JP5243358B2 - テラヘルツ分光システム及び物質同定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、テラヘルツ波を用いて物質を同定するテラヘルツ分光システム及び同システムを使用した物質同定方法に関する。
近年、医療や食品、セキュリティの分野において100GHzを超える領域でのテラヘルツ波の利用が注目されている。これは、様々な物質がテラヘルツ領域で特徴的な吸収スペクトル(指紋スペクトル)を示すためである。例えば、図9に示すように、薬品の非破壊の同定にテラヘルツ波が有効であることが示されている(非特許文献1参照)。テラヘルツ波のスペクトル測定には、例えば、図10に示す装置を用いたテラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS)が一般に使用される(非特許文献2参照)。従来のテラヘルツ波を用いた物質の同定では、広い周波数範囲にわたってスペクトル曲線を測定し、連続スペクトルの特徴的なピーク位置から人間が定性的に判断して物質を同定していた(特許文献1参照)。
特開2008−151760号公報
K. Kawase, Y. Ogawa, Y. Watanabe, and H. Inoue, "Non-destructive terahertz imaging of illicit drugs using spectral fingerprints", Opt. Exp., 2003, Vol. 11, No. 20, p.2549-2554 味戸克裕、上野祐子、芳賀恒之、久々津直哉、「テラヘルツ分光技術」、NTT技術ジャーナル、平成2008年、第20巻、第12号、p.33-36 M. Izutsu, S. Shikama, and T. Sueta, "Integrated Optical SSB Modulator/Frequency Shifter", IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, November 1981, Vol. QE-17, No. 11, p.2225-2227
しかしながら、THz−TDSは、フェムト秒レーザや時間遅延走査を行うための精度の高い機械ステージが必要など、システムが大型化・高額化するという欠点がある。
また、THz−TDSでは広い周波数成分を含むパルス信号を測定に使用している。現在、275GHz以上は電波として規制を受けていないが、今後の技術の進展とともにこれらの周波数帯の利用が広がった場合には、テラヘルツ帯の電波の放射も法律により規制がかけられ、検査・測定目的では限られた周波数帯の放射しか認められなくなる可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、安価なテラヘルツ分光システムを提供することにある。
第1の本発明に係るテラヘルツ分光システムは、周波数が異なる複数のテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射手段と、複数のテラヘルツ波それぞれを測定対象に照射したときの透過波あるいは反射波の強度を測定する測定手段と、複数のテラヘルツ波それぞれを候補物質に照射して測定した強度それぞれについて、当該強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の強度の比を複数波長について複数取得して複数の候補物質強度比として格納した蓄積手段と、測定手段が測定した複数のテラヘルツ波それぞれにおける強度を受信し、当該強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の強度の比を複数波長について複数取得して複数の測定対象強度比として算出し、当該複数の測定対象強度比を蓄積手段に格納した複数の候補物質強度比のそれぞれと比較することで測定対象を同定する同定手段と、を有することを特徴とする。
上記テラヘルツ分光システムにおいて、テラヘルツ波照射手段は、所定の周波数間隔の複数のモードを発生する光源と、複数のモードのうち2つのモードを取り出す取出手段と、互いに異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、複数の発振器が出力する信号から1つの信号を選択するスイッチと、2つのモードの内の一方のモードを入力し、スイッチが選択した信号の周波数に基づいて当該モードの周波数を変化させる変調器と、周波数が変化した一方のモードと2つのモードの内の他方のモードとを合波する光カプラと、合波した2つのモードを含む光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器と、を有することを特徴とする。
上記テラヘルツ分光システムにおいて、テラヘルツ波照射手段は、広い周波数領域を連続的に含む光信号を出力する連続光源と、連続光源が出力する光信号を分岐する第1の光カプラと、分岐された一方の光信号から所定の周波数の光信号を切り出す第1のフィルタと、互いに異なる複数の周波数の光信号を切り出す複数の第2のフィルタと、分岐された他方の光信号が入力され、複数の第2のフィルタから1つ選択して他方の光信号を当該選択した第2のフィルタに入力する光スイッチと、第1、第2のフィルタが出力する光信号を合波する第2の光カプラと、合波した光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器と、を有することを特徴とする。
上記テラヘルツ分光システムにおいて、テラヘルツ波照射手段は、所定の周波数のモードを出力する第1のシングルモードレーザと、互いに異なる周波数のモードを出力する複数の第2のシングルモードレーザと、複数の第2のシングルモードレーザの出力のうち1つを選択する光スイッチと、第1のシングルモードレーザの出力と光スイッチが選択した第2のシングルモードレーザの出力を合波する光カプラと、合波した2つのモードを含む光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器と、を有することを特徴とする。
上記テラヘルツ分光システムにおいて、テラヘルツ波照射手段は、互いに異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、複数の発振器が出力する信号のうち1つを選択するスイッチと、スイッチが選択した信号を周波数逓倍してテラヘルツ波を放射する周波数逓倍器と、を有することを特徴とする。
上記テラヘルツ分光システムにおいて、テラヘルツ波照射手段は、所定の周波数の信号を出力する第1の発振器と、互いに異なる周波数の信号を出力する複数の第2の発振器と、複数の第2の発振器が出力する信号のうち1つを選択するスイッチと、第1の発振器が出力する信号を周波数逓倍するとともに、スイッチが選択した信号の周波数でアップコンバートしてテラヘルツ波を放射するハーモニックミキサと、を有することを特徴する。
第2の本発明に係る物質同定方法は、周波数が異なる複数のテラヘルツ波を照射するステップと、複数のテラヘルツ波それぞれを測定対象に照射したときの透過波あるいは反射波の強度を測定するステップと、測定ステップで測定した複数のテラヘルツ波それぞれにおける強度を受信するステップと、受信した強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の受信した強度の比を複数波長について複数取得して複数の測定対象強度比として算出するステップと、複数のテラヘルツ波それぞれを候補物質に照射して測定された強度それぞれについて、強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の強度の比を複数波長について複数取得して複数の候補物質強度比として格納する蓄積手段から読み出して、当該読み出した複数の候補物質強度比と複数の測定対象強度比をそれぞれ比較することで測定対象を同定するステップと、を有することを特徴とする。

本発明によれば、安価なテラヘルツ分光システムを提供することができる。
第1の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。 上記テラヘルツ分光システムにおける各部の光スペクトルを示す図である。 3種類の薬品のテラヘルツ分光スペクトルの測定結果と、5つの単一周波数で吸収特性を測定した測定結果を示す図である。 3種類の薬品の各周波数のテラヘルツ波における透過波の強度比を示す図である。 第2の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。 第3の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。 第4の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。 第5の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。 3種類の薬品のテラヘルツ分光スペクトルの測定結果を示すグラフである。 テラヘルツ時間領域分光法に用いる従来の装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。同図に示すテラヘルツ分光システム1は、スーパーコンティニウム(Supercontinuum:SC)光源11、アレイ導波路回折格子(Array Waveguide Grating:AWG)12、光シングルサイドバンド(Single Sideband:SSB)変調器13、ミリ波スイッチ14、互いに異なる周波数のミリ波信号を発振する固定発振器15A〜15E、光スイッチ16、光カプラ17、光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器18、透過波の強度(吸収特性)を測定するテラヘルツ検波器19、および判定装置20を備える。同図に示すテラヘルツ分光システムは、複数の単一周波数のテラヘルツ波を被測定物100に照射して各周波数のテラヘルツ波における透過波の強度を測定し、これら各透過波の強度のうちの一つを基準強度として他の透過波の強度をこの基準強度で除した値(透過波の強度比)を求め、同一周波数のテラヘルツ波によりあらかじめ測定した候補物質での透過波の強度比と比べることで、候補物質が被測定物に含まれているか否かを判定する。
SC光源11は、周波数間隔f0の複数の縦モード(光信号)を発生する。SC光源11が発生した複数のモードはAWG12に入力され、AWG12と光スイッチ16により2つのモードが選択される。
光SSB変調器13は、光信号の周波数を入力したミリ波信号の周波数に応じて変換する。光SSB変調器13に入力するミリ波信号をミリ波スイッチ14で切り替えることで周波数の変換量を変化させる。本実施の形態では、選択した2つのモードのうちの一方のモードを光SSB変調器13により周波数変換する。光SSB変調器13の詳細は非特許文献3に記載されている。
判定装置20は、算出部21、蓄積部22を備える。算出部21は、単一周波数のテラヘルツ波それぞれにより測定された透過波の強度の結果から被測定物100での透過波の強度比を求め、蓄積部22に格納された複数の候補物質の透過波の強度比と比較し、各周波数のテラヘルツ波における被測定物100の透過波の強度比と候補物質の透過波の強度比の差がすべて所定の範囲内である場合に、被測定物100にその候補物質が含まれていると判定する。
次に、テラヘルツ分光システム1の動作の流れを図を用いて説明する。図2は、テラヘルツ分光システム1における各部の光スペクトルを示す図であり、図1の点A〜Eそれぞれにおける光スペクトルを示した。
まず、SC光源11は、図2のAに示すように、f0の周波数間隔で複数のモードを発生する。そして、AWG12および光スイッチ16により、図2のB,Cに示すように、複数のモードから周波数間隔がN×f0(Nは整数)が成り立つ2つのモードを選択する。SC光源11が発生した複数のモードの周波数間隔f0は、光部品や電子部品の帯域性能から比較的発生が容易な10〜50GHz程度のマイクロ波〜ミリ波の周波数領域が使用されるため、テラヘルツ領域の周波数間隔の2モードを選択するには離れた2つのモードを抜き出す必要があるからである。
選択された2つのモードのうちの一方は、光SSB変調器13によりΔfmk(k=1,2,3,4,5)だけ周波数変換される。周波数の変換量は、光SSB変調器13に入力されるミリ波信号の周波数に依存する。すなわち、複数の固定発振器15A〜15Eの出力をミリ波スイッチ14により選択することにより、周波数の変換量を変化させる(図2のD)。
そして、周波数変換されたモードと他方のモードを光カプラ17で合波する。合波された光信号には、図2のEに示すように、周波数間隔がN×f0+Δfmk(k=1,2,3,4,5)の2つのモードが含まれる。この光信号は、光電変換器18により周波数N×f0+Δfmk(k=1,2,3,4,5)のテラヘルツ波に変換されて被測定物100に照射される。照射される各テラヘルツ信号の周波数は、f1=N×f0+Δfm1,f2=N×f0+Δfm2,f3=N×f0+Δfm3,f4=N×f0+Δfm4,f5=N×f0+Δfm5となり、Δfmkの設定により、例えばf1=1.21THz,f2=1.39THz,f3=1.56THz,f4=1.70THz,f5=1.83THzの周波数を持つテラヘルツ信号として発生させることができる。
そして、テラヘルツ検波器19により、被測定物100に照射された周波数f1〜f5のテラヘルツ信号の透過波の強度(吸収特性)をそれぞれ測定する。測定された透過波の強度は判定装置20に送信される。
判定装置20は、周波数f1(基準周波数)のテラヘルツ信号における透過波の強度(基準強度)に対する他の周波数fk(k=2,3,4,5)のテラヘルツ信号における透過波の強度比Rk(k=2,3,4,5)を算出し、蓄積部22に格納した複数の候補物質(a,b,c,…)の周波数f1のテラヘルツ信号における透過波の強度(基準強度)に対する各周波数fk(k=2,3,4,5)のテラヘルツ信号における透過波の強度比Sik(k=2,3,4,5、i=a,b,c,…)と比較し、類似する透過波の強度比を持つ候補物質iを被測定物100に含まれる物質であると判定する。
図3に、アスピリン、覚せい剤(メタンフェタミン)、麻薬(MDMA:dl−メチリンジオキシメタンフェタミン)のテラヘルツ分光スペクトルの測定結果と、f1=1.21THz,f2=1.39THz,f3=1.56THz,f4=1.70THz,f5=1.83THzの5つの単一周波数のテラヘルツ信号でそれぞれ透過波の強度を測定した結果を示す。図4の上の表は、各候補物質(ここでは、アスピリン、覚せい剤(メタンフェタミン)、麻薬(MDMA))について、周波数f1=1.21THzのテラヘルツ信号での透過波の強度を基準とした時の他の周波数f2〜f5のテラヘルツ信号における透過波の強度比を示す。アスピリン、覚せい剤、麻薬をそれぞれ候補物質a,b,cとすると、例えば、アスピリン(候補物質a)での透過波の強度比は、Sa2=1.6,Sa3=1.1,Sa4=1.9,Sa5=2.9である。
図4に示すように、周波数間での透過波の強度比を比較した場合、3つの物質間で周波数間での透過波の強度比が異なることが分かる。そこで、各候補物質に対して事前に各周波数のテラヘルツ信号における透過波の強度比(ある周波数のテラヘルツ信号における透過波の強度を基準とする)を測定しておき、測定した被測定物100における透過波の強度比の結果と比較することにより被測定物100に含まれる候補物質を同定することが可能となる。すなわち、複数の周波数のテラヘルツ信号を用いて事前に算出しておいた候補物質iにおける透過波の強度比データSik(k=2,3,4,5、i=a,b,c,…)と実際に測定して算出した被測定物100における透過波の強度比Rk(k=2,3,4,5)とを比較し、Sik(i=a,b,c,…)のうちk=2,3,4,5の全てにおいてRkとの誤差が所定の値(例えば10%)以内となるSikを特定することで物質iが被測定物100に含まれると判断して同定する。なお、強度比を比較して同定する際の誤差範囲は適宜設定すればよい。
このように、測定に使用する周波数を複数の単一周波数に限定し、各周波数における透過波の強度比を算出して物質を同定することにより、広い周波数範囲にわたってスペクトル曲線を測定する必要がなくなり、テラヘルツ分光システムを安価かつ簡素に構成することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムについて説明する。
図5は、第2の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。同図に示すテラヘルツ分光システム3は、広い周波数領域を連続的に含む光信号を出力する連続光源31、光カプラ32、光スイッチ33、光フィルタ34A〜34F、光カプラ35、光電変換器36、テラヘルツ検波器37、および判定装置38を備える。
連続光源31が出力した光信号を光カプラ32により分岐し、光スイッチ33および光フィルタ34A〜34Fにより、周波数間隔がfk=fa−fbi(i=1,2,3,4,5、fa>fbi)となる2つのモード(光信号)を選択する。具体的には、光カプラ32で分岐された一方の光信号は、光フィルタ34Aに入力されて周波数faのモードが切り出され、他方の光信号は、光スイッチ33により光フィルタ34B〜34Fのいずれかに入力されて周波数fbi(i=1,2,3,4,5)のモードが切り出される。図3に示すように、テラヘルツ帯のスペクトル分光では10GHz以下の精度はほとんどの場合必要ではないため、通過帯域が10GHz以下となるものが実現されているFBGフィルタ(Fiber Bragg Grating Filter)の透過特性を用いれば必要な周波数分解能を得ることができる。
選択された2つのモードは光カプラ35で合波され、光電変換器36によりテラヘルツ波に変換されて被測定物100に照射される。
そして、第1の実施の形態と同様に、テラヘルツ検波器37により被測定物100に照射された各周波数のテラヘルツ信号の透過波の強度をそれぞれ測定し、判定装置38により透過波の強度比を算出して、候補物質の強度比データと比較することにより、被測定物100に含まれる物質を同定する。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムについて説明する。
図6は、第3の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。同図に示すテラヘルツ分光システム4は、互いに異なる周波数のモードを出力する複数のシングルモードレーザ41A〜41F、光スイッチ42、光カプラ43、光電変換器44、テラヘルツ検波器45、および判定装置46を備える。
シングルモードレーザ41A〜41Fのそれぞれは、周波数fa,fb1〜fb5のモード(光信号)を出力する。シングルモードレーザ41Aの出力と、シングルモードレーザ41B〜41Fの出力のうち光スイッチ42により選択された1つによって、周波数間隔がfk=fa−fbi(i=1,2,3,4,5、fa>fbi)となる2つのモードを得る。シングルモードレーザ41A〜41Fの出力信号の周波数は電流や温度により10GHzの分解能で調整可能である。図3に示すように、テラヘルツ帯のスペクトル分光では10GHz以下の精度はほとんどの場合必要ではないため、本構成により必要な周波数分解能を得ることができる。
光スイッチ42により選択されたモードは、シングルモードレーザ41Aが出力するモードと光カプラ43で合波され、光電変換器44によりテラヘルツ波に変換されて被測定物100に照射される。
そして、第1の実施の形態と同様に、テラヘルツ検波器45により被測定物100に照射された各周波数のテラヘルツ信号の透過波の強度をそれぞれ測定し、判定装置46により透過波の強度比を算出して、候補物質の強度比データと比較することにより、被測定物100に含まれる物質を同定する。
[第4の実施の形態]
これまではテラヘルツ分光の光源として光技術を使用しているが、第4,5の実施の形態では、電気技術により構成した。
図7は、第4の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。同図に示すテラヘルツ分光システム5は、互いに異なる周波数の信号を発生する複数の固定発振器51A〜51E、ミリ波スイッチ52、周波数逓倍器53、テラヘルツ検波器54、および判定装置55を備える。
固定発振器51A〜51Eそれぞれが発生した周波数Δfmk(k=1,2,3,4,5)の信号は、ミリ波スイッチ52により1つ選択され、周波数逓倍器53により周波数逓倍(N倍、Nは整数)される。その結果、周波数N×Δfmk(k=1,2,3,4,5)のテラヘルツ信号が被測定物100に照射される。照射されるテラヘルツ信号の周波数が測定を希望する周波数fk(k=1,2,3,4,5)となるようにΔfmk(k=1,2,3,4,5)を選択する。
そして、第1の実施の形態と同様に、テラヘルツ検波器54により被測定物100に照射された各周波数のテラヘルツ信号の透過波の強度をそれぞれ測定し、判定装置55により透過波の強度比を算出して、候補物質の強度比データと比較することにより、被測定物100に含まれる物質を同定する。
[第5の実施の形態]
図8は、第5の実施の形態におけるテラヘルツ分光システムの構成を示すブロック図である。同図に示すテラヘルツ分光システム6は、互いに異なる周波数の信号を発生する複数の固定発振器61A〜61E、ミリ波スイッチ62、ハーモニックミキサ63、周波数f0の信号を発生する固定発振器64、テラヘルツ検波器65、および判定装置66を備える。
第5の実施の形態では、テラヘルツ信号の発生にハーモニックミキサ63を使用している点で第4の実施の形態と異なる。ハーモニックミキサ63では、入力されたLO信号の周波数を周波数逓倍(N倍)し、さらに別のIFポートから入力されたIF信号の周波数でアップコンバートする。本実施の形態では、固定発振器64が発生する周波数f0の信号をLO信号としてハーモニックミキサ63に入力するとともに、ミリ波スイッチ62により固定発振器61A〜61Eが発生した周波数Δfmk(k=1,2,3,4,5)の信号から1つを選択してハーモニックミキサ63のIFポートに入力する。これにより、ハーモニックミキサ63の出力周波数はfk=N×f0+Δfmk(k=1,2,3,4,5)となる。照射されるテラヘルツ信号の周波数が測定を希望する周波数fk(k=1,2,3,4,5)となるようにΔfmk(k=1,2,3,4,5)を選択する。
そして、第1の実施の形態と同様に、テラヘルツ検波器65により被測定物100に照射された各周波数のテラヘルツ信号の透過波の強度をそれぞれ測定し、判定装置66により透過波の強度比を算出して、候補物質の強度比データと比較することにより、被測定物100に含まれる物質を同定する。
但し、周波数逓倍器53やハーモニックミキサ63は広帯域性に限界があるため、広い周波数領域を測定する必要がある場合には使用できないという欠点がある。
以上の各実施の形態では、5つの単一周波数のテラヘルツ波(信号)を利用したが、これに限るものではない。なお、強度比を算出するためには最低でも2つの単一周波数のテラヘルツ波を用いる必要がある。
また、以上の各実施の形態では、被測定物100に照射したテラヘルツ波(信号)の透過波の強度を測定して強度比を算出したが、反射波の強度を測定して強度比を算出するものでもよい。
以上説明したように、測定に使用するテラヘルツ信号の周波数を複数の単一周波数に限定して被測定物100に照射し、各周波数における透過波あるいは反射波の強度比を算出して候補物質の強度比と比較し、強度比の誤差が所定の範囲内となる候補物質を特定することで、安価かつ簡素な構成で被測定物100に含まれる候補物質を特定することができる。
また、将来、テラヘルツ帯の電波の放射が法律により規制された場合にも対応が可能である。
1,3,4,5,6…テラヘルツ分光システム
11…SC光源
31…連続光源
41A〜41F…シングルモードレーザ
12…AWG
13…光SSB変調器
14,52,62…ミリ波スイッチ
15A〜15E,51A〜51E,61A〜61E,64…固定発振器
16,33,42…光スイッチ
17,32,35,43…光カプラ
34A〜34F…光フィルタ
18,36,44…光電変換器
53…周波数逓倍器
63…ハーモニックミキサ
19,37,45,54,65…テラヘルツ検波器
20,38,46,55,66…判定装置
21…算出部
22…蓄積部
100…被測定物

Claims (7)

  1. 周波数が異なる複数のテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射手段と、
    前記複数のテラヘルツ波それぞれを測定対象に照射したときの透過波あるいは反射波の強度を測定する測定手段と、
    前記複数のテラヘルツ波それぞれを候補物質に照射して測定した前記強度それぞれについて、当該強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の前記強度の比を複数波長について複数取得して複数の候補物質強度比として格納した蓄積手段と、
    前記測定手段が測定した前記複数のテラヘルツ波それぞれにおける前記強度を受信し、当該強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の前記強度の比を複数波長について複数取得して複数の測定対象強度比として算出し、当該複数の測定対象強度比を前記蓄積手段に格納した前記複数の候補物質強度比のそれぞれと比較することで前記測定対象を同定する同定手段と、
    を有することを特徴とするテラヘルツ分光システム。
  2. 前記テラヘルツ波照射手段は、
    所定の周波数間隔の複数のモードを発生する光源と、
    前記複数のモードのうち2つのモードを取り出す取出手段と、
    互いに異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
    前記複数の発振器が出力する信号から1つの信号を選択するスイッチと、
    前記2つのモードの内の一方のモードを入力し、前記スイッチが選択した信号の周波数に基づいて当該モードの周波数を変化させる変調器と、
    周波数が変化した前記一方のモードと前記2つのモードの内の他方のモードとを合波する光カプラと、
    合波した2つのモードを含む光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ分光システム。
  3. 前記テラヘルツ波照射手段は、
    広い周波数領域を連続的に含む光信号を出力する連続光源と、
    前記連続光源が出力する光信号を分岐する第1の光カプラと、
    分岐された一方の光信号から所定の周波数の光信号を切り出す第1のフィルタと、
    互いに異なる複数の周波数の光信号を切り出す複数の第2のフィルタと、
    分岐された他方の光信号が入力され、前記複数の第2のフィルタから1つを選択して前記他方の光信号を当該選択した第2のフィルタに入力する光スイッチと、
    前記第1、第2のフィルタが出力する光信号を合波する第2の光カプラと、
    合波した前記光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ分光システム。
  4. 前記テラヘルツ波照射手段は、
    所定の周波数のモードを出力する第1のシングルモードレーザと、
    互いに異なる周波数のモードを出力する複数の第2のシングルモードレーザと、
    前記複数の第2のシングルモードレーザの出力のうち1つを選択する光スイッチと、
    前記第1のシングルモードレーザの出力と前記光スイッチが選択した前記第2のシングルモードレーザの出力を合波する光カプラと、
    合波した2つのモードを含む光信号をテラヘルツ波に変換する光電変換器と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ分光システム。
  5. 前記テラヘルツ波照射手段は、
    互いに異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
    前記複数の発振器が出力する信号のうち1つを選択するスイッチと、
    前記スイッチが選択した信号を周波数逓倍してテラヘルツ波を放射する周波数逓倍器と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ分光システム。
  6. 前記テラヘルツ波照射手段は、
    所定の周波数の信号を出力する第1の発振器と、
    互いに異なる周波数の信号を出力する複数の第2の発振器と、
    前記複数の第2の発振器が出力する信号のうち1つを選択するスイッチと、
    前記第1の発振器が出力する信号を周波数逓倍するとともに、前記スイッチが選択した信号の周波数でアップコンバートしてテラヘルツ波を放射するハーモニックミキサと、
    を有することを特徴する請求項1記載のテラヘルツ分光システム。
  7. 周波数が異なる複数のテラヘルツ波を照射するステップと、
    前記複数のテラヘルツ波それぞれを測定対象に照射したときの透過波あるいは反射波の強度を測定するステップと、
    前記測定ステップで測定した前記複数のテラヘルツ波それぞれにおける前記強度を受信するステップと、
    前記受信した強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の前記受信した強度の比を複数波長について複数取得して複数の測定対象強度比として算出するステップと、
    前記複数のテラヘルツ波それぞれを候補物質に照射して測定された前記強度それぞれについて、前記強度のうちの1つを基準としたときの当該基準に対する他の前記強度の比を複数波長について複数取得して複数の候補物質強度比として格納する蓄積手段から読み出して、当該読み出した複数の候補物質強度比と前記複数の測定対象強度比をそれぞれ比較することで前記測定対象を同定するステップと、
    を有することを特徴とする物質同定方法。
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