以下、本発明の仕切り板装置に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の仕切り板装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
なお、以下の説明においては、先ず本発明の第1乃至第3の実施形態に共通する仕切り板装置に配設される導光板を加工する導光板加工装置1の構成について図1乃至図4を参照しながら説明する。次に本発明の第1乃至第3の実施形態に共通する仕切り板装置に配設される導光板の構成及び効果について図5乃至図14を参照しながら説明する。さらに本発明の第1の実施形態の間仕切り用パーティションに係る仕切り板装置300の構成及び効果について図15を参照しながら説明する。同様に本発明の第2の実施形態の建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400の構成及び効果について図16を参照しながら説明する。最後に本発明の第3の実施形態の建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500の構成及び効果について図17を参照しながら説明する。
先ず、本発明の第1乃至第3の実施形態に共通する仕切り板装置に配設される導光板を加工する導光板加工装置1の構成について、図1乃至図4を参照しながら具体的に説明する。なお、図1は導光板加工装置1を示す斜視図であり、図2は導光板加工装置1を示す正面図である。また、図3は導光板加工装置1に設けられた超音波加工部40による導光板基材Dへの超音波加工を示す側面図である。また、図4は導光板加工装置1に設けられた超音波加工部40の超音波加工用ホーン42の先端部42Bを示す模式図である。
導光板加工装置1は、図1に示すように、導光板加工装置1を構成する各構成機器を搭載して収容する筐体部10、導光板に形成する前の基材である導光板基材Dを例えば真空吸引して固定する加工台部20、導光板基材Dに対して後述する超音波加工部40を相対的に移動させる移動機構部30、導光板基材Dの主面に超音波加工用ホーン42の突起を当接させて超音波の振動により上記主面を部分的に加熱し溶融させて凹状パターン痕を形成する超音波加工部40、及び導光板基材Dの加工条件に基づく超音波加工部40による超音波加工を制御する制御部50から構成される。
以下、導光板加工装置1を構成する筐体部10、加工台部20、移動機構部30、超音波加工部40、及び制御部50の各構成機器について説明する。なお、説明の便宜上、各図面に示す三次元直交座標又は二次元直交座標を随時用いる。
導光板加工装置1を構成する筐体部10は、例えば図1に示すように、導光板加工装置1を構成する各構成機器を搭載して収容する。この様な筐体10は、上段板11、支柱12、下段板13、及び脚14から構成される。以下、筐体10の構成について説明する。筐体部10の上段板11及び下段板13は、例えばステンレスから成り、板状に形成されている。なお、この様な下段板13には、移動機構部30のコントローラ34、超音波加工部40の超音波発振器43、及び制御部50の制御装置54等が搭載されている。また、筐体部10の支柱12は、例えばステンレスから成り、棒状で中空の角材から形成されている。なお、この様な筐体部10の支柱12には、制御部50の支持部材51が取り付けられている。また、筐体部10の脚14は、例えば強化プラスチックスから成り、円筒形状から形成されている。
導光板加工装置1を構成する加工台部20は、例えば図1に示すように、導光板に形成する前の基材である導光板基材Dを例えば真空吸引して固定する。この様な加工台部20は、加工台21、真空ポンプ22、吸引配管23、分配器24、及びコネクタ25から構成される。以下、加工台部20の構成について説明する。加工台部20の加工台21は、例えばアルミニウムから成り、複数の吸引孔21Aを有する板状部材から形成されている。この様な加工台21は、筐体部10の上段板11に配設されている。また、例えば図2に示すように吸引配管23の一端が真空ポンプ22に接続され、且つ吸引配管23の他端が分配器24を介して例えば図3に示すように加工台21に複数設けられた吸引孔21Aにコネクタ25を用いて接続されている。なお、導光板基材Dを加工台21の吸引孔21Aに真空吸着させることで、導光板基材Dが加工中に位置ずれを生じることを防止し、且つ導光板基材Dの反り返りや撓み等を補正する。
導光板加工装置1を構成する移動機構部30は、例えば図1に示すように、加工台部20に固定された導光板基材Dに対して超音波加工部40を相対的に移動させる。具体的には、移動機構部30は、例えば制御部50の操作盤52から入力された導光板基材Dに係る超音波加工情報に基づいて、超音波加工部40を図1に示すX軸、Y軸、及びZ軸方向の所定の位置に移動させる。この様な移動機構部30は、X軸レール部材31、補助X軸レール部材31'、Y軸レール部材32、Z軸レール部材33、及びコントローラ34から構成される。なお、コントローラ34は、後述する制御部50の操作盤52から入力された導光板基材Dの加工情報に基づき、各レール部材を用いて超音波加工部40を所定の位置に移動させるための制御装置である。
導光板加工装置1を構成する超音波加工部40は、例えば図3に示すように、導光板基材Dの主面に超音波加工用ホーン42の突起を当接させて超音波の振動により上記主面を部分的に加熱し溶融させて凹状パターン痕を形成する。この様な超音波加工部40は、支持部材41、超音波加工用ホーン42、及び超音波発振器43から構成される。具体的には、超音波加工部40の超音波加工用ホーン42は、Z軸レール部材33の可動テーブル33Aに接続されたプレート33Bに配設された支持部材41に接続され、超音波発振器43から供給された駆動信号に基づいて導光板基材Dの表面に当接して超音波加工処理を施す先端部42Bと、図示せぬピエゾ圧電素子及びコーン部材を備えた振動子42Aから成る。図3(a)に示すように、Z軸レール部材33のプレート33Bには支持ブロック33Cを介してストッパ部材33Dが設けられ、超音波加工部40を支持している。ここで、超音波加工部40が図中下方向へ移動を開始し、超音波加工用ホーン42の先端部42Bが導光板基材Dの表面に接触すると、図3(b)に示すように超音波加工部40が停止し、支持ブロック33Cとストッパ部材33Dが離間して所定の時間が経過した後、超音波加工用ホーン42が上昇する。
また、導光板加工装置1を構成する超音波加工部40に関し、図4に示すように、超音波加工用ホーン42の先端部42Bには、導光板基材Dの主面を部分的に加熱し溶融させて凹状パターン痕を形成するための突起である加工ドット44が、マトリクス状に例えば5行×5列で25個形成されている。なお、加工ドット44の形状は、例えば四角錐である。ここで、超音波が印加された加工ドット44を導光板基材Dの表面に当接させると、超音波の振動により導光板基材Dが部分的に加熱し溶融されて、導光板基材Dの表面に加工ドット44の形状を反映した凹状パターン痕が形成される。
導光板加工装置1を構成する制御部50は、例えば図1に示され、導光板基材Dの加工条件に基づく超音波加工部40による超音波加工を制御する。この様な制御部50は、支持部材51、操作盤52、表示パネル53、及び制御装置54から構成される。以下、制御部50の構成について説明する。制御部50の支持部材51は、筐体部10に複数設けられた支柱12のいずれかに設けられ、操作盤52及び表示パネル53を配設している。また、制御部50の操作盤52は、ユーザが導光板基材Dの加工条件等を制御装置54に入力するものである。また、制御部50の表示パネル53は、操作盤52から入力された導光板基材Dの加工条件等を表示させるものである。また、制御部50の制御装置54は、導光板加工装置1全体を所定の制御に基づき駆動するための制御基板や制御条件を記録するメモリー等から成る。
次に、本発明の第1乃至第3の実施形態に共通する仕切り板装置に配設される導光板の構成及び効果について、図5乃至図14を参照しながら具体的に説明する。なお、図5は基本的な仕様の導光板を示す模式図である。また、図6乃至図12は凹パターン痕の大きさやピッチが異なる5種類の仕様の導光板に形成された凹パターン痕の構成を比較して説明するための導光板に係る模式図等である。さらに、図13及び図14は導光板を通して物体を目視した場合の視認性について説明するための導光板に係る模式図である。
図5に示す基本的な仕様の導光板100は、次の様な構成から成る。すなわち、導光板100は、例えばアクリル樹脂板やメタクリル樹脂板から成り、複数の凹パターン痕が形成された所定の大きさの板状部から形成される。具体的には、導光板100は、例えば100mm×100mm×厚み4mmからB0版サイズ相当の1450mm×1030mm×厚み12mmのサイズから成る。勿論、導光板100は、上記のサイズに限定されることはなく、より大きいサイズで形成することもできる。ここで、導光板100の表面部100Aには凹状の表面部凹パターン痕100Bが形成され、導光板100の裏面部100Dにも凹状の裏面部凹パターン痕100Eが形成されている。また、該凹パターン痕は、例えば長径0.6mm及び深さ0.4mmの四角錐形状痕から形成されて、例えば1.2、1.5、2.0、及び8.0mmピッチ等で構成されたマトリクス状の成形痕にて形成されている。
また、基本的な仕様の導光板100は、次の様な光学特性を有する。すなわち、導光板100は、導光板100の側面部100Cから入射された光により、表面部凹パターン痕100B及び裏面部凹パターン痕100Eで拡散光を発生させ、該拡散光を一面に相当する表面部100A及び他面に相当する裏面部100Dから略均一な面光源として放出する。また、図5に示す様に例えば導光板100の表面部凹パターン痕100Bに対する裏面部凹パターン痕100Eの位置をX軸及びY軸方向に半ピッチずつ異ならせて形成していることから、導光板100の表面部100A側や裏面部100D側から視認できる凹パターン痕の数が2倍になり、且つ凹パターン痕のピッチが1/2になることから光の明暗の差が小さくなる。
ここで、図6乃至図12を参照しながら、凹パターン痕の大きさやピッチが異なる5種類の仕様の導光板110、120、130、140、及び150に形成された凹パターン痕の構成を比較して具体的に説明する。
図6に示す導光板110は、表面部110Aに形成された表面部凹パターン痕110Bと、裏面部に形成され表面部110A側から視認される裏面部凹パターン痕110Eの大きさ及び密度が、それぞれ同一になるように形成されている。なお、導光板110に形成されている表面部凹パターン痕110BのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば6mm、且つ裏面部凹パターン痕110EのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば6mmからなり、該ピッチが同一であることから、表面部凹パターン痕110Bと裏面部凹パターン痕110Eの密度が同一と表現している。また、導光板110は、表面部凹パターン痕110Bに対する裏面部凹パターン痕110Eの位置を、X軸及びY軸方向に半ピッチずつ異ならせるように形成されており、前述した導光板100と同様の仕様である。
この様な導光板110は、例えば領域110Fに示すように、裏面部に形成され表面部110A側から視認される裏面部凹パターン痕110Eが、表面部110Aに形成された表面部凹パターン痕110Bの中間に位置している。したがって、表面部110A側から導光板110を視認した場合に、表面部110Aに形成された表面部凹パターン痕110Bによる拡散光の光量に比べて、裏面部に形成され表面部110Aを介した裏面部凹パターン痕110Eによる拡散光の光量が多いものの、表面部凹パターン痕110B及び裏面部凹パターン痕110Eが同一のピッチ及び同一の大きさであるので、略均一な面光源として視認される。
図7に示す導光板120は、導光板110と同様に、表面部120Aに形成された表面部凹パターン痕120Bの大きさと、裏面部に形成され表面部120A側から視認される裏面部凹パターン痕120Eの大きさが、同一になるように形成されている。しかし、導光板120は、導光板110と異なり、表面部凹パターン痕120Bに対する裏面部凹パターン痕120Eの密度が4倍になるように形成されている。なお、導光板120の表面部凹パターン痕120BのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば6mm、且つ裏面部凹パターン痕120EのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば3mmからなり、該ピッチの比が1/2であることから、表面部凹パターン痕120Bに対する裏面部凹パターン痕120Eの密度が4(1/2の2乗の逆数)倍と表現している。
この様な導光板120は、例えば領域120Fに示すように、裏面部に形成され表面部120A側から視認される裏面部凹パターン痕120Eが一つ置きに、表面部120Aに形成された表面部凹パターン痕120Bに対して隣接して視認されるよう、表面部凹パターン痕120Bに対する裏面部凹パターン痕120Eの位置を凹パターン痕の半分の大きさに相当する距離だけX軸及びY軸方向に異ならせている。したがって、表面部120A側から導光板120を視認した場合に、裏面部凹パターン痕120Eが一つ置きに表面部凹パターン痕120Bに対して隣接して位置していることから、所定の周期的な模様を有した面光源として視認される。
図8に示す導光板130は、導光板110と異なり、裏面部に形成された裏面部凹パターン痕130Eに対する表面部凹パターン痕130Bの大きさが4倍になるように形成されている。さらに、導光板130は、導光板120と同様に、表面部凹パターン痕130Bに対する裏面部凹パターン痕130Eの密度が4倍になるように形成されている。なお、導光板130の表面部凹パターン痕130BのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば6mm、且つ裏面部凹パターン痕130EのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば3mmからなり、該ピッチの比が1/2であることから、表面部凹パターン痕130Bに対する裏面部凹パターン痕130Eの密度が4(1/2の2乗の逆数)倍と表現している。
この様な導光板130は、例えば領域130Fに示すように、裏面部に形成され表面部130A側から視認される4つの裏面部凹パターン痕130Eの中心部に、表面部130Aに形成された表面部凹パターン痕130Bが位置するよう、表面部凹パターン痕130Bに対する裏面部凹パターン痕130Eの位置を所定の距離だけX軸及びY軸方向に異ならせている。したがって、表面部130A側から導光板130を視認した場合に、4つの裏面部凹パターン痕130Eの中心部に、大きさが裏面部凹パターン痕130Eの4倍の表面部凹パターン痕130Bが位置していることから、導光板120よりも識別容易な所定の周期的な模様を有した面光源として視認される。具体的には、図9に示す写真撮影された導光板130の一部の様に、所定の模様が現れる。
図10に示す導光板140は、導光板110と異なり、裏面部に形成された裏面部凹パターン痕140Eに対する表面部凹パターン痕140Bの大きさが4倍になるように形成されている。さらに、導光板140は、表面部凹パターン痕140Bに対する裏面部凹パターン痕140Eの密度が約6倍になるように形成されている。なお、導光板140の表面部凹パターン痕140BのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば6mm、且つ裏面部凹パターン痕140EのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば2.5mmからなり、該ピッチの比が2.5/6であることから、表面部凹パターン痕140Bに対する裏面部凹パターン痕140Eの密度が約6(2.5/6の2乗の逆数)倍と表現している。
この様な導光板140は、表面部140Aに形成された表面部凹パターン痕140Bのピッチ6mmを、裏面部に形成され表面部140A側から視認される裏面部凹パターン痕140Eのピッチ2.5mmで割算した値が、整数で割り切れていない2.4となる。したがって、表面部140A側から導光板140を視認した場合に、裏面部凹パターン痕140Eが、表面部凹パターン痕140Bに対してずれ量を累積させて配置されることになることから、特徴的な模様を有した面光源として視認される。なお、表面部140Aに形成された表面部凹パターン痕140Bのピッチ6mmと、裏面部に形成され表面部140A側から視認される裏面部凹パターン痕140Eのピッチ2.5mmの最少公倍数が30mmであることから、表面部140Aの全面において、X軸方向30mm及びY軸方向30mm毎に一様となる周期的な模様を有した面光源として視認される。具体的には、図11に示す写真撮影された導光板140の様に、特徴の有る模様が現れる。
図12に示す導光板150は、導光板110と異なり、裏面部に形成された裏面部凹パターン痕150Eに対する表面部凹パターン痕150Bの大きさが4倍になるように形成されている。さらに、導光板150は、導光板110と異なり、表面部凹パターン痕150Bに対する裏面部凹パターン痕150Eの密度が9倍になるように形成されている。なお、導光板150の表面部凹パターン痕150BのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば6mm、且つ裏面部凹パターン痕150EのX軸方向及びY軸方向に係るピッチが例えば2mmからなり、該ピッチの比が1/3であることから、表面部凹パターン痕150Bに対する裏面部凹パターン痕150Eの密度が9(1/3の2乗の逆数)倍と表現している。
この様な導光板150は、表面部150Aに形成された表面部凹パターン痕150Bのピッチ6mmが、裏面部に形成され表面部150A側から視認される裏面部凹パターン痕150Eのピッチ2mmの整数倍に相当することにより、表面部150Aの全面に亘り一様の模様を有した面光源として視認される。
なお、上述した導光板110、120、130、140、及び150に形成された凹パターン痕は、図4に示した1種類の超音波加工用ホーン42の先端部42Bに設けられた加工ドット44により、加工することができる。具体的には、凹パターン痕の大きさは、超音波が印加された加工ドット44を導光板基材Dの表面に当接させる時間を調整することにより、任意に設定することができる。また、凹パターン痕のX軸及びY軸方向のピッチは、超音波が印加された加工ドット44を導光板基材Dの表面に当接させた後に、既に形成された凹パターン痕に重ならないように所定の距離だけ変位させた上で、加工ドット44を導光板基材Dの表面に再度当接させることにより、任意に設定することができる。したがって、1種類の超音波加工用ホーン42を用いて、導光板に形成する凹パターン痕の大きさ及びピッチを任意に設定することができる。勿論、導光板に形成する凹パターン痕の大きさ及びピッチに合わせて、専用の超音波加工用ホーン42を用意しても良い。
さらに、図13及び図14を参照しながら、導光板110を通して物体Bを目視した場合の視認性について具体的に説明する。
図13(a)に示す状態では、導光板110の側面部から光が入射されておらず、表面部凹パターン痕110B及び裏面部凹パターン痕110Eで拡散光が発生していない。この場合、導光板110は例えば窓板の様な透光部材とみなせる。したがって、視認者は、導光板110を透光して視認者の目Eに入射した物体Bからの光L1を、十分に識別することができる。なお、光L1は発明の理解を容易にするために模式的に表している。一方、図13(b)に示す状態では、導光板110の側面部から入射された入射光L2により、表面部凹パターン痕110Bで拡散光L3が発生し、裏面部凹パターン痕110Eで拡散光L4が発生している。この場合、導光板110は面光源とみなせる。また、裏面部凹パターン痕110Eで発生し裏面側から出射された拡散光L5と、表面部凹パターン痕110Bで発生し裏面側から出射された拡散光L6が、物体Bからの光L1に対向するよう放出されている。
したがって、図13(b)に示す状態では、視認者が、導光板110を透光して視認者の目Eに入射した物体Bの光L1を、拡散光L3乃至拡散光L6と分別して識別することが困難になる。なお、入射光L2、拡散光L3乃至拡散光L6ともに、発明の理解を容易にするために模式的に表している。また、視認者から導光板110を見た場合、拡散光L3よりも拡散光L4の方がより眩しく見える。これは、導光板110の側面部から光が入射された場合に、導光板110の主面の一面に形成された凹パターン痕で発生した拡散光の大部分が、該導光板110の主面の他面から導出されることによる。上述した通り、導光板110は、窓板の様な透光部材として機能させることができ、且つ面光源として用いる場合には壁材の様な光遮蔽部材として機能させることができる。
また、図14(a)に示す導光板160の様に、表面部凹パターン痕160Bのピッチに対して、例えば裏面部凹パターン痕160Eのピッチを1/2倍にした上で隣接する裏面部凹パターン痕160Eのピッチが均一にならないように一定量ずらしても良い。同様に、図14(b)に示す導光板170の様に、表面部凹パターン痕170Bの大きさに対して、例えば裏面部凹パターン痕170Eの大きさを例えば5倍程度にしても良い。同様に、図14(c)に示す導光板180の様に、例えば表面部凹パターン痕180Bの大きさを裏面部凹パターン痕180Eの大きさの例えば3倍程度にし、且つ例えば裏面部凹パターン痕180Eのピッチを表面部凹パターン痕180Bのピッチの1/3倍にしても良い。例えば図14に示す3種類の導光板の様に凹パターン痕の大きさやピッチを構成することにより、図13に示す導光板110と比較して、拡散光が増加することにより更に大きな遮蔽効果を得ることができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の間仕切り用パーティションに係る仕切り板装置300の構成及び効果について、図15を参照しながら具体的に説明する。なお、図15は本発明の第1の実施形態の間仕切り用パーティションに係る仕切り板装置300をテーブルとテーブルの間に備え付けている状態を示す模式図である。
まず、本発明の第1の実施形態の間仕切り用パーティションに係る仕切り板装置300の構成について、図15を参照しながら具体的に説明する。なお、仕切り板装置300は、導光板310、光源ユニット320、及び脚部材330から構成される。
仕切り板装置300の導光板310には、例えば前述した導光板110乃至導光板180の仕様で構成される導光板を用いる。なお、該導光板に対して所定の温度の熱を加えた状態で、例えば図示せぬ所定の曲率半径を有する凹面治具に一定の圧力で押し当てることにより、図15に示す様に所定の曲率半径に湾曲させた導光板310を成型する。なお、導光板の加熱は、例えばオーブンや高温槽等を使用して、超音波加工により導光板に形成された凹パターン痕の形状に著しい影響を及ぼさない範囲で行う。具体的には、導光板の材料にメタクリル樹脂を用いる場合には、導光板を120℃付近まで加熱した後、所定の曲率半径に湾曲させる。
また、仕切り板装置300の導光板310の表面部及び裏面部のいずれか片面、又は表面部及び裏面部の両面に、防水、防汚、及び防塵等の機能を有する硝子コーティング剤を塗布、又は防水、防汚、及び防塵等の機能を有する透明樹脂を被覆しても良い。また、導光板310と後述する光源ユニット320の両方に硝子コーティング剤を塗布、又は導光板310と後述する光源ユニット120の両方を透明樹脂で覆うことにより、防水性、防汚性、及び防塵性等を更に向上させても良い。なお、硝子コーティング剤及び透明樹脂に、紫外線を遮蔽する成分を含有したものを用いれば、太陽光に含まれる紫外線により導光板310の劣化を防止することができる。
仕切り板装置300の光源ユニット320は、導光板310の下部の側面部に隣接するように例えば流線形状から成形されアルミニウムから成る光源ホルダに、1個以上の図示せぬ光源を収容して構成されている。ここで、該光源には、白色、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、又は紫色等のいずれか1色もしくはそれらの組み合わせたLEDを用いる。なお、光源は、LEDに限定されることはなく、例えば蛍光管、冷陰極管、又はネオン管を用いても良い。ここで、光源ユニット320の光源に例えば図示せぬコンセントから電源ケーブルを介して駆動電力を供給して、該電源を点灯させ、その光源の光を導光板310の側面部に入射させると、該LED光が導光板310の表面部及び裏面部に形成された凹パターン痕にそれぞれ照射され、該凹パターン痕で拡散光が発生する。
仕切り板装置300の脚部材330は、導光板310及び光源ユニット320を、一体に保持した状態で床面等に載置するためのものである。この様な脚部材330は、例えばステンレスから成り、例えばL字状に形成した一対の板金を、導光板310及び光源ユニット320の両側に1個ずつ対向するように設け、導光板310及び光源ユニット320を両側から挟み込むように、図示せぬボルト等を用いて固定する。また、L字状に形成した板金と、導光板310及び光源ユニット320の間に、例えば一定の伸縮性を有する板状のゴムを緩衝材として配設しても良い。
次に、本発明の第1の実施形態の間仕切り用パーティションに係る仕切り板装置300の効果について、図15を参照しながら具体的に説明する。
図15(a)に示す仕切り板装置300の状態では、導光板310の下部の側面部に隣接された光源ユニット320の光源を消灯している。この場合、導光板310は透光部材とみなせる。したがって、図15(a)に示す様に、仕切り板装置300を隔てて配設されたテーブル及び椅子は、導光板310越しに互いに視認することができる。一方、図15(b)に示す仕切り板装置300の状態では、導光板310の下部の側面部に隣接された光源ユニット320の光源を点灯させており、導光板310に形成された複数の凹パターン痕で拡散光が発生している。この場合、導光板310は所定の色で発光する面光源とみなせる。したがって、図15(b)に示す様に、導光板310を隔てて配設されたテーブル及び椅子は、図13を用いて前述した原理により、導光板310越しに互いに視認され難くなる。
以上、第1の実施形態の間仕切り用パーティションに係る仕切り板装置300によれば、図15(a)に示す様に光源ユニット320の光源を消灯させれば導光板310を透光部材として機能させることができ、且つ図15(b)に示す様に光源ユニット320の光源を点灯させれば導光板310を面光源として使用しながらパーティションの様な光遮蔽部材としても機能させることができる。さらに、仕切り板装置300の導光板310に、表面部に形成された表面部凹パターン痕及び裏面部に形成された裏面部凹パターン痕の大きさやピッチを異ならせた図7に示す導光板120や図8に示す導光板130等を用いれば、該導光板310を所定の周期的な模様を有した面光源から成るパーティションとして機能させることができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態の建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400の構成及び効果について、図16を参照しながら具体的に説明する。なお、図16は建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400を内壁に備え付けている状態を示す模式図である。
なお、本発明の第2の実施形態の建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400は、第1の実施形態の仕切り板装置300と使用形態が異なることに特徴を有している。なお、それ以外の第2の実施形態に係る構成は、第1の実施形態で述べた構成と同様である。そこで、第2の実施形態においては、第1の実施形態とは異なる構成を中心にして説明する。
まず、本発明の第2の実施形態の建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400の構成について、図16を参照しながら具体的に説明する。なお、仕切り板装置400は、導光板410及び光源ユニット420から構成される。
仕切り板装置400の導光板410には、例えば前述した導光板110乃至導光板180の仕様から成る導光板を用いる。また、導光板410の表面部及び裏面部のいずれか片面、又は表面部及び裏面部の両面に、防水、防汚、及び防塵等の機能を有する硝子コーティング剤を塗布、又は防水、防汚、及び防塵等の機能を有する透明樹脂を被覆しても良い。この様な導光板410は、部屋と部屋とを仕切る内壁に窓として備え付けられる。また、仕切り板装置400の光源ユニット420は、導光板410の下部の側面部に隣接するように例えば棒形状から成形されアルミニウムから成る光源ホルダに、1個以上の図示せぬ光源を収容して構成されている。なお、光源ユニット420の具体的な構成は、前述した仕切り板装置300の光源ユニット320の構成と同様である。また、この様な光源ユニット420は、図16に示すように内壁の内部に埋設しても良いし、又は導光板410と同様に内壁に露出させるように備え付けても良い。
次に、本発明の第2の実施形態の建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400の効果について、図16を参照しながら具体的に説明する。
図16(a)に示す仕切り板装置400の状態では、導光板410の下部の側面部に隣接された光源ユニット420の光源を消灯している。この場合、導光板410は部屋と部屋とを仕切る内壁に設けられた窓に相当する。したがって、図16(a)に示す様に、仕切り板装置400を隔て隣室に配設されたテーブル、椅子、プランテーション等を、導光板410越しに視認することができる。一方、図16(b)に示す仕切り板装置400の状態では、導光板410の下部の側面部に隣接された光源ユニット420の光源を点灯させており、導光板410に形成された複数の凹パターン痕で拡散光が発生している。この場合、導光板410は所定の色で発光する面光源とみなせる。したがって、図16(b)に示す様に、テーブル、椅子、プランテーション等が配設された隣室から、導光板410越しに本棚が備えられた部屋が視認され難くなる。
以上、第2の実施形態の建築物の内壁用窓に係る仕切り板装置400によれば、図16(a)に示す様に光源ユニット420の光源を消灯させれば導光板410を部屋と部屋とを仕切る透明な窓として機能させることができ、且つ図16(b)に示す様に光源ユニット420の光源を点灯させれば導光板410を面光源として使用しながら内壁の様な光遮蔽部材としても機能させることができる。さらに、仕切り板装置400の導光板410に、表面部に形成された表面部凹パターン痕及び裏面部に形成された裏面部凹パターン痕の大きさやピッチを異ならせた図7に示す導光板120や図8に示す導光板130等を用いれば、該導光板410を所定の周期的な模様を有した面光源から成る内壁として機能させることができる。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態の建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500の構成及び効果について、図17を参照しながら具体的に説明する。なお、図17は建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500を外壁に備え付けている状態を示す模式図である。
なお、本発明の第3の実施形態の建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500は、第1の実施形態の仕切り板装置300や第2の実施形態の仕切り板装置400と使用形態が異なることに特徴を有している。なお、それ以外の第3の実施形態に係る構成は、第1及び第2の実施形態で述べた構成と同様である。そこで、第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態とは異なる構成を中心にして説明する。
まず、本発明の第3の実施形態の建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500の構成について、図17を参照しながら具体的に説明する。なお、仕切り板装置500は、導光板510及び光源ユニット520から構成される。
仕切り板装置500の導光板510には、例えば前述した導光板110乃至導光板180の仕様から成る導光板を用いる。また、導光板510の表面部及び裏面部のいずれか片面、又は表面部及び裏面部の両面に、防水、防汚、及び防塵等の機能を有する硝子コーティング剤を塗布、又は防水、防汚、及び防塵等の機能を有する透明樹脂を被覆しても良い。この様な導光板510は、建築物の外壁に窓として備え付けられる。また、仕切り板装置500の光源ユニット520は、導光板510の下部の側面部に隣接するように例えば棒形状から成形されアルミニウムから成る光源ホルダに、1個以上の図示せぬ光源を収容して構成されている。なお、光源ユニット520の具体的な構成は、前述した仕切り板装置300の光源ユニット320の構成と同様である。この様な光源ユニット520は、図17に示すように建築物の外壁の内部に埋設しても良いし、又は雨や粉塵等を遮蔽する構造とした上で導光板510と同様に外壁に露出させるように備え付けても良い。
次に、本発明の第3の実施形態の建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500の効果について、図17を参照しながら具体的に説明する。
図17(a)に示す仕切り板装置500の状態では、導光板510の下部の側面部に隣接された光源ユニット520の光源を消灯している。この場合、導光板510は建築物の外窓に相当する。したがって、図17(a)に示す様に、仕切り板装置500の外に在る複数のビルや立木等を、導光板510越しに視認することができる。一方、図17(b)に示す仕切り板装置500の状態では、導光板510の下部の側面部に隣接された光源ユニット520の光源を点灯させており、導光板510に形成された複数の凹パターン痕で拡散光が発生している。この場合、導光板510は所定の色で発光する面光源とみなせる。したがって、図17(b)に示す様に、複数のビルや立木等が並んだ建築物の外から導光板510越しにテーブルと椅子が配設された部屋の中が視認され難くなる。
以上、第3の実施形態の建築物の外壁用窓に係る仕切り板装置500によれば、仕切り板装置500は、図17(a)に示す様に光源ユニット520の光源を消灯させれば導光板510を建築物の外壁に設けた透明な窓として機能させることができ、且つ図17(b)に示す様に光源ユニット520の光源を点灯させれば導光板510を面光源として使用しながら外壁の様な光遮蔽部材としても機能させることができる。さらに、仕切り板装置500の導光板510に、表面部に形成された表面部凹パターン痕及び裏面部に形成された裏面部凹パターン痕の大きさやピッチを異ならせた図7に示す導光板120や図8に示す導光板130等を用いれば、該導光板510を所定の周期的な模様を有した面光源から成る外壁として機能させることができる。