JP5243468B2 - 摺動部材 - Google Patents

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Description

本発明は、BiまたはBi合金で形成されるBi系粒子を含むオーバレイ層を備える摺動部材に関する。
摺動部材のうち自動車などの内燃機関に使用されるすべり軸受の基部は、例えば鋼で形成される裏金層と、この裏金層上に設けられたCu合金またはAl合金で形成される軸受合金層とから構成されている。この基部上には、通常、耐疲労性および非焼付性などの軸受特性を向上させるために、オーバレイ層が設けられている。
オーバレイ層は、従来、軟質のPb合金で形成されている。また、近年では、環境負荷の大きいPbの代替として、Biを用いることが提案されている。Biには脆いという性質があるため、一般に、Biで形成されるオーバレイ層を備えるすべり軸受の耐疲労性および非焼付性は、Pb合金で形成されるオーバレイ層を備えるすべり軸受の耐疲労性および非焼付性よりも劣るという問題がある。
そのため、例えば特許文献1では、オーバレイ層を形成するBiまたはBi合金の結晶粒子を柱状晶にしている。特許文献1で言う柱状晶とは、基部の表面からほぼ垂直方向に成長した結晶組織、言い換えるとオーバレイ層の厚さ方向に長い結晶粒子のことである。特許文献1は、クランクシャフトなどの摺動相手となる相手軸の荷重をBiまたはBi合金の結晶粒子の長手方向で支えて、オーバレイ層の耐疲労性の向上を図っている。また、特許文献1は、オーバレイ層の摺動面にBiの結晶粒子の摺動面側の突起によって緻密な凹凸面を形成し、この摺動面の凹部に潤滑剤を保持して、オーバレイ層の非焼付性の改善を図っている。
特開2006−266445号公報
最近の内燃機関の分野では、燃費向上のためにコンロッドなどを薄肉化して、軽量化を図っている。このコンロッドの薄肉化が行われると、コンロッドの剛性は低下し、コンロッド自身が変形しやすくなる。そのため、コンロッドに設けられるすべり軸受においては、すべり軸受自体も変形しやすくなり、この変形が繰り返し行われることにより、すべり軸受に疲労が生じやすくなっている。
また、燃費向上のために、粘性の低い潤滑油を使用すると、相手軸の荷重によって潤滑油の油膜が破断しやすくなる。その結果、相手軸が潤滑油を介さずにすべり軸受の摺動面に接触しやすくなり、焼付を招くという問題がある。
したがって、従来構成よりも耐疲労性および非焼付性に優れる摺動部材が要望されている。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、BiまたはBi合金で形成されるBi系粒子を含むオーバレイ層を備え、耐疲労性および非焼付性に優れる摺動部材を提供することである。
本発明者は、BiまたはBi合金で形成されるBi系粒子を含むオーバレイ層において、Bi系粒子の形状に着目して鋭意実験を重ねた。その結果、本発明者は、オーバレイ層に含まれるBi系粒子を、形状によって3つに分類し、3つに分類されるBi系粒子においてオーバレイ層に占める割合を所定の範囲内にすることにより、耐疲労性および非焼付性に優れる摺動部材が得られることを解明した。
本発明者は、上記の解明を基にして、下記の発明をした。
本発明の請求項1の摺動部材は、基部と、この基部上に設けられ、BiまたはBi合金で形成されるBi系粒子を含むオーバレイ層とを備えている。このオーバレイ層を厚さ方向に沿って切断した断面において、オーバレイ層に含まれるBi系粒子の長軸をXとし、長軸Xの中点の位置で長軸Xに対して直交する短軸をYとし、X÷Yをアスペクト比Zとすると、Bi系粒子は、Z<2の第1のBi系粒子、2≦Z<3の第2のBi系粒子、3≦Zの第3のBi系粒子のいずれか一つに分類される。本発明の請求項1の摺動部材は、Bi系粒子の全粒子数に対し、第1のBi系粒子が占める粒子数の割合をa%とし、第2のBi系粒子が占める粒子数の割合をb%とし、第3のBi系粒子が占める粒子数の割合をc%とし、a÷bをdとし、a÷cをeとすると、a≧30、0.5≦d≦6.0および0.5≦e≦6.0であることを特徴としている。
本発明の摺動部材の基本形態の断面を、図1に示す。図1に示す摺動部材11は、基部12と、基部12上に設けられたオーバレイ層13とを備えている。
本発明で言う「基部」とは、オーバレイ層13が設けられる側の構成物のことである。例えば、図1に示すように、裏金層12a上に軸受合金層12bが設けられ、軸受合金層12bとオーバレイ層13との間に接着層としての中間層12cが設けられている場合は、裏金層12aと軸受合金層12bと中間層12cとが基部12である。その他、裏金層12a上に軸受合金層12bが設けられ、軸受合金層12b上にオーバレイ層13が設けられている場合は、裏金層12aおよび軸受合金層12bが基部12である。また、裏金層12a上にオーバレイ層13が設けられている場合は、裏金層12aが基部12である。
軸受合金層12bは、Al基軸受合金層、Cu基軸受合金層、その他の金属で形成された軸受合金層である。
オーバレイ層13には、図1に示すように、Bi系粒子14が含まれている。Bi系粒子14は、BiまたはBi合金で形成された結晶粒子である。Bi合金としては、Bi−Cu合金、Bi−Sn合金、Bi−Sn−Cu合金などがある。
裏金層12a、軸受合金層12b、中間層12c、オーバレイ層13には、上述した成分以外の成分が含まれていてもよく、また、不可避的な不純物が含まれている。
オーバレイ層13の断面の観察は、透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、FIB/SIM(Focus Ion Beam/走査イオン顕微鏡)、EBSP(電子後方散乱解析像法)、またはその他の結晶粒子の観察できる手法で行われる。観察視野としては5μm×5μmであり、この観察視野のときの測定倍率としては25000倍であることが好ましい。図2は、オーバレイ層13を厚さ方向に沿って切断した断面におけるBi系粒子14を模式的に示している。
本発明で言う「厚さ方向」とは、基部12の面のうちオーバレイ層13側の面を水平の面とみなしたときに、この基部12の面に対して垂直な方向のことである。
本発明では、オーバレイ層13に含まれるBi系粒子14を、形状によって3つに分類している。具体的には、図2に示すように、オーバレイ層13に含まれるBi系粒子14の長軸をXとし、短軸をYとし、X÷Yをアスペクト比Zとして、Bi系粒子14を、図1に示すように、Z<2の第1のBi系粒子14a、2≦Z<3の第2のBi系粒子14b、3≦Zの第3のBi系粒子14cのいずれか一つに分類している。
長軸Xは、図2に示すように、Bi系粒子14の最大長さとなる所に直線を描いたときのその直線のことである。短軸Yは、長軸Xの中点の位置で長軸Xに対して直交する直線を描いたときのその直線のことである。長軸Xおよび短軸Yは、オーバレイ層13の断面を上述の電子顕微鏡などで観察し、Bi系粒子14の寸法を実際に測ることにより得られる。
本発明で言う「アスペクト比」とは、上述したように、長軸Xを短軸Yで割った値のことである。例えば、粒子が球であると、長軸Xと短軸Yの長さは同じであり、アスペクト比Zは1となる。本発明においてBi系粒子14を上述の3つの形状に分類したとき、第1のBi系粒子14aが、球にもっとも近い形をしている。
本発明では、Bi系粒子14の全粒子数に対し、第1のBi系粒子14aが占める粒子数の割合をa%とし、第2のBi系粒子14bが占める粒子数の割合をb%とし、第3のBi系粒子14cが占める粒子数の割合をc%とし、a÷bをアスペクト比の率dとし、a÷cをアスペクト比の率eとすると、a≧30、0.5≦d≦6.0および0.5≦e≦6.0となるように、Bi系粒子14の大きさを調整している。
「Bi系粒子14の全粒子数」は、第1のBi系粒子14aの数、第2のBi系粒子14bの数、第3のBi系粒子14cの数の合計である。Bi系粒子14(第1のBi系粒子14a、第2のBi系粒子14b、第3のBi系粒子14c)の粒子数は、オーバレイ層13の断面を上述の電子顕微鏡などで観察し、粒子の数を実際に数えることにより得られる。
本発明の「a≧30」は、Bi系粒子14の全粒子数に対し、第1のBi系粒子14aが占める粒子数の割合が30%以上であることを示している。
オーバレイ層13の摺動面に相手部材の荷重が加えられると、この荷重はBi系粒子14によって受けられる。Bi系粒子14のうち第1のBi系粒子14aは、加えられた荷重によって下方向及び左右方向に変形しやすい。そのため、オーバレイ層13の摺動面において荷重が加えられた付近は変形しやすく、これにより、摺動部材11のなじみ性は向上する。その結果、摺動部材11のオーバレイ層13は、相手部材からの荷重を分散させやすく、相手部材がオーバレイ層13に局部的に当たったときの影響を低減させることができる。
本発明の「0.5≦d≦6.0」は、粒子数において、第1のBi系粒子14aが第2のBi系粒子14bの0.5倍から6.0倍の範囲内であることを示している。第2のBi系粒子14bは、アスペクト比Zが第1のBi系粒子14aよりも大きいため、第1のBi系粒子14aよりも細長い形状である。この第2のBi系粒子14bがオーバレイ層13中に分布している場合、第2のBi系粒子14bの長軸Xの方向がオーバレイ層13中の厚さ方向に沿う確率も高くなる。この場合、オーバレイ層13の摺動面に相手部材の荷重が加えられると、荷重は第2のBi系粒子14bの摺動面側の面(以下、摺動面側の面を上端面と称する)で受けられやすくなる。そのため、第2のBi系粒子14bの上端面から基部12の厚さ方向で基部12側に向かって荷重が加わると、この第2のBi系粒子14bには長手方向において圧縮力が作用することになる。しかし、第2のBi系粒子14bはその長手方向に強度を有しているので、長手方向において変形しにくい。
本発明の「0.5≦e≦6.0」は、粒子数において、第1のBi系粒子14aが第3のBi系粒子14cの0.5倍から6.0倍の範囲内であることを示している。第3のBi系粒子14cは、アスペクト比Zが第2のBi系粒子14bよりも大きいため、第2のBi系粒子14bよりも細長い形状である。この第3のBi系粒子14cも、第2のBi系粒子14bと同様の作用を生じる。特に、第3のBi系粒子14cは、第2のBi系粒子14bよりも細長い形状であるため、第2のBi系粒子14bよりも長手方向において一層変形しにくい。このように、Z<2の第1のBi系粒子14a、2≦Z<3の第2のBi系粒子14b及び3≦Zの第3のBi系粒子14cのすべてを有し、かつ、a≧30%、0.5≦d≦6.0および0.5≦e≦6.0をすべて満たすことにより、耐疲労性および非焼付性に優れる摺動部材を得ることができる。
本発明の請求項2の摺動部材は、35≦a≦70、0.8≦d≦4.0および0.8≦e≦4.0であることを特徴としている。
35≦a≦70、0.8≦d≦4.0および0.8≦e≦4.0とすることにより、摺動部材11に、より一層優れた耐疲労性および非焼付性を持たせることができる。
本発明の請求項3の摺動部材は、基部が、裏金層と、前記裏金層上に設けられた軸受合金層と、前記軸受合金層上に設けられた中間層とを有し、中間層が、Ni、Ni合金、Ag、Ag合金、Co、Co合金、Cu、Cu合金のいずれかを含んでいることを特徴としている。例えばNi合金としてはNi−Sn合金がある。
本発明は、上述したように、裏金層12aと、裏金層12a上に設けられた軸受合金層12bと、軸受合金層12b上に設けられた中間層12cとを有している基部12上にオーバレイ層13を設けた摺動部材11に適用することができる。基部12中に軸受合金層12bが設けられることにより、軸受合金層12bの軸受特性の効果を得ることができる。また、軸受合金層12bとオーバレイ層13との間に接着層としての中間層12cを設けることにより、オーバレイ層13が基部12から剥がれてしまうことを極力防止することができる。本発明では、中間層13cには、前述のいずれかを含んでいる。これらの中間層13cは、軸受合金層12bおよびオーバレイ層13にそれぞれ強固に接着しやすい。これにより、オーバレイ層13が基部12から剥がれてしまうことをより一層防止することができる。
ここで、本発明者は、Bi電気めっきによってBiまたはBi合金で形成されるBi系粒子14を含むオーバレイ層13を基部12上に設ける場合において、基部12の表面に電流密度の微小粗密を生じさせながらBi電気めっきを行うことにより、オーバレイ層13に含まれるBi系粒子14の形状を変えることができることも、解明した。すなわち、本発明者は、基部12上にオーバレイ層13を設けるためのBi電気めっきを施すときに、微小な気泡であるマイクロ・ナノバブルを基部12の表面に供給し、基部12の表面に電流密度の微小粗密を生じさせることにより、第1のBi系粒子14a、第2のBi系粒子14b、第3のBi系粒子14cをオーバレイ層13中に分布させることができることを解明した。
マイクロ・ナノバブルの発生方法としては、エジェクタタイプ、キャビテーションタイプ、旋回タイプ、加圧溶解タイプ、超音波使用タイプ、微細孔タイプなどが挙げられる。
マイクロ・ナノバブルは、直径500nm〜1000nmであることが好ましい。マイクロ・ナノバブルの直径が1000nm以下であると、基部12の表面に電流密度の微小粗密が生じやすくなり、形状の異なるBi系粒子14を容易に生成することができる。
なお、Bi系粒子の形状を制御する方法は上記に限定されない。
また、耐疲労性の向上の観点から、オーバレイ層13中のカーボンの含有量は、0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。本発明者は、オーバレイ層13中のBi系粒子14の粒界にカーボンが存在するほど、オーバレイ層13は脆くなる傾向があり、オーバレイ層13の疲労性が低下していく傾向にあることを解明した。そして、本発明者は、試験によって、オーバレイ層13中にカーボンの含有量が少ないほど、疲労しない最大面圧が上昇することを確認した。例えばオーバレイ層13中のカーボンの含有量が0.2質量%の摺動部材11は、オーバレイ層中のカーボンの含有量が0.2質量%を超える摺動部材に比べて、疲労しない最大面圧が5〜10MPa高いことを、本発明者は確認した。
一般に、オーバレイ層13中のカーボンの含有量は、Bi電気めっき液中の添加剤の量に比例する。添加剤は、オーバレイ層13の均一な電着性などの被膜の安定性を向上させるために必須の材料である。本発明者は、オーバレイ層13中のカーボンの含有量を減らす方法として、例えばBi電気めっきにおいて上述したマイクロ・ナノバブル方式を採用することにより、添加剤の含有量を従来に比べて少量にしても、基部12に対して被膜の安定性に優れるオーバレイ層13が得られることも解明した。
本発明者は、基部と、この基部上に設けられ、BiまたはBi合金で形成されるBi系粒子を含むオーバレイ層とを備える摺動部材において、摺動部材の耐疲労性の向上の観点から、オーバレイ層の結晶配向は、ミラー指数で(012)面の配向指数が14%以下であることが好ましいことを試験によって確認した。この試験によれば、オーバレイ層の(012)面の配向指数が少ないほど、疲労しない最大面圧は上昇した。配向指数とは、オーバレイ層のBiまたはBi合金の結晶の各面のX線回折強度をR(hkl)としたとき、配向指数=R(012)×100÷ΣR(hkl)で表される。上式において、分子のR(012)は、(012)面のX線回折強度であり、ΣR(hkl)は、各面のX線強度の総和である。
上述の(012)面の配向指数が14%以下となるオーバレイ層は、例えば、Bi電気めっきを施すときに、めっき液中に微少な気泡であるマイクロ・ナノバブルを供給するとともに、その供給量を一定時間毎に変化させることによって得られる。具体的には、Bi電気めっき液中にマイクロ・ナノバブルを5〜60秒ごとに50mL〜10L/分、供給量を変化させながら供給することにより、オーバレイ層の(012)面の配向指数は14%以下となった。
なお、マイクロ・ナノバブルを用いる方法以外で、上述の(012)面の配向指数が14%以下となるオーバレイ層を得てもよい。
本発明の一実施形態の摺動部材を模式的に示す断面図 オーバレイ層に含まれるBi系粒子の長軸Xおよび短軸Yを示す図
次に本発明の摺動部材の実施形態について説明する。
一般に、摺動部材であるすべり軸受は、鋼で形成される裏金層にCu合金またはAl合金で形成される軸受合金層を設け、この軸受合金層上に必要に応じて中間層を設けて構成される基部上に、オーバレイ層を設けることにより得られる。
本発明の摺動部材(すべり軸受)は、次のようにして得られる。また、本発明の摺動部材(すべり軸受)の効果を確認するために、表1中に示す試料(表1中の実施例品1〜7、比較例品1〜5)を得た。
Figure 0005243468
まず、鋼裏金上にCu合金の軸受合金層をライニングしてバイメタルを製造し、次に、このバイメタルを半円筒状または円筒状にして成形品を得た。次に、この成形品の軸受合金層の表面にボーリング加工して表面を仕上げ、その表面に電界脱脂および酸によって洗浄を行った。次に、その成形品の表面に必要に応じて中間層を設け、この成形品(成形品に中間層が設けられている場合は中間層)上にBi電気めっきによってオーバレイ層を設けた。Bi電気めっきの条件を表2に示す。
ここで、本発明である実施例品1〜7は、Bi電気めっきにおいて、マイクロ・ナノバブル装置(図示省略)によってめっき液中にマイクロ・ナノバブルを発生させ、このマイクロ・ナノバブルを成形品(中間層)の表面に供給した。
Figure 0005243468
成形品(中間層)の表面にマイクロ・ナノバブルの供給を行うことにより、成形品(中間層)の表面に電流密度の微小粗密が生じ、第1のBi系粒子、第2のBi系粒子および第3のBi系粒子が析出した。マイクロ・ナノバブルを発生する装置は、めっき液と空気とを螺旋状の流路に高圧をかけて剪断させる方式のものを用いた。このマイクロ・ナノバブルを発生する装置は、めっき槽、ポンプ、フィルター、めっき槽の順でめっき液が循環される経路において、フィルターとめっき槽の間の経路に設けた。
めっき液中のマイクロ・ナノバブルの直径は、島津ナノ粒子径分布装置「SALD−7100」を用いて測定した。その測定の結果、実施例品1〜7の製造で用いられたBi電気めっき液中に存在する全バブルのうち個数で80%以上は、直径500nm〜1000nmのマイクロ・ナノバブルであった。
上述の製造方法によって、実施例品1〜7を得た。
比較例品1〜5は、成形品の表面に電流密度の微小粗密を生じさせない以外、実施例品1〜7と同様の製造方法によって得た。
表1中の「アスペクト比」の「a」、「b」、「c」の値の違いは、バブルの供給によって生じる電流密度の粗密の影響によるものである。
表1中の「アスペクト比」の列の「a」は、Bi系粒子の全粒子数に対し、第1のBi系粒子が占める粒子数の割合を百分率で表したものである。同じく「b」は、Bi系粒子の全粒子数に対し、第2のBi系粒子が占める粒子数の割合を百分率で表したものであり、「c」は、Bi系粒子の全粒子数に対し、第3のBi系粒子が占める粒子数の割合を百分率で表したものである。表1中の「アスペクト比の率」の列において、「d」は「a」÷「b」の値であり、「e」は「a」÷「c」の値である。
オーバレイ層13の断面は、走査イオン顕微鏡を用いて観察した。観察視野は5μm×5μmであり、測定倍率は25000倍である。この観察視野に含まれるすべてのBi系粒子について長軸Xおよび短軸Yを測った。そして、長軸Xを短軸Yで割ってアスペクト比Zを求め、このアスペクト比Zに基づいて、観察したBi系粒子を、第1のBi系粒子、第2のBi系粒子、第3のBi系粒子のいずれか一つに分類し、表1中の「a」、「b」、「c」、「d」、「e」を求めた。
上記の各試料について次の表3に示す条件で耐疲労性試験、および表4に示す条件で焼付試験を行った。その結果を、表1に示す。
Figure 0005243468
Figure 0005243468
耐疲労性試験および焼付試験の結果について解析する。
実施例品1〜7と、比較例品1〜5との対比から、実施例品1〜7は、a≧30(%)、0.5≦d≦6.0および0.5≦e≦6.0をすべて満たすため、比較例品1〜5よりも、耐疲労性および非焼付性のいずれも優れていることが理解できる。
実施例品1,2と、実施例品3〜7との対比から、実施例品1,2は、35≦a≦70、0.8≦d≦4.0および0.8≦e≦4.0をすべて満たすため、実施例品3〜7よりも、耐疲労性および非焼付性のいずれも、より一層優れていることが理解できる。
なお、軸受合金層とオーバレイ層との間に中間層、特にAg、Ag合金、Co、Co合金、Cu、Cu合金のいずれかからなる中間層を設けた実施例品では、更に厳しい条件で試験をしても、これらの試験後のオーバレイ層は基部から剥がれていなかった。
図面中、11は摺動部材、12は基部、12aは裏金層(基部)、12bは軸受合金層(基部)、12cは中間層(基部)、13はオーバレイ層、14はBi系粒子を示す。

Claims (3)

  1. 基部と、
    前記基部上に設けられ、BiまたはBi合金で形成されるBi系粒子を含むオーバレイ層とを備える摺動部材において、
    前記オーバレイ層を厚さ方向に沿って切断した断面において、前記オーバレイ層に含まれる前記Bi系粒子の長軸をXとし、前記長軸Xの中点の位置で前記長軸Xに対して直交する短軸をYとし、X÷Yをアスペクト比Zとすると、
    前記Bi系粒子は、Z<2の第1のBi系粒子、2≦Z<3の第2のBi系粒子、3≦Zの第3のBi系粒子のいずれか一つに分類され、
    前記Bi系粒子の全粒子数に対し、前記第1のBi系粒子が占める粒子数の割合をa%とし、前記第2のBi系粒子が占める粒子数の割合をb%とし、前記第3のBi系粒子が占める粒子数の割合をc%とし、a÷bをdとし、a÷cをeとすると、
    a≧30、0.5≦d≦6.0および0.5≦e≦6.0であることを特徴とする摺動部材。
  2. 35≦a≦70、0.8≦d≦4.0および0.8≦e≦4.0であることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  3. 前記基部は、裏金層と、前記裏金層上に設けられた軸受合金層と、前記軸受合金層上に設けられた中間層とを有し、
    前記中間層は、Ni、Ni合金、Ag、Ag合金、Co、Co合金、Cu、Cu合金のいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の摺動部材。
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