JP5221076B2 - 末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂を用いた複合材料 - Google Patents

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本発明は、末端に反応基を有する特定構造の(共重合)ポリカーボネート樹脂を用いてなる複合材料に関する。更に詳しくは、反応性末端基を利用し、これらの反応基を適当な方法で反応させることによって線状化及び/又は網状化した(共重合)ポリカーボネート樹脂を用い、他の材料との相溶性や密着性などを向上させるとともに、優れた機械的強度、耐熱性など種々の良好な物性を有する複合材料に関する。
現在、広く実用化されているビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂は、優れた透明性及び、機械的強度、耐衝撃性、靭性を有するエンジニアリングプラスチックである。しかしながら、吸湿性が大きく、有機溶剤等に侵され易い、摺動性が劣るなどの欠点を有していることから、ポリオレフィン系樹脂とのブレンドなどに関する発明が提案されている。また機械的強度、耐熱性、硬度、寸法安定性、耐応力亀裂性を向上させたいという熱望から、ガラス繊維等の無機充填材を添加した複合材料に関する発明や、耐熱性、光学特性、溶解性向上等を目的とした、ビスフェノールAタイプとは分子構造が異なるポリカーボネート樹脂に関する発明などが提案されている。
例えば、特許文献1ではポリカーボネート系樹脂とポリエチレン系樹脂とのブレンド物、特許文献2ではポリカーボネート系樹脂とポリプロピレン系樹脂とのブレンド物が挙げられる。しかしながら、ポリカーボネートとポリオレフィンは本来相溶性が悪く、良好な物性が得られないため、ポリオレフィンの添加量が限定され改善効果が小さい。またこれら両成分の相溶性を向上させるため、相溶化剤を共存させる試みがなされている。例えば、変性ポリプロピレン系樹脂を用いる方法(特許文献3)及び変性ポリプロピレン系樹脂とオキサゾリン基含有樹脂を用いる方法(特許文献4)が提案されている。さらに、相溶性向上のためにエポキシ基で変性されたポリオレフィンを配合することも提案されている(特許文献5)。これらの処方によりポリカーボネートとポリオレフィンとの相溶性はある程度向上するものの、耐衝撃強度などが低下し、実用化レベルに達していない。また、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂に無機充填材を添加する技術が特許文献6に開示されているが、相溶化については述べられていない。
機械的強度、耐熱性、硬度、寸法安定性、耐応力亀裂性などの向上させる目的で、ガラス繊維等の無機充填材を添加した複合材料の例としては、特許文献7および特許文献8に開示されている。この複合系についても、ポリカーボネートと無機充填材との相互の密着性が十分でないために、成形品の衝撃強度が極端に低下してしまうという問題点がある。
一方、電気・電子産業分野、土木建築分野、航空・宇宙産業分野、自動車産業分野等の幅広い分野で利用されている紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の硬化性材料は、成形加工が容易で且つ接着性、電気絶縁性、耐水・耐薬品性等においてバランスのとれた性能を有している。そのため各種複合材料用のマトリックス材としても有用な素材として知られている。しかしながら、硬化性材料は、靭性が乏しく、引張特性や耐衝撃性に欠けるという欠点があることから、靭性に優れた硬化性材料の開発が熱望されている。例えば、特許文献9や特許文献10等に可塑性エラストマーにより改質する方法が提案されており、代表的な改質方法としては、末端にカルボキシル基を有するジエン系エラストマーを改質材として使用し、該エラストマーをエポキシ系樹脂と反応させることによって改質する方法が提案されている。ところがエポキシ系樹脂をエラストマーによって改質する方法では、改質によって伸び率が改善される反面、引張強度や耐熱性の低下が避けらないという難点などがある。
特公昭40−13663号公報 特公昭40−13664号公報 特開昭59−223742号公報 特開平3−269034号公報 特公昭61−44897号公報 特開平7−102165号公報 特開昭60−199055号公報 特開昭61−9456号公報 特開昭58−49719号公報 特公昭63−17285号公報
本発明は、反応性末端基を利用し、これらの反応基を適当な方法で反応させることによって線状化および/または網状化した(共重合)ポリカーボネート樹脂を用い、他の材料との相溶性や密着性を向上させるとともに、優れた機械的強度、耐熱性など種々の良好な物性を有する複合材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、末端にヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基等の特定の構造よりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する特定構造のポリカーボネート樹脂を含む複合材料が、上記本発明の目的に適合しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下から構成される。
(1)末端に下記一般式(1)〜(5)よりなる群から選択される少なくとも1つの構造と、
Figure 0005221076
[式中、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表す。
n1は0〜6の整数を表し、n1’は1〜6の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3は0〜4の整数を表し、n2+n3は1〜5の整数を表し、n4は1又は2である。
3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R4とR5とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよい。
n5及びn7は各々独立に0又は1であり、n5+n7は1又は2であり、n6は0又は1であり、n8は0〜5の整数を表す。
またZは、下記の置換基のいずれかを表す。
Figure 0005221076
(R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基を表し、同一繰り返し単位中に存在する2つの−COOH基は下記式(a)の構造をとっていてもよい。)]
Figure 0005221076
下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含み、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート樹脂。
Figure 0005221076
(式中、A1は二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基を示す。)
(2)末端に上記一般式(1)〜(5)よりなる群から選択される少なくとも1つの構造と、下記一般式(15)で表される繰り返し単位と、
Figure 0005221076
(X3は、上記一般式(8)〜(11)のいずれかの構造である。
Figure 0005221076
(X2は炭素原子又は硫黄原子である。またX2が炭素原子の場合、R11は各々のX2に関して個々に選択され、そして互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。mは4〜7の整数である。R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。m1は0〜2の整数であり、m2、m3及びm4はそれぞれ0〜3の整数である。)
22及びR23は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
m5及びm6は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。)
下記一般式(16)で表される繰り返し単位を含み、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gである共重合ポリカーボネート樹脂。
Figure 0005221076
[式中、R24 、R25 は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
u及びvは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
4 は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CR2627 −(ただし、R26 及びR27 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる)、置換もしくは無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、−C(CH32−Ph−C(CH32−、及び天然テルペン類から誘導される二価の基、から選ばれる基を示す(Phは、フェニレン基を示す)]
(3)ポリカーボネート樹脂60〜90質量%とポリオレフィン系樹脂10〜40質量%とからなる組合せと、その100質量部に対して変性ポリオレフィン樹脂1〜25質量部および上記(1)項に記載のポリカーボネート樹脂及び/又は上記(2)項に記載の共重合ポリカーボネート樹脂1〜25質量部を含有することを特徴とする複合材料。
(4)ポリカーボネート樹脂65〜95質量%と、1種以上の無機充填材5〜35質量%とからなる組合せと、その100質量部に対して上記(1)項に記載のポリカーボネート樹脂及び/又は上記(2)項に記載の共重合ポリカーボネート樹脂5〜30質量部を含有することを特徴とする複合材料。
(5)硬化性材料と、上記(1)項に記載のポリカーボネート樹脂及び/又は上記(2)項に記載の共重合ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする複合材料。
(6)硬化性材料100質量部に対して、上記(1)項に記載のポリカーボネート樹脂及び/又は上記(2)項に記載の共重合ポリカーボネート樹脂が1〜100質量部を含有する上記(5)項に記載の複合材料。
(7)LED封止材用、半導体パッケージ材用及び半導体実装材料のいずれかである上記(5)又は(6)項に記載の複合材料。
(8)上記(5)又は(6)項に記載の複合材料を用いてなる電子部品。
(9)上記(3)〜(6)項のいずれかに記載の複合材料を用いて形成されたシートまたはフィルム。
(10)上記(3)〜(6)項のいずれかに記載の複合材料と有機溶剤を含有してなるコーティング材。
(11)上記(3)〜(6)項のいずれかに記載の複合材料と有機溶剤を含有してなる塗料。
本発明によれば、反応性末端基を利用し、これらの反応基を適当な方法で反応させることによって線状化及び/又は網状化した(共重合)ポリカーボネート樹脂を用い、他の材料との相溶性や密着性などを向上させるとともに、優れた機械的強度、耐熱性など種々の良好な物性を有する複合材料を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂I及びポリカーボネート樹脂IIの2つの態様がある。
まず、ポリカーボネート樹脂Iは、末端に下記一般式(1)〜(5)よりなる群から選択される少なくとも1つの構造と、
Figure 0005221076
[式中、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表す。
n1は0〜6の整数を表し、n1’は1〜6の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3は0〜4の整数を表し、n2+n3は1〜5の整数を表し、n4は1又は2である。
3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R4とR5とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよい。
n5及びn7は各々独立に0又は1であり、n5+n7は1又は2であり、n6は0又は1であり、n8は0〜5の整数を表す。
またZは、下記の置換基のいずれかを表す。
Figure 0005221076
(R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基を表し、同一繰り返し単位中に存在する2つの−COOH基は下記式(a)の構造をとっていてもよい。)]
Figure 0005221076
下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含み、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート樹脂である。
Figure 0005221076
(式中、A1は二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基を示す。)
前記一般式(6)における二価フェノール性水酸基を有する化合物残基A1としては、下記一般式(7)
Figure 0005221076
[式中、R7 及びR8 は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
s、tは各々独立に0〜4の整数である。
1 は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CR910 −(ただし、R9 、R10 は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜24のアルキル基、及び置換もしくは無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる)、置換もしくは無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、−C(CH32−Ph−C(CH32− 、及び天然テルペン類から誘導される二価の基、から選ばれる基を示す(Phは、フェニレン基を示す)。]
で表される二価の基を挙げることができる。
また、前記一般式(7)におけるX1としては、下記一般式(8)〜(14)のいずれかで表される基を挙げることができる。
Figure 0005221076
[X2は炭素原子又は硫黄原子である。またX2が炭素原子の場合、R11は各々のX2に関して個々に選択され、そして互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは4〜7の整数である。
12、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
1は0〜2の整数であり、m2、m3及びm4はそれぞれ0〜3の整数である。
15〜R21は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数3〜12のシクロアルキル基から選ばれる基を示す]
一方、ポリカーボネート樹脂IIは、末端に上記一般式(1)〜(5)よりなる群から選択される少なくとも1つの構造と、下記一般式(15)で表される繰り返し単位と、
Figure 0005221076
(X3は、上記一般式(8)〜(11)のいずれかの構造である。
22及びR23は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
m5及びm6は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。)
下記一般式(16)で表される繰り返し単位を含み、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gである共重合ポリカーボネート樹脂である。
Figure 0005221076
[式中、R24 、R25 は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
u及びvは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
4 は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CR2627 −(ただし、R26 及びR27 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる)、置換もしくは無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、−C(CH32−Ph−C(CH32−、及び天然テルペン類から誘導される二価の基、から選ばれる基を示す(Phは、フェニレン基を示す)]
以下、本発明においては、前記ポリカーボネート樹脂I及びポリカーボネート樹脂IIを総称して、本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂と言うことがある。
本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂を単にPCと略記することがある。)において、重要な点は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の温度20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであることを要する点である。この還元粘度[ηsp/c]が、0.1dl/g未満では、複合材料に使用した場合にポリカーボネート樹脂としての本来の機械的強度や耐熱性が十分に得られない。還元粘度が3.0dl/gを超えると、樹脂の溶融粘度や溶液粘度が高くなりすぎるため、材料の相溶性や塗料として使用する際のハンドリング性が悪くなる。また、樹脂の生産性も悪くなる。好ましい還元粘度[ηsp/c]の範囲は、0.15〜2.0dl/g、特に好ましくは0.18〜1.5dl/gである。以上のように特定の構造及び特定の還元粘度[ηsp/c]を有するポリカーボネート樹脂は、優れた耐衝撃性、機械強度、耐熱性、靭性を有するポリカーボネートであり、種々の用途に利用することができるが、本発明の複合材料の樹脂として有利に利用することができる。
本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂の製造方法としては特に制限が無く、適当なモノマーを使用して公知の方法に準じて各種の方法により製造することができる。
(1)末端反応基
本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂における、反応基を有する末端停止剤の具体例を挙げると下記の通りである。
末端に下記一般式(1)〜(5)で表される構造を有する。
Figure 0005221076
[式中、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表す。
n1は0〜6の整数を表し、n1は1〜6の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3は0〜4の整数を表し、n2+n3は1〜5の整数を表し、n4は1又は2である。
3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R4とR5とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよい。
n5及びn7は各々独立に0又は1であり、n5+n7は1又は2であり、n6は0又は1であり、n8は0〜5の整数を表す。
またZは、下記の置換基のいずれかを表す。
Figure 0005221076
(R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基を表し、同一繰り返し単位中に存在する2つの−COOH基は下記式(a)の構造をとっていてもよい。)]
Figure 0005221076
(1−1)末端反応基1
上記一般式(1)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
一般式(1)で表される末端基の導入には、下記一般式(1’)で表される1価フェノールが用いられる。
Figure 0005221076
上記1価フェノール(1’)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
(1−2)末端反応基2
上記一般式(2)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
一般式(2)で表される末端基の導入には、下記一般式(2’)で表される1価アルコールが用いられる。
Figure 0005221076
上記1価アルコール(2’)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
(1−3)末端反応基3
上記一般式(3)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
一般式(3)で表される末端基の導入には、下記一般式(3’)または(3’’)で表される1価フェノールが用いられる。
Figure 0005221076
上記1価フェノール(3’)及び(3’’)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
エチレン性二重結合を有するものを用いてポリカーボネートを合成した場合は、得られたポリカーボネートを前駆体として、例えば、二重結合に対して過剰量のメタクロロ過安息香酸(MCPBA)を塩化メチレン中で一昼夜ほど反応させることにより、エポキシ基を有するポリカーボネートとすることができる。
(1−4)末端反応基4
上記一般式(4)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
一般式(4)で表される末端基の導入には、下記一般式(4’)または(4’’)で表される1価フェノールが用いられる。
Figure 0005221076
上記1価フェノール(4’)及び(4’’)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
エチレン性二重結合を有するものを用いてポリカーボネートを合成した場合は、得られたポリカーボネートを前駆体として、例えば、二重結合に対して過剰量のメタクロロ過安息香酸(MCPBA)を塩化メチレン中で一昼夜ほど反応させることにより、エポキシ基を有するポリカーボネートとすることができる。
(1−5)末端反応基5
上記一般式(5)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
一般式(5)で表される末端基の導入には、下記一般式(5’)または(5’’)で表される1価アルコールが用いられる。
Figure 0005221076
上記1価アルコール(5’)及び(5’’)の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 0005221076
エチレン性二重結合を有するものを用いてポリカーボネートを合成した場合は、得られたポリカーボネートを前駆体として、例えば、二重結合に対して過剰量のメタクロロ過安息香酸(MCPBA)を塩化メチレン中で一昼夜ほど反応させることにより、エポキシ基を有するポリカーボネートとすることができる。
次に、本発明のポリカーボネート樹脂Iにおいて、前記一般式(6)を構成する原料の二価のフェノール性水酸基を有する化合物、及びポリカーボネート樹脂IIにおいて、一般式(15)及び(16)を構成する原料の二価のフェノール性水酸基を有する化合物について説明する。
(2)二価のフェノール性水酸基化合物(ビスフェノール)
(共重合)ポリカーボネート樹脂の原料として用いられる二価のフェノール性水酸基を有する化合物の具体例を挙げると下記のとおりである。
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフェニル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,6−レゾルシン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、
4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオピラン、4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオピラン、
9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−i−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−n−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−i−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、
1,3−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−i−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−n−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−i−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−n−ペンチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−n−ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−ベンジル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−ナフチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3−テトラフルオロメチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(3,5−ジエトキシ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタンなどが挙げられる。
天然テルペン類から誘導される二価の基としては、4−[1−[3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]−フェノール、4,4′−[1−メチル−4−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイル]ビスフェノール、4−[1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]フェノール、4−[1−[4−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]−2−メチルフェノールなどが挙げられる。
これらのビスフェノール化合物の中で、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ビフェノール、2,7−ナフタレンジオール、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4−[1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]フェノール、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオピラン、などが好ましい化合物として挙げられる。これは、コストや量産性面で優れており、また耐熱性に優れているため、相溶化させた後の材料の耐熱性に悪影響を与えないからである。
なお、これらのビスフェノール化合物は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
(3)重合方法
(3−1)オリゴマー
炭酸エステル形成性化合物(以下、カーボネート前駆体ともいう。)として、ホスゲン、ホスゲンダイマー、ホスゲントリマー等のジハロゲン化カルボニル又はクロロホーメート等のハロホーメート類が挙げられる。
例えば、カーボネート前駆体として、ホスゲン等のジハロゲン化カルボニル又はクロロホーメート等のハロホーメート類を用いる場合、この反応は、適当な溶媒中で、酸受容体(例えば、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩等の塩基性アルカリ金属化合物、あるいはピリジン等の有機塩基等)の存在下で行うことができる。アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩としては、各種のものが使用可能であるが、経済的な面から、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が好適に利用される。これらは、通常は水溶液として好適に使用される。上記カーボネート前駆体の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状のカーボネート前駆体を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。上記酸受容体の使用割合も、同様に反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使用するビスフェノールの合計モル数(通常、1モルは当量に相当)に対して2当量もしくはこれより若干過剰量の酸受容体を用いることが好ましい。
(3−2)反応溶媒
上記溶媒としては、公知のポリカーボネート製造の際に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが好適に使用することができる。
(3−3)触媒
また、重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を、さらにはフロログルシン、ピロガロール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,4−ビス[2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス[4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ]メタン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸などの分岐剤を添加して反応を行うことができる。
(3−4)酸化防止剤
また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の酸化防止剤を少量添加してもよい。
(3−5)反応
反応は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度で行われる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行いうる。反応時間は、通常0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜2時間程度である。反応方式としては、連続法、半連続法、回分法等のいずれも採用可能である。なお、得られるポリマーの還元粘度[ηsp/c]を上記の範囲にするには、例えば、上記反応条件の選択、末端停止剤の使用量など各種の方法によってなすことができる。また、場合により、得られたポリマーに適宜物理的処理(混合、分画等)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所定の還元粘度[ηsp/c]のポリカーボネートとして取得することもできる。得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離・精製法などの各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネートとして回収することができる。
(4)混練方法<PC+ポリオレフィン系、無機充填材>
本発明の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂を用いた複合材料の製造方法について説明する。本発明の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂及びポリオレフィン系樹脂との複合材料、ガラス繊維等の無機充填材との複合材料、更に必要に応じて用いられる添加成分を所定の割合で配合し、混練することにより得られる。このときの配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常240〜350℃の範囲で適宜選択される。この溶融混練成形としては、押出成形機、特にベント式の押出成形機の使用が好ましい。尚、本発明の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂以外の含有成分は、マスターバッチとして添加することもできる。
さらに複合材料は、上記の溶融混練成形機を用いて直接成形品を製造したり、又は、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により各種成形品を製造することができる。しかし、上記溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、ついで、このペレットを用いて、射出成形、射出圧縮成形による射出成形品の製造に特に好適に用いることができる。尚、射出成形方法としては、外観のヒケ防止のため、又は軽量化のためのガス注入成形を採用することもできる。
(5)本発明の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂
請求項5及び請求項6に記載のポリカーボネート樹脂としては、本発明の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂を使用することができる。ポリカーボネート樹脂の原料として用いられる二価のフェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、前記の化合物が挙げられる。また、重合方法として、前記の方法を採用することができる。
請求項5及び請求項6に記載のポリカーボネート樹脂として、市販のポリカーボネート樹脂を使用する場合、本発明の複合材料の品質を安定化やコスト低減に役立つという利点がある。
(6)ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂(PE)、ポリプロピレン系樹脂(PP)及びポリ−1−ブテン系樹脂等の種々のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。ここで、ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。又、ポリプロピレン系樹脂としては、結晶性のプロピレン単独重合体を始め、結晶性プロピレン−エチレンブロック及びランダム共重合体、結晶性プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体及びこれらの結晶性プロピレン重合体類とエラストマーとの混合物が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独でも、又、2種以上の混合物としても用いることができる。
ポリカーボネート樹脂に対する配合量は、衝撃強度、摺動性、耐薬品性、耐熱性のバランスからポリカーボネート樹脂との合計量に基づき、10〜40質量%の範囲にあることが好ましい。
(7)変性ポリオレフィン系樹脂
変性ポリオレフィン系樹脂としては、変性ポリエチレン樹脂および変性ポリプロピレン樹脂等が挙げられ、無水マレイン酸などによる酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー(EPR)、酸変性EPR等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
変性ポリオレフィンの製造法の一例としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンのそれぞれ100質量部に、無水マレイン酸 0.8質量部とパークミルD(過酸化物、日本油脂社製)0.2質量部をそれぞれ加え、この2種の混合物を35φ2軸押出機でそれぞれ押し出し、冷却後にカッティングして変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンのペレットをそれぞれ得ることができる
また市販されている変性ポリオレフィンの例としては、「モディック−AP」(三菱化学社製、無水マレイン化変性ポリエチレン)、「アドテックス」(日本ポリエチレン社製、変性ポリエチレン)、接着性ポリオレフィン「アドマー」LB548、LF128(LDPEベース)、QB510、QB550、QF500、QF551等(PPベース)などが挙げられる。
添加量は、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂との合計100質量部に対して好ましくは1〜25質量部、より好ましくは3〜20質量部である。1質量部未満ではポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性に問題があり、20質量部を超えると弾性率の低下または耐薬品性の低下、および製造コストの点で好ましくない。
また、末端に反応性基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂の添加量は、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂との合計量100質量部に対して、好ましくは1〜25質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
(8)無機充填材
無機充填材としては、様々なものを用いることができる。具体的には、ガラス,炭素繊維,その他の無機充填材が用いられる。先ず、ガラス材としては、例えば、ガラス繊維,ガラスビーズ,ガラスフレーク,ガラスパウダー等を用いることができる。ここで、用いられるガラス繊維としては、含アルカリガラス,低アルカリガラス,無アルカリガラスのいずれであってもよい。その繊維長は、通常0.1〜8mm、好ましくは0.3〜6mmであって、また、繊維径は、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜25μmである。そして、このガラス繊維の形態は、特に制限はなく、例えば、ロービング,ミルドファイバー,チョップドストランド等各種のものが挙げられる。これらのガラス繊維は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのガラス材には、樹脂との親和性を高めるために、アミノシラン系,エポキシシラン系,ビニルシラン系,メタクリルシラン系等のシラン系カップリング剤、クロム錯化合物あるいはホウ素化合物等で表面処理されたものであってもよい。このようなガラス材としては、例えば、市販のものとして旭ファイバーグラス(株)製のMA−409C(平均繊維径13μm)あるいはTA−409C(平均繊維径23μm)等を好適に用いることができる。
次に、用いられる炭素繊維としては、一般にセルロース繊維,アクリル繊維,リグニン,石油あるいは石炭系ピッチ等を原料として、焼成することによって製造されるものであって、耐炎質,炭素質あるいは黒鉛質などの種々のタイプのものがある。炭素繊維の繊維長は、通常0.01〜10mm、好ましくは0.02〜8mmの範囲にあり、また、繊維径は、通常1〜15μm、好ましくは5〜13μmである。そして、この炭素繊維の形態は、特に制限はなく、例えば、ロービング,ミルドファイバー,チョップドストランド,ストランド等各種のものが挙げられる。これらの炭素繊維は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの炭素繊維の表面は、樹脂との親和性を高めるために、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などで表面処理が施されたものであってもよい。このような炭素繊維としては、例えば、市販のものとして東邦レーヨン(株)製のベスファイト(平均繊維径7μm)等を好適に用いることができる。
その他、無機充填材としては、例えば、アルミニウム繊維,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ドロマイト,シリカ,珪藻土,アルミナ,酸化鉄,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,亜硫酸カルシウム,タルク,クレー,マイカ,アスベスト,珪酸カルシウム,モンモリロナイト,ベントナイト,グラファイト,鉄粉,鉛粉,アルミニウム粉などを用いることもできる。
ポリカーボネート樹脂に対する無機充填材の配合量は、ポリカーボネート樹脂との合計量に基づき、5〜35質量%の範囲にあることが好ましい。
また、末端に反応性基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂の添加量は、ポリカーボネート樹脂と無機充填材との合計量100質量部に対して、好ましくは5〜30質量部である。
(9)調合方法<PC+硬化性材料>
末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂と硬化性材料との配合割合については特に制限はないが、相溶性や耐熱性、靭性、衝撃強度、支持基体への接着性等の物性バランス、材料の粘度(ハンドリング性)、コストなどを考量した場合、硬化性材料100質量部に対して末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂が、通常1〜100質量部、好ましくは3〜90質量部、特に好ましくは5〜80質量部である。
また、必要に応じて添加される硬化剤の配合割合については、一般的な反応の場合、反応可能な活性基の当量を基に調合することが好ましく、硬化性材料中の反応基(オキセタン基やエポキシ基など)1当量に対する(共重合)ポリカーボネート樹脂と硬化剤の反応基の総量、もしくは硬化性材料と(共重合)ポリカーボネート樹脂の反応基総量に対する硬化剤の反応基量が、0.1〜3当量、より好ましくは0.2〜2.5当量、特に好ましくは0.5〜2当量である。ただし、カチオン重合開始剤や光開始剤のような重合開始剤などを用いた反応の場合は、反応基を有する材料が自己架橋反応できるため、この限りではない。
また本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂、硬化性材料と硬化剤との配合割合を最適化することにより、硬化速度の遅延等を抑制することができる。
また、本発明の複合材料には、必要に応じて、従来から用いられている、例えば、配合用溶剤、硬化促進剤、反応希釈剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、無機粉末、レべリング剤、離型剤、染料、顔料などの、公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
本発明の複合材料は、上記の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂、硬化性材料、必要に応じて硬化剤と各種添加剤を混合し、成型する金型(樹脂、金属、ガラスなど)への注入、あるいは支持基板等へのコーティングにより成型体やフィルムなど所望の形状にした後に、カチオン重合によるもの、酸無水物やアミンなどの硬化剤を用いた反応、さらに熱硬化や紫外線硬化によるものなど公知の方法で硬化させることが可能である。
硬化温度としては、50〜300℃、好ましくは100〜250℃である。50℃以上とすることにより硬化不良となることがなく、250℃以下とすることにより、分解や着色などを生じることが無くなる。硬化時間は使用する反応基を有するポリカーボネート樹脂、硬化性材料、硬化剤、促進剤や開始剤によって異なるが、通常0.2〜12時間程度、好ましくは0.5〜6時間である。
(10)ブレンド方法
上記(共重合)ポリカーボネート樹脂と硬化性材料を含む複合材料を調製する方法としては、特に限定されず、本発明の末端に反応基を有する(共重合)ポリカーボネート樹脂と硬化性材料、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、各種溶剤、添加剤等をボールミル、超音波、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、ミキサー、アトライターなどを用いて相溶化させることができる。
(11)PC配合用溶剤
なお、本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂を他の材料に配合するために溶剤を用いる場合、以下の溶剤を使用することができる。即ち、本発明の(共重合)ポリカーボネート樹脂を溶解させるものであれば特に制限は無く、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ゴム揮発油などの脂肪族炭化水素溶剤;ミネラルスピリット、高沸点石油溶剤(インキオイル)、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ソルベントナフサ、テトラリン、ジペンテンなどの芳香族炭化水素溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、第二ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、トリデシルアルコール(トリデカノール)などのアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)、イソホロンなどのケトン系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセルソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)などのグリコールエーテル系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルセロソルブアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)などのグリコールエーテルエステル系溶剤等が挙げられる。
配合液中の該ポリカーボネート樹脂の濃度は特に限定されず、取り扱いの容易性、作業効率性の点から、通常1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。
(12)硬化性材料
一方、本発明に用いる硬化性材料は、特に限定されず、オキセタン化合物、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、ラクトン化合物、環状のエーテル化合物、ケトン類、スチレン類、アクロレイン、ビニルアレーン類、ビニルシクロヘキセンのような脂環式ビニル化合物、スピロオルソエステル化合物、スピロオルソカーボネイト化合物、ビシクロオルソエステル化合物、ジエン化合物、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。中でも、アクリル系ベース樹脂を用いたラジカル系紫外線硬化樹脂や熱硬化系樹脂、エポキシ系ベース樹脂を用いたカチオン系紫外線硬化樹脂や熱硬化系樹脂、オキセタン系樹脂等の光硬化系樹脂や熱硬化系樹脂が好適である。特に、オキセタン系樹脂やエポキシ系ベース樹脂が好ましい。例えば、エポキシ系樹脂は、架橋硬化反応により硬化物の強度を高めるための主成分であり、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子量や分子構造などは一切制限されないが、好ましいものとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げらる。これらも、単独で使用し得る他2種以上を混合使用することができる。商品例としては、東亜合成社製のオキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OXT−212、OXT−101、SiOXなど)、ダイセル工業株式会社製の脂環エポキシ(セロキサイド2021、 セロキサイド2021 A、セロキサイド2021 P、 セロキサイド2000、セロキサイド3000)、ジャパンエポキシレジン社製のエポキシ化合物(エピコートYX8000、エピコート828)、多官能エポキシ( エポリードGT301、 エポリードGT401、エポリードPB3600)、脂環骨格を持つエポキシ樹脂 (EHPE3150、EHPE3150CE)、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート(サイクロマーA400、サイクロマーM100)などが挙げられが、その限りではない。
上記のような、エポキシやオキセタンなどの反応基を持った硬化性樹脂(材料)は、接着性、耐薬品性、電気的性質(絶縁性など)などの諸特性が優れており、コスト面やハンドリング性もよいことから、構造物の接着剤やコーティング剤、電気絶縁材などベース材料として広い用途で使用されており、本発明では、この材料の改質材として本発明の(共重合)ポリカーボネートの適用を提案している。
(13)硬化剤
本発明の複合材料の構成成分として、硬化性材料を用いる場合、硬化剤を添加することができる。硬化剤は、エポキシ化合物やオキセタン化合物などの硬化性材料の硬化反応を促進させる作用を有するほか、硬化反応に直接関与して、連鎖中に組み込まれ、複合材料の改質に寄与する場合がある。
硬化剤としては、目的に応じて酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤などを併用しても良い。 酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ヘット酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。 フェノール系硬化剤としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。 アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドや、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'―ジアミノジフェニルスルホン、m−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシレンジアミンなどの脂肪族アミン等などが挙げられる。シアネートエステル系としては、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、4,4’−エチリデンジフェニルジイソシアネート等が挙げれらる。これらの硬化剤は2種以上を併用してもよい。
上記硬化剤の添加量は、本発明に係わるポリカーボネート樹脂の末端反応基数や硬化性材料の官能基数に対して化学量論量的に添加することが好ましいが、この限りではない。また硬化時間や温度等の条件は、使用するポリカーボネート樹脂、硬化性材料、硬化剤の種類や添加量に応じて適宜設定すればよい
これらの硬化剤の中では、硬化樹脂の透明性などの物性の点から、酸無水物系硬化剤が好適であり、中でも,ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などが適用できる。市販の硬化剤としては、例えば日立化成工業(株)社から販売されているHN−2200(3or4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸)、HN−2000、HN−5500(3or4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸)、MHAC−P(メチル−3,6エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸)等が挙げられる。
更に第3級アミン、りん化合物等の硬化促進剤を加えて均一に混合すると、常温あるいは加熱硬化型の樹脂組成物を得ることができる。
(14)重合開始剤
本発明の複合材料の構成成分として、硬化性材料を用いる場合、硬化剤と共に、或いは硬化剤に代えて、カチオン重合開始剤等の重合開始剤を添加して硬化することができる。
カチオン重合開始剤としては、熱あるいは紫外線により複合材料中の活性基と反応するものであれば何でもよいが、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードシル塩、芳香族スルホキソニウム塩、メタロセン化合物などが挙げられる。中でもトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩が最適である。市販の開始剤としては、例えばチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社から販売されているIrgacure 184、2959、369、907、1300、819、2022、2100、250、DAROCUR 1173、MBF、TPO、4265等の光開始剤、三新化学工業社から販売されているサンエイドSI−60L、80L、100L、110L、180Lなどが適用できるが、その限りでない。カチオン重合開始剤の含有率は、特に限定はないが、上記複合材料に対して、0.01〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜3.0質量%である。
(15)硬化促進剤
本発明の複合材料の構成成分として、硬化性材料を用いる場合、硬化剤と共に、或いは硬化剤に代えて、硬化促進材を添加することにより、硬化反応を促進することができる。
硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは、併用してもよい。これら硬化促進剤の中では、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
硬化促進剤の含有率は、上記材料に対して、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜3.0質量%である。
硬化促進剤として用いられる第3級アミン類としては、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30)、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−10)、トリエタノールアミン等が、イミダゾール類としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。またりん化合物としては、トリフェニルフォスフィン、トリ(メチルフェニル)フォスフィン等が挙げられる。
(16)反応性希釈剤
反応性希釈剤は、複合材料溶液の粘度を低下させて取扱作業性を高めると共に、それ自身硬化物内に取り込まれて物性向上に有効に作用する成分であり、分子内に1個以上、より好ましくは2個以上のエポキシ基を有し、比較的粘度の低いもの、好ましくは25℃で5Pa・s以下、より好ましくは1Pa・s以下のものであり、具体例としては、アルキルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ネオペチルグリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ヒマシ油ポリグリシジルエーテルなどが例示される。
これらの反応性希釈剤は夫々単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用することも勿論可能である。
また、配合溶液の濃度は特に限定されず、取り扱いの容易性、作業効率性の点から、通常1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
(17)劣化防止剤
劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、リン系化合物などの、従来から公知の劣化防止剤が挙げられる。
フェノール系化合物としては、イルガノクス1010(Irganox1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス1076(Irganox1076、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス1330(Irganox1330、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3114(Irganox3114、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3125(Irganox3125、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3790(Irganox3790、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)BHT、シアノクス1790(Cyanox1790、サイアナミド社、商標)、スミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社、商標)などの市販品を挙げることができる。
アミン系化合物としては、イルガスタブFS042(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、GENOX EP(クロンプトン社、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド)など、さらにはヒンダードアミン系である旭電化社製のADKSTAB LA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−68、LA−77、LA−82、LA−87、LA−94、CSC社製のTinuvin 123、144、440、662、Chimassorb 2020、119、944、Hoechst社製のHostavin N30、Cytec社製の Cyasorb UV−3346、UV−3526、GLC社製のUval 299、Clariant社製の Sanduvor PR−31等を挙げることができる。
有機硫黄系化合物としては、DSTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、DLTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、DLTOIB(吉富社、商標)、DMTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、Seenox 412S(シプロ化成社、商標)、Cyanox 1212(サイアナミド社、商標)などの市販品を挙げることができる。
(18)変性剤
変性剤は、フィラーと樹脂との相溶性をさらに向上させる目的で使用される。具体的にはシランカップリング剤などにより、フィラーの表面処理を行う。塗料用とでは、塗布面が均一になるように(凸凹しないように)、表面張力を下げるシリコーンオイルなどの変性剤を使用する。また、脱泡剤でも使用することができる。
変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類などの、従来から公知の変性剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系などの、従来から公知のシランカップリング剤が挙げられる。脱泡剤としては、例えば、シリコーン系などの、従来から公知の脱泡剤が挙げられる。
以下に本発明の実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
実施例で用いる末端停止材(A)、二価フェノール(B)、ポリオレフィン系樹脂(C)、変性ポリオレフィン(C’)、硬化性材料(D)、硬化剤(E)、硬化促進剤(F)、重合開始剤(G)及びその他を下記のように略記する。
A1(HPEtOH):2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール
A2:4−ヒドロキシベンジルアミン
A3:3−ヒドロキシフタル酸無水物
A4:4−ビニルフェノール
A5(PTBP):p−tert−ブチルフェノール
B1(BisB):2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン
B2(BisZ):1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
B3(BisI):4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール
B4(BisTCD):9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリシクロデカン
B5(テルペン):4−[1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]フェノール
B6(Bis2,2ADM):2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン
B7(BisFLC):9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
B8(BisTP):1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン
B9(BisBP):4,4’−ビフェノール
B10(BisM):4,4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビスフェノール
B11(BisZ4S):4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオピラン
C1:ホモポリプロピレン出光J−700M(旧出光石油化学製)
C2:低密度ポリエチレン291A(東ソー製)
ポリプロピレン(化合物C1)およびポリエチレン(化合物C2)、それぞれ100質量部に、無水マレイン酸 0.8質量部とパークミルD(過酸化物、日本油脂社製)0.2質量部をそれぞれ加え、2軸押出機で変性ポリエチレン(化合物C1’)および変性ポリプロピレン(化合物C2’)のペレットをそれぞれ得た。
D1:エピコートYX8000(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量:205)
D2:セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、化合物名:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,’4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、分子量:252)
D3:アロンオキセタンOXT−121(東亜合成社製、分子量:334)
E1:HN−5500(3、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、分子量:168)
F1:トリフェニルフォスフィン
F2:ベンジルジメチルアミン(BDMA)
G1:サンエイドSI−100L(カチオン重合開始剤、三新化学工業株式会社製)
MCPBA:メタクロロ過安息香酸(ビニル基をエポキシ基にする酸化剤)
[合成例1](PC−1)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン<化合物B1>102g、2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ml、塩化メチレン400ml、末端停止剤である2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール<化合物A1>1.9g及び触媒として10質量%濃度のトリエチルアミン水溶液3mlを混合して攪拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを340ml/分の割合で30分間吹き込んだ。反応終了後、有機相に塩化メチレン1リットルを加えて希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール中に投入し、晶析後、沈殿物を乾燥して下記構造の末端に反応基を有するポリカーボネート重合体を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp /c]が0.48dl/gであった。
なお、ポリカーボネート樹脂の分子量の指標となる還元粘度(ηsp/c)は、自動粘度測定装置VMR−042(自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)、離合社製)を用いて、20℃における塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の粘度を測定し算出した。また樹脂構造は、1H−NMRスペクトル測定により同定した。
Figure 0005221076
[合成例2](PC−2)
合成例1において、p−ヒドロキシフェニルエタノールを4−ヒドロキシベンジルアミン<化合物A2>(1.0g)に変更した以外は、合成例1と同様の操作でポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.64dl/g)を得た。
[合成例3](PC−3)
合成例1において、p−ヒドロキシフェニルエタノールを3−ヒドロキシフタル無水物<化合物A3>(1.8g)に変更した以外は、合成例1と同様の操作でポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.49dl/g)を得た。
[合成例4](PC−4)
合成例1において、p−ヒドロキシフェニルエタノールを4−ビニルフェノール<化合物A4>(1.2g)に変更し、反応終了後の工程を変更した以外は、合成例1と同様の操作でポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.47dl/g)を得た。
なお、反応終了後は、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈、次いで水1.5リットルで2回洗浄し、得られた溶液を氷浴し、51.6gのメタクロロ過安息香酸(MCPBA)を数回に分け、ゆっくり添加した。全量を加えた後、室温に戻し、24時間攪拌した後、0.01モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液で洗い、0.01モル/リットル塩酸1リットルで1回、水1リットルで2回の順で洗浄し、有機層をメタノール中に投入し、析出したポリマーを濾過、乾燥して、ポリカーボネート樹脂を得た。
[合成例5](PC−5)
合成例1において、化合物B1を1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(98g)に変更し、化合物A1の量を2.1gに変更した以外は、合成例1と同様の操作でポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.44dl/g)を得た。
[合成例6](PC−6)
合成例1において、化合物B1を4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール(95g)に変更し、化合物A1を化合物A3(1.7g)に変更した以外は、合成例1と同様の操作でポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.42dl/g)を得た。
[合成例7](PC−7)
合成例1において、化合物B1を9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリシクロデカン(92g)に、変更し、化合物A1の量を1.5gに変更した以外は、合成例1と同様の操作でポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.48dl/g)を得た。
[合成例8](PC−8)
合成例1において、化合物B1を4−[1−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチルエチル]フェノール(101g)に変更し、化合物A1の量を1.9gに変更した以外は、合成例1と同様の操作で、ポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.42dl/g)を得た。
[合成例9](PC−9)
合成例1において、化合物B1を4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオピラン(98g)に変更し、化合物A1を2.6gに変更した以外は、合成例1と同様の操作で、ポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.33dl/g)を得た。
[合成例10](PC−10)
合成例1において、化合物B1を1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン(97g)に変更し、化合物A1を化合物A4(0.9g)に変更し、反応終了後の工程を合成例4に記載の工程(MCPBAとの反応、水酸化ナトリウム水溶液による洗浄等)に変更した以外は、合成例1と同様の操作で、ポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.81dl/g)を得た。
[合成例11](PC−11)
化合物B2(100g)を2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液900mlに溶解した溶液と、塩化メチレン450ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜5であり、 分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、化合物B9(19g)を2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに末端停止剤である化合物A1(2.2g)を加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入して晶析後、沈殿物を乾燥して下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp/c]が0.42dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[合成例12](PC−12)
合成例11において、化合物B2を化合物B1(101g)に、化合物B9を化合物B3(27g)に、化合物A1を化合物A3(2.2g)に変更した以外は、合成例11と同様の操作で、下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.51dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[合成例13](PC−13)
合成例11において、化合物B9を化合物B5(21g)に変更し、さらに末端停止剤である化合物A1の量(2.4g)を変更した以外は、合成例11と同様の操作で、下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.38dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[合成例14](PC−14)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン<化合物B6>45gと、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン<化合物B2>25gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液1360mlに溶解した溶液と、塩化メチレン700ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜5であり、 分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を150ミリリットルとした後、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン5gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液50ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに末端停止剤である化合物A1(2.4g)を加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入して晶析後、沈殿物を乾燥して下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp/c]が0.22dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[合成例15](PC−15)
合成例14において化合物A1を化合物A4(1.1g)に変更し、反応終了後の工程を合成例4に記載の工程(MCPBAとの反応、水酸化ナトリウム水溶液による洗浄等)に変更した以外は、合成例14と同様の操作で、下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.53dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[合成例16](PC−16)
合成例14において、化合物B6を化合物B7(28g)に、化合物A1の量に1.0g変更した以外は、合成例1と同様の操作で、下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.44dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[合成例17](PC−17)
合成例14において、化合物B2を化合物B10(初期仕込み:35g、後仕込み:21g)に、化合物A1を化合物A3(1.7g)に変更した以外は、合成例1と同様の操作で、下記構造のポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.49dl/g)を得た。
Figure 0005221076
[比較合成例1](PC−18)
合成例1において、末端停止剤をp−tert−ブチルフェノール(1.5g)に変更した以外は、合成例1と同様の操作によりポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.48dl/g)を得た。
[比較合成例2](PC−19)
合成例5において、末端停止剤をp−tert−ブチルフェノール(1.7g)に変更した以外は、合成例5と同様の操作によりポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.44dl/g)を得た。
[比較合成例3](PC−20)
合成例11において、末端停止剤をp−tert−ブチルフェノール(1.9g)に変更した以外は、合成例11と同様の操作によりポリカーボネート樹脂(還元粘度[ηsp /c]0.42dl/g)を得た。
[実施例1] <反応性PC+ポリオレフィン系樹脂>
ポリカーボネート樹脂(出光石油化学社製、タフロンA2200)90質量%、ホモポリプロピレン出光J−700M(C1)10質量%、ポリカーボネート樹脂と化合物C1の合計量100質量部に対して、変性ポリプロピレン(C1’)20質量部、末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂(PC−1)20質量部の割合で配合し、ベント式二軸押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械株式会社製)に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを、120℃で12時間乾燥した後、成形温度280℃、金型温度90℃で成形して、試験片を得た。
[実施例2〜4] <PC末端種変更>
実施例1において、(PC−1)を(PC−2)、(PC−3)及び(PC−4)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の操作で試験片を得た。
[実施例5] <ポリオレフィン系樹脂配合量変更>
実施例1において、ポリカーボネート樹脂の量を60質量%、C1の量を40質量%、(PC−1)の量を5質量部、化合物C1’の量を5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作で試験片を得た。
[実施例6] <ポリオレフィン系樹脂変更>
実施例1において、化合物C1を低密度ポリエチレン291A(C2)10質量%に、変性ポリプロピレン(C1’)を変性ポリエチレン(C2’)20質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作で試験片を得た。
[実施例7] <PC樹脂変更>
実施例1において、末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂を(PC−11)に変更し、成形温度を290℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作で試験片を得た。
[実施例8] <無機充填剤(ガラス)>
ポリカーボネート樹脂(出光石油化学社製、タフロンA2200)70質量%、ガラス繊維MA−409C(旭ファイバーグラス社製)30質量%、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維の合計量100質量部に対して、末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂(PC−14)30質量部、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維との結着剤(変性剤)として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)3質量部の割合で配合し、ベント式二軸押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械株式会社製)に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを、120℃で12時間乾燥した後、成形温度280℃、金型温度90℃で成形して、試験片を得た。
[比較例1] <反応性PC+ポリオレフィン系樹脂>
実施例1において、PC−1を除いて配合した以外は、実施例1に記載の方法により、ペレット化し、試験片を得た。
[比較例2] <無機充填剤(ガラス)>
実施例8において、PC−14を除いて配合した以外は、実施例8と同様の操作で試験片を得た。
(1)評価方法1
得られた試験片を用いて性能を下記各種試験によって評価し、その結果を第3表に示した。
(1−1)IZOD(アイゾット衝撃強度)
ASTM D256に準拠、23℃(肉厚:3.2mm)、単位:kJ/m2
(1−2)摩擦係数
摺動特性JIS K7218(プラスチックの滑り磨耗試験方法)のA法に準拠し、板状の試験片を、19.6N荷重の下で、回転させた場合の、円盤と円筒の接触面に発生する最大摩擦力を5分間の平均値(N)を測定した。摩擦係数=摩擦力(N)/負荷19.6Nで評価した。摩擦係数が小さいほど、摺動性がよくなるため、材料が磨耗しにくくなる。
(1−3)Q値(流れ値)
JIS K7210に準拠して、荷重1.57KN、温度280℃で測定した。Q値は、単位時間当たりの流出量を表しており、数値が高いほど、流動性がよい。
(1−4)耐グリース性
耐グリース性耐薬品性評価法(1/4楕円による限界歪み)に準拠した。図1(斜視図)に示す治具(1/4楕円の面)に試料片(厚み3mm)を固定し、試料片にアルバニアグリース(昭和シェル石油株式会社製)を塗布し、48時間保持した。クラックが発生する最小長さ(X)を読み取り、下記式より限界歪み(%)を求めた。限界歪み(%)が大きいことは、耐薬品性(耐溶剤性)が高いことを示すもので、ポリオレフィン系樹脂の添加と関係する。
限界歪み(%)=(b/2a2 )[1−[1/a2−(b2/a4 )]X2 ]-3/2 ・t
(t:試験片肉厚)
(1−5)表層剥離・外観
成形品の切断面を目視観察した。
〇:表層剥離なく良好、△:表層剥離若干あり、×:表層剥離あり
[実施例9〜18及び比較例3〜5]
表1に記載の配合(質量部)により、硬化性材料、末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂溶液(シクロヘキサン、固形分濃度:20質量%)、硬化剤をブレンドし、硬化促進剤を添加して、テフロン(登録商標)製シャーレに流し込んだ後、100℃で4時間乾燥し、160℃、3時間で硬化させ、複合材料からなるシートを形成し、試験片を得た。なお、実施例17,18は、硬化剤をブレンドせずに、試験片を作製した。
[実施例19〜25及び比較例6、7]
表1に記載の配合(質量部)により、硬化性材料、末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂溶液(シクロヘキサン、固形分濃度:20質量%)をブレンドし、重合開始剤を添加して、テフロン(登録商標)製シャーレに流し込んだ後、同様に100℃で3時間乾燥し、180℃、3時間で硬化させ、複合材料からなるシートを形成し、試験片を得た。
[実施例26〜31及び比較例8、9]
表2に記載の配合(質量部)により、硬化性材料、末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂溶液(シクロヘキサン、固形分濃度:20質量%)をブレンドし、光カチオン重合開始剤を添加して、テフロン(登録商標)製シャーレに流し込んだ後、100℃で2時間乾燥して、UV硬化機(アイグラフィック社製、ECS−301G1)により、紫外線3000mJ/cm2を照射して硬化させ、複合材料からなるシートを形成し、試験片を得た。
Figure 0005221076
Figure 0005221076
(2)評価方法2
得られた試験片を用いて性能を下記各種試験によって評価し、その結果を表4に示した。
(2−1)耐熱性(ガラス転移温度)
入力補償型示差走査熱量測定装置Diamond DSC(パーキンエルマージャパン社製)を用いて、25℃から350℃まで窒素気流(20ミリリットル/分)まで、昇温速度10℃/分で加熱した後、直ちに急冷して試料の熱履歴を除去し、さらに同一の昇温速度で測定し、ガラス転移温度を求めた。
(2−2)靭性(引張伸度)
引張試験機を用いて、短冊状に切り出した熱または紫外線硬化した試験片(長さ40mm×幅5mm×厚み約500μm)を引張速度10%歪/分で試験し、靭性(引張伸度)を評価した。
(2−3)デュポン衝撃
デュポン衝撃試験機を用いて、先端に一定の丸みを持った撃心と、その丸みに合った受台の間に試験片を置き、任意の高さから重り(100g)を落下させ、撃心の試験面に与える痕跡(割れ)を目視で判断し、衝撃強度を評価した。衝撃強度は、割れが発生した時の重りを落とした高さで表した。
Figure 0005221076
Figure 0005221076
Figure 0005221076
表3の結果から明らかなように、本発明の複合材料は、比較例の複合材料に比べ、他の熱可塑性樹脂や無機フィラーとの相溶性および密着性が良い。その結果、高流動性、成形品においては耐溶剤性、相溶性(層状剥離や外観不良がない)、摺動性、耐衝撃性に優れ、さらに硬化性材料を配合した複合材料に関しても、表4,5の結果から耐熱性、靭性、耐衝撃性に優れていることがわかる。
本発明の複合材料は、電気・電子産業分野、土木建築分野、航空・宇宙産業分野、自動車産業分野等で好ましく利用できる。特に、コンデンサー、センサー、リレー、電子回路基板などの電子部品として幅広く利用できる。
:試験片の耐グリース性を評価するために使用する治具の斜視図である。
符号の説明
a:1/4楕円治具の底辺長さ
b:1/4楕円治具の高さ
X:クラック発生箇所までの距離

Claims (7)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)60〜90質量%とポリオレフィン系樹脂10〜40質量%とからなる組合せと、その100質量部に対して変性ポリオレフィン樹脂1〜25質量部および、
    末端に下記一般式(1)〜(5)よりなる群から選択される少なくとも1つの構造と、
    Figure 0005221076
    [式中、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表す。
    n1は0〜6の整数を表し、n1’は1〜6の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3は0〜4の整数を表し、n2+n3は1〜5の整数を表し、n4は1又は2である。
    3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R4とR5とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよい。
    n5及びn7は各々独立に0又は1であり、n5+n7は1又は2であり、n6は0又は1であり、n8は0〜5の整数を表す。
    またZは、下記の置換基のいずれかを表す。
    Figure 0005221076
    (R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基を表す。ただし、−COOH基については、同一繰り返し単位中に2つの−COOH基が存在し、且つ、当該2つの−COOH基が下記式(a)の構造をとる場合に限る。)]
    Figure 0005221076
    下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含み、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート樹脂(B)を5〜30質量部含有することを特徴とする複合材料。
    Figure 0005221076
    (式中、A1は二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基を示す。)
  2. 請求項1に記載の一般式(6)における二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基A1が下記一般式(7)で表される基である、請求項1に記載の複合材料。
    Figure 0005221076
    [式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
    s、tは各々独立に0〜4の整数である。
    1は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR910−(ただし、R9、R10は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜24のアルキル基、及び置換もしくは無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる)、置換もしくは無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、−C(CH32−Ph−C(CH32−、及び天然テルペン類から誘導される二価の基、から選ばれる基を示す(Phは、フェニレン基を示す)。]
  3. 請求項2に記載の一般式(7)におけるX1が、下記一般式(8)〜(14)のいずれかで表される基である、請求項2に記載の複合材料。
    Figure 0005221076
    [X2は炭素原子又は硫黄原子である。またX2が炭素原子の場合、R11は各々のX2に関して個々に選択され、そして互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    mは4〜7の整数である。
    12、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    1は0〜2の整数であり、m2、m3及びm4はそれぞれ0〜3の整数である。
    15〜R21は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数3〜12のシクロアルキル基から選ばれる基を示す]
  4. ポリカーボネート樹脂(A)60〜90質量%とポリオレフィン系樹脂10〜40質量%とからなる組合せと、その100質量部に対して変性ポリオレフィン樹脂1〜25質量部および、
    末端に請求項1に記載の一般式(1)〜(5)よりなる群から選択される少なくとも1つの構造と、下記一般式(15)で表される繰り返し単位と、
    Figure 0005221076
    (X3は、上記一般式(8)〜(11)のいずれかの構造である。
    22及びR23は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
    m5及びm6は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。)
    下記一般式(16)で表される繰り返し単位を含み、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gである共重合ポリカーボネート樹脂(B)を5〜30質量部含有することを特徴とする複合材料。
    Figure 0005221076
    [式中、R24、R25は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。
    u及びvは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
    4は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR2627−(ただし、R26及びR27は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる)、置換もしくは無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、−C(CH32−Ph−C(CH32−、及び天然テルペン類から誘導される二価の基、から選ばれる基を示す(Phは、フェニレン基を示す)]
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料を用いて形成されたシートまたはフィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料と有機溶剤を含有してなるコーティング材。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料と有機溶剤を含有してなる塗料。
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