JP5205587B2 - G−パン楽器 - Google Patents

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Description

本発明は総合的に、伝統的なアコースティックのスチールパン音楽ドラム楽器の従来の冶金技術を大幅に革新および改良する新しいアコースティック楽器に関する。本発明は打奏モードで演奏され、この打奏モードでは、伝統的なアコースティックのスチールパンドラム楽器に似た方法で、金属のキー支持面上の所定のキー演奏領域を物理的に打撃することによって、メロディ音を生じる。
スチールパンは、それが生まれた国、すなわちそれを国民楽器と公布したトリニダードトバゴ共和国では、伝統的な芸術形式であると考えられている。本発明の進化に関連して、従来技術は慣用の伝統的なアコースティックのスチールパン音楽ドラム楽器によって完全に定義される。アコースティックスチールパンまたは伝統的なスチールパンは、1つ以上の連続的な金属のキー支持面(以下、演奏面とも言う)上に、一定の音高の良く画定されたキー演奏領域を有する楽器である。
前述の楽器は打奏モードで演奏され、1930年代の後半の或る時期にトリニダードトバゴ共和国のトリニダード島で最初に発明された。楽器の生まれ民間伝承に隠れ、殆どの場合労働者階級で一般的に技術的に無学である個人の中で最初に流行したので、発明の正確な年月日は知られていない。楽器の最初の公表記事は、1940年2月6日のドリニダードガーディアン新聞で印刷された。
本発明の先駆者として、最初のスチールパンが米国軍によって捨てられた空の石油ドラム缶から作られ、そしてスチール容器製作技術の当業者に密着ヘッド型円筒スチール石油缶またはドラム缶として知られているものから大々的に作られた。このドラム缶はドラム缶または石油缶の円筒状本体に上部ヘッドと底部ヘッドを冷間巻付けすることによって製造されている。このようにして形成された接合部は、スチール容器製作技術の当業者に出縁として知られている。
本発明に関連して、演奏面はハンマーまたは打撃工具および/またはプレス成形装置によって、先ず最初に一方のドラム缶ヘッドを手動で窪ませて成形することにより製作される。そして、音楽的キー演奏領域が溝を形成することによってキー支持面上に明確に画定される。その後、上記のキー支持面は熱処理され、そして冷却される。続いて、上記キー領域は、パンチューナーがハンマーで注意深い熟練した打撃により要求形状にされることにより調音され一定の音高の音楽キーを支持する領域を形成する
元のドラム缶の円筒状本体は、スチールパンのスカートとして知られているものを形成するために使用され、主として音響効果的な共鳴器の働きをするためにいろいろな長さに切断される。一般的に、円形の演奏面の直径は55.88cm/22インチから65.58cm/27インチであり、スカートの長さは約15.24cm/6インチから91.44cm/36インチである。これより大きな又は小さなサイズも使用されたが、採用された実施例では、恐らく経済性および演奏容易性の理由から、上述のレンジが使用された。
本発明の開発に対して影響を及ぼした、上記のように形成されたドラムは、音楽レンジの異なる部分をカバーするために種々のスチールパン楽器を形成するようにグループ化されている。従って、スチールパン楽器は、キーが多数のドラムにわたって分配されている楽器である。スチールパン楽器中のドラムの数は、所望音楽キー周波数で共鳴させるために必要なキー領域の大きさを画定する適用可能な科学法則の制限によって規定される。
伝統的なスチールパンファミリでは少なくとも11個のスチールパン楽器が使用される。9バススチールパンは、一般的にAからBまで及ぶ全部で27個のキーのために、それぞれ3個のキーを有する9個のドラムからなっている。より一般的な6バススチールパンは、一般的にAからDまでの全部で18個のキーのために、それぞれ3個のキーを有する6個のドラムからなっている。テノールバスのスチールパンは一般的にGからDまでカバーする4個のドラムからなっている。チェロスチールパンはバリトンレンジをカバーし、2つの種類がある。3チェロスチールパンは一般的に、3個のドラムでBからGまでのレンジをカバーし、4チェロスチールパンは一般的に、4個のドラムでBからDまでのレンジをカバーする。
4チャンネルのスチールパンは、BからB までのレンジをカバーするために4個のドラムを使用する最近の斬新なスチールパンである。ダブルギタースチールパンはC からG までのレンジをカバーするために2個のドラムを使用する。ダブルセカンドスチールパンはFからB までのレンジをカバーするために2個のドラムを使用する。ダブルテノールスチールパンはAからC までのレンジをカバーするために2個のドラムを使用する。ローテノールはCからE までのレンジをカバーするために1個のドラムを使用する。ハイテノールはDからFまでのレンジをカバーするために1個のドラムを使用する。歴史的な理由から、ソプラノレンジのキーを実際に有するテノールパンの名前付けには例外がある。
パン奏者が良好な音楽的品質を得るために、キー支持面に接触させるために使用されるスティックまたはマレットの端部は、軟らかい材料、通常はゴムの軟度の材料でカバー、被包またはコーティングされている。この材料が硬すぎる場合には、発生する音は調和せずに耳障りになる傾向がある。使用される材料が軟らかすぎると、音が出なくなる。従って、スティックの設計は打撃の時点でキー上に残るスティックの時間を決定する。この時間は接触時間と定義される。この接触時間よりも短い繰り返し周期の周波数を有するキー部分は振動を抑制され一方、接触時間よりも長い繰り返し周期の周波数を有するキー部分は抑制されない。
初期のスチールパンの演奏面は凸形であった。このスチールパンは演奏が困難であった。楽器が進化したときに、パン奏者とスチールパンチューナーは、現在世界的標準となっている凹形を非常に好んだ。
背景技術、すなわち現在のスチールパンデザインでは、演奏面はドラム缶の平らな端部をハンマーで叩いて凹形ボウルにすることによって製作される。その結果、要求される深さおよび厚さに金属が伸ばされる。このプロセスは「窪ませる」と呼ばれる。窪ませるプロセスは演奏面の厚さを薄くし、材料の弾性を、所望のキーレンジを支えるために必要なレベルに調節する。その後、窪ませられた表面は、窪ませられた端部のリムから下方へ適切な距離をおいたところでスカートを切断することによって、ドラム缶の残りの部分から分離される。ドラム缶の他の半分は廃棄されるかまたは別のスチールパンを作るために使用される。
キー支持領域は、パンチを用いてキー領域の間に溝またはチャンネルを形成することによって、境界を画定することが可能である。このステップは必ずしも必要ではなく、パン奏者に対しキー領域を容易に識別するための手段としてのみ役立つ。より重要なのはキー間の分離または孤立の程度である。これはキー間の振動エネルギー伝達を低減する音響バリヤを提供し、楽器の正確さを改善するので、良い楽器にとって必須である。明確化のため、正確さは、関係するキー支持領域が励起されるときに、意図する音楽キーを、かつ意図するキーだけの支持を促進する楽器の特性に関する
フェルナンデス(Fernandz)の1976年の特許文献1(期限切れ)の「マグノパン」は、特別な方法で各キーに接触させた磁石によるスチールドラムの磁石チューニングの結果生まれたものであった。キーの特別な領域のために異なる強さの磁石が設けられるとき、パンは二つの楽音だけ離して一方のキーから他方のキーへ、すなわちCからEへまたはEからCへ変化し得る。磁石を調節することにより、音の質も変化させることができる。フェルナンデスの1983年の特許文献2(期限切れ)の「穴あきパン」はキー領域外周に沿って穴をあけることによっておよびキーの周りの領域を熱処理することによってバリヤを強化する。
スチールパンのキー支持面において、キー分離とは他方のキーからの一方のキーの孤立の程度のことを言う。はっきり分離されていないキーの場合、打撃によって一方のキーに加えられるエネルギーのきわめて大きな割合が他方のキーに伝達され、この伝達は第2のキーによって発生する音が認識できるほどである。分離が不十分だと、キーのグループの望ましくない励起を生じる。
協和音と不協和音は、2つ以上のキーが同時に励起されるときに発生する複合音の快適さや愉快さを説明するために使用される用語である。2つ以上のキーがスチールパンの同じ表面上に分配されているので、2つ以上のキーが上述のようなエネルギーカップリングによってうっかり励起される可能性がある。協和音は心地よいが、不協和音は心地よくない。従って、協和音と不協和音の概念はある程度主観的なものである。
従来技術では、2つのキーからの部分音が臨界周波数帯域に含まれるときに不協和音が生じる一般的に考えられている。この帯域のレンジは音程に沿って変化するが、典型的には30Hzから40Hzまで達している。従って、協和音と不協和音は音程に直接関係するので、すべての音程に達する協和音レベルが存在する。特に西洋音楽では、音程の協和音が、減少する協和音または増大する不協和音にランク付けされている。
オクターブ(ほとんど協和する)、完全5度、完全4度に対応する音程は、完全協和音内にあると言われているが、長6度、長3度、短6度および短3度に対応する音程は、不完全音内にあると言われている。ほとんどの不協和音程は不協和音の減少するレベルで一般的に、短2度(ほとんど不協和)、長7度、長2度、短7度および3全音(増4度または減5度)であると考えられる。
叩かれるキーからのエネルギーが叩かれるキーと共鳴しない倍音を有する他のキーに伝達されるならば、不協和音が発生し得る。このため、すべてのキーが短2度離れているため、一般的に演奏面上の半音配置は回避される
本発明に関連するため、各キーによって生じる倍音を変更するために、チューナーは内部キーカップリングを利用することを強調しておく。これは、キー間の領域の張力を選択的に調節することによっておよびカップリングのほとんどがキーの協和音グループの間で起こるようにするための、楽器の演奏面上におけるキーの思慮深い配置またはレイアウトによってなされる。
本発明にとって、キー分離問題は、スチールパンドラム上のキーの値および位置を決定するキーレイアウト構成を工夫するという挑戦の中心である。多数のキーレイアウト構成が長年にわたって使用された。これらのキーレイアウト構造を採用するキーポイントは、音楽的な演奏の容易性と、不協和音を許容できるレベルに制御することである。
長年にわたって従来技術の進化に影響を与えたので、パン奏者は特別な所定の物理的キー配置について好みを実証した。好ましい配置は、トリニダードトバゴ規格局によって発行された規格にリストアップされている。これらの中で最も注目に値するものは、テノールスチールパンで使用するための4度と5度の配置である。この配置は音楽演奏を容易にするために発見され、上記楽器の不協和音を最小限に抑える。一般的にエネルギーカップリングを最も多く受けるキーである、上記レイアウト上の隣接したキーは、オクターブ、4度または5度の音程にセットされる。これらは最も協和する4つの音程である。
キーの境界を画定した後で、窪ませるプロセスで発生した機械的応力を取り除くために、ドラム缶は約300°Cに加熱される。そして、スチールパンは焼入れによって急速に冷却されるかまたはゆっくり空冷される。加熱プロセスは製作者毎に異なる。続いて、選択した領域をハンマーで注意深く叩くことによって、個々のキーが形成される。キー音高と部分音を画定するために、キー領域の大きさと形状が微調節される。スチールパンのチューニングは反復プロセスであり、耳によってまたは機械もしくは電子チューニング装置を使って行われる。
従来技術のスチールパン楽器は、音色または音声の変化を可能にする。というのは、チューナーがすべてのキーの部分音を個別にチューニングすることができるからである。このプロセスは「調和チューニング」として知られている。スチールパンは本質的には、音声を合成する機械的手段である。調和チューニングは、異なる位置のキー支持面を叩くことによってキー音色の微妙な変化を生じることができるとうという利点を演奏者にもたらす
従来技術の場合、上記の伝統的なアコースティックスチールパンのスカートは、演奏面と同じ直径の管またはパイプの形をしている。演奏面のキーの振動によって生じる音の音波カップリングおよび放射に対して影響を与えるというスカートの役目は、周知の音響効果原理の厳密な適用によって説明することできる。要求される分析はきわめて複雑であるが、この文書のため、2つの主要なメカニズムを考察することによって簡単化可能である。
先ず第1に、スチールパンドラムは、一端だけが閉じた管としてモデル化可能である。これは、閉鎖開放管として音響分野の当業者に知られており、ドラム内に閉じ込められ空気の共振特性を示す。理想的な閉鎖開放管は次式の基本共振振動数を有する。
Figure 0005205587
ここで、dは管の直径、Lは管長、そしてvは大気の音速である。係数0.3dは管端部の分散の補正のために使用される最終補正係数である。従って、係数L+0.3dは基本共振振動数の1/4波長に相当する。
従来技術に関連して、スチールパンにとって重要なことは、理想的な閉鎖開放管が基本共振振動数の奇数倍で共振ピークを生じ、基本共振振動数の偶数倍で共振ゼロを生じることである。実際、管の共振は基本共振振動数の奇数倍で最大であり、基本共振振動数の偶数倍で最小である。
発生した共振の強さと、最大共振と最小共振の間の差は、スカート長さに対する半径の比が小さくなるにつれて一層明確になる。従って、共振効果は、一般的に長いスカートを有する低音のスチールパンの場合に増大する。
更に、演奏面からリムを経てスカートに伝達される音響エネルギーに応じて、スカートの壁自体から音が伝播する。スカートはもちろん、共鳴する特有のモード周波数によって画定される固有のモード動作によって特徴づけられるが、演奏面のキー支持面によって生じる周波数でも振動する。この振動の強さはキーを叩く強さと、演奏面の合成振動の振動数成分がスカートの共振振動数にどの程度接近しているかに依存する。
スカートの共振振動数に近い振動数成分は、近くない振動数成分よりも大きな振動レベルの振幅を生じる傾向がある。スカートによる音場への正味の作用は、スカート全領域にわたるこの振動の複合作用の結果である。特に、スカートの全ての所定の個所での振動レベルは一般的に小さいが、スカートの大きな表面積での作用は、認識可能な音レベルを生じる。
ハイテノールスチールパンの場合、スチールパンを作ったドラム缶のスカートは、11.60cm/4インチから15.24cm/6インチまでの長さに切断される。このスカートの長さは、音楽レンジが低下するにつれて増大し、6バスの場合には代表的な長さは86.36cm/34インチに達する。プロセスの最後の段階において、上記楽器には保護膜が形成される。これは塗装、電気メッキ仕上げ(通常はニッケルまたはクロム)または噴射および焼成プラスチック仕上げを含んでいる。チューニングの部分調節は往々にして、このプロセスの後で必要とされる。
伝統的なスチールパンの同業者によってリムと呼ばれる、スチールパンの上記演奏面の外周部は、ドラム缶や樽形容器製造の当業者に出縁として知られているものに一致しており、演奏面とスカートの材料を圧接または巻付けることによって作られる。演奏中に伝統的なスチールパンの演奏面を叩くと、幾つかの打撃エネルギーがドラムの1つ以上のねじりモードを励起する。上記のようなリムを有する、最も多い伝統的なスチールパンで使用される直径が55.88cm/22インチのドラムの場合、上記ねじり振動は約15Hzの超低周波の成分を有する。上記振動は普通の演奏打撃にとってかなり大きく、楽器のリムに触るときに実際に感じることができる。
その結果生じる、振動のねじりモードによる伝統的なスチールパンドラムの演奏面の形状の変化する歪みは、特に演奏面のエッジに近いキーで時々起こるキー音高周波数の変化の大きな原因であり、従ってキーの明瞭性および正確性に不利な影響を与える。伝統的なスチールパンは更に、外部から加えられる力または温度変化によって生じる応力のために楽器のリムが壊れると、チューニングできなくなる。
パラダイムシフトによって、発明とスチールパン音楽楽器の進行中の開発は、開発国から世界の多くの国へのスチールパン楽器の輸出を強化することはともかく、地球規模で冶金技術の新しい時代の到来を告げた。1940年代トリニダードトバゴの発明までは、鉄殻および板から作られた楽器は、ゴング、シンバルおよび鐘のようなリズム楽器としてのみの使用に制限された。
しかしながら、スチールパン楽器の到来は、高品質のメロディ音は、鉄板の変形および処理の制御と、演奏のために各キー支持面を叩くスティックまたはマレットの非常に注意深い設計とによって高品質のメロディ音を生じることができるという説得力のある説明により、冶金技術知識の地球規模的な蓄積にダイナミックに追加された。用語「スチールパン技術」は、それに含まれる複雑な冶金プロセスを体系化および要約する必要に迫られて、トリニダードおよびトバゴで新しく作られた。
伝統的なスチールパン製作に対して、容易で明白な多くの拡張がある。楽器は伝統的に行われたように石油ドラム缶から作る必要はない。実際に、最終的に演奏面を形成する金属トップを作って適当な形の支持部に取付けることにより、楽器全体を金属シートから作ることができる。取付けは例えば溶接または圧接によって行うことができる。ハイドロフォーミングまたはスピンフォーミングのような多様な標準工業プロセスによって、窪ませることができる。
伝統的なアコースティックスチールパン楽器は、それが新規で魅力があるにもかかわらず、幾つかの欠点を有する。第1に、伝統的なスチールパンファミリの各スチールパンの音楽レンジが一般的に3オクターブよりも小さい。これは特に独奏者の演奏を制限し、独奏者の演奏はしばしば作曲の一部を入れ換えることによって補正される。作曲の一部で要求されるキーは演奏される楽器の範囲にある。更に、或る演奏者は2つの異なるスチールパンレンジで同時に演奏することにって、この欠陥を補っている。
更に、既存のスチールパンが必要にせばまれて場当たり的に開発されたので、音楽レンジ全体をカバーするためには今まで少なくとも11個の楽器が必要であったという事実により、装置が整頓されず雑然としている。キーレイアウトスタイルの過剰のバリエーションを考えると、整頓されない状態は更に悪化する。
上記のキーレイアウトスタイルの過剰のバリエーションは、オーケストラでスチールパン楽器の広いレンジを演奏しようとする個人が直面する困難の一因となる。更に、演奏者の可動性に対して不利に作用する。この可動性は、異なるキーレイアウトを有するスチールパンを備えた異なるスチールパンオーケストラで演奏す演奏者の能力である。
アコースティックスチールパン製造のための伝統的な方法は、その主要な原材料のため容器製造に頼っている。この原材料は使用済または未使用の完成ドラム缶であり、通常は55ガロンのものである。しかしながら、上記容器製造業者によって作られたドラム缶は、完全に容器市場のために設計されている。この場合、まず一番に念頭に置く事柄は、衝撃を受けたきに破裂しないドラム缶の能力である。従って、製造業者はドラム缶を製造するために使用されるの冶金的特性について、その引張り強度ほど重要視していない。よって、伝統的な製造で使用されるは、高品質のスチールパン楽器を作るために要求される、炭素含有量、結晶粒度および純度等において大きく異なる冶金特性を有する。これはこのようなドラム缶によって作られたスチールパン楽器の音楽品質のバリエーションに明確に影響を与える。
更に、伝統的なドラム缶の大部分が容器産業のために作られた樽から製造されるので、伝統的なスチールパンは最適な設計ではない。この設計は最高の音楽的正確さおよび表現を有する楽器を作るためのスチールパンの大部分の要求特性を考慮に入れることを特徴とする。この大部分は演奏面、出縁およびスカートである。
伝統的なアコースティック楽器の製造では、演奏を最適化するために出縁やスカートを修正または適応させる必要性に対して、ほとんど配慮がなされなかった。更に、演奏面は音楽的キー領域を定めることのみを意図して成形されている。上記の3つの構成要素は、演奏中楽器を叩くときにその構造的固有モード周波数で共振するので、楽器の音楽的正確さが低下し得る。このモード周波数は15Hzという低い周波数でも測定された。振動のこの固有モードが演奏面のモード変形を伴うので、演奏面内に画定されるキー幾何学的形状がゆがめられて、キー周波数の低周波変調を生じる。
変調作用に加えて、スカートの非音楽的振動は特に、音楽的品質を失うノイズの原因になる。特に、高周波数の共振は、キーを叩くときにしばしば認識され、そして発生した音の音楽成分が実質的に消失した後は頻繁に認識される。この共振は主として、キー領域としてチューニングされていない演奏面の部品、出縁およびスカートから生じる。これは解決策を必要とする、伝統的なスチールパンに関連する問題であり、鋭い音楽的耳を持った多様な専門家によって簡単に認識された。
スカートを形成する閉鎖開放管の共振周波数は、第1共振周波数の奇数倍で最大値を有し、第1共振周波数の偶数倍で最小値を有する。更に、最大値と最小値の差は、樽の半径と長さの比が小さくなるにつれて増大する。この半径/長さの比は一般的にバスの0.32:1からテノールスチールパンの1.83:1まで変化する。従って、バス楽器の場合はより強い共振が存在するが、それを形成した閉鎖開放管の共振周波数は、より短いスカートを使用する高音楽器の場合よりもはるかに不均一である。これは音構造に有害な作用を与える。
比較すると、クラリネットまたはフルートのような吹奏楽器で使用される閉鎖開放管の不均一な共振振動数から生じる共鳴作用は、キーおよびその倍音の発生にとって断然重要である。上記楽器は0.04:1のオーダーの半径/長さの比を有する。
しかしながら、スカートを形成する管は、伝統的なスチールパンに適用されるときに、同じ特徴的な不均一な共振周波数が要因となって、一般的に演奏面のキーに存在する上音の同時スペクトルのための最適なアコースティック共鳴器ではない。例えば第1共鳴が所定のドラム上の最も低いキーの音高に一致するように、スカートの長さが調節されると、上記キーのオクターブは最小共振周波数の結果として抑制される。この問題は、バスの演奏面上の一般的な別のキーである5度とその部分音の作用を考慮すると、一層悪化する。
従って、伝統的なスチールパンの製造技術が楽器のアコースティックデザインに適切に焦点を当てていないことと、一層効果的なスカート設計が要求されることを上記の事柄すべてが示唆している。
残念であるが、伝統的なアコースティックスチールパンは、メンテナンス、搬送または楽器の音放射特性の変更を容易にするためのスカートの取り外しおよび交換が容易ではない。
伝統的なスチールパンは通常、特別に設計されたスタンドから紐、コードまたはワイヤによって吊り下げられている。この構造は、美観の点で改良が必要であることは別として、スチールパン、支持スタンドおよびそれを置く床の間での振動エネルギーの不所望なカップリングを容易にする。この望ましくないカップリングは、特に支持スタンドまたはそのような他の構造物から加えられる付加的なノイズ成分によって、音楽的品質を更に低下させる。
更に、スチールパンを吊り下げる紐、コードまたはワイヤが一般的に楽器のリムに固定されているので、紐を取り付ける支持スタンドの最上部は、リムから上方に突出していなければならず、従って演奏者の演奏を幾分妨害する。高さ調節機構を備えた支持スタンドがあるが、上記の伝統的な吊り下げ方法は楽器の姿勢を容易に調節することができない。
これは楽器の人間工学的な使用に反している。
レックス(Rex)の特許文献3は多数の革新のうちの一つであり、音響手段または機械的手段を用いた音楽的な音を出す打楽器を開示している。この打楽器は1個の囲壁内に複数の共鳴室を有し、この共鳴室の開口を締付けるときに、複合ダイヤフラムを効果的に形成するドラムヘッドによって励起されるドラムである。開示されたこの革新では、音発生機構として管の音響共鳴を使用し、従って従来技術のスチールパンあるいは後述する本発明のスチールパンとは設計が異なっている。本発明のスチールパンは音を発生するために連続した面のシェル窪みのモード特性を使用する。
サルバドール(Salvador)およびピータース(Peters)の特許文献4(期限切れ)は、従来技術構造で発見された欠点を緩和するように改造されたドラムを提供する。更に詳しく言うと、この発明は、音楽的キー支持面を有するドラムを提供する。このキー支持面に含まれるチューニング可能な長方形のキーは、個々のキーの調和モードを有するように、不調和モードを抑制する。
シュルツ(Schulz)およびヴァイデンスドルファー(Weidensdorfer)の特許文献5は、ミドルCからアッパーCまでのオクターブ(全音程)を示す8つの音場(1〜8)の外側リングを備えたドラムを概説している。このドラムは更に、5つの音場、すなわちアッパーD,EおよびF(9〜11)を含む内側のいわゆる中央領域と、BフラットまたはAシャープとGフラットまたはFシャープをカバーする2つの領域を有する。従って、音楽レンジはミドルCからアッパーCの上のEまでと2つの臨時記号、すなわちBフラットまたはAシャープおよびGフラットまたはFシャープの第10形態である。
ラムゼル(Ramsell)の特許文献6の「音楽的な音を出すことができる打楽器」は、マレットで叩くときに異なる周波数で共鳴する、長さが変化する多数の人工管からなっている。開示された発明は音楽的な音を出す打楽器であるが、その音発生機構として管のアコースティック共鳴を使用するので、従来技術のスチールパンまたは後述するような本発明のスチールパンとは設計が異なっている。本発明のスチールパンは音を発生するために連続した面のシェル窪みのモード特性を使用する。
マットヒューズ(Matthews)の特許文献7は「持ち運び可能なドラムおよびキャリア」を開示している。装置はハーネス上に18個のキーを有する2個のスチールパンドラムと、人体に取り付けた2個のスチールパンを運ぶための取付け具とからなっている。この文献に開示された発明は音楽レンジ全体をカバーしていないし、伝統的なスチールパンのレンジをカバーしていないし、使用されるスチールパンドラムの演奏面、リムおよびスカートの最適な設計を考慮していないし、音の伝播のためのスカートの設計を考慮していない。
キング(King)の特許文献8〔インターパート(Inter Partes)再審査証明書(0026番目)US6,750,386C1、35U.S.C316による発行〕は「5度スチールパンのサイクル」を開示している。このスチールパンは4度と5度のサイクルに基づくキーレイアウトを用いている。開示された発明は、反時計回りに5度の音程に進むようなキーのレイアウトだけが従来技術と異なっている。これに対して、この文献に記載された発明のみならず、伝統的なテノールスチールパンも、反時計回りに5度の音程に進むようにキーを配置している。この文献に開示された発明は音楽レンジ全体をカバーしていないし、伝統的なスチールパンのレンジをカバーしていないし、使用されるスチールパンドラムの演奏面、リムおよびスカートの最適な設計を考慮していないし、音の伝播のためのスカートの設計を考慮していない。
発明の名称が「カリブスチールパンの製造」である、ホワイトミレ(Whitmyre)とプライス(Price)の特許文献9は、演奏面をハイドロフォーミングで形成することによって、スチールパン楽器の大量生産を容易にするための製造方法を開示している。この製造方法は、メンテナンスや持ち運びを容易にし、かつ音の特性を容易に変更するために、スカートを簡単に取り外す手段を備えた楽器を提供することができる。しかしながら、上記特許の記載は、音楽レンジ全体をカバーする楽器を開示していないし、オーケストラで必要とされるスチールパンの数を減らすこともしないし、非音楽的共鳴を低減するために使用されるスチールパンドラムの演奏面、リムおよびスカートの最適な設計を考慮していないし、音の伝播のためのスカートの設計を考慮していないし、スチールパンの吊り下げ方法を開示してもいない。
特に、従来技術ではスチールパン品質はチューナーによってアクセス可能なドラム缶または樽の不整合性を有していた。それは、それらが包装のために作られたためであり、本発明の全体は演奏面に特徴を有し、演奏面は保証された高品質の演奏面の製作のために特別に選定されたの使用によって大幅に改良される。
更に、演奏面は高音側の音楽レンジのキーの支持を補助するために複合設計である。本発明は、一体的なものとしてのドラムの伝統的な考えとはっきりと決別し、機能を最適化するために楽器の上記構成要素をよく考えて注意深く設計した上で3つの別個の構成要素から構成されかつ従来技術の上述の欠点を克服するものとして上記ドラムを取り扱う。
トリニダードトバゴ共和国特許第33A号明細書 トリニダードトバゴ共和国特許第32号明細書 米国特許第4,214,404号明細書 カナダ国特許第1209831号明細書 独国実用新案第20013648U号明細書 米国特許第5,814,747号明細書 米国特許第5,973,247号明細書 米国特許第6,750,386号明細書 米国特許第6,212,772号明細書
本発明は、主として音楽的、適切な冶金学的およびアコースティック技術と、工学的構造の計画的な適用によって、伝統的なアコースティックスチールパン楽器を改良する。
本発明の設計哲学は次の点で従来技術と異なっている。すなわち、従来技術のものが専ら包装のために材料選定や組立により予め製作された樽から作られる点が異なっている。従って、使用される材料はスチールパンにとって最も適しているものではなく、品質や冶金学的組成が知られておらずかつ変わりやすい。
一方で、本発明のアコースティックスチールパンドラムのセットは、複合設計および構造によるものであり、後部アタッチメントに固定される剛性のある出縁によって結合された演奏面を構成する部品から製作される。演奏面自体は各スチールパンドラムのキーの広いレンジを促進する複合設計によるものである。特に、演奏面は、本発明のセットの所定の楽器の最も高いレンジのキーを支持するように特別に加工および形成されたインサートを備えている。本発明は、3つの種類の後部アタッチメントの選択があり、そして各楽器からの音響放出レベルを増大することによって音楽的能力を高めるために共鳴器および音響放出器を作る。構造体、特に演奏面の構造体で使用される材料は、最適な用途のために特別に選定される。
同時に、不所望な後部アタッチメントの共鳴を低減または最小限に抑えるために当業者に知られている減衰方法が本発明の後部アタッチメントのために使用される。一方、後部アタッチメントは従来技術において一般的である非音楽的共鳴のレベルを大幅に低下させる。この共鳴は伝統的な楽器のスカートから生じる。このスカートはこのような共鳴を抑えるために、従来技術では処理もしていないし、何らかの修正もしていない。従って、本発明の後部アタッチメント設計は従来技術を大幅に改良し、それによって単一樽または缶である後部アタッチメントの使用は演奏者にとって必須となる。
本発明の場合、演奏面は剛性のある出縁で支持されている。この出縁は演奏面を横切るおよび演奏面とスカート間の相互作用、従来技術の音楽的品質を低下させる振動メガニズムを低減する。剛性のある出縁は更に、従来技術で使用される機械的圧接出縁を弛める傾向がある温度変化に起因する再チューニングの必要性を低減する。
演奏のための持ち運び特性および組み立てを考慮することにより、実用性が更に高められる。特に、伝統的な楽器は紐、コード、撚り糸または類似の仕掛けによって支持スタンドに吊り下げられているが、本発明はホイールの形をした組込み式吊り下げ機構を提案する。このホイールは支持スタンドのアーム上に取付けられた受け具に挿入されており、従って演奏のために本発明の迅速なワンステップ組み立てが容易になる。本発明の場合、演奏の準備のために、ホイールを受け具に挿入するだけでよい。上記ホイールと受け具の構造は、あらゆる種類の楽器にとって類のないものであり、従来から演奏者から要求される自由な揺動運動を容易にする。
本発明は、ドラムの大きさの決定を容易にする1組の設計方程式に基づく新しい設計方法を用いる。このドラムの大きさは例えば、予め定めたレンジの半音連続キーを支持するために必要な演奏面の半径である。スチールパン設計方程式と呼ばれるこの式は更に、予め定めたレンジの半音連続キーを支持するために必要な予め定めた大きさのドラムの数を決定するために用いることができる。
本発明において具体化されるような新しい設計技術は、スチールパン楽器のセットを提供す支持元方程式を用いて適用され、それはスチールパン集合体の上側と下側の音楽レンジを適切にカバーする。更に、本発明のセットの各楽器のレンジは、多数のキー、一般的に3オクターブまたは36個のキーを効果的にカバーする。その結果、音楽スペクトル全体をカバーするためには楽器を4個しか必要としない。これに対して、伝統的なアコースティック楽器のためには、11個以上の楽器が必要である。
更に、楽器のセット全体の音楽レンジが結果的に、従来技術の既存のスチールパン集合体の上側と下側の音楽レンジを越えて延長される。本発明のキーの広いレンジを実現しやすくするために支持元方程式を適用することにより、67.31cm/26.50インチの直径を有するドラムが設計される。この直径は、演奏中の人間工学的配慮および実用性に基づく、単一ドラムの概略最大寸法である。
本発明を正確に適用するオーケストラの好ましい実施の形態は、2つの補完的な物理的キーレイアウト原理を裏付ける楽器を用いる。これはレイアウトスタイルの数を減らす。演奏者は上記オーケストラのいろいろなスチールパン楽器で上記レイアウトスタイルに慣れなければならず、一般的に伝統的なスチールパンオーケストラに影響を与える問題がある。主たるキーレイアウト原理は、伝統的なテノールスチールパンのために得られるような単一ドラムの4度と5度の音楽サイクルあるいは2個のドラムを使用する伝統的なダブルセカンドスチールパンで存在するような2つのキー音程全体が動機となっている。4度または5度のような互いに補完的なこれらのレイアウトスタイルは、1個、3個または6個のドラムを備えたスチールパンに均一に適用されるときに、隣接するキー間の最も少ない不協和カップリングを生じる。これに対して、音程全体のレイアウトは、2個または4個のドラムからなるスチールパン集合体に均一に適用されるときに、隣接するキー間の最も少ない不協和カップリングを生じる。
これらのキーレイアウトパターンは、できるだけキーの相対位置を保つように、より多数のドラムを備えたスチールパンに再現されて延在しでいる。両レイアウトスタイルにおいて、キーは円内に配置され、それが繰り返されて「蜘蛛の巣」効果を生じる。それによって、キーのサイクルは、演奏面の中心の方へ動くときにリングあたり1オクターブだけ増大する音高を有する複数の同心リング内に配置される。
(図面の簡単な説明)
図1は本発明の好ましい実施の形態に基づく単一アコースティックスチールパンドラムの分解図であり、ホイールと受け具のアタッチメント用いて上記ドラムを吊り下げる方法の図示を含んでいる。
図1aは構成部品を示すG−パンファミリの典型的なドラムの分解図である。
図1bはG−ソプラノ、G−セカンドおよびG−3ミッド楽器の場合のG−パンファミリの典型的なドラムの吊り下げ方法を示している。
図1cはG−パンの吊り下げのために使用されるシステムの分解正面図である。
図1dはG−パンの吊り下げのために使用されるシステムの分解側面図である。
図1eはG−パンの吊り下げのために使用されるシステムの平面図である。
図2は本発明の好ましい実施の形態に基づく単一ドラムの演奏面の詳細な構造を示す分解図である。
図3は本発明の好ましい実施に基づくタイプ1の後部アタッチメントの使用を示す図である。
図4は本発明の好ましい実施に基づく管クラスタによって作られた後部アタッチメントの使用を示す図である。
図4aは、本発明の好ましい実施に基づく管クラスタを見せるために後部アタッチメントの外側シェルを切断した、管クラスタによって作られた後部アタッチメントの使用を示す側面図である。
図4bは、本発明の好ましい実施に基づく管クラスタによって作られた後部アタッチメントを使用する形態を示す背面図である。
図4cは、タイプ2aの後部アタッチメントを形成するフレームと管クラスタを示す図である。
図5は、本発明の好ましい実施に基づくチューニングされた後部アタッチメント構成要素または区間を使用する形態を示す図である。
図6は、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインを示す図である。
図6aは、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの切断線I−Iを示す平面図である。
図6bは、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの破断側面図である。
図6cは、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの底面図である。
図7は、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの側面図であり、必要な計算で使用される変数を示す。
図8は、本発明の好ましい実施に基づく本発明のG−ソプラノスチールパンのキーレイアウトを示す。
図9は、本発明の好ましい実施に基づくG−セカンドスチールパンのキーレイアウトを示す。
図10は、本発明の好ましい実施に基づくG−3ミッドスチールパンのキーレイアウトを示す。
図11は、本発明の好ましい実施に基づくG−6バススチールパンのキーレイアウトを示す。
次に、G−パンとその好ましい実施の形態を説明する。
G−パン(G−Pan)楽器はそれを構成する複数のドラムの物理構造と設計によって定義される。前記ドラムは各楽器において音楽的に高品質の広い範囲のキーを提供する。特に、G−パン設計原理を用いる各楽器は、音楽的に連続する少なくとも3オクターブの音楽レンジまたは半音階的に連続する36個のキーの音楽レンジを対象としている。加えて、各楽器のすべてのキーは、高い音楽的明瞭性を有していなければならない。その際、音楽的明瞭性は、すべのキーのスペクトル組成が音楽的基本周波数と、2つまで協和する部分周波数を含むことを意味する。この部分周波数は従来技術と比較すると、非音楽的共鳴よりかなり上方である。
伝統的なスチールパンドラムが一般的にボウルの最上部を横切って測定したときに55.88cm/22インチの直径を有するのに対し、G−パン演奏面は公称寸法で67.31cm/26.50インチである。直径が増大したことにより、より大きなボウル深さ、従ってより大きな演奏面の表面積が得られその結果より多くのキーを内蔵することが出来る。
伝統的な音響テナーパンについて、チューナーは一般的に20.32cm/8インチの深さのボウルを製作する。回転楕円体のボウルと仮定し、次式
Figure 0005205587
を用いると、キー区分以前における、伝統的なスチールパンのボウル表面積は3749.2平方センチメートル/581.2平方インチである。ここで、Sは回転楕円体ボウル表面積、rはボウルの最上部の半径、そしてdはボウルの深さである。G−ソプラノの好ましい実施形態は、25.4cm/10インチの深さが容易に得られ、その結果5585.2平方センチメートル/865.7平方インチの表面積を生じるか、あるいは約49%の表面積の増大を生じる。これは、提供可能なキーの数と範囲に関して伝統的な楽器を越える大きな余裕をもたらす。
特殊な楽器からなる様々なドラムにキーを割り当てる必要性は、物理の法則によって決定される。この物理の法則は、所定の基本周波数の振動を支持するためにキーが最小の大きさでなければならないことと、その結果低い音域のキーは高い音域のキーよりも大きくなければならないことを定めている。G−パンドラムおよび楽器の設計は、ある特定の音域のために必要とされる演奏面の幾何学的形状を特定する方法によって簡略化可能である。
次式はスチールパン設計方程式と呼ばれる2つ式である。この式は、予め特定されたある音域を支持するためのドラムの一式からなる楽器に必要とされるドラムの半径および深さと、ドラムの数の概算を容易にする。式は、伝統的な楽器の場合と同様に、オーケストラのすべての楽器が、G−ソプラノ使用される単一ドラムと同じ大きさのドラムを使用することを前提としている。
第1の式は、単一楽器を作るために必要なドラムの数を規定している。これは次の不等式を満足する整数ndrumsによって与えられる。
Figure 0005205587
ここで、
instrumentはあらゆる楽器で所望されるすべてのキーを支持するために必要な全表面積であり、そして
sopranoはG−ソプラノで所望されるすべてのキーを支持するために必要な全表面積である。
第2の式は、音楽的なキー1つの所定レンジを支持するために必要な演奏表面積Sinstrumentを規定しており、一般方程式によって決定される。幾何学的な合計は次式
Figure 0005205587
によって与えられる。
ここで、
B1はB キーの面積である。クロンマン(Kronmann)参照。これは一般的に1575平方センチメートルのオーダーである。
αは、音の高低の各半音増大についてキー領域を減少させる係数である。レンジBからBまでのキーの平均大きさの観察から、クロンマンによって推定されているように、α=0.93がα=0.94よりも適している。Sinstrumentの値はαの値に非常に敏感である。
Jはドラムの最も低いキーに対応する、Bからの半音の音程である。
instrumentは、球形キャップと見なされる、半径rおよび深さdのドラムの演奏表面積である。
nは楽器における連続するキーの数である。
kは演奏面上のキーの間の領域、すなわち支持ウェブを補足する係数である。バス楽器を除くすべての楽器はk=1.1である。所定のキー領域が一層近接する傾向があるときには、G−6バスのようなバス楽器についてはk=1.05である。
G−ソプラノについては、最大の快適な深さは約10インチまたは25.4cmである。例えばAの最も低いキーはJ=22であり、そして3オクダーブ範囲についてはSsoprano=Sinstrumentは少なくとも4646.4cmであり、要求される半径rは
Figure 0005205587
である、すなわち32.7cm/12.9インチである。ここで、演奏面は底辺の半径がrで深さがdの球形のキャップとして作られ、従って表面積S=π(r+d2)を有すると仮定する。これは最も低いキーがAよりも高いレイアウトを提供する。特に、範囲C〜B、すなわちG−ソプラノスチールパンの好ましい実施の形態のための表1に規定された範囲を提供する。
次に低い範囲の楽器が最も低いキーを有すると、3オクターブレンジA〜A を有する。全体面積がSinstrument=11100cmであるので、ドラムの必要な数はndrums=3である。これはG−3ミッドを生じる。
次に低い範囲の楽器が最も低いキーを有すると、3オクターブ範囲G〜F を有する。全体の面積がSinstrument=29265.56cmであるので、ドラムの必要な数はndrums=7である。これは実現可能であるが、持ち運びできるようにするためおよびドラムの数が多くなるにつれて楽器の演奏が困難になることを考慮して、ドラムの数を6に減らして音楽レンジを低減するように選択することができる。音楽レンジがG〜C から2.5オクターブに低減されると、全体面積はSinstrument=27535cmであるので、ドラムの必要な数はndrums=6である。これはG−6バスを生じる。
このスチールパン設計式を書き直すことにより、ドラムの数nを規定し、そして支持可能な最も低いキーを決定することができる。このキーはBからJ半音離れたキーである。ここで、
Figure 0005205587
3個の楽器G−ソプラノ、G−3ミッドおよびG−6バスはにG〜Bのレンジに及んでいる。しかしながら、ソプラノレンジを補助して音楽演奏の巧妙さを増大させるために、2個のドラム楽器を追加することができる。上記の式においてn=2を使用すると、このような楽器はBからJ=12半音離れた、すなわちBの最も低いキーを支持する。これはG−セカンドを生じる。
本発明のスチールパンのG−パンセットは、大きなドラムを使用することによって、前記の各楽器において広いレンジのキーを提供する。伝統的な楽器がボウルの最上部を横切るように測定した、55.88cm/22インチの直径を有するのに対し、G−パンのために使用されるドラムの好ましい実施の形態の演奏面の直径は67.31cm/26.5インチである。これは前に計算した65.4cm/25.8インチの直径よりも少しだけ大きい。増大した直径は、外側キーの形成においておよびG−ソプラノの内側キー間隔を大きくすることによって、品質を高めことが容易であることが判った。
ボウルを形成するシートメタルブランクは1.2〜1.5mmの厚さを有し、0.04〜0.15%の炭素含有率を有する。使用されるシートメタルブランクの実際の厚さは、要求される全体レンジおよび音色に依存する。
薄いブランクは高い音域のキーの形成を容易にし、従ってG−ソプラノおよびG−セカンドスチールパンにとって好ましい。厚いブランクは単位面積あたりの質量が大きいことにより、高いピッチの倍音の抑制を容易にする。後者は更に、ドラム全体の構造的な撓みによって発生するキー周波数変調を最小限に抑える傾向がある。本発明好ましい実施形態では、G−ソプラノおよびG−セカンドスチールパンが1.2mmのブランクによって作られ、G−3ミッドスチールパンが1.4mmのブランクによって作られ、そしてG−6バススチールパンが1.5mmのブランクによって作られている。
キージオメトリ、配置およびチューニングの結果として、本発明のG−パンスチールパン楽器は、その特有の倍音特性を有するので、共通の音楽レンジにおいて音の発生の変化を生じる。音の発生の他の変化は、楽器を演奏するために使用されるマレットやスティックの選択によっておよびキーの選択的成形、相対的位置決め、分離およびチューニングによって可能である。
図1はG−パンファミリの典型的なドラムの構造および用途を示している。図1aは構成部品を示す、前記の典型的なドラムの分解図である。図1bは、G−ソプラノ、G−セカンドおよびG−3ミッド楽器の場合の前記ドラムの支持方法を示している。図1c,1dおよび1eは、スチールパンを支持スタンドに取付けるための有利な方法で使用される支持ホイールと支持カップの詳細斜視図である。
図1aを参照する。ドラムは演奏面1と、出縁13と、後部アタッチメント14とからなっている。演奏面上には、その調律区間であるキー1aが配置されている。出縁は演奏面を支持し、演奏面のための剛性のある境界を提供する。後部アタッチメントは伝統的なスチールパンのスカートに取って代わるものである。図1aに示した後部アタッチメント14は任意に選択可能な幾つかのデザインの1つにすぎない。
演奏面1上の前記キーは、そのために特別に作られたスティックまたはマレットのような適当な器具で叩くときに、音楽的な音を生じる。演奏面は金属板によって作られ、図1に示すボウル形状となるように形成されている。好ましい実施形態では0.04〜0.15%の炭素含有率を有する鋼を使用する。
キーの間に存在する、調律されていない演奏面1の部分である演奏面1の領域は、本明細書では支持ウェブ1bとして定義されている。この支持ウェブ1bは打つときにはっきりした音楽的な音の高低を生じないがしかし、演奏面1上でキー1aを物理的に分離し支持する働きをし一方、出縁13構造全体をカップリングする。
演奏面1を成形するために使用される窪ませる方法は、究極の薄さ形状を生じる。これにより、最も薄い断面が最も高音のキーを配置すべ演奏面1の中央に位置する。
演奏面1のボウル形状は、演奏面1を生じる剛性のシェルの形成を容易にする。更に、シェルの剛性は、シェル金属を最終形状に加工するときに生じる自然硬化によって高められる。
演奏面1のボウルの形状は演奏面1の人間工学的形状の確立を容易にし、手の届く距離がおよそ76.2cm/30インチである平均的なパン奏者は、その腕と手首を自然に伸ばすことによってすべてのキーに届くことができる。
演奏面1の製作に適用される成形プロセスは、材料の最大ひずみ、粒間分離または過剰の加工硬化を生じないようにすべきである。材料の応力除去のための中間熱処理は、成形が最終形状で要求される深さおよび厚さに依存して行われるため必要である。
特に高音のキーが配置される演奏面1の内部区間において要求される形および厚さを得るために、フライス加工と研磨が用いられる。これは、窪ませる伝統的な方法がボウルの中央で元の金属シートブランク厚さの半分の厚さまたは0.60mm/0.024インチの厚さを生じるため、G−ソプラノパンの6オクターブのキーにとってきわめて重要である。ところが、G−ソプラノパンについて、限られた音変調と良好な音楽品質を有する高い明瞭度のキーを得るためには0.30〜0.45mmの均一な厚さが要求されることが確認された。
前記キーを相互接続する材料によってもたらされる張力の減少とカップリングを最小限に抑えるために、研磨とフライス加工はキー領域自体に限られる。更に、薄肉部位の強さが化学的処理または熱処理によって高められ、強度が強められると共に伝統的なチューニングによって得られるモード周波数を増大させる。
図1aを再び参照すると、出縁13は、
(a)外部の力や温度の変化による静的形状ひずみを最小限に抑えるため、および最も重要なことであるが、演奏スティックの衝撃によって励起されるねじれモードによって生じる過度的形状ひずみを最小限に抑えるため、そして重要なことであるが、キー変調に大きく寄与するため、
(b)後部アタッチメント14のカップリング用支持構造体を提供するために
機能する。
前記出縁13は、中実または中空で、断面が円形、正方形、長方形または楕円形の支持リング13aと、吊り下げホイール13cの取付けを容易にするための、支持リング13aの構造的な延長部を提供する1対の迫持台13bとからなっている。出縁は、電食作用による腐食の危険を除去するように、演奏面と同じ鋼組成によって作られている。しかしながら、伝統的な楽器が演奏されるときに生じる曲げ振動のベルを大幅低減する剛性のあるフレームが結果的に形成され、そして当業者にとって知られている適切な耐食性の予防手段が使用される限り、アルミニウムのような他の材料を使用することができる。
出縁13は溶接、圧接、シーミング、接着、機械的締結具の使用またはこれらの組み合わせおよびリングと演奏面の相対運動および振動を防止するすべての方法によって、演奏面に取付け可能である。
本発明の好ましい実施の形態において、出縁13は幅が2.54cm/1.00インチで厚さが0.64cm/0.25インチの軟鋼を、内径が67.31cm/26.5インチの円に形成したものによって製作されている。迫持台13bは外周支持リング13aと、ドラムを吊り下げする個所を規定する支持リング13aの直径線との交叉部に沿って追加されている。吊り下げホイール13cは軸13dによって迫持台に固定されている。この軸は前記吊り下げホイール13cの自由回転を可能にする。吊り下げホイール13cの直径は5.04cm/2.00インチ〜7.62cm/3インチである。
迫持台13bと吊り下げホイール13cは、吊り下げホイール13cの最上部が出縁13の最上部にまたはその下方に位置するように配置されている。この後者の要求により、迫持台の付近のキーを演奏するときに、スチールパンドラムを配置する支持スタンド15によって妨害されることがなくなる。スタンドの垂直材15aが出縁13の最上部から上方に突出している従来技術において、改良がなされる。
出縁13は後部アタッチメント14とのカップリングを可能にするように設計および取付けられている。この後部アタッチメントは2つの目的、すなわち(a)物理的衝撃からパンのボウルを保護することと(b)後部アタッチメント14自体の振動によってあるいはその音響設計によって、演奏面1からの音放出の音響放射を強める手段を提供することに役立つ。
後部アタッチメント14は、楽器の音に不利に作用する共振振動を低減または除去するのに十分な剛性を有していなければならない。このような振動は一般的に、後部アタッチメント14の共振モードに一致する非音楽周波数で発生する。これは、伝統的な音響スチールパン楽器の厄介な1つの問題である。それによって、演奏者の打撃作用によって加えられるエネルギーが、楽器のスカートに非音楽モードを励起する。
演奏面1の大部分を適切にカバーする剛性のある設計のほとんどすべての後部アタッチメント14は、物理的衝撃からパンの前記演奏面1を保護する働きをする。特に、伝統的な円筒チューブデザインは演奏面1の保護について十分である。しかしながら、本発明の好ましい実施の形態は、図1aに示すようにボウル形の後部アタッチメント14を備えている。この後部アタッチメントは、ボウルの底に切り込み形成された穴または開口部14bを有するので、穴あき音響カバーを形成している。この音響カバーの詳細については後述する。
本発明の好ましい実施の形態の後部アタッチメント14の曲面は、伝統的なスチールパンの円筒チューブデザインよりも強度があるので、従来技術の改良である。ドーム状またはボウル状の構造体が円筒状またはチューブ状の構造体よりも強度が大きいということは、構造的な制振分野に精通している人によく知られている。従って、本発明の好ましい実施の形態で使用される強度の大きな後部アタッチメントは、外部の力による変形を生じにくく、そして同じ衝撃の場合低い振動レベルで共振を生じる。
本発明の好ましい実施の形態では、振動に対する後部アタッチメントの抵抗力は、制振の当業者にとって知られている種々の物理的な手段によって更に高められる。この物理的な手段は、木材、ファイバーガラス、適当な厚さの複合材料または合成物質または金属およびこのような構造体に関連する固有振動モードを低減または除去するための適切に補強された他の材料のような振動耐性材料による製作を含んでいる。更に、後部アタッチメント14は振動吸収パネル、シートまたはダイナマート(Dynamat)で市販されているような化合物によってカバーすることができる。
後部アタッチメント14は溶接、圧接、シーミング、接着、機械的締結具の使用またはこれらの組み合わせおよびリングと演奏面の相対運動および振動を防止するすべての方法によって、出縁13に固定されている。本発明の好ましい実施の形態は、取り外し可能および交換可能な後部アタッチメント14によってG−パンを便利にするために、頑丈な出縁13の上で機械的な締結具を使用することを含んでいる。
図1b、図1c、図1dおよび図1eに注目する。これらの図は、従来技術で得られるような自由な揺動を容易にするためのG−パンの好ましい吊り下げ方法を示している。G−パンは上述の吊り下げホイール13aと、支持スタンド15の垂直材15aの最上部に固定された支持カップ16とを使用することによって、この特徴を提供する。図1cは図1bに示した斜視図から見られる吊り下げホイール13cと支持カップ16の分解正面図である。図1dは吊り下げホイール13cの軸13dを通る断面を有する、スチールパンに最も接近した斜視図から見られる組み立て体の分解側面図である。図1eは組み立て体の平面図である。
支持カップ16は、吊り下げホイール13cの形にぴたりと合うことを促進する簡単な半円形のデザインである。この構造の機能性は、
支持カップ16を内張りすることによっておよび発泡体のような振動吸収材料を有する吊り下げホイール13cを使用することによって更に高められる。これはスチールパンと支持スタンド15の間で伝達される振動エネルギーを弱めるので、伝統的なスチールパンの潜在的なノイズ源であるスタンドの共振振動を低減する。
作動中、支持カップ16は、回転軸回りのG−パンドラムの360°全体の運動を容易にする所定の位置に、吊り下げホイール13cを保持する。この回転軸は吊り下げホイール13cの軸13dを接続する線によって規定される。G−パンの演奏準備のために一人で吊り下げホイール13cを支持カップ16内に配置しなければならないときに、このデザインはG−パンのワンステップ組み立てを容易にする。本発明者の知識によれば、前記ホイールとカップの装置はあらゆる種類の楽器にとって類のない唯一のものである。
理論的には、迫持台13bと吊り下げホイール13cの対称配置は結果として、0°の普通姿勢を有するG−パン吊り下げとなる。実際は常に、幾分アンバランスである。これは、キー領域1aを作るための演奏面1に形成された非対称形状と、楽器で使用されるいろいろな材料の特性の普通のばらつきの結果として、回転軸線の両側のG−パンドラムの2つの区間における演奏面1と出縁13の質量の不均一な分布による。
質量の前記の不均一な分布は、バランスを達成する角度を変えるための付加的な質量の適用を見込んでいる。従って、G−パンの姿勢の調節が容易である。それ故、本発明の後部アタッチメント14の好ましい実施形態は、姿勢オフセットウェイト14aを用いて演奏中の楽器の姿勢を調節するための簡単な手段を提供する。この姿勢オフセットウェイトは磁石帯板または両面テープによって後部アタッチメント14に取付けられている。これは従来技術の改良である。従来技術では、伝統的なパンの姿勢が製造の時点で直されている。
磁石帯板は迅速かつ容易な調節を可能にするがしかし、磁性材料で作られた後部アタッチメントでのみ使用可能である。両面テープは一度固定したら容易に移動することはできないが、非磁性材料で作られた後部アタッチメント14に適用可能である。
本発明の好ましい実施の形態は、最小の楽器、すなわちG−ソプラノに関して0.11kg/0.25ポンドよりも大きくない姿勢オフセットウェイト14aを使用する。この姿勢オフセットウェイトは出縁13のすぐ下で後部アタッチメント14に固定されている。姿勢オフセットウェイト14aを出縁13のすぐ下に位置決めすると、それが目見えにくくなり、かつ目立たなくなる。最大の姿勢角度は、すべての姿勢オフセットウェイト14aが吊り下げホイール13cの間の中間に配置されるときに達成される。姿勢オフセットウェイト14aのウェイト選択は、G−パン上の実際のウェイト配置と要求される姿勢調節の範囲に依存する。
伝統的な楽器は紐、コード、撚り糸または類似の品物によって、支持スタンドに吊り下げられ、演奏面のキーを叩くときに自由に揺動可能である。この自由な揺動運動は、最大の表現の自由を許容するが、スチールパン演奏中の普通のことになった。G−パンを支持するためおよび演奏中の自由揺動運動を提供するための吊り下げホイール13cの使用は、発明者の知識によれば新規なアイデアであり、従って従来技術の大きな改良である。
G−パンの演奏面1の好ましい実施の形態の一部を切り取った側面図である図2に注目する。従来技術とは違って、演奏面の好ましい実施の形態は、4つの別個の部品を有する事実上複合物である。これらの部品は一次ボウル1d、絶縁ガスケット1f、二次ボウル1gおよびキーカバー1cである。
二次ボウル1gは絶縁ガスケット1fによって一次ボウル1dに取付けられている。この絶縁ガスケットは市販の3M VHBのような産業用両面テープによって作られている。本発明の好ましい実施の形態では、二次ボウル1gが、演奏面1の連続性を保つように、演奏面1を形成するボウルの内面の適切な大きさの皿形リング上に挿入されている。
二次ボウルがどのようにしてG−ソプラノに適用されるかについて次に説明する。このG−ソプラノでは、Aから始まる3オクターブレンジが所望される。従って、前記G−ソプラノ上の二次ボウルは、第3オクターブのキーに位置するAから始まる12個のキーを支持しなければならない。前記G−ソプラノが4646.4cmの演奏面積、32.7cm/12.9インチの半径および25.4cm/10インチの深さを有することが既に決定された。スチールパン設計式は、内側ボウルのために必要な最小面積が、20.00cm/8.00インチの直径と8cm/3.1インチの深さの表面で得られる510.8cmであることを示している。
一次ボウル1dは、規定された範囲内ですべてのキーを支持するために必要なドラムの演奏面を最初に形成することによって作られる。G−パンの好ましい実施形態では、これは、直径が67.31cm/26.5インチの円形のシートメタルを、スチールパン設計方程式によって画定される必要深さまで窪ませる必要がある。窪ませた後で、演奏面1の中央に、20.00cm/8.00インチの直径の穴が切断形成される。前記発明の周長は6インチである。その後、厚さが0.32cm/0.125インチで、内径が20.00cm/8.00インチで、そして幅が0.64cm/0.25インチの円形フランジ1eが穴の窪んだ全周に溶接される。
二次ボウル1gには対応する類似のフランジ1hが形成されている。ドラムの音域に依存して、二次ドラム1gは、G−ソプラノの0.35mm/0.13インチからG−6バスの0.7mm/0.26インチまでの厚さ範囲を有する。二次ボウル1gは、厚さが0.64cm/0.25インチで内径が20.00cm/8.00インチでそして幅が0.64cm/0.25インチの円形フランジ1hを、厚さが1.00mm/0.04インチで直径が21.59/8.5インチの円形シートメタルブランクに、最初に精密溶接することによって製作される。フランジ1hに取付けられないシートメタルブランクの部分はその後で、要求される形状プロファイルを二次ボウル1g上に形成するために窪ませられる。そして、二次ボウル1gは所望な厚さプロファイルを得るために精密フライス加工または研磨される。
二次ボウル1gはミニチュアドラムと考えることができる。このミニチュアドラムは、一般的に元の複合ドラムのキーの最も内側の同心リング内に配置される最も高いキーの音の高さに調律されている。G−ソプラノの好ましい実施の形態に関して、これは例えば第6オクターブに相当する。一次ボウル1dに使用される材料よりも薄く、熱処理や化学的処理によって硬化した材料を使用すると、各ドラムのより高い音域におけるキーの改良された作成手段が提供される。前記熱処理と化学的処理は金属学の当業者に知られたプロセスである。材料を硬化すると、残留張力が増大するので、ギターの弦の締付けが音の高さを高めるように、より高い振動数を可能にする。
フランジ1e,1hは一次ボウル1dと二次ボウル1gのための補強材としての働きをする。
絶縁ガスケット1fは、一次ボウル1dの振動を二次ボウル1gから切り離すきわめて重要な機能を発揮し一方、効果的な機械的締結具として作用する。この切り離し機能はきわめて重要である。というのは、伝統的なスチールパンの最も内側のキーが、それと全体構造体の間に存在する強固なカップリングのために、高いレベルの音楽的明瞭度を作ることが困難であることが経験によって判ったからである。高度なカップリングは、これらのキーが高い音を発生するために要求される残留張力の結果としてきわめて硬くなる傾向があるという事実から生じる。
絶縁ガスケットによる、二次表面と一次表面間で伝達される振動レベルの減衰は、並列に接続されたばねやダッシュポットで支持される質量によってモデル化することができる。質量mの大部分は二次ボウルの質量である。これに対して、絶縁ガスケットはばね定数kおよびダッシュポット摩擦係数bに寄与する。一次ボウルから供給された速度Vから、所定の正弦周波数ωrad/sで発生する速度Vへの減衰は、
Figure 0005205587
である。減衰はω=0のときに不変であり、ωが無限大のときに0に近づく。二次表面における所望される最も低い所定の周波数が、一次表面の最も低いキーまたは一次表面の最も低い構造的共振周波数に一致するωであると、一次表面が少なくともωrad/sの周波数で振動するときに、b=mωおよびk=mω /4は0.47または6.5dBまたはそれより良好な減衰を生じる。
絶縁ガスケットは、ビブロストップ(Vibrostop)から入手可能であるような市販のボルトオン式防振マウントと置換え可能である。
最も内側の高い音のキーは小さくなる傾向があり、一般的には伝統的なテノールスチールパンにとって5.08cm/2.00インチの平均直径から小さな3.81cm/1.50インチまで小さくなる傾向がある。この事実により、調律と演奏が困難である。というのは、大きなキーと同じレベルの注意力および留意力でこれらのキーを成形するためにおよび速い楽節でこれらの正確に打撃するために、熟練が必要とされるからである。更に、演奏面での他の共振器の作動開始とは全くかけ離れた、演奏面1の音響的な波の反射が、演奏面の大きさおよび対応する距離による異常なエコーを生じる。前記の音響的な波は、出縁13によって生じる硬い境界に当たる前に移動させなければならない。実際、振動レベルのレーザー干渉測定法によって、幾つかの最も内側のキーのモード周波数で振動する演奏面1の他の部分が測定される。この部分はしばしば、キー自体よりも高い振動レベルで振動する。
二次ボウル1gの使用は、関連するジオメトリーを一層正確に制御可能である表面を作ることによって、これらの問題を克服する。二次ボウルの外周まで音響的な波が移動する距離が従来技術の場合よりも短いので、二次ボウル1gの表面は二次ボウル1g材料内の音響反射作用を低減するように作用する。
二次ボウル1gを形成するために薄い材料を使用すると、伝統的な楽器のキーの質量を大きな面積にわたって配置することができるので、キーの大きさの小幅な増大が容易になる。質量維持に基づいて、係数kの厚さの低減は、同じ係数kの二次ボウル1gの面積の増大と、キー寸法の
Figure 0005205587
の増大を必要とする。
もし、伝統的なテノールの中央部分の代表的な厚さが0.6mm/0.025インチであり、そして二次ボウルのキーが0.35mm/0.015インチのオーダーであると仮定すると、キー寸法の増大は30%のオーダーである。
従って、演奏面の複合デザインは、従来技術で得られるレンジの上側の音楽的レンジを越えるG−ソプラノのキーのオクターブ全部の形成を容易にするように思われる。更に、前記のキーが伝統的なテノールパンで得られるものよりも30%大きいので、音楽的な演奏が改善される。というのは、キーを容易に叩くことができ、この大きなキーで生じる音が大きいからである。
図2は一次ボウルと類似する凹形の二次ボウルを示している。しかしながら、二次ボウルは一次ボウルに取付けるために凸形に反転させることが可能である。このように凸形にすると2つの利点がある。第1に、二次ボウルのキーが、図2に示した凹形の二次ボウルよりも、パン奏者に近いところに配置される。第2に、二次ボウルを収容するために一次演奏面上に穴をあけることが必ずしも必要でない。後述のように、演奏面の中央を横切る音響伝達を制限するために、そうすることが望ましい。前記の二次ボウルは、そのアタッチメント、フランジおよび絶縁ガスケットを収容するために一次ボウルの中央部分を適切に準備した後で、一次ボウルに簡単に固定可能である。
G−ミッドおよびG−ソプラノパンでは、半径方向に対向するキー集団は前記キー間のエネルギー伝達の結果として不調和音のレベルになり得る。従って、キーを音響的に分離し、これらの楽器の中央部を横切る音エネルギー伝達を低減するための機構を講じる必要がある。
このモードの音響カップリングは二次ボウルを嵌め込むために形成されたフランジによって十分に低減されるが、演奏面上でのウェブ支持部の選択的荷重によってあるいは音響エネルギー伝達を妨害するために演奏面上に人工品を追加することによって、更に低減することができる。
後者の場合、従来技術のように、キーは、調律されない剛性の領域、溝、穴、長穴、キー間の局部的熱処理領域およびキー近くの支持ウェブ1bの領域上の剛性アタッチメントによって分離可能である。
ニュートンの運動の第1法則により、
F=ma
ここで、Fは加えられる力、mは力が加えられる質量そしてaは発生する加速度である。従って、加えられる力が同じ場合、所定の係数xを質量に加算すると、同じ係数xだけ加速度が減少することになる。これは低いレベルの振動を生じ、その総量は支持ウェブ1bの特別な区間の質量が増大した係数によって推定可能である。
弾性係数kを有するばねと所定の質量mに関して、ばねによって吊り下げられているときの質量の運動の共振振動数が
Figure 0005205587
によって求められることが知られている。従って、質量の追加は、非音楽モードに起因する共振振動数を低下させる。
そこで、本発明は、演奏面1の支持ウェブ1bの振動吸収処理手段としての、振動コントロールの当業者によって質量装填と呼ばれる選択的な質量追加によって、高いレベルの内部キー絶縁および分離を提供する。そのために使用される質量は、支持ウェブ1bの或る個所に集中させてもよいし、前記支持ウェブ1bを横切るように配置してもよい。前記処理は、伝統的な楽器にとって一般的である好ましくない高音の非音楽的共鳴を抑制する効果がある。
ダイナマートやダイナマート・エクストリーム(Xtreme)のような市販の振動吸収処理材の使用は、振動エネルギーを熱に変換するために摩擦を用いる材料を使用することによって、増大した質量の振動減衰特性を向上させる。そうでない場合、前記振動エネルギーは音に変換される。
本発明の好ましい実施の形態では、一次ボウル1dと二次ボウル1g上のキーは伝統的な方法で支持ウェブ1bによって分離されている。そのために、前記支持ウェブ1bは構造体の剛性を高めるために熱処理または化学的処理によって強化される。前記処理は金属学の分野の当業者にとって周知である。更に、振動吸収処理材が支持ウェブ1bに貼られる。必要な質量と振動吸収処理材の量は、レーザー干渉技術または振動測定技術の当業者に知られている他の技術を用いて測定されるキーカップリング程度によって決定される。
演奏面1のために、広範囲の材料を使用することができる。材料の不可欠な特性は、(a)高い疲労性能、(b)受け入れ可能な共振停滞、(c)応力振幅と比減衰エネルギーの間の線形関係、(d)熱処理可能な材料、この材料では、内部減衰(サイクル毎の単位容積あたりの放出されるエネルギー)を低減するために、冶金学的状態を変更することができる、(e)均一な減衰特性が存在する等方性材料である。
考えられる材料は次のような非鉄金属を含む。(a)アルミニウムとその合金:マグネシウムを2%まで含み冷間圧延されるアルミニウム、(b)銅と銅合金:99.95%の銅、70%の銅30%の亜鉛、65%の銅35%の亜鉛、(c)マンガン合金:88%のマグネシウム、10%のアルミニウム、2%よりも多いマンガン、ジルコニウム、亜鉛、(d)ニッケル、チタン。
考えられる材料は次のような鉄金属を含む。0.04〜0.15%の炭素と少ない硫黄(<0.001%)を含有し、引き抜き特性を有する炭素鋼、0.3%までの炭素を含む浸炭鋼、加工硬化されていないチタンまたはニオビウムによって安定化されたオーステナイト系ステンレス鋼。
一次ボウル1dと二次ボウル1gは同じ材料によって製作する必要はない。実際に、各ボウルのための使用される材料は音楽的レンジやコストに基づいて選択可能である。
好ましい実施の形態は両ボウルのために、0.04〜0.15%の炭素と少ない硫黄(<0.001%)を含有し、引き抜き特性を有する炭素鋼を使用する。
本発明が従来技術で得られるものよりも広いレンジのキーを生じる楽器に特徴があるので、演奏スティックまたはマレットの設計も同様に困難である。このスティックとマレットは各キーに伝統的に調律される2つまたは3つの上音だけを励起し、前記キーに自然に存在する高い部分音を励起しないように選択すべきである。前記の高い部分音は一般的に特性が非音楽的であり、たいてい不所望な金属音を生じる。
打撃に対するキーの応答が、打撃時にキーに加えられる力対時間のプロファイルである押込み関数に依存することが認められる。前記押込み関数は演奏者が打撃を行う方法と、演奏スティックの選択の結果である。重要なスティック特性がその質量とその追従性であることが知られている。これらは、打撃中にスティックがキーに接触する接触時間と、打撃中の最大接触面積に影響を及ぼす。
打撃による衝撃エネルギーの小さな割合が、接触時間よりも短い周期モード周波数に与えられる。その大きな割合が接触時間よりも長い周期モード周波数に与えられる。
G−ソプラノにおいて、例えば基本キー周期は8対1の比だけ異なり、パンのすべてのキーを1本のスティックで効果的に励起することを困難にする。内側キー、すなわち高音のキーは短い接触時間のスティックを必要とする。この短い接触時間は高い追従性、すなわち「硬い」スティックを使用することによって生じる。しかしながら、同じ質量のスティックにとって、外側キー、すなわち低温のキーは、長い接触時間を有するスティックを必要と、低い追従性、すなわち軟らかいスティックを使用することによって生じる。
本発明では、この要求は、(a)関連するドラムの最高音キーに要求される追従性を有するスティックを使用すること、(b)低温キーを被覆する適切な厚さと追従性を有する材料で作られたキーカバー1cを使用することによって満たされる。基本的には、このアプローチは演奏スティック頭部から柔軟な材料を取り除いてキー上に置く。キーカバー1cはキーの音の高低に影響を与えるほど重くてはならない。キーカバーはスティックで叩くきに適切な接触時間を保証するのに十分さでなければならない。
G−ソプラノスチールパンでは、例えばキーカバー1cが最も外側のリング、すなわちリング0 1iと、中間のリング、すなわちリング1 1j上のキーにのみ掛けられる。これらのキーは、最も内側のリング、すなわちリング2 1kでの最適な使用のために設計されたスティックまたはマレットで、申し分なく演奏可能である。このアプローチは、特別なG−パン実施が第2ボウル1gを組み込んだ複合デザインを利用しないときでも使用可能である。
キーカバー1cはフェルト、ゴム、シリコンまたは他の類似合成材料のような柔軟な材料によって作られている。しかしながら、試験の結果、キーカバーを形成する柔軟な材料がフェルトのコンシステンシーであるとき、そしてゴム材料または最も多くのスティックで使用される他の類似合成材料ではないときに、キーカバー1cが最も効果的であることが判った。貼られるフェルトの厚さは1mm/0.025インチよりも大きくすべきである。
更に、キーカバー1cはキーに接着すべきではない。というのは、接着がキーのたわみや振動に影響を及ぼすからである。その代わりに、キーカバー1cはキーに密着させられ、前記のキーの境界を形成する支持ウェブ1bの区間でのみ所定位置に保持される。材料がキーにぴったり合い、カバーとキーの間に空隙が存在しないと、最良の結果が得られる。
演奏面1の好ましい実施形態は、両面テープを用いてキー境界で演奏面に接着された、0.5mm/0.013インチと1mm/0.025インチの間の厚さを有するフェルトを使用する。
再び図1を参照する。伝統的なスチールパンのスカートは、ドラム缶からの伝統的な楽器の製作の結果である。しかしながら、本発明の好ましい実施の形態は、G−ソプラノ、G−セカンドおよびG−3ミッドのための伝統的な管デザインに対して、後部アタッチメント14によって改良を施す。この後部アタッチメントは実際に演奏面の後側部分を部分的に覆う。
そのためにドームまたはボウル構造体を使用すると、要求される強度および剛性が提供される。ドームアタッチメントは中実構造でもよいし、剛性メッシュでもよいし、この二つの組み合わせでもよい。楽器の音楽的正確さおよび性能特性が演奏面に与えられる音響インピーダンス負荷の変更により損なわれないようにするためには、注意深い音響デザインが要求される。例えば、G−ミッド、G−セカンドおよびG−ソプラノの中実後部アタッチメント14が、注意深くデザインされた穴または開口を有すると、音響インピーダンス負荷を最小限に抑える働きをし、一方、選択された方向への音の放射を強める。
本発明のG−パンデザインは、楽器の音響放射を強める後部アタッチメント14の他のデザインを容易にする。調査の結果、伝統的なスリープパン楽器の放射パターンが視聴者の位置への最大の音放射に有利でないことが判った。特に、ミドルレンジとアッパーレンジをカバーする楽器では、放射パターンがドラムの長軸に沿って、すなわち円筒面の上部と後部の方へ集中する傾向がある。これは、最大の音エネルギーが放射して演奏家に戻るかあるいは一般的な演奏時の楽器の姿勢によって床の方に放射されることを意味する。後者の場合、床を形成する材料によって音が反射または吸収される。
後部アタッチメント14の注意深い音響デザインは、楽器の音響指向性を大幅に改善する。主たるデザイン上の制約は、演奏面1での音響インピーダンス負荷が、負荷されていない演奏面1で得られるものと大きく異ならないようにすることである。更に、後部アタッチメント14は、楽器の再チューニングを容易にするために、演奏面1に容易にアクセスできるようにすべきである。実際に、音響インピーダンス負荷の変化が、後部アタッチメントの定位置で楽器を最終チューニングすることによって或る程度補償可能である。
従って、G−パンデザイン原理は実際に、後部アタッチメント14の3つのカテゴリを考慮している。
タイプ1のアタッチメントはもっぱら、後部アタッチメント14の剛性デザインを使用する演奏面1の後部を保護するように設計されている。この後部アタッチメントの剛性デザインは、20Hz〜20kHzの可聴レンジ全体にわたって物理構造を最大限減衰するという特徴がある。
元のドラムの本体が切断された後に残る伝統的な円筒管デザインは、もし後部アタッチメント14構造体の共振振動を最小限に抑えるかまたは除去するように適切に補強されている場合には、タイプ1の後部アタッチメント14の一例である。
前記の円筒管デザインの場合、望ましくない振動を抑制するための要求される剛性は、いろいろな物理的手段によって得ることができる。この手段は、木材、ファイバーガラス、適当な厚さおよび処理の複合材料または合成物質または金属およびこのような構造体に関連する固有振動モードを低減または除去するための適切に補強された他の材料のような振動耐性材料の使用を含んでいる。特に、管の開放端部は、そこに波腹を有する固有振動モードを低減または除去するように強化しなければならない。強化は、いろいろなデザインの補強ブレースを管の端部に固定することによって達成される。すべてのケースにおいて、前記ブレースは演奏面の後部へのアクセスを制限しないようにすべきであり、かつ必要に応じてメンテナンスおよび再チューニングを容易にするようにすべきである。
図3は、1.5mmの軟鉄によって製作された円筒管デザインを用いたタイプ1の後部アタッチメント14の好ましい実施の形態を示している。管を構成している鉄板は出縁13への取付けのために適当な直径に巻かれ、そして所望な長さに切断される。タイプ1の後部アタッチメントが音響のためよりも演奏面1を保護するためにデザインされているので、長さは演奏面1のボウルの深さに合わせて選定されるが、そうでない場合には伝統的な長さに合わせてもよい。G−ソプラノの場合、この長さは一般的に20.3cm/8インチであるが、25.4cm/10インチ以下である。G−セカンドスチールパンの場合、この長さは一般的に35.6cm/14インチであるが、45.8cm/18インチ以下である。G−6バスの場合、この長さは一般的に86.36cm/34インチである。
出縁13に固定される管の端部のフランジ14cは、出縁13の取付けを容易にするために使用される。管とフランジからなる管アセンブリは、巻取りプロセスで発生した内部応を取り除くために熱処理される。ピアノまたはギターの弦の張力の低下によって生じる音高の低下と同様に、内部応力の低減は内部応力によって引き起こされるモード周波数を低減する傾向がある。材料は後部アタッチメント14の振動吸収能力を更に高めるように、粗い粒子を有する。
出縁13へのフランジの取付けはナットとボルトによって行われる。接触ノイズを除去するために、ナットとボルトはフランジ外周に沿って5cm/2インチ毎に取付けられ、加えて、コルク、ゴム、フェルトまたは他の振動減衰材料がフランジと出縁13の間に使用される。
更に、の表面を波形成形することによって、振動に対する耐性が高められる。上記波形成形リングが金属板の撓みに抵抗するブレースの役割をすることが、振動分析および制御の専門家に知られている。波形成形した***部は高さが2.54cm/1.00インチで、最大幅が2.54cm/1.00インチであり、離隔距離が7.62cm/3インチよりも小さい。タイプ1の後部アタッチメントの内面は市販の振動吸収マットまたはダイナマートイクストリーム(Dynamat Extreme)のようなコーティングで被覆されている。
演奏面とは反対側の管の端部は開放したままであり、全周に装着されたリング14dによって補強されている。このリング14dは1.25cm/0.50インチの中空円形断面の軟鉄で作られている。リングのために使用される最小厚さの鋼は、アンシスケジュール(ANSI Schedule)40である。
タイプ2の後部アタッチメント14は、演奏面1の後部を保護し、同時にG−パンの音放射特性を高めるように設計されている。この場合、後部アタッチメントを取付けた楽器の音楽レンジを超える音エネルギーの効率的な放射体として作用するために、上記後部アタッチメント14を適切に設計することにより、G−パンの音放射特性が高められる。このカテゴリは2つのサブカテゴリに分けられる。
タイプ2aの後部アタッチメント14は、関連する楽器に設けられたキーの幾つかまたはすべてにチューニングされたいろいろなデザインの共鳴器を使用する。従って、タイプ2aの後部アタッチメント14の理想的な周波数応答は、関連する楽器のいろいろなキー周波数における共鳴のピークだけからなっている。タイプ2aの後部アタッチメント14で使用される上記共鳴器は、楽器の音色を著しく変化させ、音の大きさのレベルを増大させることになる。
タイプ2bの後部アタッチメント14は、可聴スペクトルに渡って後部アタッチメント14からの均一な音レベル強度の放射を保証する後部アタッチメント14の構造を使用する。従って、タイプ2aの後部アタッチメント14の理想的な周波数応答は、重大な共鳴特性を回避するがしかし、事実上帯域通過であり、楽器の音楽レンジに渡って均一な応答を有し、下側と上側の周波数限界の下方および上方でロールオフする。上記のタイプ2bの後部アタッチメント14は、極端にタイプ2aの後部アタッチメント14のような減衰をしないが、設計した共振周波数で振動レベルがピークとなるタイプ2aの後部アタッチメント14と比較して、すべての励起周波数で比較的に低い振動レベルを示す。効果的な音放射は、後部アタッチメントの大きな表面積の結果である。
タイプ2aの後部アタッチメント14を備えたG−ソプラノスチールパンの好ましい実施の形態は、図4に示すような管クラスタ17を使用する。図4aは管クラスタ17を見せるためにアタッチメントの外側シェル18を切断した側面図である。外側シェル18は既に説明した伝統的な単一管のタイプ1の後部アタッチメント14と全く同じである。管クラスタは小径、一般的には5.08cm/2インチから10.16cm/8インチまでの開放端型管17のグループからなっている。各管17の長さは、管共振が基本キー周波数に一致するように設定されている。
図4bは、管クラスタ17を有する後部アタッチメント14を備えたG−ソプラノ管の背面図である。図示では、管がフレーム19にボルト止めされている。フレーム19は半径方向ブレース19bによって互いに保持された同心的な円形ブレース19aを備えている。円形ブレース19aと、半径方向ブレース19bは共に、断面直径が1.25cm/0.5インチの中空正方形断面または中空円形断面を有するアルミニウムまたはからなっている。フレーム自体は、外側シェル18にボルトで固定されている。
開放管の共振周波数および管ジオメトリーに関して、次式が知られている。
Figure 0005205587
ここで、fはn次の共振周波数、nは正の整数、dは管径、Lは管長そしてvは空気中の音速である。係数0.3dは管の端部における音の分散を補正するために使用される最終補正係数である。従って、係数L+0.3dはキー周波数の1/2波長に相当する。
式は加えられる周波数の1/4波長よりも小さな管径に適用される。G−ソプラノパンの場合、この管径は33.02cm/13インチから4.06cm/1.6インチまで変化する。G−ソプラノスチールパンに適用されるようなタイプ2aの後部アタッチメント14の好ましい実施の形態は、リング0 1iのために管径5.08cm/2.00インチ、リング1 1jのために管2.54cm/1.00インチそしてリング2 1kのために管1.27cm/0.5インチを使用する。この選択は、G−ソプラノパンについて71.48cm/28.14インチから8.93cm/3.52インチまで変化する管長を生じる。
クラスタの各管は単一キーの下方に配置されている。管の直径は対応するキーの表面積の1/4を覆うように選定され、振動の節の線を回避して、キー1/4より上方に配置される。これは第2と第3分音消滅の可能性を最小限に抑えるためのものであり、従って管の口部での音の強さレベルを最大にする。
管クラスタ設計の1つの主要な利点は、個々の各キーが固有の共鳴器と関連づけられることである。これに対して、伝統的なスチールパンのスカート、すなわちタイプ1の後部アタッチメント14とタイプ3の後部アタッチメント14は、すべてのキーに対し1個の共鳴器か備えていない。
更に、管が両側で開放しているので、その共振モードは基本共振周波数のすべての倍数で生じ、伝統的なスチールパンのような共鳴ゼロは生じない。この利点は最適な音響放射体設計を一層容易にする。
しかしながら、最大音響効果のために、必要な管長は非常に長い、実際、G−6バスの場合、最長管は長さが349cm/135インチである。この問題は例えばチューバのように管を折り畳むことによって容易に対処可能である。
図5はタイプ2bの後部アタッチメント14を備えたG−パンの好ましい実施の形態を示している。このG−パンはそのリムに最も近いキーの基本周波数で共鳴する後部アタッチメント14の構造体のチューニングされた共振20を使用する。タイプ2bの後部アタッチメント14の共振20の好ましい実施の形態では、実際にチューニングされたキーが演奏面1に形成されたキーに類似している。代替的な実施は例えばリードの使用を含んでいる。このリードは後部アタッチメント14の本体に切り込まれ、リード長の調節によって要求周波数に調律されている。
タイプ2bの後部アタッチメント14の好ましい実施の形態は、タイプ1とタイプ3の後部アタッチメント14に対して、楽器の個々のキーのためにチューニングされる音波放射を非常に容易するという利点を有する。実際、チューニングされる共振部20は、音場へのその個々の寄与を減らすために減衰させるかまたは弱めることが可能であり、現場での音場の調節を可能にし、その結果すべてのキーの音レベルを幾分均一にする。減衰は例えば質量の負荷によって達成される。更に、タイプ2bの後部アタッチメント14はタイプ2aの後部アタッチメント14に対して、製作が容易で低コストであるということと、持ち運び特性が一層良好であるという利点がある。
タイプ3の後部アタッチメント14は、演奏面1の後部を保護すると同時に、後部アタッチメント14と演奏面1によって取り囲まれた空気の音響共鳴によって、G−パンの音響放射特性を高めるように設計されている。純然たるタイプ3の後部アタッチメント14はタイプ1の場合のように非常に剛性のある後部アタッチメント構造体を使用するが、タイプ2の後部アタッチメント14の場合のように中実の共振体の使用を含んでいない。このタイプ2の後部アタッチメントはその代わりに、要求される放射特性を達成するために、後部アタッチメント14と演奏面1によって形成された囲壁内の空気の運動力学を利用する。
タイプ2とタイプ3の構造体の特性を組み合わせて、1つの後部アタッチメント14に組み込むことができる。この後部アタッチメント14はその本体上に、音響を考慮するように設計された音響共鳴体を有する。
図6はタイプ3の後部アタッチメント21を備えたG−ソプラノの好ましい実施の形態を示している。この後部アタッチメント21はボウルの非常に低い部分にポート穴22を有する逆さドームまたはボウル構造体からなっている。このポート穴22は、パンの最も高い音楽レンジに相当する、G−ソプラノの最も内側のリング、すなわちリング2 1kからの直接的な放射を可能にするのに十分な大きさに形成されている。図6aは演奏者から見たような平面図である。図6bは部分的に切断した側面図である。図6cは底面図である。ポート穴22は中央に明瞭に示してある。ポート穴は演奏面1上のリング2 1kの12個のキー1aとかろうじて重なっている。
タイプ3の後部アタッチメント21と演奏面1によって形成される空所の容積と、ポートの大きさは、楽器の最も低いキー周波数を高めるように設計されている。この設計はG−ミッドとG−6バスに最も適している。これは可搬性をわずかに改良するが同時に、G−3ミッドとG−ソプラノ楽器に容易に適用可能である。演奏面上のキーの負荷が最小になるように設計すべきである。
タイプ3の後部アタッチメント21を備えたG−パンは、ヘルムホルツ共鳴器として設計可能である。このヘルムホルツ共鳴器は次の共鳴周波数を有することが知られている。
Figure 0005205587
ここで、cは音速、公称は340m/s、r=d/2はポート半径、dはポート直径、してVはG−パンと穴あき後部アタッチメントによって取り囲まれた容積である。係数1.7rは容積Vを有し、長さLと半径rの管を介して大気中に唯一の開口を有する伝統的な共鳴器の等価長Lである。この容積は閉鎖されている。
相当する周波数応答は、次式
Figure 0005205587
によって与えられるQ係数を有する帯域通過である。
ここで、
Figure 0005205587
ここで、Bは共鳴器の3dB帯域幅である。
これらの式を適用するために、容積Vを計算しなければならない。演奏面1が底部半径rと高さhpsを有する球形キャップであると仮定することにより、この容積の推定値が得られる。更に、タイプ3の後部アタッチメント21が高さhraの球形キャップの一部であると仮定される。この一部は、高さhと底部の半径rを有する小さな球形キャップを取り除いた後に残る演奏面である球形キャップと同じ底部を共有する。上記球形キャップの取り除きは半径rの開口部22を生じる。決めた変数を一層良好に図示するために、図7を参照する。図7には、図6に示したタイプ3のアタッチメント21を備えたG−パンの側面図にこれらの変数が記入してあり、そしてVに関する式を立てるために使用される記号が示してある。
容積Vは、タイプ3の後部アタッチメント21を形成する球形キャップの全体容積から、演奏面によって取り囲まれた容積と、ポートを形成するためにタイプ3の後部アタッチメント21から取り外した球形キャップの容積とを合わせた容積を差し引くことによって得られる。これは次式によって与えられる。
Figure 0005205587
上記の式はポートを形成した球形のタイプ3の後部アタッチメント21に関連する等式である。ポートを形成した球形のタイプ3の後部アタッチメント21を設計するための好ましいアプローチは、先ず最初にQ係数
Figure 0005205587
と共鳴周波数fの適切な値を選定することである。要求されるポート半径と楽器容積は次式
Figure 0005205587
および
Figure 0005205587
から計算することができる。
Figure 0005205587
は次式
Figure 0005205587
のように選定すべきである。ここで、rpmaxはポートの許容最大半径である。これは一般的に、演奏面1を形成する球形キャップの底部半径の25%であるか、またはヘルムホルツの作用と現実的な解決策を保証するためにそれ以下である。
この不等式は、
Figure 0005205587
とfの選択において考慮しなければならないトレードオフを示している。ヘルムホルツ共鳴器が実質的に単一周波数共鳴器であるので、或る戦略では、パンの最も低いキー周波数の直ぐ上にfが設定され、かつ低い周波数で音の大きさを大幅に低下させずに、帯域幅ができるだけ広くなるように、Qが設定される。8.65のQ係数は1半音帯域幅となり一方、2.87のQ係数は±3半音の帯域幅となるので、共鳴周波数での音の大きさを低下させる。
これまで説明した開示内容は、ポートを形成した球形のタイプ3の後部アタッチメント21に関連する等式を示している。ポートを形成した球形のタイプ3の後部アタッチメント21を設計するための好ましいアプローチはまず最初に、Q係数、
Figure 0005205587
および共鳴周波数fの適切な値を選定することである。要求されるポート半径と楽器容積は次式
Figure 0005205587
および
Figure 0005205587
から計算することができる。
Figure 0005205587
は次式
Figure 0005205587
のように、選定すべきである。ここで、rpmaxはポートの許容最大半径である。これは一般的に、ヘルムホルツのような作用と現実的な解決策を保証するために、演奏面1を形成する球形キャップの底部半径の30%またはそれ以下である。
この不等式は、
Figure 0005205587
とfの選択において考慮しなければならないトレードオフを示している。ヘルムホルツ共鳴器が実質的に単一周波数共鳴器であるので、或る戦略では、パンの最も低いキー周波数の直ぐ上にfが設定され、かつ低い周波数で音の大きさを大幅に低下させずに、帯域幅ができるだけ広くなるように、Qが設定される。8.65のQ係数が1半音帯域幅となり一方、2.87のQ係数は±3半音の帯域幅となるので、共鳴周波数での音の大きさを低下させることに留意すべきである。
タイプ3の後部アタッチメント21は、伝統的なスチールパンおよびタイプ1とタイプ2aのアタッチメントにおいて使用されるスカートを、その可搬性を高めることにより、容易に改良を加えることが可能である。例えば、後部アタッチメントがG−3ミッドスチールパンの最も低いキーの周波数で共鳴するように設計されると仮定する。直径が67.3cm/26.5インチのスチールパンにとって、これは110Hzの基本周波数を有するAに相当し、138.9cm/54.7インチの管長を必要とする。
しかしながら、球形キャップの高さhraがたったの34.3cm/13.5インチである、上記種類のポートを形成した球形のタイプ3の後部アタッチメント21が必要である。このデザインのために、演奏面の深さはhps=20.3cm/8.15インチであり、ポート半径はr=9.3cm/3.7インチであり、そしてポートの高さはh=1.3cm/0.5インチであり、18.2のQ係数を生じる。ポート半径を18.9cm/7.4インチに増大させ、Q係数を8.5に減らすことができ一方、演奏面と上記の後部アタッチメントの間に、長さが10.6cm/4.2インチで直径が67.3cm/26.5インチの円筒管を配置することによって、同じ共鳴周波数を維持することができる。変更した後部アタッチメントは囲まれる容積を2倍にし、44.9cm/17.7インチの全長となる。
他方では、タイプ2aの管クラスターデザインとタイプ2bの後部アタッチメント14は、各キーがその固有の共鳴器を有するので、楽器の各キーからの放射のチューニングが一層多様性に富むことになる。更に、伝統的なスチールパンで使用されるスカートとは異なり、タイプ3の後部アタッチメント21を備えたG−パンの好ましい実施の形態は単一共鳴だけを示し、その周波数応答で共鳴ゼロを示さないので、音響共鳴器として一層適している。
タイプ3の後部アタッチメント21は、伝統的なスチールパンおよびタイプ1とタイプ2aのアタッチメントにおいて使用されるスカートを、その可搬性を高めることにより、容易に改良を加えることが可能である。例えば、110Hzの基本周波数に一致するAの最も低いキーを備えたG−3ミッドは、151cm/60インチの管長を必要とする。しかしながら、球形キャップの高さがたったの38.1cm/15インチである、上記種類のポートを形成した球形のタイプ3の後部アタッチメント21が必要である。他方では、タイプ2aの管クラスターデザインとタイプ2bの後部アタッチメント14は、各キーがその固有の共鳴器を有するので、楽器の各キーからの放射のチューニングが一層多様性に富むことになる。更に、伝統的なスチールパンで使用されるスカートとは異なり、タイプ3の後部アタッチメント21を備えたG−パンの好ましい実施の形態は単一共鳴だけを示し、その周波数応答で共鳴ゼロを示さないので、音響共鳴器として一層適している。
次に、G−パン楽器のオーケストラを形成するために使用可能な楽器のレンジの好ましい組み合わせを説明する。このようなオーケストラはもっぱら、前述した4個の楽器、すなわちG−ソプラノ、G−セカンド、G−3ミッドおよびG−6バスからなっている。これらの楽器は一緒に、音楽レンジG〜Bをカバーしている。伝統的な音響スチールパンが音楽レンジA〜Fをカバーしているので、これは8つの半音だけ従来技術を改良する。更に、G−パンはこのレンジをカバーするために、明確に異なる楽器を4個だけ使用する。これに対して、伝統的なスチールパンは、明確に異なる楽器を11個以上使用する。
表1はG−パン合奏レンジと伝統的なスチールパンの代表的な音楽レンジとの比較を示している。新しいG−パンデザインが楽器の数を4個に減らすことによって混雑を取り除くことが明らかである。この混雑は小さな音楽レンジをカバーするために多数の楽器を有することによって生じる。従って、G−パン合奏は、例えば表1に弦楽器の場合について示すように、より多くの伝統的な楽器と調和することができる。弦楽合奏団は4個の楽器で広い音楽レンジを効果的にカバーすることができる。
本発明のG−6バスは6個のドラムで、音楽レンジG〜C、すなわち30キーまたは2.5オクターブのすべてをカバーする。従って、G−6バスは伝統的な9バススチールパンと6バススチールパンの組み合わせレンジを凌駕している。
Figure 0005205587
G−3ミッドは3個のドラムでA〜A 、すなわち36キーまたは3オクターブのすべてをカバーする。従って、G−3ミッドはバリトンからアルトまでのレンジをカバーし、3−チェロ、4チェロおよびダブルギタードラムの組み合わせレンジと、4チャンネルドラムとテノールバススチールパンの大きなレンジを凌駕する。
本発明のG−3ミッド楽器の好ましい実施の形態は、キーの適切な相互離隔によって最大明確度および音楽的活動を保証するために、3オクターブのキーを含んでいるが、G−3ミッド楽器はその演奏面に45個のキーを収容することができるので、従来技術の4チャンネルドラムの代表的な音楽レンジを凌駕している。
G−セカンドは2個のドラムで、D〜C の音楽レンジ、すなわち36個のキー全部をカバーする。アルトとテノールレンジを対象とし、伝統的なダブルセカンドおよびダブルテノールスチールパンの組み合わせレンジを凌駕している。本発明のG−セカンドの役目は、ほとんどの演奏で前列の楽器となるG−ソプラノを補助することである。
G−ソプラノは1個のドラムで、C〜B、すなわち36個のキーまたは3オクターブ全部をカバーする。ソプラノレンジを対象とし、ローテノールスチールパンとハイテノールスチールパンの組み合わせ音楽レンジを凌駕する。
設計がプラスまたはマイナスの2半音によって最も低いキーを変更できるので、表1のG−パン合奏のために示したキーレンジは公称値である。
従来技術と比べて、本発明のG−パンセットの好ましい実施の形態は、所定のキーレイアウトデザインを2つだけ使用する。この両レイアウトデザインは、できるだけ、隣接キーが同じ子音間隔だけ異なり一方、キーの論理的および無矛盾の分配によって、より一般的なスケールのすべてを演奏するために手の動きが容易になるようにする。
本発明の第1の所定の好ましいレイアウトデザインは、キーが1個、3個または6個のドラム上に分配されるべきときに、セットの上記のすべての楽器で4度と5度の円の相対的キー配置を保つ。4度と5度のレイアウトにおける一連のキーのオクターブは、5度においてC,C,G,D,A,E,B,F,C,A,E,B,Fから増大する。
第2の好ましいレイアウトデザインは、キーが2個または4個のドラムに分配されている楽器に適用され、かつ隣接する所定のキーのオクターブで互いに補完する2つの音階全体に基づいている点で、上述の第1デザインを補完する。Cから出発すると、第1の音階全体はC,E,F,A,Bであり一方、第2の音階全体はC,E,F,G,A,Bである。
本発明のG−ソプラノ楽器のための好ましい所定のキーレイアウトが図8に示され、一方、本発明のG−セカンド楽器のための好ましいキーレイアウトが図9に示される。本発明のG−3ミッド楽器のための好ましいキーレイアウトは図10に示され、本発明のG−6バス楽器のための好ましいキーレイアウトは図11に示される。
本発明のG−ソプラノレイアウトはテノールスチールパンに適用されるような従来技術の延長であり、そして図8に示すように、12個のキーの3つの同心的なリング内で4度と5度の完全円を繰り返すことによって得られる。この同心的なリングは外側のリングであるリング0 1i、中間のリングであるリング1 1jおよび最も内側のリングであるリング2 1kからなっている。伝統的なテノールパンの場合のごとく、Cキーは、レイアウトの方向を合わせるように、演奏者に近いドラム部分に相当する円の底に配置されている。この方向づけはG−ソプラノレンジが低いピッチで始まるときでも維持される。試験の結果、67.31cm/26.50インチのドラムで実施されるようなG−ソプラノがAから始まる3オクターブレンジを提供できることが判った。
図8のG−ソプラノ楽器が反時計回りに5度に進むキーを示しているが、パンはこのレイアウトを逆にすることによって実施可能である。
G−ソプラノ楽器の好ましい実施の形態は4度と5度のレイアウトを実施し、5度は反時計回りに進む。従って、G−ソプラノ各ドラム上のキーのレイアウトでは、物理的に隣接するキー対は4度または5度の音程によって分離される。従って、これらの音程が協和音として認識されるので、音楽的不協和音が減少する。
図9を参照する。G−セカンド楽器の使用されるキーレイアウトは従来技術において知られており、全音、すなわち2つの半音の音程へのC−長音階の分割に基づいている。キーは最初に4度と5度の円上で基音キーを選択し、そして5度の方向に円を取り囲みながら円上の他のすべてのキーを選択することによって選ばれる。これはG−セカンド楽器の右側ドラム2に6個の最も低いキーを与える。そして、音階の残りの6個のキーは残りのドラム3に割り当てられる。各ドラムにおいて、最も低いキーのオクターブが形成され、ダブルオクターブが得られるまでプロセスが繰り返される。スペースが制限されているので、2つの最も低いキーのそれぞれの第1オクターブは上記キーと並んでキーの外側円上に配置されている。これらは図9の好ましい実施の形態のD,E,EおよびFのキーについて示してある。他のすべてのキーについては、オクターブまたはダブルオクターブが好ましい態様で、すなわちドラムの内側部分のキーの分離された2つの同心円上に置かれている。
本発明のセトのG−セカンド楽器を除くすべてについて、4度と5度の円を連続したキーのグループに均一に分割することにより、好ましいG−パンキーレイアウトが得られる。G−セカンドの場合、このような分割の試みはすべて、G−セカンドの各ドラムで2つのキーを生じ、このキーは半音または短セカンドだけ離れていて、最も悪い不協和音を生じやすい。
全音に基づくキーの割り当てはこの問題を克服する補助となる。キー割り当ては更に、増加した4度離れた各ドラムの1対のキーを除いて、不協和音であると考えられる最も好まれる音程であると考えられるものに相応して、隣接するキーが長または短3度離れるように行われる。左側ドラムのこれら2つのキー,E と右側ドラムのB ,Eとの間のカップリング作用は、上述の方法の適用によって低減することができる。
G−セカンドを形成する本発明のセットの2ドラム補足音程は、ほとんどの演奏において最前列楽器になるG−ソプラノを支援するように設計されている。この観点から、少ない数の複合ドラムが速い楽節の演奏を容易にするので、3ドラムG−3ミッドよりも有利である。
本発明のG−3ミッド楽器のための好ましいレイアウト構造を示す図10を参照する。G−3ミッドは、3個のドラムにわたって4度と5度の円を分配しているので、従来技術からの重要な新発展を示す。このアプローチはこれまで決してなされなかった。
G−3ミッドレイアウトは、G−ミッドセットの3個のドラムの各々に、4度と5度の円内の連続するキーの3オクターブを割り当てることによって形成されている。これは12個のキーをG−3ミッドの各ドラム上に配置する。第1ドラム4に割り当てられた4つのキーは、基本キーと、5度に進む次の3個のキーを選択することによって得られる。そして、5度に進む4度と5度の円内の次の4個のキーが第2ドラム5に割り当てられる。そして、5度に進む4度と5度の円内の最後の4個のキーが、第3のドラム6に割り当てられる。1つのオクターブに12個のキーがあるので、このやり方を用いて3個のドラムにキーを割り当てる独特の方法が12個ある。基本キーの選択は種々の要因に依存する。この要因の最も大きなものは、音楽レンジ、ドラムの大きさ、チューナーによって使用されるキーテンプレートの大きさおよびG−ソプラノキーレイアウト位置合わせの維持である。
図10に示すようなキーレイアウトを有するG−3ミッドの場合には、例えば基本キーがCであれば、C,G,DおよびAのそれぞれ3つのオクターブが第1ドラム4に割り当てられる。5度に進む円上の次の4個のキー、すなわちE,B,FおよびCの3つのオクターブが、第2ドラム5上に配置される。最後に、5度に進む円上の最後の4個のキー、すなわちA,E.BおよびFの3つのオクターブが、第3ドラム6上に配置される。
G−3ミッドの各ドラム上のキーレイアウトは、物理的に隣接するキー対が4度、5度または6度の音程によって分離されるように行われる。従って、これらの音程が協和音として認識されるので、音楽的な不協和音が減少する。
G−6バス楽器の好ましいレイアウト構造を示す図11を参照する。G−6バスレイアウトは従来技術のレイアウトの延長であり、キーの3つのオクターブ全部と5度の2つのオクターブを、G−6バスからなる6個のドラム7,8,9,10,11,12に割り当てることによって得られる。これは5つのキーをG−6バスの各々のドラムに配置する。第1ドラム7に割り当てられる2つのキーは、基本キーとその5度を選択することによって得られる。
5度に進む4度と5度の円内の次の2つのキーが、第2ドラム8に割り当てられる。このプロセスは、4度と5度の円上の最後の2個のキーが第6ドラム12に割り当てられるまで続けられる。1つのオクターブに12個のキーがあるので、このやり方を用いて3個のドラムにキーを割り当てる独特の方法が12個ある。基本キーの選択は種々の要因に依存する。この要因の最も大きなものは音楽レンジ、ドラムの大きさ、チューナーによって使用されるキーテンプレートの大きさおよびG−ソプラノキーレイアウト位置合わせの維持である。
好ましい実施の形態では、G−6バスは伝統的な6バスで得ているものよりも1オクターブ全体だけ多い2.5オクターブをカバーする。G−6バスは更に、9バスと6バススチールパンの複合レンジを越え、実質的にテノールバススチールパンのレンジをカバーする。上記の方法によって、G−6バスレンジ内の最も低い6個のキーは、3つの全オクターブで実施される。従って、これらのキーは楽器のレンジの最も高い6個のキーを規定する。G−6バスの残りのキーは最初の6つのオクターブレンジを補足し、2オクターブで実施される。
G−6バスの各ドラムのキーのレイアウトは、物理的に隣接するキー対が4度、5度の音程によって分離されるように行われる。従って、音楽的な不協和音が最少協和音音程まで減少する。これはバスレンジにとって重要である。バスレンジでは、不協和音の認識と関連する周波数の重要な帯域が、他の音楽レンジのものよりも小さい。
G−パンセットの楽器の好ましい実施の形態が、従来技術で得ているものよりも11.43cm/4.5インチだけ大きい67.31cm/26.50インチの直径の演奏面を有し、その結果音の強さの高いレベルでの音楽の音の発生を容易にすることが本発明の1つの目的である。
本発明の他の目的は、大きなドラムの使用の直接的な結果として、楽器のG−パンセットが音楽的レンジG〜Bに及ぶ音楽的レンジを提供し、それによって伝統的なアコースティックスチールパンが音楽的レンジA〜Fに及ぶように、8半音だけ従来技術を改良することである。
本発明の他の目的は、2つだけのキーレイアウトテンプレートを使用することにより、楽器のG−パンセットが従来技術よりも大幅に高められた能力を提供するようにすることである。このキーレイアウトテンプレートは従来技術を改良したものであり、その場合キーレイアウト原理が大きく変化し、演奏者がG−パンオーケストラのすべての楽器に一層容易に順応することができるので、演奏の柔軟性が増すことになる。
本発明の他の重要な目的は、1個、3個または6個のドラム上に分配されたキーを有するすべての楽器のために、G−パンセットが4度と5度の円のキー相対配置またはその逆を任意に使用するキーレイアウトテンプレートを利用するようにすることである。
更に、本発明の他の目的は、2個または4個のドラム上にキーを分配しなければならないすべての楽器のために、G−パンセットが所定のすべての連続するキーのオクターブにおいて互いに補完する2つの全音階に基づくキーレイアウトテンプレートを利用するようにすることである。
本発明の他の目的は、上述の音楽レンジG〜Bをカバーするために、4個だけの好ましい別個の楽器、すなわちG−6バス、G−3ミッド、G−セカンドおよびG−ソプラノを楽器のG−パンセットのために使用することである。これに対して、従来技術の伝統的なスチールパンは、制限された音楽レンジA〜Fをカバーするために11個以上の別個の楽器を使用する。従って、本発明は、小さな音楽レンジをカバーするために11個のスチールパン楽器を有することによって生じる散乱状態と、多大な運搬コストおよびそれに付随する、社会的契約および演奏を請け負うスチールパン奏者の収益の流動性の制限を取り除くことにより、従来技術を改良する。
本発明の他の目的は、G−6バス楽器の好ましい実施の形態によって、6個のドラムで音楽レンジG〜C、すなわち全部で30個のキーまたは2.5オクターブをカバーすることである。従って、伝統的な9バスと6バスのスチールパンの複合レンジを越え、よって従来技術の場合よりも持ち運びやすく一層コンパクトなバスレンジの楽器を提供し一方、従来技術で要求されるような入れ換えの必要性を少なくすることによって演奏融通性を改善する。
本発明の他の目的は、G−3ミッド楽器が3個のドラムで音楽レンジA〜A 、すなわち全部で36個のキーまたは3オクターブをカバーするようにすることである。従って、G−3ミッドはバリトンからアルトレンジをカバーし、3−チェロ、4チェロおよびダブルギタースチールパンの複合レンジと、4チャンネルのスチールパンとテノールバススチールパンのかなり広い音楽レンジを越え、従って従来技術の場合よりも持ち運びやすく一層コンパクトなバリトンレンジの楽器を提供し一方、従来技術で要求されるような入れ換えの必要性を少なくことによって演奏融通性を改善する。
他の目的は更に、G−3ミッド楽器の好ましい実施の形態がキーの間隔を思慮深く決定することによって最大の明瞭度と音楽的活動を保証するために、キーの3オクターブを有し、G−3ミッドがその演奏面に45個のキーを提供できるようにすることである。従って、4チャンネルのスチールパンの代表的な音楽レンジを越える。
本発明の他の目的は、G−3ミッド楽器のキーレイアウトが3個のドラムにわたって音楽的な4度と5度の円の分配であるので、G−3ミッド楽器が従来技術から大きく逸脱していることである。
本発明の他の目的は、G−セカンド楽器の好ましい実施の形態が2個のドラムで音楽レンジD〜C 、すなわち全部で36個のキーをカバーするようにすることである。というのは、この実施の形態がアルトとテノールレンジを対象とし、伝統的なダブルセカンドおよびダブルテノールスチールパンの複合レンジを越えているからである。従って、従来技術の場合よりも持ち運びやすく一層コンパクトなアルトとテノールレンジの楽器を提供し一方、従来技術で要求されるような入れ換えの必要性を少なくすることによって演奏融通性を改善する。
本発明の他の目的は、G−ソプラノ楽器の好ましい実施の形態が1個のドラムで音楽レンジC〜B、すなわち全部で36個のキーまたは3オクターブをカバーするようにすることである。この実施の形態はソプラノレンジを対象とし、ローテノールスチールパンとハイテノールスチールパンの複合音楽レンジを越えている。従って、従来技術の場合よりも持ち運びやすく一層コンパクトなソプラノレンジの楽器を提供し一方、従来技術で要求されるような入れ換えの必要性を少なくすることによって演奏融通性を改善する。
本発明の最後の目的は、従来技術において単一樽または管である後部アタッチメントが所定のドラム上のすべてのキーの基本周波数に一致しない共振を示すが、タイプ2aの後部アタッチメントが管クラスタ機構を適用して音波投射を高めることによって従来技術を改良することである。ここの管クラスタ機構は演奏面上の各キーのための管共振器を提供する。これは、楽器の音の大きさと音楽的正確さを高める新しいアプローチであり、これまで従来技術おいて知られていない。
添付の図面に関連する上記の詳細な説明から、特別な操作要求や状態に適合させるために変えることができる他の所定の変更および特徴が、当業者にとって明らかであるので、本発明は、記述の開示の目的のために選定された例に限定されるものではない。従って、本発明はその真の精神および範囲から逸脱しないすべての変化および変更をカバーする。この真の精神および範囲については、添付した特許請求の範囲を参照すべきである。
用語解説
パーカッション:楽器を叩くことによって音楽を演奏すること。
演奏者:楽器を演奏する人。
スチールパン:伝統的に円筒形のドラムまたは容器から作られた、イディオフォンクラスの所定のピッチの打楽器。ドラムまたは容器の最上部は演奏面を作るために使用され、この演奏面は通常はチャンネル、溝または穴によって部位に分けられる。各部位は所定のピッチにチューニングされるキーである。スチールパンを作るドラムの円筒側部は、共鳴器とし作用させるためおよび演奏面のための物理的支持部を提供するため、通常はそのままである。
パン奏者:スチールパンを演奏する
第4音程(4度):音高周波数の比が同じ音律の音階で名目上25/12である場合、2個のキーは4度によって変化するかまたは第4音程によって分離される。
第5音程(5度):音高周波数の比が同じ音律の音階で名目上27/12である場合、2個のキーは5度によって変化するかまたは第5音程によって分離される。
4度および5度配置:隣接するキーのシーケンスが一方向で第4音程だけ異なり、従って反対方向で第5音程だけ異なっている、音楽キーの配置。
本発明の好ましい実施の形態に基づく単一アコースティックスチールパンドラムの分解図であり、ホイールと受け具のアタッチメント用いて上記ドラムを吊り下げる方法の図示を含んでいる。 図1aは構成部品を示すG−パンファミリの典型的なドラムの分解図である。 図1bはG−ソプラノ、G−セカンドおよびG−3ミッド楽器の場合のG−パンファミリの典型的なドラムの吊り下げ方法を示している。 図1cはG−パンの吊り下げのために使用されるシステムの分解正面図である。 図1dはG−パンの吊り下げのために使用されるシステムの分解側面図である。 図1eはG−パンの吊り下げのために使用されるシステムの平面図である。 本発明の好ましい実施の形態に基づく単一ドラムの演奏面の詳細な構造を示す分解図である。 本発明の好ましい実施に基づくタイプ1の後部アタッチメントの使用を示す図である。 本発明の好ましい実施に基づく管クラスタによって作られた後部アタッチメントの使用を示す図である。 図4aは、本発明の好ましい実施に基づく管クラスタを見せるために後部アタッチメントの外側シェルを切断した、管クラスタによって作られた後部アタッチメントの使用を示す側面図である。 図4bは、本発明の好ましい実施に基づく管クラスタによって作られた後部アタッチメントを使用する形態を示す背面図である。 図4cは、タイプ2aの後部アタッチメントを形成するフレームと管クラスタを示す図である。 本発明の好ましい実施に基づくチューニングされた後部アタッチメント構成要素または区間を使用する形態を示す図である。 本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインを示す図である。 図6aは、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの切断線I−Iを示す平面図である。 図6bは、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの破断側面図である。 図6cは、本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの底面図である。 本発明の好ましい実施に基づく穴をあけた後部アタッチメントデザインの側面図であり、必要な計算で使用される変数を示す。 本発明の好ましい実施に基づく本発明のG−ソプラノスチールパンのキーレイアウトを示す。 本発明の好ましい実施に基づくG−セカンドスチールパンのキーレイアウトを示す。 本発明の好ましい実施に基づくG−3ミッドスチールパンのキーレイアウトを示す。 本発明の好ましい実施に基づくG−6バススチールパンのキーレイアウトを示す。
1 演奏面
1a キー
1b 支持ウェブ
1c キーカバー
1d 一次ボウル
1e 一次ボウルフランジ
1f 振動吸収ガスケット
1g 二次ボウル
1h 二次ボウルガスケット
1i リング0
1j リング1
1k リング2
2 G−セカンドスチールパンの第1ドラム
3 G−セカンドスチールパンの第2ドラム
4 G−3ミッドスチールパンの第1ドラム
5 G−3ミッドスチールパンの第2ドラム
6 G−3ミッドスチールパンの第3ドラム
7 G−6バスの第1ドラム
8 G−6バスの第2ドラム
9 G−6バスの第3ドラム
10 G−6バスの第4ドラム
11 G−6バスの第5ドラム
12 G−6バスの第6ドラム
13 出縁
13a 支持リング
13b 迫持台
13c 吊り下げホイール
13d 吊り下げホイール軸
14 後部アタッチメント
14a 姿勢オフセット錘
15 支持スタンド
15a 支持スタンド垂直材
16 支持カップ
17 管
18 外側シェル
19 フレーム
19a 同心ブレース
19b 半径方向ブレース
20 共振
21 タイプ3の後部アタッチメント
22 ポート穴

Claims (8)

  1. 複数の複合設計のアコースティックスチールパン楽器からなるオーケストラの構成方法であって、
    ここにおいて前記オーケストラは、少なくとも4個の楽器を有し、
    G1〜B6の音楽スペクトル全体と、A1〜F6の必須の音楽レンジに対して余分な少なくとも8つの付加的な半音とをカバーすることができ、
    ここにおいて前記スチールパン楽器の演奏面の面積が
    Figure 0005205587
    であり、ここで、SB1はBキーの面積、αは連続したキー間の面積の比、一般的に0.93、nは演奏面上のキーの数であり、
    そして必要に応じて球形ボウル形状の演奏面について、前記演奏面の半径が
    Figure 0005205587
    であり、ここでdは演奏面を形成するボウルの深さであり、
    楽器のドラムの数は
    Figure 0005205587
    によって求められ、
    (a)1つのG−ソプラノドラムについて、最大の快適な深さがd=10インチまたは25.4cmであり、最も低いキーA、J=22および3オクターブを有し、
    Figure 0005205587
    が少なくとも4646.4cmであり、必要半径
    Figure 0005205587
    が少なくとも32.7cmまたは12.9インチであり、そしてndrums=1で、従って最も低いキーがAおよび特にC〜Bのレンジよりも高いレイアウトを提供し、
    (b)主演奏面、第2演奏面および絶縁ガスケットを有する複合演奏面と、
    ここにおいて前記主演奏面が単一演奏面によって形成され、
    前記単一演奏面が円形の好適な金属板を必要な深さに窪ませることによって形成され、
    前記金属板が少なくとも66.04cm/26インチの直径を有し、
    前記主演奏面が20.00cm/8.00インチの直径を有する少なくとも1つの穴を作ることによって形成され、
    前記穴は前記キー支持面の中央を切り込まれ、
    それにより前記穴の外周部が少なくとも0.66cm/0.26インチの所定の幅で少なくとも0.32cm/0.125インチの好ましい深さに逆方向に押し込まれ、
    そして厚さが0.32cm/0.125インチで内径が20.00cm/8.00インチで幅が0.64cm/0.25インチの少なくとも1個の円形フランジを形成し、
    前記フランジが前記穴の窪んだ外周部にマイクロ精密溶接され、最適には融合され、
    前記第2演奏面は、最初に、厚さが0.32cm/0.125インチで内径が20.00cm/8.00インチで幅が0.64cm/0.25インチの円形フランジを、厚さが1.00mm/0.04インチで直径が20.00cm/8.00インチの円形金属板ブランクに溶接することによって製作され、
    次に、前記フランジが取付かない前記金属板ブランクの部分が、第2演奏面上に必要な形状を作るために窪ませられ、そして前記第2演奏面が所望な厚さ形状を得るために研磨され、
    前記主演奏面と前記第2演奏面が前記フランジの間に前記絶縁ガスケットを装着することによって結合され、
    (c)演奏面の縁に外接する1つの出縁と、
    (d)複数のキーカバーと、および
    (e)前記出縁に取付けられた少なくとも2個のホイールと、
    前記ホイールは、ドラムを揺動可能に支持するように構成されかつ技術的に配置され、
    を有することを特徴とする、方法。
  2. 少なくとも1個の絶縁ガスケットを前記フランジの間に並べることによって複数の半球形のキー支持面を分離し、それによって、キー支持面上で複数の独立したキー領域が励起するときに、エネルギー減衰係数
    Figure 0005205587
    から得られる、少なくとも0.47の係数の分だけ、キーカップリングを低下させ、
    ここで、第2のボウルが質量mを有し、ωが正弦波振動数であり、そしてω=ωが減衰を必要とする正弦波振動数の最小値である、
    ことを特徴とする請求項1記載のスチールパン楽器。
  3. 最も低いキーAを含むレンジA〜A を備え、そのために、必須のドラムの数がndrums=3になるように、演奏面面積が
    Figure 0005205587
    であるかまたは11100cmであり、前記複数のドラムの半径が前記G−ソプラノドラムの半径と同じであり、更にその演奏面上にキーレンジA2〜F6をカバーする少なくとも45個のキーを有することを特徴とする、請求項1記載のスチールパン楽器。
  4. 最も低いキーG1を含むレンジG〜C を有し、そのために、必須のドラムの数がndrums=6になるように、演奏面面積が
    Figure 0005205587
    であるか、または27535cmであり、前記複数のドラムの半径が前記G−ソプラノドラムの半径と同じであることを特徴とする、請求項1記載のスチールパン楽器。
  5. 36個の連続キーを有し、最も低いキーが
    Figure 0005205587
    であるか、またはBから少なくとも12半音、すなわちBである、ソプラノレンジを支持する二重のドラムを使用し、
    前記二重のドラムの半径が前記G−ソプラノドラムの半径と同じであることを特徴とする、請求項1記載のスチールパン楽器。
  6. 前記複数の半球形キー支持面が、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、マンガン合金、マグネシウム、ジルコニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、炭素鋼、ニオブまたはチタンによって安定化された加工硬化されないオーステナイトステンレス鋼であるステンレス鋼、からなる金属のグループから選択される金属から作成される、ことを特徴とする請求項1記載のスチールパン楽器。
  7. クラスタ機構を形成する実質的に円筒形の複数のキー共鳴器を備え、
    ここにおいて、このキー共鳴器の各々が、半球形キー支持面の下面上の1つの独立したキー支持領域に取付けられ、
    前記共鳴器を剛性のある出縁に交換可能および取り外し可能に固定し、ねじりモードの励起に付随する静的および一時的な形のゆがみを減少するため、機械的な固定具が使用される、
    ことを特徴とする請求項1記載のスチールパン楽器。
  8. 1つの吊り下げホイールの形をした吊り下げ機構が使用され、
    前記吊り下げホイールが、1つの支持スタンドの複数のアーム上に取付けられた1つの支持カップ内に収容され、
    前記支持カップは、前記吊り下げホイール全体がドラムの出縁の下方に位置するように位置決めされ、
    前記支持カップは、スチールパン楽器と前記支持スタンド間の望ましくない音響エネルギー伝達を除去する、
    ことを特徴とする複合設計のスチールパン楽器。
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