JP5198152B2 - 自動車内装材の製造方法 - Google Patents
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このような反応射出成形品の製造方法に関して、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の3量体と単量体との混合物およびチキソトロープ剤を含有するイソシアネートブレンドと、グリセリンに対してプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドを付加重合させて調製されるポリオール、鎖エクステンダー(エチレングリコール)、架橋剤(ジエタノールアミン)、ゼオライト触媒(ケイ酸アルミニウムナトリウム)およびその他の添加剤(着色顔料など)を含有するポリオールブレンドとを、80℃や105℃に設定された金型において、反応させて成形する製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
また、自動車内装材には、優れた長期耐熱性に加え、自動車の視界不良の原因となるフォギング現象の発生度合の指標であるフォギング性の低減が要求される。
イソシアネート成分は、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンと、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(トリマー)とを含有している。
1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとしては、公知の1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられ、そのような市販品として、例えば、三井化学ポリウレタン社製 タケネート600が挙げられる。
また、イソシアネート成分には、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよびヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(トリマー)とともに、脂環族ポリイソシアネートおよび/または芳香脂肪族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートを含有させることができる。 脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、2,5および/または2,6−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]へプタン、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、イソホロンジイソシアネート、2,5および/または2,6−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]へプタンが挙げられる。
イソシアネート成分において、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよび必要により含有される脂環族ポリイソシアネートおよび/または芳香脂肪族ポリイソシアネートと、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(トリマー)との重量混合比は、例えば、90:10〜40:60であり、好ましくは、80:20〜50:50であり、さらに好ましくは、80:20〜60:40である。
そして、イソシアネート成分を調製するには、上記各成分(つまり、必須成分として、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよびヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(トリマー))を配合し、例えば、公知の攪拌機により撹拌混合し、脱気する。
ポリオールとしては、例えば、後述する低分子量ポリオール、高分子量ポリオールが挙げられる。これらのうち、好ましくは、数平均分子量が100〜400の低分子量ポリオール、数平均分子量が400〜10000の高分子量ポリオールが挙げられる。
ト基含量が、例えば、20質量%以上であり、好ましくは、23〜32質量%であり、さ
らに好ましくは、24〜30質量%である。
本発明において、ポリオール成分は、ポリオールを含有し、さらに、ウレタン化触媒と
して、ジメチルチンジネオデカノエートと、ジブチルチンジ(メチルマレエート)とを含有する。
高分子量ポリオールは、水酸基を1分子中に2つ以上有し、数平均分子量が、例えば、400〜10000、好ましくは、1400〜9000、さらに好ましくは、3000〜8000であり、その水酸基価が、例えば、10〜125mgKOH/g、その平均官能基数が、例えば、2〜4の化合物である。なお、ポリオール成分の数平均分子量は、ポリオール成分の水酸基価(JIS K 1557−1(2007)から求められる。)および平均官能基数から算出することができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
ポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールは、例えば、低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
また、ポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールを調製するための触媒としては、例えば、特許第3905638号公報に記載のホスファゼニウム化合物を触媒が挙げられる。このような触媒を用いてポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールを調製すれば、モノオール副生量が少ないポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールを得ることができる。
ポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールとして、好ましくは、その分子末端にエチレンオキサイドを共重合したポリエチレンポリプロピレンポリオールが挙げられる。ポリエチレンポリプロピレンポリオールにおいて、その分子末端の1級水酸基化率(分子末端の全水酸基に対する1級水酸基の割合)は、好ましくは、50モル%以上であり、さらに好ましくは、70モル%以上である。ポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールの分子末端の1級水酸基化率が上記値以上であれば、触媒の使用量が少なくても、ポリイソシアネートとの反応完結率を向上させることができる。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物や、テトラヒドロフランの重合単位に上記した2価アルコールを共重合した非晶性(常温液状)ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと多塩基酸またはそのアルキルエステルとを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類を開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記した2価アルコールを開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物や、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールや1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートやジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの縮合反応により得られるポリカーボネートジオールや非晶性(常温液状)ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、低粘度で流動性に優れるポリエーテルポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、ポリオキシ(炭素数2〜3)アルキレンポリオールが挙げられ、とりわけ好ましくは、ポリエチレンポリプロピレンポリオールが挙げられる。
ポリオール成分において、ジメチルチンジネオデカノエートとしては、公知のジメチルチンジネオデカノエートが挙げられ、そのような市販品として、例えば、GEシリコーン社製 UL−28が挙げられる。
また、ポリオール成分には、ウレタン化触媒として、ジメチルチンジネオデカノエートおよびジブチルチンジ(メチルマレエート)とともに、金属系触媒、アミン触媒などを含有させることができる。
錫系触媒としては、例えば、酢酸錫、オクタン酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジメルカプチド、ジメチルチンジラウレート、ジオクチルチンジメルカプチドなどが挙げられる。
また、アミン触媒としては、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロウンデセンフェノラートなどが挙げられる。
これら金属系触媒およびアミン触媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
自動車内装材は、公知の反応射出成形装置にて成形することができる。なお、公知の反応射出成形装置とは、例えば、イソシアネート成分を供給するための第1供給タンク(1)と、ポリオール成分を供給するための第2供給タンク(2)と、イソシアネート成分およびポリオール成分を混合し、その混合物を金型に射出するためのミキシングヘッド(3)と、自動車内装材用金型(4)とを、少なくとも備えている装置である。
なお、本発明において、イソシアネート成分およびポリオール成分のいずれか一方または両方に、必要により、紫外線吸収剤、酸化防止剤、多機能安定剤、顔料などの添加剤を添加することができる。これら添加剤は、イソシアネート成分および/またはポリオール成分に予め添加する。好ましくは、ポリオール成分に添加する。
さらに、イソシアネート成分および/またはポリオール成分には、その用途に応じて、鎖伸長剤、架橋剤、難燃剤、顔料分散剤(湿潤分散剤)、整泡剤、消泡剤などを添加することもできる。
具体的には、この自動車内装材は、長期耐熱性に関して、例えば、110℃で1000時間耐久試験を行なった後の、JIS K6301(1969)に記載の加硫ゴム試験方法に準拠して測定した硬度(耐久試験後の硬度 Shore−A)が、初期硬度(Shore−A)の85%以上であり、好ましくは、90%以上である。
従って、この自動車内装材は、例えば、自動車のダッシュボード、ドアトリム、インストルメントパネルなどの自動車内装材に用いることができる。
<原料>
以下の原料を用いた。
1,3−BIC(1)
1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(三井化学ポリウレタン社製 タケネート600)
HDIトリマー(2)
ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(三井化学ポリウレタン社製 タケネートD170N)
ポリエーテルポリオール(3)
グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合した後、エチレンオキサイドを付加重合して得られた、平均官能基数3、水酸基価24mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
1,4−BD(4)
1,4−ブタンジオール(三菱化学社製 1,4−BG)
紫外線吸収剤(5)
三共ライフテック社製 サノールLS770(ヒンダードアミン系紫外線吸収剤)
酸化防止剤(6)
チバスペシャルティケミカルズ社製 IRGANOX1035(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
多機能安定剤(7)
城北化学工業社製 JAST−500(ベンゾトリアゾール系安定剤)
ウレタン化触媒(8)
ジメチルチンジネオデカノエート(GEシリコーン社製 UL−28)
ウレタン化触媒(9)
ジブチルチンジ(メチルマレエート)(日東化成社製 SCAT−4L)
顔料(10)
カーボンブラック(大日精化社製)
実施例1
(A)イソシアネート成分の調製
反応器に、1,3−BIC(1)70質量部とHDIトリマー(2)30質量部とを仕込み、攪拌混合・脱気した。これにより、イソシアネート成分を得た。
(B)ポリオール成分の調製
反応器に、ポリエーテルポリオール(4)100質量部を仕込み、さらに、紫外線吸収剤(5)0.5質量部と、酸化防止剤(6)0.5質量部と、多機能安定剤(7)0.5質量部とを添加し、90℃で溶解させた。次いで、1,4−BD(4)50質量部と、ウレタン化触媒(8)0.5質量部(成形品中0.17質量%)と、ウレタン化触媒(9)1.5質量部(成形品中0.52質量%)と、カーボンブラック2.5質量部とを添加し、攪拌混合・脱気した。そして、60℃に冷却することにより、ポリオール成分を得た。
(C)成形品の成形
(A)で得られたイソシアネート成分と、(B)で得られたポリオール成分とを、イソシアネート成分/ポリオール成分の混合比率が84.75/100で、自動車内装材用金型に固定されている2成分高圧発泡機のミキシングヘッド内で混合し、ゲートから自動車内装材用金型内に射出し、70秒後に脱型して成形品を得た。イソシアネート成分およびポリオール成分の配合比、INDEXを表1に示す。
射出速度:、400g/sec
イソシアネート成分原料温度:45℃
ポリオール成分の原料温度:45℃
金型寸法:460×380×1mm
金型温度:70℃
実施例2
ウレタン化触媒(8)を、ポリエーテルポリオール(4)100質量部に対して1.0質量部(成形品中0.35質量%)添加し、ウレタン化触媒(9)を、ポリエーテルポリオール(4)100質量部に対して1.0質量部(成形品中0.35質量%)添加した以外は、実施例1と同様の条件および操作にて、成形品を得た。イソシアネート成分およびポリオール成分の配合比、INDEXを表1に示す。
比較例1
ウレタン化触媒(8)を、ポリエーテルポリオール(4)100質量部に対して2.0質量部(成形品中0.69質量%)用い、ウレタン化触媒(9)を用いなかった以外は、実施例1と同様の条件および操作にて、成形品を得た。イソシアネート成分およびポリオール成分の配合比、INDEXを表1に示す。
比較例2
ウレタン化触媒(9)を、ポリエーテルポリオール(4)100質量部に対して2.0質量部(成形品中0.69質量%)用い、ウレタン化触媒(8)を用いなかった以外は、実施例1と同様の条件および操作にて、成形品を得た。イソシアネート成分およびポリオール成分の配合比、INDEXを表1に示す。
各実施例および各比較例で得られた成形品(以下、各成形品と略する。)について、以下の方法で物性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<硬度(Shore−A)>
JIS K6301(1969)に記載の加硫ゴム試験方法に準拠して、各成形品の試験サンプルの初期硬度(Shore−A)を測定した。次いで、試験サンプルに対して110℃で1000時間耐久試験を行なった後、上記と同様に硬度(Shore−A)を測定した。
<フォギング性>
ISO6452の規格に準拠した装置を用いて、成形品の試験サンプルを100℃に加熱したガラス容器にセットし、その上部開口部に40℃に温調したガラス板をセットして、20時間フォギング試験を実施した。次いで、試験後のガラス板のガラス霞度(HAZE)を、日本電色工業社製 NDH−5000を用いて測定した。
Claims (2)
- 1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンと、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体とを含有するイソシアネート成分と、
ポリオールと、ジメチルチンジネオデカノエートと、ジブチルチンジ(メチルマレエート)とを含有するポリオール成分と
を反応射出成形することを特徴とする、自動車内装材の製造方法。 - ジメチルチンジネオデカノエートが、0.05〜0.4質量%含有され、ジブチルチンジ(メチルマレエート)が、0.05〜0.6質量%含有される自動車内装材を得ることを特徴とする、請求項1に記載の自動車内装材の製造方法。
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