JP5220872B2 - バランおよび磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

バランおよび磁気共鳴撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気共鳴撮像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置の性能を高める技術に関し、特にコモンモードノイズを除去する技術に関する。
MRI装置は、検査対象を横切る任意の断面内の原子核に磁気共鳴を起こし、発生した核磁気共鳴信号からその断面内における断層像を得る医用画像診断装置である。MRI装置では、まず、高周波(RF:Radio Frequency)電源で発生させた電力を送信用RFコイルに伝達する。次に、送信用RFコイルで検査対象に高周波を照射して水素原子核(H)の核磁気共鳴信号を発生させる。次に発生した核磁気共鳴信号を、検査対象に密着させた受信用RFコイルで検出した後、受信機で取得する。最後に、取得した信号を画像に変換して断層像を得る。一般に高周波電源と送信用RFコイル、及び、受信機と受信用RFコイルは同軸ケーブルによって接続されている。(以下、送信用RFコイルと受信用RFコイルとは区別せずにRFコイルと記す。)従って、RFコイルと同軸ケーブルと検査対象とは近接して設置されている場合が多い。
同軸ケーブルは、内部導体と外部導体とを絶縁物(誘電体)で挟んで同じ軸上に配置した構成を有する。同軸ケーブルは、信号損失が小さく、外部導体がアースに接続されているため、優れた電磁シールド特性を持っている。従って、RFコイルなどの高周波機器の接続用ケーブルとして幅広く用いられている。しかしながら、大きな電力や高い周波数を扱う場合、同軸ケーブルと検査対象などとの間でカップリングが生じる場合がある。このような場合、同軸ケーブルの特性インピーダンスが、場所によって一定でなくなる(以下このような状態をアンバランスと示す)。このような状態になると、コモンモードノイズと呼ばれるノイズが発生すると共に、同軸ケーブルのシールド効果が低下するため、様々なノイズの影響を受けやすくなる。
コモンモードノイズとは、アースラインに流れる不平衡の電流のことである。このノイズは床や地面などを伝わり、大きなループを描いて戻ってくることがあるため、様々なノイズを拾いながら戻ってくる。従ってRFコイルなど、同軸ケーブルが接続されている機器にノイズを与える。さらに、接続された機器だけでなく同軸ケーブル自体にも予期せぬ影響を与えることがある。このようなノイズがMRI装置内で発生した場合、装置の構成上、同軸ケーブルはさらにカップリング(具体的には電磁輻射や電磁誘導)の影響を受けやすくなる。その結果、同軸ケーブルが接続されたRFコイルの性能が低下し、MRIの画質が低下する。また、同軸ケーブル内で発生した特性インピーダンスのアンバランスによって、反射電力が発生することもある。
コモンモードノイズを除去するため、バラン(Balun:Balance−Unbalance)と呼ばれる平衡−不平衡回路が用いられる(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
MRI装置で用いられる、同軸ケーブルに挿入するタイプのバランの代表例を図12(a)に示す。本図に示すように、バラン20は、ループを形成した同軸ケーブル10と、同軸ケーブル10の両端の外部導体12に並列に接続されたキャパシタ31(キャパシタの値をCとする。以下同様。)とを有する。図12(b)は、図12(a)に示すバラン20の、ループを形成した同軸ケーブル10によるインダクタンスを集中素子(インダクタ)で表した場合の回路図21である。同軸ケーブル10の内部導体11は、インダクタンスがLのインダクタ32を形成し、外部導体12は、インダクタンスがLのインダクタ33を形成する。インダクタ33と、キャパシタ31とは、同軸ケーブル10の外部導体12に対して直列に並列共振回路34を構成する。並列共振回路34のインピーダンス(抵抗)Zは、印加する電圧の周波数fに依存して図12(c)に示すように変化する。インピーダンスZが最大となる周波数fを、並列共振回路34の共振周波数fRCと呼ぶ。すなわち、並列共振回路34の共振周波数fRCと同じ周波数のノイズ(例えば、コモンモードノイズ)が外部導体12に流れた場合、ノイズは並列共振回路の最も高いインピーダンスZによって、最も効果的に除去される。
図12(a)および図12(b)に示すバラン20の並列共振回路34の共振周波数(以下、バラン20の共振周波数)fRCは式(1)で決定される。一般には、バランがコモンモードノイズを除去する周波数である共振周波数fRCは、MRI装置の計測核種(例えば水素原子核)の核磁気共鳴周波数fに調整されている。
Figure 0005220872
特表2007−517570号公報
Mispelter他著、「生物物理学と生物医学の実験のためのNMR信号検出器(NMR PROBEHEADS FOR BIOPHYSICAL AND BIOMEDDICAL EXPERIMENTS)」、Imperial Colleage Press、London、2006、p120−128、ISBN:1−86094−637−2
計測時、同軸ケーブルと検査対象との位置関係によっては、同軸ケーブルの特性インピーダンスにアンバランスが生じることがある。アンバランスが生じると、バラン20を形成する同軸ケーブル10のリアクタンスの値に変化が生じる。等価的には、ループを形成した同軸ケーブル10の外部導体12のインダクタンスLに変化が生じる。その結果バラン20の共振周波数fRCは、式(1)により調整した値fから高い周波数もしくは低い周波数にシフトする。共振周波数fRCがシフトすることにより、計測核種の核磁気共鳴周波数fにおいて、バラン20が作るインピーダンスが低下するため、当該周波数のコモンモードノイズを効果的に除去することができなくなる。
この場合、機器同士を接続する同軸ケーブル10上に複数のバラン20を直列に接続し、インピーダンスを合成してコモンモードノイズを除去する手法が考えられる。しかし、多くのチャンネルを有するRFコイルユニットでのバラン20の増加は、バラン20同士のカップリングを引き起こし、バラン20の性能を低下させ、RFコイルの性能も低下させる。さらに、バラン20の増加は空間を広く占拠するとともに、RFコイルを含むユニット全体の重量やコストを増加させる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、MRI装置において同軸ケーブルの特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合でもコモンモードノイズの効果的な除去機能を維持し、RFコイルの性能を向上させる技術を提供する。
本発明は、同軸ケーブルに並列接続してバランを構成する回路において、共振周波数の異なる複数の直列共振回路を並列に接続し、バランのコモンモードノイズを除去する周波数が、それらの直列共振回路の共振周波数間にくるよう、各直列共振回路の各構成素子の値を調整する。
具体的には、同軸ケーブルに流れるコモンモードノイズを除去するバランであって、前記同軸ケーブルの一部と、前記同軸ケーブルの一部の外部導体に並列接続される並列回路と、を備え、前記並列回路は、それぞれ並列に接続される複数の直列共振回路を備え、前記複数の直列共振回路は、それぞれ、直列に接続されるキャパシタとインダクタとを備え、当該キャパシタのキャパシタンスおよび当該インダクタのインダクタンスによりそれぞれの共振周波数が調整可能であり、前記複数の直列共振回路の共振周波数は、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より低い周波数に、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より高い周波数になるよう調整されていることを特徴とするバランを提供する。
また、静磁場を形成する静磁場形成手段と、傾斜磁場を形成する傾斜磁場形成手段と、高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、前記高周波磁場を検査対象に印加する送信コイルと、検査対象からの磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、前記受信コイルで受信した磁気共鳴信号を処理する信号処理手段と、前記傾斜磁場形成手段、前記高周波磁場形成手段および前記信号処理手段を制御する制御手段と、を備える磁気共鳴撮像装置であって、前記高周波磁場形成手段で形成した高周波磁場を前記送信コイルに送信する第一の同軸ケーブルと、前記受信コイルで受信した磁気共鳴信号を前記信号処理手段に送信する第二の同軸ケーブルと、を備え、前記第一の同軸ケーブルと前記第二の同軸ケーブルとはそれぞれバランを備え、前記バランは、同軸ケーブルに流れるコモンモードノイズを除去するバランであって、前記同軸ケーブルの一部と、前記同軸ケーブルの一部の外部導体に並列接続される並列回路と、を備え、前記並列回路は、それぞれ並列に接続される複数の直列共振回路を備え、前記複数の直列共振回路は、それぞれ、直列に接続されるキャパシタとインダクタとを備え、当該キャパシタのキャパシタンスおよび当該インダクタのインダクタンスによりそれぞれの共振周波数が調整可能であり、前記複数の直列共振回路の共振周波数は、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より低い周波数に、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より高い周波数になるよう調整されていることを特徴とするバランであり、前記第一の同軸ケーブルおよび前記第二の同軸ケーブルに接続されていることを特徴とする磁気共鳴撮像装置を提供する。
本発明によれば、簡易な構成で、MRI装置において同軸ケーブルの特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合でもコモンモードノイズの効果的な除去機能を維持でき、RFコイルの性能が向上する。
第一の実施形態のMRI装置の概観図であり、(a)は、水平磁場方式のMRI装置、(b)は垂直磁場方式のMRI装置の概観図である。 第一の実施形態のMRI装置のブロック図であり、(a)は、送信用RFコイルと受信用RFコイルとを別々に設けた構成のブロック図であり、(b)は送受信を兼用するRFコイルを備える構成のブロック図である。 第一の実施形態のバランの模式図である。 (a)および(b)は、第一の実施形態の同軸ケーブルの構造を説明するための図であり、(c)は、使用時の構成を説明するための図である。 一般の直列共振回路の動作を説明するための図であり、(a)は、等価回路図、(b)は、インピーダンスの周波数特性を示す図である。 第一の実施形態のバランの動作を説明するための図であり、(a)は、回路図であり、(b)は、共振周波数が印加された場合の等価回路図である。 (a)、(c)、(e)は、第一の実施形態のバランのインピーダンスの周波数特性のシミュレーション結果を示す図であり、(b)、(d)、(f)は、従来のバランのインピーダンスの周波数特性のシミュレーション結果を示す図である。 (a)、(b)は、第一の実施形態のバランの変形例の模式図である。 第一の実施形態のバランの変形例の動作を説明するための図であり、(a)は、回路図であり、(b)は、第一の共振周波数が印加された場合の等価回路図であり、(c)は、第二の共振周波数が印加された場合の等価回路図である。 (a)は、第二の実施形態のバランの模式図であり、(b)は、第二の実施形態のバランの回路図である。 第一の実施形態のバランに電波シールドを取り付けた模式図である。 (a)は、従来のバランの構成を説明するための図、(b)は、従来のバランの回路図、(c)は、従来のバランのインピーダンスの周波数特性を示す図である。
<<第一の実施形態>>
以下、本発明を適用する第一の実施形態について説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本実施形態のMRI装置の全体構成について説明する。図1は本実施形態のMRI装置の概観図である。図中、座標9のz軸の方向が静磁場方向である。図1(a)に示すMRI装置100は、水平磁場方式のマグネット101を備える。図1(b)に示すMRI装置200は、垂直磁場方式のマグネット201を備える。これらのMRI装置100、200は、検査対象103を載置するテーブル120を備える。本実施形態は、水平磁場方式のマグネット101を備えるMRI装置100および、垂直磁場方式のマグネット201を備えるMRI装置200のいずれも適用可能である。以下、水平磁場方式のマグネット101を有するMRI装置100を例にあげて説明する。
図2は、MRI装置100の概略構成を示すブロック図である。図2(a)は、高周波磁場を照射する送信用RFコイルと、核磁気共鳴信号を検出する受信用RFコイルとを別々に設けた場合のブロック図である。本図に示すように、MRI装置100は、水平磁場方式のマグネット101、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル102、シーケンサ104、高周波磁場を検査対象103に照射する送信用RFコイル116、検査対象103から発する核磁気共鳴信号を検出する受信用RFコイル117、コモンモードノイズを除去するバラン118を備える。傾斜磁場コイル102は傾斜磁場電源105に接続される。送信用RFコイル116はバラン118を介して高周波電源106に接続される。受信用RFコイル117はバラン118を介して受信機108に接続される。シーケンサ104は、傾斜磁場電源105、高周波電源106に命令を送り、それぞれ傾斜磁場及び高周波磁場を発生させる。高周波電源106で生成した高周波信号は、送信用RFコイル116を通じて、高周波磁場として検査対象103に印加される。高周波磁場を印加することにより検査対象103から発生する磁気共鳴信号は受信用RFコイル117によって検出され、受信機108で検波が行われ、A/D変換されたのち計算機109に送られる。受信機108での検波の基準とする磁気共鳴周波数は、シーケンサ104によりセットされる。その後、計算機109で画像再構成などの信号処理が施される。その結果は、ディスプレイ110に画像が表示される。検出された信号や測定条件は、必要に応じて、記憶媒体111に保存される。シーケンサ104は、予めプログラムされたタイミング、強度で傾斜磁場および高周波磁場が発生するよう各装置の動作を制御する。
静磁場均一度を調整する必要があるときは、シムコイル112が用いられる。なお、上記送信用RFコイル116および受信用RFコイル117は、図2(b)に示すように1つの送受信用RFコイル126で兼用してもよい。ただしこの場合、送受信用RFコイルは、送受信を時間的に切り替える送受信切り替えスイッチ127を経由して高周波電源106と受信機108とにそれぞれ接続される。以下、本実施形態では、高周波磁場を発生する送信用RFコイル116と検査対象103からの信号を受信する受信用RFコイル117とを別個に設けた場合を例にあげて説明する。なお、以下において、送信用RFコイル116および受信用RFコイル117を特に区別する必要が無い場合は、RFコイルで代表する。
また、本実施形態のMRI装置100では、送信用RFコイル116と高周波電源106、および、受信用RFコイル117と受信機108とは、それぞれ同軸ケーブル10により接続されている。上記バラン118は、この同軸ケーブル10の一部を構成の一部として形成される。
本実施形態では、バラン118に接続される同軸ケーブル10やバラン118を形成する同軸ケーブル10の特性インピーダンスに、アンバランスが生じた場合であっても、検査対象の核磁気共鳴周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを提供できるバラン118を構成する。
まず、本実施形態のバラン118の構成を説明する。図3は、本実施形態の同軸ケーブル10を用いたバラン118の模式図である。本実施形態のバラン118は、ループ形状を有する同軸ケーブル10の両端の外部導体12に、バラン形成回路300が並列に接続された構成を有する。バラン形成回路300は、並列に接続される第一の直列共振回路310と第二の直列共振回路320とを備える。第一の直列共振回路310は、直列に接続されるインダクタ331とキャパシタ341とを備え、第二の直列共振回路320は、直列に接続されるインダクタ332とキャパシタ342とを備える。
なお、上述したように、本実施形態のバラン118を構成する同軸ケーブル10の一部は、同軸ケーブル10を延長することで高周波電源106と送信用RFコイル116、および受信機108と受信用RFコイル117とを接続している。従って、バラン118を構成する同軸ケーブル10の両端は、それぞれ同軸ケーブル10で高周波電源106と送信用RFコイル116とに、もしくは、それぞれ受信機108と受信用RFコイル117とに接続される。
ここで、インダクタ331およびインダクタ332のインダクタンスをそれぞれLおよびLと、キャパシタ341およびキャパシタ342のキャパシタンスをそれぞれCおよびCと、第一の直列共振回路310および第二の直列共振回路320の共振周波数をそれぞれf、fと表す。
本実施形態のバラン118では、計測核種の核磁気共鳴周波数fと、各直列共振回路310,320の共振周波数f、fとは、下記式(2)を満たすように調整される。
Figure 0005220872
また、各直列共振回路310、320の共振周波数f、fは、それぞれの直列共振回路を構成するインダクタ331、キャパシタ341、インダクタ332およびキャパシタ342のインダクタンスL、キャパシタンスC、インダクタンスLおよびキャパシタンスCを調整することにより調整される。
以下、各直列共振回路310、320の共振周波数f、fを上記式(2)を満たすよう調整した場合、バラン118が、計測核種の核磁気共鳴周波数fで、高いインピーダンスが得られる事を説明する。
上記構成を有する本実施形態のバラン118の動作説明に先立ち、同軸ケーブル10の構造、および、一般の直列共振回路の動作について説明する。
まず、同軸ケーブル10の構造について説明する。図4(a)および図4(b)は、同軸ケーブル10の構造を説明するための図である。本実施形態の同軸ケーブル10は、図12(a)および図12(b)で説明した一般の同軸ケーブルと同様の構造を有し、特性インピーダンスを持たせた高周波伝送ケーブルである。ここでは、図12(a)および図12(b)と同一機能のものには、同一の符号を付す。図4(a)および図4(b)に示すように、同軸ケーブル10は、内部導体11と外部導体12とを絶縁物(誘電体)13で挟んで同じ軸上に配置した構造を有する。同軸ケーブル10は、使用時に、その外部導体12がアースに接続されるため、優れたシールド特性を示す。
次に、同軸ケーブル10の一般的な使用時における構成を説明する。図4(c)は同軸ケーブル10の一般的な使用時の構成を説明するための図である。図4(c)に示すように、同軸ケーブル10の内部導体11の両端には信号源15と負荷16とが接続される。信号源15および負荷16の他端はアース17に接続される。また、同軸ケーブル10の外部導体12もアース17に接続される。
次に、一般の直列共振回路の動作について説明する。図5(a)および図5(b)は、一般の直列共振回路40の動作を説明するための図である。図5(a)に示すように、直列共振回路40は、インダクタンスがLのインダクタ41とそのキャパシタンスがCのキャパシタ42とが直列に接続されて形成される。この直列共振回路40に印加される電圧の周波数をf、角周波数をω(ω=2πf)とすると、直列共振回路40の両端のインピーダンスZは、以下の式(3)で表される。
Figure 0005220872
図5(b)は、直列共振回路40の周波数特性を説明するための図である。直列共振回路40のインピーダンスZは周波数fに依存して図5(b)に示すように変化する。本図に示すように、直列共振回路の共振周波数をfRSとすると、周波数f=fRSにおいて、直列共振回路40のインピーダンスZは0となり、直列共振回路40は共振する。
また、直列共振回路40は、共振周波数fRSより高い周波数領域(fRS<f)では、誘導性リアクタンスとして動作する。この時のインピーダンスZは、以下の式(4)で表される。
Figure 0005220872
また、この時の直列共振回路40の見かけのインダクタンスL’は、以下の式(5)で表される。
Figure 0005220872
一方、直列共振回路40は、その共振周波数fRSより低い周波数領域(f<fRS)では、容量性リアクタンスとして動作する。この時のインピーダンスZは、以下の式(6)で表される。
Figure 0005220872
また、この時の直列共振回路40の見かけのキャパシタンスC’は、以下の式(7)で表される。
Figure 0005220872
このように、直列共振回路40は、印加する電圧の周波数fに応じて、その共振周波数fRSを境に異なる動作をする。すなわち、印加する電圧の周波数fが共振周波数fRSより高い場合は誘導性リアクタンスとして動作し、共振周波数fRSより低い場合は容量性リアクタンスとして動作する。
以上の同軸ケーブル10の構造と、一般的な直列共振回路40の動作とを踏まえ、本実施形態のバラン118の動作および特性を図6を用いて説明する。ここでは、バラン118を構成する第一の直列共振回路310および第二の直列共振回路320の共振周波数fおよびfは、上記式(2)を満たすよう調整されているものとする。
図6(a)は、バラン118の簡易的な回路図500であって、同軸ケーブル10の内部導体11および外部導体12のインダクタンスを、それぞれ集中素子(インダクタ)221および222で表し、簡略化したものである。本図に示すように、内部導体11は、インダクタンスがLのインダクタ221で表され、外部導体12は、インダクタンスがLのインダクタ222で表される。本図に示すように、インダクタ222と、第一の直列共振回路310と、第二の直列共振回路320とは、同軸ケーブル10の外部導体12に対し直列に、並列回路400を構成する。すなわち、本実施形態のバラン118は、同軸ケーブル10の外部導体12に直列に挿入された並列回路400として表される。
本実施形態のバラン118の各直列共振回路310、320の共振周波数f、fは式(2)を満たすように調整されている。このため、並列回路400に共振周波数fRNを印加した場合、第一の直列共振回路310は、誘導性リアクタンス(インダクタ)として動作し、第二の直列共振回路320は容量性リアクタンス(キャパシタ)として動作する。
並列回路400に共振周波数fRNを印加した際の並列回路400の等価回路の回路図501を図6(b)に示す。ここでは、第一の直列共振回路310を、インダクタ511で表し、第二の直列共振回路320を、キャパシタ512で表す。このときのインダクタンスおよびキャパシタンスを、それぞれL’およびC’とする。本図に示すように、等価回路501は、インダクタ222とインダクタ511とキャパシタ512とを並列に接続した並列共振回路401として表される。
一般に、並列共振回路は、その共振周波数においてインピーダンスが最大となる。従って、並列共振回路401の共振周波数fRNが、MRI装置100の計測核種の核磁気共鳴周波数fになるよう(fRN=f)、並列共振回路401を構成するインダクタ222、インダクタ511、およびキャパシタ512を調整する。このように調整することで、元の並列回路400は、計測核種の核磁気共鳴周波数fで、最大のインピーダンスを得る。すなわち、バラン118は、核磁気共鳴周波数fの核種を計測時に、外部導体12に発生したコモンモードノイズに対して、最大のインピーダンスを与えることができる。
なお、並列共振回路401のインダクタ511のインダクタンスL’は式(5)より、以下の式(8)で表される。またキャパシタ512のキャパシタンスC’は式(7)より、以下の式(9)で表される。
Figure 0005220872
Figure 0005220872
一般に、インダクタおよびキャパシタで構成される並列共振回路の共振周波数fRPとインダクタのインダクタンスLおよびキャパシタのキャパシタンスCとの間には、以下の式(10)に示す関係がある。
Figure 0005220872
また、一般に、インダクタおよびキャパシタで構成される並列共振回路のインピーダンスZRPとインダクタのインダクタンスLおよびキャパシタのキャパシタンスCとの間には、以下の式(11)に示す関係がある。
Figure 0005220872
並列共振回路401の共振周波数fRNが計測核種の核磁気共鳴周波数fとなるよう調整される場合、共振周波数fRNと、外部導体12が作るインダクタ222のインダクタンスLと、インダクタ511のインダクタンスL’と、キャパシタ512のキャパシタンスC’とは式(10)を満たす。従って、fRN(=f)、L、L’、C’の関係は、以下の式(12)で表される。
Figure 0005220872
また、並列共振回路401のインピーダンスZRNと、外部導体12が作るインダクタ222のインダクタンスLと、インダクタ511のインダクタンスL’と、キャパシタ512のキャパシタンスC’とは式(11)を満たす。従って、ZRN、L、L’、C’の関係は、以下の式(13)で表される。
Figure 0005220872
ここで、fは並列共振回路401に印加される電圧の周波数である。
上記式(12)で示されるように、共振周波数fRNは、fおよびfをそれぞれfRNより高い周波数および低い周波数に設定した場合、インダクタンスL’およびキャパシタンスC’の影響を受けやすくなる。さらに共振周波数fRNの算出式(12)においては、fおよびfをfRNの近くに設定すると、インダクタンスL’とキャパシタンスC’とが支配的となる。従って、同軸ケーブル10の外部導体12のインダクタンスLが変化した場合においても共振周波数fRNはほとんど変化しない。
本実施形態のバラン118は、この特徴を利用している。すなわち、式(2)に示すように、並列共振回路401(並列回路400、バラン118)の共振周波数fRN(=f)が第一の直列共振回路310の共振周波数fおよび第二の直列共振回路320の共振周波数fの間になるよう、共振周波数fおよびfを調整することで、共振周波数fRN(=f)の変動可能な範囲が決定される。
従って、上述を踏まえてfおよびfを決定すれば、特性インピーダンスのアンバランスによって、同軸ケーブル10がバラン118の中で形成するインダクタ222のインダクタンスLが変化した場合であっても、その影響をほとんど受けない。このため、バラン118(並列回路400)の共振周波数fRN(=f)は、調整した計測核種の核磁気共鳴周波数fからほとんどシフトしない。
以下、式(2)を満たすよう、共振周波数fおよびfを決定するための、各構成素子の調整の具体例を示す。
調整の概略は以下のとおりである。まず、同軸ケーブル10の外部導体12が作るインダクタ222のインダクタンスLを決定する。そして、決定したLを用いて、式(13)、式(8)、式(9)および式(2)から、バラン118(並列回路400)を構成する、第一の直列共振回路310のインダクタ331のインダクタンスL、キャパシタ341のキャパシタンスCおよび共振周波数f、第二の直列共振回路320のインダクタ332のインダクタンスL、キャパシタ342のキャパシタンスCおよび共振周波数fを決定する。
ここでは、一例として、静磁場強度が3T(テスラ)のMRI装置において、検出対象が核磁気共鳴周波数が128MHzの水素原子核である場合の、各値の具体的な調整例を説明する。
まず、本実施形態のバラン118の共振周波数、すなわち並列回路400の共振周波数fRN(=f)を決定する。ここでは、128MHzである。
次に、同軸ケーブル10の外部導体12が作るインダクタ222のインダクタンスLを決定する。ここでは、たとえば、典型的な3TのMRI装置用バランのインダクタのインダクタンスである100nHとする。なお、インダクタンスの大きさはこれに限定されるものではない。式(13)より、並列回路400のインピーダンスZRNを大きくするためには、Lは大きな値であることが好ましい。しかし、用途により、求められるインピーダンスの大きさは異なるため用途に応じて適宜決定する。
次に、第一の直列共振回路310のインダクタ331、および第二の直列共振回路320のキャパシタ342のインダクタンスLおよびキャパシタンスCを決定する。式(13)より、並列回路400(並列共振回路401)のインピーダンスZRNを大きくするためには、インダクタ511のインダクタンスL’は大きな値であることが好ましい。同様に、並列回路400(並列共振回路401)のインピーダンスZRNを大きくするためには、キャパシタ512のキャパシタンスC’は小さい方が好ましい。つまり、式(8)、式(9)よりインダクタ331のインダクタンスLは大きく、キャパシタ342のキャパシタンスCは小さい方が好ましい。しかし、実際に作製する場合は、調整が比較的容易で、素子の損失が小さい素子が好ましいので、ここでは、インダクタンスが10nH〜200nHの範囲のインダクタと、キャパシタンスが1pF〜100pFの範囲のキャパシタとを選ぶ。例えば、インダクタ331のインダクタンスLは200nH、キャパシタ342のキャパシタンスCは7pFとする。なお、このインダクタ331およびキャパシタ342は、上述の範囲に限定されるものではない。実現可能な範囲の値を有する素子であれば良い。
次に、第一の直列共振回路310の共振周波数fと第二の直列共振回路320の共振周波数fとを決定する。これらは式(2)を満たすように調整されていれば、式(13)が成り立つため、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合や、同軸ケーブル10間でのカップリングが生じた場合であってもバラン118の共振周波数のシフトを抑え、かつ、高いインピーダンスを提供できる。さらに、MRI装置100の実用上の制約を考慮し、より、バラン118の共振周波数のシフトを抑えるためには、式(12)より、各共振周波数f、fは計測核種の核磁気共鳴周波数fに近いことが望ましい。さらに、核磁気共鳴周波数fでのインピーダンスZを高めるためには、式(13)より、f、fはfから離れている事が望ましい。以上を踏まえ、従来方式より高い効果を得るには、f、f、fは、以下の式(14)と式(15)を満たしていることが望ましい。
Figure 0005220872
Figure 0005220872
よって、式(8)、式(9)、および式(12)から求められるfおよびfが、式(14)および式(15)を満たすよう、各値を決定する。例えば、fが102MHz〜120MHzの間であれば式(14)および式(15)を満たす。この中で、例えば、fを110MHzとする。
以上のように決定した、バラン118(並列回路400)の共振周波数fRN(128MHz)、インダクタ331のインダクタンスL(200nH)、キャパシタ342のキャパシタンスC(7pH)および第一の直列共振回路310の共振周波数f(110MHz)を用い、第二の直列共振回路320の共振周波数f、キャパシタ341のキャパシタンスC、インダクタ332のインダクタンスLを式(8)、式(9)、式(12)に従って算出する。ここでは、f=139MHz、C=10.5pF、L=186nHとなる。
このように、本実施形態のバラン118は、L=100nH、L=200nH、C=10pF、L=190nH、C=7pFと調整することにより、3TのMRI装置100における水素原子核の核磁気共鳴周波数128MHzで共振し、コモンモードノイズに対して高いインピーダンスを与える。また、本実施形態のバラン118は、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、共振周波数が当初の調整値からシフトしにくく、コモンモードノイズを高い精度で除去可能である。本実施形態によれば、このような効果を有するバラン118を、簡易な構成で、かつ、容易に入手可能な素子を用いて実現できる。従って、低コストで、高性能のRFコイルを実現できる。
以下、本実施形態のバラン118と従来方式におけるバラン20に、それぞれ特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響(例えば、カップリング)を加えた場合の周波数特性のシミュレーション結果を示す。図7は、そのシミュレーションの結果を示す図である。特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響は、等価的には、ループを形成した同軸ケーブル10の外部導体12によるインダクタ222のインダクタンスLの変化で表すことができる。シミュレーションではインダクタンスLを変化させることで、特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響を再現した。
図7(a)は、本実施形態のバラン118の共振周波数fRNが、3TのMRI装置における水素原子核の核磁気共鳴周波数f(=128MHz)に調整された場合の、バラン118のインピーダンスZの周波数特性である。なお、共振周波数fおよび共振周波数fは、それぞれ110MHz、139MHzになるように調整されているものとする。
図7(b)は、従来方式のバラン20の共振周波数fRCが、3TのMRI装置における水素原子核の核磁気共鳴周波数f(=128MHz)に調整された場合の、インピーダンスZの周波数特性である。
図7(c)および図7(d)に、本実施形態のバラン118と従来方式のバラン20とにそれぞれ、特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響で、同軸ケーブル10のインダクタンスLが10%増加した場合の、インピーダンスZの周波数特性を示す。本実施形態のバラン118では、図7(c)に示すように、バラン118の共振ピークは低い周波数に僅か(0.2MHz)にシフトした。それに対し、従来方式のバラン20では、図7(d)に示すように、バラン20の共振ピークは低い周波数に大きく(6.0MHz)シフトした。
これらの結果から、インダクタンスLの値が10%増加した場合、本実施形態のバラン118は、従来のバラン20に比べ、共振ピークの移動が小さく、計測核種の核磁気共鳴周波数fにおいて、大きなインピーダンスを維持できることが確認できた。すなわち、本実施形態のバラン118は、従来のバラン20に比べ、特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響は少ないことが確認できた。
また同様に、図7(e)および図7(f)に、本実施形態のバラン118と従来方式のバラン20とにそれぞれ、特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響で、同軸ケーブル10のインダクタンスLの値が10%減少した場合の、インピーダンスZの周波数特性を示す。本実施形態のバラン118では、図7(e)に示すように、バラン118の共振ピークは高い周波数に僅か(0.2MHz)にシフトした。それに対し、従来方式のバラン20では、図7(f)に示すように、バランの共振ピークは高い周波数に大きく(6.9MHz)シフトした。
これらの結果から、インダクタンスLの値が10%減少した場合、本実施形態のバラン118は、従来のバラン20に比べ、共振ピークの移動が小さく、計測核種の核磁気共鳴周波数fにおいて、大きなインピーダンスを維持できることが確認できた。すなわち、本実施形態のバラン118は、従来のバラン20に比べ、特性インピーダンスのアンバランスによって生じる影響は少ないことが確認できた。すなわち、本実施形態のバラン118の共振周波数fRNは、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、ほとんど変化しないことが確認された。
なお、本実施形態のバラン118と従来方式のバラン20とで、それぞれ構成要素であるインダクタンスLの値が変化した場合、共振ピークのシフト量が大きく異なるのは、上述の通り、本実施形態のバラン118の共振周波数を表す式(12)であってfRNの算出式である式(12)においては、L’と とが支配的であるという事からも明らかである。
以上説明したように、本実施形態のバラン118は、調整された周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを与える。また、バラン118を構成する第一の直列共振回路310および第二の直列共振回路320が、それぞれの共振周波数f、fのいずれか一方を周波数fより低い周波数とし、他方をfより高い周波数となるよう調整されている。このため、何らかの理由でバラン118を構成する同軸ケーブル10によるインダクタンスLに変化が生じた場合であっても、バラン118の共振周波数fRNはほとんど変化しない。従って、本実施形態のバラン118は、調整された周波数fで高いインピーダンスを維持できる。すなわち、本実施形態のバラン118は、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じ、インダクタンスLに変化が生じた場合であっても、調整された周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを提供できる。従って、本実施形態によれば、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じる場合であっても、コモンモードノイズを効果的に除去可能で、RFコイルの性能を向上させることができる。
また、式(12)から明らかなように、本実施形態のバラン118の共振周波数fRNは、最も外部要因の影響を受ける同軸ケーブル10の外部導体12のインダクタンスLの影響を受けにくい。よって、一度バラン118の共振周波数fRNを計測核種の核磁気共鳴周波数fに調整すると、バラン118に接続される同軸ケーブル10や、設置方法や、位置関係など外部要因の影響をほとんど受けない。従って、本実施形態のバラン118は、計測核種の核磁気共鳴周波数fで高いインピーダンスを維持できる。このため、バラン118に接続される同軸ケーブル10や、設置方法や、位置関係が変わってもバランを再調整する必要がない。そのため、実際にバラン118をMRI装置100に組み込むときの作業工程を減らすことができる。
さらに、本実施形態によれば、バランを形成する同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、高いインピーダンスを維持できるため、バラン118を構成する同軸ケーブル10の使用時の配置に制約がない。すなわち、特性インピーダンスにアンバランスが生じないよう配慮する必要がなく、使用時の自由度が高まる。
また、上述の通り、本実施形態のバラン118は、計測核種の核磁気共鳴周波数fで高いインピーダンスを維持可能であるため、バランの数を減らすことができる。また、上述のように、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが発生し、同軸ケーブル10の外部導体12のインダクタンスLが変化したとしても、高いインピーダンスを維持できる。従って、従来のバラン20のように、バラン20を直列接続してインピーダンスを合成する必要がない。このため、装置の重量、容積およびコストを低下させることが可能となる。
また、実用においては、RFコイルとのカップリングを防ぐために、意図的にバラン118がコモンモードノイズを除去する周波数fRNを計測核種の核磁気共鳴周波数fから数MHzずらして使用することがある。このような場合であっても、本実施形態のバラン118を使用することにより、予期しないバラン118の周波数シフトによる、バラン118とRFコイルとの共振周波数が一致することを防ぐことができる。このためRFコイルの性能を向上させることができる。
なお、本実施形態では、3TのMRI装置における水素原子核の核磁気共鳴周波数にバラン118の共振周波数を調整する場合を例にあげて説明した。しかし、調整する共振周波数はこれに限られない。例えば、静磁場強度が1.5Tや7TのMRI装置における水素原子核の核磁気共鳴周波数であっても良い。また、フッ素や炭素原子核などの核磁気共鳴周波数であっても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、MRI装置で用いられるバランに関し、その共振周波数が、簡易な構成で変動しにくくなる。従って、バランに接続される同軸ケーブルやバランを形成する同軸ケーブルの特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、計測核種の核磁気共鳴周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを提供できるため、コモンモードノイズを除去できる。従って、RFコイルの性能が向上する。
なお、本実施形態のバラン118の形状は、上記形状に限られない。その電気的な回路図が、回路図500と同等であればよい。
例えば、本実施形態のバラン118の同軸ケーブル10の形状が直線であっても良い。図8(a)に本実施形態のバラン118の変形例である直線型バラン118Aを示す。本図に示すように、直線型バラン118Aは、特別な形状を有しない直線の同軸ケーブル10に、二つの直列共振回路310、320が並列接続された形状を有する。二つの直列共振回路310、320の構成は、バラン118と同様である。
また、例えば、同軸ケーブル10の形状が8の字型であってもよい。図8(b)に本実施形態のバラン118の変形例である8の字型バラン118Bを示す。本図に示すように、8の字型バラン118Bは、8の字型に形成された同軸ケーブル10に、二つの直列共振回路310、320が並列接続された形状を有する。二つの直列共振回路310、320の構成は、バラン118と同様である。
直線型バラン118Aおよび8の字型バラン118Bの回路構成は、上記バラン118と同じ回路図500で表すことができる。従って、これらのバラン118A、118Bも上記実施形態のバラン118と回路構成および動作原理は同じである。このため、直線型バラン118Aおよび8の字型バラン118Bは、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、調整された周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを提供することができる。ただし、上記バラン118とは同軸ケーブル10の形状が異なるため、同軸ケーブル10の内部導体11が作るインダクタによるインダクタンスLと同外部導体12が作るインダクタによるインダクタンスLとの値は変化する。従って、インダクタンスLの値に応じて、f、f、L、Cを決定する。
以上のように、直線型バラン118Aおよび8の字型バラン118Bは、調整された周波数f(=fRN)のコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを与える。また、各バランを構成する2つの直列共振回路の共振周波数fおよびfのいずれか一方を、直線型バラン118Aおよび8の字型バラン118Bの共振周波数として調整された周波数fRN(=f)より高い周波数とし、他方をfより低い周波数とする。これにより、何らかの理由で同軸ケーブル10により作られるインダクタンスLに変化が生じた場合であっても、fRNはほとんど変化しないため、設計した周波数のみで動作させることが可能となる。このため、同軸ケーブルの特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、調整された周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを提供することができる。
さらに、直線型バラン118Aは、直線型の形状を有していることから、図8(a)に示すように、省スペースでバランを形成することができる。また、8の字型バラン118Bは、図8(b)に示すように二つのループが、互いに逆向きに磁場を発生するような形状を有していることから、バラン118Bの同軸ケーブル10が発生する磁場をキャンセルすることができる。これにより、磁場の乱れを低減させることができるため、RFコイルの性能が向上する。
また、上記実施形態および変形例では、1つの周波数のコモンモードノイズを除去するバランを例にあげて説明した。しかし、本発明を適用可能なバランが除去できるコモンモードノイズの周波数は1つに限られない。例えば2つの異なる周波数のコモンモードノイズを除去可能なバランであっても良い(例えば、水素とフッ素の磁気共鳴周波数)。
図9に、本実施形態のバラン118の変形例である、2つの異なる周波数のコモンモードノイズを除去可能なバラン118Cを示す。本図に示すように本変形例のバラン118Cは、本実施形態のバラン118の構成に加え、インダクタ(L)333とキャパシタ(C)343とが直列接続される第三の直列共振回路330が、第二の共振回路320に接続されている。
第一、第二、第三の直列共振回路310、320、330の共振周波数(f、f、f)は、バラン118Cが、第一、第二元素の磁気共鳴周波数に応じた第一、第二の共振周波数(f、f)で共振し、高いインピーダンスを示すように調整される。具体的には、以下の式(16)を満たすように調整する。
Figure 0005220872
本変形例のバラン118Cの動作及び特性を図9(a)、(b)、(c)に示す回路図を用いて説明する。本図に示すように、バラン118Cは、インダクタとキャパシタとによる直列共振回路310、320、330が3つ並列に接続された直列共振回路を並列に接続した回路で表される。それぞれの直列共振回路310、320、330の共振周波数はf、f、fである。
本変形例のバラン118Cは、式(16)を満たすように調整されているため、第一の共振周波数fの電圧が印加されると、第一の直列共振回路310は誘導性リアクタンスとして動作し、インダクタ511(L’’)と見なすことができる。そして、第二の直列共振回路320、第三の直列共振回路330は、容量性リアクタンスとして動作し、キャパシタ512、513(C’’、C’’)と見なすことができる。
従って、第一の共振周波数fにおいて、本変形例のバラン118Cは、図9(b)に示すインダクタ222、511、キャパシタ512、513をそれぞれ並列に接続した並列共振回路402として表される。このとき、並列共振回路402の共振周波数fRN1を第一の共振周波数fに調整すると、バラン118Cは、第一の共振周波数fで高いインピーダンスを示し、コモンモードノイズを除去する。また、第一の共振周波数fと、並列共振回路402を構成するインダクタ222,511の値L、L’’
および各キャパシタキャパシタ512,513の値、C’’、C’’との関係は、式(10)より、以下の式(17)とおりとなる。
Figure 0005220872
また、本変形例のバラン118Cは、式(16)を満たすように調整されているため、第二の共振周波数fの電圧が印加されると、第一の直列共振回路310、第二の直列共振回路320は誘導性リアクタンスとして動作し、インダクタ514、515(L’’、L’’)と見なすことができる。そして、第三の直列共振回路330は、容量性リアクタンスとして動作し、キャパシタ516(C’’)と見なすことができる。
従って、第二の共振周波数fにおいて、本変形例のバラン118Cは、図9(c)に示すインダクタ222、514、および、515、キャパシタ516をそれぞれ並列に接続した並列共振回路403として表される。このとき、並列共振回路403の共振周波数fRN2を第一の共振周波数fに調整すると、バラン118Cは、第二の共振周波数fで高いインピーダンスを示し、コモンモードノイズを除去する。また、第二の共振周波数fと、並列共振回路403を構成するインダクタ222、514、515の値L、L’’ L’’ および各キャパシタキャパシタ516の値、C’’の関係は、式(10)より、以下の式(18)のとおりとなる。
Figure 0005220872
上述してきたように、本変形例のバラン118Cは、式(16)、式(17)、式(18)を満たすようf、f、f、および各構成インダクタおよびキャパシタの値を調整することで、2つの元素の磁気共鳴周波数(f、f)で共振し、高いインピーダンスを示す。従って、これらの磁気共鳴周波数f、fのコモンモードノイズを除去することができる。また、除去可能なコモンモードノイズの周波数の数以外は、上記本実施形態のバラン118の効果と同様の効果が得られる。
なお、本変形例では2つの異なる周波数を水素とフッ素の磁気共鳴周波数としたが、組み合わせはこれに限られない。例えば、フッ素とヘリウム(He)、燐(31P)とリチウム(Li)などでもよい。もちろん、原子核の組み合わせはこれに限定されるものではない。
また、キャパシタとインダクタとが直列接続される直列共振回路を、さらに、第三の直列共振回路330と並列に接続することにより3つの異なる周波数のコモンモードノイズを除去することが可能である。また、原理的には高次の同調も可能である。
<<第二の実施形態>>
次に本発明を適用する第二の実施形態について説明する。本実施形態のMRI装置は基本的に第一の実施形態と同様である。本実施形態では、二つの直列共振回路310、320を並列に接続したバラン形成回路と、同軸ケーブル10とを直接物理的に接続する代わりに、磁気結合を用いて、磁気的に誘導接続する。以下、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
図10(a)は、本実施形態のバラン118−2の形状を示す図である。本実施形態のバラン形成回路300−2は、並列に接続された第一の直列共振回路310および第二の直列共振回路320と、これらに並列に接続された導体350を備える。本図に示すように、第一の実施形態とは異なり、二つの直列共振回路310、320を並列に接続したバラン形成回路300−2と同軸ケーブル10とは直接物理的に接続されていない。本実施形態のバラン118−2は、導体350を、同軸ケーブル10の外部導体12に密着させ、磁気結合させる。
図10(b)は、本実施形態のバラン118−2の回路図500−2であって、同軸ケーブル10の内部導体11および外部導体12のインダクタンスを、それぞれ集中素子(インダクタ)221、222で表し、さらに、導体350によるインダクタンスを集中素子(インダクタ)351で表し、簡略化したものである。なお、第一の実施形態同様、インダクタ221のインダクタンスはL、インダクタ222のインダクタンスはL、また、インダクタ351のインダクタンスはLとする。
回路図500−2内では、インダクタ222とインダクタ351との間には磁気結合990が生じているため、インダクタ222とインダクタ351とは電磁気的に誘導接続されている。従って、本実施形態のバラン118−2では、バラン形成回路300−2と同軸ケーブル10とは直接物理的に導体で接続されていないが、電磁気的に誘導接続されているため、本実施形態のバラン118−2も、電気的な等価回路は、回路図500と同等となる。ただし、第一の実施形態のバラン118とは接合方法が異なるため、インダクタ222のインダクタンスLは、相互インダクタンスを考慮しなければならない。すなわち、相互インダクタンスを考慮して、検出対象核種の核磁気共鳴周波数fで高いインピーダンスが得られるように、各構成素子のインダクタンスL、L、キャパシタンスC、Cを決定する。
以上より、本実施形態のバラン118−2は、計測核種の核磁気共鳴周波数fでコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを与えることができる。また、バラン118−2を構成する第一の直列共振回路310の共振周波数fおよび第二の直列共振回路320の共振周波数fのいずれか一方を、核磁気共鳴周波数fより低い周波数とし、他方をfより高い周波数と設定するため、何らかの理由により同軸ケーブル10によるインダクタンスLに変化が生じた場合であっても、本実施形態のバラン118−2の共振周波数fRNはほとんど変化しない。従って、本実施形態のバラン118−2は、調整された周波数fを共振周波数とした動作を維持できる。このため、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、調整された周波数fのコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを提供することができる。以上により、本実施形態のバラン118−2は、第一の実施形態と同様に、高性能のRFコイルを提供することができる。
また、本実施形態のバラン118−2は、同軸ケーブル10に対して、直接物理的な接続を必要としないため、より簡易な構成で、上記第一の実施形態と同様の効果を実現できる。さらに、直接物理的な接続を必要としないため、MRI検査実施者が、必要に応じてバラン118−2を使用することが可能である。従って、バラン118−2使用の自由度が高まり、精度の高い検査が可能となる。
なお、上記各実施形態において、バランを形成する同軸ケーブル10も含め、電波シールド600で覆うよう構成してもよい。図11は、第一の実施形態のバラン118を電波シールド600で覆った場合の例(118D)を説明するための図である。本図に示すように、バラン118Dは、その全体が電波シールド600に覆われる。また電波シールド600はアース17に接続されている。
第一の実施形態のバラン118の全体を電波シールド600で覆うことにより、バラン118Dに検査対象や他のケーブルが近づいた場合でも、これらの検査対象や他のケーブルとバラン118D内のインダクタとの磁気結合を防止することができる。バラン118D内のインダクタとは、同軸ケーブル10が作るインダクタ、第一の直列共振回路310のインダクタ331、第二の直列共振回路320のインダクタ332である。
磁気結合を防止できるため、電波シールド600で覆われたバラン118Dは、第一の実施形態で説明した構成のバラン118に比べ、さらに、共振周波数の変動が小さくなる。従って、所望の核磁気共鳴周波数におけるコモンモードノイズに対して高いインピーダンスを与えることができるとともに、同軸ケーブル10の特性インピーダンスにアンバランスが生じた場合であっても、より共振ピークの移動が少なく、より高いインピーダンスを維持できる。
また、同軸ケーブル10や、インダクタ331、332で発生する磁場の乱れを抑えることができるので、他のバランや、RFコイルなどへの影響を抑えることができる。すなわち、本形態によれば、外部から加わる影響を低減し、磁気結合による損失を低減させることができる。
上記各実施形態では、計測核種が1種(水素原子核)であり、1の周波数の磁気共鳴信号のみ取得するRFコイルに、上記各実施形態および変形例のバランを使用する場合を例にあげて説明した。しかしこれに限られるものでは無い。上記各実施形態および変形例のバランは、たとえば、一つのRFコイルで二つの原子核の磁気共鳴信号が取得できる二重同調RFコイルに使用しても良い。もちろん、これに限定されるものではない。
また、上記各実施形態および変形例では、バランの共振周波数f、第一の直列共振回路310の共振周波数fおよび第二の直列共振回路320の共振周波数fとの関係を、式(2)で示されるものとした場合を例にあげて説明しているが、共振周波数fおよび共振周波数fは、逆であってもよい。すなわち、以下の式(19)を満たす構成であってもよい。
Figure 0005220872
すなわち、f、f、fは、それぞれ異なる周波数であり、fおよびfのいずれか一方がfより低い周波数であり、他方がfより高い周波数であればよい。
また、上記各実施形態および変形例では、バラン形成回路が、それぞれ異なる共振周波数を有する2つの直列共振回路を備える場合を例にあげて説明したが、バラン形成回路の回路構成はこれに限られない。少なくとも2種の異なる共振周波数を有する2つ以上の直列共振回路を備えるよう構成してもよい。この場合、上記各実施形態および変形例のバランの共振周波数が、いずれかの直列共振回路の共振周波数間にくるよう、各直列共振回路の共振周波数を調整する。すなわち、上述のように、バランの共振周波数fRNを、検出核種の磁気共鳴周波数fに調整する場合、各直列共振回路の共振周波数のうち、少なくとも1つが、fより低い周波数であり、少なくとも1つがfより高い周波数となるよう、直列共振回路の共振周波数を調整する。
また、上記各実施形態および変形例のバランをRFコイルの給電点に直接接続するよう構成してもよい。このように構成することで、RFコイルに流れ込むコモンモードノイズをより確実に除去することができる。RFコイルの性能を向上させることができる。
また、上記各実施形態および変形例のバランは従来のバラン20と併用しても良い。併用することで、更に高いインピーダンスを提供できるため、RFコイルの性能を向上させることができる。
また、上記各実施形態および変形例のバランは多チャンネルRFコイルシステムで使用することも可能である。多チャンネルRFコイルシステムで使用することにより、バランとバランとのカップリングや、バランと同軸ケーブル10とのカップリングによるバランの共振周波数のシフトを防ぐことができる。このため、多チャンネルRFコイルシステムでも、上記各実施形態および変形例のバランを用いることにより、RFコイルの性能を向上させることができる。
上記各実施形態および変形例では、MRI装置100において、高周波電源106と送信用RFコイル116、もしくは、受信機108と受信用RFコイル117との間にバランが一つある例を示したが、バランは二つ以上あっても良い。
また、上記各実施形態および変形例では、図4に示す構成を有する一般的の同軸ケーブル10を用いてバランを形成する場合を例にあげて説明した。しかし、適用可能な同軸ケーブルは上記同軸ケーブル10に限られない。例えば、外部導体を小径の銅パイプとした「セミリジッドケーブル」と呼ばれる同軸ケーブルを用いてもよい。もちろん、これに限定されるものではない。
10:同軸ケーブル、11:内部導体、12:外部導体、13:誘電体、15:信号源、16:負荷、20:バラン、21:回路図、31:キャパシタ、32:インダクタ、33:インダクタ、34:並列共振回路、40:直列共振回路、41:インダクタ、42:キャパシタ、100:MRI装置、101:マグネット、102:傾斜磁場コイル、103:検査対象、104:シーケンサ、105:傾斜磁場電源、106:高周波電源、108:受信機、109:計算機、110:ディスプレイ、111:記憶媒体、112:シムコイル、116:送信用RFコイル、117:受信用RFコイル、126:送受信用RFコイル、127:送受信切り替えスイッチ、118:バラン、118−2:バラン、118A:バラン、118B:バラン、118C:バラン、118D:バラン、200:MRI装置、201:マグネット、221:インダクタ、222:インダクタ、300:バラン形成回路、300−2:バラン形成回路、310:第一の直列共振回路、320:第二の直列共振回路、330:第三の直列共振回路、331:インダクタ、332:インダクタ、333:インダクタ、341:キャパシタ、342:キャパシタ、343:キャパシタ、350:導体、351:インダクタ、400:並列回路、401:並列共振回路、402:並列共振回路、403:並列共振回路、500:回路図、500−2:回路図、501:等価回路、511:インダクタ、512:キャパシタ、513:キャパシタ、514:インダクタ、515:インダクタ、516:キャパシタ、600:電波シールド、990:磁気結合

Claims (15)

  1. 同軸ケーブルに流れるコモンモードノイズを除去するバランであって、
    前記同軸ケーブルの一部と、
    前記同軸ケーブルの一部の外部導体に並列接続される並列回路と、を備え、
    前記並列回路は、それぞれ並列に接続される複数の直列共振回路を備え、
    前記複数の直列共振回路は、それぞれ、直列に接続されるキャパシタとインダクタとを備え、当該キャパシタのキャパシタンスおよび当該インダクタのインダクタンスによりそれぞれの共振周波数が調整可能であり、
    前記複数の直列共振回路の共振周波数は、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より低い周波数に、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より高い周波数になるよう調整されていること
    を特徴とするバラン。
  2. 請求項1記載のバランであって、
    前記複数の直列共振回路は、第一の直列共振回路と第二の直列共振回路の2つであり、
    前記第一の直列共振回路の共振周波数である第一の共振周波数と、前記第二の直列共振回路の共振周波数である第二の共振周波数とは、いずれか一方が、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より低い周波数に、他方が、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より高い周波数になるよう調整されていること
    を特徴とするバラン。
  3. 請求項2記載のバランであって、
    前記第一の共振周波数および前記第二の共振周波数の中で、前記バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より低い周波数となるよう調整されている共振周波数は、前記バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数の70%から95%の間となるよう調整されていること
    を特徴とするバラン。
  4. 請求項2記載のバランであって、
    前記第一の共振周波数および前記第二の共振周波数の中で、前記バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より高く調整されている共振周波数は、前記バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数の105%から130%の間となるよう調整されていること
    を特徴とするバラン。
  5. 請求項1記載のバランであって、
    前記複数の直列共振回路は、第一の直列共振回路と第二の直列共振回路と第三の直列共振回路の3つであり、
    前記第一直列共振回路の共振周波数fと前記第二直列共振回路の共振周波数fと前記第一直列共振回路の共振周波数fと当該バランが前記コモンモードノイズを除去する第一の周波数fと当該バランが前記コモンモードノイズを除去する第二の周波数f(>f)とが、f<f<f<f<fの関係を満たすように調整されていること
    を特徴とするバラン。
  6. 請求項1記載のバランであって、
    前記同軸ケーブルの一部は、ループ形状を有すること
    を特徴とするバラン。
  7. 請求項1記載のバランであって、
    前記同軸ケーブルの一部は、直線状であること
    を特徴とするバラン。
  8. 請求項1記載のバランであって、
    前記同軸ケーブルの一部は、8の字型形状を有すること
    を特徴とするバラン。
  9. 請求項1記載のバランであって、
    前記並列回路は、磁気結合手段を備え、前記同軸ケーブルの一部の外部導体と磁気的に接続されること
    を特徴とするバラン。
  10. 請求項1記載のバランであって、
    前記同軸ケーブルの一部と、前記並列回路とに、電波シールドが施されていること
    を特徴とするバラン。
  11. バランを形成する同軸ケーブルであって、
    当該同軸ケーブルの一部の外部導体に接続される並列回路を備え、
    前記並列回路は、それぞれ並列に接続される複数の直列共振回路備え、
    前記複数の直列共振回路は、それぞれ、直列に接続されるキャパシタとインダクタとを備え、当該キャパシタのキャパシタンスおよび当該インダクタのインダクタンスによりそれぞれの共振周波数が調整可能であり、
    前記複数の直列共振回路の共振周波数は、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より低い周波数に、少なくとも1つが、当該バランが前記コモンモードノイズを除去する周波数より高い周波数になるよう調整されていること
    を特徴とする同軸ケーブル。
  12. 静磁場を形成する静磁場形成手段と、傾斜磁場を形成する傾斜磁場形成手段と、高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、前記高周波磁場を検査対象に印加するとともに検査対象からの磁気共鳴信号を受信する送受信コイルと、前記送受信コイルで受信した磁気共鳴信号を処理する信号処理手段と、前記高周波磁場を検査対象に印加する時は、前記高周波磁場形成手段と前記送受信コイルとを接続し、前記送受信コイルで受信した磁気共鳴信号を処理する時は、前記送受信コイルと前記信号処理手段とを接続する送受信切替手段と、前記傾斜磁場形成手段、前記高周波磁場形成手段および前記信号処理手段を制御する制御手段と、を備える磁気共鳴撮像装置であって、
    前記送受信コイルと前記送受信切替手段とは同軸ケーブルで接続され、
    前記同軸ケーブルはバランを備え、
    前記バランは、請求項1記載のバランであり、前記同軸ケーブルに接続されていること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  13. 静磁場を形成する静磁場形成手段と、傾斜磁場を形成する傾斜磁場形成手段と、高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、前記高周波磁場を検査対象に印加する送信コイルと、検査対象からの磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、前記受信コイルで受信した磁気共鳴信号を処理する信号処理手段と、前記傾斜磁場形成手段、前記高周波磁場形成手段および前記信号処理手段を制御する制御手段と、を備える磁気共鳴撮像装置であって、
    前記高周波磁場形成手段で形成した高周波磁場を前記送信コイルに送信する第一の同軸ケーブルと、
    前記受信コイルで受信した磁気共鳴信号を前記信号処理手段に送信する第二の同軸ケーブルと、を備え、
    前記第一の同軸ケーブルと前記第二の同軸ケーブルとはそれぞれバランを備え、
    前記バランは、請求項1記載のバランであり、前記第一の同軸ケーブルおよび前記第二の同軸ケーブルに接続されていること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  14. 請求項12記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記同軸ケーブルは、前記バランを複数備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  15. 請求項13記載の磁気共鳴撮像装置であって、
    前記第一の同軸ケーブルおよび前記第二の同軸ケーブルの少なくとも一方は、前記バランを複数備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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