以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の実施の形態における物品保管設備の構成を示す配置図である。この物品保管設備は、複数品種の商品を保管しておいて、商品の品種(本願の物品の種類に相当)及び数量を指定する形態で発注元の店舗から送られてくる注文を一定期間分まとめて、その一定期間に受注した注文にて指定された品種の商品を指定された数量だけ出荷口に搬送する機能を備えた設備である。なお、出荷当日の午前11時及び午後4時が注文受付締め切り時間に設定されており、前回締め切り時間から今回締め切り時間までを前記一定期間としての注文受付期間としている。
図1に示すように、自動倉庫群を構成する複数(図では、1号機から5号機までの5基)の自動倉庫1が並列に配置されている。各自動倉庫1には、複数の段ボール(本願の物品の一例)2を保管し、段ボール2の出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置された2基の保管棚3と、それらの保管棚3どうしの間に形成された作業通路を自動走行するスタッカークレーン4とが設けられている。また各保管棚3には、1個の段ボール2を保管する物品保管部5が上下多段かつスタッカークレーン4の走行方向に設けられ、各自動倉庫1の各物品保管部5に保管されている段ボール2についての品種、管理日付(本実施形態では入庫日付としている)が保管物品情報として、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6(図4参照)で管理されている。
また各自動倉庫1に、上下2段に配置された、スタッカークレーン4への段ボール2の搬入を行う入庫コンベヤ10、およびスタッカークレーン4からの段ボール2の搬出を行う出庫コンベヤ11が設けられている。本実施形態では、スタッカークレーン4並びに入庫コンベヤ10及び出庫コンベヤ11が本願の出庫装置を構成している。
また各自動倉庫1の入庫コンベヤ10は、分岐装置15に接続され、段ボール2の入庫搬送コンベヤ16より搬送されてきた段ボール2は、この分岐装置15により入庫コンベヤ10へ分岐され、スタッカークレーン4により保管棚3へ入庫される。また各自動倉庫1の出庫コンベヤ11により搬送されてきた段ボール2は、合流装置26により合流されて自動倉庫群から出庫されて主搬送コンベヤ17へ搬出され、主搬送コンベヤ17により出荷口搬送経路18(本願の搬送先の一例)に搬送される。
つまり、自動倉庫群から出庫された段ボール2は、合流装置26及び主搬送コンベヤ17によって出荷口搬送経路18に搬送される。したがって、本実施形態では、合流装置26及び主搬送コンベヤ17にて本願の搬送手段が構成されている。またこの主搬送コンベヤ17は、周回コンベヤを構成している。また分岐装置15の上流に段ボール2のバーコードを読取るバーコードリーダ16Aが配置されている。
前記主搬送コンベヤ17には、主搬送コンベヤ17に沿って、合流装置26により合流され、主搬送コンベヤ17により搬送中の段ボール2に付されたバーコード(商品の品種を特定する情報)を読取るバーコードリーダ12と、このバーコードリーダ12の下流に配置され、主搬送コンベヤ17により搬送中の段ボール2にラベルを貼付けるラベルプリンタ14が設けられている。前記ラベルには、注文した店舗名と、店舗に割り当てられた固有の店舗番号(コード)と、これらを示すバーコードの他、商品の品種と、商品の品種に割り当てられた商品番号と、これらを示すバーコード等が印刷される。
また前記主搬送コンベヤ17の搬送下流側には、出荷口搬送経路18が設けられ、主搬送コンベヤ17上を搬送されている段ボール2は、分岐装置19により出荷口搬送経路18へ分岐される。
出荷口搬送経路18は、主搬送コンベヤ17から分岐搬送されてきた段ボール2を順に保留し、段ボール2を一時保留可能なアキュムレーションコンベヤからなる保留コンベヤ21から構成されている。また保留コンベヤ21の上流に段ボール2で満量となっているかどうかを検出する光電スイッチからなる満量検知器24が設けられ、保留コンベヤ21の下流端に段ボール2に貼付けられたラベルのバーコードを読取るバーコードリーダ25が配置され、また保留コンベヤ21の下流部に、表示器27と、操作パネル28と、ブザー付き警告灯(赤)30および満量警報灯(黄)31とが配置されている。
前記表示器27には、図2に示すように、出荷する段ボール2の残数が表示され、また操作パネル28には、図3に示すように、段ボール2のランプ付き積出し完了釦33と、出荷作業の開始・終了スイッチ34と、ブザー付き警告灯30のブザー停止および消灯を行う停止消灯釦35が配置されている。また、出荷口搬送経路18の下流部には、出荷口搬送経路18より取り出した段ボール2を積込み可能なカート37が配置される。
上記物品保管設備の制御構成図を図4に示す。物品保管設備には、自動倉庫群における自動倉庫1の夫々が備えるスタッカークレーン4並びに入庫コンベヤ10及び出庫コンベヤ11の作動を制御する出庫制御手段としての各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6と、出庫データの複数をそれらの出力順位と共に管理し、自動倉庫群を構成する複数の自動倉庫1のうち出庫データにて特定される自動倉庫1(特定自動倉庫1x)から出庫データにて特定される種類(特定種類)の段ボール2を出庫させるべく、出庫データを出力順位に従って出力し、かつ、出力した出庫データに基づく出庫処理が完了したことを示す出庫済みデータ(本願の出庫完了情報の一例)を出庫データ毎に管理する出庫指示手段しての出荷制御コントローラ45とが設けられている。
[自動倉庫のコントローラ]
各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6には、各自動倉庫1のスタッカークレーン4と入庫コンベヤ10と出庫コンベヤ11が接続されている。以下、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6の動作を説明する。
「出庫」
各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6は、出荷制御コントローラ45より、出庫ID番号情報と、商品の品種情報と、管理日付情報と、特定自動倉庫情報とからなる出庫データを入力すると、この出庫データにて特定される品種の段ボール2を保管している物品保管部5を、管理している保管物品情報により求め、スタッカークレーン4へ、求めた物品保管部5を指定した出庫指令を出力して、スタッカークレーン4により指定した物品保管部5より段ボール2を取り出させて搬送させ、出庫コンベヤ11の上流(保管棚3側)の指定位置へ卸させる。
続いて自動倉庫コントローラ6は、出庫コンベヤ11を駆動して段ボール2を下流(合流装置26側)に搬送させ、この出庫コンベヤ11を駆動するタイミングで、タイミング信号を後述する合流装置コントローラ39へ出力し、また出庫ID番号と出庫した段ボール2の品種と自動倉庫1の号機ナンバーからなる出庫済みデータを出荷制御コントローラ45へ出力する。
このように、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6は、出庫指示手段としての出荷制御コントローラ45にて出力される出庫データに基づいて、当該出庫データに係る特定自動倉庫から当該出庫データに係る特定種類の段ボール2を出庫させるべく、複数の自動倉庫1の夫々についての出庫装置としてのスタッカークレーン4並びに入庫コンベヤ10及び出庫コンベヤ11の作動を制御するように構成され、かつ、出庫データに係る特定自動倉庫からの当該出庫データに係る特定種類の段ボール2の出庫処理が完了すると、当該出庫データについての出庫完了情報としての出庫済みデータを、出庫指示手段としての出荷制御コントローラ45に出力するように構成されている。
「入庫」
各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6は、後述する分岐装置コントローラ40より段ボール2のバーコード読取りデータ(品種に相当する)と管理日付の情報からなる入庫データを入力すると、入庫コンベヤ10を駆動して分岐装置15から入庫された段ボール2を上流側へ搬送し、また空きの物品保管部5を求め、スタッカークレーン4に対して、求めた空きの物品保管部5を指定した入庫指令を出力して、スタッカークレーン4によって入庫された段ボール2を指定した物品保管部5に保管させる。
また各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6は、上記入出庫に伴い、保管物品情報を更新・管理する。
[分岐装置15のコントローラ]
また分岐装置15用のコントローラ40が設けられ、この分岐装置コントローラ40に、分岐装置15と、バーコードリーダ16Aが接続されている。分岐装置コントローラ40は、自動倉庫1への入庫時に、出荷制御コントローラ45から「商品(コード)と引き当てた自動倉庫1の号機と管理日付の情報」からなる入庫管理データを入力すると、バーコードリーダ16Aのバーコードの読取りデータと前記入庫管理データにしたがって、分岐装置15を駆動して自動倉庫1の1号機〜5号機の各入庫コンベヤ10へ段ボール2を仕分け、仕分けた自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6に対して、段ボール2のバーコード読取りデータと入庫管理データの管理日付の情報からなる入庫データを出力する。
[合流装置26のコントローラ]
また合流装置26用のコントローラ39が設けられ、この合流装置コントローラ39に、合流装置26が接続されている。合流装置コントローラ39は、出庫時に、自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6より出力される上記タイミング信号で段ボール2の搬出を確認し、各出庫コンベヤ11により搬出される段ボール2が主搬送コンベヤ17上で一定の間隔(段ボール2を分岐装置19により分岐可能な間隔)を維持するように段ボール2を合流させる。
[分岐装置19のコントローラ]
また分岐装置19用に分岐コントローラ41が設けられ、この分岐コントローラ41に、分岐装置19と、バーコードリーダ20と、出荷口搬送経路18の満量検知器24および満量警報灯(黄)31が接続されている。この分岐コントローラ41は、バーコードリーダ20より、搬送されている段ボール2に貼付けられた前記ラベルのバーコードのデータを入力すると、出荷口搬送経路18の満量検知器24が動作していると、出荷口搬送経路18への分岐を中止するとともに満量警報灯(黄)31を点灯する。このとき、段ボール2は主搬送コンベヤ17により周回される。
[出荷口管理コントローラ]
また出荷口搬送経路18に出荷口管理コントローラ42が設けられ、コントローラ42に、出荷口搬送経路18の保留コンベヤ21と、バーコードリーダ25と、表示器27と、操作パネル28のランプ付き積出し完了釦33、開始・終了スイッチ34、および停止消灯釦35と、ブザー付き警告灯30とが接続されている。
出荷口管理コントローラ42は、3つの機能を有している。
まず第1の機能として、出荷制御コントローラ45より入力される「店舗毎の段ボール2の注文数量」からなる出荷データにより予め店舗毎の段ボール2の注文数量を記憶し、保留コンベヤ21を連続駆動し、最初の段ボール2のラベルのバーコードがバーコードリーダ25により読取られると、このバーコードの店舗番号から求められる段ボール2の注文数量から1つカウントダウンした数量、すなわち積出し残数を表示器27へ表示させる。続いて段ボール2がバーコードリーダ25の設置位置を通過する毎に積出し残数を減らして表示させ、積出し残数が0となると、積出し完了釦33のランプを点灯し、積出し完了釦33の操作信号を入力すると、保留コンベヤ21を停止する。
また第2の機能として、積出し残数が0となる前に、バーコードリーダ25により読取ったバーコードのデータにより、先に通過した段ボール2の店舗番号と異なる段ボール2であることを確認すると、保留コンベヤ21を停止して、この段ボール2をこのバーコードリーダ25位置で停止させ、ブザー付き警告灯30を駆動してブザーを鳴動させランプを点灯する。そして停止消灯釦35の操作信号を入力すると、ブザー付き警告灯30のブザーの鳴動を停止しランプを消灯する。
また第3の機能として、開始・終了スイッチ34にて「開始」側への切り換え操作信号を入力すると、保留コンベヤ21を駆動して、出荷口搬送経路18への設定個数の段ボール2の搬送を要求する出荷作業開始用の搬送要求情報を出荷制御コントローラ45に出力する。そして、段ボール2がバーコードリーダ25位置を通過する毎に出荷口搬送経路18への1個の段ボール2の搬送を要求する出荷作業継続用の搬送要求情報を出荷制御コントローラ45に出力する。これにより作業者による段ボール2のカート37への積出し作業の進行に伴って、出荷制御コントローラ45が出庫データを順次出力するようになっている。
なお、出荷口管理コントローラ42は、開始・終了スイッチ34にて「終了」側への切り換え操作信号を入力すると、保留コンベヤ21を停止させる。したがって、上記積出し完了釦33のランプの点灯前であっても、カート37への段ボール2の積出し作業を中断させたい場合、作業者は、開始・終了スイッチ34を「終了」側へ切り換え操作することで、保留コンベヤ21を強制停止させることができる。
[出荷制御コントローラ]
上記5基の自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6と、バーコードリーダ12と、ラベルプリンタ14と、合流装置コントローラ39と、分岐装置コントローラ40と、分岐装置19の分岐コントローラ41と、出荷口搬送経路18の出荷口管理コントローラ42は、出荷制御コントローラ45に接続されている。
出荷制御コントローラ45には、店舗から注文データ(品種と数量)が送られてくる。図5に注文受付期間に受注した注文データの集計結果の一例を示す。店舗Aから商品の別に商品が注文されている。この注文データの集計結果は、出荷予定データとなる。
以下、この出荷制御コントローラ45の動作を説明する。
「各自動倉庫1の保管棚3への段ボール2の入庫の管理」
自動倉庫1へ同一管理日付の段ボール2の保管を行うとき、同一管理日付の段ボール2を自動倉庫1に分散して保管するように入庫管理データを形成する。すなわち、段ボール2の種類別に、複数(本実施形態では3つ)のテーブルを形成し、各テーブル毎に、同一管理日付の段ボール2を入庫する自動倉庫1の号機を順に引き当てるように、引き当てが済むと次の号機の番号をテーブルに記憶している。また、ある種類の段ボール2について新しい管理日付の段ボール2を入庫するときには、複数のテーブルのうち最も古い管理日付のテーブルを消去して新しい管理日付のテーブルに更新し、1号機から順に引き当てて引き当てが済むと次の号機の番号をテーブルに記憶している。
たとえば、管理日付2009/4/15の段ボール2として最初の1個目を入庫するときは、複数のテーブルとして2009/2/10、2009/3/14、2009/4/8の管理日付のテーブルが形成されている場合、これらのうち最も古い管理日付のテーブルである2009/2/10の管理日付のテーブルを消去して、新しい管理日付2009/4/15のテーブルを形成し、1号機を引き当てると、次号機を2号機と記憶する。また管理日付2009/4/15の段ボール2として1個目が1号機に入庫済みであって2個目を追加して入庫するときは、2号機から引き当て、2号機を引き当てると、次号機を3号機と記憶する。このような入庫引き当て及びそれに基づき入庫処理が繰り返し行われることにより、同じ種類の段ボール2が自動倉庫群を構成する全ての自動倉庫1に分散して保管される。
「段ボールの在庫データの形成」
実際に仕分けを開始する前に、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6において管理されている保管物品情報を呼び出し、図6に示すように、段ボール2の商品別に、かつ管理日付が古い順に保管されている自動倉庫1の号機番号を並べて、全ての自動倉庫1に保管されている段ボール2の在庫データを形成する。図6では、5つの商品「あ」,「い」,「う」,「え」,「お」について、在庫データが形成されている。図6から判るように、上記各自動倉庫1の保管棚3への段ボール2の入庫の管理により、管理日付が同一の商品は、自動倉庫群の各号機の自動倉庫1に分散して保管されている。
「出荷予定に対する在庫の引き当て」
図5の出荷予定データにて示される出荷予定の複数の商品の夫々に対して、図6の在庫データにて与えられる在庫のうち、管理日付の古いものから順次引き当てていく。すなわち、出荷予定の9個の商品「あ」について、図6の「あ」欄の在庫のうち、図中に太線で囲んだ管理日付の古いものから順に9個の段ボール2が引き当てられる。出荷予定の2個の商品「い」について、図6の「い」欄の在庫のうち、管理日付の古いものから順に2個の段ボール2が引き当てられる。出荷予定の他の商品「う」、「え」及び「お」についても同様である。
次に、まず、商品「あ」について、引き当てた在庫の段ボール2毎に段ボール2の在庫データを管理日付の古いものから在庫データに登録されている順で優先的に引き当てる。在庫データが図6のようなものであると、3号機を引き当て号機とする商品「あ」についての第1の出庫データ(図7の「あー1」)、4号機を引き当て号機とする商品「あ」についての第2の出庫データ(図7の「あー2」)、…、3号機を引き当て号機とする商品「あ」についての第9の出庫データ(図7の「あー9」)と順次生成される。
次に、商品「い」についても同様に、第1の出庫データ(図7の「いー1」)及び第2の出庫データ(図7の「いー2」)が生成される。商品「う」についても同様に、第1の出庫データ(図7の「うー1」)〜第6の出庫データ(図7の「うー6」)が生成され、商品「え」についても同様に、第1の出庫データ(図7の「えー1」)〜第4の出庫データ(図7の「えー4」)が生成され、商品「お」についても同様に、第1の出庫データ(図7の「おー1」)〜第10の出庫データ(図7の「おー10」)が生成される。
そして、これらの出庫データは、商品「あ」から順に、図7に示すように、各号機が出庫処理を担当する出庫データとして生成順に配列される。すなわち、まず、商品「あ」の第1の出庫データは、特定自動倉庫が3号機であるので、3号機の出庫データの1番目として配列され、商品「あ」の第2の出庫データは、特定自動倉庫が4号機であるので、4号機の出庫データの1番目として配列される。以下、商品「あ」の第9の出庫データまで特定自動倉庫となっている号機の出庫データとして順次配列される。続いて商品「い」についての出庫データが配列され、以下、商品「う」〜「お」についても同様である。なお、図7は、出荷予定の31個の段ボール2の全てについての出庫データの生成及び配列が完了した状態を示している。
「出庫データに基づく引当データの生成」
図7のように配列された出庫データを、引き当て号機が1号機から5号機まで巡回的に並ぶように、すなわち、1号機の1番目の出庫データ、2号機の1番目の出庫データ、3号機の1番目の出庫データ、4号機の1番目の出庫データ、5号機の1番目の出庫データ、1号機の2番目の出庫データ、2号機の2番目のデータ、…、となるように、図7の5列に配列されている出庫データを一列に並び換えて、図8に示す引当データを生成する。このように1号機から5号機まで巡回的に並べることで、各号機が担当する出庫データ数ができるだけ均等になるようにしている。これにより各自動倉庫の稼働率を高めて自動倉庫群が全出庫データについての出庫処理をできるだけ迅速に完了させることができる。引当データを構成する各出庫データには、これらの出力順位を示す出庫ID番号が付される。なお、本実施形態では説明の便宜上、僅か31個の出庫データ数からなる引当データが生成される場合を説明しているが、実際には設備規模に応じた多量の出庫データ数からなる引当データが生成される。
「出庫データの出力」
出荷制御コントローラ45は、開始・終了スイッチ34が「開始」側へ切り換え操作されて出荷口管理コントローラ42から荷積み作業の開始を示す出荷作業開始用の搬送要求情報が出力されると、出荷口搬送経路18の保留コンベヤ21の貯留量に基づいて設定された所定数(本実施形態では20個としている)の出庫データを出力順位に従って、つまり、出庫ID番号順に出力する。その後は、段ボール2が出荷口搬送経路18のバーコードリーダ25位置を通過する毎に出力される出荷作業継続用の搬送要求情報を受信すると、出庫データを出力順位に従って、つまり、搬送要求情報を受信したときに未出力の出庫データのうち、出庫ID番号が一番小さい出庫データを一つだけ出力する。
「出庫データの変更(特定自動倉庫の振り替え)」
出荷制御コントローラ45は、出庫データを出力するときに、当該出庫データの出力前に既に出力済みの出庫データであって当該出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫1xについての出庫データのうち、出庫済みデータが取得できていない出庫データによる出庫処理の合計処理量が振替判定用の設定基準値より大きいと、当該出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫1xを、合計処理量がこの特定自動倉庫1xよりも小さくかつ出庫データに係る特定種類と同じ種類の段ボール2を保管している振替先の自動倉庫1x´に変更し、特定自動倉庫1xについての合計処理量が設定基準値以下であると、当該出庫データに係る特定自動倉庫1xを変更しない特定自動倉庫振替処理を実行するように構成されている。
本実施形態では、出荷制御コントローラ45は、出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫1xを特定自動倉庫する出力済みの出庫データであって出庫済みデータが取得できていない出庫データの個数を、出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫1xについての合計処理量Nxとしており、また、振替判定用の設定基準値として、自動倉庫群を構成する全ての自動倉庫1の夫々についての合計処理量の平均値、つまり、出力済みの出庫データであって出庫済みデータが取得できていない未完了出庫データの各自動倉庫別の個数の平均値Navr(以下、「平均未完了出庫データ数Navr」という)を採用している。
すなわち、出力しようとする出庫データに係る特定自動倉庫1xについての未完了出庫データ数Nxが、全ての自動倉庫の平均未完了出庫データ数Navrに比べて多くなっている場合に、その自動倉庫1xを特定自動倉庫とする出庫データを出力すると、当該出庫データに基づく出庫処理がその特定自動倉庫1xにて実際に処理されるまでの待ち時間が長くなって当該出庫データに係る特定種類の段ボール2が出荷口搬送経路18までなかなか搬送されてこない事態が予測される。そこで、出力しようとする出庫データの特定自動倉庫1xを、未完了出庫データ数が全ての自動倉庫の平均未完了出庫データ数Navrよりも少ない自動倉庫1に振り替え、振替後の出庫データを出力することで、その出庫データに係る出庫処理を振替後の特定自動倉庫1x´に処理させて、当該出庫データに係る特定種類の段ボール2を出荷口搬送経路18にできるだけ早期に搬送することが可能となる。
さらに、出荷制御コントローラ45は、振替先の自動倉庫1x´として、当該出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データに係る特定種類の段ボール2と同じ種類であり且つ他の全ての出庫データに係る出庫対象となっていない在庫物品が存在する自動倉庫1のうちで合計処理量が最小である自動倉庫1を選択するように構成されている。具体的には、出荷制御コントローラ45は、特定自動倉庫振替処理において、在庫物品の有無を確認する対象である仮振替自動倉庫Xrefに在庫物品が存在すれば、当該仮振替自動倉庫Xrefを振替先の自動倉庫1x´として決定するように構成され、かつ、特定自動倉庫振替処理において、合計処理量が自動倉庫群を構成する全ての自動倉庫1のうちで最小である自動倉庫1を最初の仮振替自動倉庫Xrefに設定したのち、合計処理量が仮振替自動倉庫Xrefの次に少ない自動倉庫1に仮振替自動倉庫Xrefを更新する仮振替設定更新処理を振替先の自動倉庫1x´が決定するまで設定回数(本実施形態では2回としている)を限度に繰り返し実行するように構成されている。
すなわち、段ボール2を出荷口搬送経路18にできるだけ早期に搬送するためには、振替先の自動倉庫1x´としては未完了出庫データ数Nができるだけ少ない号機を選択するべきであるところ、まず、未完了出庫データ数Nが最小の自動倉庫1を仮振替自動倉庫Xrefとして選択し、この仮振替自動倉庫Xrefに特定種類(特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データにて特定される商品の種類)の段ボール2が在庫として保管されていれば、問題なくその仮振替自動倉庫Xrefを振替先の自動倉庫として決定するようにしている。仮振替自動倉庫Xrefに特定種類の段ボール2が在庫として保管されていない場合は、仮振替自動倉庫Xrefとして選択されている自動倉庫1の次に未完了出庫データ数が少ない自動倉庫1を新たな仮振替自動倉庫Xrefとして選択し直して、この新たな仮振替自動倉庫Xrefに特定種類の段ボール2が在庫として保管されているかどうかを確認するようにしている。新たな仮振替自動倉庫Xrefに特定種類の段ボール2が在庫として保管されていない場合は、さらに次に未完了出庫データ数が少ない自動倉庫1を新たな仮振替自動倉庫Xrefとして選択し直して、この新たな仮振替自動倉庫Xrefに特定種類の段ボール2が在庫として保管されているかどうかを確認し、在庫が保管されていれば振替先の自動倉庫として決定し、在庫が保管されていなければ、さらに新たな仮振替自動倉庫Xrefを設定することになる。
このように、仮振替設定更新処理を繰り返すことで、特定種類の段ボール2を在庫として保管している自動倉庫1のうち未完了出庫データ数Nが最小の自動倉庫1を振替先の自動倉庫1x´として選択することができるようになっている。なお、仮振替自動倉庫Xrefを更新する仮振替設定更新処理を繰り返し実行すると、実行回数が増せば増すほど、未完了出庫データ数Nが平均未完了出庫データ数Navrよりも多い自動倉庫1が振替先の自動倉庫1x´として選択される可能性が高くなる。未完了出庫データ数Nが平均未完了出庫データ数Navrよりも多い自動倉庫に振り替えられると、引当データ上で特定自動倉庫として元々引き当てられていた振替前の特定自動倉庫1xにて出庫処理を行わせるよりかは、未完了出庫データ数Nが少ない分、当該出庫データについての出庫処理が早期に行われ、自動倉庫を振り替えない場合よりも早期に特定種類の段ボール2が出荷口搬送経路18まで搬送されることが期待できるが、自動倉庫群として全ての出庫データについての出庫処理を極力早期に完了させることを目指す場合は、未完了出庫データ数Nが平均未完了出庫データ数Navr以上の自動倉庫を振替先の自動倉庫として選択することは好ましくない。そこで、仮振替自動倉庫Xrefの更新設定回数を制限している。この制限回数は自動倉庫群を構成する自動倉庫の個数に応じて適宜設定される。本実施形態では自動倉庫群は5基の自動倉庫1から構成されているので仮振替自動倉庫Xrefの更新設定回数を2回までに制限している。
なお、出荷制御コントローラ45は、仮振替自動倉庫Xrefに特定種類の段ボール2が在庫として保管されているかいないかを在庫データを参照して判断するが、その際、特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データに係る特定種類の段ボール2と同じ種類であり且つ他の全ての出庫データの出庫対象となっていない段ボール2を在庫物品として認識している。つまり、いずれかの出庫データに引き当て済みの在庫については引当済みであることを示す引当済み情報が付されることにより振替対象の判断の対象から除外されている。したがって、既に他の出庫データに引当済みの在庫が特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データに重複して引き当てられることはない。また、出荷制御コントローラ45は、特定自動倉庫振替処理や仮振替設定更新処理にて未完了出庫データ数を号機間で比較する場合において、未完了出庫データ数が同数の号機があるときは、号機の番号が小さいものを優先するようにしている。
出荷制御コントローラ45の制御動作について図9及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず図9に示すフローチャートに基づいて出庫管理制御について説明する。出荷制御コントローラ45は、ステップ#M1(以下、#M1のように「ステップ」の記載を省略する)で注文受付締切時間が到来したか否かが判別される。注文受付締切時間になると#M2へ移行し、それまでに店舗から受け付けた全注文データを集計する。注文データの集計が完了すると#M3で注文データに基づいて上述した方式により引当データを生成する。その後、出荷作業開始予定時間になるまで待機し、出荷作業開始予定時間に作業者が開始・終了スイッチ34を「開始」側への切り換え操作して出荷作業開始用の搬送要求情報が出荷口管理コントローラ42から送信されると、#M5で出庫ID番号「0001」の出庫データを出力する。その後、#M6で出力回数が所定数(20回)になったと判別されるまで出庫データが連続して出力される。つまり、出荷作業開始用の搬送要求情報を受信すると、#M5及び#M6により、出庫ID番号「0001」〜「0020」の出庫データが出力される。
そして、出庫ID番号「0001」〜「0020」のいずれかの出庫データに係る段ボール2のうち自動倉庫群から最初に出庫されたものが、主搬送コンベヤ17及び分岐装置19を経由して出荷口搬送経路18へ搬送されてバーコードリーダ25位置を通過すると、出荷作業継続用の搬送要求情報が出荷口管理コントローラ42から出力される。出荷制御コントローラ45は出荷作業継続用の搬送要求情報を受信するまで、#M7で待機状態となる。
出荷制御コントローラ45が出荷作業継続用の搬送要求情報を受信すると、#M8へ移行して、特定自動倉庫振替処理を実行する。具体的な処理内容は後述するが、特定自動倉庫振替処理では、出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫についての未完了出庫データの個数が設定基準値よりも大きければ、特定自動倉庫を未完了出庫データの個数が条件に合った他の自動倉庫に変更することが行われる。
#M8の特定自動倉庫振替処理が完了すると、#M9で出庫データを出力する。#M10では、#M9で出力した出庫データの出庫ID番号を出荷予定データの合計値と比較することで、引当データの出庫データの全てが出力されたか否か判別される。未出力の出庫データが残っていれば、#M7へ移行し、改めて出荷継続用の搬送要求情報を受信するまで待機する。#M10で引当データの出庫データの全てが出力されたと判別された場合は、#M1へ復帰して次の注文受付締切時間になるまで待機状態となる。なお、図9のフローチャートには示していないが、出荷制御コントローラ45は、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6が出力する出庫済みデータを監視しており、出庫済みデータを受信すると、対応する出庫データに出庫完了フラグを立てる等することで、出力した出庫データに基づく出庫処理が完了したことを管理している。
次に図10に示すフローチャートに基づいて特定自動倉庫振替処理について説明する。出荷制御コントローラ45は、#S1で各号機別に未完了出庫データの個数を計数する。すなわち、1号機〜5号機の夫々について、自動倉庫コントローラ6に出力済みの出庫データのうち出庫済みデータが取得できていない出庫データの個数N1〜N5を計数する。#S2では#S1で計数した各号機の未完了出庫データ数N1〜N5の平均値である平均未完了出庫データ数Navrを算出する。
#S3では、出力対象の出庫データ(図11の例でいう出庫ID番号「0027」の出庫データ)の特定自動倉庫1x(図11の例では2号機)についての未完了出庫データ数Nxと#S2で算出した平均未完了出庫データ数Navrとを比較して、当該出庫データに係る特定自動倉庫1xについての未完了出庫データ数Nxが平均未完了出庫データ数Navrよりも大きければ#S4以下の処理に進み、当該出庫データに係る特定自動倉庫1xについての未完了出庫データ数Nxが平均未完了出庫データ数Navr以下であれば、出庫データを変更することなく特定自動倉庫振替処理を終了する。
未完了出庫データ数Nxが平均未完了出庫データ数Navrより大きい場合、引当データ生成時に当該出庫データの特定自動倉庫に引き当てられた号機を、未完了出庫データ数が比較的少ない他の号機に振り替えるべく、#S4以下の処理が実行される。振替先の自動倉庫1x´としては未完了出庫データ数が極力小さいものが好ましいが、その自動倉庫に出庫対象の商品が引当可能な状態で保管されている必要があり、また、振替先の自動倉庫1x´の未完了出庫データ数が、振り替え前の特定自動倉庫1xの未完了出庫データ数Nxより小さくても平均未完了出庫データ数Navrより小さくなければ特定自動倉庫の振り替えによる出庫処理の早期完了は期待できないことから、それらの条件に合った自動倉庫を振り替え先の自動倉庫として決定するようにしている。以下順を追って説明する。
#S4で全ての自動倉庫1のうち、未完了出庫データ数が最小のもの(図11の例では1号機)を仮振替自動倉庫Xrefに設定して、#S5で後の処理に備えて仮振替設定更新カウンタCNTの値をリセットしておく。
#S6で出力対象の出庫データ(図11の例でいう出庫ID番号「0027」の出庫データ)、つまり、今回の特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データに係る商品(図11の例では商品「お」)と同じ商品が引当可能な状態で仮振替自動倉庫Xrefに保管されているかを判別する。すなわち、在庫データ(図6)を参照して仮振替自動倉庫Xrefにおける在庫の有無を判別する。なお、仮振替自動倉庫Xrefの保管棚3に保管されていても既に引当データの生成時に他の出庫データの出庫対象の物品として引き当てられている場合には、今回の特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データの出庫対象の商品として重複して引き当てられることを回避するために、引当済み情報が付された在庫については判断の対象から除外して、仮振替自動倉庫Xrefにおける在庫の有無を確認する。
#S6で仮振替自動倉庫Xrefに在庫があると判別された場合は、#S7へ移行し、その時点で仮振替自動倉庫Xrefとして設定されている自動倉庫1を振替先の自動倉庫1x´に決定する。
#S6で仮振替自動倉庫Xrefに在庫がないと判別された場合は、仮振替自動倉庫Xrefを他の自動倉庫に更新設定するべく#S8以下の処理へ移行する。#S8では、仮振替設定更新カウンタCNTの値をチェックして過去に仮振替自動倉庫Xrefの更新が2回行われたか否かを判別する。すなわち、在庫の有無を確認する対象の自動倉庫1として、最初に仮振替自動倉庫Xrefとして設定された号機、1回目の更新設定により仮振替自動倉庫Xrefとして設定された号機、2回目の更新設定により仮振替自動倉庫Xrefとして設定された号機の3基の号機を限度に在庫の有無を確認するように、仮振替自動倉庫Xrefの更新設定回数を制限している。
設定更新カウンタCNTの値が「0」又は「1」であれば、つまり、まだ仮振替自動倉庫Xrefの更新が行われていない場合(CNT=0)及び1回しか更新が行われていない場合(CNT=1)には、#S9に移行して仮振替設定更新処理が実行される。仮振替設定更新処理では、未完了出庫データ数が仮振替自動倉庫Xrefとして現在設定されている号機の次に少ない号機に仮振替自動倉庫Xrefを更新する(図8の例でいえば、最初の仮振替設定更新処理であれば、仮振替自動倉庫Xrefが1号機から5号機に更新設定される)。#S9で仮振替設定更新処理を実行した後、#S10で設定更新カウンタCNTの値をインクリメントしておく。
#S11では、新たな仮振替自動倉庫Xrefの未完了出庫データ数Nrefが平均未完了出庫データ数Navr以下であることを確認する。これは、仮振替自動倉庫Xrefの更新設定回数を制限しているものの、各号機の出庫処理の進捗のバラつき程度によっては、例えば最初の仮振替設定更新処理で仮振替自動倉庫Xrefに設定された号機についての未完了出庫データNrefが平均未完了出庫データ数Navrより大きい場合もあり得るので、そのような場合にまで特定自動倉庫1xが振り替えられることを回避するために、更新設定後の仮振替自動倉庫Xrefの未完了出庫データ数Nrefを確認している。
#S11で新たな仮振替自動倉庫Xrefの未完了出庫データ数Nrefが平均未完了出庫データ数Navr以下であることが確認されると、当該新たな仮振替自動倉庫Xrefについて#S6にて在庫確認の処理が実行される。
#S11で新たな仮振替自動倉庫Xrefの未完了出庫データ数Nrefが平均未完了出庫データ数Navrより大きいと判別された場合は、特定自動倉庫1xを他の号機に振り替えることを諦め、引当データ生成時に設定された本来の特定自動倉庫1xを維持したまま特定自動倉庫振替処理を終了する。
次に、出荷制御コントローラ45が実行する特定自動倉庫振替処理の作用について具体例を挙げて説明する。
作業者が開始・終了スイッチ34を「開始」側への切り換え操作して出荷作業の開始を指令すると、出庫管理制御(図9)により、引当データにおける出庫ID番号が「0001」〜「0020」である20個の出庫データが出庫ID番号の数値が小さいものから順に、連続して出力される。そして、その後しばらく時間が経過して出荷作業が進行し、例えば、出庫ID番号「0027」の出庫データが出力されるときの各自動倉庫に既に出力済みで且つ出庫済みデータが取得できていない出庫データ、つまり、未完了出庫データの発生状態を図11に示している。
図11に示すように、未完了出庫データの発生状態は各号機で異なっており、号機毎の処理の進捗にばらつきが発生している。このような進捗のばらつきが発生する原因は種々存在するが、主な原因として、自動倉庫1の保管棚3における複数の物品保管部5のうち出庫コンベヤ10から比較的遠い物品保管部5に保管されている段ボール2を出庫する出庫処理が連続すると、スタッカークレーン4の移動時間が長くなる分、その号機の出庫処理は進行は遅くなる。また、考えられる別の原因としては、出荷作業開始後に、ある自動倉庫において軽微な異常が発生して、その自動倉庫だけ一時的に運転が中断した場合にも、出庫処理の進捗にばらつきが発生する。
出庫ID番号「0027」の出庫データは、図8に示すように、本来2号機を特定自動倉庫とする出庫データであるが、2号機の未完了出庫データの個数N2(=4)は、平均未完了出庫データ数Navr(=3.8)よりも大きいので、特定自動倉庫振替処理により未完了出庫データ数の少ない他の号機に振り替える対象となる。図11に示す状態では、1号機の未完了出庫データの数N1(=1)が全ての号機の中で最小であるので、1号機が仮振替自動倉庫Xrefに最初に設定される。1号機に出庫ID番号「0027」の出庫データに係る特定種別である商品「お」が引当可能な在庫として保管されていれば、出力対象の出庫ID番号「0027」の出庫データは、特定自動倉庫1xを本来の2号機から振替先の自走倉庫1x´である1号機に変更してから出力される(図11中、丸1で示す処理)。
なお、1号機に出庫ID番号「0027」の出庫データに係る特定種別である商品「お」が引当可能な在庫として保管されていない場合は、仮振替設定更新処理により、未完了出庫データの個数が1号機の次に小さい5号機が仮振替自動倉庫Xrefに更新設定される。5号機に引当可能な在庫が保管されていれば、5号機を振替先の自動倉庫1x´として出庫データの特定自動倉庫1xが変更されてから出庫データが出力される(図11中、丸2で示す処理)。
5号機にも出庫データに係る特定種別である商品「お」が引当可能な在庫として保管されていない場合は、再度の仮振替設定更新処理により、未完了出庫データの個数Nが5号機の次に小さい3号機が新たな仮振替自動倉庫Xrefに更新設定されて、引当可能な在庫があれば振替先の自動倉庫1x´としようとするが、3号機の未完了出庫データの個数N3(=4)が平均未完了出庫データ数Navr(=3.8)より大きいので、3号機は振替先の自動倉庫1x´として決定されない。したがって、この場合は、振替先の自動倉庫1x´を決定せずに特定自動倉庫1xを2号機に維持したまま特定自動倉庫振替処理を終了する(図11中、丸3で示す処理)。
ちなみに、仮に3号機の未完了出庫データの個数N3が平均未完了出庫データ数Navr以下の場合には、引当可能な在庫が確認さるが、在庫がなかった場合は、仮振替設定更新処理は設定回数である2回(1号機→5号機の1回目、5号機→3号機の2回目)実行済みであるので、3回目の仮振替設定更新処理は実行されず、振替先の自動倉庫1x´を決定せずに特定自動倉庫1xを2号機に維持したまま特定自動倉庫振替処理を終了する。
このように、特定自動倉庫1xの未完了出庫データの個数Nxが平均未完了出庫データ数Navrよりも大きい出庫データについては、特定自動倉庫1xが、引当データ生成時に引き当てられた本来の号機から、未完了出庫データ数が平均未完了出庫データ数Navr以下でかつ引当可能な在庫を保管している他の号機に変更されてから出力される。これにより、出庫データをその出力時点で比較的早期の処理が見込まれる号機を特定自動倉庫とする出庫データに変更することができ、出庫データが出力されてから極力早い時点でその出庫データにて特定される種類の段ボール2を出荷口搬送経路18に搬送させることができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、特定自動倉庫振替処理における合計処理量が未完了出庫データ数Nであるものを説明したが、第2実施形態では、特定自動倉庫振替処理における合計処理量が、出力済みの出庫データであって出庫済みデータが取得できていない出庫データの夫々、つまり、未完了出庫データの夫々についての出庫処理時間の合計としている。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6は、図12に示す保管位置別出庫処理時間テーブルを記憶しており、出庫データにて特定される品種の段ボール2を出庫する出庫処理が開始されてから完了するまでに要すると見込まれる出庫処理時間をテーブル参照方式にて取得できるように構成されている。保管位置別出庫処理時間は、出庫コンベヤ11に対する移載位置に位置するスタッカークレーン4が物品保管部5に保管されている段ボール2を掬って出庫コンベヤ11に対する移載位置に戻って段ボール2を出庫コンベヤ11に卸す出庫処理を開始してから終了するまでに要する時間を、物品保管部5の位置毎に実測した値に基づいて設定されている。なお、保管位置別出庫処理時間テーブルを構成する保管位置別の各時間データは実時間データでなくてもよく、実時間データをある基準時間(例えば、出庫処理時間が最短である保管位置の出庫処理時間)で正規化した値等、保管位置別の相対時間関係を示すものであればよい。
そして、出荷制御コントローラ45から受信した出庫データのうち出庫済みデータを出力していない出庫データ(出荷制御コントローラ45が未完了出庫データとして管理している出庫データに対応するものである。以下、未報告出庫データという。)についての出庫処理時間の合計を合計出庫処理時間として管理している。
すなわち、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6は、出荷制御コントローラ45から出庫データを受信すると、この出庫データにて特定される品種の段ボール2を保管している物品保管部5を、管理している保管物品情報により求め、その出庫データについての出庫処理時間を保管位置別出庫処理時間テーブルを参照して取得し、出庫ID番号を付して記憶し、その受信した出庫データについての出庫処理時間を合計出庫処理時間に加算する。ある出庫処理が完了すると、その出庫処理に係る出庫データの出庫ID番号から当該出庫ID番号の出庫データについての出庫処理時間を合計出庫処理時間から減算する。このようにして、合計出庫処理時間は、現在の未報告出庫データについての出庫処理時間の合計となるように更新されている。
出荷制御コントローラ45は、特定自動倉庫振替処理において、自動倉庫群を構成する全ての自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6が夫々管理している各自動倉庫1についての未報告出庫データについての合計出庫処理時間を合計処理量として呼び出して、これら各自動倉庫別の合計出庫処理時間の平均値Tavr(以下、平均未完了出庫データ処理時間Tavr)の算出や、その平均未完了出庫データ処理時間Tavrと出力対象の出庫データに係る特定自動倉庫1xついての合計出庫処理時間Txとの比較等を行う。また、出荷制御コントローラ45は、特定自動倉庫振替処理や仮振替設定更新処理にて合計出庫処理時間を号機間で比較する場合において、合計出庫処理時間が同じ号機があるときは、号機の番号が小さいものを優先するようにしている。
以下、出荷制御コントローラ45が実行する特定自動倉庫振替処理について、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。出荷制御コントローラ45は、#T1で各号機の自動倉庫コントローラ6が管理する未報告出庫データについての合計出庫処理時間を各自動倉庫別の合計出庫処理時間T1〜T5として取得する。#T2では#T1で取得した合計出庫処理時間T1〜T5の平均値である平均未完了出庫データ処理時間Tavrを算出する。
#T3では、出力対象の出庫データ(図14の例でいう出庫ID番号「0027」の出庫データ)の特定自動倉庫1x(図14の例では2号機)についての合計出庫処理時間Txと#T2で算出した平均未完了出庫データ処理時間Tavrとを比較して、当該出庫データに係る特定自動倉庫1xについての合計出庫処理時間Txが平均未完了出庫データ処理時間Tavrよりも大きければ#T4以下の処理に進み、当該出庫データに係る特定自動倉庫1xについての合計出庫処理時間Txが平均未完了出庫データ処理時間Tavr以下であれば、出庫データを変更することなく特定自動倉庫振替処理を終了する。
合計出庫処理時間Txが平均未完了出庫データ処理時間Tavrより大きい場合は、引当データ生成時に当該出庫データの特定自動倉庫に引き当てられた号機を、合計出庫処理時間が比較的少ない他の号機に振り替えるべく、#T4以下の処理が実行される。振替先の自動倉庫1x´としては合計出庫処理時間が極力小さいものが好ましいが、その自動倉庫1に出庫対象の商品が引当可能な状態で保管されている必要があり、また、振替先の自動倉庫1x´の合計出庫処理時間が、振り替え前の特定自動倉庫1xの合計出庫処理時間Txより小さくても平均未完了出庫データ処理時間Tavrより小さくなければ特定自動倉庫の振り替えによる出庫処理の早期完了は期待できないことから、それらの条件に合った自動倉庫を振り替え先の自動倉庫として決定するようにしている。以下順を追って説明する。
#T4で全ての自動倉庫1のうち、合計出庫処理時間が最小のもの(図14の例では1号機)を仮振替自動倉庫Xrefに設定して、#T5で後の処理に備えて仮振替設定更新カウンタCNTの値をリセットしておく。
#T6で出力対象の出庫データ(図14の例でいう出庫ID番号「0027」の出庫データ)、つまり、今回の特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データに係る商品(図14の例では商品「お」)と同じ商品が引当可能な状態で仮振替自動倉庫Xrefに保管されているかを判別する。すなわち、在庫データ(図6)を参照して仮振替自動倉庫Xrefにおける在庫の有無を判別する。なお、仮振替自動倉庫Xrefの保管棚3に保管されていても既に引当データの生成時に他の出庫データの出庫対象の物品として引き当てられている場合には、今回の特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データの出庫対象の商品として重複して引き当てられることを回避するために、引当済み情報が付された在庫については判断の対象から除外して、仮振替自動倉庫Xrefにおける在庫の有無を確認する。
#T6で仮振替自動倉庫Xrefに在庫があると判別された場合は、#T7へ移行し、その時点で仮振替自動倉庫Xrefとして設定されている自動倉庫1を振替先の自動倉庫1x´に決定する。
#T6で仮振替自動倉庫Xrefに在庫がないと判別された場合は、仮振替自動倉庫Xrefを他の自動倉庫に更新設定するべく#T8以下の処理へ移行する。#T8では、仮振替設定更新カウンタCNTの値をチェックして過去に仮振替自動倉庫Xrefの更新が2回行われたか否かを判別する。すなわち、在庫の有無を確認する対象の自動倉庫1として、最初に仮振替自動倉庫Xrefとして設定された号機、1回目の更新設定により仮振替自動倉庫Xrefとして設定された号機、2回目の更新設定により仮振替自動倉庫Xrefとして設定された号機の3基の号機を限度に在庫の有無を確認するように、仮振替自動倉庫Xrefの更新設定回数を制限している。
設定更新カウンタCNTの値が「0」又は「1」であれば、つまり、まだ仮振替自動倉庫Xrefの更新が行われていない場合(CNT=0)及び1回しか更新が行われていない場合(CNT=1)には、#T9に移行して仮振替設定更新処理が実行される。仮振替設定更新処理では、合計出庫処理時間が仮振替自動倉庫Xrefとして現在設定されている号機の次に少ない号機に仮振替自動倉庫Xrefを更新する(図8の例でいえば、最初の仮振替設定更新処理であれば、仮振替自動倉庫Xrefが1号機から5号機に更新設定される)。#T9で仮振替設定更新処理を実行した後、#T10で設定更新カウンタCNTの値をインクリメントしておく。
#T11では、新たな仮振替自動倉庫Xrefの合計出庫処理時間Trefが平均未完了出庫データ処理時間Tavr以下であることを確認する。これは、仮振替自動倉庫Xrefの更新設定回数を制限しているものの、各号機の出庫処理の進捗のバラつき程度によっては、例えば最初の仮振替設定更新処理で仮振替自動倉庫Xrefに設定された号機についての合計出庫処理時間Trefが平均未完了出庫データ処理時間Tavrより大きい場合もあり得るので、そのような場合にまで特定自動倉庫1xが振り替えられることを回避するために、更新設定後の仮振替自動倉庫Xrefの合計出庫処理時間Trefを確認している。
#T11で新たな仮振替自動倉庫Xrefの合計出庫処理時間Trefが平均未完了出庫データ処理時間Tavr以下であることが確認されると、当該新たな仮振替自動倉庫Xrefについて#T6にて在庫確認の処理が実行される。
#T11で新たな仮振替自動倉庫Xrefの合計出庫処理時間Trefが平均未完了出庫データ処理時間Tavrより大きいと判別された場合は、特定自動倉庫1xを他の号機に振り替えることを諦め、引当データ生成時に設定された本来の特定自動倉庫1xを維持したまま特定自動倉庫振替処理を終了する。
次に、出荷制御コントローラ45が実行する特定自動倉庫振替処理の作用について具体例を挙げて説明する。
作業者が開始・終了スイッチ34を「開始」側への切り換え操作して出荷作業の開始を指令すると、出庫管理制御(図9)により、引当データにおける出庫ID番号が「0001」〜「0020」である20個の出庫データが出庫ID番号の数値が小さいものから順に、連続して出力される。そして、その後しばらく時間が経過して出荷作業が進行し、例えば、出庫ID番号「0027」の出庫データが出力されるときの各自動倉庫に既に出力済みで且つ出庫済みデータが取得できていない出庫データ、つまり、未完了出庫データの発生状態を図14に示している。
図14に示すように、未完了出庫データの発生状態は各号機で異なっており、号機毎の処理の進捗にばらつきが発生している。このような進捗のばらつきが発生する原因は種々存在するが、主な原因として、自動倉庫1の保管棚3における複数の物品保管部5のうち出庫コンベヤ10から比較的遠い物品保管部5に保管されている段ボール2を出庫する出庫処理が連続すると、スタッカークレーン4の移動時間が長くなる分、その号機の出庫処理の進行は遅くなる。また、考えられる別の原因としては、出荷作業開始後に、ある自動倉庫において軽微な異常が発生して、その自動倉庫だけ一時的に運転が中断した場合にも、出庫処理の進捗にばらつきが発生する。また、未完了出庫データ毎に出庫対象とする段ボール2が保管されている物品保管部5の保管棚3における位置が異なっているため、未完了出庫データの個数が同じ号機であっても、各出庫データの出庫対象の段ボール2の夫々の位置によって合計出庫処理時間がそれらの号機で異なるといった場合もある。
出庫ID番号「0027」の出庫データは、図8に示すように、本来2号機を特定自動倉庫とする出庫データであるが、2号機の合計出庫処理時間T2は、平均未完了出庫データ処理時間Tavrよりも大きいので、特定自動倉庫振替処理により合計出庫処理時間の少ない他の号機に振り替える対象となる。図14に示す状態では、1号機の合計出庫処理時間T1が全ての号機の中で最小であるので、1号機が仮振替自動倉庫Xrefに最初に設定される。1号機に出庫ID番号「0027」の出庫データに係る特定種別である商品「お」が引当可能な在庫として保管されていれば、出力対象の出庫ID番号「0027」の出庫データは、特定自動倉庫1xを本来の2号機から振替先の自走倉庫1x´である1号機に変更してから出力される(図14中、丸1で示す処理)。
なお、1号機に出庫ID番号「0027」の出庫データに係る特定種別である商品「お」が引当可能な在庫として保管されていない場合は、仮振替設定更新処理により、合計出庫処理時間が1号機の次に小さい3号機が仮振替自動倉庫Xrefに更新設定される。3号機に引当可能な在庫が保管されていれば、3号機を振替先の自動倉庫1x´として出庫データの特定自動倉庫1xが変更されてから出庫データが出力される(図14中、丸2で示す処理)。
3号機にも出庫データに係る特定種別である商品「お」が引当可能な在庫として保管されていない場合は、再度の仮振替設定更新処理により、合計出庫処理時間が3号機の次に小さい5号機が新たな仮振替自動倉庫Xrefに更新設定されて、引当可能な在庫が保管されていれば、5号機を振替先の自動倉庫1x´として出庫データの特定自動倉庫1xが変更されてから出庫データが出力される(図14中、丸3で示す処理)。
ちなみに、5号機が新たな仮振替自動倉庫Xrefに更新設定されても、仮に5号機の合計出庫処理時間T5が平均未完了出庫データ処理時間Tavrより大きかった場合には、振替先の自動倉庫1x´を決定せずに特定自動倉庫1xを2号機に維持したまま特定自動倉庫振替処理を終了する(図14中、丸4で示す処理)。
このように、特定自動倉庫の合計出庫処理時間Txが平均未完了出庫データ処理時間Tavrよりも大きい出庫データについては、特定自動倉庫1xが、引当データ生成時に引き当てられた本来の号機から、合計出庫処理時間が平均未完了出庫データ処理時間Tavr以下でかつ引当可能な在庫を保管している他の号機に変更されてから出力される。これにより、出庫データをその出力時点で比較的早期の処理が見込まれる号機を特定自動倉庫とする出庫データに変更することができ、出庫データが出力されてから極力早い時点でその出庫データにて特定される種類の段ボール2を出荷口搬送経路18に搬送させることができる。
〔別実施形態〕
(1)上記第1及び第2実施形態では、物品を段ボール2としているが、コンテナやバケットやケースなどであってもよい。
(2)上記第1及び第2実施形態では、注文受付期間に受注した注文に基づく引当データを生成する際に出庫データの順位が設定されるものを説明したが、これに限らず、例えば、作業者が出庫データを都度入力することで出庫データ及びその順位が設定されるものや、引当データに出庫データを追加入力することで出庫データ及びその順位が設定されるものであってもよい。
(3)上記第1及び第2実施形態では、スタッカークレーン4を、1回で1個の段ボール2の入出庫を行う構成としているが、2個の段ボール2を同時に入出庫できるツインフォークタイプのスタッカークレーン4とすることができる。
(4)上記第1及び第2実施形態では、各自動倉庫1には、1台のスタッカークレーン4を配置しているが、各自動倉庫1に複数、たとえば2台のスタッカークレーン4を配置するようにしてもよい。
(5)上記第1及び第2実施形態では、各スタッカークレーン4用として、入庫コンベヤ10と出庫コンベヤ11を1台ずつ備えているが、これら入庫コンベヤ10と出庫コンベヤ11をそれぞれ2台以上設けるようにしてもよく、さらに上下に配置した一対の入庫コンベヤ10と出庫コンベヤ11に、2台のスタッカークレーン4から段ボール2の搬入出を行うようにしてもよい。
(6)上記第1及び第2実施形態において、出荷制御コントローラ45が管理するデータの一部を各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6にて管理させ、出荷制御コントローラ45が実行する処理の一部を各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6に実行させるように構成してもよい。
例えば、実施形態1において、出荷制御コントローラ45が管理する出庫済みデータを各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6にて管理させ、出荷制御コントローラ45が実行する未完了出庫データの個数の計数処理を各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6にて実行するように構成してもよい。この場合、出荷制御コントローラ45は、特定自動倉庫振替処理に必要な各自動倉庫についての未完了出庫データ数を、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6との間の通信により取得すればよい。
(7)上記第1及び第2実施形態において、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6が管理するデータの一部を出荷制御コントローラ45にて管理させ、各自動倉庫1の自動倉庫コントローラ6が実行する処理の一部を出荷制御コントローラ45に実行させるように構成してもよい。
例えば、第2実施形態において、保管位置別出庫処理時間情報を出荷制御コントローラ45にて管理させ、合計処理時間の算出処理を出荷制御コントローラ45に実行させるように構成してもよい。この場合、出庫データにて、出庫対象の物品が保管されている自動倉庫及び出庫対象である物品の保管位置(例えば、バンク情報、ベイ情報、レベル情報からなる)が特定されるように構成し、出荷制御コントローラ45が、出庫データにて特定される物品の保管位置に基づいて保管位置別出庫処理時間情報を参照することにより、当該出庫データについての出庫処理の処理時間を取得することになる。
(8)上記第1及び第2実施形態では、出庫制御手段が、各自動倉庫1の各自動倉庫コントローラ6にて構成されたものを例示したが、これに限らず、出庫制御手段が、各自動倉庫コントローラ6を統括する上位コントローラと各自動倉庫コントローラ6とで構成されたものであってもよい。
(9)上記第1及び第2実施形態では、複数の出庫データが一つの店舗からの注文だけに基づいて構成されているものを説明したが、複数の出庫データが二つ以上の店舗からの注文に基づいて構成されているものであってもよい。この場合、主搬送コンベヤ17の搬送下流側に二つ以上の出荷口搬送経路18を設けて、主搬送コンベヤ17に沿って分岐装置19の上流に、搬送されている段ボール2に貼付けられたラベルのバーコードを読取るバーコードリーダを配置して、分岐装置19によりこれらの出荷口搬送経路18へ店舗別に分岐されるように構成してもよい。
(10)出荷口搬送経路18が一つである場合でも二つである場合でも、一つの出荷口搬送経路18に二つ以上の店舗を対応させてもよい。この場合、複数の出庫データを店舗ごとや、複数の店舗が属する方面ごとのグループに区分けして、出庫する物品が店舗間や方面間で混じらないように、先のグループに属する出庫データの出庫処理が全て完了するまで次のグループに属する出庫データを出力しないという出庫データについての出力制限をつけることで、各グループに属する出庫データの出庫対象の物品を夫々のグループに振り分けられた搬送先に仕分けながら、または、一の搬送先でグループ順に並ぶように仕分けながら搬送するようにしてもよい。
すなわち、上記第1及び第2実施形態において、前記搬送先が複数設けられ、前記搬送手段として、前記複数の搬送先の夫々に物品を分岐搬送する分岐搬送手段が設けられ、前記出庫データが、当該出庫データに係る出庫対象の物品を前記搬送手段が搬送する搬送先を特定する搬送先情報を含み、前記出庫制御手段が、前記出庫データに基づいて、一の前記自動倉庫から出庫される物品の出庫順序が前記出庫データが出力された順序と同じ順序となる状態で前記出庫データに係る前記特定種類の物品を出庫させるべく、前記複数の自動倉庫の夫々についての前記出庫装置の作動を制御するように構成され、前記出庫指示手段が、前記搬送先情報に基づいて、前記出庫データを複数の前記出庫データからなるグループを単位として管理し、一の前記グループに含まれる全ての前記出庫データについての出庫完了情報を取得するまで、当該グループでの出力順位が最下位である前記出庫データの下位の出力順位である出庫データが属するグループに含まれる出庫データのいずれをも出力しないように構成されているものであってもよい。
(11)上記第1及び第2実施形態では、搬送先が出荷口搬送経路18であるものを例示したが、搬送先としては、例えば、ピッキング作業場であってもよく、適宜選択可能である。
(12)上記第1及び第2実施形態では、設定基準値が、前記自動倉庫群を構成する全ての前記自動倉庫の夫々についての前記合計処理量の平均値であるものを例示したが、設定基準値は合計処理量の平均値でなくても、例えば、合計処理量の平均値よりも一定量だけ大きい又は小さい値や、未完了出庫データが少ない順で特定番目の自動倉庫についての合計処理量や、未完了出庫データの合計処理量として許容される処理量として予め設定される処理量であってもよい。
(13)上記第1及び第2実施形態では、出庫指示手段が、振替先の自動倉庫として、当該特定自動倉庫振替処理の対象となっている出庫データに係る特定種類の物品と同じ種類であり且つ当該出庫データの出力前に既に出力済みの出庫データに係る出庫対象となっていない在庫物品が存在する振替候補自動倉庫のうちで合計処理量が最小である自動倉庫を選択するように構成されているものを例示したが、出庫指示手段が、振替先の自動倉庫として、合計処理量が設定基準値よりも小である前記自動倉庫を選択するように構成されているものであってもよい。
(14)上記第1及び第2実施形態では、出庫指示手段が、特定自動倉庫振替処理において、自動倉庫群を構成する全ての自動倉庫の中から合計処理量の小さいものから順に仮振替自動倉庫を設定して在庫物品が保管されているかを確認して、仮振替自動倉庫に在庫物品が保管されていれば振替先の自動倉庫として決定するものを例示したが、これに代えて、出庫指示手段が、特定自動倉庫振替処理において、当該出庫データの出力前に既に出力済みの前記出庫データに係る出庫対象となっていない在庫物品が存在する振替候補自動倉庫のうちで合計処理量が最小である自動倉庫を振替先の自動倉庫として決定するように構成されているものであってもよい。
(15)上記第1及び第2実施形態では、同じ種類の物品が自動倉庫群を構成する全ての自動倉庫に分散させて保管されるものを例示したが、これに限らず、同じ種類の物品が自動倉庫群を構成する一部の複数の自動倉庫に分散させて保管されるものであってもよい。