水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間乾燥硬化させることにより、比較用粒子状吸水剤(6)を得た。
〔比較例7〕
比較例1で得られた比較用粒子状吸水剤(1)の搬送速度の評価を行った。
〔実施例12〕
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)を吸収体として性能評価するために上記(h)吸収体性能評価の方法に従って評価用吸収体(1)を作製した。
〔実施例13〕
実施例5で得られた粒子状吸水剤(5)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って評価用吸収体(2)を作製した。
〔比較例8〕
比較例2で得られた比較用粒子状吸水剤(2)を吸収体として性能評価するために上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(1)を作製した。
〔比較例9〕
比較例3で得られた比較用粒子状吸水剤(3)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(2)を作製した。
〔比較例10〕
比較例4で得られた比較用粒子状吸水剤(4)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(3)を作製した。
〔比較例11〕
比較例5で得られた比較用粒子状吸水剤(5)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(4)を作製した。
〔実施例14〕
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)を用いて、吸収体作製機により連続で吸収体を100枚作製した。作製した吸収体100枚からランダムに10枚をピックアップし、吸収体内の粒子状吸水剤(1)の量を測定した。測定結果および標準偏差を表6に示す。
〔比較例12〕
比較例1で得られた比較用粒子状吸水剤(1)を用いて、吸収体作製機により連続で吸収体を100枚作製した。作製した吸収体100枚からランダムに10枚をピックアップし、吸収体内の比較用粒子状吸水剤(1)の量を測定した。吸収体作製機及びその設定等は、実施例14と全く同じである。測定結果および標準偏差を表6に示す。
上記参考例で得られた吸水性樹脂(1)〜(7)について分析し、そのCRC、粒度分布、平均粒子径(D50)及び対数標準偏差を表1に示す。
上記実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(1)〜(10)および比較用粒子状吸水剤(1)〜(6)について分析し、そのCRC、AAP:0.9g、PPUP、摩擦帯電電荷及び含水率を表2に示す。
上記実施例および比較例で得られた粒子状吸水剤(1)〜(10)および比較用粒子状吸水剤(1)〜(6)について分析して、その粒度分布、平均粒子径(D50)及び対数標準偏差を表3に示す。
上記実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)及び比較例(1)で得られた比較用粒子状吸水剤(1)の搬送速度のデータ、標準偏差、搬送速度安定指数の結果を表4に示す。
上記実施例12で得られた評価用吸収体(1)、上記実施例13で得られた評価用吸収体(2)及び上記比較例(8)〜(11)で得られた比較用評価用吸収体(1)〜(4)において、戻り量が測定された。この測定結果を表5に示す。
Figure 0005250204
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本発明の粒子状吸水剤は、表2にあるように、無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、加圧下通液効率も高く、吸収性能に非常に優れている。
かかる本発明の粒子状吸水剤は、粉体流動性にも優れ、表4にあるように、高い搬送速度安定指数を示す。
本発明の粒子状吸水剤は、表5に示されたように、戻り量の少ない吸収体を与えるため、使用者に不快感を与えることなく、安定した高性能の吸収性物品(おむつ)を与える。
本発明の粒子状吸水剤は、表4にあるように高い搬送速度安定指数を示すため、表6に示すように、実際に吸収体を連続で生産する場合も、吸収体内の粒子状吸水剤の量のばらつきが少なく、安定した性能の吸収体の作製が可能になる。
本発明により得られた粒子状吸水剤は、粉体搬送性に優れ、吸収性能に優れるため、オムツなどの吸収体に使用した場合、非常に優れた吸収性能と使用感をもった吸収体を提供することが出来る。

Claims (7)

  1. 酸基および/またはその塩含有不飽和単量体由来の構成単位を有する水膨潤性架橋重合体(A)と水(B)とを含み、下記(a)〜(e)を満たす粒子状吸水剤。
    (a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜45g/gである。
    (b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜33g/gである。
    (c)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が2〜質量%である。
    (d)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が0.5質量%以下とされた際の摩擦帯電電荷が正電荷である。
    (e)下記式(I)で規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%である。
    PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
    ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
  2. 0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜4 0g/gである請求項1に記載の粒子状吸水剤。
  3. 搬送速度安定指数が0〜4.0%である請求項1又は2に記載の粒子状吸水剤。
  4. 標準篩分級で規定された質量平均粒子径が200〜500μmであり、150μm以上の粒子が全体の90〜100質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の粒子状吸水剤。
  5. 植物成分(A1)をさらに含む請求項1〜のいずれかに記載の粒子状吸水剤。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の粒子状吸水剤と摩擦帯電電荷が負電荷の親水性繊維とを含んで成形されてなり、
    前記親水性繊維が、木材パルプ、コットンリンター、架橋セルロース繊維、レーヨン、 綿、羊毛、アセテート又はビニロンである、衛生材料用の吸収体。
  7. 請求項に記載の吸収体、液透過性を有する表面シート及び液不透過性を有する背面シートを備えた、吸収性物品。
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