JP5247579B2 - 故障予測装置 - Google Patents

故障予測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5247579B2
JP5247579B2 JP2009109379A JP2009109379A JP5247579B2 JP 5247579 B2 JP5247579 B2 JP 5247579B2 JP 2009109379 A JP2009109379 A JP 2009109379A JP 2009109379 A JP2009109379 A JP 2009109379A JP 5247579 B2 JP5247579 B2 JP 5247579B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
toilet
failure prediction
warning
failure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009109379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010257387A (ja
Inventor
真二 市村
聡郎 中田
正裕 高木
健 高木
英美子 津田
雄一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Koito Electric IndustriesLtd
Original Assignee
Toto Ltd
Koito Electric IndustriesLtd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd, Koito Electric IndustriesLtd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2009109379A priority Critical patent/JP5247579B2/ja
Publication of JP2010257387A publication Critical patent/JP2010257387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5247579B2 publication Critical patent/JP5247579B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Safety Devices In Control Systems (AREA)

Description

本発明は、アクチュエータによって物体を一定の軌跡に沿って正逆両方向に駆動し、前記軌跡上の所望の位置に前記物体を位置決めする駆動機構に設けられ、該駆動機構における故障を予測するための故障予測装置に関する。ここでアクチュエータ(Actuator)とは、入力された電力を物理的運動に変換するものであって、機械ないし電気回路を構成する機械要素であり、一般には伸縮や屈伸といった単純な運動を行うものが該当する。
従来より、アクチュエータを利用して電動で各種動作を行う装置は多数知られており、その中でも例えば、電動モータの回転力をシャフトの直線運動に変換するタイプのものでは、様々な駆動機構に利用されている。このようなアクチュエータを含む駆動機構を利用して、本件発明者らは便器全体を昇降させることにより、お年寄りの立ち座りの補助や床清掃時の便宜を図ることが可能な昇降便器を新たに検討している。
かかる昇降便器は、従来より知られている便座を昇降させるだけではなく、便器全体を昇降させるものであるため、当然より大きな荷重を支えることが必要になると共に、なおさら安全性が求められるものであった。ところが、前述した駆動機構では、その構成部品であるアクチュエータやリミットスイッチ等が故障するまでが寿命とされていたので、次のような不都合が予想される。
すなわち、駆動機構の構成部品(アクチュエータ、リミットスイッチ等)が故障した場合、昇降機能が動作不可能となる上、停止する位置が不明確であることから、利用者にとって不便な高さで停止する虞がある。また、故障した構成部品を交換するまでの間は、不便な高さで便器を利用しなければならない。
ところで、従来この種の駆動機構において寿命を判定するための方法としては、例えば特許文献1に記載されているワーク位置決め装置の故障予測方法が知られている。この故障予測方法は、ワークのX,Y,Z軸上の位置決め目標値を計数手段により位置決め工程毎に計数し、この計数値と重み付けした定数とを夫々乗算し、乗算より求まる値の累積値を求め、この累積値と寿命設定値とを夫々比較し、前記累積値が寿命設定値を超えた時、作動機構の故障を判定するものであった。
特許第2814544号公報
しかしながら、前述したような特許文献1に記載の従来の技術では、ワーク位置決め装置の三次元座標系のX,Y,Z軸の作動機構の寿命の到来を夫々個別に正確に予測するものであり、単にワークを正逆両方向に直線運動させるような比較的単純な駆動機構に適用する場合には、徒に処理工程が多く複雑となり、コストアップを招くという問題が生じることになる。また、作動機構の故障を判定した後の対応としては、特に作動機構の動作を規制するものではなく、その後のワークの動作に関する安全面においても問題であった。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、駆動機構における故障を非常に簡易な制御によって確実かつ容易に予測することができ、しかも、安全かつ利便性が損なわれない位置で物体を停止させることで、駆動機構に故障が生じたと判断された場合であっても、製品として最低限の機能を果たすことができる故障予測装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]アクチュエータ(30)によって物体(11)を一定の軌跡に沿って正逆両方向に駆動し、前記軌跡上の所望の位置に前記物体(11)を位置決めする駆動機構(20)に設けられ、該駆動機構(20)における故障を予測するための故障予測装置(100)において、
外部からの入力操作に基づき前記アクチュエータ(30)を作動させる操作部(70)と、前記物体(11)の正逆両方向への変位を検知する変位検知手段(50)と、前記駆動機構(20)を管理するための制御手段(60)とを備え、
前記制御手段(60)は、
前記変位検知手段(50)による検知結果に基づき前記物体(11)の移動距離を算出し、前記アクチュエータ(30)が作動する毎に前記移動距離を積算する演算手段(61)と、
前記駆動機構(20)の構成部品のうち最も耐久性の低い部品に関して、その耐久寿命を前記物体(11)の移動距離に換算して予め定めた寿命距離と、前記演算手段(61)による積算値とを比較する比較手段(62)と、
前記積算値が前記寿命距離に到達した場合に、前記最も耐久性の低い部品は故障が予測される状態にあると判定する判定手段(63)と、
前記判定手段(63)による判定に基づいて、前記故障が予測される状態にある旨の警告を行う警告手段(64)と、
前記警告手段(64)による警告を行った後、前記操作部(70)における入力操作に関わらず前記アクチュエータ(30)を作動させない停止手段(65)と、
を有することを特徴とする故障予測装置(100)。
[2]前記停止手段(65)は、前記アクチュエータ(30)の作動に関して、前記物体(11)の正逆両方向への駆動のうち何れか一方のみの駆動は可能とすることを特徴とする[1]に記載の故障予測装置(100)。
[3]前記最も耐久性の低い部品は、前記アクチュエータ(30)であることを特徴とする[1]または[2]に記載の故障予測装置(100)。
[4]前記変位検知手段(50)は、前記アクチュエータ(30)自体に設けられ、該アクチュエータ(30)における駆動側ないし従動側の部品の変位を通じて、前記物体(11)の正逆両方向への変位を間接的に検知するエンコーダであることを特徴とする[1],[2]または[3]に記載の故障予測装置(100)。
[5]前記物体(11)は便器本体であり、
前記駆動機構(20)は、前記便器本体を上下方向に駆動して任意の高さ位置に保持するものであることを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載の故障予測装置(100)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の故障予測装置(100)によれば、使用者は操作部(70)の入力操作によって、駆動機構(20)のアクチュエータ(30)を作動させる。このアクチュエータ(30)によって、物体(11)を一定の軌跡に沿って正逆両方向に駆動し、軌跡上の所望の位置に物体(11)を位置決めすることができる。
物体(11)の正逆両方向への変位は、変位検知手段(50)によって検知される。そして、前記操作部(70)における入力操作に関する信号や、前記変位検知手段(50)の検知に関する信号は、それぞれ制御手段(60)に入力されることにより、制御手段(60)によって駆動機構(20)は集中的に管理される。
このような駆動機構(20)を用いて、物体(11)の移動ないし位置決めを繰り返すと、駆動機構(20)の構成部品のうち特に作動に直接関わるようなアクチュエータ(30)等の構成部品は、物体(11)の移動距離の積算に応じて経年劣化が進行し、かかる経年劣化がある程度以上になると故障が発生する虞がある。
そこで、前記制御手段(60)により、前記駆動機構(20)においてアクチュエータ(30)を含む各種構成部品のうち最も耐久性の低い部品における故障を予測する。具体的には先ず、演算手段(61)によって、前記変位検知手段(50)による検知結果に基づき前記物体(11)の移動距離を算出し、前記アクチュエータ(30)が作動する毎に前記移動距離を積算する。
次に、比較手段(62)によって、前記駆動機構(20)の構成部品のうち最も耐久性の低い部品に関して、その耐久寿命を物体(11)の移動距離に換算して予め定めた寿命距離と、前記演算手段(61)による積算値とを比較する。そして判定手段(63)によって、前記積算値が前記寿命距離に到達した場合に、前記最も耐久性の低い部品は故障が予測される状態にあると判定する。
続いて、警告手段(64)によって、前記判定手段(63)による判定に基づき、前記故障が予測される状態にある旨の警告を行う。さらに、停止手段(65)によって、前記警告手段(64)による警告が行われた後、前記操作部(70)における入力操作に関わらず前記アクチュエータ(30)を作動させない制御を行う。
以上のような処理によれば、駆動機構(20)における故障を非常に簡易な制御によって確実かつ容易に予測することができる。特に、警告された際は実際には未だ故障していないため、駆動機構(20)の作動は可能であるが、警告された後には、前記操作部(70)における入力操作に関わらず前記アクチュエータ(30)を作動させない。これにより、安全性が高められると共に、例えば警告中の所定の時間内または所定の移動距離内に限れば、都合の良い位置まで物体(11)の移動を可能とすることで、物体(11)の使用等に関する利便性も高められる。
ただし、警告された後は前記アクチュエータ(30)の作動を制限することにより、安全性を高める必要がある。ここで前記[2]に記載したように、アクチュエータ(30)の作動に関して、物体(11)の正逆両方向への駆動のうち何れか一方のみの駆動は可能としても良い。これにより、安全かつ利便性が損なわれない位置方向であれば、前記警告の後もアクチュエータ(30)の作動を許容することにより、製品として最低限の機能を果たすことが可能となる。
また、警告された後は、故障が予測される状態にあると判定された最も耐久性の低い部品を交換することになる。ここで最も耐久性の低い部品とは、前記[3]に記載したように、作動に直接関わるアクチュエータ(30)とすれば良い。つまり、アクチュエータ(30)の故障が予測される状態にあると判定された時点で、アクチュエータ(30)の部品交換を促すことになり、もって安全性を高めることができる。
さらに、前記変位検知手段(50)に関しては、物体(11)の正逆両方向への変位を機械的または電気的に検知するものであれば何でも良いが、例えば前記[4]に記載したように、前記変位検知手段(50)は前記アクチュエータ(30)自体に設けられ、該アクチュエータ(30)における駆動側ないし従動側の部品の変位を通じて、前記物体(11)の下方への変位を間接的に検知するエンコーダとすると良い。
これにより、例えば、物体(11)と接触するリミットスイッチや物体(11)を外部から光学的あるいは磁気的に監視するセンサのように、アクチュエータ(30)以外の部品を別途付加する必要がなく、全体として簡易に構成することが可能となる。
なお、前記[5]に記載したように、前記物体(11)を便器本体とすることにより、極めて安全かつ利便性の高い昇降便器を実現することができる。
本発明に係る故障予測装置によれば、駆動機構における故障を非常に簡易な制御によって確実かつ容易に予測することができる。しかも、警告された際には未だ故障していないため、実際には駆動機構の作動は可能であるが、警告された後には、操作部における入力操作に関わらずアクチュエータを作動させないから、安全性を高めることができる。その一方、警告中の所定の時間内または移動距離に限れば、都合の良い位置まで物体の移動を可能とすることで、物体(製品)に関する最低限の機能を果たすことが可能となり、物体(製品)の使用等に関する利便性も高めることができる。
本発明の実施の形態に係る故障予測装置を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る故障予測装置を搭載した昇降便器の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る昇降便器の便器本体を通常位置よりも低い最下位置に保持している際の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る昇降便器の便器本体を通常位置よりも高い位置に保持している際の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る昇降機構を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る昇降機構の作動状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアクチュエータを示す正面図である。 本発明の実施の形態に係るアクチュエータを示す底面図である。 図7のIX−IX線断面図である。 本発明の実施の形態に係る故障予測装置の作用を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るリモコンの作用を説明するための説明図である。
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係る故障予測装置100を概略的に示すブロック図であり、図2は、故障予測装置100を搭載した昇降便器10の構成を示す斜視図である。図3は、昇降便器10を通常位置よりも低い最下位置に保持している際の外観を示す斜視図であり、図4は、昇降便器10を通常位置よりも高い位置に保持している際の外観を示す斜視図である。以下、本発明に係る故障予測装置100を昇降便器10に搭載した例について説明する。
図2ないし図4に示すように、本実施の形態における昇降便器10は、従来より知られている便座の昇降だけでなく、便器11全体を昇降させるものである。かかる昇降便器10は、一般的な洋式タイプの便器11の上面に、便座(図示せず)および便蓋12(図3若しくは図4参照)が開閉可能に取り付けられており、これら便器11全体が昇降機構(駆動機構)20のアクチュエータ30によって上下方向に駆動される(図5若しくは図6参照)。すなわち、物体としての便器11は、アクチュエータ30によって上下に伸びる一定の軌跡に沿って正逆(上下)両方向に駆動され、軌跡上の所望の位置に位置決めされる。
図5および図6に示すように、昇降機構20は、フロア上に設置される固定フレーム21と、該固定フレーム21に対して上下方向に移動可能に支持された可動フレーム22とから成り、固定フレーム21に配設されたアクチュエータ30の駆動により、可動フレーム22と共に該可動フレーム22に支持された便器11が上下方向に駆動する。また、可動フレーム22の上部には水洗タンク24(図2参照)が配設される。なお、昇降機構20やアクチュエータ30等は、図3に示すように棚仕様のハウジング25内に収納される。
図7ないし図9に示すように、アクチュエータ30はユニットとして構成されており、そのケース31内に収納された駆動系と、ケース31に対して出没し上下方向に駆動させるシャフト37を備えている。シャフト37の先端部37aが前記可動フレーム22側に押し引き可能に連結される。詳しく言えばアクチュエータ30の駆動系は、電動モータ32と、該電動モータ32の出力軸に固定されたウォーム33と、該ウォーム33に噛み合い回転するウォームホィール34とを備えて成る。
ウォームホィール34には、その中心軸を通るようにスクリュー35が固定されており、該スクリュー35に対してスピンドルナット36が相対的に回転可能に螺合している。また、スクリュー35には、その軸方向に移動可能にシャフト37が外嵌しており、シャフト37の基端は、スピンドルナット36に固定されている。
スピンドルナット36の外周部には突条としてのリブ36aが設けられており、スピンドルナット36の外周部が摺接するケース31の内壁には、リブ36aを軸方向へ直線状に案内する凹溝(図示せず)が設けられている。これにより、スクリュー35の回転によって、その軸方向へスピンドルナット36が送られ、結果としてシャフト37が上下動する。
このようなアクチュエータ30には、電動モータ32の回転を止めると、従動側が自動的に固定されるセルフロック機能が備わっている。すなわち、ウォーム33側からのみ駆動が可能であり、従動側であるウォームホィール34側から駆動側であるウォーム33を回転することができない。このようなセルフロック機能は、ウォーム33のねじれ角度や、ウォームホィール34との摩擦力の大きさによってロック性が定まる。
また、アクチュエータ30には、前記セルフロック機能における保持力を高めるためのブレーキ手段40が付加されている。ブレーキ手段40は、スクリュー35の基端側に合成樹脂製のドラム41を回転不能に軸支し、該ドラム41の外周にコイルスプリング42を巻き付けて成るブレーキスプリングである。かかるブレーキ手段40は、アクチュエータ30のセルフロック力を高めるために、前記シャフト37が下降する(縮む)方向に反力を発生させる。
詳しく言えば、コイルスプリング42の一端側は定位置に固定され、他端側は遊び端としてドラム41の外周に摺接している。ここでコイルスプリング42は、シャフト37が上昇する(伸びる)方向にスクリュー35が回転する時は拡径する一方、シャフト37が下降する(縮む)方向にスクリュー35が回転する時は縮径するように巻き付けられている。このコイルスプリング42の摩擦力によって、前記セルフロック機能だけでは保持しきれない重量でも、所定の位置に安全に保持することができる。
さらに、アクチュエータ30には、前記便器11の上下方向(正逆両方向)への変位を検知する変位検知手段50が組み込まれている。かかる変位検知手段50は、アクチュエータ30を構成する駆動側ないし従動側の部品の変位を通じて、前記便器11の下方または上方への変位を間接的に検知するエンコーダである。かかるエンコーダは、ロータ51とホール素子実装基板52とを有して成る。
詳しく言えば、ロータ51には、その円周方向にN極とS極が交互に着磁されたマグネットが並ぶように装着されており、ロータ51は、前記ウォームホィール34の片面に該ウォームホィール34と一体に回転するように取り付けられている。また、ホール素子実装基板52は、ロータ51のマグネットに対向させて、定位置に配置されている。
変位検知手段50では、ホール素子実装基板52上のホール素子が回転するロータ51のマグネットの磁束密度に応じた検出電圧を出力し、例えば前記シャフト37が1mm昇降する度にパルス信号を出力するように設定されている。なお、ロータ51の回転の向きに合わせて、タイミング(位相)がずれたA相およびB相のパルスが出力されるため、シャフト37が下降するか上昇するかも判断することができる。
図1に示すように、アクチュエータ30の電動モータ32には、外部から給電される電源部が給電線を介して接続されている。また、変位検知手段50は、信号線を介して次述する制御手段60に接続されている。アクチュエータ30は、図1に示す制御手段60によって制御される。制御手段60には、外部からの入力操作に基づきアクチュエータ30を作動させる操作部70も信号線を介して接続されている。また、便器11の最上端位置および最下端位置をそれぞれ検知するリミットスイッチ72も信号線を介して接続されている。
操作部70はリモコンとして構成されており、図11に示すように、便器11を上昇させるための上昇信号を出力する上昇ボタン70aと、便器11を下降させるための下降信号を出力する下降ボタン70bが設けられている。それぞれのボタン70a,70bは、押し(ON)操作時に信号を出力するように設定されており、押し操作を止めた(OFF)時点で、便器11の昇降、すなわち電動モータ32の駆動が停止するように設定されている。
図1に示すように、制御手段60は、操作部70からの制御信号を受けてアクチュエータ30の電動モータ32を駆動し、便器11の昇降を制御するものである。かかる制御手段60は、具体的には例えば、各種制御の中枢的機能を果たすCPU(中央処理装置)と、CPUの実行するプログラムや各種の固定的データを記憶するROMと、プログラムを実行する上で一時的に必要になるデータを記憶するためのRAM等を主要部とする回路により構成されている。
本発明の根幹を成す故障予測装置100は、前記制御手段60から構成されており、制御手段60は、操作部70の操作に応じて便器11を昇降させる基本的な機能の他、図1に示すように、演算手段61、比較手段62、判定手段63、警告手段64、停止手段65等の各種機能を有している。これらの機能は、何れもCPUによって実現されるものである。
詳しく言えば、演算手段61は、変位検知手段50による検知結果(パルス信号)に基づき便器11の移動距離を算出し、アクチュエータ30が作動する毎に前記移動距離を積算する機能である。比較手段62は、昇降機構20の構成部品のうち最も耐久性の低い部品に関して、その耐久寿命を便器11の移動距離に換算して予め定めた寿命距離と、前記演算手段61による積算値とを比較する機能である。
ここで最も耐久性の低い部品はアクチュエータ30として定められ、該アクチュエータ30の電動モータ32、あるいはウォーム33やウォームホィール34等の耐久寿命を、便器11の移動距離に換算して予め定めた寿命距離を、記憶装置等に記憶させておく。なお、寿命距離を定める際には、安全性を高める上で経験的ないし実験的に算出された耐久寿命よりも少し短く設定しておくと良い。
判定手段63は、前記積算値が前記寿命距離に到達した場合に、前記最も耐久性の低い部品であるアクチュエータ30に故障が予測される状態にあると判定する機能である。警告手段64は、前記判定手段63による判定に基づいて、前記故障が予測される状態にある旨の警告を行う機能である。前記操作部70を成すリモコンには、実際の警報を報知するための報知手段71が組み込まれている。報知手段71は、視覚的な報知を行う表示ランプのほか、聴覚的な報知を行う警報ブザー等が該当する。
停止手段65は、前記警告手段64による警告を行った後、例えば所定時間の経過後または所定距離移動後に前記操作部70における入力操作に関わらずアクチュエータ30を作動させない処理を行う機能である。ここで警告と同時ではなく、警告後、例えば所定時間の経過後または所定距離移動後にアクチュエータ30の作動を規制するのは、便器11を都合の良い位置まで移動させる間を与えるためである。
ただし、停止手段65は、アクチュエータ30の作動に関して、便器11の正逆両方向への駆動のうち何れか一方のみの駆動は可能とする。詳しくは、便器11の昇降のうち下降方向のみ動作を可能とする。これは、下降方向であれば、便器11の利便性を確保することができると共に、安全面においても特に問題ないからである。
次に、本実施の形態に係る故障予測装置100の作用について説明する。
昇降便器10の動作に関しては、昇降機構20のアクチュエータ30によって便器11全体が上下方向に駆動される。すなわち、操作部70の上昇ボタン70aが押されると、その間に上昇を指示する制御信号が出力され、制御手段60は、シャフト37が上昇する(伸びる)ように、スクリュー35が回転する正方向に電動モータ32を駆動する。
一方、操作部70の下降ボタン70bが押されると、その間に下降を指示する制御信号が出力され、制御手段60は、シャフト37が下降する(縮む)ように、スクリュー35が回転する逆方向に電動モータ32を駆動する。なお、便器11の昇降に伴って、操作部70にある報知手段71の高さ表示LED等の表示装置が点灯し、現在の便器11の高さ位置を視覚的に認識することができる。また、便器11が最上端位置ないし最下端位置まで移動した際には、リミットスイッチ72によって検知され、当該位置にて駆動は停止される。
このように昇降させた便器11は、所望の高さ位置に保持することができる。すなわち、操作部70の操作が停止され、電動モータ32の回転が止まった時点で、セルフロック機能によって便器11は当該位置に固定される。さらに、ブレーキ手段40によってセルフロック機能による保持力は高められ、便器11の荷重がセルフロック機能に勝って、便器11が下降しようとしても、コイルスプリング42がドラム41に締め付けられるため、その摩擦力によって便器11は確実に保持される。
ただし、便器11の昇降が繰り返されると、昇降機構20の構成部品のうち特に作動に直接関わるようなアクチュエータ30は、便器11の移動距離の積算に応じて経年劣化が進行し、かかる経年劣化がある程度以上になると故障が発生する虞がある。そこで、故障予測装置100により、前記昇降機構20において最も耐久性の低い部品と予め定めたアクチュエータ30における故障を予測する。
図10は、故障予測装置100の制御手段60がアクチュエータ30の故障を予測する処理を示すフローチャートである。先ず演算手段61によって、変位検知手段50から出力された検知結果(パルス信号)に基づき便器11の移動距離を算出し、アクチュエータ30が作動する毎に前記移動距離を積算する(ステップS100)。例えば、シャフト37が1mm昇降する度にパルス信号が出力される場合、アクチュエータ30が作動する毎に、パルス信号数×1mmの計算式により移動距離はその都度算出され、前回までの積算値に加算されて新たな積算値が記憶更新される。
次に、比較手段62によって、昇降機構20の構成部品のうち最も耐久性の低い部品と定めたアクチュエータ30に関して、その耐久寿命を便器11の移動距離に換算して予め定めた寿命距離と、前記演算手段による積算値とを比較する(ステップS101)。ここで、前記積算値が前記寿命距離に到達した場合には(ステップS101;Y)、判定手段63によって、アクチュエータ30は故障が予測される状態にあると判定される(ステップS102)。なお、前記積算値が前記寿命距離に未だ到達していない場合には(ステップS101;N)、そのまま処理を終了する。
続いて、警告手段64によって、前記判定手段63による判定に基づき、前記故障が予測される状態にある旨の警告を行う(ステップS103)。ここで警告は、図11に示すように、報知手段71の所定のLED等の表示装置を点滅させることにより行うと良い。また、報知手段71による視覚的な警告のほか、聴覚的な報知を行うブザーやアラームを鳴らしても良い。
さらに、前記警告手段64による警告が行われた後、停止手段65によって、前記操作部70における入力操作に関わらずアクチュエータ30を作動させない制御を行う(ステップS104)。かかるアクチュエータ30の作動規制は、前記警告と同時ではなく、警告後、例えば所定時間の経過後または所定距離の移動後に実行することにより、便器11を都合の良い位置まで移動させる間を与える。また、アクチュエータ30の作動に関しては、便器11の下降方向のみ動作を可能とする。これは、下降方向であれば、便器11の利便性を確保することができると共に、安全面においても特に問題ないからである。
このような故障予測装置100によれば、昇降機構20における故障を非常に簡易な制御によって確実かつ容易に予測することができる。しかも、警告された際には未だ故障していないため、実際には昇降機構20の作動は可能であるが、警告された後には、操作部70における入力操作に関わらずアクチュエータ30を作動させないから、安全性を高めることができる。その一方、警告中など所定の時間内または移動距離内に限れば、都合の良い位置まで便器11の移動を可能とすることで、昇降便器としての製品に関する最低限の機能を果たすことが可能となり、製品の使用等に関する利便性も高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述したような実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、昇降機構20の構成部品のうち最も耐久性の低い部品はアクチュエータ30として定めたが、他に例えばアクチュエータ30の代わりにリミットスイッチ72としても良い。
また、本発明の駆動機構である昇降機構20の用途は、昇降便器10に限られるものではなく、他に例えば、電動ジャッキ、歯医者の診察台、介護用のリフト、トラックの荷台等の様々なリフト装置に適用することができる。もちろん、本発明の駆動機構は昇降用に限られるものでもなく、物体を水平方向に移動させる機構に適用しても良い。
さらに、前記実施の形態では、変位検知手段50を、アクチュエータ30自体に組み込まれた磁気式のエンコーダにより構成したが、グリス等の汚れが問題にならないような場合には、光学式のエンコーダを組み込む様に構成しても良い。さらに、エンコーダをアクチュエータ30とは別体として、例えば、便器11と接触するリミットスイッチや、便器11を外部から光学的あるいは磁気的に監視するセンサのように、アクチュエータ30以外の部品を付加することで構成しても良い。
便器全体を昇降させることにより、お年寄りの立ち座りの補助や床清掃時の便宜を図ることが可能な昇降便器において、その駆動機構における故障を非常に簡易な制御によって確実かつ容易に予測することができ、製品の安全性および利便性を高めることに活用することができる。
11…便器
12…便蓋
20…昇降機構
21…固定フレーム
22…可動フレーム
23…取付ベース
24…水洗タンク
25…ハウジング
30…アクチュエータ
31…ケース
32…電動モータ
33…ウォーム
34…ウォームホィール
35…スクリュー
36…スピンドルナット
36a…リブ
37…シャフト
37a…先端部
40…ブレーキ手段
41…ドラム
42…コイルスプリング
50…変位検知手段
51…ロータ
52…ホール素子実装基板
60…制御手段
61…演算手段
62…比較手段
63…判定手段
64…警告手段
65…停止手段
70…操作部
70a…上昇ボタン
70b…下降ボタン
71…報知手段
72…リミットスイッチ
100…故障予測装置

Claims (5)

  1. アクチュエータによって物体を一定の軌跡に沿って正逆両方向に駆動し、前記軌跡上の所望の位置に前記物体を位置決めする駆動機構に設けられ、該駆動機構における故障を予測するための故障予測装置において、
    外部からの入力操作に基づき前記アクチュエータを作動させる操作部と、前記物体の正逆両方向への変位を検知する変位検知手段と、前記駆動機構を管理するための制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記変位検知手段による検知結果に基づき前記物体の移動距離を算出し、前記アクチュエータが作動する毎に前記移動距離を積算する演算手段と、
    前記駆動機構の構成部品のうち最も耐久性の低い部品に関して、その耐久寿命を前記物体の移動距離に換算して予め定めた寿命距離と、前記演算手段による積算値とを比較する比較手段と、
    前記積算値が前記寿命距離に到達した場合に、前記最も耐久性の低い部品は故障が予測される状態にあると判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定に基づいて、前記故障が予測される状態にある旨の警告を行う警告手段と、
    前記警告手段による警告を行った後、前記操作部における入力操作に関わらず前記アクチュエータを作動させない停止手段と、
    を有することを特徴とする故障予測装置。
  2. 前記停止手段は、前記アクチュエータの作動に関して、前記物体の正逆両方向への駆動のうち何れか一方のみの駆動は可能とすることを特徴とする請求項1に記載の故障予測装置。
  3. 前記最も耐久性の低い部品は、前記アクチュエータであることを特徴とする請求項1または2に記載の故障予測装置。
  4. 前記変位検知手段は、前記アクチュエータ自体に設けられ、該アクチュエータにおける駆動側ないし従動側の部品の変位を通じて、前記物体の正逆両方向への変位を間接的に検知するエンコーダであることを特徴とする請求項1,2または3に記載の故障予測装置。
  5. 前記物体は便器本体であり、
    前記駆動機構は、前記便器本体を上下方向に駆動して任意の高さ位置に保持するものであることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の故障予測装置。
JP2009109379A 2009-04-28 2009-04-28 故障予測装置 Active JP5247579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009109379A JP5247579B2 (ja) 2009-04-28 2009-04-28 故障予測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009109379A JP5247579B2 (ja) 2009-04-28 2009-04-28 故障予測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010257387A JP2010257387A (ja) 2010-11-11
JP5247579B2 true JP5247579B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=43318190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009109379A Active JP5247579B2 (ja) 2009-04-28 2009-04-28 故障予測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5247579B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106053047A (zh) * 2016-07-22 2016-10-26 中山市爱马仕洁具有限公司 马桶盖降落时间测试机
CN107144441B (zh) * 2017-07-19 2019-03-05 台州市质量技术监督检测研究院 智能马桶耐久性测试方法
JP7108394B2 (ja) * 2017-10-31 2022-07-28 山洋電気株式会社 モータの保持ブレーキ寿命判定システム、モータの保持ブレーキ寿命判定装置及びモータの保持ブレーキ寿命判定方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2600894B2 (ja) * 1989-03-27 1997-04-16 神鋼電機株式会社 無人車両用エンコーダの保護方法
JP2814544B2 (ja) * 1989-04-27 1998-10-22 日産自動車株式会社 ワーク位置決め装置の故障予測方法
JP4774263B2 (ja) * 2005-09-30 2011-09-14 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 インターロック装置及び媒体搬送装置
JP2007255175A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Suetaro Noda 新型トイレ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010257387A (ja) 2010-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5247579B2 (ja) 故障予測装置
JP5048667B2 (ja) アクチュエータアセンブリおよびベッド
US20160296405A1 (en) Training Apparatus
JP5116147B2 (ja) 荷重センサ内蔵アクチュエータ
JP5680844B2 (ja) 昇降棚装置
JP2007203353A (ja) サーボプレス
WO2011100825A1 (en) Multiple switch float switch apparatus
US20220378635A1 (en) Patient Transport Apparatus With Electro-Mechanical Braking Input Hold Circuit
CN112136195B (zh) 抽头切换器用电动操作装置以及抽头切换方法
JP2005126171A (ja) エレベータの停電時運転装置
US10951141B2 (en) Position management apparatus and assisting apparatus
JP2011125552A (ja) リモコンスイッチ装置、及び電動式作動台
JP6051244B2 (ja) 自立支援型自動服薬機
JP2010247940A (ja) 異常検知装置
JP4534254B2 (ja) 昇降吊戸棚
JP2007215823A (ja) 医療・介護用ベッド
EP3754835A1 (en) Switch assemblies, rail-mounted lift systems, and rail-mounted lift units having emergency stop devices
JP2011126617A (ja) エレベータ電源制御装置、エレベータ電源制御方法及び電源制御プログラム
CN103407847A (zh) 自动平层控制装置
JP5859775B2 (ja) 立体駐車装置
JP5303357B2 (ja) 昇降装置およびこれを備えた昇降式照明器具
KR100793452B1 (ko) 변좌승강장치
JP2007223419A (ja) 車両用液圧装置
JP2005218554A (ja) 便座昇降装置
JP2023069695A (ja) 昇降ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5247579

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250