JP5217991B2 - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5217991B2
JP5217991B2 JP2008313369A JP2008313369A JP5217991B2 JP 5217991 B2 JP5217991 B2 JP 5217991B2 JP 2008313369 A JP2008313369 A JP 2008313369A JP 2008313369 A JP2008313369 A JP 2008313369A JP 5217991 B2 JP5217991 B2 JP 5217991B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
internal combustion
combustion engine
motor
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008313369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010137605A (ja
Inventor
憲治 板垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008313369A priority Critical patent/JP5217991B2/ja
Publication of JP2010137605A publication Critical patent/JP2010137605A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5217991B2 publication Critical patent/JP5217991B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関し、詳しくは、走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と走行用の動力を入出力可能な電動機と発電機および電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段とを備えるハイブリッド車およびこうしたハイブリッド車の制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、モータからの動力だけで走行する電動走行モードからエンジンからの動力とモータからの動力とにより走行するハイブリッド走行モードに切り替えるタイミングを予測し、予測したタイミングより前にエンジンを始動して暖機運転を行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、電動走行モードからハイブリッド走行モードに切り替える前にエンジンを暖機運転しておくことにより、燃費やエミッションの悪化を抑制している。
特開2007−176392号公報
ハイブリッド車には、停車中に外部電源に接続してバッテリを充電し、システム起動直後は電動走行モードにより走行し、バッテリから放電可能な蓄電量(残容量SOC)が低下したときにハイブリッド走行モードに切り替えるものも提案されているが、電動走行モードで走行している最中に運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んだときには、より大きなパワーを出力する必要からバッテリの蓄電量(残容量SOC)が多くてもハイブリッド走行モードに切り替える場合がある。この場合、運転者のアクセルペダルの踏み込み量が小さくなって走行に必要なパワーが小さくなるとハイブリッド走行モードから再び電動走行モードに切り替えられることが行なわれる。このようにバッテリの蓄電量(残容量SOC)が大きいときにハイブリッド走行モードに切り替えられてエンジンが運転され、その後、電動走行モードに切り替えられたときには、エンジンの暖機運転が不要な場合も生じるし、短時間の暖機でも暖機が完了する場合も生じるが、上述のハイブリッド車のように、バッテリの蓄電量(残容量SOC)が小さくなって電動走行モードからハイブリッド走行モードに切り替える前にエンジンを暖機運転すると、不必要な暖機運転を行なったり、過剰な暖機運転を行なってしまい、燃費を悪化させてしまう。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、システム起動後の走行に必要なパワーを得るために電動走行モードからハイブリッド走行モードに切り替え、その後、ハイブリッド走行モードから電動走行モードに切り替えて走行し、バッテリなどの蓄電装置の蓄電量が小さくなったために電動走行モードからハイブリッド走行モードに切り替える際に、内燃機関の排気を浄化する浄化触媒の暖機を不要にし、燃費の向上とエミッションの悪化を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、少なくとも上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1のハイブリッド車は、
走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
前記蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
走行に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
前記浄化触媒の温度を予め設定された活性化下限温度以上で保持するために前記内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を前記検出された蓄電量に応じて設定する運転継続必要時間設定手段と、
システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から前記設定された要求パワーを出力して走行している最中に前記設定された要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、その後に前記設定された要求パワーが前記内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても前記設定された運転継続必要時間に亘って前記内燃機関の運転が継続されて前記設定された要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1のハイブリッド車では、システム起動から継続して内燃機関の運転を停止した状態で電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行している最中に要求パワーが内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、内燃機関の排気を浄化する浄化触媒の温度を予め設定された活性化下限温度以上で保持するために内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定し、内燃機関の始動後に要求パワーが内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても運転継続必要時間に亘って内燃機関の運転が継続されて要求パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。即ち、浄化触媒の温度が活性化下限温度以上で保持されるから、蓄電手段の蓄電量が小さくなって内燃機関を始動するときの暖機を不要とすることができる。この結果、不必要な暖機運転や過剰な暖機運転を行なうことによる燃費の悪化を抑制することができると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
こうした本発明の第1のハイブリッド車において、前記運転継続必要時間設定手段は、前記検出された蓄電量が大きいほど長くなる傾向に前記運転継続必要時間を設定する手段である、ものとすることもできる。これは蓄電手段の蓄電量が大きいほど内燃機関の運転を停止した状態で電動機からの動力だけで走行する電動走行の時間が長くなり、その分だけ浄化触媒の温度が低下することに基づく。この場合、前記運転継続必要時間設定手段は、前記設定された要求パワーが前記始動用パワーを超えたときに前記蓄電量検出手段により検出される蓄電量と前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用蓄電量との差の蓄電量である差分蓄電量を用いて前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から前記設定された要求パワーを出力して走行することができると推定される推定走行可能時間が経過したときに前記浄化触媒の温度が前記活性化下限温度となるよう前記運転継続必要時間を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、より適正に運転継続必要時間を設定することができ、より適正に燃費の悪化とエミッションの悪化を抑制することができる。さらにこの場合、前記運転継続必要時間設定手段は、単位時間当たりの走行に必要な電力と前記差分蓄電量とに基づいて前記推定走行可能時間を推定する手段である、ものとすることもできる。そして、前記運転継続必要時間設定手段は、前記設定された要求パワーが前記始動用パワーを超えるまでに走行に用いた電力に基づいて演算される前記単位時間当たりの走行に必要な電力を用いて前記推定走行可能時間を推定する手段である、ものとすることもできる。このようにすれば、さらに適正に運転継続必要時間を設定することができ、より適正に燃費の悪化とエミッションの悪化を抑制することができる。
また、本発明の第1のハイブリッド車において、外気温を検出する外気温検出手段を備え、前記運転継続必要時間設定手段は、前記検出された外気温が低いほど長くなる傾向に前記運転継続必要時間を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、より適正に運転継続必要時間を設定することができ、より適正に燃費の悪化とエミッションの悪化を抑制することができる。
本発明の第2のハイブリッド車は、
走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
前記蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
前記浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
走行に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から前記設定された要求パワーを出力して走行する電動走行を継続することができる電動走行継続時間を前記検出された蓄電量に応じて設定する電動走行継続時間設定手段と、
前記設定された電動走行継続時間が経過したときに前記浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定する触媒推定温度設定手段と、
システム起動から継続して前記電動走行を継続している最中に前記設定された要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、その後に前記設定された要求パワーが前記内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても前記検出された前記浄化触媒の温度が前記設定された触媒推定温度を上回るまで前記内燃機関の運転が継続されて前記設定された要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2のハイブリッド車では、システム起動から継続して内燃機関の運転を停止した状態で電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行する電動走行を継続している最中に要求パワーが内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、蓄電手段から放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定される電動走行を継続することができる電動走行継続時間が経過したときに浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定し、内燃機関の始動後に要求パワーが内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても浄化触媒の温度が触媒推定温度を上回るまで内燃機関の運転が継続されて要求パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。即ち、浄化触媒の温度が活性化下限温度以上で保持されるから、蓄電手段の蓄電量が小さくなって内燃機関を始動するときの暖機を不要とすることができる。この結果、不必要な暖機運転や過剰な暖機運転を行なうことによる燃費の悪化を抑制することができると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
こうした本発明の第2のハイブリッド車において、外気温を検出する外気温検出手段を備え、前記触媒推定温度設定手段は、前記検出された外気温が高いほど低くなる傾向に前記推定触媒温度を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、より適正に触媒推定温度を設定することができ、より適正に燃費の悪化とエミッションの悪化を抑制することができる。
また、本発明の第2のハイブリッド車において、前記触媒温度検出手段は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記浄化触媒の温度を推定することにより該浄化触媒の温度を検出する手段である、ものとすることもできる。
本発明の第1のハイブリッド車の制御方法は、
走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行している最中に前記要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、前記浄化触媒の温度を予め設定された活性化下限温度以上で保持するために前記内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を前記蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定し、前記内燃機関の始動後に前記要求パワーが前記内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても前記設定した運転継続必要時間に亘って前記内燃機関の運転が継続されて前記要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の第1のハイブリッド車の制御方法では、システム起動から継続して内燃機関の運転を停止した状態で電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行している最中に要求パワーが内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、内燃機関の排気を浄化する浄化触媒の温度を予め設定された活性化下限温度以上で保持するために内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定し、内燃機関の始動後に要求パワーが内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても運転継続必要時間に亘って内燃機関の運転が継続されて要求パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。即ち、浄化触媒の温度が活性化下限温度以上で保持されるから、蓄電手段の蓄電量が小さくなって内燃機関を始動するときの暖機を不要とすることができる。この結果、不必要な暖機運転や過剰な暖機運転を行なうことによる燃費の悪化を抑制することができると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
本発明の第2のハイブリッド車の制御方法は、
走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行する電動走行を継続している最中に前記要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定される前記電動走行を継続することができる電動走行継続時間が経過したときに前記浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定し、前記内燃機関の始動後に前記要求パワーが前記内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても前記浄化触媒の温度が前記設定した触媒推定温度を上回るまで前記内燃機関の運転が継続されて前記要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の第2のハイブリッド車の制御方法では、システム起動から継続して内燃機関の運転を停止した状態で電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行する電動走行を継続している最中に要求パワーが内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、蓄電手段から放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定される電動走行を継続することができる電動走行継続時間が経過したときに浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定し、内燃機関の始動後に要求パワーが内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても浄化触媒の温度が触媒推定温度を上回るまで内燃機関の運転が継続されて要求パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。即ち、浄化触媒の温度が活性化下限温度以上で保持されるから、蓄電手段の蓄電量が小さくなって内燃機関を始動するときの暖機を不要とすることができる。この結果、不必要な暖機運転や過剰な暖機運転を行なうことによる燃費の悪化を抑制することができると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。第1実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54には、直流電力の電圧を変換してバッテリ50に供給するDC/DCコンバータ56が接続されており、このDC/DCコンバータ56には電源コード59を介して供給される商用電源からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ58が接続されている。したがって、電源コード59を商用電源に接続すると共にAC/DCコンバータ58とDC/DCコンバータ56とを制御することにより、商用電源からの電力によりバッテリ50を充電することができる。なお、AC/DCコンバータ58とDC/DCコンバータ56は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により制御される。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,外気の温度を検出する外気温センサ89からの外気温Toutなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、AC/DCコンバータ58へのスイッチング制御信号やDC/DCコンバータ56のスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであるから、以下、両者を合わせてエンジン運転モードとして考えることができる。
また、第1実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や予め設定した充電ポイントに到達するときにエンジン22の始動については十分に行なうことができる程度にバッテリ50の残容量(SOC)が低くなるように走行中にバッテリ50の充放電の制御を行ない、自宅や予め設定した充電ポイントで車両をシステム停止した後に電源コード59を商用電源に接続し、DC/DCコンバータ56とAC/DCコンバータ58とを制御することによって商用電源から電力によりバッテリ50を満充電や満充電より低い所定の充電状態とする。そして、バッテリ50の充電後にシステム起動したときには、車両に要求されるパワーが大きいときを除いてバッテリ50の残容量(SOC)がエンジン22の始動を行なうことができる程度に設定された閾値Shvに至るまでモータ運転モードによるモータ走行を行なう。
次に、こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にシステム起動後の動作について説明する。図3はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動後駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至ってエンジン22が始動されるまで所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
システム起動後駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,外気温センサ89からの外気温Tout,バッテリ50の残容量(SOC),バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50残容量(SOC)は、電流センサにより検出されたバッテリ50の充放電電流の積算値に基づいて演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と走行のために車両に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、第1実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
こうして要求トルクTr*と要求パワーPe*とを設定すると、エンジン22が運転中であるか運転停止中であるかを判定し(ステップS120)、エンジン22が運転停止中であるときには、設定した要求パワーPe*が閾値Pstart以上であるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、閾値Pstartは、エンジン22を始動してモータ走行からエンジン22からの動力を用いて走行するハイブリッド走行に切り替える必要が生じるパワーとして設定されており、モータMG2から出力可能な最大パワーより若干小さなパワーを用いることができる。
要求パワーPe*が閾値Pstart未満であると判定されると、モータ走行を継続すべきと判断し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に(ステップS140)、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpとして設定し(ステップS150)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2のトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算すると共に(ステップS160)、仮トルクTm2tmpを次式(1)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS170)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。こうした制御により、モータMG2からバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (1)
ステップS130で要求パワーPe*が閾値Pstart以上と判定されると、エンジン22を始動する(ステップS190)。ここで、エンジン22の始動は、モータMG1からトルクを出力すると共にこのトルクの出力に伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクをモータMG2によりキャンセルするトルクを出力することによりエンジン22をクランキングし、エンジン22の回転数Neが所定回転数(例えば1000rpm)に至ったときに燃料噴射制御や点火制御などを開始することにより行なわれる。なお、このエンジン22の始動の最中も要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2の駆動制御が行なわれる。即ち、モータMG2から出力すべきトルクは、要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力するためのトルクとエンジン22をクランキングする際にリングギヤ軸32aに作用するトルクをキャンセルするためのトルクとの和のトルクとなる。
エンジン22を始動すると、バッテリ50の残容量(SOC)から閾値Shvを減じてモータ走行が可能な電力量としてのモータ走行可能容量Smdを計算すると共に(ステップS200)、このモータ走行可能容量Smdをそれまでのモータ走行時における単位時間当たりの電力使用量をバッテリ50の容量に対する比率として示す平均使用容量Waveで除してモータ走行が可能と推定される時間であるモータ走行推定時間Tmdを計算し(ステップS210)、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるようエンジン22の運転継続が必要な時間である運転継続必要時間Tedを設定する(ステップS220)。ここで、平均使用容量Waveとしては、システム起動時のバッテリ50の残容量(SOC)から要求パワーPe*が閾値Pstart以上に至ったときの残容量(SOC)を減じた値をシステム起動から要求パワーPe*が閾値Pstart以上に至るまでに経過した時間で除すことにより求めることができる。また、運転継続必要時間Tedは、実験などによりモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutと運転継続必要時間Tedとの関係を求めて運転継続必要時間設定用マップとして予めROM74に記憶しておき、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとが与えられるとマップから対応する運転継続必要時間Tedを導出することにより設定することができる。図5に運転継続必要時間設定用マップの一例を示す。図示するように、第1実施例では、運転継続必要時間Tedは、モータ走行推定時間Tedが長いほど長く、外気温Toutが低いほど長くなるよう設定される。これは、モータ走行推定時間Tedが長いほど触媒の温度が低下することや、外気温Toutが低いほど触媒の温度は早く低下することに基づく。
こうして運転継続必要時間Tedを設定すると、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS250)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
続いて、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(2)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(3)によりモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*を計算する(ステップS260)。ここで、式(2)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(2)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(3)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(3)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (2)
Tm1*=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (3)
そして、要求トルクTr*にトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(4)により計算し(ステップS270)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(5)および式(6)により計算すると共に(ステップS280)、設定した仮トルクTm2tmpを式(7)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS290)。ここで、式(4)は、図7の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (4)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (6)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (7)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS300)、システム起動後駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
こうしてエンジン22からの動力を用いての走行を開始すると、次回このルーチンが実行されたときにはステップS120でエンジン22は運転中であると判定されるから、要求パワーPe*をエンジン22の運転を停止するための閾値Pstopと比較すると共に(ステップS230)、エンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過しているか否かを判定する(ステップS240)。ここで、閾値Pstopは、エンジン22の始動と運転停止とにヒステリシスを持たせるためにエンジン22を始動するための閾値Pstartより若干小さな値を用いることができる。要求パワーPe*が閾値Pstop以上のときや要求パワーPe*が閾値Pstop未満であってもエンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedを経過していないときにはエンジン22の運転を継続すべきと判断し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22から要求パワーPe*を出力しながら駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する処理を実行して(ステップS250〜S300)、本ルーチンを終了する。
要求パワーPe*が閾値Pstop未満となり且つエンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過すると、エンジン22の運転を停止する(ステップS245)。エンジン22の運転の停止は、エンジン22の運転を停止する制御信号をエンジンECU24に送信し、エンジンECU24がエンジン22への燃料噴射制御や点火制御を停止することにより行なわれる。こうしてエンジン22の運転を停止すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信する処理を実行して(ステップS140〜S180)、本ルーチンを終了する。
図8は、システム起動後の要求パワーPe*とバッテリ50の残容量(SOC)とエンジン22の運転状態と浄化装置134の触媒の温度の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図示するように、システム起動後は、要求パワーPe*が閾値Pstart以上となる時間T1に至るまではエンジン22を始動することなくモータ走行し、時間T1に至るとエンジン22を始動してハイブリッド走行を行なう。そして、要求パワーPe*が閾値Pstartに至った時間T1におけるバッテリ50の残容量(SOC)に基づいてモータ走行推定時間Tmdを設定すると共にこのモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいて運転継続必要時間Tedを設定し、要求パワーPe*が閾値Pstop未満に至ってもエンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過する時間T2まではエンジン22の運転を継続する。運転継続必要時間Tedはモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるように設定されるから、エンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過する時間T2でエンジン22の運転が停止され、その後にバッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでモータ走行しても、浄化装置134の触媒の温度は活性化する下限温度に至るだけで下限温度を下回らない。この結果、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至ってエンジン22を始動したときには既に浄化装置134の触媒は活性化しているから、触媒暖機のためのエンジン22の運転を行なう必要がない。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ると、そのときのバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでのモータ走行推定時間Tmdを設定すると共にこのモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるエンジン22の運転継続時間を運転継続必要時間Tedとして設定し、要求パワーPe*が閾値Pstopに至ってもエンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過するまではエンジン22の運転を継続することにより、その後にバッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでモータ走行しても、浄化装置134の触媒の温度は活性化する下限温度に至るだけで下限温度を下回らないようにすることができる。したがって、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至ってエンジン22を始動したときに触媒暖機のためのエンジン22の運転を行なう必要がない。この結果、不必要な暖機運転や過剰な暖機運転を行なうことによる燃費の悪化を抑制することができると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるようにするエンジン22の運転継続時間を運転継続必要時間Tedとして設定するものとしたが、外気温Toutを用いずにモータ走行推定時間Tmdだけにより運転継続必要時間Tedを設定するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときに、そのときのバッテリ50の残容量(SOC)から閾値Shvを減じてモータ走行可能容量Smdを計算すると共にモータ走行可能容量Smdを平均使用容量Waveで除してモータ走行推定時間Tmdを計算し、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいて運転継続必要時間Tedを設定するものとしたが、要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときに、そのときのバッテリ50の残容量(SOC)から直ちに運転継続必要時間Tedを設定するものとしてもよい。この場合、予めバッテリ50の残容量(SOC)と運転継続必要時間Tedとの関係をマップとしてROM74に記憶しておき、残容量(SOC)が与えられるとマップから対応する運転継続必要時間Tedを導出するものとすればよい。
次に、本発明の第2実施例のハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図9に示すように、浄化装置134の触媒の温度を検出する触媒温度センサ135cを備える点を除いて図1および図2を用いて説明した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成をしている。第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハード構成については、重複する説明を回避するため、第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一のハード構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図9に示すように、浄化装置134の触媒の温度を検出する触媒温度センサ135cを備える。この触媒温度センサ135cは、導電ラインによりエンジンECU24の図示しない入力ポートに接続され、触媒温度TcがエンジンECU24に入力されるようになっている。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bも第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としても、第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に、トルク変換運転モードや充放電運転モード、モータ運転モードがある。また、第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に、自宅や予め設定した充電ポイントに到達するときにエンジン22の始動については十分に行なうことができる程度にバッテリ50の残容量(SOC)が低くなるように走行中にバッテリ50の充放電の制御を行ない、自宅や予め設定した充電ポイントで車両をシステム停止した後に電源コード59を商用電源に接続し、DC/DCコンバータ56とAC/DCコンバータ58とを制御することによって商用電源から電力によりバッテリ50を満充電や満充電より低い所定の充電状態とする。そして、バッテリ50の充電後にシステム起動したときには、車両に要求されるパワーが大きいときを除いてバッテリ50の残容量(SOC)がエンジン22の始動を行なうことができる程度に設定された閾値Shvに至るまでモータ運転モードによるモータ走行を行なう。
次に、こうして構成された第2実施例のハイブリッド自動車20Bの動作、特にシステム起動後の動作について説明する。図10は第2実施例のハイブリッド自動車20Bが備えるハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動後駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至ってエンジン22が始動されるまで所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。図10のシステム起動後駆動制御ルーチンは、ステップS220B,S240Bの処理を除いて図3のシステム起動後駆動制御ルーチンと同一である。このため、図10のシステム起動後駆動制御ルーチンでは、図3のシステム起動後駆動制御ルーチンと同一の処理に対しては同一のステップ番号を用いている。以下、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのシステム起動後の動作について、図10のシステム起動後駆動制御ルーチンを用いて図3のシステム起動後駆動制御ルーチンとの相違部分を中心に説明する。
図10のシステム起動後駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,外気温センサ89からの外気温Tout,触媒温度Tc,バッテリ50の残容量(SOC),バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行し(ステップS100)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と走行のために車両に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。ここで、触媒温度Tcは、触媒温度センサ135cにより検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。そして、エンジン22が運転中であるか運転停止中であるかを判定し(ステップS120)、エンジン22が運転停止中であるときには、設定した要求パワーPe*が閾値Pstart以上であるか否かを判定する(ステップS130)。要求パワーPe*が閾値Pstart未満であると判定されると、モータ走行を継続すべきと判断し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信する処理を実行して(ステップS140〜S180)、本ルーチンを終了する。
一方、要求パワーPe*が閾値Pstart以上と判定されると、エンジン22を始動し(ステップS190)、バッテリ50の残容量(SOC)から閾値Shvを減じてモータ走行可能容量Smdを計算すると共に(ステップS200)、このモータ走行可能容量Smdを平均使用容量Waveで除してモータ走行推定時間Tmdを計算し(ステップS210)、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるよう推定される触媒の温度である触媒推定温度Tsetを設定する(ステップS220B)。触媒推定温度Tsetは、実験などによりモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutと触媒推定温度Tsetとの関係を求めて触媒推定温度設定用マップとして予めROM74に記憶しておき、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとが与えられるとマップから対応する触媒推定温度Tsetを導出することにより設定することができる。図11に触媒推定温度設定用マップの一例を示す。図示するように、第2実施例では、触媒推定温度Tsetは、モータ走行推定時間Tedが長いほど高く、外気温Toutが低いほど高くなるよう設定される。これは、モータ走行推定時間Tedが長いほど触媒の温度が低下することや、外気温Toutが低いほど触媒の温度は早く低下することに基づく。
こうして触媒推定温度Tsetを設定すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22から要求パワーPe*を出力しながら駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する処理を実行して(ステップS250〜S300)、本ルーチンを終了する。
こうしてエンジン22からの動力を用いての走行を開始すると、次回からこのルーチンが実行されたときにはステップS120でエンジン22は運転中であると判定されるため、要求パワーPe*を閾値Pstopと比較すると共に(ステップS230)、入力した触媒温度Tcを触媒推定温度Tsetと比較する(ステップS240B)。要求パワーPe*が閾値Pstop以上のときや要求パワーPe*が閾値Pstop未満であっても触媒温度Tcが触媒推定温度Tset未満のときにはエンジン22の運転を継続すべきと判断し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22から要求パワーPe*を出力しながら駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する処理を実行して(ステップS250〜S300)、本ルーチンを終了する。
要求パワーPe*が閾値Pstop未満となり且つ触媒温度Tcが触媒推定温度Tset以上であると判定されると、エンジン22の運転を停止し(ステップS245)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信する処理を実行して(ステップS140〜S180)、本ルーチンを終了する。
図12は、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのシステム起動後の要求パワーPe*とバッテリ50の残容量(SOC)とエンジン22の運転状態と浄化装置134の触媒の温度の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図示するように、システム起動後は、要求パワーPe*が閾値Pstart以上となる時間T11に至るまではエンジン22を始動することなくモータ走行し、時間T11に至るとエンジン22を始動してハイブリッド走行を行なう。そして、要求パワーPe*が閾値Pstartに至った時間T11におけるバッテリ50の残容量(SOC)に基づいてモータ走行推定時間Tmdを設定すると共にこのモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいて触媒推定温度Tsetを設定し、要求パワーPe*が閾値Pstop未満に至っても触媒温度Tcが触媒推定温度Tset以上となるまではエンジン22の運転を継続する。触媒推定温度Tsetはモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるように設定されるから、触媒温度Tcが触媒推定温度Tsetに至った時間T12でエンジン22の運転が停止され、その後にバッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでモータ走行しても、浄化装置134の触媒の温度は活性化する下限温度に至るだけで下限温度を下回らない。この結果、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至ってエンジン22を始動したときには既に浄化装置134の触媒は活性化しているから、触媒暖機のためのエンジン22の運転を行なう必要がない。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ると、そのときのバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでのモータ走行推定時間Tmdを設定すると共にこのモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となる触媒の温度を触媒推定温度Tsetとして設定し、要求パワーPe*が閾値Pstopに至っても触媒温度Tcが触媒推定温度Tsetに至るまではエンジン22の運転を継続することにより、その後にバッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでモータ走行しても、浄化装置134の触媒の温度は活性化する下限温度に至るだけで下限温度を下回らないようにすることができる。したがって、バッテリ50の残容量(SOC)が閾値Shvに至ってエンジン22を始動したときに触媒暖機のためのエンジン22の運転を行なう必要がない。この結果、不必要な暖機運転や過剰な暖機運転を行なうことによる燃費の悪化を抑制することができると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となる触媒の温度を触媒推定温度Tsetとして設定するものとしたが、外気温Toutを用いずにモータ走行推定時間Tmdだけにより触媒推定温度Tsetを設定するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときに、そのときのバッテリ50の残容量(SOC)から閾値Shvを減じてモータ走行可能容量Smdを計算するものとしたが、バッテリ50の残容量(SOC)に係数を乗じてモータ走行可能容量Smdを計算するものとしてもよいし、バッテリ50の残容量(SOC)をそのままモータ走行可能容量Smdとするものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータ走行可能容量Smdをシステム起動からのモータ走行時における単位時間当たりの電力使用量をバッテリ50の容量に対する比率として示す平均使用容量Waveで除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしたが、システム起動からのモータ走行におけるものだけでなく、前回や前々回のシステム起動後のモータ走行における単位時間当たりの電力使用量のバッテリ50の容量に対する比率としての平均使用容量によりモータ走行可能容量Smdを除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしてもよいし、平均使用容量に代えて予め設定した所定値によりモータ走行可能容量Smdを除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図13における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図14の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2とを備えるものとしたが、走行用の動力を出力可能なエンジンと、エンジンからの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能なモータと、発電機やモータと電力のやりとりを行なうバッテリとを備えるハイブリッド自動車であれば如何なる構成としても構わない。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54にDC/DCコンバータ56とAC/DCコンバータ58と電源コード59とを備え、電源コード59を商用電源に接続して商用電源からの電力によりバッテリ50を充電するものとしたが、こうしたDC/DCコンバータ56やAC/DCコンバータ58,電源コード59を備えないものとしても構わない。この場合、システム起動後駆動制御ルーチンをシステム起動後に単にモータ走行する場合の制御に用いればよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、ハイブリッド車の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1実施例では、浄化装置134が排気系に取り付けられたエンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ50の残容量(SOC)を演算するバッテリECU52が「蓄電量検出手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものにLossを加えることにより計算する図3のシステム起動後駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求パワー設定手段」に相当し、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときのバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでのモータ走行推定時間Tmdを設定すると共にこのモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるエンジン22の運転継続時間を運転継続必要時間Tedとして設定する図3のシステム起動後駆動制御ルーチンのステップS200〜S220の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「運転継続必要時間設定手段」に相当し、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときには、要求パワーPe*が閾値Pstopに至ってもエンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過するまではエンジン22の運転を継続しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,モータMG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*,目標トルクTe*を受信して目標回転数Ne*,目標トルクTe*でエンジン22が運転されるようエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*を受信してトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動するようインバータ41,42のスイッチング素子をスイッチング制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
第2実施例では、浄化装置134が排気系に取り付けられたエンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ50の残容量(SOC)を演算するバッテリECU52が「蓄電量検出手段」に相当し、触媒温度Tcを検出する触媒温度センサ135cが「触媒温度検出手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものにLossを加えることにより計算する図10のシステム起動後駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求パワー設定手段」に相当し、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときのバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでのモータ走行推定時間Tmdを設定する図10のシステム起動後駆動制御ルーチンのステップS200〜S210の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「電動走行継続時間設定手段」に相当し、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となる触媒の温度を触媒推定温度Tsetとして設定する図10のシステム起動後駆動制御ルーチンのステップS220Bの処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「触媒推定温度設定手段」に相当し、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときには、要求パワーPe*が閾値Pstopに至っても触媒温度Tcが触媒推定温度Tsetに至るまではエンジン22の運転を継続しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,モータMG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*,目標トルクTe*を受信して目標回転数Ne*,目標トルクTe*でエンジン22が運転されるようエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*を受信してトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動するようインバータ41,42のスイッチング素子をスイッチング制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、第1のハイブリッド車において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「蓄電量検出手段」としては、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ50の残容量(SOC)を演算するものに限定されるものではなく、バッテリ50の端子間電圧に基づいて設定するものなど、蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求パワー設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものにLossを加えることにより計算するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求パワーを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「運転継続必要時間設定手段」としては、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときのバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでのモータ走行推定時間Tmdを設定すると共にこのモータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となるエンジン22の運転継続時間を運転継続必要時間Tedとして設定するものに限定されるものではなく、バッテリ50の残容量(SOC)に係数を乗じてモータ走行可能容量Smdを計算するものとしたり、システム起動からのモータ走行におけるものだけでなく、前回や前々回のシステム起動後のモータ走行における単位時間当たりの電力使用量のバッテリ50の容量に対する比率としての平均使用容量によりモータ走行可能容量Smdを除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしたり、平均使用容量に代えて予め設定した所定値によりモータ走行可能容量Smdを除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしたり、外気温Toutを用いずにモータ走行推定時間Tmdだけにより運転継続必要時間Tedを設定するものとしたり、要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときに、そのときのバッテリ50の残容量(SOC)から直ちに運転継続必要時間Tedを設定するものとしたりするなど、浄化触媒の温度を予め設定された活性化下限温度以上で保持するために内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を蓄電量に応じて設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときには、要求パワーPe*が閾値Pstopに至ってもエンジン22を始動してから運転継続必要時間Tedが経過するまではエンジン22の運転を継続しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するようエンジン22やモータMG1,モータMG2を制御するものに限定されるものではなく、システム起動から継続して内燃機関の運転を停止した状態で電動機から要求パワーを出力して走行している最中に要求パワーが内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、その後に要求パワーが内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても運転継続必要時間に亘って内燃機関の運転が継続されて要求パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
また、第2のハイブリッド車において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「蓄電量検出手段」としては、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ50の残容量(SOC)を演算するものに限定されるものではなく、バッテリ50の端子間電圧に基づいて設定するものなど、蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「触媒温度検出手段」としては、触媒温度Tcを検出する触媒温度センサ135cに限定されるものではなく、エンジン水温と経過時間などから浄化触媒の温度を推定することにより検出するものなど浄化触媒の温度を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求パワー設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものにLossを加えることにより計算するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求パワーを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動走行継続時間設定手段」としては、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときのバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて残容量(SOC)が閾値Shvに至るまでのモータ走行推定時間Tmdを設定するものに限定されるものではなく、バッテリ50の残容量(SOC)に係数を乗じてモータ走行可能容量Smdを計算するものとしたり、システム起動からのモータ走行におけるものだけでなく、前回や前々回のシステム起動後のモータ走行における単位時間当たりの電力使用量のバッテリ50の容量に対する比率としての平均使用容量によりモータ走行可能容量Smdを除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしたり、予め設定した所定値を平均使用容量に代えてモータ走行可能容量Smdを除してモータ走行推定時間Tmdを計算するものとしたりするなど、内燃機関の運転を停止した状態で電動機から要求パワーを出力して走行する電動走行を継続することができる電動走行継続時間を蓄電量に応じて設定するものであれば如何なるものとしても構わない。
「触媒推定温度設定手段」としては、モータ走行推定時間Tmdと外気温Toutとに基づいてモータ走行推定時間Tmdだけモータ走行をしたときに浄化装置134の触媒の温度が触媒が活性化する下限温度となる触媒の温度を触媒推定温度Tsetとして設定するものに限定されるものではなく、外気温Toutを用いずにモータ走行推定時間Tmdだけにより触媒推定温度Tsetを設定するものとするなど、電動走行継続時間が経過したときに浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、システム起動後にモータ走行している最中に要求パワーPe*が閾値Pstartに至ったときには、要求パワーPe*が閾値Pstopに至っても触媒温度Tcが触媒推定温度Tsetに至るまではエンジン22の運転を継続しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するようエンジン22やモータMG1,モータMG2を制御するものに限定されるものではなく、システム起動から継続して電動走行を継続している最中に要求パワーが内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、その後に要求パワーが内燃機関の運転を停止するために予め設定された停止用パワーを下回っても浄化触媒の温度が触媒推定温度を上回るまで内燃機関の運転が継続されて要求パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
本発明の第1実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 第1実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動後駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 運転継続必要時間設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 システム起動後の要求パワーPe*とバッテリ50の残容量(SOC)とエンジン22の運転状態と浄化装置134の触媒の温度の時間変化の様子の一例を示す説明図である。 第2実施例のエンジン22の構成の概略を示す構成図である。 第2実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動後駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 触媒推定温度設定用マップの一例を示す説明図である。 システム起動後の要求パワーPe*とバッテリ50の残容量(SOC)とエンジン22の運転状態と浄化装置134の触媒の温度の時間変化の様子の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,20B,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、56 DC/DCコンバータ、58 AC/DCコンバータ、59 電源コード、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、135c 触媒温度センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (11)

  1. 走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    前記蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
    走行に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
    前記検出された蓄電量に基づいて前記電動機から前記設定された要求パワーを出力して走行する電動走行が可能な時間として推定される推定走行可能時間を推定し、前記内燃機関の運転を停止した状態で前記推定走行可能時間に亘って前記電動走行したときに前記浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度となるように前記内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を設定する運転継続必要時間設定手段と、
    システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動走行している最中に前記設定された要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、前記内燃機関を始動し、前記設定された運転継続必要時間に亘って前記内燃機関の運転が継続されて前記設定された要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車であって、
    前記運転継続必要時間設定手段は、前記検出された蓄電量が大きいほど長くなる傾向に前記運転継続必要時間を設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  3. 請求項2記載のハイブリッド車であって、
    前記運転継続必要時間設定手段は、前記設定された要求パワーが前記始動用パワーを超えたときに前記蓄電量検出手段により検出される蓄電量と前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用蓄電量との差の蓄電量である差分蓄電量を用いて前記推定走行可能時間を推定して前記運転継続必要時間を設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  4. 請求項3記載のハイブリッド車であって、
    前記運転継続必要時間設定手段は、単位時間当たりの走行に必要な電力と前記差分蓄電量とに基づいて前記推定走行可能時間を推定する手段である、
    ハイブリッド車。
  5. 請求項4記載のハイブリッド車であって、
    前記運転継続必要時間設定手段は、前記設定された要求パワーが前記始動用パワーを超えるまでに走行に用いた電力に基づいて演算される前記単位時間当たりの走行に必要な電力を用いて前記推定走行可能時間を推定する手段である、
    ハイブリッド車。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載のハイブリッド車であって、
    外気温を検出する外気温検出手段を備え、
    前記運転継続必要時間設定手段は、前記検出された外気温が低いほど長くなる傾向に前記運転継続必要時間を設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  7. 走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    前記蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
    前記浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    走行に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
    前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から前記設定された要求パワーを出力して走行する電動走行を継続することができる電動走行継続時間を前記検出された蓄電量に応じて設定する電動走行継続時間設定手段と、
    前記設定された電動走行継続時間が経過したときに前記浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定する触媒推定温度設定手段と、
    システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動走行を継続している最中に前記設定された要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、前記内燃機関を始動し、前記検出された前記浄化触媒の温度が前記設定された触媒推定温度を上回るまで前記内燃機関の運転が継続されて前記設定された要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  8. 請求項7記載のハイブリッド車であって、
    外気温を検出する外気温検出手段を備え、
    前記触媒推定温度設定手段は、前記検出された外気温が高いほど低くなる傾向に前記触媒推定温度を設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  9. 請求項7または8記載のハイブリッド車であって、
    前記触媒温度検出手段は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記浄化触媒の温度を推定することにより該浄化触媒の温度を検出する手段である、
    ハイブリッド車。
  10. 走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
    システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行する電動走行している最中に前記要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、前記蓄電手段に放電可能に蓄えられた蓄電量に基づいて前記電動走行が可能な時間として推定される推定走行可能時間を推定すると共に前記内燃機関の運転を停止した状態で前記推定走行可能時間に亘って前記電動走行したときに前記浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度となるように前記内燃機関の運転継続が必要となる運転継続必要時間を設定し前記内燃機関を始動し、前記設定した運転継続必要時間に亘って前記内燃機関の運転が継続されて前記要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
  11. 走行用の動力を出力可能で排気浄化用の浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられた内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電機と、走行用の動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
    システム起動から継続して前記内燃機関の運転を停止した状態で前記電動機から走行に要求される要求パワーを出力して走行する電動走行を継続している最中に前記要求パワーが前記内燃機関を始動するために予め設定された始動用パワーを超えたときには、前記蓄電手段から放電可能に蓄えられた蓄電量に応じて設定される前記電動走行を継続することができる電動走行継続時間が経過したときに前記浄化触媒の温度が予め設定された活性化下限温度に至ると推定される触媒推定温度を設定し、前記内燃機関を始動し、前記浄化触媒の温度が前記設定した触媒推定温度を上回るまで前記内燃機関の運転が継続されて前記要求パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
JP2008313369A 2008-12-09 2008-12-09 ハイブリッド車およびその制御方法 Expired - Fee Related JP5217991B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008313369A JP5217991B2 (ja) 2008-12-09 2008-12-09 ハイブリッド車およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008313369A JP5217991B2 (ja) 2008-12-09 2008-12-09 ハイブリッド車およびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010137605A JP2010137605A (ja) 2010-06-24
JP5217991B2 true JP5217991B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=42348129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008313369A Expired - Fee Related JP5217991B2 (ja) 2008-12-09 2008-12-09 ハイブリッド車およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5217991B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5703716B2 (ja) * 2010-11-26 2015-04-22 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車
JP5267622B2 (ja) * 2011-07-26 2013-08-21 トヨタ自動車株式会社 動力装置の制御装置
JP6369542B2 (ja) * 2014-06-23 2018-08-08 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP6331749B2 (ja) * 2014-06-23 2018-05-30 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
US10865759B2 (en) 2018-08-24 2020-12-15 A Tech Aerospace, Inc. Battery enhancer for a vehicle
FR3091837B1 (fr) 2019-01-17 2020-12-18 Renault Sas Procede de controle du demarrage d’un moteur thermique dans un groupe motopropulseur hybride
JP2023097029A (ja) * 2021-12-27 2023-07-07 スズキ株式会社 ハイブリッド車両の制御装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3374719B2 (ja) * 1997-09-29 2003-02-10 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP3700715B2 (ja) * 2003-08-12 2005-09-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2007302185A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Toyota Motor Corp 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP4862621B2 (ja) * 2006-11-15 2012-01-25 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010137605A (ja) 2010-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4293266B2 (ja) ハイブリッド車
JP4183013B1 (ja) 車両およびその制御方法
JP4321619B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP4552921B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP4850801B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両、内燃機関装置の制御方法
JP4222427B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP2010179780A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5023957B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5217991B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5459144B2 (ja) ハイブリッド車
JP2013193533A (ja) ハイブリッド車
JP2007302185A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP5245899B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5716425B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2010105626A (ja) 車両およびその制御方法
JP5206475B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5246090B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2008239077A (ja) 車両およびその制御方法
JP2009279965A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5751185B2 (ja) ハイブリッド車
JP2010202137A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2012071739A (ja) ハイブリッド自動車
JP5115423B2 (ja) ハイブリッド車およびハイブリッド車の制御方法
JP2009274628A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2008247098A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5217991

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees