JP5245038B2 - ノート検出装置 - Google Patents

ノート検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5245038B2
JP5245038B2 JP2009041802A JP2009041802A JP5245038B2 JP 5245038 B2 JP5245038 B2 JP 5245038B2 JP 2009041802 A JP2009041802 A JP 2009041802A JP 2009041802 A JP2009041802 A JP 2009041802A JP 5245038 B2 JP5245038 B2 JP 5245038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amplitude
signal
note
amplitude signal
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009041802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010197645A (ja
Inventor
勇樹 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Korg Inc
Original Assignee
Korg Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Korg Inc filed Critical Korg Inc
Priority to JP2009041802A priority Critical patent/JP5245038B2/ja
Publication of JP2010197645A publication Critical patent/JP2010197645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5245038B2 publication Critical patent/JP5245038B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Auxiliary Devices For Music (AREA)

Description

本発明は、入力された楽音信号に基づいて、その楽音信号を構成する構成音のノート(音名)を検出可能とする装置に関する。
図7(a)、図7(b)、図7(c)に示すように、例えば鍵盤楽器にあっては基音のみを発音させるように演奏しても、不要な高調波音が生じてしまう。図7(a)はノート「E2」のみを発音させるように演奏した場合の高調波音の発生状態の説明図であり、基音「E2」に対してその2倍音、3倍音、4倍音が発生している。同様に、図7(b)はノート「B2」のみを発音させるように演奏した場合の高調波音の発生状態の説明図であり、基音「B2」に対してその2倍音、3倍音が発生しており、また、図7(c)に示すようにノート「G♯3」のみを発音させるように演奏してもその2倍音が発生してしまう。3倍音は、演奏したノートと音名が異なり特に影響が大きいため、非演奏音と示した。また、実際には、5倍音以上も存在するがここでは省略した。そこで、3倍音除去処理を行ってこのような不都合を解消する装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。この装置にあっては、エンベロープ検出部が、夫々の通過帯域の中心周波数が半音の周波数分づつずれている複数個のバンドパスフィルタからの出力信号のエンベロープ信号を検出出力し、そして、3倍音除去部が、全エンベロープ信号の3倍音を除去した信号を出力し、音名抽出部がこの3倍音除去部からの出力信号に基づいて和音の各構成音の音名を抽出するので、和音の各構成音を基音とする3倍音の影響を除去して、和音を構成する各ノートの検出精度を向上させることを可能としていた。
特開2008−46321号公報
確かに、上述したような従来装置によれば、3倍音の影響が除去されて正確に構成ノートを検出することが可能なものであるが、3倍音のエンベロープ値が大きい場合、除去し切れない問題があった(図8(a)参照)。また、種々の理由から応答性に難があることも否めなかった。例えば、従来装置においては、そのエンベロープ検出部が、入力信号(BPF出力)を全波整流する全波整流部と、この全波整流信号に対してピークホールドを行うピークホールド部と、ピークホールドされた信号を補間処理するIP部とを有して構成されるが、ピークホールド部やIP部での信号処理遅延が生じてしまうという問題があった。また、ピークホールド時に信号の2分の1の周期でピーク値が更新されるので動作安定性に問題があった。
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、楽音信号の立ち上がりの早い時点からノート検出を迅速に行える、ノート検出のリアルタイム性に優れたノート検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、与えられた楽音信号を構成するノートを検出する装置であって、
夫々の通過帯域の中心周波数が半音の周波数分づつずれている複数個のバンドパスフィルタと、
各バンドパスフィルタに対して設けられ各バンドパスフィルタからの出力信号の振幅を検出する前記複数個の振幅検出手段と、
各振幅検出手段からの振幅信号を零とするか、又は、そのまま出力するかを決定し、決定した振幅信号を出力する隣音除去手段と、
前記隣音除去手段からの出力と予め設定している閾値とを比較し、閾値を超えたものを出力するコンパレート手段と、
前記閾値を超えた振幅信号であって、最も周波数の低いノートである最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノートを抽出出力する音域制限手段と、を備え、
前記複数個のバンドパスフィルタの夫々は、
前記与えられた楽音信号に対して2相の正弦波の夫々を乗じて2種類の信号を生成し、この生成した2種類の信号の夫々に対して個別に同一構成のローパスフィルタを通過させるように構成し
前記隣音除去手段は、
或るバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号が、この或るバンドパスフィルタの中心周波数に隣接する中心周波数を有する2個のバンドパスフィルタに対応する2個の振幅検出手段からの振幅信号よりも大きな時のみ、前記或るバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号をそのまま出力する一方、これ以外の場合には振幅信号を零として出力する処理を、総てのバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号に対して施す手段であることを特徴とするようにした。ここで、19半音分には最低ノートを含むものとする。
この発明によれば、振幅検出手段は、夫々の通過帯域の中心周波数が半音の周波数分づつずれている複数個のバンドパスフィルタの夫々に対して設けられ各バンドパスフィルタからの出力信号の振幅を検出し、隣音除去手段は、各振幅検出手段からの振幅信号を零とするか又はそのまま出力する。さらに、コンパレート手段は、隣音除去手段からの出力と予め設定している閾値とを比較し、閾値を超えたものをそのまま出力する。音域制限手段は、前記閾値を超えた振幅信号であって、最も周波数の低いノートである最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノートを抽出出力する。これにより、従来装置のように3倍音除去処理や基音強調処理における減算、加算等を不要とし、3つの振幅検出手段からの振幅信号の大きさの比較のみで不要音を除去することが可能となり、正確にノート検出を行うことができる。
また、この装置において、複数個のバンドパスフィルタの夫々は、与えられた楽音信号に対して2相の正弦波の夫々を乗じて2種類の信号を生成し、この生成した2種類の信号の夫々に対して、個別に同一構成のローパスフィルタを通過するように構成したので、前記複数個の振幅検出手段の夫々を、第1のローパスフィルタを通過した第1の信号を2乗する第1の2乗部と、第2のローパスフィルタを通過した第2の信号を2乗する第2の2乗部と、各2乗部からの信号を加算する加算部と、この加算部の加算出力に対してその正の平方根を求めて振幅信号とする振幅演算部とを含んで成る構成とすることができる。したがって、従来装置では、全波整流部と全波整流信号に対してピークホールドを行うピークホールド部とピークホールドされた信号を補間処理するIP部とでエンベロ−プ検出を行って信号処理による遅延が生じてしまうという問題があったが、これが解消されてリアルタイム性に富んだノート検出を実現することが可能となる。
そして、前記隣音除去手段を、或るバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号が、この或るバンドパスフィルタの中心周波数に隣接する中心周波数を有する2個のバンドパスフィルタに対応する2個の振幅検出手段からの振幅信号よりも大きな時のみ、前記或るバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号をそのまま出力する一方、これ以外の場合には振幅信号を零として出力する処理を、総てのバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号に対して施す手段とすれば、前記振幅検出手段は、夫々の通過帯域の中心周波数が半音の周波数分づつずれている複数個のバンドパスフィルタの夫々について、通過帯域を広く取ることが可能となり、リアルタイム性に富んだ応答を得ることができる。
また、従来装置では、全波整流部を用いると全波整流信号出力に含まれる周期変動が残るため正しい値を得られず、前記隣音除去手段の安定動作を妨げるためバンドパスフィルタの夫々について通過帯域を狭く取らなければならなかったが、これが解消されてリアルタイム性に富んだノート検出を実現することが可能となる。
本発明によれば、楽音信号の立ち上がりの早い時点からノート検出を迅速に行え、ノート検出のリアルタイム性に優れたノート検出装置を提供することが可能になるという効果が得られる。
ノート検出装置1の構成図である。 各複素バンドパスフィルタ10の中心周波数設定状態の説明図である。 複素バンドパスフィルタ10と振幅検出部20の構成図である。 隣音除去部30の構成図である。 隣音除去部30の動作の説明図である。 他の構成例の説明図である。 従来技術の説明図である。 従来技術と音域制限処理の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態であるノート検出装置1の構成図である。このノート検出装置1は、与えられた楽音信号を構成するノートを検出する機能を有する装置であり、複数個(本例では30個)の複素BPF10(「BPF」はバンドパスフィルタを意味する)と、各複素BPF10に対して設けられ各複素BPF10からの出力信号の振幅を検出して振幅信号として出力する30個の振幅検出部20と、各振幅検出部20からの振幅信号を零とするか又はそのまま出力するかを決定出力する隣音除去部30と、隣音除去部30からの出力と予め設定している閾値とを比較し、閾値を超えたものをそのまま出力するコンパレート部40と、前記閾値を超えた振幅信号であって、最も周波数の低いノートである最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノートを抽出出力する音域制限部50とを有して構成されている。なお、複素BPF10の個数は30個に限られない。
そして、各複素BPF1(10)、複素BPF2(10)、…、複素BPF30(10)は、夫々、ノート「D♯」、「E」、…、「G♯3」に対するものであり、各複素BPF1〜複素BPF30の通過帯域の中心周波数が半音の周波数分づつずれるように設定されている。図2はこの中心周波数設定状態の一部を示した説明図であり、複素BPF1(10)の中心周波数f1と、複素BPF2(10)の中心周波数f2とは半音分ずれて設定されていることが分かる。これは、複素BPF1(10)がノート「D♯」に対応するものであり、このノート「D♯」を半音分高くしたノート「E」に対するバンドパスフィルタが複素BPF2(10)であることに対応する。なお、本装置で想定している半音の並びは図7の横軸に示すものである。更に、振幅検出部1(20)、振幅検出部2(20)、…、振幅検出部30(20)は夫々、複素BPF1(10)、複素BPF2(10)、…、複素BPF30(10)に対してそれらの後段に個別に設けられている。
図3は1個の複素BPF10とこの後段に設けられた振幅検出部20の構成図である。各複素BPF10と振幅検出部20は夫々同様の構成であるが、LPF(「LPF」はローパスフィルタを意味する)のカットオフ周波数は、各複素BPF10毎に個別に設定されている。図3において、符号11、12は乗算部、符号13a、13bは同一構成のLPFである。そして、乗算部11は与えられた楽音信号と「cos(−2πFct)」(cosは余弦関数、FcはBPFの中心周波数、tは時間)を乗じると共に、乗算部12は与えられた楽音信号と「sin(−2πFct)」(sinは正弦関数、FcはBPFの中心周波数、tは時間)を乗じるように構成されている。つまり、各複素BPF10は、楽音信号に対して2相の正弦波(sin波と、これと位相が「π/2」異なるcos波)の夫々を乗じて2種類の信号を生成し、この生成した2種類の信号の夫々に対して、個別に、同一構成のLPF13a、13bを通過させるように構成している。したがって、従来のようなピークホールドと補間処理による応答遅れが無く楽音信号の立ち上がりの早い時点からノート検出を迅速に行える。なお、各複素BPF10において、LPF13a、13bのカットオフ周波数Flpfと、BPFの中心周波数Fcとの関係は「Flpf=Fc/(2Q)」(「Q」はフィルタのQ値で例えば50程度)となる。また、楽音信号に対して2相の正弦波の夫々を乗じて2種類の信号を生成し、この生成した2種類の信号の夫々に対して、個別に、同一構成のLPF13a、13bを通過させるように構成すると、2相の正弦波により中心周波数FcをDC(直流分)にシフトする効果があり、LPF13a、13bがDC中心に帯域制限を行うためBPFの機能を有するようになる。
また、振幅検出部20は、LPF13a(第1のローパスフィルタ)を通過した信号LA(第1の信号)を2乗する乗算部21(第1の2乗部)と、LPF13b(第2のローパスフィルタ)を通過した信号LB(第2の信号)を2乗する乗算部22(第2の2乗部)と、各乗算部21、22(2乗部)からの信号を加算する加算部23と、この加算部23の加算出力に対してその正の平方根を求めて振幅信号として出力する振幅演算部24とを有して構成されている。したがって、従来装置では、入力信号(BPF出力)を全波整流する全波整流部と、この全波整流信号に対してピークホールドを行うピークホールド部と、ピークホールドされた信号を補間処理するIP部とを有してエンベロ−プ検出を行って全波整流部やピークホールド部での信号処理による遅延が生じてしまうという問題があったが、図3に示す構成によってこのような問題が解消されてリアルタイム性に富むノート検出を実現することが可能となる。
図4は隣音除去部30の構成図である。符号31、32はバッファ、符号33、34は加算器、符号35、36は演算部、符号37はアンド部、符号38はスイッチング部、符号39は零部である。演算部35は、加算部33の加算結果が「正(0より大きい)」場合のみアンド部37に対して「真信号(正論理で「1」)」 を出力し、また、演算部36は、加算部34の加算結果が「0以下(0より小さいか等しい)」場合のみアンド部37に対して「真信号(正論理で「1」)」 を出力する。そして、アンド部37は、演算部35及び演算部36の双方から「真信号」が与えられるとスイッチング部38に対して、スイッチング38のスイッチを「b」側に接続する一方、これ以外の場合にはスイッチをa側に接続して零部39から値「0」を出力させるように、スイッチング部38に対して制御信号を送信する。スイッチがb側に接続された場合には、バッファ32の値(振幅信号の値)がそのまま出力されるように構成されている。
そして、注目する振幅検出部20、換言すれば、その振幅検出部20からの振幅信号を零とするか又はそのまま出力するかの処理対象となる振幅信号がバッファ32に記憶されている状態において、バッファ31は、当該注目する振幅検出部20に対する複素BPF10の中心周波数よりも半音分低い低域側に中心周波数を有する複素BPF10に対する振幅検出部20からの振幅信号が記憶されていて、隣音除去部30に新たに入力されるのは、前記注目する振幅検出部20に対する複素BPF10の中心周波数よりも半音分高い高域側に中心周波数を有する複素BPF10に対する振幅検出部20からの振幅信号である。この結果、前記注目する振幅検出部20の振幅信号が、これより半音低域側及び半音高域側の2つの振幅検出部20の双方の出力よりも大きな時のみ、スイッチが「b」側に接続されて、前記注目する振幅検出部20の振幅信号がそのまま出力される一方、これ以外の場合には、零部39から値「0」が振幅信号として出力されることになる。なお、図4においては、隣音除去部30の入力線は1本であるように記載しているが、実際には複素BPF10の個数分存在し、総ての振幅検出部20からの振幅信号に対して、その振幅信号をそのまま出力するのか又は零を出力するかを決定出力する。
図5の上段は、隣音除去部30に入力される各振幅検出部20からの信号を示し、図5の下段は、隣音除去部30からコンパレート部40に出力される信号を示したものである。また、図5の上段の符号(1)、(2)、(3)、…(30)は、夫々、「複素BPF1(10)と振幅検出部1(20)」、「複素BPF2(10)と振幅検出部2(20)」、「複素BPF3(10)と振幅検出部3(20)」、…、「複素BPF30(10)と振幅検出部30(20)」を意味し、また、符号a、b、c、…、gは夫々の振幅検出部20から出力される振幅信号を意味する。つまり、各振幅信号は、夫々中心周波数が半音分ずれた複素BPF10に対応する振幅検出部20から出力されたものである。
さて、図4に示す隣音除去部30の動作によって、各振幅検出部20からの振幅信号を零とするか又はそのまま出力する処理が実行される。隣音除去部30は、或る複素BPF10に対応する振幅検出部20(注目振幅検出部20)からの振幅信号が、この或る複素BPF10の中心周波数に隣接する中心周波数を有する2個の複素BPF10(換言すれば低周波側及び高周波側の2個の複素BPF10)に対応する2個の振幅検出部20(前記注目振幅検出部20を周波数領域上において挟む2個の振幅検出部20)からの振幅信号よりも大きな時のみ、前記或る複素BPF10に対応する振幅検出部20からの振幅信号をそのまま出力する一方、これ以外の場合には振幅信号を零とする処理を、総ての複素BPF10に対応する振幅検出部20からの振幅信号に対して施す動作を行う。図5の具体例で言えば、符号「a」で示す振幅信号に注目すると、低周波側振幅信号は存在せず(存在しない場合は「0」)、かつ、高周波側振幅信号は符号「b」で示すように、符号「a」の振幅信号より大きいため、注目する符号aの振幅信号を「0」とする。
同様に、符号「b」で示す振幅信号に注目すると、低周波側振幅信号「a」より大きいが高周波側振幅信号は符号「c」で示すように、符号「b」の振幅信号より大きいため、符号bの振幅信号を「0」とする。そして、符号「c」で示す振幅信号に注目すると、低周波側振幅信号「b」及び高周波側振幅信号「d」の双方よりも大きなため、符号「c」の振幅信号はそのまま出力する。次に、符号「d」で示す振幅信号に注目すると、高周波側振幅信号「e」より大きいが低周波側振幅信号は符号「c」で示すように、符号「d」の振幅信号より大きいため、符号「d」の振幅信号を「0」とする。つまり、注目する振幅信号がこれを周波数領域上において挟む2つの振幅信号よりも大きな場合のみ、この注目する振幅信号をそのまま出力し、これ以外の場合には振幅信号を零とする処理を行う。かくして、隣音のエンベロープ値が閾値を超えている場合でも、安定して検出が可能になり、これによりBPFの帯域幅を広く設計できるため、楽音信号の立ち上がりの早い時点からノート検出を迅速の行えるようになる。また、コンパレート部40の閾値を低く設定することが可能になり、これによっても楽音信号の立ち上がりの早い時点からノート検出を迅速の行えるようになる。なお、図4の演算部36の等号「=」判定機能は、演算部35の方に備えるようにしても良い。
次に、コンパレート部40は、隣音除去部30からの出力と予め設定している閾値とを比較し、閾値を超えたものを出力する。例えば、図5の下段に示すように、閾値を超えた振幅信号「c」、「f」を音域制限部50に対して出力する。
そして、音域制限部50は、コンパレート部40で用いた閾値を超えた振幅信号であって、最も周波数の低いノートである最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノートを抽出出力する。例えば、図5の例で言えば、最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノートを抽出出力する(抽出ノートを「0N」で示している)。図8(b)はこれをより詳細に記載している。図8(b)ではノート「E2」が最低ノートとなり、この最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノート(具体的には「A♯3」までのノートで点線で四角状に囲んでいる)。なお、この最低ノートから「19半音分」以内のノートを抽出出力することとしたのは、各種の実験等から「19半音分」が、非演奏音を避けてノート検出できることを経験的に得たからである。
以上説明してきたように、ノート検出装置1によれば、ノート検出を迅速に行うことができる結果、リアルタイム性に富むノート検出を行うことが可能となる。 なお、図6に示すような回路を複素BPF10の前段に設けた構成としても良い。つまり、楽音信号をアンチエイリアシングフィルタ60で折り返しノイズ除去を行い、その折り返しノイズ除去された信号を、例えば40分の1の間隔でダウンサンプリング部62でダウンダンプリングし、これをバッファ64に記憶させておいて、各複素BPF10に供給する構成とし、ノート検出装置1側の処理速度に余裕を持たせた楽音信号供給を行う構成としても良い。
以上説明してきたように、本発明によれば音楽分野において適用して好適なノート検出機能を有する装置を提供することができる。
1 ノート検出装置
10 複素BPF(バンドパスフィルタ)
20 振幅検出部
30 隣音除去部
40 コンパレート部
50 音域制限部

Claims (1)

  1. 与えられた楽音信号を構成するノートを検出する装置であって、
    夫々の通過帯域の中心周波数が半音の周波数分づつずれている複数個のバンドパスフィルタと、
    各バンドパスフィルタに対して設けられ各バンドパスフィルタからの出力信号の振幅を検出する前記複数個の振幅検出手段と、
    各振幅検出手段からの振幅信号を零とするか、又は、そのまま出力するかを決定し、決定した振幅信号を出力する隣音除去手段と、
    前記隣音除去手段からの出力と予め設定している閾値とを比較し、閾値を超えたものを出力するコンパレート手段と、
    前記閾値を超えた振幅信号であって、最も周波数の低いノートである最低ノートとこの最低ノートから19半音分以内のノートを抽出出力する音域制限手段と、を備え、
    前記複数個のバンドパスフィルタの夫々は、
    前記与えられた楽音信号に対して2相の正弦波の夫々を乗じて2種類の信号を生成し、この生成した2種類の信号の夫々に対して個別に同一構成のローパスフィルタを通過させるように構成し
    前記隣音除去手段は、
    或るバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号が、この或るバンドパスフィルタの中心周波数に隣接する中心周波数を有する2個のバンドパスフィルタに対応する2個の振幅検出手段からの振幅信号よりも大きな時のみ、前記或るバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号をそのまま出力する一方、これ以外の場合には振幅信号を零として出力する処理を、総てのバンドパスフィルタに対応する振幅検出手段からの振幅信号に対して施す手段であることを特徴とするノート検出装置。
JP2009041802A 2009-02-25 2009-02-25 ノート検出装置 Expired - Fee Related JP5245038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009041802A JP5245038B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 ノート検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009041802A JP5245038B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 ノート検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010197645A JP2010197645A (ja) 2010-09-09
JP5245038B2 true JP5245038B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=42822433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009041802A Expired - Fee Related JP5245038B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 ノート検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5245038B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3489503B2 (ja) * 1998-09-01 2004-01-19 ヤマハ株式会社 音信号分析装置、音信号分析方法及び記憶媒体
JP4293712B2 (ja) * 1999-10-18 2009-07-08 ローランド株式会社 オーディオ波形再生装置
JP4483561B2 (ja) * 2004-12-10 2010-06-16 日本ビクター株式会社 音響信号分析装置、音響信号分析方法及び音響信号分析プログラム
JP2008046321A (ja) * 2006-08-15 2008-02-28 Korg Inc 和音解析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010197645A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2948739B2 (ja) カラオケシステムの使用者の歌点数採点装置
US7897864B2 (en) Band extension reproducing apparatus
JP4375471B2 (ja) 信号処理装置、信号処理方法、およびプログラム
JP2009150826A (ja) Rdコンバータ及び角度検出装置
US10242697B2 (en) Pitch information generation device, pitch information generation method, and computer-readable recording medium therefor
WO2019043797A1 (ja) 楽曲解析装置および楽曲解析プログラム
JP5245038B2 (ja) ノート検出装置
JP2017122908A (ja) 信号処理装置および信号処理方法
JP2006227452A (ja) 調律装置および調律装置の制御方法
JP3642013B2 (ja) 非線形歪付加装置
JP6425298B1 (ja) 位相分析回路
JP6438786B2 (ja) 信号中に含まれる正弦成分抽出装置、正弦成分抽出方法及びプログラム
JP2001067068A (ja) 音楽パートの識別方法
JP2019211300A (ja) 高速ロックインアンプ
JP6454958B2 (ja) 電子弦楽器、楽音制御方法及びプログラム
JP5177657B2 (ja) 音響特性制御装置
JP5929523B2 (ja) 高調波生成装置および高調波生成方法
JP4132693B2 (ja) イコライザ
JP4892383B2 (ja) 音楽再生装置、音楽再生方法、及び、プログラムを格納した記録媒体
JP4420631B2 (ja) 効果装置
JPH10198355A (ja) 周波数検出装置
JP3149097B2 (ja) 音響成分抽出装置、それを用いた電子楽器、及び周波数成分抽出装置
JP3216185B2 (ja) 効果付加装置
Krishnamurthy Generation of Control Signals Using Pitch and Onset Detection for an Unprocessed Guitar Signal
JPH05346787A (ja) 音声制御楽音発生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5245038

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees