JP5216685B2 - 多目的最適解集合算出装置及び多目的最適解集合算出方法及び多目的最適解集合算出プログラム - Google Patents

多目的最適解集合算出装置及び多目的最適解集合算出方法及び多目的最適解集合算出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、複数の設計変数からトレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせとなる全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出装置及び多目的最適解集合算出方法及び多目的最適解集合算出プログラムに関する。
駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係(一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという二律背反の関係)にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解(一意に解が定まらずに互いに優越しない複数の解)の集合を算出する多目的最適解集合算出装置としては、特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1に開示される多目的最適解集合算出装置は、全体最適解の集合を全ての部分最適解から算出する。
また、この特許文献1に開示される多目的最適解集合算出装置は、自動車用のエンジンの評価装置に適用可能であり、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度等の設計変数により出力されるトレードオフ関係となる燃費とNOxの排出濃度を目的関数として、全体最適解を算出することができる。
特開2009−3578号公報
しかし、この特許文献1に開示される多目的最適解集合算出装置は、エンジンの評価装置に適用した場合に、全体最適解の集合を全ての部分最適解から算出するために、駆動基準(例えば、法定される走行モード)を満たさない領域の全体最適解の集合を算出してしまうことがあった。
そこで、本発明は、駆動基準を充足する全体最適解を算出することができる多目的最適解算出装置及び多目的最適解集合算出方法及び多目的最適解集合算出プログラムを提供することを目的とする。
本発明の多目的最適解集合算出装置は、駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出装置であって、前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に基づいて算出された前記トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する前記設計変数の部分最適解の集合と、複数のステップから構成されステップ毎に前記駆動対象の駆動状態が異なる駆動基準のステップ毎の駆動状態の値を入力する入力部と、前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に抽出される前記部分最適解に基づいて、前記駆動状態の範囲内の前記部分最適解を予測可能な達成値マップを作成する達成値マップ作成部と、前記目的関数の項目毎に作成される達成値マップから前記駆動状態の値に対応する達成値を抽出する達成値抽出部と、前記達成値を前記駆動基準のステップ毎に積算して算出される総和達成値から全体最適解の集合を算出する全体最適解算出部とを備える。
また、本発明の多目的最適解集合算出装置は、前記達成値マップにより得られる所定数の前記達成値を多目的遺伝アルゴリズムの初期化に用いられる初期値として抽出する初期値抽出部を備え、前記全体最適解算出部は、当該初期値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムにより最適解を算出することが好ましい。
また、前記駆動状態は、エンジンの回転数及びエンジンのトルクであることが好ましい。
また、前記目的関数は、少なくともエンジンの燃費及びNOxの排出濃度を含むことが好ましい。
また、本発明の多目的最適解集合算出方法は、駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出方法であって、前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に基づいて算出された前記トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する前記設計変数の部分最適解の集合と、複数のステップから構成されステップ毎に前記駆動対象の駆動状態が異なる駆動基準のステップ毎の駆動状態の値を入力する入力工程と、前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に抽出される前記部分最適解に基づいて、前記駆動状態の範囲内の前記部分最適解を予測可能な達成値マップを作成する達成値マップ作成工程と、前記目的関数の項目毎に作成される達成値マップから前記駆動状態の値に対応する達成値を抽出する達成値抽出工程と、前記達成値を前記駆動基準のステップ毎に積算して算出される総和達成値から全体最適解の集合を算出する全体最適解算出工程とを備える。
また、本発明の多目的最適解集合算出方法は、前記達成値マップにより得られる所定数の前記達成値を多目的遺伝アルゴリズムの初期化に用いられる初期値として抽出する初期値抽出工程を備え、前記全体最適解算出工程は、当該初期値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムにより最適解を算出することが好ましい。
また、前記駆動状態は、エンジンの回転数及びエンジンのトルクであることが好ましい。
また、前記目的関数は、少なくともエンジンの燃費及びNOxの排出濃度を含むことが好ましい。
また、本発明の多目的最適解集合算出プログラムは、駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出プログラムであって、コンピュータに、前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に基づいて算出された前記トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する前記設計変数の部分最適解の集合と、複数のステップから構成されステップ毎に前記駆動対象の駆動状態が異なる駆動基準のステップ毎の駆動状態の値を入力する入力工程と、前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に抽出される前記部分最適解に基づいて、前記駆動状態の範囲内の前記部分最適解を予測可能な達成値マップを作成する達成値マップ作成工程と、前記目的関数の項目毎に作成される達成値マップから前記駆動状態の値に対応する達成値を抽出する達成値抽出工程と、前記達成値を前記駆動基準のステップ毎に積算して算出される総和達成値から全体最適解の集合を算出する全体最適解算出工程とを、実行させる
また、本発明の多目的最適解集合算出プログラムは、前記達成値マップにより得られる所定数の前記達成値を多目的遺伝アルゴリズムの初期化に用いられる初期値として抽出する初期値抽出工程を備え、前記全体最適解算出工程は、当該初期値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムにより最適解を算出することが好ましい。
また、前記駆動状態は、エンジンの回転数及びエンジンのトルクであることが好ましい。
また、前記目的関数は、少なくともエンジンの燃費及びNOxの排出濃度を含むことが好ましい。
本発明によれば、駆動基準を充足する全体最適解を算出することができる多目的最適解算出装置及び多目的最適解集合算出方法及び多目的最適解集合算出プログラムを提供することができる。
本実施形態の多目的最適解集合算出装置の概要を示す図である。 本実施形態の多目的最適解集合算出装置の機能を示す機能ブロック図である。 本実施形態の多目的最適解集合算出方法を示すフローチャートである。 多目的遺伝アルゴリズムのSPEA2の概要を示す図で、(a)は図3のステップST5に相当する図、(b)は図3のステップST6に相当する図、(c)は図3のステップST8に相当する図、(d)は図3のステップST9に相当する図、(e)は図3のステップST10に相当する図である。 達成値マップにおける達成値の抽出を示す図で、(a)はモードを示す図、(b)は燃費における達成値マップを示す図、(c)はNOxにおける達成値マップを示す図である。 駆動基準である都市内走行モード(JE05)を示す図である。 達成値マップの作成方法を表す図で、(a)は燃費マップ(NOxマップ)を示す図、(b)は計算用の燃費マップ(NOxマップ)を示す図である。 達成値マップの作成方法を表す図で、(a)は補間曲線を示す図、(b)は燃費マップ(NOxマップ)の有効範囲を示す図である。
以下、自動車用のエンジンの再設定に供する場合の本発明の一実施形態について、図1から7を用いて説明する。図1は、本実施形態の多目的最適解集合算出装置の概要を示す図である。図2は、本実施形態の多目的最適解集合算出装置の機能を示す機能ブロック図である。図3は、本実施形態の多目的最適解集合算出方法を示すフローチャートである。図4は、多目的遺伝アルゴリズムのSPEA2の概要を示す図で、(a)は図3のステップST5に相当する図、(b)は図3のステップST6に相当する図、(c)は図3のステップST8に相当する図、(d)は図3のステップST9に相当する図、(e)は図3のステップST10に相当する図である。図5は、達成値マップにおける達成値の抽出を示す図で、(a)はモードを示す図、(b)は燃費における達成値マップを示す図、(c)はNOxにおける達成値マップを示す図である。図6は、駆動基準である都市内走行モード(JE05)を示す図である。図7は、達成値マップの作成方法を表す図で、(a)は燃費マップ(NOxマップ)を示す図、(b)は計算用の燃費マップ(NOxマップ)を示す図である。図8は、達成値マップの作成方法を表す図で、(a)は補間曲線を示す図、(b)は燃費マップ(NOxマップ)の有効範囲を示す図である。
自動車用のエンジンの再設定に供するための多目的最適解集合算出装置101は、図1に示すように、エンジン性能測定装置100を介してエンジンの計測データから算出される後述する部分最適解の集合と車両諸元と駆動基準となる走行モードとを入力する入力部1と、部分最適解を用いて車両諸元及び走行モードに応じた後述する全体最適解の集合を最終的に算出する処理部2と、処理部2により算出された全体最適解の集合をディスプレイ等に出力する出力部3とを備える。
入力部1は、外部装置等(本実施形態においては、エンジン性能測定装置100である。)から入手した設計変数及び目的関数に基づいて、後述する部分最適解を算出する部分最適解算出部11を備える。また、入力部1は、最終的に部分最適解と、駆動対象の駆動基準と、その他のデータとを入力する。
駆動対象は、動作原因(駆動原因)となる後に詳述する設計変数を設定(入力)して、動作(駆動)させることにより、後に詳述する目的関数を出力する。駆動対象は、設計変数の値を変化させることにより、出力する目的関数の値が変化する。本実施形態において、駆動対象は、エンジンとして以下の説明を行うが、エンジンに限定されるものではない。
設計変数は、駆動対象の駆動に影響を与える制御可能な要素(駆動原因)となる入力(因子)であり、駆動状態(以下、第1の設計変数という。)及び設計変数(以下、第2の設計変数という。)からなる。第1の設計変数は、2要素で構成される。また、第1の設計変数は、本実施形態において、回転数及びトルクとして以下の説明を行うが、回転数やトルクに限定されるものではない。
また、第2の設計変数は、本実施形態においては、燃料噴射タイミング及び燃料噴射量の2要素として以下の説明を行うが、燃料噴射タイミングや燃料噴射量に限定されるものではない。また、2要素に限定されるものではない。
目的関数は、駆動原因となる設計変数の駆動結果である出力(因子に対する応答)に相当する。目的関数は、設計変数(第1の設計変数及び第2の設計変数)と相関関係を有し、駆動対象の駆動結果となる。また、目的関数は、本実施形態においては、NOx(Nitrogen Oxide x、窒素酸化物)の排出量(以下、単にNOxという。)と燃費として以下の説明を行うが、NOxや燃費に限定されるものではない。また、2要素に限定されるものではない。
また、各目的関数は、互いに二律背反する関係、いわゆる、トレードオフ関係となる要素である。本実施形態の目的関数であるNOx及び燃費は、NOxを低減するために調整を行うと燃費が低下し、燃費を向上させるために調整を行うとNOxが高くなってしまう関係にある。
設計変数及び目的関数におけるデータは、エンジンと接続されるエンジン性能測定装置100により生成され、入力部1に入力される。エンジン性能測定装置100は、以下のような構成で、エンジンの計測データを入手する。
なお、エンジン性能測定装置100は、エンジンとエンジンのスロットル開度を変化させるスロットルアクチュエータと、エンジンの回転数を検出する回転センサと、ダイナモ等の負荷に接続されるクラッチと、スロットルアクチュエータと、クラッチと、エンジンとを制御する制御部と、データ収集部により構成される。
制御部のスロットルアクチュエータの制御は、スロットル開度をスロット閉状態から所定のスロットル開度に段階的に変化させる処理を様々なスロットル開度に対して実行することにより行われる。制御部は、ECU(Engine Control Unit)としても動作可能であり、燃料噴射タイミングや燃料噴射等のエンジン設定を制御可能である。
データ収集部は、所定の設定に基づいてエンジンを駆動させたときに測定される出力データ(本実施形態においては、燃費及びNOxである。)を収集する。この出力データは、エンジンの駆動条件(本実施形態においては、回転数、トルク、燃料噴射タイミング及び燃料噴射量である。)と共に、座標値に変換可能な標本として生成される。
入力部1には、エンジン性能測定装置100から取得した計測データから部分最適解算出部11により、回転数及びトルクを段階的に変更したモード条件毎に、第2の設計変数(燃料噴射タイミング及び燃料噴射量)及び目的関数(NOxと燃費)に基づいて算出された最適解(以下、部分最適解という。)の集合のデータが入力される(図5(a)参照)。部分最適解とは、いわゆる多目的最適化問題における他の解に優越しない解(パレート解)のことである。本実施形態において、部分最適解は、他のNOxと燃費のいずれの組み合わせにも優越されない関係となるNOxと燃費の組み合わせである。この部分最適解は、標本としてエンジンの駆動条件の情報も保持している。このため、最適解を指定することにより、目的関数であるNOxと燃費と共に、設計変数である燃料噴射タイミング及び燃料噴射量も特定可能となる。
NOxと燃費における部分最適解の集合データは、目的関数を成分(軸)とする2次元空間上に部分最適解の集合を配置することで表示可能となる。
また、入力部1においては、部分最適解算出部11により算出され、最終的に入力される部分最適解の集合データは、所定の回転数及びトルクについて、燃料噴射タイミング及び燃料噴射量を変えて測定したものである。入力される所定の回転数及びトルクごとの部分最適解データは、所定の回転数及びトルクごとに1つの単位となるデータ(モードデータ)として扱われる(図5(a)参照)。
駆動対象の駆動基準は、本実施形態においては、車両の走行基準となる走行パターンである。駆動基準は、本実施形態においては、国土交通省の審査値で、重量車(車両総重量3.5t以上のバス、トラック等)について用いられる都内走行モード(JE05)に準じたデータを用いる(図6参照)。また、走行パターンは、一定時間の間隔で区切られたステップにより構成される。本実施形態においては、1秒間隔で区切られる。
その他のデータは、本測定に用いられる車両の諸元データ(エンジン諸元データとして回転及びトルク、車両諸元データとして、R/L(転がり抵抗や空気抵抗などの走行抵抗)、変速機諸元データとして、ギア比、シフト)である。
処理部2は、入力部1が入力したデータに基づいて、所定の処理を行う初期値抽出部20と、初期値抽出部20により抽出された初期値に基づいて処理を行う全体最適解算出部21とを備える。
初期値抽出部20は、部分最適解抽出部200と、達成値マップ作成部201と、達成値抽出部202とを備え、図4(a)に示すような初期値を抽出する。
部分最適解抽出部200は、図5(a)に示すように、入力部1の各モードから所定の法則により、1つの部分最適解となる標本(S1、S2、S3)を抽出する。
達成値マップ作成部201は、入力部1のデータに基づいて、図7及び図8に示す補間を行い、最終的には図5(b)、(c)に示すような燃費における達成値マップ及びNOxにおける達成値マップを作成する。
達成値抽出部202は、図5(b)、(c)に示すように、達成値マップ作成部201により作成された達成値マップから、図6に示す走行パターンの各ステップの値と合致する値となる達成値(A1、A2)を抽出する。
全体最適解算出部21は、達成値抽出部202により算出された達成値から、達成値をステップ毎に積算し、総和達成値を算出し、他の総和達成値に優越しない複数の全体最適解(全体最適解の集合)を算出する。
出力部3は、図4(e)に示すように、全体最適解算出部21により作成された全体最適解の集合をディスプレイ等に表示する。また、出力部は、1の全体最適解を指定することにより、全体最適解を構成する要素を特定可能に表示する。
このように構成される多目的最適解集合算出装置101は、回転数とトルクが異なる各モードで算出された部分最適解集合の中から、走行モードに準ずる最適な組み合わせを全体最適解の集合として提示する。そして、多目的最適解集合算出装置101は、ユーザが1の全体最適解を指定することにより、この全体最適解を構成する各モード条件下の最適解、この各モード条件下の部分最適解を構成する第1の設計変数(回転数及びトルク)、及び第2の設計変数(燃料噴射タイミング及び燃料噴射量)を特定することができる機能を有している。つまり、本実施形態の多目的最適解集合算出装置は、走行モードに沿って、走行した場合に、走行した結果が最小となるような全体最適解を算出することができる。
ここで、本実施形態の多目的最適解集合算出装置の具体的な動作(処理)について、図3を用いて説明する。なお、本実施形態における全体最適点の探索(全体最適解集合の算出)は、多目的遺伝アルゴリズムのSPEA2(Strength Pareto Evolutionary Algorithm)により行われることを想定して以下に説明する。多目的遺伝アルゴリズムとは、多目的最適化問題の解を導き出す手法の一種であり、多目的最適化問題を多点検索という機能を利用して解を導き出すことができる。本実施形態においては、この多目的遺伝アルゴリズムを用いて、トレードオフ関係となる目的関数の組み合わせのうち、他の目的関数の組み合わせに優越するような組み合わせとなる解(全体最適解)の集合を算出する。
また、多目的遺伝アルゴリズムとは、概念的には、解の候補を複数算出し、これらを生物(遺伝子)と考える。この解は、最適化に適した遺伝子は自らのコピーを作ることができ、適さない解は死滅すると捉えて消去(淘汰)される。また、この解は、コピーを作る際に突然変異・交叉が起きて新たな解が次々と生成される。このようにして、多目的遺伝アルゴリズムは、複数の解から淘汰や交叉・突然変異を繰り返すことによって、最適解へ向けて複数の解が収束し、最終的に最適解の集合を導き出すことができる。
なお、SPEA2は、多目的遺伝アルゴリズムの1手法であり、図4に示すような、各工程(初期化工程、ランク付け工程、淘汰行程及び交叉・突然変異工程)を経て、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせの中から全体最適解の集合を効率的に算出するものである。
ステップST1において、部分最適解算出部11は、エンジン性能測定装置100から取得した計測データから部分最適解を算出して、処理部2に入力をする。
ステップST2において、初期値抽出部20は、多目的遺伝アルゴリズムのSPEA2における初期化に相当する処理を行う。初期化は、多点探索を実行するための母集団となる複数の標本(全体最適解)を抽出する工程である。
本ステップにおいて、部分最適解抽出部200は、図5(a)に示すように、部分最適解算出部11により算出され入力部1により入力された回転数とトルクの異なる各モード条件下において、エンジン設定値を変化させた場合のNOx及び燃費における部分最適解の集合の中から1の部分最適解(標本)を抽出する。本実施形態においては、例えば、モード1からはS1、モード2からはS2、モード3からはS3が抽出される。
ステップST3において、達成値マップ作成部201は、最終的に図5(b)に示すような、燃費における達成値マップを作成する。この燃費における達成値マップは、部分最適解抽出部200により抽出された各モードの部分最適解を補間して作成され、燃費が等高線状に分布するように表示される。なお、図5(b)における黒丸として表示される各座標点は、抽出された各モードの標本であり、回転数とトルクと共に、燃費の値を有する。また、図5(b)における白抜きの丸として表示される座標点は、後に詳述する達成値であり、回転数とトルクと共に、燃費の値を有する。
燃費における達成値マップの作成において、達成値マップ作成部201は、まず、図7(a)に示すような回転数とトルクからなる燃費マップを作成する。
燃費マップの作成において、達成値マップ作成部201は、モードを構成する回転数及びトルクに基づいて、ステップST2において抽出された標本である測定値(S1、S2、S3・・・Sn)をマップ上に配置する。この際、達成値マップ作成部201は、各回転数内における最大のトルクに近似する曲線である全負荷曲線を作成する。また、達成値マップ作成部201は、測定されたトルク値、又はユーザにより設定された値に基づいて、摩擦トルク線も作成する。
次に、達成値マップ作成部201は、燃費マップから図7(b)に示すような計算用の燃費マップを作成する。計算用の燃費マップは、マップ上に配置された測定値(S1、S2、S3・・・Sn)に基づいて、マップ上に所定の大きさの格子を形成する。この格子は、本実施形態においては、20点×20点(X軸方向を測定値の最小回転数から測定値の最大回転数、Y軸方向を摩擦トルクの最小値から測定値のトルク最大値の範囲内を19分割した格子)として形成される。
達成値マップ作成部201は、格子内に属する測定値に基づいて、各格子の燃費を決定する。また、達成値マップ作成部201は、格子内の燃費が決定できない箇所(格子内に測定値が存在しない)の燃費を補間により求めるために、図8(a)に示すようなトルク−燃費曲線(補間曲線)を作成する。
トルク−燃費曲線の作成において、達成値マップ作成部201は、各回転数内の測定値(トルクと燃費)に近似する曲線を作成する。このトルク−燃費曲線により、達成値マップ作成部201は、図7(b)におけるトルクの最大値までの格子に対応した燃費がHermite補間により求められる(図8(a)において、黒丸は測定値で、白抜きの丸は補間により新たに作成される点である。)。達成値マップ作成部201は、トルク−燃費曲線を全回転数について作成し、格子内の全区画の燃費を算出する。
次に、達成値マップ作成部201は、格子内の全区画において燃費が算出可能な燃費マップ(補間後の燃費マップ)に基づいて、燃費における達成値マップを作成する(図5(b)参照)。燃費における達成値マップは、燃費マップの格子内の全区画の燃費を等高線状に表示することにより形成される。なお、図8(b)に示すように、燃費マップの有効データの範囲は、摩擦トルクカーブにより挟まれた領域である。
次に、達成値マップ作成部201は、本ステップにおいて、最終的に図5(c)に示すような、NOxにおける達成値マップを作成する。このNOxにおける達成値マップは、部分最適解抽出部200により抽出された各モードの部分最適解を補間して作成され、NOxが等高線状に分布するように表示される。なお、図5(b)における黒丸として表示される各座標点は、抽出された各モードの標本であり、回転数とトルクと共に、NOxの値を有する。また、図5(b)における白抜きの丸として表示される座標点は、後に詳述する達成値であり、回転数とトルクと共に、NOxの値を有する。
NOxにおける達成値マップの作成において、達成値マップ作成部201は、まず、図7(a)に示すような回転数とトルクからなるNOxマップを作成する。
NOxマップの作成において、達成値マップ作成部201は、モードを構成する回転数及びトルクに基づいて、ステップST2において抽出された標本である測定値(S1、S2、S3・・・Sn)をマップ上に配置する。この際、達成値マップ作成部201は、各回転数内における最大のトルクに近似する曲線である全負荷曲線を作成する。また、達成値マップ作成部201は、測定されたトルク値に基づいて、摩擦トルク線も作成する。
次に、達成値マップ作成部201は、NOxマップから図7(b)に示すような計算用のNOxマップを作成する。計算用のNOxマップは、マップ上に配置された測定値(S1、S2、S3・・・Sn)に基づいて、マップ上に所定の大きさの格子を形成する。この格子は、本実施形態においては、20点×20点(X軸方向を測定値の最小回転数から測定値の最大回転数、Y軸方向を摩擦トルクの最小値から測定値のトルク最大値の範囲内を19分割した格子)として形成される。
達成値マップ作成部201は、格子内に属する測定値に基づいて、各格子のNOxを決定する。また、達成値マップ作成部201は、格子内のNOxが決定できない箇所(格子内に測定値が存在しない)のNOxを補間により求めるために、トルク−NOx曲線(補間曲線)を作成する。トルク−NOx曲線は、トルク−燃費曲線のX軸の成分をNOxに変更することにより、トルク−燃費曲線を同様の方法で作成可能であるため、図8(a)を用いて、説明する。
トルク−NOx曲線の作成において、達成値マップ作成部201は、各回転数内の測定値(トルクとNOx)に近似する曲線を作成する。このトルク−NOx曲線により、達成値マップ作成部201は、図7(b)におけるトルクの最大値までの格子に対応したNOxがHermite補間により求められる(図8(a)において、黒丸は測定値で、白抜きの丸は補間により新たに作成される点である。)。達成値マップ作成部201は、トルク−NOx曲線を全回転数について作成し、格子内の全区画のNOxを算出する。
次に、達成値マップ作成部201は、格子内の全区画においてNOxが算出可能なNOxマップ(補間後のNOxマップ)に基づいて、図5(b)に示すような、NOxにおける達成値マップを作成する。NOxにおける達成値マップは、NOxマップの格子内の全区画のNOxを等高線状に表示することにより形成される。なお、図7(b)に示すように、NOxマップの有効データの範囲は、摩擦トルクカーブにより挟まれた領域である。
ステップST4において、達成値抽出部202は、図に示す入力部1により入力された走行モードの各ステップにおける回転数とトルクに基づいて、ステップ毎の回転数とトルクに合致する燃費における達成値マップの座標点A1(補間して算出された燃費の値を有する点)から燃費の値を、全ステップにおいて抽出する。なお、本実施形態において、1ステップは1秒に区切られる。
達成値抽出部202は、NOxについても、燃費の場合と同様に、全ステップにおけるNOxの値A2をNOxにおける達成値マップから抽出する。
本実施形態に用いられる走行モード(都市内走行モード、JE05)は、車速と時間を単位として構成されている。したがって、達成値マップの単位と一致させる必要があるため、以下の(1)式により単位の変換を行う。
Figure 0005216685
なお、Neは回転数、Vは走行パターンより得たステップの車速、Rは車両諸元から得たタイヤ有効半径である。
また、ギアを考慮する場合には、以下の(2)式により単位の変換を行う。
Figure 0005216685
なお、Greatiはトータルギア比であり、TarRはタイヤ動的半径(m)である。
となり、各ステップにおける必要とされる回転数を導き出すことができる。
また、走行モード内の各ステップにおける車速のトルクへの変換は、ステップでの1秒ごとの車速から求められる加速度に基づいて、以下の(3)式により算出される駆動力(F)を用いて、以下の(4)式により算出することにより行われる。
Figure 0005216685
Figure 0005216685
なお、R/Lは走行抵抗(転がり抵抗や空気抵抗が高まることにより高まる。)、Mは車両諸元から得られる車両重量、aは走行モードの各ステップから得られる車速から算出される加速度である。
また、ギアを考慮する場合には、以下の(5)式により算出される。
Figure 0005216685
なお、CarMtは車両質量(kg)に回転慣性質量(kg)を加えたもの、R/Lは走行抵抗(転がり抵抗や空気抵抗が高まることにより高まる。)、CarAは車両加速度(m/s2)、Gは重力加速度(m/s2)、TarRはタイヤ動的半径(m)、Geartiはトータルギア比、nGeartiPassは第n‘thギア比の伝達効率(transmission efficiency)、Udはファイナルギア伝達効率(transmission efficiency)である。
ステップST5において、全体最適解算出部21は、ステップST4で抽出された全ステップの燃費の値の総和を算出する。また、全体最適解算出部21は、燃費の場合と同様に、全ステップのNOxの値を積算して総和達成値を算出する。なお、本ステップは、全体最適解の数分だけ繰り返して、総和達成値を算出する。
また、本ステップにおいて、全体最適解算出部21は、各ステップの燃費の総和(Σ燃費)と各ステップのNOxの総和(ΣNOx)を成分(軸)とする2次元空間にステップSTで算出された燃費の総和とNOxの総和の値を座標値とする総和達成値を配置する。この総和達成値は、多目的遺伝アルゴリズムでいう1の初期値となる。
ステップST6において、全体最適解算出部21は、図4(b)に示すように、抽出された初期値に基づいて、初期値のランク付けを行う。初期値のランク付けは、適合度を割り当てることにより行う。適合度とは、各初期値がどれだけ他の初期値よりも優越した関係を有するかと、初期値の密集度とを考慮して決定される。図4(b)において、ランク=2は優越する初期値が2つあることを示し、ランク=0は優越する初期値が無いことを示す。したがって、本ステップにおいて、全体最適解算出部21は、総和達成値から全体最適解を評価する。
ステップST7において、全体最適解算出部21は、ステップS6において評価された全体最適解となる総和達成値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムの終了判定を行う。具体的には、全体最適解算出部21は、所定の条件(例えば、配置される総和達成値の数)を満たす場合には、初期値の抽出を終了と判定し、ステップST10に移行する。また、初期値抽出部20は、条件を満たさない場合には、初期抽出を終了せず、ステップST8に移行する。つまり、ステップST8以降においては、淘汰や交叉・突然変異により新たな全体最適解を作成する工程(ステップST9)を経て、最終的に再度初期値の抽出を行う(図4(a)参照)。
ステップST8において、全体最適解算出部21は、図4(c)に示すように、適合度に基づいて、初期値の淘汰を行う(黒丸は生き残った初期値を示し、破線の丸は淘汰された初期値を示す。)。本工程で淘汰された初期値は、次のステップST9では用いられない。
ステップST9において、全体最適解算出部21は、図4(c)に示すように、淘汰されずに残った初期値に基づいて交叉及び突然変異を行い、ステップST2に移行する。本ステップにおいて、交叉及び突然変異により、新たな初期値(新たな組み合わせの点)が作成されて、配置される。また、交叉とは、初期値における組み合わせの一部分を他の初期値の組み合わせの一部と組み合わせて、新たな点(各モードの最適解の組み合わせ)を探索し、抽出する。また、突然変異とは、突然変異率というパラメータに基づいて、初期値における組み合わせの一部を他の組み合わせに変更する。
ステップST10において、全体最適解算出部21は、ステップST7において終了と判定された状態の総和達成値を、全体最適解として決定する(図4(e)参照)。なお、この全体最適解は、Σ燃費及びΣNOxを座標値から導き出せると共に、Σ燃費及びΣNOxを構成する各モードの部分最適解(燃費及びNOx)と当該部分最適解を構成する燃料噴射量及び燃料噴射タイミングの値も持ち合わせている。
ステップST11では、出力部3により、算出された全体最適解の集合を、ΣNOxとΣ燃費を軸とする空間上に配置して、ディスプレイ等に出力する(図4(e)参照)。したがって、ユーザは、出力された全体最適解の集合のうち、1の全体最適解を指定することにより、各モードにおける部分最適解の組み合わせを知ることができる。
なお、算出される全体最適解の集合は、走行モード範囲内の各回転数及び各トルクにおける最適なNOxと燃費の値のエンジン設定値を知ることができ、エンジンの再設定に用いることができる。このようにして算出されたエンジンの設定値により設定されたエンジンは、要求される走行モードを確実に満たすことができる。つまり、走行モードに沿って走行した場合に、走行した結果(燃費やNOx等)が最小になるような全体最適解を導き出すことができる。
以上、本発明に係る多目的最適解集合算出装置101及び多目的最適解集合算出方法の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る多目的最適解集合算出装置101及び多目的最適解集合算出方法は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
なお、本実施形態において、多目的最適解集合算出装置101は、予め外部で算出した部分最適解を入力部1において入力したが、これに限られない。エンジン性能測定装置100から取得したデータに基づいて、多目的最適解集合算出装置101により、部分最適解を算出しても良い。
また、本実施形態において、多目的最適解集合算出装置101は、達成値を、達成値マップを作成し、この達成値マップ上に走行モードのステップの回転数及びトルクに合致させることで抽出していたが、これに限られない。多目的最適解集合算出装置101は、例えば、達成値マップを作成せずに、特定の回転数及びトルクの部分のみ補間により達成値を算出しても良い。
また、本実施形態においては、走行モードのステップ毎の回転数及びトルクを達成値マップとの合致の時点で算出していたが、これに限られず、予め入力部により入力されていても良い。
また、本実施形態おいて、多目的最適解集合算出装置101は、計算効率を考慮して、現実的に実現可能に、多目的遺伝アルゴリズムにおける多点探索を用いたが、これに限られない。多目的最適解集合算出装置101は、各モードの最適解すべての組み合わせで達成値マップを作成し、走行モードとの対応付けをなった解を基にして、最適解の集合を算出しても良い。
また、本実施形態において、多目的最適解集合算出装置101においては、第1の設計変数を回転数及びトルクとしたが、これに限られない。第1の設計変数は、駆動対象の駆動原因であれば良く、例えば、(燃料噴射量や、スロットル開度や、吸気圧力等であっても良い。また、多目的最適解集合算出装置101は、駆動対象の駆動原因であれば良い。
また、本実施形態において、多目的最適解集合算出装置101は、第2の設計変数を及びトルクの2要素としたが、これに限られない。第2の設計変数は、例えば、ECU(Engine Control Unit)により制御可能な燃料噴射タイミング、燃料噴射量、VG開度、VGタイミング、コモンレール圧、若しくはEGR率等を用いることができる。また、第2の設計変数は、本実施形態においては、2つの要素を用いたが、これに限られない。第2の設計変数は、2以上の要素でも可能である。
また、本実施形態において、多目的最適解集合算出装置101は、2つの目的関数(NOxと燃費)を用いて最適化問題を解いた場合を示したが、これに限られない。例えば、CO(一酸化炭素)や、CO(二酸化炭素)や、HC(炭化水素)や、SO(二酸化硫黄)や、PM(粒子状物質)や、スモーク濃度や、出力や、排気温度や、燃焼騒音等トレーとオフ関係となる複数の目的関数を用いて最適化問題を解くこともできる。この場合、例えば、3次元以上の多次元の多目的最適解集合の表示については、レーダーグラフを用いることにより表示することができる。
また、本実施形態おいて、多目的最適解集合算出装置101は、駆動対象をエンジン(主に自動車)としたが、これに限られない。多目的最適解集合算出装置101は、駆動対象に対して、駆動原因となる設計変数(因子)を変えることにより、駆動結果となる目的関数(応答)の相関関係が生じるように変化し、かつ、複数の目的関数がそれぞれトレードオフ関係となるような要素により決定されれば良い。
1 入力部
20 初期値抽出部
21 全体最適解算出部
101 多目的最適解集合算出装置
201 達成値マップ作成部
202 達成値抽出部

Claims (12)

  1. 駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出装置であって、
    前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に基づいて算出された前記トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する前記設計変数の部分最適解の集合と、複数のステップから構成されステップ毎に前記駆動対象の駆動状態が異なる駆動基準のステップ毎の駆動状態の値を入力する入力部と、
    前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に抽出される前記部分最適解に基づいて、前記駆動状態の範囲内の前記部分最適解を予測可能な達成値マップを作成する達成値マップ作成部と、
    前記目的関数の項目毎に作成される達成値マップから前記駆動状態の値に対応する達成値を抽出する達成値抽出部と、
    前記達成値を前記駆動基準のステップ毎に積算して算出される総和達成値から全体最適解の集合を算出する全体最適解算出部とを備える多目的最適解集合算出装置。
  2. 前記達成値マップにより得られる所定数の前記達成値を多目的遺伝アルゴリズムの初期化に用いられる初期値として抽出する初期値抽出部を備え、
    前記全体最適解算出部は、当該初期値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムにより最適解を算出する請求項1記載の多目的最適解集合算出装置。
  3. 前記駆動状態は、エンジンの回転数及びエンジンのトルクである請求項1又は2記載の多目的最適解集合算出装置。
  4. 前記目的関数は、少なくともエンジンの燃費及びNOxの排出濃度を含む請求項1から請求項3のいずれかに記載の多目的最適解集合算出装置。
  5. 駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出方法であって、
    前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に基づいて算出された前記トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する前記設計変数の部分最適解の集合と、複数のステップから構成されステップ毎に前記駆動対象の駆動状態が異なる駆動基準のステップ毎の駆動状態の値を入力する入力工程と、
    前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に抽出される前記部分最適解に基づいて、前記駆動状態の範囲内の前記部分最適解を予測可能な達成値マップを作成する達成値マップ作成工程と、
    前記目的関数の項目毎に作成される達成値マップから前記駆動状態の値に対応する達成値を抽出する達成値抽出工程と、
    前記達成値を前記駆動基準のステップ毎に積算して算出される総和達成値から全体最適解の集合を算出する全体最適解算出工程とを備える多目的最適解集合算出方法。
  6. 前記達成値マップにより得られる所定数の前記達成値を多目的遺伝アルゴリズムの初期化に用いられる初期値として抽出する初期値抽出工程を備え、
    前記全体最適解算出工程は、当該初期値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムにより最適解を算出する請求項5記載の多目的最適解集合算出方法。
  7. 前記駆動状態は、エンジンの回転数及びエンジンのトルクである請求項5又は6記載の多目的最適解集合算出方法。
  8. 前記目的関数は、少なくともエンジンの燃費及びNOxの排出濃度を含む請求項5から請求項7のいずれかに記載の多目的最適解集合算出方法。
  9. 駆動対象の駆動領域に含まれる複数の駆動状態の複数の組み合わせに対して、トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する設計変数の全体最適解の集合を算出する多目的最適解集合算出プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に基づいて算出された前記トレードオフ関係にある複数の目的関数の組み合わせを最小化又は最大化する前記設計変数の部分最適解の集合と、複数のステップから構成されステップ毎に前記駆動対象の駆動状態が異なる駆動基準のステップ毎の駆動状態の値を入力する入力工程と、
    前記複数の駆動状態の複数の組み合わせ毎に抽出される前記部分最適解に基づいて、前記駆動状態の範囲内の前記部分最適解を予測可能な達成値マップを作成する達成値マップ作成工程と、
    前記目的関数の項目毎に作成される達成値マップから前記駆動状態の値に対応する達成値を抽出する達成値抽出工程と、
    前記達成値を前記駆動基準のステップ毎に積算して算出される総和達成値から全体最適解の集合を算出する全体最適解算出工程とを、実行させるための多目的最適解集合算出プログラム。
  10. 前記達成値マップにより得られる所定数の前記達成値を多目的遺伝アルゴリズムの初期化に用いられる初期値として抽出する初期値抽出工程を、コンピュータにさらに実行させ
    前記全体最適解算出工程は、当該初期値に基づいて、多目的遺伝アルゴリズムにより最適解を算出する請求項9記載の多目的最適解集合算出プログラム。
  11. 前記駆動状態は、エンジンの回転数及びエンジンのトルクである請求項9又は10記載の多目的最適解集合算出プログラム。
  12. 前記目的関数は、少なくともエンジンの燃費及びNOxの排出濃度を含む請求項9から請求項11のいずれかに記載の多目的最適解集合算出プログラム。
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