JP5239434B2 - 触媒層転写シート、並びにこれを用いた電解質膜−触媒層接合体の製造方法、電解質膜−電極接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池用電極の製造方法、及び固体高分子形燃料電池の製造方法 - Google Patents

触媒層転写シート、並びにこれを用いた電解質膜−触媒層接合体の製造方法、電解質膜−電極接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池用電極の製造方法、及び固体高分子形燃料電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、触媒層転写シート、並びにこれを用いた電解質膜−触媒層接合体の製造方法、電解質膜−電極接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池用電極の製造方法、及び固体高分子形燃料電池の製造方法に関するものである。
燃料電池は、電解質の両面に電極が配置され、水素と酸素の電気化学反応により発電する電池であり、発電時に発生するのは水のみである。このように従来の内燃機関と異なり、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しないために次世代のクリーンエネルギーシステムとして普及が見込まれている。その中でも特に固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く、電解質の抵抗が少ないことに加え、活性の高い触媒を用いるので小型でも高出力を得ることができ、家庭用コージェネレーションシステム等として早期の実用化が見込まれている。
この固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜を用い、この電解質膜の両面に触媒層及びガス拡散層を順に積層している。そして、この触媒層及びガス拡散層からなる電極の周囲を囲むようにガスケットを配置し、さらにこれをセパレータで挟んだ構造を有している。(例えば特許文献1の図1参照)。この触媒層を電解質膜上、またはガス拡散層上に形成する方法の一つとして、触媒層転写シートを用いる方法がある。この触媒層転写シートを用いて電解質膜に触媒層を形成する方法は、まず基材上に触媒層が形成された触媒層転写シートを2枚準備し、これら触媒層転写シートを触媒層が電解質膜側を向くように電解質膜の両面にそれぞれ配置する。そして、各触媒層転写シートの背面側から熱プレスなどを施すことによって、触媒層を電解質膜上に転写し、その後、基材のみを剥離することで電解質膜上に触媒層を形成する(特許文献1参照)。
特開2006−286560号公報
しかしながら、上述したような触媒層転写シートを用いた触媒層の形成方法においては、基材を剥離する際に触媒層が電解質膜上に転写されずに基材側に残ったまま基材と一緒に剥離されてしまうことがある。このように触媒層が電解質膜に転写されずに基材と一緒に剥離されてしまうと、いわゆる剥離不良という不良品として処理している。
そこで、本発明は、剥離不良を減少させて歩留まりを向上させることのできる触媒層転写シート、並びにこれを用いた電解質膜−触媒層接合体の製造方法、電解質膜−電極接合体の製造方法、及び固体高分子形燃料電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る触媒層転写シートは、上記課題を解決するためになされたものであり、固体高分子形燃料電池の電解質膜上に触媒層を転写形成するための触媒層転写シートであって、シート状の基材と、前記基材の一方面全体に形成された触媒層と、を備えており、外周縁から外方に突出する突起部が形成されている。
このように構成された触媒層転写シートは、電解質膜に触媒層を転写させるために用いられるものであるが、触媒層を転写させて基材を剥離する際に発生する剥離不良は、基材を剥離し始める部分、すなわち基材の外周縁部に多く発生し、それ以外の部分に剥離不良が発生する可能性は非常に低い。本発明に係る触媒層転写シートは外周縁部から外方に突出する突起部が形成されているため、この突起部から基材を剥離することによって、仮に剥離不良が発生した場合であってもその発生場所を突起部のみとすることができ、突起部以外の部分における触媒層を電解質膜に確実に転写することができる。このため、突起部において剥離不良が発生しても突起部以外の部分における触媒層で十分に電池性能が十分に確保できるよう設計することによって、突起部で触媒層が電解質膜に転写されていなくても剥離不良として処分せずに良品とすることができ、ひいては歩留まりを向上させることができる。
上記触媒層転写シートは種々の構成をとることができるが、例えば、当該触媒層転写シートを平面視矩形状に形成し、前記突起部を角部に形成することが好ましい。このように角部に突起部を構成することによって、基材の剥離作業を容易にすることができる。
また、外周縁の突起部と対向する位置に、外周縁から外方に突出する対向突起部がさらに形成されていることが好ましい。基材を剥離し終える部分にも剥離不良が多く発生するため、突起部と対向する位置に対向突起部を形成することで、より剥離不良を低減することができる。
また、本発明に係る電解質膜−触媒層接合体の製造方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、上記記載のいずれかの触媒層転写シートを2つ準備する工程と、電解質膜を準備する工程と、前記各触媒層転写シートで前記電解質膜を挟持するように、前記各触媒層転写シートを触媒層が前記電解質膜側に向けて配置する工程と、前記触媒層転写シートの触媒層を前記電解質膜の両面に転写する工程と、前記突起部から前記基材を剥離する工程と、を備えている。
この方法によれば、触媒層転写シートの基材を剥離する際に突起部から剥離し始めるため、仮に剥離不良が発生しても、その剥離不良が発生する部分は突起部のみとなる。よって、突起部において剥離不良が発生しても突起部以外の部分における触媒層で電池性能が十分に確保できるよう設計しておくことによって、突起部で触媒層が電解質膜に転写されていなくても剥離不良として処分せずに良品とすることができ、ひいては歩留まりを向上させることができる。
また、上記電解質膜−触媒層接合体の製造方法は、種々の構成をとることができるが、例えば、上記触媒層転写シートは、突起部の形状、位置、又は数が互いに異なっていることが好ましい。なお、突起部は、アノード触媒層とカソード触媒層との識別さえできればよく、突起部の形状、位置、又は数の内、少なくとも一つが異なっていればよい。このように構成することによって、アノード触媒層とカソード触媒層とを突起部によって識別することが可能となり、電解質膜−電極接合体組立時にアノード触媒層とカソード触媒層とを誤って組み合わせてしまうことを防ぐことができる。
また、本発明に係る電解質膜−電極接合体の製造方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、上記いずれかの電解質膜−触媒層接合体の製造方法と、前記各触媒層上にガス拡散層を形成する工程と、を備えている。
この方法によれば、上記いずれかの電解質膜−触媒層接合体の製造方法を備えているので、上述したように突起部で触媒層が電解質膜に転写されていなくても剥離不良として処分せずに良品とすることができ、歩留まりを向上させることができる。
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池用電極の製造方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、上記いずれかの触媒層転写シートを準備する工程と、ガス拡散層を準備する工程と、前記触媒層転写シートを触媒層が前記ガス拡散層側に向けてガス拡散層上に配置する工程と、前記触媒層転写シートの触媒層を前記ガス拡散層上に転写する工程と、前記突起部から前記基材を剥離する工程と、を備えている。
この方法によれば、触媒層転写シートの基材を剥離する際に突起部から剥離し始めるため、仮に剥離不良が発生しても、その剥離不良が発生する部分は突起部のみとなる。よって、突起部において剥離不良が発生しても突起部以外の部分における触媒層で電池性能が十分に確保できるよう設計しておくことによって、突起部で触媒層がガス拡散層上に転写されていなくても剥離不良として処分せずに良品とすることができ、ひいては歩留まりを向上させることができる。
また、本発明に係る電解質膜−電極接合体の製造方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、上記の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法と、電解質膜を準備する工程と、前記電極を触媒層が前記電解質膜側に向くよう前記電解質膜上に配置する工程と、前記ガス拡散層上に形成された触媒層と前記電解質膜を接合する工程と、を備えている。
この方法によれば、上記固体高分子形燃料電池用電極の製造方法を備えているので、上述したように突起部で触媒層がガス拡散層上に転写されていなくても剥離不良として処分せずに良品とすることができ、歩留まりを向上させることができる。
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池の製造方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、上記電解質膜−電極接合体の製造方法と、前記電解質膜−電極接合体の周囲を囲むようにガスケットを設置する工程と、前記電解質膜−電極接合体を挟持するようにセパレータを設置する工程と、を備えている。
この方法によれば、上記電解質膜−電極接合体の製造方法を備えているので、上述したように突起部で触媒層が電解質膜に転写されていなくても剥離不良として処分せずに良品とすることができ、歩留まりを向上させることができる。
本発明によれば、剥離不良を減少させて歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明に係る触媒層転写シートの実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は触媒層転写シートの平面図、図2は触媒層転写シートの正面図である。
図1及び図2に示すように、触媒層転写シート1は、平面視矩形状の基材2と、基材2上面全体に形成された触媒層3と、を備えている。また、図2に示すように、この触媒層転写シート1は、平面視矩形状であるが、その右上角部に突起部4が形成されている。
基材2の材質としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。さらには、高分子フィルム以外にアート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、ノート用紙、コピー用紙などの非塗工紙であっても良い。基材2の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から通常6〜100μm程度、好ましくは10〜30μm程度程度とするのがよい。従って、基材2としては、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
触媒層3の材質としては、公知の白金含有の触媒層(カソード触媒及びアノード触媒)である。詳しくは、触媒層3は、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。触媒粒子としては、例えば、白金や白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。なお、通常は、カソード触媒層に含まれる触媒粒子は白金であり、アノード触媒層に含まれる触媒粒子は前記金属と白金との合金である。また、水素イオン伝導性高分子電解質としては、後述する電解質膜5に使用されるものと同じ材料を使用することができる。なお、触媒層3の膜厚は、ダイレクトメタノール形燃料電池の場合は20〜100μmが好ましく、固体高分子形燃料電池の場合は15〜30μmが好ましい。
次に上記触媒層転写シート1の製造方法について説明すると、まず、上述した触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を適当な溶剤に混合、分散して触媒ペーストを作製する。そして、形成される触媒層3が所望の膜厚になるように触媒ペーストを公知の方法に従い、必要に応じて離型層を介して基材上に塗工する。触媒ペーストの塗工方法としては、スクリーン印刷や、スプレーコーティング、ダイコーティング、ナイフコーティングなどの公知の塗工方法を挙げることができる。そして、触媒ペーストを塗工した後、所定の温度及び時間で乾燥することにより基材上に触媒層が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは10分〜1時間程度である。このように形成された触媒層転写シートを型抜きして上述したように角部に突起部4が形成された平面視矩形状の触媒層転写シート1を形成する。
上記触媒ペーストを作製する際に使用する溶剤としては、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水またはこれらの混合物等が挙げられ、これらの中でもアルコール類が好ましい。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、等の炭素数1〜4の一価アルコール、各種の多価アルコール等が挙げられる。
次に、上記触媒層転写フィルム1を用いた、電解質膜−触媒層接合体、電解質膜−電極接合体、及び固体高分子形燃料電池の製造方法について、図3を参照しつつ説明する。
まず、平面視矩形状の電解質膜5を準備し、この上方に、アノード触媒層転写シート1を、アノード触媒層3が電解質膜5側を向くように配置する。そして、電解質膜5の下方に、カソード触媒層転写シート1’を、カソード触媒層3’が電解質膜5側を向くように配置する(図3(a))。なお、アノード触媒層転写シート1は上述した触媒層転写シート1と同様のものを使用するが、カソード触媒層転写シート1’は、カソード触媒層3’とアノード触媒層3とが識別できるよう、突起部4’がアノード触媒層転写シート1の突起部4とは異なる位置に形成されている。すなわち、カソード触媒層転写シート1’は、突起部4’が角部ではなく、図3に示すように上辺の中央部に形成されている。
次に、触媒層転写シート1,1’の背面側から加熱プレスを施して、アノード触媒層3を電解質膜5の上面に転写させるとともにカソード触媒層3’を電解質膜5の下面に転写させる。そして、アノード触媒層転写シート1の基材2を突起部4から剥離し(図3(b))、続いてカソード触媒層転写シート1’の基材2’を突起部4’から剥離する(図3(c))。以上のように各触媒層転写シート1,1’の基材2,2’を剥離して、電解質膜5の上面にアノード触媒層3を、下面にカソード触媒層3’を形成し、電解質膜−触媒層接合体10を作製する(図3(d))。なお、作業性を考慮すると、触媒層3、3’を電解質膜5に転写させる工程について、両面同時に触媒層3,3’を転写させることが好ましいが、片面ずつ触媒層3、3’を形成することもできる。加熱プレスの加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜20MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を極力少なくするために加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、電解質膜5の破損、変形等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは150℃以下がよい。また、上記電解質膜5に転写形成された各触媒層3,3’は、突起部分4,4’を除いた部分で十分に所望の電池性能が得られるように設計されている。
このように作製された電解質膜−触媒層接合体10の各触媒層3,3’上に、ガス拡散層6を熱圧着により積層形成して、電解質膜−電極接合体20を作製する(図3(e))。そして、この各触媒層3,3’とガス拡散層6からなる各電極Eの周囲を囲むように枠状のガスケット7を設置し、最後にセパレータ8を、ガス流路81がガス拡散層6と対向するように、ガス拡散層6及びガスケット7上に配置して、ガス拡散層6とセパレータ8とが電気的に接続するようにセパレータ8で電解質膜−電極接合体20を挟持することによって、固体高分子形燃料電池30が完成する(図3(f))。
なお、上記電解質膜5の材質としては、例えば、基材上に水素イオン伝導性高分子電解質を含有する溶液を塗工し、乾燥することにより形成される。水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液中に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質の濃度は、通常5〜60重量%程度、好ましくは20〜40重量%程度である。なお、電解質膜5の膜厚は通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。
また、ガス拡散層6の材質としては、公知であり、燃料極、空気極を構成する各種のガス拡散層を使用でき、燃料である燃料ガス及び酸化剤ガスを効率よく触媒層3、3’に供給するため、多孔質の導電性基材からなっている。多孔質の導電性基材としては、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロス等が挙げられる。
ガスケット7の材質としては、熱プレスに耐えうる強度を保ち、かつ、外部に燃料及び酸化剤を漏出しない程度のガスバリア性を有しているものを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートやテフロン(登録商標)シート、シリコンゴムシート等を例示することができる。
セパレータ8の材質としては、公知であり、燃料電池内の環境においても安定な導電性板であればよく、一般的には、カーボン板にガス流路81を形成したものが用いられる。また、セパレータ8をステンレス等の金属により構成し、金属の表面にクロム、白金族金属又はその酸化物、導電性ポリマーなどの導電性材料からなる被膜を形成したものや、同様にセパレータを金属によって構成し、該金属の表面に銀、白金族の複合酸化物、窒化クロム等の材料によるメッキ処理を施したもの等も使用可能である。
以上、本実施形態によれば、基材2を剥離する際は突起部4から剥離し始めるため、仮に剥離不良が発生してもその発生場所は突起部4のみに抑えることができ、突起部4以外の部分の触媒層3は正常に電解質膜5に転写することができる。触媒層3は突起部4を除いた部分で十分に電池性能を確保できるように設計されているため、仮に剥離不良が発生しても良品として取り扱うことができ、その結果、歩留まりを向上させることができる。また、アノード触媒層3とカソード触媒層3’とは、突起部4,4’が形成されている位置が異なっているため、アノード触媒層3とカソード触媒層3’とを目視にて識別することが可能であり、ひいては電解質膜−電極接合体組立時の組み合わせの間違いを防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では突起部4は各触媒層転写シート1につき一つしか形成されていないが、突起部4を複数形成することもできる。この場合は、図4に示すように、突起部4と対向する位置に対向突起部41を形成することが好ましい。これにより、基材2の剥離し始めの部分を突起部4とし、剥離し終える部分を対向突起部41とすることで、剥離不良の発生の多い箇所である部分に突起部4及び対向突起部41を形成して剥離不良を低減することができる。
また、上記実施形態では、突起部4は平面視矩形状に形成されているが、例えば、この突起部4を平面視円形状や、図5に示すような三角形などの先細りの形状としてもよい。突起部4を先細りの形状とすることによって、より剥離しやすくなる。
また、上記実施形態では、電解質膜5に触媒層3を転写形成してからガス拡散層6を触媒層3上に形成しているが、図6に示すように、ガス拡散層6上に触媒層転写シート1を触媒層3がガス拡散層6を向くように配置し(図6(a))、ガス拡散層6上に触媒層3を転写形成して突起部4から基材2を剥離し(図(b))、電極Eを形成してから(図6(c))、この電極Eを電解質膜5に接合させてもよい(図6(d))。なお、電解質膜5の下面にも同様の方法で電極Eを形成する。その後は上記実施形態と同様の方法でガスケットやセパレータを設置して固体高分子形燃料電池を完成させる。
本発明に係る触媒層転写シートの実施形態を示す正面図である。 本発明に係る触媒層転写シートの実施形態を示す平面図である。 本発明に係る固体高分子形燃料電池の製造方法を示す説明図である。 本発明に係る触媒層転写シートの別の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る触媒層転写シートの別の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る固体高分子形燃料電池の別の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1 触媒層転写シート
2 基材
3 触媒層
4 突起部
41 対向突起部
5 電解質膜
6 ガス拡散層
7 ガスケット
8 セパレータ
10 電解質膜−触媒層接合体
20 電解質膜−電極接合体
30 固体高分子形燃料電池

Claims (9)

  1. 固体高分子形燃料電池の触媒層を転写形成するための触媒層転写シートであって、
    シート状の基材と、
    前記基材の一方面全体に形成された触媒層と、を備えており、
    外周縁から外方に突出する突起部が形成されている、触媒層転写シート。
  2. 当該触媒層転写シートは平面視矩形状に形成されており、前記突起部が角部に形成されている、請求項1に記載の触媒層転写シート。
  3. 外周縁の前記突起部と対向する位置に、外周縁から外方に突出する対向突起部がさらに形成されている、請求項1又は2に記載の触媒層転写シート。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の触媒層転写シートを2つ準備する工程と、
    電解質膜を準備する工程と、
    前記各触媒層転写シートで前記電解質膜を挟持するように、前記各触媒層転写シートを触媒層が前記電解質膜側に向けて配置する工程と、
    前記触媒層転写シートの触媒層を前記電解質膜の両面に転写する工程と、
    前記突起部から前記基材を剥離する工程と、
    を備えた、電解質膜−触媒層接合体の製造方法。
  5. 前記触媒層転写シートは、前記突起部の形状、位置、又は数が互いに異なる、請求項4に記載の電解質膜−触媒層接合体の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の電解質膜−触媒層接合体の製造方法と、
    前記各触媒層上にガス拡散層を形成する工程と、
    を備えた、電解質膜−電極接合体の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の触媒層転写シートを準備する工程と、
    ガス拡散層を準備する工程と、
    前記触媒層転写シートを触媒層が前記ガス拡散層側に向けてガス拡散層上に配置する工程と、
    前記触媒層転写シートの触媒層を前記ガス拡散層上に転写する工程と、
    前記突起部から前記基材を剥離する工程と、
    を備えた、固体高分子形燃料電池用電極の製造方法。
  8. 請求項7に記載の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法と、
    電解質膜を準備する工程と、
    前記電極を触媒層が前記電解質膜側に向くよう前記電解質膜上に配置する工程と、
    前記ガス拡散層上に形成された触媒層と前記電解質膜を接合する工程と、
    を備えた、電解質膜―電極接合体の製造方法。
  9. 請求項6又は8に記載の電解質膜−電極接合体の製造方法と、
    前記電解質膜−電極接合体の周囲を囲むようにガスケットを設置する工程と、
    前記電解質膜−電極接合体を挟持するようにセパレータを設置する工程と、
    を備えた、固体高分子形燃料電池の製造方法。
JP2008076097A 2008-03-24 2008-03-24 触媒層転写シート、並びにこれを用いた電解質膜−触媒層接合体の製造方法、電解質膜−電極接合体の製造方法、固体高分子形燃料電池用電極の製造方法、及び固体高分子形燃料電池の製造方法 Expired - Fee Related JP5239434B2 (ja)

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