JP5248001B2 - 真空成膜装置および真空成膜方法 - Google Patents
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ところがこのものでは、成膜処理室内を、成膜処理をする毎に大気圧→真空→大気圧にする処理を繰返し行う必要があるが、成膜処理室内の空気を真空ポンプを用いて大気圧状態から真空状態にするのにどうしても時間がかかり、作業性が未だ充分とはいえないという問題がある。
そこで成膜処理室を、シャッターを介してワーク室側とターゲット室側とに二分し、ワーク室側は大気圧→真空→大気圧の処理を繰返すが、ターゲット室側は真空状態のままに維持するように構成することが考えられる。ところで従来、ターゲットの交換を容易にするためワーク室側とターゲット室側とをシャッタを介して二分しするようにしたものが提唱されている(例えば、特許文献2参照。)。
請求項2の発明は、請求項1において、シャッター装置は、第一金型の開口端に支持される基台と、該基台に開設されターゲット室とワーク室とを連通する連通孔の開閉をする開閉体とを備えて構成されている真空成膜装置である。
請求項3の発明は、請求項2において、前記連通孔は、ワーク室側が小径のテーパ状に形成されていることを特徴とする真空成膜装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一つにおいて、シャッター装置は、第一金型に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする真空成膜装置である。
請求項5の発明は、請求項2乃至4の何れか一つにおいて、基台は、第一金型側に支持される第一支持プレートと、該第一支持プレートに積層状に設けられる第二支持プレートとにより構成され、開閉体は、両支持プレートのあいだに移動自在に配されている真空成膜装置である。
請求項6の発明は、請求項5において、開閉体と基台とのあいだには、開閉体が連通孔の閉鎖姿勢に移動する過程で該開閉体を第二支持プレート側に変位するよう誘導するよう誘導手段が設けられ、開閉体を、連通孔の閉鎖姿勢で第二支持プレート側に封止状に当接して第一支持プレートのプレート面とは離間する状態とし、ターゲット室の真空状態を維持するように構成した真空成膜装置である。
請求項7の発明は、請求項5または6において、開閉体は、閉鎖姿勢から開放姿勢に移動する過程で、第二支持プレートに封止状に突き当てられたワーク室の気圧を受けて第一支持プレートのプレート面側に変位するように構成されている真空成膜装置である。
請求項8の発明は、真空成膜するためのターゲットが配されるターゲット室側の第一金型と、ワークが配されるワーク室側の第二金型とを型合わせした後、該ワークの一部に成膜することを連続的に行うようにした真空成膜方法において、第一金型にターゲット室の開閉をするため設けたシャッター装置を、前記両金型が型合わせされてから成膜されるまでのあいだ開放姿勢となってワークの真空成膜をし、該真空成膜後、次の型合わせがなされるまでのあいだ閉鎖姿勢となってターゲット室を真空状態に維持するようにすると共に、ワークの一部を突き当て状に型合わせしてマスキングすることを特徴とする真空成膜方法である。
請求項2の発明とすることにより、シャッター装置を円滑に開閉することができる。
請求項3の発明とすることにより、ワークの一部を、テーパ状に形成された連通孔縁で真空成膜装置から隠して成膜されないようにしてマスキングすることができるようになっている。
請求項4の発明とすることにより、適宜シャッター装置を変更して成膜することができ、例えば、ワークの成膜したい部分に合った前記連通孔の形状を有するシャッター装置を取り付けることにより、好みの成膜を施することができる。
請求項5の発明とすることにより、シャッター装置を円滑に開閉することができる。
請求項6の発明とすることにより、シャッター装置の閉鎖姿勢では、ターゲット室の封止性を向上することができる。
請求項7の発明とすることにより、シャッター装置の開放作動を円滑に行うことができる。
請求項8の発明とすることにより、ワークの一部を残して成膜するにあたり、ターゲット室を真空状態に維持できて、製造時間の短縮、作業性の向上を図ることができ、コスト低下に寄与できる。
次いで可動金型5が型離れ方向に移動するが、このとき第一成形体2は可動金型5側に、第二成形体3は固定金型6側に残る(図3(C)参照)ように設定されている。
ところで、前記型合わせがなされるまでのあいだ、前記シャッター装置13を構成するシャッター17は閉鎖姿勢のままに維持され、ターゲット室7bを真空状態のままに維持しているが、前記型合わせがなされた後、アクチュエータ14の駆動に基づいてシャッター17が開方向に移動して開放姿勢となり、これによって、シャッター装置13は成膜用金型7aのターゲット室7bと第一成形用金型5d(ワーク室5f)とが連通する姿勢となる(図4(B)参照)。そしてこの状態で、成膜装置7の室内を真空にすべく真空ポンプPが作動し(真空工程)、所期の真空状態になる等して真空成膜の条件が整うと、前記第一成形体2の型面6aからの型離れ面が成膜Fされるが、該成膜Fは、前記非成膜部2bを残して対向面2aに成膜される。つまり、非成膜部2bは、シャッター装置13に突き合わされており、成膜用金型7aの後述するターゲット室7bに露出しないため、成膜されないものとすることができる(成膜工程、図4(C)参照)。
続いて該成膜Fがなされた後、アクチュエータ14の逆駆動に基づいてシャッター17が閉方向に移動し、これによってシャッター装置13は成膜用金型7a内を密閉状に閉鎖する(図4(D)参照)。そしてこの閉鎖は次回の成膜工程(成膜するための型合わせ工程)に至るまで維持されることになる。
そして、前記第一、第二成形体2、3とが対向した状態で金型同志5、6を型合わせし、第一、第二成形体2、3同志を樹脂材18で一体化することにより、成膜成形体1を製造する二次の射出工程(図5(C)参照)が実行され、しかる後、可動金型5の型離れ方向の移動、成膜成形体1の取り出し(図5(D)参照)がなされ、しかる後、可動金型5の各対応する型面5a、6aと5b、6b同志が対向するよう型表面に沿う方向の移動(図面で左方向)をし、これら一連の工程を繰返すことで、成膜成形体1の連続した製造ができるようになっており、このようにして一次成型、成膜、そして二次成型が実行されることになって成膜成型体1が製造されるようになっている。
前記シャッター装置13は、前述したように、真空成膜装置7を構成する成膜用金型7aの開口端に設けられるものであり、アクチュエータ14と、作動体15と、案内体16と、シャッター17とを備えて構成されるが、さらに、成膜用金型7aの開口端に支持(固定)される本発明の基台Bを備えて構成されている。そして、シヤッター装置13の基台Bは、積層状に配される第一、第二支持プレート19、20により構成されており、これら第一、第二支持プレート19、20に開設したターゲット粒子飛散用の連通孔19a、20aを、第一、第二支持プレート19、20のあいだに移動自在に配されたシャッター17により開閉する構成となっている。そして、成膜成形体1を成形する過程で、第一成形用金型5dは、成膜用金型7aの開口端に配されたシャッター装置13のシャッター17配設外周縁部に突き当てられ、該部位を封止状に覆う状態で型合わせされるように設定され、この状態において、シャッター装置13により、成膜装置7が内装される成膜用金型7a側のターゲット室7bと第一成形用金型5d側のワーク室5fとが仕切られ(図4(a)参照)、シャッター17が開放姿勢になることにより、連通孔19a、20aを介してターゲット室7bとワーク室5fとが連通(図4(B)参照)するように構成されている。因みに、シャッター装置13は、第一、第二支持プレート19、20の周縁部に螺子孔S1、S2が形成されており、該螺子孔S1、S2を、成膜用金型7aにボルトS3で螺合することにより、成膜用金型7aに着脱自在に取り付けられている。
尚、シャッター装置13の説明は、以降、図2の取り付け状態を正面図として方向設定した状態で説明する。
尚、21は第二支持プレート20の第一支持プレート19側のプレート面(上側面)に凹設されたシール孔20bに配された第一シール材であって、第一支持プレート19の下側面19bに当接してこれらのあいだを封止するように設定されている。22は前記上側面に凹設されたシール孔20cに配された第二シール材であって、閉鎖姿勢のシャッター17の下側面に当接してこれらのあいだを封止するように設定されている。さらに、23は第二支持プレート20のワーク室5f側のプレート面に凹設されたシール孔20dに配された第三シール材であって、型合わせされた第一成形用金型5dの開口先端面に当接してこれらのあいだを封止するように設定されている。
さらに、シャッター本体部17aの右端縁部には、第一支持プレート19の第一凹部19cの右端縁部に形成される誘導傾斜面19gと移動規制面19hとに対向して、右端ほど下位に偏寄する傾斜面となった誘導傾斜面17c、そして、該誘導傾斜面17cの下端縁部に位置して垂直方向を向く移動規制面17dが形成されている。また、シャッター17の凹部17b形成部位は、本体部17a上面よりも上方に膨出して板圧が厚く形成されており、これによって、本体部17aと凹部17b形成部位とのあいだに上側傾斜面17eが形成されている。
そして、前記図4(A)に示すように、成膜用金型7aと第一成形用金型5dとが型合わせされ、シヤッター装置13に第一成形用金型5dが突当てられた状態において、シヤッター装置13のシヤッター17は閉鎖姿勢となっており、これによって、シヤッター装置13が成膜用金型7a側のターゲット室7bと第一成形用金型5d側のワーク室5fとのあいだを仕切るように設定されている。このとき、第一成形用金型5dは、型表面5cが第二支持プレート20に突当てられるが、型面5aが第二支持プレート20の第三シール材23の内側に位置して、ワーク室5fの封止がなされるように構成されている。
尚、20eは、連通孔20aの周縁部に複数内装され、シヤッター本体部17aを第一支持プレート19側に押圧する付勢手段である。
さて次に、本発明が実施された非成膜部2bの形成方法について詳細に説明をする。
そして、図4(C)に示すように、成膜Fは、第一成型体2を残した状態の第一成形用金型5dを成膜用金型7aに型合わせして形成されるが、該型合わせ状態のマスキング部Mは、非成膜部2bと密着状に当接して第二連通孔20a(ターゲット室7b)に露出しないと共に、隙間から成膜されてしまうことのないように形成されており、この結果、マスキング部Mは、非成膜部2bを真空成膜装置7の成膜から保護することができるようにすることができる。
尚、シャッター装置13は、固定金型6にボルト締め等の着脱自在に固着されており、例えば、第一成型体2にマスキングの必要がない場合に取り外したり、マスキングする範囲の異なるマスキング部Mを備えたシャッター装置に付け替えることができる。
2 第一成形体
2b 非成膜部
3 第二成形体
4 成膜成形装置
5 可動金型
5f ワーク室5
6 固定金型
7 真空成膜装置
7a 成膜用金型
7b ターゲット室
8 架台
13 シャッター装置
14 アクチュエータ
15 作動体
16 案内体
17 シヤッター
19 第一支持プレート
19a 第一連通孔
20 第二支持プレート
20a 第二連通孔
21 シール材
F 成膜
M マスキング部
Claims (8)
- 真空成膜するためのターゲットが配されるターゲット室側の第一金型と、ワークが配されるワーク室側の第二金型とを型合わせして該ワークの一部を残して成膜するための真空成膜装置において、第一金型には、ターゲット室の開閉をすると共に、ワークの一部に突き当て状に型合わせしてマスキングするためのマスキング部を有するシャッター装置が設けられていることを特徴とする真空成膜装置。
- 請求項1において、シャッター装置は、第一金型の開口端に支持される基台と、該基台に開設されターゲット室とワーク室とを連通する連通孔の開閉をする開閉体とを備えて構成されている真空成膜装置。
- 請求項2において、前記連通孔は、ワーク室側が小径のテーパ状に形成されていることを特徴とする真空成膜装置。
- 請求項1乃至3の何れか一つにおいて、シャッター装置は、第一金型に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする真空成膜装置。
- 請求項2乃至4の何れか一つにおいて、基台は、第一金型側に支持される第一支持プレートと、該第一支持プレートに積層状に設けられる第二支持プレートとにより構成され、開閉体は、両支持プレートのあいだに移動自在に配されている真空成膜装置。
- 請求項5において、開閉体と基台とのあいだには、開閉体が連通孔の閉鎖姿勢に移動する過程で該開閉体を第二支持プレート側に変位するよう誘導するよう誘導手段が設けられ、開閉体を、連通孔の閉鎖姿勢で第二支持プレート側に封止状に当接して第一支持プレートのプレート面とは離間する状態とし、ターゲット室の真空状態を維持するように構成した真空成膜装置。
- 請求項5または6において、開閉体は、閉鎖姿勢から開放姿勢に移動する過程で、第二支持プレートに封止状に突き当てられたワーク室の気圧を受けて第一支持プレートのプレート面側に変位するように構成されている真空成膜装置。
- 真空成膜するためのターゲットが配されるターゲット室側の第一金型と、ワークが配されるワーク室側の第二金型とを型合わせした後、該ワークの一部に成膜することを連続的に行うようにした真空成膜方法において、第一金型にターゲット室の開閉をするため設けたシャッター装置を、前記両金型が型合わせされてから成膜されるまでのあいだ開放姿勢となってワークの真空成膜をし、該真空成膜後、次の型合わせがなされるまでのあいだ閉鎖姿勢となってターゲット室を真空状態に維持するようにすると共に、ワークの一部を突き当て状に型合わせしてマスキングすることを特徴とする真空成膜方法。
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