JP5241557B2 - セルフタッピングインサート - Google Patents

セルフタッピングインサート Download PDF

Info

Publication number
JP5241557B2
JP5241557B2 JP2009037222A JP2009037222A JP5241557B2 JP 5241557 B2 JP5241557 B2 JP 5241557B2 JP 2009037222 A JP2009037222 A JP 2009037222A JP 2009037222 A JP2009037222 A JP 2009037222A JP 5241557 B2 JP5241557 B2 JP 5241557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
self
cutting
tapping insert
tapping
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009037222A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010032037A (ja
Inventor
房秀 本道
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON SPREW CO Ltd
Original Assignee
NIPPON SPREW CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON SPREW CO Ltd filed Critical NIPPON SPREW CO Ltd
Priority to JP2009037222A priority Critical patent/JP5241557B2/ja
Publication of JP2010032037A publication Critical patent/JP2010032037A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5241557B2 publication Critical patent/JP5241557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Connection Of Plates (AREA)

Description

本発明は、セルフタップ機能を有するインサートナットであるセルフタッピングインサートに関する。
従来、母材の材質が軽合金、非鉄金属、或いは各種プラスチックなどの強度が低いか、或いは、もろい場合、雌ねじの摩耗、破壊、焼き付き、カジリ等の問題が生じるのを防止するために、コイルインサートが広く使用されている。
つまり、螺旋状コイルインサートは、例えば、特許文献1に記載されるように、通常、菱形断面の、高抗張力特殊鋼線、例えば冷間加工された18−8ステンレス鋼線を円筒形のスプリング状に巻いて作製される。
図10及び図11に示すように、コイルインサート100は、被加工物(母材)101に形成されたタップ穴102へ、挿入工具にてねじ込まれて固定される。その後、ボルト103などがこの螺旋状コイルインサート100を雌ねじとして螺合される。このように螺旋状コイルインサート100を使用することにより、高いねじ締結力を得ると共に、ボルト103を繰り返し挿入したり、取り外しすることも可能となる。
また、一方、上記コイルインサート100の代わりに、用途によっては、母材に形成した下穴にねじ立てをする必要のない、セルフタップ機能を有するインサートナットであるセルフタッピングインサートが作業効率の点から幅広く使用されている。
現在、市販されているセルフタッピングインサートの一例を示せば、図12及び図13に示すような構成とされる。
つまり、セルフタッピングインサート1は、外周面に雄ねじ2が形成され、内周面に雌ねじ3が形成されている。外周面に形成される雄ねじ2は、一方の先端部が、本例では、右側先端部4が、軸線方向先端側へと傾斜した、所謂、先細(テーパ)形状とされ、加工開始時において、セルフタッピングインサート1の先端部4が母材の下穴に適合し易くされている。
また、セルフタッピングインサート1の先端部4には、円周方向に所定の幅を有した割溝7、8が、先端から軸線方向に所定の長さに渡って形成されている。この割溝7、8は、本例では、直径方向に対向して形成されており、セルフタッピングインサート1の切り刃部Aを形成する。
このようなセルフタッピングインサート1は、図14に示すように、母材101に下穴104を形成し、タップ立ては行わない(図14(a))。母材101に形成された下穴104には、セルフタッピングインサート1の割溝7、8を下にして、セルフタッピングインサート1の先端部が下穴104の上に配置される(図14(b))。次いで、セルフタッピングインサート1に工具105を取り付ける。即ち、工具105のねじ部106をセルフタッピングインサート1の内周側雌ねじ部に螺合させて取り付け、工具105を回転させる。これによりセルフタッピングインサート1をも回転し、セルフタッピングインサート1は、下穴104をセルフタップして下穴104に取り付けられる(図14(c)、(d))。その後、工具105を反転させて、工具105のねじ部106をセルフタッピングインサート1から除去される(図14(e))。
特許第4018844号公報
上記従来のセルフタッピングインサートにおいて、割溝により形成される切り刃部は、母材下穴への喰い付きを向上させ、作業性を良くするために、軸線方向長さが長い程好ましい。従って、場合によっては、セルフタッピングインサートの長さの半分以上とされることもあった。
しかしながら、切り刃部を長くすると、この部分の機械的強度が低下し、セルフタッピングインサート自体が弱くなるといった問題を有している。
そこで、図15に示すように、セルフタッピングインサート1に形成した割溝7、8の代わりに、外周面上に円形の凹部9を形成することが行われている。
斯かる構成では、切り刃部分Aが小さすぎて、作業効率が悪い。更に、セルフタップにより生じた切り粉が凹部に溜まることとなるが、切り粉の量が多くなるセルフタッピングインサートには採用することはできない。
図15のセルフタッピングインサート1にて、凹部9の代わりに、貫通孔とした構成のものもあるが、この場合においても、切り刃部分が小さすぎて、作業効率が悪い、という問題がある。
そこで、本発明の目的は、切り刃部分を大きく取ることができ、且つ、セルフタップにより生じた切り粉を極めて円滑に下方に落下除去することができ、作業効率を著しく向上させることのできるセルフタッピングインサートを提供することである。
本発明の他の目的は、更に、被加工物(母材)の下穴に安定してセットすることができ、作業性を向上させることのできるセルフタッピングインサートを提供することである。
上記目的は本発明に係るセルフタッピングインサートにて達成される。要約すれば、本発明は、外周面に雄ねじが形成され、内周面に雌ねじが形成されており、一方の先端部が軸線方向先端側へと傾斜した先細形状とされるセルフタッピングインサートにおいて、
前記先端部側に位置して、切り刃部形成凹所が外周方向に均等に複数箇所設けられており、
前記切り刃部形成凹所は、前記先細形状先端部の端面から軸線方向に所定の距離(N1)の位置(a)を通り軸線に対して前記先細形状先端部の端面の方へと角度α1をなす垂直平面内に位置し、前記外周面から内周面方向へと切り込まれた切断面を有し、タップ機能をなす切り刃部を形成しており、そして
前記切り刃部形成凹所に連接して、前記切断面とは反対側の円周方向に形成された第2の切り刃部形成凹所を有することを特徴とするセルフタッピングインサートである。
本発明の一実施態様によると、前記角度α1は、15°〜30°とされる。
本発明の他の実施態様によると、前記切り刃部形成凹所の、前記切断面から円周方向に延在する底部は、前記切断面の底部端縁から前記雄ねじ外周面及び前記先端部端面へと至る湾曲状或いは平面状の傾斜面とされる。
本発明の他の実施態様によると、前記先細形状先端部の端面から軸線方向に所定の距離(N4)だけ円柱形状のガイド部を有する。
本発明の他の実施態様によると、前記ガイド部の外周部は、前記先細形状先端部の傾斜角度βより内側に内包されている。
本発明によれば、セルフタッピングインサートの強度を低下させることなく、切り刃部分を大きく取ることができる。また、セルフタップにより生じた切り粉は、切り刃部分に連接して形成された切り刃部形成凹所により案内されて極めて円滑に下方向に除去することができる。従って、作業効率を著しく向上させることができる。また、先細形状先端部にガイド部を設けることにより、被加工物(母材)の下穴に安定してセットすることができ、作業性を更に向上させることができる。
本発明に係るセルフタッピングインサートの一実施例を示す斜視図である。 本発明に係るセルフタッピングインサートの一実施例を示す正面図である 図2のセルフタッピングインサートの右側面図である。 図2のセルフタッピングインサートの断面図である。 本発明に係るセルフタッピングインサートの他の実施例を示す正面図である 図5のセルフタッピングインサートの右側面図である。 本発明に係るセルフタッピングインサートの他の実施例を示す正面図である 図7のセルフタッピングインサートの断面図である。 図7のセルフタッピングインサートを被加工物の下穴にセットする際の装着態様を説明する図である。 螺旋状コイルインサートの使用方法を説明する図である。 螺旋状コイルインサートが被加工物に装着された状態を説明する図である。 従来の割溝タイプのセルフタッピングインサートの斜視図である。 図12のセルフタッピングインサートの部分断面図である。 セルフタッピングインサートの被加工物に対する装着方法を説明する図である。 従来の他のタイプのセルフタッピングインサートの斜視図である。
以下、本発明に係るセルフタッピングインサートを図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1〜図4に、本発明に係るセルフタッピングインサート1の一実施例を示す。
本実施例によると、セルフタッピングインサート1は、従来と同様に、外周面に雄ねじ2が形成され、内周面に雌ねじ3が形成されている。外周面に形成される雄ねじ2は、一方の先端部が、本例では、右側先端部領域4が、軸線O1−O2方向先端側へと傾斜した、所謂、先細(テーパ)形状とされ、図14を参照して先に説明したように、加工開始時において、セルフタッピングインサート1の先端部4が母材101の下穴104に適合し易くされている。
本実施例では、セルフタッピングインサート1は、図4にて、雄ねじ2がM6(ピッチ1.5mm)、雌ねじ3がM1.0、外径D1が10mm、内径D2が5mmとし、全長L1が7.5mmと11.5mmの二種類のものを作製した。細長先端部4は、端面5からの距離L2が4mm、テーパ角度βが8°とした。本発明のセルフタッピングインサート1が、前記寸法形状に限定されるものではないことを理解されたい。
本実施例によると、セルフタッピングインサート1の先端部4には、従来の直径方向に対向して形成され円周方向に所定の幅を有した割溝7、8(図12参照)の代わりに、切り刃部形成凹部10が形成される。本実施例にて、切り刃部形成凹所10は、先端部外周面に、外周方向に均等に複数箇所、本実施例では、3箇所設けられている。ただ、これに限定されるものではなく、2箇所でも良く、場合によっては、4箇所又はそれ以上とすることもできる。各切り刃部形成凹部10は、通常、同じ形状、寸法とされる。
次に、切り刃部形成凹所10は、図2に示す正面図にて、セルフタッピングインサート1の先端面5から反対側の端部へと軸線O1−O2に沿って所定の距離(N1)に位置する位置aから、先端面5の方向へと軸線O1−O2に対して角度α1にて垂直な切断面Aを有している。切断面Aは、位置aと、切断面Aの先端部端面5における外周面位置b1との間、即ち、外方端縁部a−b1が連続した山形状とされる切り刃部を構成する。
つまり、切り刃部形成凹所10の切断面Aは、雄ねじ2が形成された外周面上の位置であって、先細形状先端部4の端面5から軸線O1−O2方向に所定の距離(N1)とされる位置aを通り軸線O1−O2に対して先細形状先端部4の端面5の方へと角度α1をなす垂直平面(Z−Z平面)内に位置し、外周面から内周面方向へと切り込まれた垂直切断面とされる。この切断面Aは、タップ機能をなす切り刃部を形成している。
端面5から位置aまでの軸線O1−O2に沿った距離N1は、セルフタッピングインサート1の全長L1に応じて適宜選定されるが、通常、全長L1の1/2(1/2L)程度、或いは、雄ねじの山数2〜6程度とされる。ただし、必要に応じて、図2にて二点鎖線にて示すように、N1=L1とし、切り刃部形成凹所10をセルフタッピングインサート1の全長L1に渡って形成しても良い。本実施例では、全長L1の1/2とした。また、角度α1は、切り刃部の性能の点から、0°より大きく45°より小さくされるのが好ましい。より好ましくは、15°〜30°の範囲のいずれかの角度にて形成されるのが好ましい。本実施例ではα1=15°とし、良好な結果を得た。ただ、本発明のセルフタッピングインサート1は、前記寸法形状に限定されるものではない。
切断面Aの先端部5における端縁b1から底部位置b2(図3参照)までの切り込み深さN2は、内周部に形成される雌ねじ3の谷部に達しない大きさとされる。従って、本実施例によれば、切り刃部形成凹所10が形成されてはいるが、従来のように、円周方向に割溝が形成されることはなく、セルフタッピングインサート1の強度が低下することはない。
通常、端面5における切断面Aの切り込み深さN2は、1〜1.5mm程度とされる。ただ、この値に限定されるものではない。本実施例では、1.3mmとした。
切り刃部形成凹所10の切断面Aから円周方向に延在する底部Bは、即ち、端縁a−b2、端縁b2−c、端縁c−d、端縁d−aにて形成される底部Bは、湾曲面とされる。この湾曲面Bは、切り刃部Aにて切断された母材の切り粉を、セルフタッピングインサート1の先端5の方へと、更には、先端から外方(例えば、下穴内の下方部)へと案内して除去する機能をなす。即ち、切り刃部Aにて切断された母材の切り粉は、セルフタッピングインサート1の回転により切り刃部(垂直切断面)Aにより押されながら回動して、セルフタッピングインサート1の先端5から外方(例えば、下穴内の下方部)へと落下して除去される。
従って、図3に示すように、本実施例では、セルフタッピングインサート1の先端位置における切断面Aの底部位置b2から、円周方向位置cまでの先端縁部b2−cは、半径Rの曲線とされる。通常、半径Rは、セルフタッピングインサート1の外径より大とされる。ただ、これに限定されるものではない。また、位置cは、図3にて、位置a及びセルフタッピングインサート1の軸中心Oを通る水平軸線H−Hから角度α2とされる。通常、角度α2は、30°以上90°以下、本実施例では、45°とした。また、位置cの雄ねじ外周面からの切り込み深さN3は適宜に設定し得る。ただ、切り粉の排出を効率よく実施するためには、N3≦N2であることが好ましい。
上述したように、切り刃部形成凹所10の、先端縁部b2−cとは反対側の縁部は、セルフタッピングインサートの雄ねじ外周部と接触した縁部a−dとされる。従って、上述のように、本実施例では、切り刃部底縁部a−b2、先端縁部b2−c、端縁部c−d、端縁部d−aにて湾曲面状の底部Bが形成される。
つまり、本実施例にて、切り刃部形成凹所10の、切断面Aに対して円周方向へと延在する底部Bは、切断面Aの底部端縁a−b2から雄ねじ外周面a−d及び先端部端面5における端縁部b2−cへと至る湾曲状の傾斜面とされる。
本実施例によると、上記切り刃部形成凹所10に隣接して、即ち、切り刃部形成凹所10の縁部c−dに連接して、更に、セルフタッピングインサート1の雄ねじ外周部より内側に向かって切除された第2の切り刃部形成凹所20が形成される。この第2の切り刃部形成凹所20は、切り刃部Aで発生し、切り刃部形成凹所10へと案内された切り粉を、切り刃部形成凹所10から、セルフタッピングインサート1の先端5を介して外方(例えば、下穴内の下方部)へとより効率よく案内して除去する機能をなす。
本実施例では、第2の切り刃部形成凹所20を形成する円周方向位置eと、セルフタッピングインサート1の先端位置における切り刃部形成凹所10の位置cまでの先端縁部c−eは、直線とされる。ただ、これに限定されるものではなく、曲線とすることもできる。
上記構成の本実施例のセルフタッピングインサート1によれば、セルフタッピングインサート1の強度を低下させることなく切り刃部分Aを大きく取ることができる。また、セルフタップにより生じた切り粉は、切り刃部分Aに連接して形成された切り刃部形成凹所10、20により案内されて極めて円滑に除去することができる。従って、作業効率を著しく向上させることができる。
実施例2
図5及び図6に、本発明のセルフタッピングインサート1の他の実施例を示す。
本実施例にて、セルフタッピングインサート1の全体構成は、実施例1と同様であり、本実施例においても、実施例1と同様の寸法のものを作製した。ただ、実施例1とは、以下に説明するように、切り刃部形成凹所10の形状において異なる。
従って、セルフタッピングインサート1の全体構成、及び、同様の機能をなす箇所等については同じ参照番号を付し、ここでの再度の説明は省略する。
本実施例においても、実施例1と同様に、切り刃部形成凹所10は、先端部外周面に均等に3箇所設けられているが、これに限定されるものではなく、2箇所でも良く、場合によっては、4箇所又はそれ以上とすることもできる。各切り刃部形成凹部10は、通常、同じ形状、寸法とされる。
次に、切り刃部形成凹所10は、図5に示す正面図にて、セルフタッピングインサート1の先端から所定の距離(N1)に位置する位置aから軸線方向に対して角度α1にて垂直な切断面Aを有している。位置aと、切断面Aの先端部における外周面位置b1との間、即ち、外周縁部a−b1が連続した山形状とされる切断面Aが切り刃部を構成する。斯かる構成は、実施例1と同様である。
端面5から位置aまでの軸線O1−O2に沿った距離N1は、セルフタッピングインサート1の全長L1に応じて適宜選定されるが、通常、全長L1の1/2(1/2L)程度、或いは、雄ねじの山数2〜6程度とされる。実施例1で説明したように、必要に応じてN1=L1とし、切り刃部形成凹所10をセルフタッピングインサート1の全長に渡って形成しても良い。本実施例では、実施例1と同様に、全長L1の1/2とした。また、角度α1は、切り刃部の性能の点から、0°より大きく45°より小さくされるのが好ましい。より好ましくは、15°〜30°の範囲である。本実施例ではα1=15°とし、良好な結果を得た。ただ、本発明のセルフタッピングインサート1は、前記寸法形状に限定されるものではない。
切断面Aの先端部5における端縁b1から底部位置b2までの切り込み深さN2は、内周部に形成される雌ねじ3の谷部に達しない大きさとされる。従って、本実施例においても、切り刃部形成凹所10が形成されてはいるが、従来のように、円周方向に割溝が形成されることはなく、セルフタッピングインサート1の強度が低下することはない。
切り刃部形成凹所10の底部Bは、実施例1では、図2、図3に示すように、セルフタッピングインサート1の先端位置5における切断面Aの底部位置b2から、円周方向位置cまでの先端縁部b2−cは、半径Rの曲線とされたが、本実施例では、直線とされる(図6参照)。また、位置cは、図6にて、位置a及びセルフタッピングインサート軸中心Oを通る水平軸線H−Hから角度α2とされ、通常角度α2は、10°以上45°以下、本実施例では、20°とした。
一方、切り刃部形成凹所10の、先端縁部b2−cとは反対側の縁部は、セルフタッピングインサートの雄ねじ外周部と接触した縁部a−dとされる。縁部a−dは、切断面Aである切り刃部Aを形成する切り刃部端縁部a−b1に対して角度α3にて延在している。角度αは、通常60〜120°とされるが、本実施例では、90°とされる。ただ、これに限定されるものではない。
従って、本実施例では、切り刃部底縁部a−b2、先端縁部b2−c、端縁部c−f、外周端縁部f−d、縁部d−aにて平面状の底部Bが形成される。
つまり、本実施例にて、切り刃部形成凹所10の、切断面Aに対して円周方向へと略垂直方向に延在する底部Bは、切断面Aの底部端縁a−b2から雄ねじ外周面a−d、d−f、f−c、及び先端部端面b2−cにて形成される平面状の傾斜面とされる。
実施例1の場合と同様に、この平面部Bは、切り刃部Aにて切断された母材の切り粉を、セルフタッピングインサート1の先端5から外方(例えば、下穴内の下方部)へと案内して除去する機能をなす。即ち、切り刃部Aにて切断された母材の切り粉は、セルフタッピングインサート1の回転により切り刃部(垂直切断面)Aにより押されながら回動して、セルフタッピングインサート1の先端5から外方(例えば、下穴内の下方部)へと押しやられて除去される。
本実施例によると、上記切り刃部形成凹所10に隣接して、即ち、切り刃部形成凹所10の縁部c−fに連接して、更に、セルフタッピングインサート1の雄ねじ外周部2より内側に向かって切除された第2の切り刃部形成凹所20が形成される。この第2の切り刃部形成凹所20は、切り刃部Aで発生し、切り刃部形成凹所10へと案内された切り粉を、切り刃部形成凹所10からセルフタッピングインサート1の先端5から外方(例えば、下穴内の下方部)へとより効率よく案内して除去する機能をなす。
本実施例では、第2の切り刃部形成凹所20を形成する円周方向位置eと、セルフタッピングインサート1の先端位置における切り刃部形成凹所10の位置cまでの先端縁部c−eは、直線とされる。
また、位置eは、図6にて、位置a及びセルフタッピングインサート軸中心Oを通る水平軸線H−Hから角度α4とされ、通常角度α4は、45°以上90°以下、本実施例では、70°とした。
本実施例のセルフタッピングインサート1においても、実施例1と同様に、セルフタッピングインサート1の強度を低下させることなく、切り刃部分Aを大きく取ることができる。また、セルフタップにより生じた切り粉は、切り刃部分Aに連接して形成された切り刃部形成凹所10、20により案内されて極めて円滑に下方向に除去することができる。従って、作業効率を著しく向上させることができる。
実施例3
図7及び図8に、本発明のセルフタッピングインサート1の他の実施例を示す。
本実施例にて、セルフタッピングインサート1の全体構成は、実施例1と同様であり、本実施例においても、実施例1と同様のものを作製した。ただ、実施例1とは、以下に説明するように、外周面に形成される雄ねじ2の先細(テーパ)形状とされる先端部4の形状において異なる。
つまり、本実施例によると、先細形状先端部4の端面5から軸線O1−O2方向に所定の距離(N4)に亘って、円柱形状のガイド部6が形成される。例えば、このガイド部6は、実施例1のセルフタッピングインサート1を使用し、その先端部4を後加工により、雄ねじ部分を円柱状に切削することにより作製することができる。
円柱形状ガイド部6は、図9に示すように、母材(被加工物)101の下穴104に嵌合する形状とされる。従って、本実施例によれば、セルフタッピングインサート1の先端部4を先細形状とすると共に、更に先端部4の端面側にガイド部6を設けることにより、セルフタッピングインサート1は、被加工物101の下穴104の中心軸に対して芯合わせして真っ直ぐに適合し易くなり、加工時の母材101の下穴104、により安定してセットすることができ、作業性が向上する。
本実施例では、ガイド部6の長さN4は、限定されるものではないが、雄ねじ2の1ピッチ分程度とされる。また、ガイド部6の外周部の寸法、即ち、外径D3は、下穴104に円滑に嵌合し得るように、下穴104の内径D0より僅かに小さくされる。例えば、通常、直径でD0−D3=0.1〜0.2mmとされる。また、ガイド部6の外周部(外径D3)は、先細(テーパ)形状とされる先端部4のテーパ角度βより内側に内包される寸法とされる。
本実施例で説明したガイド部6は、当然に、実施例2で説明したセルフタッピングインサート1にも適用し得る。
1 セルフタッピングインサート
2 雄ねじ外周面
3 雌ねじ内周面
4 細長形状先端部
5 細長形状先端部端面
6 ガイド部
10 切り刃部形成凹所
20 第2の切り刃部形成凹所
A 切り刃部形成凹所切断面(切り刃部)
B 切り刃部形成凹所底部

Claims (5)

  1. 外周面に雄ねじが形成され、内周面に雌ねじが形成されており、一方の先端部が軸線方向先端側へと傾斜した先細形状とされるセルフタッピングインサートにおいて、
    前記先端部側に位置して、切り刃部形成凹所が外周方向に均等に複数箇所設けられており、
    前記切り刃部形成凹所は、前記先細形状先端部の端面から軸線方向に所定の距離(N1)の位置(a)を通り軸線に対して前記先細形状先端部の端面の方へと角度α1をなす垂直平面内に位置し、前記外周面から内周面方向へと切り込まれた切断面を有し、タップ機能をなす切り刃部を形成しており、そして
    前記切り刃部形成凹所に連接して、前記切断面とは反対側の円周方向に形成された第2の切り刃部形成凹所を有することを特徴とするセルフタッピングインサート。
  2. 前記角度α1は、15°〜30°とされることを特徴とする請求項1のセルフタッピングインサート。
  3. 前記切り刃部形成凹所の、前記切断面から円周方向に延在する底部は、前記切断面の底部端縁から前記雄ねじ外周面及び前記先端部端面へと至る湾曲状或いは平面状の傾斜面とされることを特徴とする請求項1又は2のセルフタッピングインサート。
  4. 前記先細形状先端部の端面から軸線方向に所定の距離(N4)だけ円柱形状のガイド部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかの項に記載のセルフタッピングインサート。
  5. 前記ガイド部の外周部は、前記先細形状先端部の傾斜角度βより内側に内包されていることを特徴とする請求項に記載のセルフタッピングインサート。
JP2009037222A 2008-06-23 2009-02-19 セルフタッピングインサート Active JP5241557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009037222A JP5241557B2 (ja) 2008-06-23 2009-02-19 セルフタッピングインサート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008163870 2008-06-23
JP2008163870 2008-06-23
JP2009037222A JP5241557B2 (ja) 2008-06-23 2009-02-19 セルフタッピングインサート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010032037A JP2010032037A (ja) 2010-02-12
JP5241557B2 true JP5241557B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=41736740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009037222A Active JP5241557B2 (ja) 2008-06-23 2009-02-19 セルフタッピングインサート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5241557B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014213610A1 (de) * 2014-07-14 2016-01-14 Atotech Deutschland Gmbh Gewindeeinsatz und diesen enthaltendes Bauteil
DE102016107034A1 (de) * 2016-04-15 2017-10-19 Fairchild Fasteners Europe - Camloc Gmbh Selbstschneidender Gewindeeinsatz und Verfahren zu seiner Herstellung

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5045159A (ja) * 1973-08-22 1975-04-23
JPS56143607U (ja) * 1980-03-28 1981-10-29
JP3131362B2 (ja) * 1995-08-02 2001-01-31 本田技研工業株式会社 自己創成ねじ
JP2003222116A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Honda Motor Co Ltd セルフタッピングボルト
GB0508397D0 (en) * 2005-04-26 2005-06-01 Tappex Thread Inserts Ltd Improvements in and relating to a fastener

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010032037A (ja) 2010-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2700829B1 (en) Tapping screw
EP0767024B1 (en) Thread forming tap
US7553114B2 (en) Thread cutting tap and a method of its manufacture
US8061946B2 (en) Threaded assembly comprising internal thread member, and external thread member
JP5651605B2 (ja) チップブレーカパターンを有する回転式切削工具
CN103619520B (zh) 尖端拆装式旋转工具
EP2832482B1 (en) Replaceable head cutting tool
JP5269431B2 (ja) タッピンねじ
JP4377588B2 (ja) 非円形状断面部と半径方向へ延在する切れ刃とを有するネジ形成タップ
US20030078109A1 (en) Thread forming tap
CZ287834B6 (en) Screwing tap for cold forming internal thread and process for producing thereof
JPWO2011086675A1 (ja) 内径仕上げ刃付き盛上げタップ
KR20060051836A (ko) 나사 절삭 공구
JP2009095883A (ja) 転造ダイスと細径で半径rの丸底を有する深溝付転造ネジ軸の製造方法
JP2006239858A (ja) ねじ山を生成する工具および方法
JPWO2008075402A1 (ja) スパイラルタップ
US20110200404A1 (en) Spiral tap
JP6876791B2 (ja) 盛上げタップ
US7815512B2 (en) Thread forming tap and method for manufacturing the same
EP1611983B1 (en) High-speed processing tap
JP5241557B2 (ja) セルフタッピングインサート
JP2009255211A (ja) めねじ加工工具及びそれを用いためねじの加工方法
JP2019529139A (ja) ねじ山形成工具
JP2018080825A (ja) 木ねじ及び該木ねじの製造方法
JP5800021B2 (ja) 盛上げタップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130402

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5241557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250