JP5247478B2 - ロール式連続鋳造機 - Google Patents
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前記凸部は、前記凸部の先端に近づくほど幅が狭くなっていることを特徴とする。
前記冷却ロールの表面には、前記溝よりも浅く、且つ、前記溝よりも幅が狭いスリットが、隣り合う前記溝と溝の間に複数形成されていることを特徴とする。
前記冷却ロールの表面には、先端に近づくほど幅が狭くなっている他の凸部が、隣り合う前記溝と溝の間に複数形成されていることを特徴とする。
前記冷却ロールの表面に液体の冷却媒体を吹き付けて前記冷却ロールを冷却し、且つ、少なくとも、前記冷却ロールの回転により前記溝のうちの前記溶融金属と非接触な部分が前記溶融金属と接触しようとする直前の前記非接触な部分内の温度が、前記冷却媒体の気化温度以上となるように前記冷却ロールへの前記冷却媒体の吹き付け量が設定されているロール冷却手段を備えたことを特徴とする。
前記冷却ロールの軸方向中央部に比べて軸方向両端部の方が、前記溝の密度が高いことを特徴とする。
平行に配置された一対の前記冷却ロールの間に溶融金属が溜まる湯溜まり部を有しており、
前記溝は前記冷却ロールの円周方向に不連続であり、且つ、前記円周方向の長さが、前記湯溜まり部のメニスカスの位置からキッシングポイントの位置までの前記冷却ロールの表面の円周方向の長さよりも、短いことを特徴とする。
また、第8発明のロール式連続鋳造機は、第1〜第7発明の何れかのロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールが平行に一対設けられ、これら一対の冷却ロールの間から引き出された鋳片が何れか一方の冷却ロールに捲き付けられる構成の双ロール式連続鋳造機であり、
且つ、前記鋳片が巻き付けられない冷却ロールに比べて、前記鋳片が巻き付けられる冷却ロールの方が、前記溝の数が多く、もしくは、前記溝の数が多く且つ前記溝の深さも深いことを特徴とする。
その結果、溶融金属が冷却ロールの表面で冷却されて凝固シェルになるときに当該溶融金属の一部が溝内に浸入して溝内で凝固することにより、凝固シェルの一部が溝内に入り込んだ状態になる、という不具合が発生するのを防止することができる。このため、冷却ロールの熱膨張吸収用の溝の熱膨張吸収効果を維持することができ、凝固シェルが冷却ロールの表面から離れる際に凝固シェルの一部が引きちぎられてしまうこともない。なお、凸部の幅は溝の間隔に比べて非常に狭く、凸部ではほとんど熱膨張が生じないため、溶融金属の一部が凸部と凸部の間に浸入して凝固したとしても、熱膨張の吸収に関する問題などが発生する可能性は非常に低い。
なお、更に望ましくは、冷却ロールが1回転する間に変化する溝の内部温度の最低温度が、冷却媒体の気化温度以上となるように前記冷却ロールへの前記冷却媒体の吹き付け量が設定されているロール冷却手段を備えることである。この場合、より確実に、前記非接触な部分が溶融金属に接触する前に前記非接触な部分内に侵入した冷却媒体を気化させて前記非接触な部分内に未気化の冷却媒体を残さないようにすることができる。
第8発明のロール式連続鋳造機によれば、第1〜第7発明の何れかのロール式連続鋳造機において、前記冷却ロールが平行に一対設けられ、これら一対の冷却ロールの間から引き出された鋳片が何れか一方の冷却ロールに捲き付けられる構成の双ロール式連続鋳造機であり、前記鋳片が巻き付けられない冷却ロールに比べて、前記鋳片が巻き付けられる冷却ロールの方が、前記溝の数が多く、もしくは、前記溝の数が多く且つ前記溝の深さも深いことを特徴としているため、何れか一方の冷却ロールに鋳片が巻き付けられて当該冷却ロールへの入熱量が多くなっても、当該冷却ロールの熱膨張を、数を多くした溝、もしくは、数を多くし且つ深さも深くした溝によって、確実に吸収することができる。
図1は本発明の実施の形態例1に係る双ロール式連続鋳造機の側面図、図2は前記双ロール式連続鋳造機の上面図である。また、図3は図2のA部を拡大して示す冷却ロールの第1の構造例の断面図、図4は図2のA部を拡大して示す冷却ロールの第2の構造例の断面図、図5は図3の冷却ロール構造における作用効果を示す図、図6は図4の冷却ロール構造における作用効果を示す図である。また、図7は溝の両側に設ける凸部の他の構造例を示す断面図である。
なお、具体的な凸部37の間隔及び高さについては、適宜、机上計算や試験などを行うことによって設定すればよい。
図7(a)では凸部37の横断面形状が矩形状になっている。この矩形状の凸部37も、隣り合う溝36と溝36の間隔に比べれば、非常に幅が狭く、熱膨張量が非常に小さいため、有効である。
図7(b)では凸部37の横断面形状が半円などの円弧状になっている。図7(c)では凸部37の横断面形状が台形状になっている。勿論、円弧状の凸部37や台形状の凸部37の方が、矩形状の凸部37に比べて更に先端37a側の幅が狭く、熱膨張量が更に小さくなるため、望ましい。また、円弧状や台形状の凸部37の方が、図3,図4に示す三角形状の凸部37に比べて先端が尖鋭でないため、先端摩耗の不具合が生じにくいという利点を有している。一方、三角形状の凸部37の方が、円弧状や台形状の凸部37に比べて先端が尖鋭であるため、先端から溶鋼の凝固が始まって凝固初期のシェル厚が均一になり易いという利点を有している。
その結果、溶鋼34が冷却ロール31の表面31aで冷却されて凝固シェルになるときに当該溶鋼34の一部が溝36内に浸入して溝36内で凝固することにより、凝固シェルの一部が溝36内に入り込んだ状態になる、という不具合が発生するのを防止することができる。このため、冷却ロールの熱膨張吸収用の溝36の熱膨張吸収効果を維持することができ、凝固シェルが冷却ロール31の表面31aから離れる際に凝固シェルの一部が引きちぎられてしまうこともない。
しかも、凸部37が、凸部37の先端に近づくほど幅が狭くなっている場合(横断面形状が三角形状、円弧状、台形状などの場合)には、凸部37の先端側の熱膨張量を更に低減することができる。換言すれば、凸部37の先にいくほど溶鋼34に近づくため温度が高くなり熱膨張量が大きくなるのに対して、凸部37の先にいくほど(凸部37の先端に近づくほど)凸部37の幅を狭くすれば、この影響を相殺することができる。従って、溶鋼34の一部が凸部37と凸部37の間に浸入して凝固したとしても、熱膨張の吸収に関する問題などが発生する可能性を更に低減することができる。
図8は本発明の実施の形態例2に係るロール式連続鋳造機に適用される冷却ロールの熱変形前の状態を示す要部断面図、図9は前記冷却ロールの熱変形後の状態を示す要部断面図である。また、図10は本発明の実施の形態例2に係るロール式連続鋳造機に適用される他の冷却ロールの熱変形前の状態を示す要部断面図、図11は前記冷却ロールの熱変形後の状態を示す要部断面図である。
図12は本発明の実施の形態例3に係る双ロール式連続鋳造機の側面図、図13は冷却ロールの溝の内部温度の履歴を示す図である。なお、図12において上記実施の形態例1(図1,図2)と同様の部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。また、図示は省略するが、上記実施の形態例1(図2〜図4,図7参照)と同様に本実施の形態例3においても、冷却ロール31の表面31aには、複数の溝36と、溝36の幅方向の両側部に位置し且つ溝36の長さ方向に沿って延びている凸部37とが形成されている。
なお、必ずしもこれに限定するものではなく、図13に2点鎖線で温度変化を例示するように、ロール冷却手段では、少なくとも、冷却ロール31の回転により溝36のうちの湯溜まり部33の溶鋼34と非接触な部分が前記溶鋼34と接触しようとする直前の前記非接触な部分内の温度が、冷却水54の気化温度T4以上となるように冷却ロール31への冷却水54の吹き付け量が設定されていればよい。
更に望ましくは、冷却ロール31が1回転する間に変化する溝36の内部温度の最低温度T3が、冷却水54の気化温度T4以上となるように冷却ロール31への冷却水54の吹き付け量が設定されているロール冷却手段を備えることであり、この場合には、より確実に、前記非接触な部分が溶鋼34に接触する前に前記非接触な部分内に侵入した冷却水54を気化させて前記非接触な部分内に未気化の冷却水54を残さないようにすることができる。
図14〜図18は本発明の実施の形態例4に係るロール式連続鋳造機に適用される冷却ロールの正面図である。
図12に基づいて説明すると、冷却ロール31に吹き付けられた冷却水54の一部が溝36内に浸入しても、冷却ロール31は溝36内も高温であるため、通常は溝36内に浸入した冷却水54も蒸発してしまう。しかし、場合によっては溝36内に浸入した冷却水54の一部が、液体のまま矢印Rの如く溝36内を流れて湯溜まり部33のメニスカスMの位置まで達する可能性もある。そして、溶鋼34の静圧が得られないメニスカスMまで冷却水54が達すると、冷却水54の突沸によって溶鋼34の凝固が阻害される虞がある。
これに対して、上記の如く溝36のロール円周方向の長さLがのメニスカスMの位置からキッシングポイントKPの位置までの長さよりも短ければ、溝36内に浸入した冷却水54の一部が液体のまま溝36内を流れたとしても、この冷却水54がメニスカスMの位置まで達するのを防止することができる。冷却水54がメニスカスMまで達しなければ、溶鋼34の静圧によって冷却水54の突沸を抑制することができる。
図20は本発明の実施の形態例5に係る鋳片巻き付け構造の双ロール式連続鋳造機の側面図、図21は前記双ロール式連続鋳造機の上面図、図22は発明の実施の形態例5に係る異径ロール構造の双ロール式連続鋳造機の側面図、図23は前記双ロール式連続鋳造機の上面図である。なお、図20〜図23において上記実施の形態例1(図1,図2)と同様の部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。また、図示は省略しているが、上記実施の形態例1(図2〜図4,図7参照)と同様に本実施の形態例4においても、冷却ロール31の表面31aには、溝36だけでなく、溝36の幅方向の両側部に位置し且つ溝36の長さ方向に沿って延びている凸部37も形成されている。
従って、一方の冷却ロール31に鋳片35が巻き付けられて当該冷却ロール31への入熱量が多くなっても、当該冷却ロール31の熱膨張を、数を多くした溝36、もしくは、数を多くし且つ深さも深くした溝36によって、確実に吸収することができる。
31a 表面(外周面)
32 サイド堰
33 湯溜まり部
34 溶鋼(溶融金属)
35 鋳片
36 溝
36a 溝の側壁
37 凸部
37a 先端
37b 凸部の面
41 スリット
42 凸部
42a 凸部の先端
43 凝固シェル
51,52 冷却ノズル
53,54 冷却水
55 サポートロール
56,57 冷却水の飛沫
KP キッシングポイント
M メニスカス
Claims (8)
- 冷却ロールの表面で溶融金属を冷却して凝固させることにより連続的に鋳片を鋳造するロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールは、前記冷却ロールの表面に複数の溝と、前記溝の幅方向の両側部に位置し且つ前記溝の長さ方向に沿って延びている凸部とが形成され、
前記溝の両側部の前記凸部が、前記溶融金属を表面張力で支持して当該溝内に浸入させない間隔と高さに設定されている
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1に記載のロール式連続鋳造機において、
前記凸部は、前記凸部の先端に近づくほど幅が狭くなっている
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1又は2に記載のロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールの表面には、前記溝よりも浅く、且つ、前記溝よりも幅が狭いスリットが、隣り合う前記溝と溝の間に複数形成されている
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1又は2に記載のロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールの表面には、先端に近づくほど幅が狭くなっている他の凸部が、隣り合う前記溝と溝の間に複数形成されている
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載のロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールの表面に液体の冷却媒体を吹き付けて前記冷却ロールを冷却し、且つ、少なくとも、前記冷却ロールの回転により前記溝のうちの前記溶融金属と非接触な部分が前記溶融金属と接触しようとする直前の前記非接触な部分内の温度が、前記冷却媒体の気化温度以上となるように前記冷却ロールへの前記冷却媒体の吹き付け量が設定されているロール冷却手段を備えた
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載のロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールの軸方向中央部に比べて軸方向両端部の方が、前記溝の密度が高い
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載のロール式連続鋳造機において、
平行に配置された一対の前記冷却ロールの間に溶融金属が溜まる湯溜まり部を有しており、
前記溝は前記冷却ロールの円周方向に不連続であり、且つ、前記円周方向の長さが、前記湯溜まり部のメニスカスの位置からキッシングポイントの位置までの前記冷却ロールの表面の円周方向の長さよりも、短い
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載のロール式連続鋳造機において、
前記冷却ロールが平行に一対設けられ、これら一対の冷却ロールの間から引き出された鋳片が何れか一方の冷却ロールに捲き付けられる構成の双ロール式連続鋳造機であり、
前記鋳片が巻き付けられない冷却ロールに比べて、前記鋳片が巻き付けられる冷却ロールの方が、前記溝の数が多く、もしくは、前記溝の数が多く且つ前記溝の深さも深い
ことを特徴とするロール式連続鋳造機。
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CN110000350A (zh) * | 2019-05-21 | 2019-07-12 | 一重集团大连工程技术有限公司 | 一种铸轧结晶辊 |
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