本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いながら説明する。但し、本発明は以下の形態に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態1〜9は自由に組み合わせて用いることができる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、ゲッタリング用の希ガスを含むアモルファスシリコン膜をプラズマ処理装置を用いて形成する工程を含む半導体装置の作製工程を図面を用いて説明する。
まず、図1(A)に示すように、絶縁基板100の上に下地膜101を形成する。絶縁基板100は、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。また、絶縁基板100の表面をCMP法などによって研磨し、平坦化しておいてもよい。
また、下地膜101の成膜方法は、プラズマCVD法や低圧CVD法に代表されるCVD法、スパッタ法などの方法を用いればよい。また、下地膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜のいずれか一を用いる単層構造としてもよいし、これらを適宜積層する構造としてもよい。下地膜として、例えば、膜厚10〜400nmの窒化酸化珪素膜を用いることができる。なお、本明細書中において、酸化窒化珪素とは酸素の組成比が窒素の組成比より大きい物質のことを指し、窒素を含む酸化珪素ということもできる。また、本明細書中において、窒化酸化珪素とは窒素の組成比が酸素の組成比より大きい物質のことを指し、酸素を含む窒化珪素ということもできる。
次に、下地膜101の上に半導体膜102を形成する。半導体膜102としては、非晶質半導体膜を形成すればよいが、微結晶半導体膜や結晶性半導体膜を形成してもよい。また、半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)を用いるとよい。本実施の形態では、膜厚25〜100nm(好ましくは30〜60nm)程度の非晶質珪素膜を形成する。なお、半導体膜を形成した後に、半導体膜に含まれる水素を除去する工程を行ってもよい。具体的には、500℃で1時間加熱すればよい。
また、下地膜101と半導体膜102を形成する際に、下地膜101と半導体膜102との界面が大気に曝されないようにすると、界面の汚染を防ぐことが可能となり、作製されるTFTの特性のバラツキを低減させることができる。本実施の形態では、下地膜101と半導体膜102を、プラズマCVD法を用いて大気に曝さずに連続して形成する。
次に、図1(B)に示すように、半導体膜102に半導体膜の結晶化を促進させる元素を添加する。本実施の形態では、半導体膜102の表面に、重量換算で10〜100ppmのニッケル(Ni)を含む溶液、例えば酢酸ニッケルの溶液をスピンコート法で塗布する。なお、図1(B)の点線は、結晶化を促進させる元素を添加したことを示す。結晶化を促進させる元素の添加は上記方法に限定されず、スパッタ法、蒸着法、プラズマ処理などを用いて添加しても良い。
そして、500〜650℃で4〜24時間、例えば570℃、14時間の加熱処理を行う。この加熱処理により、酢酸ニッケル溶液が塗布された表面から、基板100に向かって縦方向に結晶化が促進された半導体膜103が形成される(図1(C))。
加熱処理は、ランプの輻射を熱源としたRTA(Rapid Thermal Anneal)、又は加熱された気体を用いるRTA(ガスRTA)で設定加熱温度740℃、180秒のRTAを行ってもよい。ここでの設定加熱温度は、パイロメータで測る基板の温度であり、その温度を熱処理時の設定温度としている。他には、ファーネスアニール炉を用いて550℃にて4時間の熱処理があり、これを用いて加熱処理をしても良い。また、レーザビームの照射によって加熱処理を行ってもよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。結晶化温度の低温化及び結晶化時間の短縮は結晶化を促進させる元素の作用によるものである。
なお、本実施例では半導体膜の結晶化を促進させる元素としてニッケル(Ni)を用いているが、それ以外にも、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)といった元素を用いても良い。
上記の工程により、結晶質半導体膜105が形成される(図1(D))。なお、上記元素を用いて結晶質半導体膜105内には、当該元素(ここではNi)がおおよそ1×1019atoms/cm3程度の濃度で含まれていると考えられる。そこで、結晶質半導体膜105内に存在する当該元素のゲッタリングを行う。ゲッタリングによって、半導体膜中に混入する金属元素を除去することができるため、オフ電流を低減することが可能である。
まず、図2(A)に示すように半導体膜105の表面に酸化膜106を形成する。1nm〜10nm程度の膜厚を有する酸化膜106を形成することで、後のエッチング工程において半導体膜105の表面がエッチングされるのを防ぐことができる。なお、酸化膜106は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などと過酸化水素水を混合させた水溶液や、オゾン水で、半導体膜105の表面を酸化することで形成することができる。また、酸素を含む雰囲気中でのプラズマ処理や、加熱処理、紫外線照射等により形成してもよい。また酸化膜を別途、プラズマCVD法やスパッタ法、蒸着法などで形成してもよい。
次に、酸化膜106上に、希ガス元素を1×1019atoms/cm3以上1×1022atoms/cm3以下の濃度で含むゲッタリング用のアモルファスシリコン膜107をプラズマ処理装置を用いて25〜250nmの厚さで成膜する。ゲッタリング用の希ガスを含むアモルファスシリコン膜107は、半導体膜105とエッチングの選択比を大きくするため、半導体膜105よりも膜の密度が低い方がより望ましい。希ガス元素としてはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)から選ばれた一種または複数種を用いる。
プラズマ処理装置を用いて成膜する際、プラズマは高い周波数のマイクロ波を使うことによって生成される。本明細書において、プラズマ処理装置とは、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上(好ましくは、1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下)であり、プラズマの電子温度が0.5eV以上(好ましくは、0.5eV以上1.5eV以下)のプラズマが発生する装置である。なお、その際の圧力は20〜133Paである。
また、本実施の形態において、プラズマ生成の際の原料ガスには、シラン(SiH4)と希ガスとの混合ガス、ジシラン(Si2H6)と希ガスとの混合ガス等を用いることができる。なお、該混合ガスには水素(H2)が含まれていてもよい。希ガスとして、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくとも1つを用いればよい。このような希ガスを含むガスを原料として形成されたアモルファスシリコン膜中には、原料ガス中に含まれる希ガス元素が含まれている。プラズマ処理装置では、RF励起プラズマ装置よりも10〜1000倍程度高密度な希ガスプラズマを生成できるため、RF励起プラズマ装置で形成された膜より高い密度で希ガスを含んだアモルファスシリコン膜を形成することができる。また、プラズマ生成に高密度な希ガスイオンを利用することで成膜ガスの分解効率が向上し、希ガス元素を含むアモルファスシリコン膜の成膜速度を向上させることができる。
ここで、本実施の形態におけるプラズマ処理装置について図6を用いて説明する。まず、処理室内を真空にし、ガス導入源65からシランと希ガス、又はジシランと希ガスとを含むガスを導入する。本実施の形態では、シラン(SiH4)とアルゴン(Ar)との混合ガスを導入する。次に、酸化膜106まで形成された絶縁基板100を加熱機構を有する支持台64に設置し、絶縁基板100を400℃に加熱する。加熱温度は200℃〜550℃の範囲内(好ましくは250℃以上)であればよい。絶縁基板100としてプラスチック基板を用いる場合は、ガラス転移点が200℃以上のものを用い、そのプラスチック基板をガラス転移点以下の温度に加熱する。絶縁基板100とアンテナ62との間隔は、20〜80mm(好ましくは20〜60mm)の範囲内とする。
次に、導波管60からアンテナ62、例えばラジアルラインスロットアンテナにマイクロ波を供給する。本実施の形態では、周波数2.45GHzのマイクロ波を供給する。そして、マイクロ波をアンテナ62から処理室内に設けられた誘電体板63を通して処理室内に導入し、SiH4ガスとArガスとが混合された励起プラズマ66を生成し、酸化膜106上に希ガスを含むアモルファスシリコン膜が形成される。本工程で使用されたSiH4ガスとArガスとは、排気口67から処理室外へ排気される。プラズマ66が生成される領域と支持台64に設置された絶縁基板100とは離間しているため、膜表面への電荷の帯電による膜損傷が生じない。また、絶縁基板100とプラズマ66が発生する領域との間に、プラズマが通過できる穴が複数形成されたシャワープレートを設けてもよい。
本実施の形態において低電子温度で高電子密度のプラズマを用いることにより、アモルファスシリコン膜107に高濃度に希ガス元素を含ませることができ、また、成膜速度を向上させることができる。それにより、基板1枚当たりの処理時間を短縮することが可能となり、半導体装置の生産性を向上させることができる。また、結晶化の促進のために用いた元素を偏析させるためのアモルファスシリコン膜を、低電子温度のプラズマで成膜することにより、結晶質半導体膜表面の損傷を抑えることができる。
次に、図2(B)に示すように、ファーネスアニール法やRTA法を用いて加熱処理を施し、ゲッタリングを行う。ファーネスアニール法で行なう場合には、窒素雰囲気中にて450〜600℃で0.5〜12時間の加熱処理を行なう。また、RTA法を用いる場合には、加熱用のランプ光源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、それを1〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ光源の発光強度は任意なものとするが、半導体膜が瞬間的には600〜1000℃、好ましくは700〜750℃程度にまで加熱されるようにする。
加熱処理により、半導体膜105内の結晶化を促進させる元素が、拡散により矢印に示すようにゲッタリング用のアモルファスシリコン膜107に移動し、ゲッタリングされる。
なお、結晶化を促進させる元素を添加し、加熱処理を行って結晶化を促進した後にレーザビームの照射を行ってもよいし、加熱処理のかわりにレーザビームを照射してもよい。また、加熱処理を行った後、その温度を保ちつつレーザ処理を行ってもよい。
レーザビームの照射を行う場合、連続発振(CW:continuous−wave)型のレーザビームやパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このレーザは、CWで射出することも、パルス発振で射出することも可能である。CWで射出する場合は、レーザのパワー密度を0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。
なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
媒質としてセラミック(多結晶)を用いると、短時間かつ低コストで自由な形状に媒質を形成することが可能である。単結晶を用いる場合、通常、直径数mm、長さ数十mmの円柱状の媒質が用いられているが、セラミックを用いる場合はさらに大きいものを作ることが可能である。
発光に直接寄与する媒質中のNd、Ybなどのドーパントの濃度は、単結晶中でも多結晶中でも大きくは変えられないため、濃度を増加させることによるレーザの出力向上にはある程度限界がある。しかしながら、セラミックの場合、単結晶と比較して媒質の大きさを著しく大きくすることができるため大幅な出力向上が実現できる。
さらに、セラミックの場合では、平行六面体形状や直方体形状の媒質を容易に形成することが可能である。このような形状の媒質を用いて、発振光を媒質の内部でジグザグに進行させると、発振光路を長くとることができる。そのため、増幅が大きくなり、大出力で発振させることが可能になる。また、このような形状の媒質から射出されるレーザビームは射出時の断面形状が四角形状であるため、丸状のビームと比較すると、線状ビームに整形するのに有利である。このように射出されたレーザビームを、光学系を用いて整形することによって、短辺の長さ1mm以下、長辺の長さ数mm〜数mの線状ビームを容易に得ることが可能となる。また、励起光を媒質に均一に照射することにより、線状ビームは長辺方向にエネルギー分布の均一なものとなる。
この線状ビームを半導体膜に照射することによって、半導体膜の全面をより均一にアニールすることが可能になる。線状ビームの両端まで均一なアニールが必要な場合は、その両端にスリットを配置し、エネルギーの減衰部を遮光するなどの工夫が必要となる。
このようにして得られた強度が均一な線状ビームを用いて半導体膜をアニールし、この半導体膜を用いて電子機器を作製すると、その電子機器の特性は良好である。
次に、ゲッタリング用のアモルファスシリコン膜107を選択的にエッチングして除去する。エッチングは、ClF3によるプラズマを用いないドライエッチング、或いはヒドラジンや、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド((CH3)4NOH)を含む水溶液などアルカリ溶液によるウエットエッチングで行なうことができる。このとき酸化膜106がエッチングストッパーとなり半導体膜105がエッチングされるのを防ぐことができる。
次に、酸化膜106をフッ酸により除去した後、半導体膜105をエッチングし、島状の半導体膜108を形成する(図2(C))。その後、図3(A)に示すように、この島状の半導体膜108を覆うようにゲート絶縁膜109を形成する。
ゲート絶縁膜109は、少なくとも酸素または窒素を含む絶縁膜であれば良く、単層でも複層でもよい。その際の成膜方法は、プラズマCVD法やスパッタ法を用いることができる。本実施例では、プラズマCVD法で窒化酸化珪素(SiNxOy(x>y、なお、x、y=1、2、3・・・))と、酸化窒素珪素(SiOxNy(x>y、なお、x、y=1、2、3・・・))を連続成膜して、合計膜厚が115nmになるように形成した。なお、チャネル長の長さが1μm以下であるようなTFT(サブミクロンTFTともいう)を形成する場合、ゲート絶縁膜は10〜50nmの厚さで形成することが望ましい。
次に、ゲート絶縁膜109上に導電膜を形成し、エッチングすることでゲート電極110を形成する。その概略は以下の通りになる。まず、ゲート絶縁膜109上に形成する導電膜の材料は、導電性を有する膜であれば良く、本実施例では、W(タングステン)とTaN(窒化タンタル)の積層膜を用いたが、Al(アルミニウム)とMo(モリブデン)を用いてMo、Al、Moの順に積層した導電膜や、Ti(チタン)とAlを用いてMo、Al、Moの順に積層した導電膜を用いても良い。また、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)から選ばれた元素、またはこれらの元素を主成分とする合成材料または化合物材料を用いることができる。さらには、これらの材料の積層物を用いることもできる。
そして、この導電膜をエッチングするためのレジストマスクを形成する。まず、導電膜上にフォトレジストをスピンコーティング法などにより塗布し、露光を行う。次に、フォトレジストに対して加熱処理(プリベーク)を行う。プリベークの温度は50〜120℃とし、後に行われるポストベークより低い温度で行う。本実施例では、加熱温度は90℃、加熱時間は90秒とした。
次に、フォトレジストに現像液を滴下するか、あるいはスプレーノズルから現像液をスプレーすることによって、露光されたレジストを現像する。
その後、現像されたフォトレジストを125℃、180秒で加熱処理を行ういわゆるポストベークを行い、レジストマスク中に残っている水分などを除去し、同時に熱に対する安定性を高める。以上の工程によってレジストマスクが形成される。このレジストマスクを基に導電膜をエッチングして、ゲート電極110を形成する。
なお、このほかの方法として、所定の場所に材料を吐出することが可能な印刷法やインクジェット法に代表される液滴吐出法により、ゲート電極110を直接ゲート絶縁膜109上に形成してもよい。
吐出する材料は、導電体材料を溶媒に溶解または分散させたものを用いる。導電膜となる材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、タングステン(W)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)などの金属から少なくとも一種類、またはこれらの金属の合金を含むものである。溶媒は、酢酸ブチル、酢酸エチルなどのエステル類、イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶剤などを用いることができる。
また、組成物の粘度は300cp以下とする。これは、乾燥を防止し、吐出口から組成物を円滑に吐出するためである。なお、用いる溶媒や用途に合わせて組成物の粘度や表面張力は適宜調整すると良い。
そして、ゲート電極110またはゲート電極110を形成する際に用いたレジストをマスクとして用い、島状の半導体膜108にn型またはp型の導電性を付与する不純物を選択的に添加することによって、ソース領域111、ドレイン領域112、低濃度ドレイン(Lightly Doped Drain、以下「LDD」ともいう)領域113などを形成する。上記の工程によって、Nチャネル型TFT114および115と、Pチャネル型TFT116を同一基板上に形成することができる(図3(B))。
続いて、図3(B)に示すように、それらの保護膜として、絶縁膜117を形成する。この絶縁膜117は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を単層または積層構造で100〜200nmの厚さに形成する。窒化酸化珪素膜と酸化窒素珪素膜を組み合わせる場合では、ガスを切り替えることによって連続成膜をすることが可能である。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を形成した。絶縁膜117を設けることにより、酸素や空気中の水分をはじめ、各種イオン性の不純物の侵入を阻止するブロッキング作用を得ることができる。
次いで、さらに絶縁膜118を形成する。ここでは、SOG(Spin On Glass)法またはスピンコート法によって塗布されたポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル、シロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。)などの有機樹脂膜、無機層間絶縁膜(窒化珪素、酸化珪素などの珪素を含む絶縁膜)、low−k(低誘電率)材料などを用いることができる。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば感光性ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。感光性ポリベンゾオキサゾールは、誘電率が低く(常温1MHzで誘電率2.9)、耐熱性が高く(示差熱天秤(TGA)昇温5℃/分で熱分解温度550℃)、吸水率が低い(常温24時間で0.3%)材料である。オキサゾール樹脂は、ポリイミドより低誘電率であるので、より絶縁膜118として適している。絶縁膜118は、ガラス基板上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、平坦化する意味合いが強いため、平坦性に優れた膜が好ましい。
さらに、フォトリソグラフィ法を用いてゲート絶縁膜109、絶縁膜117および絶縁膜118をパターン加工して、ソース領域111、ドレイン領域112に達するコンタクトホールを形成する。
次に、導電性材料を用いて導電膜を形成し、この導電膜をパターン加工することによって配線119を形成する。その後、保護膜として絶縁膜120を形成すると、図3(B)に示すような半導体装置が完成する。
なお、本発明の半導体装置に含まれる薄膜トランジスタの構造は上述した構造に限られない。例えば、LDD領域を設けない構造としてもよいし、ゲート電極110の側面にサイドウォールを設けた構造(図4(A))としてもよい。また、薄膜トランジスタの構造として上述した構造に限られず、チャネル形成領域が1つ形成されるシングルゲート構造でもよいし、2つ形成されるダブルゲート構造または3つ形成されるトリプルゲート構造等のマルチゲート構造を用いることができる。また、ボトムゲート構造としてもよいし、チャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有するデュアルゲート型としてもよい。また、ゲート電極を積層構造で設ける場合に、ゲート電極下方に形成される第1の導電膜105aと当該第1の導電膜105a上に形成される第2の導電膜105bで設け、当該第1の導電膜をテーパー状で形成し、第1の導電膜にのみ重なるようにソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域より低い濃度の不純物領域を設ける構造(図4(B))で設けることもできる。また、ゲート電極を積層構造で設ける場合に、ゲート電極の下方に形成される第1の導電膜225aと当該第1の導電膜225a上に形成される第2の導電膜225bで設け、当該第2の導電膜225bの側壁に接し且つ導電膜225aの上方に形成されるようにサイドウォールを設ける構造(図4(C))とすることも可能である。なお、上記構成において、半導体膜103a、103bのソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域をNi、Co、W等のシリサイドで設けることも可能である。
本実施の形態の工程によって、信頼性の高い半導体装置を生産性よく作製することができる。また、本実施の形態の工程によって、高密度に発生した希ガスイオンを積極的にアモルファスシリコン膜に取り込み、膜中の希ガス濃度を増大させることが可能となるため、ゲッタリング後に結晶質半導体膜中に残留している半導体膜の結晶化を促進させる元素の濃度を従来のゲッタリング工程に比べて低減させることができる。つまり、ゲッタリング効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図2(A)に示した酸化膜106をプラズマ処理装置を用いて形成する工程を含む半導体装置の作製工程を説明する。本実施の形態において、図1(D)に示す半導体膜105を形成するまでの工程は実施の形態1と同様に行うことができる。
本実施の形態では、図2(A)の半導体膜105を形成後、半導体膜105の表面にプラズマ処理装置を用いて酸化膜106を形成する。酸素もしくは酸素を含むガスをプラズマ励起によって活性化し、これらを半導体膜105の材料と反応させて半導体膜上に1nm〜10nm程度の膜厚の酸化膜106を形成する。この酸化膜106は、後のエッチング工程において半導体膜105の表面がエッチングされるのを防ぐためのものである。プラズマ処理装置を用いて酸化膜と形成するとき、プラズマは高い周波数のマイクロ波、たとえば2.45GHzのマイクロ波を使うことによって生成される。プラズマ生成の際の原料ガスには、酸素(O2)と希ガスとの混合ガス、酸素(O2)と水素(H2)と希ガスとの混合ガス等を用いることができる。希ガスとしてヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくとも1つを用いればよい。
プラズマ処理装置を用いて酸化膜を形成する場合、プラズマの電子密度が高電子密度でありながら、基板上に形成された被処理物付近での電子温度が低いため、基板に対するプラズマ損傷を防止することができる。また、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上と高電子密度であるため、欠陥が少なく緻密な酸化膜を形成することができる。
本実施の形態において、酸化膜106をプラズマ処理装置を用いて形成することにより、欠陥が少なく緻密な酸化膜を低温で形成することができる。従って、後のエッチング工程において、酸化膜106の表面のピンホール等の欠陥によって生じる半導体膜105の表面の荒れを防ぐことができ、半導体装置の信頼性をさらに向上させることができる。
この後、実施の形態1と同様の工程を行うことで、信頼性の高い半導体装置を作製することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、結晶質半導体膜をエッチングして島状の半導体膜を形成した後で半導体膜の結晶化を促進させる元素をゲッタリングする工程を含む半導体装置の作製工程を説明する。本実施の形態において、図1(D)に示す工程までは実施の形態1と同様に行うことができる。
結晶質半導体膜105を形成後、結晶質半導体膜105をエッチングし、島状の半導体膜501を形成する(図5(A))。次に、図5(A)に示すように半導体膜501の表面に膜厚1nm〜10nm程度の酸化膜502を形成する。酸化膜502は実施の形態1又は実施の形態2に示した方法で形成することができる。
次に、酸化膜502上に、希ガス元素を1×1019atoms/cm3以上1×1022atoms/cm3以下の濃度で含むゲッタリング用の希ガスを含むアモルファスシリコン膜503をプラズマ処理装置を用いて25〜250nmの厚さで形成する。アモルファスシリコン膜503は実施の形態1と同様に形成することができる。
次に、図5(B)に示すように、ファーネスアニール法やRTA法を用いて加熱処理を施し、ゲッタリングを行う。ファーネスアニール法で行なう場合には、窒素雰囲気中にて450〜600℃で0.5〜12時間の加熱処理を行なう。また、RTA法を用いる場合には、加熱用のランプ光源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、それを1〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ光源の発光強度は任意なものとするが、半導体膜が瞬間的には600〜1000℃、好ましくは700〜750℃程度にまで加熱されるようにする。
加熱処理により、半導体膜501内の半導体膜の結晶化を促進させる元素が、拡散により矢印に示すようにゲッタリング用のアモルファスシリコン膜503に移動し、ゲッタリングされる。
なお、結晶化を促進させる元素を添加し、加熱処理を行って結晶化を促進した後にレーザビームの照射を行ってもよいし、加熱処理のかわりにレーザビームを照射してもよい。また、加熱処理を行った後、その温度を保ちつつレーザ処理を行ってもよい。
次に、ゲッタリング用のアモルファスシリコン膜503を選択的にエッチングして除去する。エッチングは、ClF3によるプラズマを用いないドライエッチング、或いはヒドラジンや、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド((CH3)4NOH)を含む水溶液などアルカリ溶液によるウエットエッチングで行なうことができる。このとき酸化膜502がエッチングストッパーとなり半導体膜501がエッチングされるのを防ぐことができる。
次に、図5(C)に示すように、島状の半導体膜501を覆うようにゲート絶縁膜109を形成する。ゲート絶縁膜109は、少なくとも酸素または窒素を含む絶縁膜であれば良く、単層でも複層でもよい。その際の成膜方法は、プラズマCVD法やスパッタ法を用いることができる。本実施例では、プラズマCVD法で窒化酸化珪素(SiNxOy(x>y、なお、x、y=1、2、3・・・))と、酸化窒素珪素(SiOxNy(x>y、なお、x、y=1、2、3・・・))を連続成膜して、合計膜厚が115nmになるように形成した。なお、チャネル長の長さが1μm以下であるようなTFT(サブミクロンTFTともいう)を形成する場合、ゲート絶縁膜は10〜50nmの厚さで形成することが望ましい。
この後、実施の形態1と同様の工程を行うことで半導体装置を作製することができる。
本実施の形態において、島状の半導体膜501を形成してからゲッタリングを行うことにより、島状半導体膜501の端部からも結晶化を促進させる元素がゲッタリングされるため、ゲッタリングを高効率で行うことができる。
(実施の形態4)
ここでは本発明を用いて非接触でデータの送受信が可能である半導体装置、例えばICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)を作製する方法について説明する。なお、上記実施形態と同じものは同じ符号で表す。
まず、基板1の一表面に、剥離層700を形成する(図7(A))。基板1は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。このような基板1であれば、大きさや形状に大きな制限はないため、基板1として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板から無線チップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。また、基板1上に形成する薄膜集積回路は、後に基板1から剥離する。つまり、本発明を用いて非接触でデータの送受信が可能である半導体装置は、基板1を有していない。従って、薄膜集積回路が剥離された基板1は、何度でも再利用することができる。このように、基板1を再利用すれば、コストを削減することができる。再利用する基板1としては、石英基板が望ましい。
なお、本実施の形態では、剥離層700は、基板1の一表面に薄膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により形状を加工して、剥離層を選択的に形成する。
剥離層700は、スパッタリング法やプラズマCVD法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、鉛(Pb)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層は、非晶質であってもよいし、微結晶若しくは多結晶であってもよい。
剥離層700が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。また、タングステンの酸化物は、酸化タングステンと表記することがある。
剥離層700が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
なお、剥離層700として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物とを含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化珪素を含む層を形成することで、タングステン層と酸化珪素層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成する。なお、タングステンを含む層を形成後に、その上層に形成する酸化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層などは、後に下地となる絶縁層として機能する。
また、タングステンの酸化物は、WOxで表され、Xは2〜3である。xが2の場合(WO2)、xが2.5の場合(W2O5)、xが2.75の場合(W4O11)、xが3の場合(WO3)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたXの値に特に制約はなく、そのエッチングレートなどを基に決めるとよい。但し、エッチングレートの最も良いものは、酸素雰囲気下で、スパッタリング法により形成するタングステンの酸化物を含む層(WOx、0<X<3)である。従って、作製時間の短縮のために、剥離層として、酸素雰囲気下でスパッタリング法によりタングステンの酸化物を含む層を形成するとよい。
なお上記の工程によると、基板1に接するように剥離層700を形成しているがこの工程に制約されない。基板1に接するように下地となる絶縁層を形成し、該絶縁層に接するように剥離層700を形成してもよい。
次に、剥離層700を覆うように、下地となる絶縁膜2を形成する。下地となる絶縁層は、スパッタリング法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む層を、単層又は積層で形成する。珪素の酸化物材料とは、珪素(Si)と酸素(O)を含む物質であり、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。珪素の窒化物材料とは、珪素と窒素(N)を含む物質であり、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。
次に、絶縁膜2上に、非晶質珪素膜を形成した後、pチャネル型TFT、nチャネル型TFTを作製する。図7(B)の絶縁膜120までの作製工程は上記実施形態で示した方法を用いることができるので、ここでは省略する。絶縁膜120形成後、配線119に達するコンタクトホールを形成し、該コンタクトホール及び絶縁膜120を覆うように導電膜702を形成する。
図7(B)の導電膜702はアンテナとして機能することになる。導電膜702は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。例えば、バリア層とアルミニウム層との積層構造、バリア層とアルミニウム層とバリア層との積層構造等の積層構造を採用するとよい。バリア層とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン又はモリブデンの窒化物などに相当する。なお、導電膜702の形状として例えばダイポール、輪状(例えば、ループアンテナ)、直方体で平坦なもの(例えば、パッチアンテナ)などの形状に加工することで様々な形状のアンテナとすることができる。
なお、薄膜集積回路703を覆うように、保護層を形成してもよい。保護層は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む層、窒化珪素を含む層、窒化酸化珪素を含む層等に相当する。
次に、剥離層700が露出するように、フォトリソグラフィ法により絶縁膜2、109、117、118、120をエッチングして、開口部704、705を形成する(図8(A))。
次に、薄膜集積回路703を覆うように、SOG法、液滴吐出法等により、絶縁層706を形成する(図8(B))。絶縁層706は、有機材料により形成し、好ましくはエポキシ樹脂により形成する。絶縁層706は、薄膜集積回路703が飛散しないように形成するものである。つまり、薄膜集積回路703は小さく薄く軽いために、剥離層を除去した後は、基板に密着していないために飛散しやすい。しかしながら、薄膜集積回路703の周囲に絶縁層706を形成することで、薄膜集積回路703に重みが付き、基板1からの飛散を防止することができる。また、薄膜集積回路703単体では薄くて軽いが、絶縁層706を形成することで、巻かれた形状になることがなく、ある程度の強度を確保することができる。なお、図示する構成では、薄膜集積回路703と上面と側面に絶縁層706を形成しているがこの構成に制約されず、薄膜集積回路703の上面のみに絶縁層706を形成してもよい。また、上記の記載によると、開口部704、705を形成する工程の後、絶縁層706を形成する工程を行っているがこの順番に制約されない。絶縁膜120上に絶縁層706を形成する工程の後に、複数の絶縁層をエッチングして、開口部を形成する工程を行ってもよい。この順番の場合だと、薄膜集積回路703の上面のみに絶縁層706が形成される。
次に、開口部704、705にエッチング剤を導入して、剥離層700を除去する(図9(A))。エッチング剤は、フッ化ハロゲン又はハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を使用する。そうすると、薄膜集積回路703は、基板1から剥離された状態となる。
次に、薄膜集積回路703の一方の面を、第1の基体707に接着させて、基板1から完全に剥離する(図9(B))。
続いて、薄膜集積回路703の他方の面を、第2の基体708に接着させ、その後積層して貼り合わせて、薄膜集積回路703を、第1の基体707と第2の基体708により封止する(図10)。そうすると、薄膜集積回路703が第1の基体707と第2の基体708により封止されたICタグが完成する。
第1の基体707と第2の基体708は、帯電防止対策を施したフィルム(帯電防止フィルム)、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。帯電防止対策を施したフィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を貼り付けられたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を貼り付けられたフィルムであってもよい。また、片面に帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が貼り付けられた面をフィルムの内側になるように貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。また、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に貼り付けてあればよい。なお、帯電防止可能な材料としては、アルミなどの金属、インジウム錫酸化物(ITO)、両面活性剤金属塩、イミダリン型両性界面活性剤、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料などが挙げられる。帯電防止フィルムを第1の基板707と第2の基板708として用いることで、外部からの静電気によって集積回路に悪影響が及ぶことを防止することができる。積層フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。積層フィルムは、熱圧着により、被処理体と積層して貼り合わせが行われるものであり、積層して貼り合わせを行う際には、積層フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。
第1の基体707と第2の基体708の表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。
次に、非接触でデータの送受信が可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。なお、非接触でデータの送受信が可能である半導体装置は利用の形態によっては、RFID(Radio Frequency Identification)、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ(Radio Frequency)、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれる。
RFID80は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路81、クロック発生回路82、データ復調回路83、データ変調回路84、他の回路を制御する制御回路85、記憶回路86およびアンテナ87を有している(図11(A))。なお、記憶回路は1つに限定されず、複数であっても良く、SRAM、フラッシュメモリ、ROMまたはFeRAM等や上記実施の形態で示した有機化合物層を記憶素子部に用いたものを用いることができる。
リーダ/ライタ88から電波として送られてきた信号は、アンテナ87において電磁誘導により交流の電気信号に変換される。電源回路81では、交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、電源配線を用いて各回路へ電源電圧を供給する。クロック発生回路82は、アンテナ87から入力された交流信号を基に、各種クロック信号を生成し、制御回路85に供給する。復調回路83では、当該交流の電気信号を復調し、制御回路85に供給する。制御回路85では、入力された信号に従って各種演算処理を行う。記憶回路86では、制御回路85において用いられるプログラムやデータ等が記憶されている他、演算処理時の作業エリアとしても用いることができる。そして、制御回路85から変調回路84にデータが送られ、変調回路84から当該データに従ってアンテナ87に負荷変調を加えることができる。リーダ/ライタ88は、アンテナ87に加えられた負荷変調を電波で受け取ることにより、結果的にデータを読み取ることが可能となる。
また、RFIDは、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せず電波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電波と電源(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
本実施の形態で示した構成を用いることによって、折り曲げることが可能なRFIDを作製することが可能となるため、曲面を有する物体に貼り付けて設けることが可能となる。
次に、可撓性を有するRFIDの使用形態の一例について説明する。表示部321を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ320が設けられ、品物322の側面にはRFID323が設けられる(図11(B))。品物322が含むRFID323にリーダ/ライタ320をかざすと、表示部321に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品326をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ324と、商品326に設けられたRFID325を用いて、該商品326の検品を行うことができる(図11(C))。このように、システムにRFIDを活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、本実施の形態で示したように、曲面を有する物体に貼り付けた場合であっても、RFIDに含まれるトランジスタ等の損傷を防止し、信頼性の高いRFIDを提供することが可能となる。
また、上述した以外にも可撓性を有するRFIDの用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図12を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図12(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図12(B)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図12(C)参照)。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図12(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指す(図12(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図12(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図12(G)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図12(H)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等にRFID2000を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等にRFIDを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等にRFIDを設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。RFIDの設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。可撓性を有するRFIDを用いることによって、紙等に設けた場合であっても、上記実施の形態で示した構造を有する半導体装置を用いてRFIDを設けることにより、当該RFIDに含まれる素子の破損等を防止することができる。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等にRFIDを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類にRFIDを設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサを備えたRFIDを埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん現在の体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
以上示したように、本実施の形態に係る非接触でデータの送受信が可能である半導体装置には、低電子温度で高電子密度のプラズマを用いてゲッタリング用のアモルファスシリコン膜を成膜する工程を有するTFTを用いている。低電子温度で高電子密度のプラズマを用いて該アモルファスシリコン膜を成膜することにより、成膜速度を向上させることができるため、基板1枚当たりの処理時間を短縮することが可能となり、該半導体装置の生産性を向上させることができる。また、結晶化の促進のために用いた元素を偏析させるための該アモルファスシリコン膜を成膜する際に用いるプラズマは低電子温度であるため、結晶質半導体膜表面の損傷を抑えることができる。また、エッチングストッパーとして機能する酸化膜を、低電子温度で高電子密度のプラズマで形成することにより、結晶質半導体膜表面のエッチングによる損傷を抑えることができるため良好な半導体装置を作製することができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置が、薄い膜厚(膜厚50nm以下)の結晶質半導体膜を有するTFTを有する場合、ゲッタリング用のアモルファスシリコン膜の膜厚も薄く設ければよい。低電子温度で高電子密度のプラズマを用いて該アモルファスシリコン膜を成膜すると、膜中の希ガス濃度を増大させることが可能となり、ゲッタリング効率を向上させることができるため、さらに薄い膜厚で該アモルファスシリコン膜を形成することができる。該アモルファスシリコン膜が薄くなることにより、ゲッタリングの際の熱処理工程において該アモルファスシリコン膜が剥がれるのを防ぐことができる。また、該アモルファスシリコン膜をエッチングする際、エッチング時間が短縮されてオーバーエッチング時間が短縮されるため、シリコン膜の欠陥などのダメージを抑えることができる。また、薄く形成すればよいため、アモルファスシリコン膜の成膜時間を短縮することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明を用いて液晶表示装置(Liquid Crystal Display(LCD))を作製する例を示す。
ここで説明する表示装置の作製方法は画素TFTを含む画素部とその周辺に設けられる駆動回路部のTFTを同時に作製する方法である。但し、説明を簡単にするために、駆動回路に関しては基本単位であるCMOS回路を図示することとする。
まず上記実施の形態に基づいて図13におけるTFTの形成までを行う。なお上記実施の形態と同じものは同じ符号で表す。なお本実施形態では画素TFT552はマルチゲート型TFTにした。
絶縁膜117を形成した後、第2絶縁膜118となる平坦化膜を形成する。平坦化膜としては、上記実施形態に記載したものを用いることができる。
次にレジストマスクを用いて第2絶縁膜118及び絶縁膜117にコンタクトホールを形成する。
次いで第2の絶縁膜118の上にレジストマスクを形成し、このレジストマスクを用いて第2の絶縁膜118及び絶縁膜117をエッチングすることにより、ソース領域、ドレイン領域上にそれぞれに位置するコンタクトホールを形成する。
レジストマスクを除去し、導電膜を形成した後、また別のレジストマスクを用いてエッチングを行い、電極又は配線540〜544(TFTのソース配線及びドレイン配線など)を形成する。導電膜としてはTiN、Al及びTiNの積層膜、Al合金膜などを用いることができる。
ここで電極や配線は、基板1に垂直な方向からみた場合に角が丸くなるように引き回すのが好ましい。角部を丸くすることによってゴミなどが配線の角部に残るのを防止することができ、ゴミが原因で発生する不良を抑制し、歩留まりを向上できる。エッチングのときには感光性のレジストをフォトマスクとして用いて露光、現像して作製したマスクを用いるが、フォトマスクの任意の部分において露光を行う光の透過率を抑制し、現像後のマスクの厚みを制御することができる。マスクの厚みを制御することによってより細やかで正確な加工を行うことができる。
次に第2の絶縁膜118及び電極又は配線540〜544上に第3層間絶縁膜610を形成する。なお第3層間絶縁膜610は、第2の絶縁膜118と同様の材料を用いて形成することが可能である。
次いで、フォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、第3層間絶縁膜610の一部をドライエッチングにより除去して開口(コンタクトホールを形成)する。このコンタクトホール形成においては、エッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)、ヘリウム(He)を用いる。なお、コンタクトホールの底部は電極又は配線544に達している。
レジストマスクを除去した後、全面に第2の導電膜を成膜する。次いでフォトマスクを用いて、第2の導電膜の加工を行い、電極又は配線544に電気的に接続される画素電極623を形成する(図13)。反射型の液晶表示パネルを作製する場合は画素電極623スパッタ法によりAg(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の光反射性を有する金属材料を用いて形成すればよい。
また、透過型の液晶表示パネルを作製する場合は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などの透明導電膜を用い、画素電極623を形成する。
なお、図15に画素TFTを含む画素部の一部を拡大した上面図を示す。また、図13は画素電極の形成途中を示しており、右側の画素においては画素電極が形成されているが、左側の画素においては画素電極を形成していない状態を示している。図15において、実線A−A’で切断した図が、図13の画素部の断面と対応しており、図13と対応する箇所には同じ符号を用いている。
画素は、ソース信号線543とゲート信号線4802の交差部に設けられ、トランジスタ552と容量素子4804と液晶素子とを有する。なお、図では液晶素子の液晶を駆動する一対の電極のうちの一方の電極(画素電極623)のみを示す。
トランジスタ552は、半導体層4806と、第1の絶縁層と、第1の絶縁層を介して半導体層4806と重なるゲート信号線4802の一部によって構成される。半導体層4806がトランジスタ552の活性層となる。第1の絶縁層はトランジスタのゲート絶縁層として機能する。トランジスタ552のソース及びドレインの一方は、コンタクトホール4807によってソース信号線4801と接続され、他方はコンタクトホール4808によって接続配線544と接続されている。接続配線544はコンタクトホール4810によって画素電極623と接続されている。接続配線544はソース信号線543と同じ導電層を用い、同時にエッチングして形成することができる。
容量素子4804は、半導体層4806と、第1の絶縁層と第1の絶縁層を介して半導体層4806と重なる容量配線4811とを一対の電極とし、第1の絶縁層を誘電層とした構成の容量素子(第1の容量素子と呼ぶ)とすることができる。なお更に、容量素子4804は、容量配線4811と、第2の絶縁層を介して容量配線4811と重なる画素電極623とを一対の電極とし、第2の絶縁層を誘電層とした構成の容量素子(第2の容量素子と呼ぶ)を有する構成してもよい。第2の容量素子は第1の容量素子と並列に接続されるので、第2の容量素子を設けることによって容量素子4804の容量値を増やすことができる。また、容量配線4811はゲート信号線4802と同じ導電層を用い、同時にエッチングして形成することができる。
半導体層4806、ゲート信号線4802、容量配線4811、ソース信号線543、接続配線544、画素電極623のパターンは、その角部を一辺が10μm以下の長さで面取りされた形状となっている。このフォトマスクのパターンを用いてマスクパターンを作製し、当該マスクパターンを用いて形状を加工することによって、角部を面取りした形状とすることができる。なお、角部が更に丸みを帯びるようにしても良い。すなわち、露光条件やエッチング条件を適切に定めることによって、フォトマスクのパターンよりも更にパターン形状をなめらかにしても良い。
配線や電極において、屈曲部や配線幅が変化する部位の角部をなめらかにして、丸みを付けることにより以下の効果がある。凸部を面取りすることによって、プラズマを用いたドライエッチングを行う際、異常放電による微粉の発生を抑えることができる。また、凹部を面取りすることによって、たとえ微粉であっても、洗浄のときに当該微粉が角に集まるのを防止し、当該微粉を洗い流すことができる。こうして、製造工程における塵や微粉の問題を解消し、歩留まりを向上させることができる。
以上の工程により、基板上にトップゲート型の画素TFT552、トップゲート型TFT550及び551からなるCMOS回路553および画素電極623が形成された液晶表示装置のTFT基板が完成する。本実施例では、トップゲート型TFTを形成したが、ボトムゲート型TFTを適宜用いることができる。
次いで、画素電極623を覆うように、配向膜624aを形成する。なお、配向膜624aは、液滴吐出法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いればよい。その後、配向膜624aの表面にラビング処理を行う。
そして、対向基板625には、着色層626a、遮光層(ブラックマトリクス)626b、及びオーバーコート層627からなるカラーフィルタを設け、さらに透明電極もしくは反射電極からなる対向電極628と、その上に配向膜624bを形成する(図14)。そして、閉パターンであるシール材600を液滴吐出法により画素TFTを含む画素部650と重なる領域を囲むように形成する(図16(A))。ここでは液晶を滴下するため、閉パターンのシール材600を描画する例を示すが、開口部を有するシールパターンを設け、基板500を貼りあわせた後に毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いてもよい。
次いで、気泡が入らないように減圧下で液晶組成物629の滴下を行い(図16(B))、両方の基板500及び625を貼り合わせる(図16(C))。閉ループのシールパターン内に液晶を1回若しくは複数回滴下する。液晶組成物629の配向モードとしては、液晶分子の配列が光の入射から射出に向かって90°ツイスト配向したTNモードを用いる。そして基板のラビング方向が直交するように貼り合わせる。
なお、一対の基板間隔は、球状のスペーサを散布したり、樹脂からなる柱状のスペーサを形成したり、シール材600にフィラーを含ませることによって維持すればよい。上記柱状のスペーサは、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシの少なくとも1つを主成分とする有機樹脂材料、もしくは酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素のいずれか一種の材料、或いはこれらの積層膜からなる無機材料であることを特徴としている。
次いで、基板の分断を行う。多面取りの場合、それぞれのパネルを分断する。また、1面取りの場合、予めカットされている対向基板を貼り合わせることによって、分断工程を省略することもできる((図14、図16(D))。
そして、異方性導電体層を介してFPC(Flexible Printed Circuit)を貼りつける。以上の工程で液晶表示装置が完成する。また、必要があれば光学フィルムを貼り付ける。透過型の液晶表示装置とする場合、偏光板は、TFT基板と対向基板の両方に貼り付ける。
以上の工程によって得られた液晶表示装置の上面図を図17(A)に示すとともに、他の液晶表示装置の上面図の例を図17(B)に示す。
図17(A)中、1はTFT基板、625は対向基板、650は画素部、600はシール材、801はFPCである。なお、液晶組成物を液滴吐出法により吐出させ、減圧下で一対の基板500及び625をシール材600で貼り合わせている。
図17(B)中、1はTFT基板、625は対向基板、802はソース信号線駆動回路、803はゲート信号線駆動回路、650は画素部、600aは第1シール材、801はFPCである。なお、液晶組成物を液滴吐出法により吐出させ、一対の基板500及び625を第1シール材600aおよび第2シール材600bで貼り合わせている。駆動回路部802及び803には液晶は不要であるため、画素部650のみに液晶を保持させており、第2シール材600bはパネル全体の補強のために設けられている。
以上示したように、本実施の形態に係る液晶表示装置は、低電子温度で高電子密度のプラズマを用いてゲッタリング用のアモルファスシリコン膜を成膜する工程を有するTFTを用いている。低電子温度で高電子密度のプラズマを用いて該アモルファスシリコン膜を成膜することにより、成膜速度を向上させることができる。それにより、基板1枚当たりの処理時間を短縮することが可能となり、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。また、結晶化の促進のために用いた元素を偏析させるための該アモルファスシリコン膜を成膜する際に用いるプラズマは低電子温度であるため、結晶質半導体膜表面の損傷を抑えることができる。また、エッチングストッパーとして機能する酸化膜を、低電子温度で高電子密度のプラズマで形成することにより、結晶質半導体膜表面のエッチングによる損傷を抑えることができるため良好な液晶表示装置を作製することができる。
なお、本実施の形態では、TFTをトップゲート型TFTとしたが、この構造に限定されるものではなく、適宜ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、マルチゲート構造のTFTに限定されず、シングルゲート型TFTとしてもよい。
(実施の形態6)
本実施の形態では本発明を用いて発光装置を作製する例を示す。
まず上記実施形態に基づいて図18におけるTFTの形成までを行う。なお上記実施形態と同じものは同じ符号で表す。なお図18には一方のTFTのみを記載してある。
絶縁膜117を形成した後、第2絶縁膜118となる平坦化膜を形成する。平坦化膜としては、上記実施形態に記載したものを用いることができる(図18(A))。
次にレジストマスクを用いて第2の絶縁膜118及び絶縁膜117にコンタクトホールを形成する。
次に、半導体層に至るコンタクトホールを開口する。コンタクトホールはレジストマスクを用いて、半導体層が露出するまでエッチングを行うことで形成することができ、ウエットエッチング、ドライエッチングどちらでも形成することができる。なお、条件によって一回でエッチングを行ってしまっても良いし、複数回に分けてエッチングを行っても良い。また、複数回でエッチングする際は、ウエットエッチングとドライエッチングの両方を用いても良い。(図18(B))
そして、当該コンタクトホールや第2の絶縁膜118を覆う導電層を形成する。当該導電層を所望の形状に加工し、接続部161a、配線161bなどが形成される。この配線はアルミニウム、銅、アルミニウムと炭素とニッケルの合金、アルミニウムと炭素とモリブデンの合金等の単層でも良いが、基板側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンの積層構造やチタン、アルミニウム。チタンやチタン、窒化チタン、アルミニウム、チタンといった構造でも良い。(図18(C))
その後、接続部161a、配線161b、第2の絶縁膜118を覆って第3の絶縁膜163を形成する。第3の絶縁膜163の材料としては自己平坦性を有するアクリル、ポリイミド、シロキサンなどの塗布膜が好適に利用できる。本実施の形態ではシロキサンを第3の絶縁膜163として用いる。(図18(D))
続いて第3の絶縁膜163上に窒化ケイ素などで第4の絶縁膜を形成してもよい。これは後の画素電極のエッチングにおいて、第3の絶縁膜163が必要以上にエッチングされてしまうのを防ぐ為に形成する。そのため、画素電極と第3の絶縁膜のエッチングレートの比が大きい場合には特に設けなくとも良い。
続いて、第3の絶縁膜163を貫通して接続部161aに至るコンタクトホールを形成する。
そして当該コンタクトホールと第3の絶縁膜163(もしくは第4の絶縁膜)を覆って、透光性を有する導電層を形成したのち、当該透光性を有する導電層を加工して薄膜発光素子の第1の電極164を形成する。ここで第1の電極164は接続部161aと電気的に接触している。
第1の電極164の材料としてはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)などの導電性を有する金属、又はアルミニウム−シリコン(Al−Si)、アルミニウム−チタン(Al−Ti)、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)等それらの合金、または窒化チタン(TiN)等の金属材料の窒化物、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化インジウムに2〜20atmic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(IZO、Indium Zinc Oxide)等の金属化合物などを形成することができる。
また、発光を取り出す方の電極は透明性を有する導電膜により形成すれば良く、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化インジウムに2〜20atomic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(IZO、Indium Zinc Oxide)などの金属化合物の他、Al、Ag等金属の極薄膜を用いる。また、第2の電極の方から発光を取り出す場合は第1の電極164は反射率の高い材料(Al、Ag等)を用いることができる。本実施の形態ではITSOを第1の電極164として用いた(図19(A))。
次に第3の絶縁膜163(もしくは第4の絶縁膜)及び第1の電極164を覆って有機材料もしくは無機材料からなる絶縁層を形成する。続いて当該絶縁膜を第1の電極164の一部が露出するように加工し、隔壁165を形成する。隔壁165の材料としては、感光性を有する有機材料(アクリル、ポリイミドなど)が好適に用いられるが、感光性を有さない有機材料や無機材料で形成してもかまわない。また、隔壁165の材料にチタンブラックやカーボンナイトライドなどの黒色顔料や染料を分散材などを用いて分散し、隔壁165を黒くすることでブラックマトリクス様に用いても良い。隔壁165の第1の電極に向かう端面は曲率を有し、当該曲率が連続的に変化するテーパー形状をしていることが望ましい(図19(B))。
次に、発光物質を含む層166を形成し、続いて発光物質を含む層166を覆う第2の電極167を形成する。これによって第1の電極164と第2の電極167との間に発光物質を含む層166を挟んでなる発光素子193を作製することができ、第1の電極に第2の電極より高い電圧をかけることによって発光を得ることができる(図19(C))。第2の電極167の形成に用いられる電極材料としては第1の電極の材料と同様の材料を用いることができる。本実施の形態ではアルミニウムを第2の電極として用いる。
また、発光物質を含む層166は、蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法などによって形成される。発光物質を含む層166は正孔輸送、正孔注入、電子輸送、電子注入、発光など各機能を有する層の積層であっても良いし、発光層の単層であっても良い。また、発光物質を含む層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、例えば第1又は第2の電極に接する層に有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成としてもよい。
その後、プラズマCVD法により窒素を含む酸化ケイ素膜をパッシベーション膜として形成する。窒素を含む酸化ケイ素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化ケイ素膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化ケイ素膜、あるいはSiH4、N2OをArで希釈したガスから形成される酸化窒化ケイ素膜を形成すれば良い。
また、パッシベーション膜としてSiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化ケイ素膜を適用しても良い。もちろん、第1のパッシベーション膜は単層構造に限定されるものではなく、他のケイ素を含む絶縁層を単層構造、もしくは積層構造として用いても良い。また、窒化炭素膜と窒化ケイ素膜の多層膜やスチレンポリマーの多層膜、窒化ケイ素膜やダイヤモンドライクカーボン膜を窒素を含む酸化ケイ素膜の代わりに形成してもよい。
続いて発光素子を水などの劣化を促進する物質から保護するために、表示部の封止を行う。対向基板を封止に用いる場合は、絶縁性のシール材により、外部接続部が露出するように貼り合わせる。対向基板と素子基板との間の空間には乾燥した窒素などの不活性気体を充填しても良いし、シール材を画素部全面に塗布しそれにより対向基板を貼り合わせても良い。シール材には紫外線硬化樹脂などを用いると好適である。シール材には乾燥剤や基板間のギャップを一定に保つための粒子を混入しておいても良い。続いて外部接続部にフレキシブル配線基板を貼り付けることによって、発光装置が完成する。
以上のように作製した発光装置の構成の1例を図20を参照しながら説明する。なお、形が異なっていても同様の機能を示す部分には同じ符号を付し、その説明を省略する部分もある。本実施の形態では、薄膜トランジスタ170が接続部161aを介して発光素子193に接続している。
図20(A)は第1の電極164が透光性を有する導電膜により形成されており、基板1側に発光物質を含む層166より発せられた光が取り出される構造である。なお194は対向基板であり、発光素子193が形成された後、シール材などを用い、基板1に固着される。対向基板194と素子との間に透光性を有する樹脂188等を充填し、封止することによって発光素子193が水分により劣化することを防ぐ事ができる。また、樹脂188が吸湿性を有していることが望ましい。さらに樹脂188中に透光性の高い乾燥剤189を分散させるとさらに水分の影響を抑えることが可能になるためさらに望ましい形態である。
図20(B)は第1の電極164と第2の電極167両方が透光性を有する導電膜により形成されており、基板1及び対向基板194の両方に光を取り出すことが可能な構成となっている。また、この構成では基板1と対向基板194の外側に偏光板190を設けることによって画面が透けてしまうことを防ぐことができ、視認性が向上する。偏光板190の外側には保護フィルム191を設けると良い。
なお、表示機能を有する本実施の形態に係る発光装置には、アナログのビデオ信号、デジタルのビデオ信号のどちらを用いてもよい。デジタルのビデオ信号を用いる場合はそのビデオ信号が電圧を用いているものと、電流を用いているものとに分けられる。発光素子の発光時において、画素に入力されるビデオ信号は、定電圧のものと、定電流のものがあり、ビデオ信号が定電圧のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。またビデオ信号が定電流のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。この発光素子に印加される電圧が一定のものは定電圧駆動であり、発光素子に流れる電流が一定のものは定電流駆動である。定電流駆動は、発光素子の抵抗変化によらず、一定の電流が流れる。本実施の形態に係る発光装置及びその駆動方法には、上記したどの駆動方法を用いてもよい。
以上示したように、本実施の形態に係る発光装置は、低電子温度で高電子密度のプラズマを用いてゲッタリング用のアモルファスシリコン膜を成膜する工程を有するTFTを用いている。低電子温度で高電子密度のプラズマを用いて該アモルファスシリコン膜を成膜することにより、成膜速度を向上させることができる。それにより、基板1枚当たりの処理時間を短縮することが可能となり、発光装置の生産性を向上させることができる。また、結晶化の促進のために用いた元素を偏析させるための該アモルファスシリコン膜を成膜する際に用いるプラズマは低電子温度であるため、結晶質半導体膜表面の損傷を抑えることができる。また、エッチングストッパーとして機能する酸化膜を、低電子温度で高電子密度のプラズマで形成することにより、結晶質半導体膜表面のエッチングによる損傷を抑えることができるため良好な発光装置を作製することができる。本実施の形態で作製される発光装置は各種電子機器の表示部として用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本実施の形態に係る発光装置のパネルの外観について図21を用いて説明する。図21は基板上に形成されたトランジスタおよび発光素子を対向基板4006との間に形成したシール材によって封止したパネルの上面図であり、図21(B)は図21(A)の断面図に相応する。また、このパネルに搭載されている発光素子の有する構成は、上記実施形態に示したような構成である。
基板4001上に設けられた画素部4002と信号線駆動回路4003と走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004の上に対向基板4006が設けられている。よって画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは基板4001とシール材4005と対向基板4006とによって充填材4007と共に密封されている。
また、基板4001上に設けられた画素部4002と信号線駆動回路4003と走査線駆動回路4004とは薄膜トランジスタを複数有しており、図21(B)では信号線駆動回路4003に含まれる薄膜トランジスタ4008と、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010とを示す。
また、発光素子4011は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。
また、引き回し配線4014は画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とに、信号、または電源電圧を層供給する為の配線に相当する。引き回し配線4014は、引き回し配線4015を介して接続端子4016と接続されている。接続端子4016はフレキシブルプリントサーキット(FPC)4018が有する端子と異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
なお、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、ポリビニルクロライド、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラル、またはエチレンビニレンアセテートを用いる事ができる。
なお、本実施の形態に係る発光装置は発光素子を有する画素部が形成されたパネルと、該パネルにICが実装されたモジュールとをその範疇に含む。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態7で示したパネル、モジュールが有する画素回路、保護回路及びそれらの動作について説明する。なお、図18〜図21に示してきた断面図は駆動用TFT1403又はスイッチング用TFT1401と発光素子1405の断面図となっている。
図22(A)に示す画素は、列方向に信号線1410及び電源線1411、1412、行方向に走査線1414が配置される。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、電流制御用TFT1404、容量素子1402及び発光素子1405を有する。
図22(C)に示す画素は、駆動用TFT1403のゲート電極が、行方向に配置された電源線1412に接続される点が異なっており、それ以外は図22(A)に示す画素と同じ構成である。つまり、図22(A)(C)に示す両画素は、同じ等価回路図を示す。しかしながら、行方向に電源線1412が配置される場合(図22(A))と、列方向に電源線1412が配置される場合(図22(C))とでは、各電源線は異なるレイヤーの導電膜で形成される。ここでは、駆動用TFT1403のゲート電極が接続される配線に注目し、これらを作製するレイヤーが異なることを表すために、図22(A)(C)として分けて記載する。
図22(A)(C)に示す画素の特徴として、画素内に駆動用TFT1403と電流制御用TFT1404が直列に接続されており、駆動用TFT1403のチャネル長L(1403)、チャネル幅W(1403)、電流制御用TFT1404のチャネル長L(1404)、チャネル幅W(1404)は、L(1403)/W(1403):L(1404)/W(1404)=5〜6000:1を満たすように設定するとよい。
なお、駆動用TFT1403は、飽和領域で動作し発光素子1405に流れる電流値を制御する役目を有し、電流制御用TFT1404は線形領域で動作し発光素子1405に対する電流の供給を制御する役目を有する。両TFTは同じ導電型を有していると作製工程上好ましく、本実施の形態ではnチャネル型TFTとして形成する。また駆動用TFT1403には、エンハンスメント型だけでなく、ディプリーション型のTFTを用いてもよい。上記構成を有する本実施の形態に係る発光装置は、電流制御用TFT1404が線形領域で動作するために、電流制御用TFT1404のVgsの僅かな変動は、発光素子1405の電流値に影響を及ぼさない。つまり、発光素子1405の電流値は、飽和領域で動作する駆動用TFT1403により決定することができる。上記構成により、TFTの特性バラツキに起因した発光素子の輝度ムラを改善して、画質を向上させた発光装置を提供することができる。
図22(A)〜(D)に示す画素において、スイッチング用TFT1401は、画素に対するビデオ信号の入力を制御するものであり、スイッチング用TFT1401がオンとなると、画素内にビデオ信号が入力される。すると、容量素子1402にそのビデオ信号の電圧が保持される。なお図22(A)(C)には、容量素子1402を設けた構成を示したがこれに限定されず、ビデオ信号を保持する容量がゲート容量などでまかなうことが可能な場合には、容量素子1402を設けなくてもよい。
図22(B)に示す画素は、TFT1406と走査線1414を追加している以外は、図22(A)に示す画素構成と同じである。同様に、図22(D)に示す画素は、TFT1406と走査線1414を追加している以外は、図22(C)に示す画素構成と同じである。
TFT1406は、新たに配置された走査線1414によりオン又はオフが制御される。TFT1406がオンとなると、容量素子1402に保持された電荷は放電し、電流制御用TFT1404がオフとなる。つまり、TFT1406の配置により、強制的に発光素子1405に電流が流れない状態を作ることができる。そのためTFT1406を消去用TFTと呼ぶことができる。従って、図22(B)(D)の構成は、全ての画素に対する信号の書き込みを待つことなく、書き込み期間の開始と同時又は直後に点灯期間を開始することができるため、デューティ比を向上することが可能となる。
図22(E)に示す画素は、列方向に信号線1410、電源線1411、行方向に走査線1414が配置される。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、容量素子1402及び発光素子1405を有する。図22(F)に示す画素は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図22(E)に示す画素構成と同じである。なお、図22(F)の構成も、TFT1406の配置により、デューティ比を向上することが可能となる。
以上のように、多様な画素回路を採用することができる。特に、非晶質半導体膜から薄膜トランジスタを形成する場合、駆動用TFT1403の半導体膜を大きくすると好ましい。そのため、上記画素回路において、発光積層体からの光が封止基板側から射出する上面発光型とすると好ましい。
このようなアクティブマトリクス型の発光装置は、画素密度が増えた場合、各画素にTFTが設けられているため低電圧駆動でき、有利であると考えられている。
本実施の形態では、一画素に各TFTが設けられるアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、パッシブマトリクス型の発光装置にも適用可能である。パッシブマトリクス型の発光装置は、各画素にTFTが設けられていないため、高開口率となる。発光が発光積層体の両側へ射出する発光装置の場合、パッシブマトリクス型の発光装置を用いる透過率が高まる。
続いて、図22(E)に示す等価回路を用い、走査線及び信号線に保護回路としてダイオードを設ける場合について説明する。
図23には、画素部1500にスイッチング用TFT1401、1403、容量素子1402、発光素子1405が設けられている。信号線1410には、ダイオード1561と1562が設けられている。ダイオード1561と1562は、スイッチング用TFT1401又は1403と同様に、上記実施の形態に基づき作製され、ゲート電極、半導体層、ソース電極及びドレイン電極等を有する。ダイオード1561と1562は、ゲート電極と、ドレイン電極又はソース電極とを接続することによりダイオードとして動作させている。
ダイオードと接続する共通電位線1554、1555はゲート電極と同じレイヤーで形成している。従って、ダイオードのソース電極又はドレイン電極と接続するには、ゲート絶縁層にコンタクトホールを形成する必要がある。
走査線1414に設けられるダイオードも同様な構成である。
このように、本実施の形態によれば、入力段に設けられる保護ダイオードを同時に形成することができる。なお、保護ダイオードを形成する位置は、これに限定されず、駆動回路と画素との間に設けることもできる。
(実施の形態9)
上記実施の形態にその一例を示したようなモジュールを搭載した発光装置を有する電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話機、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigitAl Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図24、図25に示す。
図24(A)はテレビ受像器やパーソナルコンピュータのモニターなどである。筐体3001、表示部3003、スピーカー部3004等を含む。表示部3003にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部3003は画素ごとに実施の形態1〜3に示した作製方法によって作製したTFTを有している。このTFTを有していることにより劣化が少ないテレビ受像器又はモニターを得ることができる。
図24(B)は携帯電話機であり、本体3101、筐体3102、表示部3103、音声入力部3104、音声出力部3105、操作キー3106、アンテナ3108等を含む。表示部3103にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部3103は画素ごとに実施の形態1〜3に示した作製方法によって作製したTFTを有している。このTFTを有していることにより劣化が少ない携帯電話機を得ることができる。
図24(C)はコンピュータであり、本体3201、筐体3202、表示部3203、キーボード3204、外部接続ポート3205、ポインティングマウス3206等を含む。表示部3203にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部3203は画素ごとに実施の形態1〜3に示した作製方法によって作製したTFTを有している。このTFTを有していることにより劣化が少ないコンピュータを得ることができる。
図24(D)はモバイルコンピュータであり、本体3301、表示部3302、スイッチ3303、操作キー3304、赤外線ポート3305等を含む。表示部3302にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部3302は画素ごとに実施の形態1〜3に示した作製方法によって作製したTFTを有している。このTFTを有していることにより劣化が少ないモバイルコンピュータを得ることができる。
図24(E)は携帯型のゲーム機であり、筐体3401、表示部3402、スピーカー部3403、操作キー3404、記録媒体挿入部3405等を含む。表示部3402にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部3402は画素ごとに実施の形態1〜3に示した作製方法によって作製したTFTを有している。このTFTを有していることにより劣化が少ない携帯型ゲーム機を得ることができる。
図25はペーパーディスプレイであり、本体3110、画素部3111、ドライバIC3112、受信装置3113、フィルムバッテリー3114等を含む。受信装置では上記携帯電話機の赤外線通信ポート3107からの信号を受信することができる。画素部3111にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。画素部3111は画素ごとに実施の形態1〜3に示した作製方法によって作製したTFTを有している。このTFTを有していることにより劣化が少ないペーパーディスプレイを得ることができる。