JP5211706B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質層の両面に燃料極層と酸化剤極層を配置した発電セルを備える固体酸化物形燃料電池に関し、特に、同一平面上に並列配置された複数の発電セルとセパレータを交互に積層して成る固体酸化物形燃料電池に関するものである。
近年、燃料の有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する燃料電池は高効率でクリーンな発電装置として注目されている。この燃料電池は、酸化物イオン導電体から成る固体電解質層を両側から空気極層(カソード)と燃料極層(アノード)で挟み込んだ積層構造を有する。
発電時、反応用ガスとして空気極層側に酸化剤ガス(酸素) が、また燃料極層側に燃料ガス (H2、CO、CH4等) が供給される。空気極層と燃料極層は、反応用ガスが固体電解質層との界面に到達することができるよう、何れも多孔質の層とされている。
発電セル内において、空気極層側に供給された酸素は、空気極層内の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、この部分で空気極層から電子を受け取って酸化物イオン(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極層に向かって固体電解質層内を拡散移動する。燃料極層との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部分で、燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2等)を生じ、燃料極層に電子を放出する。尚、電極反応で生じた電子は、別ルートの外部負荷にて起電力として取り出すことができる。
平板積層型の燃料電池は、これら発電セルとセパレータを交互に多数積層してスタック化すると共に、その両端より積層方向に荷重を掛けてスタックの各構成要素を相互に圧接・密着させることにより構成される。
また、セパレータは、発電セル間を電気的に接続すると同時に発電セルに対して反応用ガスを供給する機能を有し、その内部に、燃料ガスを燃料極層側に誘導する燃料ガス通路と、酸化剤ガスを空気極層側に誘導する酸化剤ガス通路とを備える。
図9は上記セパレータの一例を示している。当セレータ8は、厚さ数mmの四角形のステンレス製板材で成り、板材の内部には上述した燃料ガス通路11と酸化剤ガス通路12がそれぞれ渦巻き状に形成されており、その表面にセパレータ8のほぼ全面を覆うように円形の発電セル5が配設される。
ところで、固体酸化物形燃料電池では、発電出力を高めるために、セパレータとともに発電セルを大きく形成し、固体酸化物形燃料電池を大型化する必要がある。ところが、発電セルを所定以上に大きくすると(通常は、直径120mm程度)発電セルの運転時に温度分布が生じ易くなり、その際の熱応力により熱歪みが生じて発電セル(特に、固体電解質層)が割れ易くなるという問題があった。
このような実状から、従来より、上述の発電セルを同一セパレータ上に複数個配置することにより発電セルを小形化した構造の固体酸化物形燃料電池が提案されており、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1には、金属セパレータ間に複数の発電セルが配設された内部マニホールド構造の燃料電池が開示されているが、各発電セルの中央に反応用ガス(燃料および空気)の供給口を設ける構造である。この供給口でのシールは必須であるが、シールが発電セルの個数分必要であるためシール構造が複雑化すると共に、運転時の熱膨応力により、これらのシールが破損して燃料ガスと空気が混合し、その際の発熱によって発電セルが割れる不具合があった。
特許文献2は、特許文献1のように、発電セルに反応用ガスの供給口を設けず、燃料および空気はセパレータ内部のガス流路を通って発電セルの中心部に噴出する構造であるため、上述のシール構造の問題は回避されるが、外部マニホールド構造であるため、各セパレータ毎に燃料および空気のガス供給管が必要で反応用ガスの供給構造が極めて複雑化すると共に、セパレータ内において、空気導入部付近の温度が低下し、燃料導入部付近の温度が上昇する傾向にあり、このようなセパレータ内の温度不均一により、発電セルが割れる不具合があった。
特許文献3は、セパレータ中央の空洞に燃料予熱管と空気予熱管が配設されており、反応ガスがこれらを通してマニホールドへ供給される構造であるため、セパレータ内での温度を均一に保つことは可能であるが、セパレータ中央部の空気および燃料の予熱管は筒状であるため、積層された各発電セルから中央部へのガスの流れが無く、このため、発電セルへの燃料と空気の供給が外周部に偏るガスの流れになり、結果として発電性能が低下してしまう不具合がある。加えて、外部マニホールド構造であるため、ガス配管構造は極めて複雑であり、運転時にスタックの構造に不要な熱応力が加わり、発電セルの割れやガス配管の破損等が生じる虞がある。
特開平6−310164号公報 特開2002−008683号公報 特開2003−168469号公報
本発明は、上述した従来の問題点に鑑み成されたもので、構造が簡便で、且つ発電セルの破損を防止できる固体酸化物形燃料電池を提供することを目的としている。
すなわち、請求項1に記載の発明は、固体電解質層の両面に燃料極層と酸化剤極層を配置した発電セルが同一平面内で複数並列接続状態で配置され、これら複数の発電セルが内部に燃料ガス通路および酸化剤ガス通路を備えたセパレータを介して複数積層されると共に、当該積層体内に各前記セパレータの酸化剤ガス通路および燃料ガス通路に連通して積層方向に貫通する酸化剤ガスマニホールドおよび燃料ガスマニホールドを備え、前記セパレータには、前記酸化剤ガスマニホールドに連通する酸化剤ガス孔と、前記燃料ガスマニホールドに連通する燃料ガス孔とがそれぞれ設けられ、前記酸化剤ガス通路は、一端が前記酸化剤ガス孔に連通すると共に、当該酸化剤ガス通路が分岐し又は複数設けられることにより、他端側が各前記酸化剤極層と対面する部分において開口されており、前記燃料ガス通路は、一端が前記燃料ガス孔に連通すると共に、当該燃料ガス通路が分岐し又は複数設けられることにより、他端側が各前記燃料極層と対面する部分において開口されていることを特徴としている。
ここで、「当該酸化剤ガス通路が分岐し又は複数設けられる」とは、酸化剤ガス通路が複数設けられ、かつ分岐しているものも含む意味である。同様に、「当該燃料ガス通路が分岐し又は複数設けられる」とは、燃料ガス通路が複数設けられ、かつ分岐しているものも含む意味である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池において、上記酸化剤ガス通路は、前記セパレータの上記発電セルに囲まれた部位の中央部を経て各前記酸化剤極層と対面する部分に誘導されることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池において、前記複数の発電セルは、前記セパレータの中央部に縦横対称に配置されるとともに、前記酸化剤ガスマニホールドに連通する酸化剤ガス孔と前記燃料ガスマニホールドに連通する燃料ガス孔とは、前記セパレータの一対向角部に配置されており、且つ前記酸化剤ガス通路は、前記セパレータの縁部より上記複数の発電セルで囲まれた部位の中央部に至り、当該中央部にて分岐して各前記酸化剤極層と対面する部分に誘導されることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池において、少なくとも前記燃料ガス通路は、流路方向と直行する方向に二股に分岐しながら各前記燃料極層と対向する部分に誘導されることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池において、分岐毎にガス通路の断面積を小さくすることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池において、前記酸化剤ガスマニホールドに連通する酸化剤ガス孔は、前記発電セルに囲まれた部位に配置されるとともに、前記酸化剤ガス通路は、複数本設けられて、それぞれ上記発電セルに囲まれた部位より各前記酸化剤極層と対面する部分に誘導されることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までの何れかに記載の固体酸化物形燃料電池において、前記発電セルは、発電反応に使用されなかった残余のガスを発電セルの外周部より放出するシールレス構造を有し、且つ、前記複数の発電セルにより囲まれた部位に対応する前記セパレータの中央部分に厚さ方向に貫通するガス排出用の孔部を設けたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、複数の発電セルを同一セパレータ上に並列接続状態に配置する構造としたので、セパレータ上に1個の発電セルを配置する場合に比べて、各発電セルのサイズを小さくすることができるため、その分、温度分布を均一化でき、発電セルを割れ難くできる。加えて、複数の発電セルの内の1つが破損した場合であっても、正常な他の発電セルより出力を取り出すことができるため、極端な出力低下を招かず運転を続行できる。
また、酸化剤ガス通路および燃料ガス通路を複数設け或いは分岐して、並列配置された複数の発電セル各々に酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給する構造としたので、必要なガスシール箇所は、配設される発電セルの個数に関係なく、酸化剤ガス孔と燃料ガス孔の2カ所のみとすることができ、よって、セパレータのシール構造が簡素化され、運転時の熱応力に対するシール構造の信頼性を向上でき、ひいては発電セルの割れ防止に寄与できる。
請求項2に記載の発明によれば、酸化剤ガス通路がセパレータの発電セルに囲まれた部位の中央部を経て酸化剤極層と対面する部分に誘導されているため、酸化剤ガスの冷却効果により発電セルに囲まれた部位に対応するセパレータ中央部の温度上昇を抑制して、セパレータ面内での温度分布を均一化させることができ、発電セルの割れを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、酸化剤ガス通路をセパレータの中央部にて分岐させたため、酸化剤ガスを効率的に加熱することができるとともに、その冷却効果により効率的にセパレータ中央部分の温度上昇を抑制して、セパレータ面内での温度分布を均一化させることができ、より確実に発電セルの割れを防止することができる。また、酸化剤ガス孔と燃料ガス孔とをセパレータの一対向角部に配置したため、ガス流路の全長を長くすることができ、酸化剤ガス及び燃料ガスを充分に加熱して、発電セルに導入させることによって発電性能を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、燃料ガス通路をT字状に分岐させるようにしたので、分岐部における燃料ガスの分配を均等にできると共に、ガス流路の全長をより長くすることができ、これにより、各燃料極層への燃料ガスの等流配が可能となり、発電性能を向上できる。
また、請求項5に記載の発明によれば、ガス流路の下流側に向けて分岐毎にガス通路の断面積を小さくして、分岐した各ガス通路の流路抵抗を等しくさせるようにしたので、より確実な燃料ガスの等流配が可能となる。
さらに、請求項6に記載の発明によれば、酸化剤ガス孔を発電セルに囲まれた部位に配置することによって、効率的にセパレータ中央部の温度上昇を抑制できるとともに、酸化剤ガス通路の全長を短くしても酸化剤ガスを等流配でき、セパレータ構造が簡素化されて、燃料電池全体の小型化を可能にすることができる。
また、請求項7に記載の発明によればセパレータの中央部分にガス排出用の孔部を設けたので、発電セルの外周部より排出される反応ガスがパレータ中央付近に滞留することがなく、この孔部より効率良く排出されるため、酸化剤ガスおよび燃料ガスが各電極層の全面に効率良く供給されるようになり、発電性能を向上できる。
以下、図面に基づいて本発明による固体酸化物形燃料電池の第1実施形態を説明する。
図1は本発明が適用された平板積層型の固体酸化物形燃料電池1の構成を示し、図2は図1の一部拡大を示し、図3はセパレータ8の構造を示している。
図2に示すように、単セル10は、固体電解質層2の両面に燃料極層3と酸化剤極層4を配した複数個(4個)の発電セル5と、各燃料極層3の外側に配した燃料極集電体6と、各酸化剤極層4の外側に配した空気極集電体7と、これら集電体6、7の外側に配した上下2枚のセパレータ8とで構成されている。
これら発電要素の内、固体電解質層2はイットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、燃料極層3はNi等の金属あるいはNi−YSZ等のサーメットで構成され、酸化剤極層4はLaMnO3、LaCoO3等で構成され、燃料極集電体6はNi等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、空気極集電体7はAg等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成されされている。
セパレータ8は、図3に示すように、厚さ数mmの略方形状のステンレス製の板材で構成されており、上述した複数の発電セル5(5a〜5d)と、各集電体6、7が積層される中央部分のセパレータ本体8cと、このセパレータ本体8cより面方向に延設されて、当セパレータ本体8cの対向縁部を2カ所で支持するセパレータアーム8a、8bとで構成されている。
図3中、一点鎖線で示すように、このセパレータ本体8cの中央部分には、直径約60mm程の小径の発電セル5a〜5dが縦横対称に配設される。
セパレータ8は、これらの発電セル5a〜5dを共通の集電体6、7を介して電気的に並列接続すると共に、各発電セル5a〜5dに反応用ガス(酸化剤ガス、燃料ガス)を供給する機能を有し、その内部に酸化剤ガス通路12と燃料ガス通路11とを有する。
また、各セパレータアーム8a、8bは、それぞれセパレータ本体8cの外周辺に沿って僅かな隙間を持って対向隅角部より延設される細長帯状として、積層方向に可撓性を持たせており、これにより、積層方向の加重がセパレータ本体8cの全面に均一に加わるようになされていると共に、これらセパレータアーム8a、8bの端部には、板厚方向に貫通する一対のガス孔(酸化剤ガス孔14、燃料ガス孔13)が設けられている。
酸化剤ガス孔14は、セパレータ8の酸化剤ガス通路12に連通し、また、燃料ガス孔13は、燃料ガス通路11に連通し、各々のガス孔14、13から、これらのガス通路12、11を通して通路末端のガス吐出口12a、11aより各発電セル5の各電極面(酸化剤極層4、燃料極層3)の中央部に酸化剤ガスおよび燃料ガスを吐出するようなっている。
さらに細述すれば、酸化剤ガス通路12は、酸化剤ガス孔14よりセパレータアーム8a内を通してセパレータ8の下辺部中央部位P1に至り、ここから内方に向けてセパレータ本体8cの発電セル5a〜5dで囲まれた中心部位P2に至り、中心部位P2において横方向T字に分岐し、一方の酸化剤ガス通路12は、発電セル5a、5bの中間部位P3に至り、この中間部位P3においてさらに縦方向T字に分岐して、それぞれ発電セル5a、5bの中心部に対応するセパレータ面上に開口された酸化剤ガス吐出12a、12aに連通している。
他方、上記中心部位P2において横方向T字に分岐した酸化剤ガス通路12の他方側(図中右側)は、発電セル5c、5dの中間部位P4に至り、この部位P4においてさらに縦方向T字に分岐してそれぞれ発電セル5c、5dの中心部に対応するセパレータ面上に開口された酸化剤ガス吐出12a、12aに連通している。
また、燃料ガス通路11は、燃料ガス孔13よりセパレータアーム8b内を通してセパレータ本体8cの上辺部中央から発電セル5b、5cの中間部位P5に至り、この中間部位P5において横方向T字に分岐し、一方の燃料ガス通路11は、発電セル5bの周縁に沿って発電セル5a、5bの中間部位P6に至り、この中間部位P6においてさらに縦方向T字に分岐して、それぞれ発電セル5a、5bの中心部に対応するセパレータ面上に開口された燃料ガス吐出口11a、11aに連通している。
他方、上記中間部位P5においてT字状に分岐した燃料ガス通路11の他方側(図中右側)は、発電セル5cの周縁に沿って発電セル5c、5dの中間部位P7に至り、この中間部位P7においてさらに縦方向T字に分岐してそれぞれ発電セル5c、5dの中心部に対応するセパレータ面上に開口された燃料ガス吐出口11a、11aに連通している。
そして、この燃料ガス通路11については、上述したセパレータ本体8cの部位P5、部位P6、部位P7においてガス通路が分岐される毎にその断面積が約1/2に縮小されている。
また、発電セル5a〜5dにより囲まれた部位に対応するセパレータ本体8cの中央部分には、酸化剤ガス通路12を避けるように、厚さ方向に貫通する3個のガス排出用の孔部31が形成されている。また、発電セル5aと発電セル5bの間であって、燃料ガス通路11の分岐部P6と酸化剤ガス通路12の分岐部P3とに挟まれた部位、および、発電セル5cと発電セル5dの間であって、燃料ガス通路11の分岐部P7と酸化剤ガス通路12の分岐部P4とに挟まれた部位、および、発電セル5bと発電セル5cの間であって、燃料ガス通路11の分岐部P5とガス排出用の孔部31に挟まれた部分には、それぞれ厚さ方向に貫通する放熱用の孔部32が形成されている。
上記構成の単セル10を、図1、図2に示すように、間にリング状の絶縁性ガスケット16、15を介在して順次積層すると共に、この積層体の上下両端にセパレータ8よりサイズの大きい四角形の上締付板20aと下締付板20bを配して、その周縁部の4カ所をボルト21とナット26にて締め付けることにより、その締め付け荷重により各々のガスケット16、15がそれぞれセパレータ8の各ガス孔14、13を介して積層方向に連結され、スタック内部に積層方向に延びるガスシール性に優れる2系統の内部マニホールド(酸化剤ガスマニホールド18と燃料ガスマニホールド17)が形成される。
そして、運転時には、酸化剤ガスマニホールド18および燃料ガスマニホールド17に外部から供給される酸化剤ガス(空気)と燃料ガスが流通し、各反応用ガスが各セパレータ8の酸化剤ガス孔14、燃料ガス孔13より酸化剤ガス通路12、燃料ガス通路11を介して各発電セル5の酸化剤極層4と燃料極層3に分配・供給され、各発電セル5において発電反応を生じさせるようになっている。
また、この固体酸化物形燃料電池1は、発電セル5の外周部にガス漏れ防止シールを設けないシールレス構造であり、運転時には、発電反応で消費されなかった残余のガス(排ガス)を各発電セル5の外周部から外に自由に放出するようになっている。
以上、本実施形態では、発電セル5の形状を円形としたが、この他、発電セル5の形状を図4に示すような六角形、或いは図5に示すような四角形等とすることも可能である。
尚、図4、図5において、図3と共通する部分はそれぞれ同一符号を用いており、8はセパレータ、5a〜5dは発電セル、11は燃料ガス通路、12は酸化剤ガス通路、13は燃料ガス孔、14は酸化剤ガス孔、31はガス排出用の孔部、32は放熱用の孔部である。
次いで、第2実施形態の固体酸化物形燃料電池を、図6および7を用いて説明する。
尚、第1実施形態と同一の構成については、同一符号を用いることによって説明を省略する。
図6に示すように、単セル40は、固体電解質層2の両面に燃料極層3と酸化剤極層4を配した複数個(4個)の発電セル5と、各燃料極層3の外側に配した燃料極集電体6と、各酸化剤極層4の外側に配した空気極集電体7と、これら集電体6、7の外側に配した上下2枚のセパレータ9とで構成されている。
セパレータ9は、図7に示すように、厚さ数mmの方形状のステンレス製の板材で構成されており、縦横対称に配設される直径約60mm程の小径の発電セル5a〜5dを覆う大きさに形成されている。そして、これらの発電セル5a〜5dを共通の集電体6、7を介して電気的に並列接続すると共に、各発電セル5a〜5dに反応用ガスを供給する機能を有し、その内部に酸化剤ガス通路92と燃料ガス通路91とを有する。
さらに、セパレータ9には、複数の発電セル5a〜5dに囲まれた部位に対応する中央部に、板厚方向に貫通する酸化剤ガス孔44が設けられるとともに、この酸化剤ガス孔44を挟むようにして、複数の発電セル5a〜5bの外方に対応する外周部であって、かつ発電セル5a、5b間および発電セル5c、5d間に対応する部位に、それぞれ板厚方向に貫通する燃料ガス孔43が対になって設けられている。
酸化剤ガス孔44は、それぞれセパレータ9の四角部方向に向けて延在する直線状の4本の酸化剤ガス通路92に連通しており、各酸化剤通路92は、各発電セル5の中央部に対応する位置に開口する末端のガス突出口92aより各発電セル5の酸化剤極層4に酸化剤ガスを吐出するようなっている。
他方、各燃料ガス孔43は、各発電セル5の中央部に向けて延在する直線状の2本の燃料ガス通路91に連通し、各燃料ガス通路91は、末端のガス突出口91aより各発電セル5の燃料極層3の中央部に燃料ガスを吐出するようなっている。
また、発電セル5a〜5dにより囲まれた部位に対応するセパレータ9の中央部分には、酸化剤ガス孔44の周囲における酸化剤ガス通路92間に各々酸化剤ガス通路92を避けるように、それぞれ厚さ方向に貫通する4個のガス排出用の孔部93が形成されている。
上記構成の単セル40を、第1実施形態と同様に、間にリング状の絶縁性ガスケット16、15を介在して順次積層すると共に、この積層体の上下両端にセパレータ9よりサイズの大きい四角形の上締付板20aと下締付板20bを配して、その周縁部の4カ所をボルト21とナット26にて締め付けることにより、その締め付け荷重により各々のガスケット16、15がそれぞれセパレータ9の各ガス孔44、43を介して積層方向に連結され、スタック内部に積層方向に延びるガスシール性に優れる2系統の内部マニホールド(酸化剤ガスマニホールドと燃料ガスマニホールド)が形成される。
そして、運転時には、酸化剤ガスマニホールドおよび燃料ガスマニホールドに外部から供給される酸化剤ガス(空気)と燃料ガスが流通し、各反応用ガスが各セパレータ9の酸化剤ガス孔44、燃料ガス孔43より酸化剤ガス通路92、燃料ガス通路91を介して各発電セル5の酸化剤極層4と燃料極層3に分配・供給され、各発電セル5において発電反応を生じさせるようになっている。
また、この第2実施形態の固体酸化物形燃料電池も、発電セル5の外周部にガス漏れ防止シールを設けないシールレス構造であり、運転時には、発電反応で消費されなかった残余のガス(排ガス)を各発電セル5の外周部から外に自由に放出するようになっている。
次いで、第3実施形態の固体酸化物形燃料電池を、図8を用いて説明する。
尚、第2実施形態と同一の構成については、同一符号を用いることによって説明を省略する。
図8に示すように、単セルは、固体電解質層2の両面に燃料極層3と酸化剤極層4を配した複数個の発電セル5と、各燃料極層3の外側に配した燃料極集電体6と、各酸化剤極層4の外側に配した空気極集電体7と、これら集電体6、7の外側に配した上下2枚のセパレータ95とで構成されている。ここで、発電セル5は、縦方向に複数行(2行)、横方向に偶数列(4列)に配置されることにより、合計8個設けられている。
セパレータ95は、厚さ数mmの長方形状のステンレス製の板材で構成されて、直径約60mm程の小径の発電セル5a〜5hを覆う大きさに形成されている。そして、これらの発電セル5a〜5hを共通の集電体6、7を介して電気的に並列接続すると共に、各発電セル5a〜5hに反応用ガスを供給する機能を有し、その内部に酸化剤ガス通路97と燃料ガス通路96とを有する。
さらに、セパレータ95には、複数の発電セル5a〜5hに囲まれた部位に対応する中央部に、全ての酸化剤ガス孔44を配設すべく、複数の発電セル5a〜5bの外方に対応する外周部であって、かつ発電セル5a、5b間および発電セル5e、5f間に対応する部位に、それぞれ板厚方向に貫通する燃料ガス孔43が対になって設けられている。
これにより、セパレータ95には、これら発電セル5a、5bに対する燃料ガス孔43の反対側の発電セル5a、5b、5c、5hに囲まれた部位に対応する位置、およびこれら発電セル5e、5fに対する燃料ガス孔43の反対側である発電セル5d、5e、5f、5gに囲まれた部位に対応する位置に、それぞれ板厚方向に貫通する酸化剤ガス孔44が設けられている。
また、セパレータ95には、これら発電セル5c、5hに対する酸化剤ガス孔44の反対側であって、これら発電セル5d、5gに対する酸化剤ガス孔44の反対側でもある発電セル5c、5h、5d、5gに囲まれた部位に対応する位置にも、板厚方向に貫通する燃料ガス孔43が設けられている。
各酸化剤ガス孔44は、それぞれ各発電セル5の中央部に向けて延在する直線状の4本の酸化剤ガス通路97に連通しており、各酸化剤通路97は、末端のガス突出口97aより各発電セル5の酸化剤極層4の中央部に酸化剤ガスを吐出するようなっている。同様に、各燃料ガス孔43も、各発電セル5の中央部に向けて延在する直線状の4本の燃料ガス通路96に連通し、各燃料ガス通路96は、末端のガス突出口96aより各発電セル5の燃料極層3の中央部に燃料ガスを吐出するようなっている
ただし、セパレータ95の発電セル5a、5b間および発電セル5e、5f間に対応する部位に対になって設けられた燃料ガス孔43は、各発電セル5の中央部に向けて延在する直線状の2本の燃料ガス通路96に連通しており、これらの燃料ガス通路96も、末端のガス突出口96aより各発電セル5の燃料極層3の中央部に燃料ガスを吐出するようなっている。
また、発電セル5a〜5hにより囲まれた部位に対応するセパレータ95の中央部分には、各酸化剤ガス孔44の周囲における酸化剤ガス通路97間に各々酸化剤ガス通路97を避けるように4個のガス排出用の孔部93がそれぞれ厚さ方向に貫通して形成されて、8個のガス排出用の孔部93が形成されている。また、酸化剤ガス孔44の周囲における燃料ガス通路96間に各々燃料ガス通路96を避けるように、それぞれ厚さ方向に貫通する4個のガス排出用の孔部93が形成されている。
上記構成の単セルを、第2実施形態と同様に、間にリング状の絶縁性ガスケット16、15を介在して順次積層すると共に、この積層体の上下両端にセパレータ95よりサイズの大きい四角形の上締付板20aと下締付板20bを配して、その周縁部の4カ所をボルト21とナット26にて締め付けることにより、その締め付け荷重により各々のガスケット16、15がそれぞれセパレータ95の各ガス孔44、43を介して積層方向に連結され、スタック内部に積層方向に延びるガスシール性に優れる2系統の内部マニホールド(酸化剤ガスマニホールドと燃料ガスマニホールド)が形成される。
そして、運転時には、酸化剤ガスマニホールドおよび燃料ガスマニホールドに外部から供給される酸化剤ガス(空気)と燃料ガスが流通し、各反応用ガスが各セパレータ95の酸化剤ガス孔44、燃料ガス孔43より酸化剤ガス通路97、燃料ガス通路96を介して各発電セル5の酸化剤極層4と燃料極層3に分配・供給され、各発電セル5において発電反応を生じさせるようになっている。
また、この第3実施形態の固体酸化物形燃料電池も、発電セル5の外周部にガス漏れ防止シールを設けないシールレス構造である。
尚、第2および第3実施形態では、発電セル5の形状を円形としたが、第1実施形態と同様に発電セル5の形状を四角形或いは六角形等とすることも可能である。
以上、第1実施形態ないし第3実施形態による固体酸化物形燃料電池1では、同一セパレータ8、9、95上に複数の発電セル5を並列に配置する構造とすることにより、同じ出力を得る場合において、セパレータ8、9、95上に1個の発電セル5を配置する構造に比べて、発電セル5の径を小さくすることができるため(例えば、直径120mmを60mmとする)、その分、温度分布を均一化でき、発電セル5を割れ難くできる。加えて、各々発電セル5が並列に接続されているため、複数の発電セル5の内の1つが破損した場合であっても、正常な他の発電セル5より出力を取り出すことができ、極端な出力低下を招かずに運転を続行できる。
また、酸化剤ガス通路12、92、97より、セパレータ8、9、95の中央部分に酸化剤ガス(空気)を導入することにより、その冷却効果により、セパレータ中心部分の温度上昇を抑制してセパレータ面内での温度分布を均一化させることができ、発電セル5の割れを防止することができる。
特に、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池1では、燃料ガスは酸化剤ガスに比べて流量が少ないため、燃料ガスによる冷却効果は得られないが、図3のように、発電セル5の隣接部位に放熱用の孔部32を設けることにより、セパレータ8隣接部位の放熱効果を助長することができ、セパレータ面内での温度分布の均一化に寄与できる。
また、酸化剤ガス通路12および燃料ガス通路11をT字状に分岐させていくことにより、分岐部における反応用ガスの分配を均等にでき、且つ、各ガス流路の全長を長くすることができる。これにより、各発電セルへの反応用ガスの等流配が可能となり、発電性能を向上できる。
燃料ガス通路11においては、ガス流路の下流側に向けて分岐毎にガス通路の断面積を小さくして圧損失を生じさせるようにしたので、燃料ガス通路11においては、より確実な燃料ガスの等流配が可能となり、より安定した発電性能が得られるようになる。
他方、第2および第3実施形態の固体酸化物形燃料電池では、セパレータ9、95の複数の発電セル5a〜5d、5a〜5hに囲まれた部位に対応する中央部に設けた酸化剤ガス孔44によって酸化剤ガスマニホールドを形成したため、この酸化剤ガスマニホールドから酸化剤ガス孔44を通じて、酸化剤ガスを直接セパレータ9、95の酸化剤ガス通路92、97に供給することによって、効率的にセパレータ中心部分の温度上昇を抑制できる。さらには、セパレータ9、95の酸化剤ガス通路92、97の全長を短くすることによって、セパレータ9、95の構造が簡素化されて、燃料電池全体の小型化を可能にすることができる。
また、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池1では、セパレータ8の中央部分にガス排出用の孔部31を設けることにより、第2および第3実施形態の固体酸化物形燃料電池では、セパレータ9、95の中央部分にガス排出用の孔部93を設けることにより、発電セル5a〜5dの外周部より排出される反応ガスがパレータ中央付近において滞留することがなく、この孔部31、93より効率良く排出されるため、酸化剤ガスおよび燃料ガスが各電極層の全面に効率良く供給されるようになり、発電性能を向上できる。
次に、本発明の効果を確認するため、以下のような発電試験を実施した。
作動温度750℃、電流密度500mA/cm2、燃料利用率75%にて発電試験を実施し、セルの形状および1枚のセパレータ8上に設置する発電セル5の枚数を変化させた時の発電セルの平均出力密度と発電セルの割れを調査し、その結果を表1に示した。上記セルとは、発電セル5をセパレータ8で挟み込んだものを示している。尚、酸化剤ガスとして空気を水素の5倍量を供給した。また、発電セル5には自立膜型ランタンガレート系電解質のLSGMC5を使用し、固体電解質層3の厚さは0.20〜0.25mmとした。燃料極層3はCe0.2Sm0.82とNiのサーメット、酸化剤極層4にはSm0.5Sr0.5CoO3を用いた。
実施例1−1(従来型)では、直径160mmの円形平板形のセルを5段積層し、燃料ガスとして水素を5Nml/cm2/minで供給した。ここで、NmlのNは0℃を意味する。
この時の平均出力密度は500mW/cm2であり、高い性能が得られたが、室温に降温後、スタックを解体すると5枚のセル中、3枚が割れていた。これは、作動温度750℃から室温に降温する際の収縮で生じる引張り応力によるものと推測される。
この割れた発電セル5を再度スタックに組み込み、発電試験を同条件にて実施したところ、平均出力密度は0.18W/cm2まで低下した。このように、スタック中のセルが割れてしまうと発電性能が著しく低下することが確認された。
実施例1−2(従来型)では、円形セルの直径を120mmとし、実施例1−1と同様に従来型の1枚のセルを5段積層した時の結果である。セルの単位面積当たりの燃料ガスおよび空気流量を一定とした条件下での平均出力密度は0.51W/cm2であった。発電試験後のセルの割れは5枚中1枚であった。
この割れたセルを再度スタックに組み込み、発電試験を同条件で実施したところ、平均出力密度は0.36W/cm2まで低下した。この場合の、低下率は29%である。
このように、スタック中の1枚のセルが割れただけで発電性能は急激に低下した。この理由は、5枚のセルが直列に接続されているため、その内の1枚のセルが破損すると、その部分での抵抗が著しく増大し、スタック全体の性能を低下させてしまうためである。
実施例1−3では、円形セルの直径を80mmとし、1枚のセパレータ8上に4枚の発電セル5を並列配置し、5段積層した時の結果である。この場合の同条件における平均出力密度は0.49W/cm2であり、従来型のセルを用いた実施例1−1に較べて0.01W/cm2の減少となった。
この性能低下の理由は、発電セル5の半径を小さくすることにより、セルの中心部と外周部との距離が減少して、セパレータ8の中心部から吐出される水素と燃料極層3との電気化学反応の頻度が減少したためと推測される。
発電試験後の20枚のセルの内、割れは1枚であり、割れたセルを再度スタックに組み込み、発電試験を同条件で実施したところ、平均出力密度は0.45W/cm2となり、出力低下は0.04W/cm2、低下率は8%に留まった。
尚、従来型のセルを用いた実施例1−2では、1枚のセルの割れたことによる平均出力密度の低下率は29%であった。このことにより、セル割れが発生した場合、本実施形態のセパレータ構造では、スタック全体の性能低下を低く抑えることができることが確認された。
実施例1−4では、円形セルの直径を60mmとし、1セパレータ8上に4枚の発電セル5を並列配置し、5段積層した時の結果である。この場合、同条件における平均出力密度は0.47W/cm2であり、従来型セルを用いた実施例1−1に較べて0.03W/cm2の減少となった。この性能低下の理由は、上述した通りである。
発電試験後の20枚のセルの内、割れはなく、再度同じセルをスタックに組み込み同条件で発電試験を実施したところ、平均出力密度は0.47W/cm2であり、発電性能の低下は見られなかった。発電セル5を小形化することにより、電流密度650mA/cm2の高出力条件下にも拘わらず、セル割れを起こさずに昇温・発電・降温することが可能であることが確認された。
これらの発電セル5をそれぞれ未使用セルに入れ換えて比較試験(2)(3)を実施し、降温後のセル割れを確認したところ、20枚中割れていたセルはなく、発電セル5の小形化がセル割れ防止に効果的であり、且つ、発電セル5の並列接続がその発電性能を維持できることが確認された。
実施例1−5では、円形セルの直径を40mmとし、実施例1−6では、円形セルの直径を30mmとし、1枚のセパレータ8上に16枚のセルを並列配置し、それぞれ5段積層した時の結果である。
この場合、同条件における平均出力密度はそれぞれ0.45W/cm2、0.43W/cm2であり、小形化により発電性能は減少傾向にある。試験後の80枚のセルの内、実施例1−5、実施例1−6とも割れはなく、かつ、比較試験(2)(3)を実施して降温後のセルの割れを確認したところ、割れは全く見られず、発電セル5の小形化がセルの割れ防止に効果的であることが再度確認された。実施例1−5、6の場合は、1A/cm2以上の高電流密度においてもセル割れを起こさずに昇温・発電・降温が可能であると推測される。
実施例1−7(従来型)、実施例1−8、実施例1−9では、角形の発電セルを用い、セパレータ8上のセル枚数を変化させ、全セルの合計面積を500cm2一定とした時の発電性能および降温後のセル割れの枚数についての試験結果である。
従来型のセルを用いた実施例1−7の場合、比較試験(1)後、5枚のセルの全てが割れており、再度組み立て後の平均出力密度は0.08W/cm2まで減少した。これより、セル形状を角形にすると、円形セルに較べて割れ易くなっていることが分かる。セルを小形化した実施例1−8、実施例1−9の場合、比較試験(1)後のセルの割れがないことが確認された。
実施例1−10(従来型)、実施例1−11、実施例1−12では、六角形の発電セルを用い、セパレータ8上のセル枚数を変化させ、全セルの合計面積を540cm2一定とした時の発電性能および降温後のセル割れについての試験結果である。
従来型のセルを用いた実施例1−10の場合では、比較試験(1)後、2枚のセルが割れており、組み立て後の平均出力密度は0.23W/cm2まで減少した。セル形状を六角形としたため、上述した角形セルに較べて割れ難くなっているが、円形セルに較べて割
れ易いことが分かる。
実施例1−11の場合では、比較試験(1)後、1枚のセル割れがあったが、極端な発電性能の低下には至らなかった。4枚のセルの内の3枚が割れていなければ、この3枚のセルにより燃料ガスの少なくとも3/4は電気化学的に消費可能であるため、燃料利用率75%以上での正常な発電が可能であり、例えば、割れたセル1枚の半分の面積が発電可能であるとすると、概算で燃料利用率87.5%まで正常発電が可能と推測される。これに対し、実施例1−10の場合、1枚のセル割れが起こり、仮に割れたセルの50%の部分が発電可能であるとしても、燃料利用率50%以上では正常な発電は不可能である。
Figure 0005211706
実施例2では、セパレータ8内部のガス供給流路において、本実施形態の中心部に空気を供給した場合(図3において、セパレータ8の酸化剤ガス通路12に空気を供給し、燃料ガス通路11に燃料ガスを供給する)と、燃料ガスと空気の供給を入れ換えてセパレータ8中心部のガス供給路に燃料ガスを供給した場合(すなわち、酸化剤ガス通路12に燃料ガスを供給し、燃料ガス通路11に空気を供給する)とで比較試験を行い、その結果を表2に示した。
実施例2−1では、直径60mmの円形セルを1セパレータ8上に4個並列配置し、5段積層した。この時の平均出力密度は0.47W/cm2である。これに対して、実施例2−2の場合の、燃料と空気の流路を入れ換えた発電試験では、平均出力密度は0.43W/cm2に低下した。
空気がセパレータ中央部に供給されない実施例2−2の場合では、セパレータ中心部の温度は788℃程、端部は734℃程となり、同一セパレータ上での温度差は52℃程であった。これは、燃料ガスの流量は空気流量に較べて1/5であるため、セパレータ中心部分での熱交換量が低下して温度が上昇したものと考えられる。これに対し、空気がセパレータ中央部に供給される実施例2−1の場合は、温度差は僅か12℃程であった。
実施例2−2の場合では、比較試験(4)の降温後のセル割れはなかったが、比較試験(5)、(6)では、20枚のセルの内、直径60mmの小型セルを用いたにも拘わらず、比較試験(5)で3枚、比較試験(6)で1枚割れていた。割れがあった時の発電性能が低下していることから、発電中にセパレータ内部で温度差が生じて割れた可能性が大きいと考えられる。
また、発電試験後、セル割れが生じていないのにも拘わらず比較試験(4)の平均出力密度は0.43W/cm2と低かった。この理由は、燃料ガスを、分岐部分において流路幅が狭まっていない酸化剤ガス通路12に供給したことにより、セパレータ内部での燃料ガスの均等流配が崩れたためと推測される。
Figure 0005211706
実施例3では、セパレータ中心部のガス排出用の孔部31の有無についての比較試験(7)および比較試験(8)を行い、その結果を表3に示した。
これらの発電試験では、直径60mmの円形セルをセパレータ上に4個並列配置し、5段積層した。また、空気は通常通り、セパレータ8の酸化剤ガス通路12より供給した。
排気孔31を設けた実施例3−1場合では、平均出力密度は0.47W/cm2であった。これに対し、排気孔31を設けていない実施例3−2の場合の平均出力密度は0.38W/cm2と発電性能の低下が見られた。尚、実施例3−1の場合、同一セパレータ内部での温度差は12℃程であるのに対して、実施例3−2の場合は、温度差が31℃程と大きかった。
比較試験(7)および比較試験(8)において、実施例3−2の場合、試験後にセル割れは生じなかったが、発電性能は低かった。この理由は、排気孔31を設けていないと、発電反応生成物である水蒸気がセパレータ中心部分で排出されずに滞留し、この部分での電気化学反応が著しく低下したためと推定される。よって、セパレータ中心部分に排気孔31を設けることが、発電性能の向上のために重要であることが確認された。
Figure 0005211706
実施例4では、直径60mmの円形セルをセパレータ8上に4個並列配置し、5段積層した構造で、発電セル5の固体電解質層4の種類を変えた場合の発電試験を行い、その結果を表4に示した。
すなわち、実施例4−1では、固体電解質層4として厚さが0.2mm程度の自立膜型のランタンガレートを用い、実施例4−2では、固体電解質層4として厚さ0.03mmのジルコニア系8YSZを用い、実施例4−3では、セリア系電解質(CeO2)を用いた。
実施例4−1の場合、平均出力密度が0.47W/cm2と高いが、実施例4−2の場合は、平均出力密度が0.20W/cm2と低かった。
これは、実施例4−2では、燃料極層3にNi−CeO2サーメットを支持基盤として使用し、酸化剤極層4にランタンマンガナイト(LaMnO3)を使用しており、YSZ電解質のイオン伝導度に対する電子伝導度の割合がランタンガレートに較べて低いため、開回路起電力は5.5Vと高いが薄膜の電解質においても750℃では十分なイオン伝導度が得られず、性能が低下したものと推定される。
実施例4−2の場合、3回の比較試験において比較試験(10)でセル割れが1枚発生したが、全体的にセル割れが少ないことが確認された。
実施例4−3では、Ni−CeO2サーメットを支持基盤として使用し、酸化剤極層4にランタンマンガナイト(LaMnO3)を使用した。セリア系電解質であるため、イオン伝導度に対する電子伝導度が高く、電解質部分での内部短絡により開回路起電力が低い結果となった。また、比較試験後、多数のセルが割れたことから、セリア系電解質を用いる場合は、セルの大きさを径60mmよりもさらに小さくする必要があると考えられる。

Figure 0005211706
第1実施形態の平板積層型の固体酸化物形燃料電池の構成を示す図。 図1の一部拡大図。 図1のセパレータの構造を示す図。 図3とは別のセパレータの構造を示す図。 図4とは別のセパレータの構造を示す図。 第2実施形態の平板積層型の固体酸化物形燃料電池の一部拡大図。 図6のセパレータの構造を示す図。 第3実施形態の平板積層型の固体酸化物形燃料電池におけるセパレータの構造を示す図。 従来例として示したセパレータの構造を示す図。
符号の説明
1 固体酸化物形燃料電池
2 固体電解質層
3 燃料極層
4 酸化剤極層
5 発電セル
8、9、95 セパレータ
11、91、96 燃料ガス通路
12、92、97 酸化剤ガス通路
13、43 燃料ガス孔
14、44 酸化剤ガス孔
17 燃料ガスマニホールド
18 酸化剤ガスマニホールド
31、93 ガス排出用の孔部

Claims (7)

  1. 固体電解質層の両面に燃料極層と酸化剤極層を配置した発電セルが同一平面内で複数並列接続状態で配置され、これら複数の発電セルが内部に燃料ガス通路および酸化剤ガス通路を備えたセパレータを介して複数積層されると共に、当該積層体内に各前記セパレータの酸化剤ガス通路および燃料ガス通路に連通して積層方向に貫通する酸化剤ガスマニホールドおよび燃料ガスマニホールドを備え、
    前記セパレータには、前記酸化剤ガスマニホールドに連通する酸化剤ガス孔と、前記燃料ガスマニホールドに連通する燃料ガス孔とがそれぞれ設けられ、
    前記酸化剤ガス通路は、一端が前記酸化剤ガス孔に連通すると共に、当該酸化剤ガス通路が分岐し又は複数設けられることにより、他端側が各前記酸化剤極層と対面する部分において開口されており、
    前記燃料ガス通路は、一端が前記燃料ガス孔に連通すると共に、当該燃料ガス通路が分岐し又は複数設けられることにより、他端側が各前記燃料極層と対面する部分において開口されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記酸化剤ガス通路は、前記セパレータの前記発電セルに囲まれた部位の中央部を経て各前記酸化剤極層と対面する部分に誘導されることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記複数の発電セルは、前記セパレータの中央部に縦横対称に配置されるとともに、
    前記酸化剤ガス孔と前記燃料ガス孔とは、前記セパレータの一対向角部に配置されており、且つ
    前記酸化剤ガス通路は、前記セパレータの縁部より上記複数の発電セルで囲まれた部位の中央部に至り、当該中央部にて分岐して各前記酸化剤極層と対面する部分に誘導されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 少なくとも前記燃料ガス通路は、流路方向と直行する方向に二股に分岐しながら各前記燃料極層と対向する部分に誘導されることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 分岐毎にガス通路の断面積を小さくすることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記酸化剤ガスマニホールドに連通する酸化剤ガス孔は、前記発電セルに囲まれた部位に配置されるとともに、前記酸化剤ガス通路は、複数本設けられて、それぞれ上記発電セルに囲まれた部位より各前記酸化剤極層と対面する部分に誘導されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  7. 前記発電セルは、発電反応に使用されなかった残余のガスを発電セルの外周部より放出するシールレス構造を有し、且つ、前記複数の発電セルにより囲まれた部位に対応する前記セパレータの中央部分に厚さ方向に貫通するガス排出用の孔部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の固体酸化物形燃料電池。
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