JP5212075B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5212075B2 JP5212075B2 JP2008320591A JP2008320591A JP5212075B2 JP 5212075 B2 JP5212075 B2 JP 5212075B2 JP 2008320591 A JP2008320591 A JP 2008320591A JP 2008320591 A JP2008320591 A JP 2008320591A JP 5212075 B2 JP5212075 B2 JP 5212075B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- main body
- axial
- lubricating oil
- peripheral edge
- outer ring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Friction Gearing (AREA)
Description
又、回転角速度をωとした場合に、上記主体11の軸方向両側面、上記パワーローラ3の外側面、及び、上記外輪7の内側面は、何れも円輪状である為、回転中心からの任意の半径rの位置に於いて、上記△Uは、△U=r・ωと表す事ができるから、上記(1)式は、以下の(2)式で表される。
そして、この(2)式に、作用半径r、及び、微小区間面積2πr・drを掛けると、微小区間に作用する潤滑油の剪断力に基づく回転抵抗(攪拌抵抗トルク、動トルク)となり、これを上記主体11の軸方向側面(並びに、パワーローラ3の外側面、外輪7の内側面)に関して、内径側位置から外径側位置まで積分すると、潤滑油の剪断力に基づく回転抵抗(攪拌抵抗トルク、動トルク)Tは、次の(3)式で表される。
このうちの入力ディスク及び出力ディスクは、相対回転を自在として互いに同心に支持されている。
又、上記各トラニオンは、上記両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされている。
又、上記各支持軸は、上記各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に、1本ずつ設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記両ディスク同士の間に挟持されている。
又、上記各スラスト転がり軸受は、それぞれ、上記各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられている。
そして、上記各スラスト転がり軸受は、それぞれ、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成る。
そして、上記各主体の軸方向両側面と、上記各パワーローラの外側面及び上記各外輪の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さの和を、上記各主体の内周縁部分よりも外周縁部分で大きくしている。
更に、上記各主体の軸方向側面に、これら各主体の内周縁と上記各ポケットとを連通する潤滑油流路を設けている。
尚、本発明を実施する場合に、上記外周縁部分での隙間の軸方向厚さの和は、上記内周縁部分での隙間の軸方向厚さの和に対して、好ましくは約3倍、より好ましくは約6倍程度に(3〜6倍の範囲で)大きくする。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機を自動車用の変速装置として用いる場合に、保持器の回転方向とは、自動車の前進時に於ける回転方向を言う。
即ち、本発明の場合には、主体の軸方向両側面と、パワーローラの外側面及び外輪の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さの和を、上記主体の内周縁部分よりも外周縁部分で大きくしている。この為、これら両周縁部分での隙間の軸方向厚さの和を同じとした場合に比べて、上記外周縁部分での隙間の軸方向厚さの和と、上記内周縁部分での隙間の軸方向厚さの和との差の分だけ、上記外周縁部分と上記パワーローラの外側面(外径側肩部)及び上記外輪の内側面(外径側肩部)との間に形成される隙間の軸方向厚さ大きくできる。従って、上記外周縁部分と上記両外径側肩部との間に作用する、潤滑油の剪断力に基づく回転抵抗を低減できる。この結果、本発明によれば、潤滑油による攪拌抵抗を低減する事ができて、スラスト転がり軸受のトルク損失を抑えられる。
更に、本発明の場合には、上記外周縁部分での隙間の軸方向厚さの和を大きく確保できる為、潤滑油の外部への排出性を向上する事もできる。この為、円周方向に隣り合う転動体同士の間に過剰な潤滑油が滞留する事を防止して、潤滑油による攪拌抵抗を低減できる。
又、請求項1に係る発明によれば、保持器の回転に伴うポンプ作用により、潤滑油流路内に多量の潤滑油を導く(引き込む)事ができると共に、この潤滑油を、上記各ポケットのうちで、上記保持器の回転方向前寄り部分に送り込む事ができる。即ち、各転動体の転動面と各ポケットの内面との面圧が高くなる部分であり、且つ、これら各転動体の転動面のうちで自転周速が大きくなる部分(転動体が玉の場合には、自転周速が最大となる所謂赤道部分付近)に、十分量の潤滑油を供給できる。この為、上記各転動体の転動面と上記各ポケットの内面との摺接部での発熱や摩耗を効果的に低減する事ができる。
図1〜3は、本発明に関する参考例を示している。本参考例の特徴は、潤滑油による攪拌抵抗を低減すべく、保持器10aを構成する主体11aの軸方向両側面と、パワーローラ3の外側面及び外輪7の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さの和を、上記主体11aの直径方向位置に応じて規制した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図7〜9に示した従来構造とほぼ同様である為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。
即ち、本参考例の場合には、上記主体11aの軸方向両側面と、上記パワーローラ3の外側面及び上記外輪7の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さの和を、上記内周縁部分18aよりも上記外周縁部分19aで大きくしている(Wo >Wi )。この為、この外周縁部分19aの肉厚を上記内周縁部分18aの肉厚と同じになるまで大きくして、これら両周縁部分18a、19aでの隙間の軸方向厚さの和を同じとした場合に比べて、上記外周縁部分19aと上記両外径側肩部20b、21bとの間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さを、十分に(bin−ain、bout −aout 分だけ、約6倍)大きくできる。従って、前記(3)式からも明らかな通り、上記外周縁部分19aと上記両外径側肩部20b、21bとの間に作用する、潤滑油の剪断力に基づく回転抵抗(攪拌抵抗トルク、動トルク)を低減できる。
図4は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の特徴は、潤滑油流路である凹溝17a、17aの形状を工夫した点にある。即ち、これら各凹溝17a、17aを、主体11aの直径方向に対して、下流である各ポケット12、12側に向かう程、保持器10bの回転方向後方に向かう方向に傾斜させている。更に、上記各凹溝17a、17aの下流端を、上記各ポケット12、12のうちで、上記保持器10bの回転方向前寄り部分に連通させている。尚、上記保持器10の回転方向は、図中に矢印で示す方向である。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した参考例の場合と同様である。
図5、6は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第1例の構造に関して、主体11bの外周縁部分19bに形成される隙間のうち、この主体11bの軸方向片側面とパワーローラ3の外側面(外径側肩部21b)との間に形成される隙間の軸方向厚さ(cin)を、上記主体11bの軸方向他側面と外輪7の内側面(外径側肩部20b)との間に形成される隙間の軸方向厚さ(cout )よりも大きくしている(cin>cout )。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した参考例及び実施の形態の第1例の構造の場合と同様である。
2 出力ディスク
3 パワーローラ
4 トラニオン
5、5a スラスト玉軸受
6 内輪軌道
7 外輪
8 外輪軌道
9 玉
10、10a、10b 保持器
11、11a、11b 主体
12 ポケット
13 支持軸
14 枢支軸
15 給油孔
16 分岐孔
17、17a〜17d 凹溝
18、18a 内周縁部分
19、19a、19b 外周縁部分
20a 内径側肩部
20b 外径側肩部
21a 内径側肩部
21b 外径側肩部
Claims (3)
- 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
これら各保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、
上記各主体の軸方向両側面と、上記各パワーローラの外側面及び上記各外輪の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さの和が、上記各主体の内周縁部分よりも外周縁部分で大きいものであり、
上記各ポケットの開口部の内径寸法が、上記各転動体の直径よりも大きいものであり、
上記各主体の軸方向側面に、これら各主体の内周縁と上記各ポケットとを連通する潤滑油流路が設けられており、これら各潤滑油流路は、上記各主体の直径方向に対して、下流に向かう程上記各保持器の回転方向後方に向かう方向に傾斜しており、その下流端を、上記各ポケットのうちでこれら各保持器の回転方向前寄り部分に連通させている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で上記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、これら各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とから成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、
これら各保持器が、円輪状の主体と、この主体の円周方向複数個所に間欠的に形成され、それぞれの内側に上記各転動体を転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、
上記各主体の軸方向両側面と、上記各パワーローラの外側面及び上記各外輪の内側面との間にそれぞれ形成される隙間の軸方向厚さの和が、上記各主体の内周縁部分よりも外周縁部分で大きいものであり、
上記各主体の軸方向側面に、これら各主体の内周縁と上記各ポケットとを連通する潤滑油流路が設けられており、
上記各主体の外周縁部分に形成される隙間のうち、これら各主体の軸方向片側面と上記各パワーローラの外側面との間に形成される隙間の軸方向厚さが、これら各主体の軸方向他側面と上記各外輪の内側面との間に形成される隙間の軸方向厚さよりも大きく、且つ、これら各主体の軸方向片側面に設けられた潤滑油流路の流路面積が、これら各主体の軸方向他側面に設けられた潤滑油流路の流路面積よりも大きい事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 潤滑油流路が、主体の内周縁と各ポケットとの間部分にのみ設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008320591A JP5212075B2 (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008320591A JP5212075B2 (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010144772A JP2010144772A (ja) | 2010-07-01 |
JP5212075B2 true JP5212075B2 (ja) | 2013-06-19 |
Family
ID=42565413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008320591A Active JP5212075B2 (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5212075B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5598708B2 (ja) * | 2010-09-01 | 2014-10-01 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001187951A (ja) * | 1999-10-18 | 2001-07-10 | Nissan Motor Co Ltd | トロイダル型無段変速機 |
JP2006250222A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-09-21 | Nsk Ltd | スラストころ軸受 |
JP2006250264A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機 |
-
2008
- 2008-12-17 JP JP2008320591A patent/JP5212075B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010144772A (ja) | 2010-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7540665B2 (en) | Tapered roller bearing | |
US10570962B2 (en) | Sealed bearing | |
JP6035732B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP5149783B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5212075B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5005207B2 (ja) | 円すいころ軸受 | |
JP7466501B2 (ja) | 円すいころ軸受 | |
JP2011085153A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2004308814A (ja) | 無段変速装置 | |
EP2017487A2 (en) | Tapered roller bearing with lubricant grooves on the cage | |
JP2005098316A (ja) | 円錐ころ軸受 | |
JP4710402B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4631323B2 (ja) | 無段変速装置 | |
US7033302B2 (en) | Toroidal-type continuously variable transmission | |
JP2009168064A (ja) | 円すいころ軸受ならびにデファレンシャル | |
JP2008045597A (ja) | 円すいころ軸受およびパイロット部軸支持構造 | |
JP2003120683A (ja) | スラストころ軸受 | |
JP5899628B2 (ja) | スラスト転がり軸受用保持器、パワーローラ用スラスト転がり軸受及びトロイダル型無段変速機 | |
WO2024111513A1 (ja) | 保持器、その保持器を用いた保持器付き針状ころ及び軸受装置 | |
US6800046B2 (en) | Toroidal-type continuously variable transmission | |
JP4994630B2 (ja) | 円錐ころ軸受 | |
JPH1194042A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2008111505A (ja) | スラスト針状ころ軸受 | |
JP2018071720A (ja) | 波形保持器及び玉軸受 | |
JP2017048914A (ja) | シール付軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111117 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120911 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130211 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5212075 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308 Year of fee payment: 3 |