図1は、第1実施形態を示す概略図である。第1実施形態において、蒸気生成システムS1は、作動流体(作動媒体、第1流体)が流れるヒートポンプ10(熱源ユニット)と、被加熱流体(被加熱媒体、第2流体)の供給ユニット20と、制御装置70とを備える。本実施形態において、被加熱流体は水である。制御装置70は、システム全体を統括的に制御する。蒸気生成システムS1の構成は、蒸気生成システムS1の設計要求に応じて様々に変更可能である。
ヒートポンプ10は、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える装置である。ヒートポンプは一般に、エネルギー効率が比較的高く、結果として、二酸化炭素等の排出量が比較的少ないという利点を有する。
本実施形態において、ヒートポンプ10は、吸熱部11、圧縮部12、放熱部(第1放熱部13A、第2放熱部13B)、及び膨張部14を有し、これらは導管を介して接続されている。
吸熱部11では、主経路15内を流れる作動流体がサイクル外の熱源の熱を吸収する。本実施形態において、ヒートポンプ10の吸熱部11は、大気の熱を吸収する。ヒートポンプ10の吸熱部11が外部の装置からの熱(排熱など)を吸収する構成とすることもできる。
圧縮部12は、圧縮機等によって作動流体を圧縮する。この際、通常、作動流体の温度が上がる。圧縮部12は、作動流体を単段又は複数段に圧縮する構造を有する。圧縮の段数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。圧縮部12は、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機のうち、作動流体の圧縮に適するものが適用される。圧縮機には動力が供給される。圧縮部12の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定される。
放熱部13A,13Bは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、第1放熱部13A、及び第2放熱部13Bがその順に並んでいる。放熱部の数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。
膨張部14は、減圧弁またはタービン等によって作動流体を膨張させる。この際、通常、作動流体の温度が下がる。タービンを使用した場合には膨張部14から動力を取り出すことができ、その動力を例えば圧縮部12に供給してもよい。ヒートポンプ10に使用される作動流体として、フロン系媒体、アンモニア、水、二酸化炭素、空気などの公知の様々な熱媒体が、蒸気生成システムS1の仕様及び熱バランスなどに応じて用いられる。ヒートポンプ10の放熱部13A,13Bを流れる作動流体の少なくとも一部が超臨界状態であってもよい。
供給ユニット20は、加温部21と、蒸気発生ユニット22とを有する。
加温部21は、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bに熱的に接続されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。例えば、加温部21の導管が第2放熱部13Bの導管に接触あるいは隣接して配置される。加温部21と第2放熱部13Bとを含んで第1熱交換器41が構成される。第1熱交換器41は、低温の流体(供給ユニット20内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、第1熱交換器41は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。本実施形態において、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bの導管の内部に、加温部21の導管が配設されている。加温部21において、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bからの伝達熱によって、供給ユニット20内の水が温度上昇する。なお、他の実施形態において、第1熱交換器41は、別の熱交換構造を採用することができる。例えば、第2放熱部13Bの導管を、加温部21の導管の外周面に配設することができる。
本実施形態において、蒸気発生ユニット22は、チャンバ120と、送液機構125と、散液機構160とを備える。本実施形態において、チャンバ120は、貯溜部130と散液部131とを含む。蒸気発生ユニット22は、必要に応じて、ミストセパレータ180などの他の要素を備えることができる。
本実施形態において、送液機構125は、制御弁126、及びレベルセンサ127を有する。送液機構125は、必要に応じて、ポンプ、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、脱気機器などの他の機器を有することができる。レベルセンサ127は、チャンバ120内の液面レベルを計測する。レベルセンサ127からの情報は、制御装置70に送られる。送液機構125は、温度上昇した加温部21からの水をチャンバ120に送る。チャンバ120内には、被加熱媒体としての水が貯溜される。
本実施形態において、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aの導管の一部(チューブ140)がチャンバ120内に配置される。チャンバ120の貯溜部130において、貯溜された水の中にチューブ140の一部が配置される。水面下において、チューブ140内を流れる作動流体の熱が水に伝わり、水の一部が沸騰する。すなわち、チャンバ120の貯溜部130において、主としていわゆるプール沸騰により蒸気が発生する。
チャンバ120の散液部131では、チューブ140の別の一部が貯溜された水に浸かっていない(すなわち、チューブ140の一部は水面上にある)。散液機構160は、貯溜された水を用いてチャンバ120内に散液する。チャンバ120の散液部131において、散液機構160からの水が、水面上のチューブ140の外表面に供給される。チューブ140を介して作動流体の熱がチューブ140の外面に付着した水に伝わる。チューブ140の外面において、加熱された水が蒸発する。すなわち、チャンバ120の散液部131において、主としていわゆる液膜蒸発により蒸気が発生する。チャンバ120内で発生した蒸気は、例えばチャンバ120に設けられた開口122からダクト37を介して外部に排出される。
本実施形態において、チャンバ120の貯溜部130には、チューブ140(第1放熱部13A)の比較的上流部分が配置され、チャンバ120の散液部131には、チューブ140(第1放熱部13A)の比較的下流部分が配置される。チューブ140内を流れる作動流体は、放熱に伴って温度が下がる。チャンバ120の貯溜部130において、チューブ140と水との温度差が比較的高く、チャンバ120の散液部131において、その温度差が比較的低い。
プール沸騰方式において、チャンバ120における水の飽和温度(沸騰温度)と熱源であるチューブ140(第1放熱部13A)との温度差(以下、「表面過熱度」という)は、比較的広い(比較的高い)のが好ましい。表面過熱度が比較的低い状態は、サブクール沸騰(sub-cooled boiling、表面沸騰ともいう)の領域に属する可能性がある。表面過熱度が比較的高い核沸騰(nucleate boiling)(又は遷移沸騰(transition boiling))の領域では、高い熱伝達が得られるとともに、気泡が繰り返し発生し、蒸気発生の促進が図られる。すなわち、チャンバ120の貯溜部130において、比較的高い表面過熱度は、蒸気生成に有利である。本実施形態において、チャンバ120の貯溜部130における表面過熱度は、例えば約10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100℃以上である。
チャンバ120の貯溜部130において、水深(ヘッド差)に応じて沸点が変化する。例えば、水面上の空間が大気圧(1atm)であるとき、水深が50cmの位置の圧力は約1.05気圧、沸点は約101.37℃である。沸点上昇の影響は、サブクール沸騰領域では比較的大きいものの、核沸騰領域及び遷移沸騰領域では比較的小さい。すなわち、核沸騰領域及び遷移沸騰領域では、水深に応じた数℃程度の沸点上昇が伝熱量に与える影響は十分に小さい。水の沸騰熱伝達曲線において、核沸騰領域又は遷移沸騰領域(例えば、表面過熱度が約10−100℃)において熱伝達の極大値を持つからである。
本実施形態において、水の一部がプール沸騰により気化し、水の別の一部が液膜蒸発する。これは、水のすべてをプール沸騰によって気化させる場合に比べて、プール沸騰による蒸気生成スペース(チャンバ120における貯溜部130)を小型にできる。生成スペースの小型化は、水深(ヘッド差)の縮小を得ることができ、温度管理上有利である。
液膜蒸発において、プール沸騰方式に比べて、チューブ140と水との温度差の影響は小さく、比較的低い温度差を用いて比較的効率的に蒸気を生成することができる。したがって、プール沸騰と液膜蒸発との組み合わせにおいて、比較的低温のチューブ140をチャンバ120の散液部131に配置することで、熱バランスの向上が図られる。本実施形態において、貯溜部130、散液部131の順にチューブ140内を作動流体が連続して流れる直列タイプの配管構成が採用される。プール沸騰に熱を与えた後の作動流体からの伝達熱が液膜蒸発に用いられる。他の実施形態において、異なる温度を有する作動流体が、貯溜部130及び散液部131を独立して流れる並列タイプの配管構成を採用することができる。
また、本実施形態において、液膜蒸発では、チューブ140の外面の全体に適量の水が供給されるのが好ましい。チューブ140の外面に存在する水の膜厚が適正値に比べて小さいと、チューブ140の外面に濡れていない部分が生じる可能性がある。水の膜厚が適正値に比べて大きいと、チューブ140の外面から水が蒸発しにくくなる可能性がある。これらは、熱効率の点で不利である。散液機構160からの水の適切な散布が、高い熱伝達と効率的な蒸気生成とをもたらす。
チャンバ120の散液部131において、チューブ140が重力方向に多段構造を有する場合、上層に対して水の供給量が適切であっても、上層での水の蒸発に伴って、下層に対する水の供給量が不足する可能性がある。
本実施形態において、散液部131におけるチューブ140と散液される水との温度差は、例えば約2、4、6、8、10、12、16、18、20、22、24、26、28、又は30℃以上である。比較的低温のチューブ140をチャンバ120の散液部131に配置することで、多段構造のチューブ140の上層での蒸発量を抑制することができる。その結果、各層において、チューブ140の外表面における部分的な渇きが抑制され、したがって、適切な量の水が供給された各層のチューブ140の外表面において、水が好ましく蒸発できる。
図2は、蒸気発生ユニット22を示す模式図である。図2において、熱交換チューブ140は、チャンバ120内に、チャンバ120の軸方向(重力方向)に沿って多段の層状に配置される。本実施形態において、チューブ140を含む作動流体の配管構造は、下方に配置された入力位置、上方に配置された出力位置を有する。配管構造において、全体として下から上向きに作動流体が流れるとともに、各層において、横方向(チャンバ120の軸方向と交差する方向)に作動流体が流れる。配管構造は、分岐及び/又は集合用のヘッダパイプを有する形態又はヘッダパイプを有しない形態を有することができる。また、配管構造は、複数ルートに分岐した作動流体が並行して流れる形態を有することができる。チューブ140の構成部材としては、高い熱伝導率を有する金属チューブ(例えば、銅チューブ、アルミニウムチューブ)が好ましく用いられる。
本実施形態において、チューブ140の層の数は、装置仕様に応じて設定される。層の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10にできる。あるいは、層の数は、11、15、20、25、30、35、40、45、又は50以上にできる。
散液機構160は、ポンプ162と、複数のノズル164を有する散液配管166と、ポンプ162と配管166とを流体的につなぐ供給配管168とを有する。ポンプ162は、チャンバ120に貯溜した水を汲み上げ、供給配管168を介して散液配管166にその水を送る。配管166のノズル164から水が出る。配管166のノズル164から落下した水がチューブ140の表面(外面)に付着する。チューブ140内の高温流体の熱が、チューブ140の表面に付着した水に伝わり、水の一部がチャンバ120内で蒸発する。
ノズル164は、スプレーノズルでもよく、液柱用ノズル(例えば、孔)でもよい。スプレータイプでは、比較的広い範囲に水を散布することができる。液柱タイプは、液柱の調整(液柱の径、流速、空間密度などの調整)が容易であるという利点を有する。スプレータイプと液柱タイプ以外のタイプのノズルを用いてもよい。複数タイプのノズルを組み合わせてもよい。
本実施形態において、散液配管166は、最も高い位置の層に属するチューブ140に向けて水を供給する。散液配管166は、チューブ140から離間して配置されてもよく、チューブ140に近接あるいは密着してもよい。散液配管166とチューブ140とが、抱き合わせ構造及び/又は密着構造を有することにより、散液配管166のノズル164が確実にチューブ140の真上に配置されるとともに、散液配管166のノズル164からの水がチューブ140の表面(外面)に確実に付着する。他の実施形態において、散液配管は、重力方向に沿って複数段配置できる。例えば、チューブ140の2層又は3層ごとに1段の散液配管を配置することができる。
本実施形態において、図2に示すように、比較的低位置で作動流体の温度が比較的高く、比較的高位置で作動流体の温度が比較的低い。前述したように、チューブ140の配管構造において、全体として下から上向きに作動流体が流れる。チューブ140を介した放熱に伴い、流れ方向に沿って作動流体の温度が徐々に下がる。したがって、貯溜部130における作動流体の温度は、散液部131における作動流体の温度に比べて高い。これは、前述したように、貯溜部130及び散液部131のそれぞれにおける熱伝達向上に有利である。
また、本実施形態において、貯溜部130において、下段130Aにおける作動流体の温度が最も高く、中段130Bにおける温度が次に高く、上段130Cにおける温度が最も低い。貯溜部130における、水深の深い位置での作動流体(チューブ140)の温度が最も高いことにより、水深(ヘッド差)に応じた沸点上昇の影響が相殺できる。
また、本実施形態において、散液部131において、下段131Aにおける作動流体の温度が最も高く、中段131Bにおける温度が次に高く、上段131Cにおける温度が最も低い。散液部131において、上段での作動流体(チューブ140)の温度が最も低いことにより、チューブ140の上層での蒸発量が抑えられ、上層から下層へ水が安定して落下する。その結果、散液部131における、チューブ140の各層において、チューブ140の外表面における部分的な渇きが防止される。適切な量の水が供給された各層のチューブ140の外表面において、水が好ましく蒸発する。
作動流体の温度は、チャンバ120内において上記以外の分布を有することができる。しかしながら、貯溜部130及び散液部131における熱伝達(熱バランス)向上のために、前述したように、少なくとも、散液部131に比べて貯溜部130における作動流体の温度が高いのが好ましい。
本実施形態において、蒸気発生ユニット22はさらに、作動流体の温度を計測する温度センサ128を有することができる。温度センサ128は、チューブ140に対して1以上設置することができる。例えば、全体的に、チューブ140の各層に対して温度センサ128を設置することができる。あるいは、局部的に、液面付近の複数の層に対して複数の温度センサ128をそれぞれ設置することができる。温度センサ128は、チューブ140の内表面、外表面、及び/又は基材の内部に設置することができる。温度センサ128の出力情報は、制御装置70に送られる。
本実施形態において、制御装置70は、温度センサ128の計測結果に基づいて、チャンバ120内の水面レベルを制御することができる。送液機構125の制御弁126を制御すると、加温部21からチャンバ120への水の供給量が変化する。供給量の増加は、水面レベルの上昇を招く。供給量の減少は、水面レベルの下降を招く。例えば、制御装置70は、チャンバ120の貯溜部130における表面過熱度が所定値を超えるように水面レベルを制御する。この場合、チューブ140の水面付近の層の温度が所定値よりも低いと水面レベルを下げ、その層を水面上に配置する。また、チューブ140の水面付近の層の温度が所定値よりも高いと水面レベルを上げ、その層を水面下に配置する。水面レベルの制御により、プール沸騰と液膜蒸発との間の使い分けの最適化が図られる。
蒸気発生ユニット22はさらに、チャンバ120内に供給される水の温度を計測する水温センサ(不図示)を有することができる。例えば、水温センサは、チャンバ120内の貯溜された水の温度を計測する。この場合、作動流体の温度の計測結果に加えて、水温度の計測結果に基づいて、チャンバ120の貯溜部130における表面過熱度をより正確に算出できる。
本実施形態において、1つのチャンバ120が貯溜部130及び散液部131を含み、散液部131からの水が貯溜部130に落下してチャンバ120内に貯溜される。その水の一部は再び散液機構160を介して散液部131に供給される。こうした循環経路はシンプルな構造を有する。貯溜部130と散液部131が1つのチャンバ120内に連続しており、貯溜部130と散液部131との間の配管が不要であるからである。
本実施形態において、水面レベルの制御は、貯溜部130と散液部131の領域を同時に変化させる。すなわち、水面レベルが上昇すると、貯溜部130の領域が増え、散液部131の領域が減る。逆に、水面レベルが下降すると、貯溜部130の領域が減り、散液部131の領域が増える。
また、本実施形態において、重力方向に沿って並ぶチューブ140の複数の層は、チャンバ120における貯溜部130及び散液部131にわたる。そのため、水面レベルが上昇すると、貯溜部130に対応するチューブ140の層の数が増え、散液部131に対応するチューブ140の層の数が減る。逆に、水面レベルが下降すると、貯溜部130に対応するチューブ140の層の数が減り、散液部131に対応するチューブ140の層の数が増える。水面レベルの制御により、蒸気生成用の熱伝達にかかる複数の条件を同時に変化させることができる。これは、制御の簡素化に有利である。
なお、チューブ140は、表面が滑らかな素チューブ、表面に網状の部材が配設された網付チューブ、多数の溝が表面に形成された溝付チューブ、多数のフィンが表面に設けられたフィンチューブのいずれでもよい。網、溝、及びフィンなどがチューブ140の表面に設けられることにより、チューブ140における表面積の拡大、及び熱交換の促進が図られる。また、チューブ140の表面に対して熱交換に適した処理を施してもよい。チューブ140の表面の少なくとも1部を親液処理してもよく、撥液処理してもよい。例えば、チューブ140の表面のうち、上方領域を親液処理し、下方領域を撥液処理してもよい。チューブ140の表面は、プール沸騰に適した形態、及び/又は液膜蒸発に適した形態を有することができる。チューブ140において、貯溜部130に配される部分の表面と、散液部131に配される部分の表面との間で異なる形態でもよい。さらに、チューブ140において、液面付近に配置される部分の表面が他の部分の表面と異なる形態を有してもよい。
以上のような形態の蒸気発生ユニット22は、被加熱媒体(水)が管内を流れる形態に比べて、水−蒸気の界面を広くできる。これは、比較的低温度レベルの熱源を用いた蒸気生成プロセスに有利である。
また、このような形態の蒸気発生ユニット22は、水又は蒸気の流れに対する圧力損失が小さいという利点を有する。水側の圧力損失に起因した気化温度の変化が抑制されることにより、ピンチ温度に対する懸念を抑え、蒸気生成プロセスの安定性の向上が図られる。
また、蒸気発生ユニット22では、被加熱媒体(水)がチューブ140の外を流れるので、水側で発生したスケール(scale)による詰まりが生じにくい。
チャンバ120の内部空間は、大気圧と同等にでき、これは、チャンバ120の薄肉化・軽量化に有利である。本実施形態において、チャンバ120の内圧は、例えば約0.1MPa(1atm)である。他の実施形態において、チャンバ120の内圧は、大気圧に比べて高く、又は低くすることもできる。負圧の場合、その内圧は、例えば、約0.09、0.08、0.07、又は0.06MPa以下にできる。高圧の場合、その内圧は、例えば、約0.12、0.14、0.16、0.2、0.4、0.8、1.0、又は2.0MPa以上にできる。
チャンバ120の外形は、丸みを帯びた角を必要に応じて有する、概略的な筒形状を有することができる。本実施形態において、筒形状を有するチャンバ120の軸方向は重力方向(Z方向)に実質的に一致する。チャンバ120の周面に、周方向に延びる波形あるいは凹凸を設けることにより、高い耐圧強度を有するチャンバ120を、比較的薄い材料を用いて形成することが可能である。薄い材料で形成されたチャンバ120は、装置コスト低減に有利である。例えば、チャンバ120の構成部材の厚さは、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、又は1mm以下である。他の実施形態において、チャンバ120の横断面形状は、円状、楕円状、矩形状、又は他の形状を有することができる。
図1に戻り、蒸気生成システムS1において、供給源からの水が第1熱交換器41でヒートポンプ10の第2放熱部13Bからの熱によって沸点近くまで温度上昇する。その温水は蒸気発生ユニット22のチャンバ120に供給される。チャンバ120において、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aからの熱によって水が相変化して蒸気となる。
ボイラのエネルギー効率が一般に約0.7〜0.8(70〜80%)であるのに対して、ヒートポンプのエネルギー効率としての成績係数(COP:coefficient of performance)は一般に2.5〜5.0である。ヒートポンプの成績係数は、被加熱媒体(水)の入出力温度差に応じて変化し、その温度差が過度に大きいと成績係数(COP)が低下する場合がある。本実施形態において、被加熱媒体及び作動流体の状態に応じて、ヒートポンプが個別の加熱部(放熱部)を有する点などにより、入出力温度差を抑え、ボイラに比べて高いエネルギー効率で蒸気を発生させることができる。加温部21への水の供給温度は例えば約20℃であり、加温部21からの水の出口温度(蒸気発生ユニット22への水の入口温度)は例えば約90〜95℃である。上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
なお、ヒートポンプ10の放熱部及び供給ユニット20の蒸発部の数は、作動流体の特性に応じて適宜設定される。また、供給源からの水の供給温度が比較的高い場合など、加温部21(第2放熱部13B)を省略することも可能である。
本実施形態において、水の顕熱加熱が主に第1熱交換器41(加温部21)で行われ、水の潜熱加熱が主に蒸気発生ユニット22で行われる。そのため、第2放熱部13Bを含む第1熱交換器41が顕熱交換に適した形態であり、第1放熱部13A、蒸気発生ユニット22などを含む熱交換ユニットが潜熱交換に適した形態であるといった、装置構成の最適化が図られ、これに応じて、好ましい加熱プロセスを経て蒸気が発生する。蒸気生成システムS1からの蒸気は、外部の所定施設、例えば製造プラント、調理施設、空調設備、発電プラントなどに供給される。
本実施形態において、ヒートポンプ10はさらに、バイパス経路17と、再生器18とを有する。バイパス経路17の入口端がヒートポンプ10の主経路15における第1放熱部13Aと第2放熱部13Bとの間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の出口端が主経路15における第2放熱部13Bと膨張部14との間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。バイパス経路17において、第1放熱部13Aからの作動流体の一部が、第2放熱部13Bを迂回し、膨張部14の手前で第2放熱部13Bからの作動流体と合流する。第1放熱部13Aからの残りの作動流体は、第2放熱部13Bを流れる。
再生器18は、バイパス経路17の導管の一部と、ヒートポンプ10の主経路15の導管(吸熱部11と圧縮部12との間の導管)の一部とが熱的に接続された構成を有する。例えば、両導管が互いに接触あるいは隣接して配置される。ヒートポンプ10において、吸熱部11からの作動流体に比べて、第1放熱部13Aからの作動流体は高温である。再生器18において、バイパス経路17を流れる第1放熱部13Aからの作動流体と、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体とが熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し、主経路15内の作動流体の温度が上昇する。再生器18は、低温の流体(主経路25内の作動流体)と高温の流体(バイパス経路17内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換構造を有することができる。あるいは、再生器18は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換構造を有することができる。
図3は、第2実施形態を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。第2実施形態において、蒸気生成システムS2は、第1実施形態の蒸気生成システムS1と異なり、チャンバ120の内部空間を吸引する圧縮機30を備える。
本実施形態において、蒸気発生ユニット22のチャンバ120の内部空間が、ダクト23を介して圧縮機30によって吸引される。チャンバ120内で発生した蒸気は、ダクト23を介して圧縮機30に導かれる。
圧縮機30は、ダクト23及びチャンバ120の開口122を介してチャンバ120の気相空間に流体的に接続されている。圧縮機30としては、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機が適用され、蒸気圧縮に適するものが用いられる。圧縮機30は、チャンバ120からの蒸気を圧縮し、昇圧した蒸気を下流に流す。
圧縮機30による吸引作用により、チャンバ120の内部空間が減圧される。チャンバ120の内部圧力が大気圧に比べて低い負圧(陰圧)となるように、不図示の制御弁(流量制御弁など)や圧縮機30が制御される。この制御は、例えば、チャンバ120の内部圧力を計測するセンサ(不図示)の計測結果に基づいて行われる。
圧縮機30及び/又は供給ユニット20には、蒸気に対して水(温水)を供給するノズル35が、必要に応じて配設される。ノズル35の配設位置は、例えば、圧縮機30の入口及び/又は出口である。圧縮機30が多段式である場合には、ノズル35を圧縮機30の段間に配設することができる。圧縮機30の多段圧縮構造は、蒸気の高温・高圧化に有利である。圧縮機30は、多段の各圧縮部に対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮機30は、同軸の多段圧縮構造を有することができる。各圧縮部の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS2の仕様に応じて設定される。ノズル35からの液体の排出には、ポンプなどの動力源を用いてもよく、液体が流れる導管の入口と出口との圧力差を利用してもよい。
本実施形態において、供給源からの水が、ヒートポンプ10(放熱部13A,13B)による加熱で比較的低圧力かつ低温度の蒸気となり、圧縮機30による圧縮で比較的高圧力かつ高温度の蒸気となる。すなわち、ヒートポンプ10で加熱された水が、圧縮機30による圧縮によってさらに加熱され、これにより、100℃以上の高温蒸気が発生する。
図4は、図3に示す蒸気発生ユニット22及び圧縮機30における水の状態変化の一例を示す T-s 線図である。図4に示すように、水は、沸点近くまで温度上昇した後、温度一定のまま相変化する。このとき、大気圧(P1=1atm=約0.1MPa)に比べて低い負圧P0の状態において、飽和蒸気d0が発生する。飽和蒸気d0の温度は標準沸点よりも低い、例えば約90℃である。
次に、その飽和蒸気d0は、圧縮機30(図3参照)による圧縮で比較的高圧力かつ高温の蒸気(過熱蒸気e2)になる。すなわち、その圧縮に伴って、蒸気が温度上昇する。過熱蒸気e2の圧力P2は大気圧よりも高い、例えば0.8MPaである。
0.8MPaの過熱蒸気e2を定圧下で冷却することにより、約160℃の飽和蒸気を得ることができる(図4の破線a)。同様に、大気圧(約0.1MPa)の過熱蒸気を定圧下で冷却することにより、約100℃の飽和蒸気d1を得ることができる。上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
過熱蒸気から飽和蒸気への冷却に、液状の水または温水を直接混入することにより、蒸気のボリュームが増加する。この場合、例えば、圧縮機30の出口において蒸気に対して水または温水が供給される。
水または温水の供給量及びタイミングの最適化により、比較的低圧力かつ低温度の飽和蒸気d0から比較的高圧力かつ高温度の飽和蒸気d2への変化を、より直接的にできる。例えば、圧縮機30の入口で適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気d0が、圧縮機30の出口で飽和蒸気d2に変化する(図4の破線c1(スプレー)及びc2(圧縮))。または、圧縮機30の中間で圧縮機30の段落ごとに適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気d0が、圧縮機30の出口で飽和蒸気d2に変化する(図4の破線b)。すなわち、圧縮機30による圧縮と水または温水による冷却との組み合わせの最適化により、効率良く圧縮機30から飽和状態に近い蒸気を排出することができる。
このように、本実施形態では、ヒートポンプ10及び圧縮機30による順次加熱により、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれも容易に発生させることができる。つまり、蒸気生成システムS2は、蒸気仕様に対する柔軟性が高い。蒸気生成システムS2からの蒸気は、外部の所定施設、例えば製造プラント、調理施設、空調設備、発電プラントなどに供給される。
また、本実施形態において、蒸気発生のための加熱過程の一部を圧縮機30が補うから、高いCOPでヒートポンプ10が使用される。したがって、蒸気生成システムS2は、全体としての一次エネルギーの節減が期待される。
図5は、第3実施形態を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。第3実施形態において、蒸気生成システムS3は、多段圧縮構造を有するヒートポンプ10を有する。
本実施形態において、ヒートポンプ10の圧縮部12は、作動流体を多段に圧縮する構造を有する。図5に示す圧縮部12は、第1圧縮部12A、及び第2圧縮部12Bを含む2段圧縮構造を有する。圧縮の段数は、蒸気生成システムS3の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。本実施形態において、圧縮部12A及び12Bがそれぞれ個別の軸を有する。圧縮部12A及び12Bを同軸に構成することもできる。各圧縮部12A,12Bの圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS3の仕様に応じて設定される。
本実施形態において、第1放熱部13A、第2放熱部13B、及び第3放熱部13Cは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。
本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、3つの放熱部13A−13Cが直列に配置されている。放熱部の数は、蒸気生成システムS3の仕様に応じて設定され、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。第1放熱部13Aは圧縮部12Aと12Bとの段間に配置され、第2放熱部13Bは圧縮部12Bの下流位置に配置され、第3放熱部13Cは、第2放熱部13Bの下流位置に配置される。
本実施形態において、加温部21は、ヒートポンプ10の第3放熱部13Cに熱的に接続されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。加温部21と第3放熱部13Cとを含んで第1熱交換器41が構成される。
本実施形態において、第1放熱部13Aに対応するチューブ140が蒸気発生ユニット22のチャンバ120における散液部131に配置される。第2放熱部13Bに対応するチューブ140が蒸気発生ユニット22のチャンバ120における貯溜部130に配置される。
本実施形態において、第1放熱部13Aに比べて、第2放熱部13Bを流れる作動流体の温度が高い。その結果、第1実施形態と同様に、貯溜部130及び散液部131における熱伝達(熱バランス)の向上が図られる。
図6は、第4実施形態を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。第4実施形態において、蒸気生成システムS4は、第3実施形態と同様に、多段圧縮構造を有するヒートポンプ10を有する。また、蒸気生成システムS4において、蒸気発生ユニット22は、独立した2つのチャンバ(第1チャンバ120A、第2チャンバ120B)を有する。
本実施形態において、第1チャンバ120Aは主に貯溜部130を含み、第2チャンバ120Bは主に散液部131を含む。第1チャンバ120Aには、第2圧縮部12Bからの作動流体が流れる第2放熱部13Bが配置される。第2チャンバ120Bには、第1圧縮部12Aからの作動流体が流れる第1放熱部13Aが配置される。
送液機構125は、加温部21からの水を、第1チャンバ120Aに送る。散液機構160は、第1チャンバ120Aに貯溜された水の一部を第2チャンバ120Bに送り、第2チャンバ120B内のチューブ140の外表面にその水を散布する。第2チャンバ120Bにおいて、水の一部がチューブ140の外表面で蒸発し、残りの水が戻り配管25を通り、第1チャンバ120Aに送られる。第1チャンバ120Aで発生した蒸気は、第1ダクト37Aを介して外部に排出される。第2チャンバ120Bで発生した蒸気は、第2ダクト37Bを介して外部に排出される。
本実施形態において、第2放熱部13Bに対応するチューブ140が第1チャンバ120Aの貯溜部130に配置される。第1放熱部13Aに対応するチューブ140が第2チャンバ120Bの散液部131に配置される。
本実施形態において、第1放熱部13Aに比べて、第2放熱部13Bを流れる作動流体の温度が高い。その結果、第1実施形態と同様に、貯溜部130及び散液部131における熱伝達(熱バランス)の向上が図られる。
本実施形態において、第1チャンバ120Aから、プール沸騰方式により発生した蒸気を取り出すことができる。また、第2チャンバ120Bから、膜面蒸発方式により発生した蒸気を取り出すことができる。つまり、蒸気発生ユニット22から、複数の条件に対応した蒸気を取り出すことができる。
図7は、第5実施形態を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。第5実施形態において、蒸気生成システムS5は、第3実施形態と同様に、多段圧縮構造を有するヒートポンプ10を有する。また、蒸気生成システムS5は、第3実施形態の蒸気生成システムS3と異なり、ヒートポンプ10の放熱部が並行配置されている。
本実施形態において、ヒートポンプ10の圧縮部12は、作動流体を多段に圧縮する構造を有する。図7に示す圧縮部12は、第1圧縮部12A、及び第2圧縮部12Bを含む2段圧縮構造を有する。各圧縮部12A,12Bの圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS4の仕様に応じて設定される。
本実施形態において、第1放熱部13A、第2放熱部13B、第3放熱部13C、及び第4放熱部12Dは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。
本実施形態において、第1圧縮部12Aからの作動流体は、分岐部24で2つのルートに分岐して流れる。
第1ルートにおいて、第1圧縮部12Aからの作動流体は、第2圧縮部12Bでさらに圧縮される。第2圧縮部12Bからの作動流体は、蒸気発生ユニット22のチャンバ120における貯溜部130に配置された第1放熱部13Aを流れる。第1バイパス経路17Aにおいて、第1放熱部13Aからの作動流体の一部が、第3放熱部13Cを迂回し、再生器18を経て、第1膨張部14Aの手前で第3放熱部13Cからの作動流体と合流する。第1放熱部13Aからの残りの作動流体は、第3放熱部13Cを流れる。
第2ルートにおいて、第1圧縮部12Aからの作動流体は、蒸気発生ユニット22のチャンバ120における散液部131に配置された第2放熱部13Bを流れる。第2バイパス経路17Bにおいて、第2放熱部13Bからの作動流体の一部が、第4放熱部13Dを迂回し、再生器18を経て、第2膨張部14Bの手前で第4放熱部13Dからの作動流体と合流する。第2放熱部13Bからの残りの作動流体は、第4放熱部13Dを流れる。
第1加温部21Aは、ヒートポンプ10の第4放熱部13Dに熱的に接続されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。第1加温部21Aと第4放熱部13Dとを含んで第1熱交換器41が構成される。第2加温部21Bは、ヒートポンプ10の第3放熱部13Cに熱的に接続されかつ第1加温部21Aからの水が流れる導管を含む。第2加温部21Bと第3放熱部13Cとを含んで第2熱交換器42が構成される。
本実施形態において、第1加温部21A及び第2加温部21Bで加熱された水(温水)が蒸気発生ユニット22に供給される。蒸気発生ユニット22において、プール沸騰方式及び膜面蒸発方式により、蒸気が発生する。
本実施形態において、第1放熱部13Aに対応するチューブ140が蒸気発生ユニット22のチャンバ120における貯溜部130に配置される。第2放熱部13Bに対応するチューブ140が蒸気発生ユニット22のチャンバ120における散液部131に配置される。
本実施形態において、第2放熱部13Bに比べて、第1放熱部13Aを流れる作動流体の温度が高い。その結果、第1実施形態と同様に、貯溜部130及び散液部131における熱伝達(熱バランス)の向上が図られる。
なお、熱源ユニットはヒートポンプに限定されない。他の実施形態において、上記の蒸気発生ユニットに対して、様々な熱源ユニットが適用され得る。
他の実施形態において、蒸気発生ユニットにおける、散液部を比較的下方位置に配置し、貯溜部を比較的上方位置に配置することも可能である。
上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
S1−S5…蒸気生成システム、10…ヒートポンプ(熱源ユニット)、11…吸熱部、12…圧縮部、13A,13B,13C,13D…放熱部、14…膨張部、15…主経路、17…バイパス経路、18…再生器、20…供給ユニット、21…加温部、22…蒸気発生ユニット、30…圧縮機(減圧装置)、70…制御装置、120…チャンバ、120A…第1チャンバ、120B…第2チャンバ、126…送液機構、140…チューブ(管)、160…散液機構。