JP5242140B2 - 固体原料供給方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、固体原料供給方法及び装置に関し、詳しくは、常温以上の温度で蒸気圧を有する固体粉末原料を常温でガス状の搬送ガスに同伴させて一定濃度で反応チャンバー等の供給先に供給する固体原料供給方法及び装置に関する。
半導体製造工場等において、固体原料を反応チャンバー等に定量的かつ定常的に供給することは、重要な要素技術の一つである。また、この要素技術は、微量有害物質分析のための標準ガス発生法にとっても、非常に重要な要素技術であり、これらの分野では、常温又は加熱することにより蒸気圧を有する固体状物質を一定濃度で供給するために様々な工夫がなされている。
例えば、半導体製造装置、具体的には有機金属を原料とし、酸化物薄膜を製膜する装置等においても、固体である有機金属をCVDチャンバーへ安定して再現性良く供給するため、固体原料を多孔質の吸着剤粒体に吸着させ、原料吸着後の前記吸着剤粒体を高温雰囲気中に配し、前記粒体に対してキャリアガスを通過させる方法(例えば、特許文献1参照。)や、固体有機金属を担持する有機金属担持体の一方の端面から他方の端面へ貫通する多数の貫通穴の表面にそれぞれ担持させた固体有機金属を固体有機金属が昇華する温度の雰囲気中に担持し、各貫通穴にキャリアガスを通過させることにより、キャリアガスに固体有機金属が混入して得られる原料ガスを供給する方法(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
一方、吸着剤や担持体を使用しないで、固体である有機金属をCVDチャンバーへ安定して再現性良く供給するため手段として、不活性充填物と混合した常温で固体の有機金属を容器内に充填し、該容器内にキャリヤーガスを通すことにより、有機金属を混合したキャリヤーガスを得る固体有機金属の供給方法において、容器の形状をカラム型の直管とし、該容器の上下いずれか一端にキャリヤーガス導入口を設け、他の一端に有機金属を混合したキャリヤーガス導出口を設ける固体有機金属供給装置も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、微量有害物質分析用の標準ガス発生手段として、常温で固体の物質を一定濃度で発生させる方法として、毛細管を装着した小型容器内に標準物質を導入し、該小型容器を恒温槽内に配置し、該恒温槽内の熱交換回路を経て加熱された希釈用ガスを上記小型容器の周囲に導き、これによって小型容器内の試料物質を蒸発させるとともに所定の低濃度において含有するガスとする方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この方法においては、試料物質が常温において固体状物質の場合には、溶剤に溶解して前記小型容器に導入し、次いで加熱により溶剤を揮散除去するとともに試料物質の薄膜を小型容器の内壁に形成した後に、この薄膜状の試料物質を蒸発させるようにしている。
特開平9−40489号公報 特開2003−273093公報 特開平6−151311号公報 特開2002−273202号公報
前記特許文献1,2に記載された方法では、固体原料を多孔質の吸着剤粒体に吸着させたり、担持体に担持させたりするにあたり、いずれの方法も、固体原料を溶剤に溶解させた後、吸着剤粒体や担持体と混合し、溶媒のみを揮散除去する方法が採られている。しかし、これらの方法では、溶媒の揮散除去が不十分な場合、固体原料と同時に不要な溶媒まで反応チャンバーへ送り込むこととなり、製品品質の劣化を招くおそれがあり、特に、吸着剤粒体や担体が多孔質の場合は、微量の溶媒が残留する可能性が高いという問題がある。さらに、難溶性の固体には適用が困難であり、特許文献2の方法では、担持体を複雑な形状に成型する必要があり、加工が困難であるという問題もあった。
また、特許文献3に記載された方法では、単に粉末状の固体原料と充填物とを混合するだけであることから、混合物の均一性を高め、固体とキャリヤーガスとの接触面積等を高精度で一定とすることが困難であり、このため、高精度に固体原料の供給量を一定とすることができないという問題があった。
さらに、特許文献4に記載された方法においても、固体原料を溶媒に溶解するため、溶媒残留の問題及び難溶性の固体への適用が難しく、また、固体原料を薄膜として使用するため、長時間、安定して供給することには不向きであることも問題点として挙げられる。
そこで本発明は、常温又は加熱することにより蒸気圧を有する固体状物質を極めて単純な構造の装置を用いて、高精度にかつ長時間、定量供給できる固体原料供給方法及び装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の固体原料供給方法は、固体原料を加熱して蒸発させ、蒸発した原料ガスを搬送ガスに同伴させて供給する固体原料供給方法において、前記固体原料の粉末を、横断面が一定断面積で、上面が水平面となる形状で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形し、成形した固体原料を、該固体原料の外側面形状と同一の内側面形状を有し、上部が開口した蒸発容器内に充填するとともに前記固体原料を載置する受け皿を付勢手段により上方に付勢して前記固体原料の上面を蒸発容器の上部開口縁から一定の距離に保持し、該蒸発容器を、固体原料から蒸発した原料ガスを前記搬送ガスに混合させる混合容器内に封入し、該混合容器内の雰囲気温度をあらかじめ設定した温度に保った状態で、該混合容器内に圧力及び流量をあらかじめ設定した圧力及び流量に調整した搬送ガスを導入し、前記上面から蒸発した原料ガスを搬送ガスに混合して同伴させた同伴ガスを前記混合容器内から導出して供給先に供給することを特徴としている。
さらに、本発明の固体原料供給方法は、前記固体原料が二フッ化キセノン、四フッ化キセノン、六フッ化キセノンのいずれか一種であることを特徴としている。
また、本発明の固体原料供給装置は、固体原料を加熱して蒸発させ、蒸発した原料ガスを搬送ガスに同伴させて供給する固体原料供給装置において、横断面が一定断面積で、上面が水平面となる形状で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形した固体原料が充填される蒸発容器と、該蒸発容器が封入される混合容器と、該混合容器内に前記搬送ガスを導入する搬送ガス導入経路と、該搬送ガス導入経路に設けられた圧力調整手段及び流量調整手段と、前記混合容器内の雰囲気温度を調整するための温度調整手段と、前記混合容器内で前記蒸発容器内の固体原料から蒸発した原料ガスと前記搬送ガスとが混合した同伴ガスを前記混合容器から導出して供給先に供給する同伴ガス導出経路とを備え、前記蒸発容器は、上部が開口するとともに、その内側面形状が前記成形した固体原料の外側面形状と同一に形成され、かつ、前記成形後の固体原料を載置する受け皿と、該受け皿を上方に付勢して固体原料の上面を蒸発容器の上部開口縁から一定の距離に保持する付勢手段とを備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の固体原料供給装置は、前記固体原料が二フッ化キセノン、四フッ化キセノン、六フッ化キセノンのいずれか一種であることを特徴としている。
本発明によれば、固体原料は、横断面が一定断面積で、上面が水平面となる形状で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形されているので、温度を調整した雰囲気で上面から均一に蒸発し、圧力及び流量を調整した搬送ガスに同伴させることにより、安定した濃度で供給先に供給することができる。特に、固体原料の横断面を一定断面積としているので、蒸発に伴って量が減少しても上面からの蒸発量を一定に保つことができる。
また、蒸発容器の上部開口縁から固体原料の上面までの距離を一定に保つことにより、固体原料の上面と混合容器内のガスとの接触状態を一定に保つことができ、固体原料の蒸発量をより確実に一定に保つことができる。さらに、溶媒を使用しないので同伴ガスが溶媒で汚染されることもなく、難溶性の固体原料にも対応することができる。
図1は本発明の固体原料供給装置の一形態例を示す系統図、図2は蒸発容器の一形態例を示す斜視図である。この固体原料供給装置は、固体原料11を充填した蒸発容器12と、この蒸発容器12を収納する混合容器13と、この混合容器13内に搬送ガスを導入する搬送ガス導入経路14と、混合容器13内で搬送ガスと固体原料から蒸発した原料ガスとが混合した同伴ガスを混合容器13から導出する同伴ガス導出経路15とを備えている。
固体原料11は、常温乃至加熱下で蒸気圧を有するものであって、例えば、二フッ化キセノン、四フッ化キセノン、六フッ化キセノンといったフッ化キセノン等の半導体製造用固体原料を対象とすることができる。この固体原料11は、均一で一定の蒸発量を得るため、成形機によって粉末を横断面が一定断面積で、上面が水平面となる形状で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形した成形物の状態で用いる。横断面形状は任意であるが、通常は円形又は正方形が好ましく、蒸発面となる上面を水平面とし、横断面を一定断面積とすることにより、蒸発によって体積(高さ)が減少した場合でも、均一で一定の蒸発量を得ることができる。成形物の高さは、蒸発量と供給時間とを考慮して適当に設定することができる。成形時に加える圧力は、固体原料11の性状によって異なるが、隙間無く、均一緻密な状態とするため、通常は10MPa以上に設定することが好ましい。
蒸発容器12は、固体原料11の成形物における外側面の形状と同一の内側面形状を有し、上部が開口した筒体であって、例えば、成形物が円柱状ならば成形物の直径に対応した内径を有する円筒を用いる。蒸発容器の高さは固体原料11の成形物を充填したときに、成形物上面が上部開口縁から上方に突出しない高さに設定されるが、高くし過ぎても無駄であるから、成形物の高さに比べて数倍程度の高さに設定することが好ましい。なお、蒸発容器12の底部は開口していてもよく、底板で塞がれていてもよい。
また、本実施例に示す蒸発容器12の下部には、固体原料11の成形物を載置する受け皿16と、該受け皿16を上方に付勢するコイルスプリング等の付勢手段17とが設けられている。受け皿16は、固体原料11の成形物を載置可能で、蒸発容器12内を容器軸線方向に移動可能な形状を有する薄板状のものであって、付勢手段17は、長さが蒸発容器12の高さ未満で、固体原料11を受け皿16に載置したときに固体原料11及び受け皿16の荷重で弾性収縮し、固体原料11が蒸発して荷重が減少したときに弾性伸張することにより、固体原料11の上面蒸発面を蒸発容器12の上部開口縁から一定の距離に保持する弾発力を有するものが用いられている。
混合容器13は、前記蒸発容器12を収容可能な内部形状を有し、上部に開口を有する有底筒体からなる容器本体18と、前記開口を密閉する蓋体19とで形成されており、蓋体19を取り外すことにより蒸発容器12を出し入れするようにしている。混合容器13の形状は、特に限定されるものではないが、製作性を考慮すると円筒形、角筒形が好ましい。混合容器13の容積も、固体原料11の蒸発量や搬送ガスの流量等の条件に応じて任意に設定可能であるが、容積が小さすぎると混合容器13内のガス流に乱れが発生しやすくなり、大きすぎるとコストアップになるので、例えば、蒸発容器12及び混合容器13が共に円筒形状の場合は、蒸発容器12に対して混合容器13は、直径は2〜4倍程度、高さは3〜5倍程度が適当である。
また、容器本体18の側壁上部には、前記搬送ガス導入経路14と前記同伴ガス導出経路15とが接続している。この搬送ガス導入経路14と同伴ガス導出経路15とは、容器本体18内のガス流れをスムーズにするため、容器本体18の対向する位置に、両経路14,15の軸線が一直線となるように設けることが好ましく、搬送ガス導入経路14から導入される搬送ガスが蒸発容器12に直接当たらない位置に設けることが好ましい。
さらに、混合容器13の容器本体18は、搬送ガス導入経路14及び同伴ガス導出経路15の接続部も含めてアルミブロック等で形成された伝熱手段20内に埋め込まれた状態になっている。この伝熱手段20は、容器本体18の全体を効率よく均一に加熱するためのもので、伝熱手段20内には、シーズヒーター等の加熱手段21と、熱電対等の温度計測手段22とが設けられている。前記伝熱手段20は、混合容器13を所定温度に加熱、保温できるものであればよく、湯浴やオイルバスを用いることも可能であり、伝熱手段20が金属等の固体で形成されている場合には、できるだけ混合容器13の外面と密着するように形成することが好ましい。
加熱手段21及び温度計測手段22は、伝熱手段20の外部に設けられた電子温度調節器等の温度調整手段23に接続されており、温度調節手段23は、温度計測手段22で計測した温度信号により、あらかじめ設定された設定温度と温度計測手段22にて計測した温度との差に応じて加熱手段21の制御を行い、例えば、リレー等を使用して、計測温度が設定温度より高い場合には加熱手段21の電源供給をOFFとし、計測温度が設定温度より低い場合には加熱手段21の電源供給をONとするといった制御を行うことにより、伝熱手段20を介して混合容器13内の雰囲気温度を室温から100℃程度の温度まで温度制御することが可能となっている。
前記搬送ガス導入経路14は、ガス供給源24から窒素やアルゴンのような不活性ガスあるいは水素等を搬送ガスとして供給するもので、搬送ガスの圧力を調整するための圧力調整手段25と、流量を調整するための流量調整手段26と、導入弁27とを備えている。また、前記同伴ガス導出経路15は、導出弁28を介して図示しない供給先に接続されている。
前記ガス供給源24は、搬送ガス用のガスが充填されたボンベを使用してもよく、場内の設備で使用しているガスを引き込んで使用することもできる。圧力調整手段25には、一次側及び二次側の圧力に応じた一般的な圧力調整器を使用することができ、流量調整手段26には、圧力、流量調整範囲、流量調整精度に応じて一般に使用されているマスフローコントローラを使用することができる。また、導入弁27,28には、ボールバルブやダイヤフラムバルブなどを使用することができる。
蒸発容器12や混合容器13をはじめとする各部材は、固体原料11や蒸発した原料ガス及び搬送ガスに対する反応性を有しない材料を、固体原料11の種類等に応じて選択すればよく、例えばステンレス鋼やアルミニウム合金等で形成することができる。
このように形成した固体原料供給装置を使用して一定濃度の固体原料ガスを一定流量で使用設備に供給するには、まず、固体原料11を蒸発容器12に対応した形状に成形する。この成形は、所定形状の金型とプレス機とを用いて行うことができ、固体原料11の粉末を金型内に所定量投入した状態で、プレス機により所定圧力、好ましくは10MPa以上の圧力で圧縮成形することにより、所定形状の成形物を作成することができる。成形物の状態は、前述のように、横断面が一定断面積で、上面が水平面で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造とする。成形物の外側面形状は、蒸発容器12の内側面形状と等しくし、成形物の高さは、蒸発容器12内に収まる範囲であればよく、前記付勢手段が設けられている場合は、成形物を受け皿16上に載置したときに、成形物の上面が蒸発容器12の開口縁を超えない高さとする。
成形後の固体原料11を蒸発容器12内に充填した後、蓋体19を取り外した混合容器13内の所定位置に蒸発容器12を設置し、蓋体19を取り付けて混合容器13を密閉することにより、固体原料11を充填した蒸発容器12を混合容器13内に封入した状態とする。次に、温度調整手段23に、固体原料11の蒸気圧や供給濃度等に応じた温度設定を行い、混合容器13内の雰囲気温度をあらかじめ設定された一定温度に調整する。
また、搬送ガス導入経路14の導入弁27と同伴ガス導出経路15の導出弁28とを開き、搬送ガス導入経路14から混合容器13内に搬送ガスを導入するとともに、混合容器13内で固体原料11から蒸発した原料ガスと搬送ガスとが混合した同伴ガスを同伴ガス導出経路15に導出し、図示しないパージ経路から排出する。そして、圧力調整手段25及び流量調整手段26にて搬送ガスの圧力及び流量をあらかじめ設定された圧力及び流量に調整し、同伴ガス導出経路15に導出される同伴ガスの原料濃度が安定した時点で同伴ガス導出経路15から供給先への同伴ガスの供給を開始する。
時間の経過に伴って蒸発容器12内の固体原料11は次第に減少するが、蒸発面が成形物の上面だけであり、上面を凹凸のない水平面とし、横断面を一定断面積に成形した状態で蒸発容器12内に充填しているため、固体原料11は上面の蒸発面からのみ蒸発し、上面全体から均一に蒸発することになる。したがって、固体原料11の量が減少しても上面の蒸発面の面積が変化することはなく、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形しているので、固体原料11の全体を均一に加熱することができ、一定の蒸発量を得ることができる。これにより、同伴ガス中の原料ガス濃度を、長時間にわたって一定濃度に維持することができる。
さらに、固体原料11の成形物を受け皿16を介して付勢手段17上に載置し、付勢手段17の付勢力によって蒸発容器12の上部開口縁から一定の距離に成形物の上面を保持するようにしたことにより、蒸発容器12内の固体原料11は、蒸発により量が減少して成形物の高さが低くなっても、重量の減少に伴って付勢手段17が成形物を上方に押し上げるので、常に一定の条件で混合容器13内の雰囲気ガスと接触することになり、固体原料11の蒸発量をより正確に一定に保つことができる。
また、固体原料11の成形物は、受け皿16、蒸発容器12、混合容器13、伝熱手段20を介して加熱手段21に密着した状態に形成することにより、温度調整手段23による温度制御を効率よく行うことができ、固体原料11を一定温度に保つことができるので、固体原料11の蒸発量を更に安定化させることができる。
なお、各部材の構造や形状は、固体原料の種類や供給量に応じて適宜設定することが可能であり、例えば、蒸発容器を混合容器の底部材と一体に形成することもでき、蒸発容器を成形型の一部とすることもできる。
また、本形態例に示すように、本発明の固体原料供給装置は、搬送ガス導入経路14、同伴ガス導出経路15、温度調整手段23を備えた混合容器13と、所定の状態に成形した固体原料11を充填する蒸発容器12とで構成できるので、極めて単純な構造で小型に形成することができ、装置コストや保守コストの削減を図れる。また、固体原料の粉末を所定形状に成形する成形機は、簡単な形状の金型と一般的なプレス機とで構成できるので、特殊な機器を使用する必要がなく、成形コストも安価に収まる。
図1に示した固体原料供給装置を使用して半導体薄膜製造用の固体原料である二フッ化キセノン(XeF)を供給する実験を行った。蒸発容器は、内径20mm、高さ35mmの有底円筒体であり、その底部に蒸発容器の内径と等しい外径を有する受け皿と、受け皿を上方に付勢する付勢手段としてコイルスプリングとを配置した。二フッ化キセノンは、その粉末を断面が円形の金型に5gを投入し、プレス機を用いて10MPaの圧力で円柱状に成形した。成形物は、横断面が円形の一定断面積で、上面の蒸発面が水平面で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造であり、その外径は蒸発容器の内径と同じ20mmであり、高さは15mmであった。また、前記コイルスプリングの弾性は、成形した二フッ化キセノンの重量に釣り合うように設定し、成形直後の成形物を載置したときから、蒸発によって二フッ化キセノンが減少したときでも、上面の蒸発面が蒸発容器の上部開口縁から約10mmの略一定の距離を保つようにした。
混合容器は、内径60mm、高さ140mmの蓋付き円筒体であり、上部には搬送ガス導入経路と同伴ガス導出経路とを対向させて一直線上に設けている。この混合容器の底板中央に、前記成形物を受け皿上に載置して充填した蒸発容器を設置し、蓋体によって混合容器を密閉した。混合容器内の雰囲気温度を60℃に設定するとともに、圧力を大気圧に調整し、流量を500ml/minに調整した窒素ガスを搬送ガス導入経路から混合容器内に導入し、同伴ガス導出経路から導出される同伴ガス中の二フッ化キセノン濃度をFTIRにて測定した。二フッ化キセノン濃度の経時変化を、供給開始1時間後を100とした相対濃度として図3に示す。図3から明らかなように、二フッ化キセノン濃度の変化はほとんどなく、長時間にわたって略一定の濃度で二フッ化キセノンを安定して再現性良く供給できることがわかる。
前記蒸発容器内の受け皿及びコイルスプリングを省略した以外は実施例1と同様の操作を行い、同伴ガス導出経路から導出される同伴ガス中の二フッ化キセノン濃度をFTIRにて測定した。なお、蒸発容器の内部には受け台を挿入し、成形直後の成形物を蒸発容器内に充填したときの蒸発面が蒸発容器の上部開口縁から10mmの位置になるようにした。同伴ガス導出経路から導出される同伴ガス中の二フッ化キセノン濃度の経時変化を、実施例1と同じ相対濃度として図4に示す。図4から明らかなように、二フッ化キセノン濃度は、時間の経過に伴って僅かに低下するが、11時間経過後の低下率は約2%に留まっており、長時間にわたって略一定の濃度で二フッ化キセノンを供給できることがわかる。
(比較例1)
前記蒸発容器を使用せず、二フッ化キセノン粉末の成形も行わずに、混合容器内に粉末のままの二フッ化キセノンを投入した以外は実施例1と同様の操作を行い、同伴ガス導出経路から導出される同伴ガス中の二フッ化キセノン濃度をFTIRにて測定した。その結果を実施例1と同じ相対濃度として図5に示す。図5から明らかなように、二フッ化キセノン濃度は、時間の経過に伴って低下し、11時間経過後には約10%低下したことがわかる。
(比較例2)
両端にバルブの付いたステンレス製カラム型容器(内径30mm、長さ200mm)に二フッ化キセノン5g及びステンレス製充填物5gを詰め、60℃の恒温槽に入れるとともに、一方のバルブから窒素ガスを、大気圧で500ml/minの流量にて通気し、他方のバルブから導出されるガス中の二フッ化キセノン濃度をFTIRにて測定した。その結果を図6に示す。図6から明らかなように、二フッ化キセノン濃度は、時間の経過に伴って低下し、11時間経過後には約6%低下したことがわかる。
本発明の固体原料供給装置の一形態例を示す系統図である。 蒸発容器の斜視図である。 実施例1における二フッ化キセノン濃度の経時変化を示す図である。 実施例2における二フッ化キセノン濃度の経時変化を示す図である。 比較例1における二フッ化キセノン濃度の経時変化を示す図である。 比較例2における二フッ化キセノン濃度の経時変化を示す図である。
符号の説明
11…固体原料、12…蒸発容器、13…混合容器、14…搬送ガス導入経路、15…同伴ガス導出経路、16…受け皿、17…付勢手段、18…容器本体、19…蓋体、20…伝熱手段、21…加熱手段、22…温度計測手段、23…温度調整手段、24…ガス供給源、25…圧力調整手段、26…流量調整手段、27…導入弁、28…導出弁

Claims (4)

  1. 固体原料を加熱して蒸発させ、蒸発した原料ガスを搬送ガスに同伴させて供給する固体原料供給方法において、
    前記固体原料の粉末を、横断面が一定断面積で、上面が水平面となる形状で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形し、
    成形した固体原料を、該固体原料の外側面形状と同一の内側面形状を有し、上部が開口した蒸発容器内に充填するとともに前記固体原料を載置する受け皿を付勢手段により上方に付勢して前記固体原料の上面を蒸発容器の上部開口縁から一定の距離に保持し、
    該蒸発容器を、固体原料から蒸発した原料ガスを前記搬送ガスに混合させる混合容器内に封入し、
    該混合容器内の雰囲気温度をあらかじめ設定した温度に保った状態で、該混合容器内に圧力及び流量をあらかじめ設定した圧力及び流量に調整した搬送ガスを導入し、
    前記上面から蒸発した原料ガスを搬送ガスに混合して同伴させた同伴ガスを前記混合容器内から導出して供給先に供給する
    ことを特徴とする固体原料供給方法。
  2. 前記固体原料が二フッ化キセノン、四フッ化キセノン、六フッ化キセノンのいずれか一種であることを特徴とする請求項1記載の固体原料供給方法。
  3. 固体原料を加熱して蒸発させ、蒸発した原料ガスを搬送ガスに同伴させて供給する固体原料供給装置において、
    横断面が一定断面積で、上面が水平面となる形状で、粒子間に隙間が無く、均一緻密な構造に成形した固体原料が充填される蒸発容器と、
    該蒸発容器が封入される混合容器と、
    該混合容器内に前記搬送ガスを導入する搬送ガス導入経路と、
    該搬送ガス導入経路に設けられた圧力調整手段及び流量調整手段と、
    前記混合容器内の雰囲気温度を調整するための温度調整手段と、
    前記混合容器内で前記蒸発容器内の固体原料から蒸発した原料ガスと前記搬送ガスとが混合した同伴ガスを前記混合容器から導出して供給先に供給する同伴ガス導出経路とを備え、
    前記蒸発容器は、上部が開口するとともに、その内側面形状が前記成形した固体原料の外側面形状と同一に形成され、かつ、前記成形後の固体原料を載置する受け皿と、該受け皿を上方に付勢して固体原料の上面を蒸発容器の上部開口縁から一定の距離に保持する付勢手段とを備えている
    ことを特徴とする固体原料供給装置。
  4. 前記固体原料が二フッ化キセノン、四フッ化キセノン、六フッ化キセノンのいずれか一種であることを特徴とする請求項3記載の固体原料供給装置。
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