JP5225465B2 - 誘導加熱調理器および誘導加熱方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、誘導加熱調理器および誘導加熱方法に関し、とりわけ誘導加熱調理器の被加熱体の材質および載置状態を瞬時に検知するとともに、最適条件で駆動可能な誘導加熱調理器およびその誘導加熱方法に関する。
従来の誘導加熱調理器において、鍋などの被加熱体が十分に載置されていない場合には加熱コイルに電源供給しないようにし(いわゆる空だきの防止)、鍋以外の小物(たとえば鉄製のスプーンやお玉など)が載置されていた場合にはこれらを加熱しないように制御する手段が数多く提案されている。
たとえば特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、小物検知装置に関し、インバータ回路の入力電流とパワースイッチング半導体のコレクタ電圧を検出し、これらの2つのパラメータでプロットしたマップ(特許文献1の第2図)を用いて被加熱体が小物であるか否かを検出し、当該マップにおいて所定の領域にある入力電流およびコレクタ電圧が検出された場合には被加熱体が小物であると判断するように構成されている。同様に、特許文献1の第3図には、小物検知装置は加熱コイル電流と入力電流の比較を行うことにより被加熱体が小物であるか否かを検出できることが記載されている。
また特許文献2に記載の誘導加熱用インバータの空運転検出方法によれば、インバータの入力電流および出力電流を検出し、これらをパラメータとするマップ(特許文献2の図2)上の拡大された空運転検出可能領域において鍋が空だき状態であることを検知して、空だきを防止することができる。
特許文献3に記載の電磁誘導加熱調理器は、インバータの駆動周波数と位相角を検出し、これらをパラメータとするマトリクス(特許文献3の図2)において鍋の材質等を判別することができる。同様に、インバータの駆動周波数と加熱コイル電流を検出することにより、ステンレスなどの磁性体と非磁性体の中間の材質も正確に判別することができると記載されている。
特公昭61−29117号公報 特許第2882060号公報 特許第2745247号公報
しかしながら特許文献1の誘導加熱調理器によれば、インバータ回路の入力電流を検出するためには、商用電源の周波数の少なくとも半周期に相当する時間において入力電流を検出する必要がある。あるいは入力電流に生じるノイズを平滑化するためには、さらに長い時間において入力電流を検出しなければならない。すなわち、特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、被加熱体が小物であるか否かを検出するために、少なくとも数十ミリ秒程度の長い時間において加熱し続ける必要があり、小物である被加熱体を加熱するおそれがある。
同様に、特許文献2の誘導加熱用インバータの空運転検出方法によれば、インバータの入力電流は、商用電源の周波数の少なくとも半周期に相当する長い時間において検出する必要があり、空だき状態であることを検知するまでに少なくとも数十ミリ秒程度の相当の時間を要する。
特許文献3に記載の電磁誘導加熱調理器によれば、インバータの位相角と駆動周波数とが鍋の材質に固有の特性を示すことを利用するものであるが、特許文献3の図3のグラフを得るためには、所定範囲の駆動周波数(たとえば1kHz〜70kHz)に対して周波数掃引を行う必要があり、実質的な時間を要する。すなわち特許文献3の電磁誘導加熱調理器は、周波数掃引によりインバータの位相角および駆動周波数を検出する間に、未知の被加熱体を一意的に加熱する必要があり、鍋の材質によっては鍋を加熱するおそれがある。
したがって、被加熱体の有無や載置状態や材質あるいは小物の検出を、従来の誘導加熱調理器よりも迅速に検出することを可能にする技術の開発に対する要請が強い。また、被加熱体の有無や載置状態、材質、小物の検出を瞬時に検知することにより、最適な駆動条件で被加熱体を誘導加熱する装置および方法の開発が期待されている。
そこで本願発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、誘導加熱調理器に関し、加熱コイル、およびこれに直列に接続された共振コンデンサとからなるLCR誘導加熱部と、前記LCR誘導加熱部に駆動周波数で電源供給する駆動回路と、前記LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、前記LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、検出された駆動電圧および駆動電流から、駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む1次駆動電圧および1次駆動電流を抽出する1次成分抽出手段と、1次駆動電圧および1次駆動電流から、前記LCR誘導加熱部のインダクタンスまたは共振周波数と負荷抵抗とを算出するとともに、算出されたインダクタンスまたは共振周波数と負荷抵抗とに基づいて、前記LCR誘導加熱部に電源供給すべきか否かを判断する制御回路部とを有する誘導加熱調理器を提供しようとするものである。また本願発明に係る誘導加熱調理器は、得られた共振周波数と負荷抵抗、インダクタンスから加熱条件を得るものである。
本願発明の誘導加熱調理器によれば、被加熱体の有無や載置状態および被加熱体の材質等を極めて迅速に(数十マイクロ秒程度で)検知して、被加熱体を誘導加熱すべきか否かを判断するとともに、個々の被加熱体に最適な駆動条件で加熱開始時点から直ちに被加熱体を加熱することができる。
本願発明に係る実施の形態1による誘導加熱調理器の電気的構成を示す回路ブロック図である。 駆動電圧検出手段および駆動電流検出手段により検出された駆動電圧および駆動電流の波形図である。 加熱コイル上の各種材質からなる円板の載置状態を示す平面図である。 各種材質からなる円板をさまざまな位置に載置したときの共振周波数と負荷抵抗の関係を示すマップである。 各種材質からなる円板をさまざまな位置に載置したときのインダクタンスと負荷抵抗の関係を示すマップである。 本願発明に係る実施の形態2による誘導加熱調理器の電気的構成を示す回路ブロック図である。 本願発明に係る実施の形態4による誘導加熱調理器の複数の加熱コイルを示す平面図である。 実施の形態6の誘導加熱調理器の位相補正手段を含む電気的構成を示す回路ブロック図である。 全波整流用の整流回路からの変動電圧波形を示すグラフである。 実施の形態7の駆動電圧検出手段および駆動電流検出手段が駆動電圧および駆動電流を収集する際の低速サンプリング手法を示す概念図である。 フルブリッジ式駆動回路の駆動電圧波形を示す。 フルブリッジ式駆動回路の位相幅と1次成分の係数との関係を示すグラフである。 ハーフブリッジ式駆動回路の駆動電圧波形を示す。 ハーフブリッジ式駆動回路の位相幅と1次成分の係数との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明および以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
実施の形態1.
図1〜図5を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1について以下詳細に説明する。図1は、実施の形態1による誘導加熱調理器1の概略的な電気的構成を示す回路ブロック図である。誘導加熱調理器1は、概略、二相または三相の商用電源10からの交流電流を直流電流に整流する整流回路12と、加熱コイル22に所定の駆動周波数を有する高周波電流を供給する駆動回路14と、加熱コイル22およびこれに直列に接続された共振コンデンサ24からなるLCR誘導加熱部20と、LCR誘導加熱部20の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段30と、LCR誘導加熱部20に流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段32とを有する。
具体的には、整流回路12は、全波整流または半波整流するものであってもよく、直流成分を得るためのインダクタンスやコンデンサを含むフィルタ回路(ともに図示せず)を有するものであってもよい。また駆動回路14は、IGBTなどのスイッチング素子(図示せず)を含むインバータ回路であり、インバータ駆動する回路であれば任意のものを用いることができ、たとえばハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成することができる。
LCR誘導加熱部20は、上述のように、加熱コイル22およびこれに直列に接続された共振コンデンサ24からなり、加熱コイル22は、図1において、インダクタンスLと負荷抵抗Rの等価回路として図示されている。図中、インダクタンスLの上方に図示したものは、鍋などの被加熱体Pである。加熱コイル22に高周波電流が供給されると、その周囲に交流磁場を形成し(交流磁場が導電体からなる被加熱体Pに鎖交し)、被加熱体Pに渦電流を形成して、被加熱体P自体を加熱する。
一般に、LCR誘導加熱部20の負荷抵抗Rは、被加熱体Pの有無または載置状態(被加熱体Pに鎖交する交流磁場)に依存して変動する。すなわち負荷抵抗Rは、鍋Pが載置されていないときの加熱コイル22自体の線抵抗Rに、鍋Pを載置したことによる鍋Pの見かけ上の負荷抵抗Rを加えたものに相当する(R=R+R)。
なお駆動電圧検出手段30は、LCR誘導加熱部20の両端に印加される駆動電圧(出力電圧)Vを検出するものであれば当業者により容易に想到される任意の回路構成を有するものであってもよい。同様に、駆動電流検出手段32は、LCR誘導加熱部20に流れる駆動電流(出力電流)Iを測定するものであれば任意の回路構成を有するものであってもよく、実施の形態1に係る駆動電流検出手段32としては、たとえばカレントトランスが採用されている。
さらに本願発明に係る誘導加熱調理器1は、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32に電気的に接続された1次成分抽出手段40を備える。
上述のように駆動回路14は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などのスイッチング素子を含むインバータ回路であり、IGBTを所定の駆動周波数(たとえば30kHz)を有する制御信号(ゲート信号)で駆動するとき、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32は、図2に示すような高周波変調された駆動電圧Vおよび駆動電流Iを検出する。
高周波変調された駆動電圧Vおよび駆動電流Iは、一般に、駆動周波数の整数倍の高次周波数成分を含む合成波形として表される。そして本願発明に係る1次成分抽出手段40は、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32で検出された図2に示す駆動電圧Vおよび駆動電流Iを、たとえば駆動周波数の整数倍のサンプリング周波数を用いて離散フーリエ変換することにより、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分(すなわち駆動周波数と同一の周波数を有する成分)だけを抽出するものである。なお1次成分抽出手段40において、複数の高次周波数成分を有する信号から1次成分のみを抽出する手法およびアルゴリズムとしては任意のものを利用することができ、一般に市販されたソフトウェアを用いて駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分だけを抽出することができる。
このとき、本願発明に係る1次成分抽出手段40は、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分として次式のように複素表示することができる。
Figure 0005225465
ここでV,Iは駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分を示し、V1Re,I1ReはV,Iの実部、V1Im,I1ImはV,Iの虚部、そしてjは虚数単位を示す。
また、LCR誘導加熱部20のインピーダンスZ、および駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相(駆動電流Iに対する駆動電圧Vの位相またはインピーダンスZの位相)θは次式で表される。
Figure 0005225465
ここでIm(Z)およびRe(Z)はそれぞれインピーダンスZの虚部および実部を意味する。なお、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相は、arctanの代わりにarcsinまたはarccosを用いて算出してもよい。位相θが90度付近ではarctanは発散し、誤差を多く含み得るので、arcsinまたはarccosを用いて位相θを算出することが好ましい場合がある。
さらに本願発明に係る誘導加熱調理器1は、図1に示すように、駆動回路14および1次成分抽出手段40に電気的に接続された制御回路50を備える。本願発明に係る制御回路50は、上記[数2]より1次成分抽出手段40が抽出した複素表示の1次成分の駆動電圧Vおよび駆動電流Iから、LCR誘導加熱部20のインピーダンスZおよび駆動電圧V 1および駆動電流Iの位相(偏角)θを算出し、これに基づいて駆動回路14に適当な駆動信号(ゲート信号)を供給するものである。
同様に、本願発明に係る制御回路50は、次式で表されるLCR誘導加熱部20の有効電力値Wおよび電流実効値Iを算出することができる。
Figure 0005225465
ここでI はIの複素共役を示す。
以上のように、本願発明に係る制御回路50は、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から、LCR誘導加熱部20のインピーダンスZ、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相(駆動電流Iに対する駆動電圧Vの位相またはインピーダンスZの位相)θ、有効電力値Wおよび電流実効値Iを算出することができる。
一方、LCR誘導加熱部20を含む一般のLCR回路において、負荷抵抗R、インピーダンスZ、加熱コイル22のインダクタンスLおよび共振周波数Frは次式で表される。
Figure 0005225465
ここでωは1次成分の周波数f(定義より駆動周波数と同一、ω=2πfで表される)であり、Cは共振コンデンサ24の静電容量であって、ともに既知である。したがって本願発明に係る制御回路50は、[数2]で算出したθを用いて、[数4]から共振周波数Frと負荷抵抗R(=R+R)を求めることができる。
同様に、共振周波数Frは以下のように求めることができる。上記[数2]および[数4]のように、負荷抵抗R、インピーダンスZは次式で表わされる。
Figure 0005225465
上記[数5]より、加熱コイル22のインダクタンスLは次式で表すことができる。
Figure 0005225465
したがって、上記[数6]より得られたインダクタンスLと共振コンデンサ24の既知の静電容量Cより共振周波数Frを求めることができる。
Figure 0005225465
本願発明に係る制御回路50は、以下詳述するように、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から共振周波数Fr(または加熱コイル22のインダクタンスL)と負荷抵抗Rを検出することにより、被加熱体Pの載置状態(鍋Pの有無を含む)および被加熱体Pの材質を検知して、LCR誘導加熱部20に電源供給すべきか否か等を判断するものである。なお本願発明に係る制御回路50は、図2の高周波変調された駆動電圧および駆動電流の単一の周期(すなわち、駆動周波数が30kHzのとき、1周期は約33マイクロ秒)において検知された位相から、共振周波数Fr(または加熱コイル22のインダクタンスL)と負荷抵抗Rを算出して電源供給の可否を瞬時に判断することができる。
ここで共振周波数Frと負荷抵抗Rを算出して、どのように電源供給の可否を判断するかについて、具体例を用いて以下説明する。
図3に示すように、平面上に捲回された加熱コイル22と、複数の円板26とを用意した。円板26は、鉄、磁性ステンレス、非磁性ステンレス、およびアルミニウムの4種類の材質からなる。これらの円板26は擬似的な鍋Pである。加熱コイル22および各円板26の直径を約180mmおよび約200mmとし、各円板26の厚みはすべて1.5mmとした。円板26は、図3(a)では加熱コイル22上の中央(同心円O上)に載置されている(本願においては、この状態を「重畳率が100%である」という。)。また円板26は、図3(b)および(c)では、円板26の外縁Eが加熱コイル22の直径のそれぞれ75%および50%の位置に配置されている(重畳率がそれぞれ75%および50%である。)。すなわち重畳率が50%であるとき、円板26の外縁Eが加熱コイル22の中心Oと重なり合っている。
鉄、磁性ステンレス、非磁性ステンレス、およびアルミニウムの材質からなる4種類の円板26のそれぞれについて、重畳率が100%、75%および50%となるように載置した後(図3(a),(b),(c)に対応)、上記説明したように、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から共振周波数Frと負荷抵抗Rとを検出(算出)したところ、図4(a)のようなマップ(グラフ)を得た。なお、円板26をまったく載置しない場合(無負荷の場合)には、二重丸で示す共振周波数Frおよび負荷抵抗Rを得た。
本願発明によれば、材質の異なる円板26について、図4(a)の重畳率が100%、75%および50%である点を連続的に結び、図4(b)のハッチング領域で示すように、重畳率が50%未満である領域を駆動禁止領域と設定してもよい。すなわち本願発明に係る制御回路50は、検出された共振周波数Frと負荷抵抗Rが重畳率50%未満の駆動禁止領域に含まれる場合に、鍋Pは加熱コイル22の上方に十分に載置されていない、もしくは小物が載置されていると判断して、LCR誘導加熱部20に高周波電流が供給されないように駆動回路14を制御することができる。ただし、LCR誘導加熱部20への給電の是非に対する閾値は、50%の重畳率に限定されるものではなく、たとえば40%以下または60%以下の重畳率としてもよい。
このように本願発明に係る制御回路50は、共振周波数Frと負荷抵抗Rをパラメータとする、LCR誘導加熱部20に高周波電流を供給することを禁止する駆動禁止領域を事前に設定し(記憶し)、これらの検出された値が駆動禁止領域に含まれないときにのみ、LCR誘導加熱部20に高周波電流が供給されるように駆動回路14を制御するように構成される。また図4(b)に示すように、アルミニウムからなる鍋Pを加熱しないように駆動禁止領域を設定してもよい。すなわち駆動禁止領域は製品仕様により自在に設定することができる。
上記のように、本願発明に係る制御回路50は、高周波変調された駆動電圧および駆動電流の単一の周期(たとえば約33マイクロ秒)において検知された位相から、共振周波数Frと負荷抵抗Rを瞬時に算出することができるので、加熱すべきではない小物の加熱を防止できるので極めて安全であり、無負荷のときに無駄な電力消費を回避できるので省エネルギに寄与することができる。
換言すると、本願発明によれば、共振周波数Frと負荷抵抗Rを検出することにより、鍋Pの材質および載置状態(鍋Pが加熱コイル22の上方にどの程度載置されているか)を瞬時に検出し、鍋Pの材質および載置状態に応じた最適な駆動条件で鍋Pを誘導加熱することができる。
なお上記具体例では、制御回路50は、共振周波数Frと負荷抵抗Rを検出するものであったが、加熱コイル22のインダクタンスLと負荷抵抗Rを検出して、同様に駆動回路14を制御してもよい。図5(a)および図5(b)は、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から加熱コイル22のインダクタンスLと負荷抵抗Rとを検出したときに得られた図4および図4(b)と同様のマップである。円板26をまったく載置しない場合(すなわち無負荷の場合)には、二重丸で示すインダクタンスLおよび負荷抵抗Rが得られた。このとき、検出されたインダクタンスLと負荷抵抗Rが駆動禁止領域(図中のハッチング領域)に含まれないときにのみ、LCR誘導加熱部20に高周波電流が供給されるように駆動回路14を制御し、その閾値として重畳率を40%未満に設定してもよい。同様に、アルミニウムからなる鍋Pを加熱しないように駆動禁止領域を設定することもできる。
また、最も効率良く加熱できるのは共振周波数であることが知られている。本願発明によれば鍋Pの共振周波数Frを得ることができるため、駆動周波数として共振周波数Frを選択することができる。また通常、共振周波数Frよりも低い周波数とするとIGBT等の素子に悪影響があるため、共振周波数Frが分からない場合には駆動周波数を実際の共振周波数Frよりもかなり高めに設定する場合がある。その場合、実際にはもっと電流を流して加熱できるものを制限していることになり、機器として加熱制限を使用者にしていることになる。本願発明の結果から共振周波数Frが分かるので、所望する加熱電力を得るための駆動周波数がどこまで設定可能であるかを知り、加熱調整することが可能となる。
実施の形態2.
図6を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態2について以下に説明する。実施の形態2による誘導加熱装置2は、駆動電流検出手段32としてカレントトランスを用いる代わりに、共振コンデンサ24の両端の電圧を検出するコンデンサ電圧検出手段34を用いてLCR誘導加熱部20に流れる電流を検出する点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態2に係る誘導加熱装置2は、図6に示すように、共振コンデンサ24の両端のコンデンサ電圧Vを検出するコンデンサ電圧検出手段34を有し、コンデンサ電圧検出手段34は1次成分抽出手段40に電気的に接続されている。コンデンサ電圧Vは、駆動電圧Vと同様、駆動周波数の整数倍の高次周波数成分を含み、1次成分抽出手段40を用いて離散フーリエ変換することにより、コンデンサ電圧Vの1次成分VC1(駆動周波数と同一の周波数を有する成分)だけを抽出し、複素表示することができる。なお、コンデンサ電圧Vの1次成分VC1と駆動電流Iは次の関係式を満たす。
Figure 0005225465
ここでωは1次成分の周波数f(定義より駆動周波数と同一、ω=2πf)であり、Cは共振コンデンサ24の静電容量であって、ともに既知である。
上式より、駆動電流 はコンデンサ電圧VC1に対して位相がπ/(90度)だけ進んでいることが明らかである。そして本願発明によれば、コンデンサ電圧VC1を複素表示するので、次式より極めて簡便な計算により駆動電流Iを求めることができる。
Figure 0005225465
こうして求められた駆動電流Iに基づいて、実施の形態1で説明したように、共振周波数Fr(または加熱コイル22のインダクタンスL)と負荷抵抗Rを検出することにより、被加熱体Pの載置状態(鍋Pの有無を含む)および被加熱体Pの材質を検知して、LCR誘導加熱部20に電源供給すべきか否か等を瞬時に判断することができる。
また、実施の形態2によれば、実施の形態1で用いられていた比較的に高価なカレントトランスを省略して、より安価に駆動電流を検出する手段を採用することにより、誘導加熱装置2の製造コストを削減することができる。
実施の形態3.
次に、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態3について以下に説明する。
従来の誘導加熱装置において、加熱コイルに電流を流し始めるとき、さまざまなフィードバック制御を行いながら徐々に電力を増大させて、最適な駆動条件で加熱する。すなわち、これまでの誘導加熱装置によれば、加熱コイルの最適駆動条件を見出すためのフィードバック制御のための実質的な時間が必要であった。したがって、いわゆる鍋振り等の調理方法を用いた場合など、鍋Pの載置状態に起因する負荷抵抗Rの急激な変動が生じたとき、これに伴って加熱コイルの最適駆動条件を追随させることが困難であった。
しかしながら、共振コンデンサ24の容量Cは既知であるところ、本願発明によれば、実施の形態1で説明したように([数4],[数6],[数7]参照)、LCR誘導加熱部20の加熱コイル22のインダクタンスLと負荷抵抗Rを含むすべての定数を知ることができる。
駆動する電圧の理想波形は、駆動制御手段により得ることができる。駆動波形のフーリエ級数展開により、理想の駆動電圧波形の1次成分の割合を知ることができる。LCR誘導加熱部20のインダクタンスL、負荷抵抗Rおよび共振コンデンサ容量Cは既知であるので、LCR誘導加熱部20のインピーダンスZlは次式で得られる。
Figure 0005225465
上述のように、鍋に供給される有効電力値Wは駆動電流Iと負荷抵抗Rにより得られ、負荷抵抗Rは求めることができるので、LCR誘導加熱部20に注入したい所望の有効電力値Wに対して必要な駆動電流Iを算出することができる。
なお、インピーダンスZがあまりに小さく、駆動電流Iを供給できる範囲外となる場合には、その鍋Pに対して所望とする電力Wを供給することができない。この場合には、供給電力を低くするなどの処置が必要となる。
上記[数10]で得られるインピーダンスZlを用いれば、駆動電流IにインピーダンスZlを乗算することで必要となる駆動電圧を求めることが可能である。なお、駆動する周波数は、鍋検知の結果を元に決める。
制御回路50は駆動回路14に対して、どのような電圧波形で駆動するかが分かっている。この波形は理想波形である。この理想波形をフーリエ級数展開すれば1次の成分の電圧の大きさを得ることができる。これを、たとえばハーフブリッジであればデューティ比毎に、フルブリッジであれば位相毎に、1次の成分の大きさを持たせておく。そうすれば、必要な1次成分の駆動電圧の大きさを得るために必要なデューティ比や位相を知ることができる。
このときの駆動電圧が実際に供給できる値の範囲外となる場合には、実際には供給することができない電力である。その場合には、例えば、駆動周波数を高くするなどして再度算出を試みる。これにより、フィードバック制御を行う場合においても、ほぼ加熱したい電力に近い初期値を与えることができるため、要求されている電力まで高速に電力注入することができる。そのため、ガスのような瞬時の加熱感を得ることができる。
また本願発明に係る誘導加熱調理器3によれば、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から、LCR誘導加熱部20の共振周波数Fr、インダクタンスLおよび負荷抵抗Rを極めて短い時間(駆動周波数が30kHzのとき、約33マイクロ秒)で求めることができるので、鍋Pを鍋振りしたときに鍋Pの載置状態に起因して負荷抵抗Rが急激に変動した場合であっても、加熱コイル22を常に最適な条件で駆動して、鍋振り調理に対応することができる。
実施の形態4.
図7を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態4について以下に説明する。実施の形態4による誘導加熱装置4は、複数の加熱コイル22と、それぞれの加熱コイルを個別に駆動する駆動回路を有する点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態4に係る誘導加熱装置4は、これに限定するものではないが、図7に示すように、中央コイル28と、4つのサテライトコイル29a〜29dとを有するものであってもよい。中央コイル28およびサテライトコイル29a〜29dは、実施の形態1と同様の駆動回路(図示せず)にそれぞれ接続されている。したがって、実施の形態4の誘導加熱装置4は、中央コイル28およびサテライトコイル29のそれぞれについて、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から共振周波数Fr(または加熱コイル22のインダクタンスL)と負荷抵抗Rを検出することにより、被加熱体Pの載置状態(鍋Pの有無を含む)および被加熱体Pの材質を検知して、各加熱コイル28,29に電源供給すべきか否か等を瞬時(たとえば駆動周波数が30kHzのとき、約33マイクロ秒で)に判断することができる。たとえば、鍋Pが小さく、中央コイル28の上方にのみ載置される場合、制御回路50は、加熱開始直後にサテライトコイル29a〜29dの上方には鍋Pが載置されていないことを検知して、直ちにサテライトコイル29a〜29dへの給電を停止することにより、不要な電力消費を極力回避することができる。また、鍋Pが中心から逸脱して、中央コイル28とサテライトコイル29a,29dの上方にのみ載置されたとき、同様にサテライトコイル29b,29cへの給電を停止することにより、不要な電力消費を回避することができる。
実施の形態5.
次に、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態5について以下に説明する。実施の形態5による誘導加熱装置5は、上記実施の形態に係る1次成分抽出手段40の代わりに、n次成分抽出手段を用いる点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1または実施の形態2の誘導加熱装置2と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態5に係るn次成分抽出手段(図示せず)は、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32で検出された駆動電圧Vおよび駆動電流Iを、駆動周波数のn倍(nは自然数)のサンプリング周波数を用いて離散フーリエ変換することにより、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分のみならず、n次成分(すなわち駆動周波数とほぼn倍の周波数を有する成分)を抽出するものである。
一般に、アルミニウム製の被加熱体Pを効率的に誘導加熱するためには、鉄等からなる被加熱体Pを誘導加熱するときに用いられる高周波電流の駆動周波数より高い駆動周波数を有するものを用いる必要がある。そして、このように高導電率および低透磁率を有するアルミニウムを含む任意の金属材料からなる鍋Pを誘導加熱する、いわゆるオールメタル対応の誘導加熱調理器はすでに提案され(たとえば特許第3460997号)、市場において販売されており、本願発明は、係るオールメタル対応の誘導加熱調理器にも適応することができる。
通常、n倍の駆動周波数を有する駆動電流Iでアルミニウム製の被加熱体Pを誘導加熱するとき、駆動電流Iの1次成分は小さい値となり、n次成分が大きくなる。そして実施の形態5に係るn次成分抽出手段は、駆動電圧Vおよび駆動電流の1次成分よりn次成分(たとえば3次成分)が大きくなる場合には、1次成分ではなく、n次成分を抽出して、上記と同様の演算を行うことにより、共振周波数Frおよび負荷抵抗Rを瞬時に算出することができる。このとき、n次成分を用いて演算することにより、A/D変換器の分解能を大きくする必要がなくなるので好ましい。
なお詳細図示しないが、n次成分を用いて算出された共振周波数と負荷抵抗の関係を示すマップとして、図4(a)と同様のものが得られる(ただしアルミニウム円板の負荷抵抗は、共振周波数の増大に伴い、図4(a)のものより大きくなる。)。すなわち制御回路部50は、n次駆動電圧およびn次駆動電流から、LCR誘導加熱部20のインダクタンスLまたは共振周波数Frと負荷抵抗Rとを算出するとともに、算出されたインダクタンスLまたは共振周波数Frと負荷抵抗Rとに基づいて、LCR誘導加熱部20に電源供給すべきか否かを判断する。こうして実施の形態5に係る誘導加熱調理器は、振周波数と負荷抵抗の関係を示す上記マップを用いて、被加熱体Pの材質と加熱コイル22に対する重畳率を検知することができ、駆動禁止領域においては加熱コイル22に電源供給しないようにすることができる。
実施の形態6.
図8を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態6について以下に説明する。実施の形態6による誘導加熱装置6は、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32(またはコンデンサ電圧検出手段34)により検出された駆動電圧Vと駆動電流Iとの間において、これらの検出手段に起因する位相差(φ)を検出する位相補正手段42を有する点を除いて、上記実施の形態の誘導加熱装置(とりわけ実施の形態1の誘導加熱装置1または実施の形態2の誘導加熱装置2)と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図8は、実施の形態1の誘導加熱装置1に位相補正手段42を組み込んだ実施の形態6に係る誘導加熱装置6の回路ブロック図である。当業者ならば、実施の形態2の誘導加熱装置2に対しても同様に、実施の形態6の位相補正手段42を採用することができる。図8に示す誘導加熱装置6において、上述のように、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32の回路構成に依存して、駆動電圧検出手段30が検出する駆動電圧Vと、駆動電流検出手段32が検出する駆動電流Iとの間に位相差(φ)が生じることがある。こうした位相差(φ)は、本願発明に係る1次成分抽出手段40が1次駆動電圧および1次駆動電流から、LCR誘導加熱部20のインダクタンスLまたは共振周波数Frと負荷抵抗Rとを算出するときの演算結果に悪影響を与える。そこで係る位相差(φ)を補正する位相補正手段42を設けることが好ましい。
鍋Pを載置しない状態(無負荷状態)にあるLCR誘導加熱部20において、負荷抵抗Rは加熱コイル22の線抵抗にのみ依存し、インダクタンスLは無負荷状態(鍋Pとの磁気的結合がない状態)であるので加熱コイル22のインダクタンスと同一であり、共振用コンデンサCの静電容量は固定値であり既知である。したがってLCR誘導加熱部20の各定数が既知であるので、無負荷状態で電源供給したときの駆動電圧Vと駆動電流Iとの間に生じる位相差(θ)は理論的に計算できる。
一方、実際に、LCR誘導加熱部20に無負荷状態で電源供給したとき、駆動電圧検出手段30が検出する駆動電圧Vと、駆動電流検出手段32が検出する駆動電流Iとの間に生じる位相差は1次成分抽出手段40を用いて検出することができる。たとえば1次成分抽出手段40で検出された駆動電圧Vに対する駆動電流Iの位相差が(θ−φ)であるとき、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32の回路構成に起因して、駆動電流Iは実際よりも位相ずれ(φ)だけ遅れて検出されていると判断できる。このとき、駆動電流Iの検出結果に位相ずれ(φ)だけ加算することにより、実際の駆動電流Iにより近似するように補正することができる。
より具体的には、たとえば製品出荷時において、鍋Pを載置しない状態(無負荷状態)で電源供給することにより、上述の位相ずれ(φ)を検出し、その情報を位相補正手段42内のメモリ(図示せず)に記憶させておく。そしてユーザが実際に使用する際には、位相補正手段42は、1次成分抽出手段40で検出された駆動電圧Vに対する駆動電流Iの位相ずれ(φ)で補正した位相差信号を制御回路50に供給する。
なお、検出された駆動電流Iに位相ずれ(φ)だけ加算して補正後の駆動電流Iaを得るためには、Cを複素係数として次式を用いて簡単に計算することができる。
Figure 0005225465
また、検出された駆動電圧Vに対する駆動電流Iの位相ずれ(φ)が駆動周波数にも依存して変動する場合には、使用される駆動周波数ごとに位相ずれ(φ)を予め検出しておき、位相補正手段42内のメモリ(図示せず)に記憶させておくことが好ましい。
このように実施の形態6によれば、位相補正手段42を用いて、駆動電圧Vに対する駆動電流Iの位相ずれ(φ)で補正して、より正確に検出された駆動電圧Vおよび駆動電流Iを用いて、共振周波数Frと負荷抵抗Rを検出することにより、鍋Pの材質および載置状態を瞬時に検出し、鍋Pの材質および載置状態に応じた最適な駆動条件で鍋Pを誘導加熱することができる。
実施の形態7.
図9を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態7について以下に説明する。実施の形態7による誘導加熱装置7は、駆動電圧Vと駆動電流Iの1次成分を用いたより簡便な手法を用いて、LCR誘導加熱部20の電力を検出できるように構成された点を除いて、上記実施の形態の誘導加熱装置と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
一般に、電力は、商用電源の電圧と電流を乗算したものを所定期間で積分して所定期間で割ることにより得られ、とりわけLCR誘導加熱部20で消費される電力は、整流回路12の両端の電圧と、これより出力される電流の積として測定される。
整流回路12を構成する平滑コンデンサ(図示せず)が十分に大きい静電容量を有し、整流回路12(平滑コンデンサ)の両端の電圧Vがほぼ一定とみなせる場合(ほぼ直流電流とみなせる場合)、LCR誘導加熱部20で消費される電力は、任意のタイミングで測定された電圧Vと整流回路12から出力される電流Iの積として算出することができる。
しかしながら、整流回路12で出力される電圧波形を直流波形とするためには、静電容量が大きい平滑コンデンサが必要であり、静電容量が大きい平滑コンデンサを用いると、無効電力が増えて力率が悪くなるのでこのましくない。
したがって実際に用いられる全波整流用の整流回路12の両端の電圧Vは、LCR誘導加熱部20の負荷が小さいときには、ほぼ一定とみなせるが、負荷が大きいときには、図9に示すように、電源電圧を全波整流したままのような(商用電源とともに変動する)波形を有する。このように整流回路12の電圧Vが変動すると、整流回路12から出力される電流Iも変化し、上記のように、LCR誘導加熱部20で消費される電力を、単純に電圧Vと電流Iの積で求めることはできない。
一方、駆動電圧検出手段30が検出する駆動電圧Vおよび駆動電流検出手段32が検出する駆動電流Iは検出することができるので、有効電力Wは、上式[数3]により求めることができ、それを図2に示すコイル駆動の1周期における複数のタイミングで得られた有効電力Wを合計することにより、コイル駆動の1周期におけるWcを求めることができる。また上記のように、駆動電圧Vは、整流回路12の両端の電圧Vとともに変動するので、商用電源の1周期に相当する時間において継続的に(すなわち複数のコイル駆動周期に相当する期間)有効電力Wcを演算することにより、LCR誘導加熱部20で消費される電力を正確に検出することができる。
ただし、たとえば商用電源の1周期が1/60秒(60Hz)で、図2のコイル駆動の1周期が1/30000秒(30kHz)であるとき、商用電源の1周期においてLCR誘導加熱部20で消費される電力を計測するためには、商用電源の少なくとも1/2周期(すなわちコイル駆動250周期分)に相当する期間において、有効電力Wcを検出し続ける必要がある。しかし、こうした一連の演算処理は、高速なA/D変換を間断なく行う必要があり、CPUに対するデータ取り込みと演算処理のために莫大な負荷を強いるものである。
そこで実施の形態7に係る発明は、任意の適当な手段を用いて、整流回路12の両端の電圧Vの平均値およびピーク電圧Vを検出し、ピーク電圧Vが得られるタイミングでコイル駆動の1周期における電力Wcを求めることを提案するものである。上記のように、コイル駆動の1周期が商用電源の1周期に比して極めて小さいので、コイル駆動の1周期における有効電力Wcは電圧Vにより変動しないものとみなすことができる。
またピーク電圧Vを含む任意のタイミングにおいて、電力は電圧の二乗に比例するので、電圧が変動する場合であっても、平均電力は変動電圧の二乗に比例し、その比は一定であると考えられる。したがって整流回路12の両端の電圧Vが図9に示すように変動波形を有する場合であっても、整流回路12の1周期における平均電力に対する整流回路12の両端の電圧Vの平均値の二乗の比は、ピーク電圧Vが得られるタイミングで検出されたコイル駆動の1周期における電力Wcに対するピーク電圧Vの二乗の比に等しいと考えられる。
したがって、制御回路50は、商用電源の1周期において整流回路12の1周期における平均電力を下式で求めることができる。
(平均電力)=(電圧Vの平均の二乗)/(電圧Vの二乗)×(電力Wc)
尚、整流回路12が全波整流する場合、整流回路12の両端の電圧Vの平均値およびピーク電圧Vは、商用電源の1周期ではなく、半周期において検出するものであってもよい。このように、駆動電圧Vと駆動電流Iの1次成分を用いたより簡便な演算を用いて電力を計算することができる。
実施の形態8.
図10を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態8について以下に説明する。実施の形態8による誘導加熱装置8は、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32が駆動電圧Vおよび駆動電流Iのデータを収集するサンプリング速度を低速する点を除いて、上記実施の形態の誘導加熱装置と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。


上述のように、被加熱体Pの共振周波数Fr(またはインダクタンスL)と負荷抵抗Rを検出するためには、コイル駆動の1周期において駆動電圧Vおよび駆動電流Iを検出する必要がある。通常、駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32は、サンプリング周波数で時分割したときのそれぞれのタイミングにおける駆動電圧Vおよび駆動電流Iを取り込んでA/D変換器によりデジタルデータに変換して、共振周波数Frおよび負荷抵抗Rの演算に用いる。しかし図2のコイル駆動の1周期において、たとえば32ポイントに時分割すると、コイル駆動の周波数が30kHzのとき、商用電源の1周期においては96万ポイント(960kHz)の駆動電圧Vおよび駆動電流Iを取り込み、アナログ・デジタル変換して、これに基づいて共振周波数Frおよび負荷抵抗Rを求める必要がある。しかし、こうした演算処理は、高速のA/D変換器を必要とするものであるが、CPU内蔵のA/D変換器は低速である場合が多く、高速のA/D変換を実現するためには外付けの専用A/D変換器が必要となるため、コスト高が避けられない。
そこで実施の形態8に係る発明は、駆動電圧Vおよび駆動電流Iをより低速のサンプリング速度でデータ収集することを提案するものである。まず駆動電圧Vおよび駆動電流Iは、商用電源の1周期において実質的に変化しないものと仮定する。
従来においては、コイル駆動の1周期をn分割して(図10においては、たとえば5分割)、駆動電圧Vおよび駆動電流Iのデータをn回収集し、このときのサンプリング間隔をsとする。
実施の形態8に係る駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32は、このサンプリング間隔sを変更せず、図10に示すように、サンプリング間隔{s×(n+1)}の間隔で駆動電圧Vおよび駆動電流Iのデータを収集することにより、コイル駆動の複数周期における異なるタイミングの駆動電圧Vおよび駆動電流Iを順次(昇順で)検知することができる。
択一的には、実施の形態8に係る駆動電圧検出手段30および駆動電流検出手段32は、このサンプリング間隔sを変更せず、図10に示すように、{s×(n−1)}の間隔で駆動電圧Vおよび駆動電流Iのデータを収集することにより、コイル駆動の複数周期における異なるタイミングの駆動電圧Vおよび駆動電流Iを順次(降順で)検知することができる。
したがって、駆動電圧Vおよび駆動電流Iは変化しないと仮定したので、実施の形態8によれば、従来と同様に、駆動電圧Vおよび駆動電流Iのデータをn回収集したとき、コイル駆動の1周期分に相当する1つの完全なデータセットを得ることができる。
なお、実施の形態7で説明したように、整流回路12の両端の電圧Vが変動する場合、コイル駆動の複数周期における駆動電圧Vおよび駆動電流Iも電圧Vに依存して変動し得る。しかし、整流回路12の電圧Vがピーク電圧Vを有する領域においては、比較的に一定であるので、そのタイミングで駆動電圧Vおよび駆動電流Iをより低速のサンプリング速度でデータ収集することが好ましい。あるいは、変動する電圧Vに基づいて、コイル駆動の複数周期における駆動電圧Vおよび駆動電流Iを補正した後に、コイル駆動の1周期分に相当する1つの完全なデータセットを得るようにしてもよい。
実施の形態9.
図11〜図14を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱装置の実施の形態9について以下に説明する。実施の形態9による誘導加熱装置9は、被加熱体Pの共振周波数Frおよび負荷抵抗Rを用いて、LCR誘導加熱部20で消費される所望の電力を瞬時に実現する点を除いて、上記実施の形態の誘導加熱装置と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
上記実施の形態において上述のように、本願発明によれば、一次成分抽出手段40を用いて、被加熱体Pの共振周波数Fr(またはインダクタンスL)と負荷抵抗Rを検出することができる。このとき、目標とする電力Wがユーザにより設定されると、これを実現する電流Iは次式で与えられる。
Figure 0005225465
駆動周波数をf、角速度をω(=2πf)、LCR誘導加熱部20のインダクタンスをL、負荷抵抗をR、および共振コンデンサ24の静電容量をCとすると、そのインピーダンスZは次式で表される。
Figure 0005225465
したがって、このインピーダンスZに目標電力Wを実現する電流Iを得るために必要な電圧は次式で表される。
Figure 0005225465
まず駆動回路14がフルブリッジ式駆動回路である場合について以下説明する。
図11は、フルブリッジ式駆動回路の駆動電圧波形(1周期分、一次成分)を示す。一般に、図11に示す位相幅aを制御することにより、LCR誘導加熱部20の電力を制御することができる。この駆動電圧波形のフーリエ級数展開v(x)は次式で表される。
Figure 0005225465
ここで、0<a<πである。そして上記の1次成分の係数c1(a)は次式で表される。
Figure 0005225465
図12は、位相幅aと1次成分の係数c1(a)との関係を示すグラフである。ここで目標とする電圧をVdとすると、位相幅aの値は下式により求められる。
Figure 0005225465
以上のように、本願発明によれば、一次成分抽出手段40を用いて、位相幅a、すなわちLCR誘導加熱部20で消費される所望の電力を瞬時にして検知することができる。
次に、駆動回路14がハーフブリッジ式駆動回路である場合について以下説明する。
図13は、ハーフブリッジ式駆動回路の駆動電圧波形(1周期分、一次成分)を示す。同様に、図13に示す位相幅aを制御することにより、LCR誘導加熱部20の電力を制御することができる。この駆動電圧波形のフーリエ級数展開v(x)は次式で表される。
Figure 0005225465
ここで、0<a<πである。そして上記の1次成分の係数c1(a)は次式で表される。
Figure 0005225465
図14は、位相幅aと1次成分の係数c1(a)との関係を示すグラフである。ここで位相幅aは、通常、デューティ比d(%)として表される場合が多く、下記の関係を有する。
Figure 0005225465
ここで目標とする電圧をVdとすると、位相幅aの値は下式により求められる。
Figure 0005225465
これを上式[数20]に代入してdを求めると、デューティ比が得られる。このようにハーフブリッジ式駆動回路14を用いた場合でも、一次成分抽出手段40を用いて、位相幅a、すなわちLCR誘導加熱部20で消費される所望の電力を瞬時にして検知することができる。尚、図14から明らかに、デューティ比は50%以上としても効果はなく、50%以下で制御される。
なお、上述のように、本願発明に係る一次成分抽出手段40を用いて、被加熱体Pの共振周波数Frおよび負荷抵抗Rを検知するとき、コイル駆動の1周期において駆動電圧Vおよび駆動電流Iを検出する必要がある。このとき、詳細図示しないが、一次成分抽出手段40に用いられるA/D変換器は、そのサンプリング周波数が駆動周波数(クロック周波数)のn倍(nは2以上の自然数)となるように選択することが好ましい。択一的には、A/D変換器のサンプリング周波数が駆動周波数(クロック周波数)の1/n倍(nは2以上の自然数)となるように選択してもよい。いずれにしても、駆動周波数(クロック周波数)およびA/D変換器のサンプリング周波数は同じクロック発信源を用いて構成することが好ましい。
1〜4:誘導加熱調理器、10:商用電源、12:整流回路、14:駆動回路、20:LCR誘導加熱部、22:加熱コイル、24:共振コンデンサ、26:円板(擬似鍋)、28:中央コイル、29:サテライトコイル、30:駆動電圧検出手段、32:駆動電流検出手段、34:コンデンサ電圧検出手段、40:1次成分抽出手段、42:位相補正手段、50:制御回路。

Claims (13)

  1. 誘導加熱調理器であって、
    加熱コイル、およびこれに直列に接続された共振コンデンサとからなるLCR誘導加熱部と、
    前記LCR誘導加熱部に駆動周波数で電源供給する駆動回路と、
    前記LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、
    前記LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、
    検出された前記駆動電圧および前記駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む1次駆動電圧および1次駆動電流を抽出する1次成分抽出手段と、
    前記1次駆動電圧および前記1次駆動電流から、前記LCR誘導加熱部のインダクタンスおよび負荷抵抗、あるいは共振周波数および負荷抵抗を算出するとともに、算出された前記インダクタンスおよび前記負荷抵抗、あるいは前記共振周波数および前記負荷抵抗が予め定められた値よりも大きいか否かによって、前記LCR誘導加熱部に電源供給すべきか否かを判断する制御回路部とを有することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 誘導加熱調理器であって、
    加熱コイル、およびこれに直列に接続された共振コンデンサとからなるLCR誘導加熱部と、
    前記LCR誘導加熱部に駆動周波数で電源供給する駆動回路と、
    前記LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、
    前記共振コンデンサの両端のコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出手段と、
    前記コンデンサ電圧から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む1次コンデンサ電圧を抽出し、前記1次コンデンサ電圧から、前記LCR誘導加熱部に流れる、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む1次駆動電流を算出するとともに、検出された前記駆動電圧から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む1次駆動電圧を抽出する1次成分抽出手段と、
    前記1次駆動電圧および前記1次駆動電流から、前記LCR誘導加熱部のインダクタンスおよび負荷抵抗、あるいは共振周波数および負荷抵抗を算出するとともに、算出された前記インダクタンスおよび前記負荷抵抗、あるいは前記共振周波数および前記負荷抵抗が予め定められた値よりも大きいか否かによって、前記LCR誘導加熱部に電源供給すべきか否かを判断する制御回路部とを有することを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 1次成分抽出手段は、駆動周波数の単一周期に相当する時間における駆動電圧および駆動電流から、1次駆動電圧および1次駆動電流を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 制御回路部は、インダクタンスおよび負荷抵抗、あるいは共振周波数および負荷抵抗をパラメータとする電源供給マップにおける所定の駆動禁止領域を記憶する記憶手段を有し、算出された前記インダクタンスおよび前記負荷抵抗、あるいは前記共振周波数および前記負荷抵抗が電源供給マップ上の駆動禁止領域にあるとき、前記LCR誘導加熱部への電源供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 制御回路部は、LCR誘導加熱部の負荷抵抗、インダクタンス、およびインピーダンスを算出するとともに、これらを用いて、前記LCR誘導加熱部で消費される所望の電力に応じて、駆動回路を制御するための矩形パルス制御信号のデューティ比を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  6. 複数のLCR誘導加熱部と、それぞれの前記LCR誘導加熱部に電源供給する複数の駆動回路とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  7. 誘導加熱調理器であって、
    加熱コイル、およびこれに直列に接続された共振コンデンサとからなるLCR誘導加熱部と、
    前記LCR誘導加熱部に駆動周波数で電源供給する駆動回路と、
    前記LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、
    前記LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、
    検出された駆動電圧および駆動電流から、駆動周波数のn倍(nは自然数)の周波数を有するn次成分を含むn次駆動電圧およびn次駆動電流を抽出するn次成分抽出手段と、
    前記n次駆動電圧および前記n次駆動電流から、前記LCR誘導加熱部のインダクタンスおよび負荷抵抗、あるいは共振周波数および負荷抵抗を算出するとともに、算出された前記インダクタンスおよび前記負荷抵抗、あるいは前記共振周波数および前記負荷抵抗が予め定められた値よりも大きいか否かによって、前記LCR誘導加熱部に電源供給すべきか否かを判断する制御回路部とを有することを特徴とする誘導加熱調理器。
  8. 誘導加熱調理器であって、
    加熱コイル、およびこれに直列に接続された共振コンデンサとからなるLCR誘導加熱部と、
    前記LCR誘導加熱部に駆動周波数で電源供給する駆動回路と、
    前記LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、
    前記共振コンデンサの両端のコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出手段と、
    前記コンデンサ電圧から、前記駆動周波数のn倍(nは自然数)の周波数を有するn次成分を含むn次コンデンサ電圧を抽出し、前記n次コンデンサ電圧から、前記LCR誘導加熱部に流れる、前記駆動周波数のn倍の周波数を有するn次成分を含むn次駆動電流を算出するとともに、検出された前記駆動電圧から、前記駆動周波数のn倍の周波数を有するn次成分を含むn次駆動電圧を抽出するn次成分抽出手段と、
    前記n次駆動電圧および前記n次駆動電流から、前記LCR誘導加熱部のインダクタンスおよび負荷抵抗、あるいは共振周波数および負荷抵抗を算出するとともに、算出された前記インダクタンスおよび前記負荷抵抗、あるいは前記共振周波数および前記負荷抵抗が予め定められた値よりも大きいか否かによって、前記LCR誘導加熱部に電源供給すべきか否かを判断する制御回路部とを有することを特徴とする誘導加熱調理器。
  9. 検出された駆動電圧に対する検出された駆動電流の位相のずれを検出し、該駆動電流の位相を補正する位相補正手段を有することを特徴とする請求項1、2、7または8に記載の誘導加熱調理器。
  10. 商用交流電源からの交流電圧を直流電圧に整流する整流回路と、
    整流回路からの電圧(V)の平均値およびピーク電圧(V)を検出する手段とを備え、
    制御回路部は、ピーク電圧を与えるタイミング検出された1次駆動電圧および1次駆動電流から有効電力(Wc)を求めるとともに、LCR誘導加熱部で消費される平均電力を次式により求めることを特徴とする請求項1または7に記載の誘導加熱調理器。
    (平均電力)=(電圧Vの平均の二乗)/(電圧Vの二乗)×(電力Wc)
  11. 駆動電圧検出手段および駆動電流検出手段は、コイル駆動の1周期をn分割して(nは2以上の自然数)サンプリング間隔(s)で駆動電圧および駆動電流の検出するために、{s×(n+1)}または{s×(n−1)}のサンプリング間隔で、コイル駆動の複数周期における駆動電圧および駆動電流を検出することを特徴とする請求項1または7に記載の誘導加熱調理器。
  12. 駆動電圧検出手段およびコンデンサ電圧検出手段は、コイル駆動の1周期をn分割して(nは2以上の自然数)サンプリング間隔(s)で駆動電圧および駆動電流の検出するために、{s×(n+1)}または{s×(n−1)}のサンプリング間隔で、コイル駆動の複数周期における駆動電圧および駆動電流を検出することを特徴とする請求項2または8に記載の誘導加熱調理器。
  13. 制御回路は、共振周波数負荷抵抗およびインピーダンスを算出するとともに、これらに基づいて、LCR誘導加熱部で消費すべき所望の電力を得るために必要な電流を算出するとともに、駆動回路を制御するための矩形パルス制御信号の電圧波形をフーリエ級数展開したときの1次成分の係数と位相幅との間で成り立つ関係式から、矩形パルス制御信号のデューティ比を算出し、該デューティ比を用いて駆動回路を制御することを特徴とする請求項1、2、7または8に記載の誘導加熱調理器。
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