JP5250204B2 - 粒子状吸水剤、吸収体および吸収性物品 - Google Patents
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Description
〔文献1〕 米国特許6414214号
〔文献2〕 米国特許6620889号
〔文献3〕 特表2002−539281号公報
〔文献4〕 特表2003−529647号公報
〔文献5〕 特開平9−124879号公報
〔文献6〕 米国特許6323252号
〔文献7〕 特表2004−517173号公報
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜50g/gである。
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/gである。
(c)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が2〜10質量%である。
(d)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が0.5質量%以下とされた際の摩擦帯電電荷が正電荷である。
(e)下記式(I)で規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
本発明の吸水性樹脂とは、ヒドロゲルを形成しうる架橋重合体であって且つ水膨潤性と水不溶性とを有する架橋重合体のことである。水膨潤性とは、イオン交換水中での無加圧下吸収倍率(CRC)が5g/g以上、好ましくは50〜1000g/gという多量の水を吸収するものを指す。また、水不溶性とは、水可溶分(米国再発行特許Re32649号の平行抽出性重合体で規定)の比率が必須に0〜50質量%、好ましくは0〜25質量%、より好ましくは0〜15質量%であることを指す。
本発明に係る好ましい吸水性樹脂(別称;水膨潤性架橋重合体)は、酸基および/またはその塩由来の構成単位を有している。本発明に係る好ましい吸水性樹脂は、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体を、水膨潤性を有する範囲で架橋重合した重合体であれば良い。特に好ましくは、本発明に係る吸水性樹脂(別称;水膨潤性架橋重合体)として、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする不飽和単量体を重合・架橋することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体が用いられる。このポリアクリル酸部分中和物重合体は、アクリル酸および/またはその塩由来の構成単位を有する。
本発明で粒子状吸水剤とは、吸水性樹脂を主成分とし、且つ、水性液体を吸収して固化しうる吸収固化剤である。さらに、この粒子状吸水剤は、特定量の水(含水率2〜10質量%)を必須に含有する。吸水性樹脂の含有量は、好ましくは全体の70〜98質量%、より好ましくは80〜98質量%、さらに好ましくは90〜98質量%であり、さらに必要により後述の添加剤が使用される。なお、水性液体としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒ないし無機溶媒との混合物、雨水、地下水など、水を含めば特定に制限されないが、好ましくは尿であり、より好ましくは人尿である。本発明の粒子状吸水剤は、好ましくは、人尿の吸収固化剤とされる。なお、本発明において、粒子の形状は、特定の形状に制限されず、球状、略球状、(粉砕物である)不定形破砕状、棒状、多面体状、ソーセージ状(例;米国特許4973632号)、皺を有する粒子(例;米国特許5744564号)などが挙げられる。それらは一次粒子(single
particle)でもよく、造粒粒子でもよく、これらの混合物でもよい。また、粒子は発泡した多孔質でもよい。好ましい粒子として、不定形破砕状の一次粒子ないし造粒物が挙げられる。
本発明の特徴の一つは、従来全く知られていない特性である「加圧下通液効率(PPUP)」を規定したことである。この「加圧下通液効率(PPUP)」は、特定粒度および特定無加圧下吸収倍率の吸水性樹脂を後述の特定表面架橋剤で表面架橋することによって、本発明で規定された範囲とされうる。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。また、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
上記の加圧下通液効率(PPUP)と並んで本発明で新たに規定された吸水剤の特徴は、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」である。さらに、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」は特定の吸水性樹脂と特定の表面架橋剤との組み合せにより制御される。
かかる「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を示す粒子状吸水剤は、比較的均一な表面架橋を有するため、粒子状吸水剤として高物性を示し、さらに、おむつの実使用でも高物性を示す。「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を持つ粒子状吸水剤は、比較的均一な表面架橋を示す。さらに、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を持つ粒子状吸水剤と、パルプ(後述の測定方法では「負(マイナス)の摩擦帯電電荷」を持つ)とで成形された吸収体は、優れたおむつを提供する。粒子状吸水剤の摩擦帯電電荷が正電荷とされることにより、粒子状吸水剤とパルプの均一混合性も向上する。また、「正(プラス)の摩擦帯電電荷」を持つ粒子状吸水剤は、後述する特定の含水率が制御されることにより、優れた粉体搬送性を示す。
後述の特定表面架橋剤との組み合せで「摩擦帯電電荷」がプラスとなる吸水性樹脂としては、アクリル酸および/またはその一価塩が主成分として使用された吸水性樹脂が好ましいが、「摩擦帯電電荷」がプラスとなる範囲で、アクリル酸(塩)以外の単量体の単量体が併用されてもよく、アクリル酸(塩)以外の単量体だけから吸水性樹脂を得てもよい。
本発明の吸水性樹脂は架橋重合体であり、架橋の手法は限定されない。この架橋重合体は、架橋性単量体を使用しない自己架橋型のものであってもよい。ただし、物性面から、好ましくは、この架橋重合体は、一分子中に2個以上の重合性不飽和基、2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(吸水性樹脂の内部架橋剤とも言う)を共重合又は反応させて得られる。なお、本発明の吸水性樹脂が架橋重合体あることは、前記水不溶性であることからも規定される。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際して使用される重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。本発明の吸水剤を得るために、これら重合開始剤の使用量は、好ましくは0.001〜2モル%であり、より好ましくは0.01〜0.1モル%(対全単量体)である。
本発明ではバルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、物性面から、上記単量体を水溶液とし、水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
本発明の製法においては、重合時に連鎖移動剤が使用されてもよい。前述の前記不飽和単量体、内部架橋剤、重合開始剤に加えて水溶性連鎖移動剤を存在させて重合することで得られる吸水性樹脂を、本発明の粒子状吸水剤として用いた場合、吸収能が高く、尿に対する安定性に優れる吸収体を得ることが可能になる。使用できる連鎖移動剤は例えば、米国特許6335406号、同6110992号、同6043311号などに例示されている。
上記架橋重合体は含水ゲル状架橋重合体であり、架橋重合体は、必要に応じてゲルの状態で粉砕され、さらに乾燥される。乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲(熱媒温度で規定)で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。
本発明の吸水性樹脂(架橋重合体)は、本発明の粒子状吸水剤を得るために、好ましくは粉末として特定の粒度に調整される。
本発明で用いられる粒子状吸水剤は、好ましくは、特定の粒度に調整し、得られた特定吸収倍率の架橋重合体粒子をさらに表面架橋して得ることができる。例えば、本発明で用いられる粒子状吸水剤は、かかる表面架橋によってその吸収倍率(CRC)を低下させて得られる。より好ましくは、本発明で用いられる粒子状吸水剤は、表面架橋により、吸収倍率(CRC)を表面架橋前の95〜50%、さらには90〜60%にまで低下させて得られる。なお、吸収倍率の低下の度合いは、架橋剤の種類や量、表面架橋時の反応温度、表面架橋反応に要する時間などにより適宜調整すればよい。
上記表面架橋で得られた吸水性樹脂は、加圧下吸収倍率(AAP)の向上のために表面架橋処理において強い加熱処理(上記の高温長時間の加熱)が行なわれる。よって、上記表面架橋で得られた吸水性樹脂は、通常、含水率が1%以下に乾燥されている。上記表面架橋で得られた粒子状吸水剤は、(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜50g/g、(b)4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率において、粒子状吸水剤の0.9gでの加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/gで、(d)含水率0.5質量%以下に乾燥した際の摩擦帯電電荷が正電荷、(e)下記式(I)に規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%、である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
本発明ではさらに、上記したキレート剤以外にも、下記の(A1)植物成分、(B1)有機酸の多価金属塩、(C1)無機微粒子((D1)複合含水酸化物を含む)等を微量成分として添加し、これにより本発明の粒子状吸水剤に種々の機能を付与させることも出来る。
消臭性を発揮させるために、本発明にかかる粒子状吸水剤には、植物成分を配合することが出来る。この植物成分の好ましい配合比率は、上記の通りである。本発明において用いることが出来る植物成分は、好ましくは、植物自体の粉末または植物からの抽出物である。この植物成分に含まれる化合物は、好ましくは、ポリフェノール、フラボンおよびその類およびカフェインから選ばれる少なくとも1種の化合物、または、タンニン、タンニン酸、五倍子、没食子および没食子酸から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、例えば、米国特許第6469080号公報、欧州特許第1352927号公報、国際公開WO2003/104349号公報に例示されている。本発明において配合されうる植物成分の形態としては、植物から抽出されたエキス(精油等)、植物自体(植物粉末等)、植物加工業や食物加工業における製造過程で副生する植物滓や抽出滓などが挙げられる。
粉体特性を改善するため、国際公開WO2004/069936号に例示に有機酸の多価金属塩使用が好ましい。
吸湿時のブロッキング防止のために、本発明にかかる粒子状吸水剤に、無機微粒子、特に水不溶性無機微粒子を配合することが出来る。使用される無機粉末としては、具体的には例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が0.001〜200μmの二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
優れた吸湿流動性と優れた消臭性能とを発揮させるために、本発明にかかる粒子状吸水剤に、亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(例えば、国際公開WO2005/010102号に例示)が配合されうる。
本発明の粒子状吸水剤を得るために、好ましくはキレート剤、特に多価カルボン酸およびその塩が配合されうる。
抗菌剤、水溶性高分子、水不溶性高分子、水、界面活性剤、有機微粒子など、その他添加剤は、特に本発明の粒子状吸水剤が得られる限り、その添加は任意である。
上記製法を一例とする本発明の粒子状吸水剤は、従来にない新規な性能を示す新規な粒子状吸水剤である。
すなわち、本発明の粒子状吸水剤は、酸基および/またはその塩含有不飽和単量体由来の構成単位を有する水膨潤性架橋重合体(A)と水(B)とを含み、下記(a)〜(e)を満たす粒子状吸水剤である。
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜50g/gである。
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜40g/gである。
(c)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が2〜10質量%である。
(d)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が0.5質量%以下とされた際の摩擦帯電電荷が正電荷である。
(e)下記式(I)で規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。
(f)搬送速度安定指数
本発明の粒子状吸水剤は、搬送速度安定指数が0〜4.0%、好ましくは0〜3.5%、より好ましくは0〜3.0%、特に好ましくは0〜2.5%である。搬送速度安定指数が4.0%より大きいと、例えば実際のオムツ等の連続生産において、オムツ一枚あたりに含まれる吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の量の振れ(ばらつき)が大きくなり、その結果、オムツ自体の吸収性能にもばらつきが生じ、吸収性能の安定したオムツ連続生産をできない恐れがある。オムツ以外の吸収性物品の連続生産についても同様である。なお、下限は特に問わないが、製造の困難によるコストアップ等を考慮すると、搬送速度安定指数は0.01%以上であることが好ましい。上記範囲の搬送速度安定指数は、例えば、前記の特定の粒度、特定の含水率、および、摩擦帯電電荷が正電荷(プラス)であることで達成される。
本発明の粒子状吸水剤の嵩比重(JIS K−3362で規定)は、好ましくは0.40〜0.90g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/mlの範囲に調整される。また、本発明の粒子状吸水剤は、(g1)600〜150μmの間の粒子が全体の好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%とされる。本発明の粒子状吸水剤の質量平均粒子径は、200〜500μmが好ましく、250〜500μmがより好ましく、300〜500μmが更に好ましい。本発明の粒子状吸水剤は、150μm以上の粒子が全体の90〜100質量%であるのが好ましく、全体の93〜100質量%であるのがより好ましく、全体の95〜100質量%であるのが更に好ましい。 本発明の粒子状吸水剤における粒度分布の(h1)対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20〜0.50、より好ましくは0.20〜0.45、特に好ましくは0.20〜0.40とされる。これらの好ましい範囲から外れると、吸収体に使用された場合、本発明の効果が奏されない場合がある。粒子状吸水剤の粒度や粒度分布は、粉砕、分級、造粒、微粉回収などにより適宜調整されうる。
本発明の粒子状吸水剤は通常は粒子状であって、任意の他の吸収材料とともに成形することで、本発明の吸収体(成形物)が得られる。吸収体の形状は特に限定されないが、好ましくは、シート状、筒状、フィルム状、繊維状に加工され、特に好ましくはシート状(別称ウェッブ状)に加工されることで吸収体とされる。
本発明にかかる吸収性物品(最終消費財)は、上記した本発明の吸収体、液透過性を有する表面シート、液不透過性を有する背面シートを備える。本発明にかかる吸収性物品の製造方法は、特に限定されないが、例えば、吸収体を液透過性を有する基材(表面シート)と液不透過性を有する基材(背面シート)でサンドイッチして、必要に応じて、弾性部材、拡散層、粘着テープ等を装備することで、吸収性物品、例えば、紙オムツや生理用ナプキンとすればよい。
吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)0.20gを不織布製の袋(60mm×85mm)に均一に入れ、25±2℃に調温した生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式H−122小型遠心分離機)を用いて250G(250×9.81m/s2)で3分間水切りを行った後、袋の質量W2(g)を測定した。また、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量W1(g)を測定した。そして、これら質量W1(g)、質量W2(g)から、次式に従って、無加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
無加圧下吸収倍率(g/g)=(W2−W1)/吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の質量(g)−1 = 〔(W2−W1)/0.20〕−1
400メッシュのステンレス製金網(目の大きさ38μm)を円筒断面の一辺(底)に溶着させた内径60mmのプラスチック製支持円筒の底の金網上に、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)0.900gを均一に散布し、その上に外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じずかつ上下の動きは妨げられないピストン(cover plate)を載置し、支持円筒と吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)とピストンの質量W3(g)を測定した。質量W3(g)は、支持円筒の質量と、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の質量と、ピストンの質量とを合わせた質量である。このピストン上に、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)に対して、ピストンを含め4.8kPaの荷重を均一に加えることができるように調整された荷重を載置し、測定装置一式を完成させた。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm、厚さ5mmのガラスフィルターを置き、25±2℃に調温した生理食塩水をガラスフィルターの上部面と同レベルになるように加えた。その上に直径9cmの濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2)を1枚載せて表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を上記湿った濾紙上にのせ、液を荷重下で吸収させた。液面がガラスフィルターの上部から低下したら液を追加し、液面レベルを一定に保った。1時間後に測定装置一式を持ち上げ、荷重を取り除いた質量W4(g)(支持円筒と膨潤した吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)とピストンの質量)を再測定した。そして、これら質量W3(g)、質量W4(g)から、次式に従って加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)(g/g)=(W4−W3)/吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の質量(g)=(W4−W3)/0.900
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)の測定において、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の量を0.900gから5.000gに変えた以外は同様の操作をして、加圧下吸収倍率(AAP:5.0g)の値をもとめた。この時、加圧下吸収倍率(AAP:5.0g)が高いものは、膨潤した吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の層の高さが非常に高くなる可能性があるので、使用する支持円筒の高さは十分余裕を持たせておく必要がある。以上の操作で求められた加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)、(AAP:5.0g)を用いて、下式により加圧下通液効率(PPUP)が求められる。
加圧下通液効率(PPUP)(%)=(AAP:5.0g(g/g)/AAP:0.90g(g/g))×100
基本的な操作は、EDANA(EUROPEAN DISPOSABLES AND NONWOVENS ASSOCIATION)のRECOMMENDED TEST METHOD 430.1−99に記載されている測定方法(105℃の無風オーブンで3時間加熱し、その乾燥減量により算出)に準じておこなった。
上記(d)に記載された測定方法で計算された含水率が0.5質量%未満になるよう乾燥させられた吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)25gを、ガラス製のスクリュー管(株式会社マルエム社製、スクリュー管No.7、口内径×胴径×高さ=Φ23mm×Φ35mm×78mm、キャップ:ポリプロピレン製、パッキン:耐熱ハイシート)に入れて密閉した。
この吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)が密閉されたスクリュー管を、連続で20秒間震盪した。この震盪の操作は、機械で行ってもよいし、手で行ってもよい。この震盪の条件は、1秒間に3〜5回の振動数で、振幅の距離は10〜20cmで行う。この震盪は、出来るだけスクリュー管内の吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)が大きく速く動くようになされる必要がある。
20秒間の震盪後、すぐにスクリュー管内の吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)をシート上に広げ、非接触の静電気測定器(製品名:シムコ静電気測定器 FMX−002、シムコジャパン株式会社社製)を用いて、測定器に備えられた製造メーカー作成のマニュアルに従い、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の帯電電位を測定した。帯電電位の測定は、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)をシート上に広げてから15秒以内に測定を完了させる。さらに上記マニュアルに記載されているように、測定時において、静電気測定器と吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)との距離は25mm±1mmとされる。この15秒以内の測定時間において静電気測定装置に表示される帯電電位を即座に読み取る。読み取られた帯電電位がプラスの電位であれば、摩擦帯電電荷は正電荷であるとし、読み取られた帯電電位がマイナスの電位であれば、摩擦帯電電荷は負電荷であるとした。より具体的には、上記静電気測定器に表示される帯電電位が、+0.01〜+20.00kvの範囲であれば、摩擦帯電電荷は正電荷であるとし、上記静電気測定器に表示される帯電電位が、−0.01〜−20.00kvの範囲であれば、摩擦帯電電荷は負電荷であるとした。搬送速度安定指数を小さくする観点から、摩擦帯電電荷の測定において観測される上記帯電電位は、+0.01kv以上+10.0kv以下が好ましく、+0.01kv以上+5.00kv以下がより好ましい。
吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の搬送速度の測定は、DRY MATERIAL FEEDER(製品名:ACCURATE 300型、株式会社クマエンジニアリング社製)を用いて行われる。スクリュー部分のサイズは、スクリュー部分の全長:30cm、スクリューのピッチ:2cm、スクリューの形状:4mm(水平方向の幅)×4.5mm(回転軸方向への幅)、外径:2.6cm、スクリューの材質:SUS304製のバネ型スクリュー、のものを使用する。パイプはSUS304製であり、パイプの内径は2.9cmとされ、パイプの長さはスクリューがちょうど収まる長さに調整して使用される。吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)5kgをフィーダーのホッパーに投入する。スクリューの回転数は96rpmに設定される。スクリューの回転数を96rpmとするため、スクリュー装置の設定メモリが900とされる。ただしメモリによる制御では機器によって回転数に若干のズレが有る可能性があるため、測定の際は回転数で制御するのが好ましい。吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)のフィードが安定してから搬送量の測定が開始される。フィードが安定するのは、スクリューの回転開始後約20秒後以降である。測定の開始から30秒間毎の吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)の搬送量(g)を5分間(測定点数10点)測定し、各時間における搬送速度(g/s)を計算により求める。得られた搬送速度(g/s)10点のデータから搬送速度の標準偏差σを求める。得られた標準偏差σ、搬送速度10点の平均値Fave.より、次式に従い搬送速度安定指数SI値(%)を求める。
搬送速度安定指数(SI値)(%)=σ/Fave.×100
国際公開WO2004/069404号に準じて、吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm及び45μmのJIS標準ふるい(JIS Z8801−1(2000))ないしそれらに相当するふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50重量%に相当する粒径を重量平均粒子径(D50)として読み取った。また、対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ = 0.5 × ln(X2/X1)
(X1はR=84.1%、X2は15.9%の時のそれぞれの粒径)
後述する吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)を、吸収体として性能評価するために吸収体を作製し戻り量評価を行った。
まず、評価用の吸収体の作製方法を以下に示した。
後述する吸水性樹脂(または粒子状吸水剤)2質量部と、木材粉砕パルプ2質量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上に広げ、直径90mmφの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPa(2kgf/cm2)で1分間プレスすることにより、坪量が約0.06g/cm2の評価用吸収体を得た。
続いて、戻り量評価の方法を以下に示した。
内径90mmφのSUS製シャーレの底に上記評価用吸収体を置き、この評価用吸収体の上に直径90mmφの不織布を敷いた。続いて、この不織布の上に、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりを置いた。このピストンとおもりは、中心部分に直径5mmの液投入口を装備しているものを使用した。次いで、生理食塩水(0.90質量%の塩化ナトリウム水溶液)25mlを、上記液投入口から該評価用吸収体の中心部へと注ぎ入れ、上記評価用吸収体に吸液させた。30分後、さらに生理食塩水(0.90質量%の塩化ナトリウム水溶液)25mlを、上記液投入口から該評価用吸収体の中心部へと注ぎ入れ、さらに30分間、上記評価用吸収体に吸液させた。この30分間の吸液の後、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりが取り除かれ、予め総重量(W7(g))を測定した外径90mmφの濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2)30枚が評価用吸収体の上に置かれた。さらに、外径90mmφで上記吸収体、不織布および濾紙に均一に荷重がかかるピストンとおもり(ピストンとおもりの総和が20kg)をこの濾紙上にすばやく置き、5分間荷重をかけて上記濾紙に液の戻り分を吸液させた。その後、30枚の濾紙の重量(W8(g))測定し、以下の計算式から戻り量を測定した。
戻り量(g)=W8−W7
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)4.9gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を目開き300μmの金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(1)を得た。
参考例1と同様の重合及び乾燥を行った。ついで乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより不定形破砕状の吸水性樹脂(2)を得た。
68モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)5.02gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.8g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(3)を得た。
参考例3と同様の重合及び乾燥を行った。ついで乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより不定形破砕状の吸水性樹脂(4)を得た。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)8.6gを溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.5gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度90℃を示し、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(5)を得た。
参考例5と同様の重合及び乾燥を行った。ついで乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの金網で分級、調合することにより不定形破砕状の吸水性樹脂(6)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.93質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(1)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(1)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(1)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例2で得られた吸水性樹脂(2)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(2)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例3で得られた吸水性樹脂(3)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(3)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例4で得られた吸水性樹脂(4)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(4)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例5で得られた吸水性樹脂(5)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(5)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例6で得られた吸水性樹脂(6)に変えた以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(6)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレンカーボネート0.1質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤4.0質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(7)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(7)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(7)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、エチレンカーボネート0.1質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤4.03質量部を混合した。上記の混合物を210℃で40分間加熱処理することにより吸水性樹脂(8)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(8)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(8)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.93質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(9)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(9)−1に、さらに、4質量部の水と、植物成分(A1)としてのツバキ科植物の葉抽出物の15質量%水溶液0.5質量部とを噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、粒子状吸水剤(9)を得た。このツバキ科植物の葉抽出物の15質量%水溶液の製品名は、FS−80MOであり、その販売者は、白井松新薬株式会社(所在地:滋賀県甲賀郡水口町宇川37−1))である。
調合の条件を変える以外は参考例1と同様にして、不定形破砕状の吸水性樹脂(7)を得た。
噴霧混合される水の質量が8質量部に変更された以外は実施例1と同様にして、粒子状吸水剤(10)を得た。
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)の搬送速度の評価を行った。
水を噴霧混合しない以外は実施例1と同様にして、比較用粒子状吸水剤(1)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.9質量部を混合した。上記の混合物を210℃で45分間加熱処理することにより比較用吸水性樹脂(2)−1を得た。100質量部の吸水性樹脂(2)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、比較用粒子状吸水剤(2)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、プロピレングリコール0.55質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.35質量部及び水3質量部からなる表面架橋剤3.93質量部を混合した。上記の混合物を210℃で25分間加熱処理することにより比較用吸水性樹脂(3)−1を得た。100質量部の比較用吸水性樹脂(3)−1にさらに水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間硬化し、比較用粒子状吸水剤(3)を得た。
加熱処理の時間が70分に変更された以外は実施例1と同様にして、比較用粒子状吸水剤(4)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)が、参考例7で得られた吸水性樹脂(7)に変更された以外は、実施例1と同様にして、比較用粒子状吸水剤(5)を得た。
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に対し、プロピレングリコール2.0質量部、2−オキサゾリジノン0.4質量部及び水5質量部からなる表面架橋剤7.4質量部を混合して混合物を得た。この混合物を、185℃で70分間加熱処理することにより比較用吸水性樹脂(6)−1を得た。100質量部の比較用吸水性樹脂(6)−1に対し、水4質量部を噴霧混合した。得られた混合物を60℃で1時間乾燥硬化させることにより、比較用粒子状吸水剤(6)を得た。
比較例1で得られた比較用粒子状吸水剤(1)の搬送速度の評価を行った。
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)を吸収体として性能評価するために上記(h)吸収体性能評価の方法に従って評価用吸収体(1)を作製した。
実施例5で得られた粒子状吸水剤(5)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って評価用吸収体(2)を作製した。
比較例2で得られた比較用粒子状吸水剤(2)を吸収体として性能評価するために上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(1)を作製した。
比較例3で得られた比較用粒子状吸水剤(3)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(2)を作製した。
比較例4で得られた比較用粒子状吸水剤(4)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(3)を作製した。
比較例5で得られた比較用粒子状吸水剤(5)を吸収体として性能評価するために、上記(h)吸収体性能評価の方法に従って比較用評価用吸収体(4)を作製した。
実施例1で得られた粒子状吸水剤(1)を用いて、吸収体作製機により連続で吸収体を100枚作製した。作製した吸収体100枚からランダムに10枚をピックアップし、吸収体内の粒子状吸水剤(1)の量を測定した。測定結果および標準偏差を表6に示す。
比較例1で得られた比較用粒子状吸水剤(1)を用いて、吸収体作製機により連続で吸収体を100枚作製した。作製した吸収体100枚からランダムに10枚をピックアップし、吸収体内の比較用粒子状吸水剤(1)の量を測定した。吸収体作製機及びその設定等は、実施例14と全く同じである。測定結果および標準偏差を表6に示す。
Claims (7)
- 酸基および/またはその塩含有不飽和単量体由来の構成単位を有する水膨潤性架橋重合体(A)と水(B)とを含み、下記(a)〜(e)を満たす粒子状吸水剤。
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜45g/gである。
(b)加圧下吸収倍率(AAP:0.90g)が20〜33g/gである。
(c)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が2〜8質量%である。
(d)105℃で3時間乾燥させたときの乾燥減量に基づき算出される含水率が0.5質量%以下とされた際の摩擦帯電電荷が正電荷である。
(e)下記式(I)で規定される加圧下通液効率(PPUP)が60〜100%である。
PPUP(%)=(AAP:5.0g)/(AAP:0.90g)*100 (I)
ただし、(AAP:0.90g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、0.90gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率であり、(AAP:5.0g)は、4.8kPaの圧力下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率であって、5.0gの粒子状吸水剤を用いて測定された加圧下吸収倍率である。 - 0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が28〜4 0g/gである請求項1に記載の粒子状吸水剤。
- 搬送速度安定指数が0〜4.0%である請求項1又は2に記載の粒子状吸水剤。
- 標準篩分級で規定された質量平均粒子径が200〜500μmであり、150μm以上の粒子が全体の90〜100質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の粒子状吸水剤。
- 植物成分(A1)をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の粒子状吸水剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粒子状吸水剤と摩擦帯電電荷が負電荷の親水性繊維とを含んで成形されてなり、
前記親水性繊維が、木材パルプ、コットンリンター、架橋セルロース繊維、レーヨン、 綿、羊毛、アセテート又はビニロンである、衛生材料用の吸収体。 - 請求項6に記載の吸収体、液透過性を有する表面シート及び液不透過性を有する背面シートを備えた、吸収性物品。
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