以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の内部構成を示す縦断面図である。ここでは、画像形成装置として、電子写真方式を用いたタンデム型のカラー画像形成装置(カラープリンタ)を説明する。
画像形成装置は、図1に示すように、4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Bk、レーザ露光ユニット7、中間転写ベルト8、および定着ユニット16を備える。
画像形成ユニット1Yは、イエロー(Y)のトナー像を形成するためのユニットである。画像形成ユニット1Mは、マゼンタ(M)のトナー像を形成するためのユニットである。画像形成ユニット1Cは、シアン(C)のトナー像を形成するためのユニットである。画像形成ユニット1Bkは、ブラック(Bk)のトナー像を形成するためのユニットである。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、一定の間隔をおいて一列に配置されている。
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、それぞれ、感光ドラム(像担持体)2a,2b,2c,2dを有する。各感光ドラム2a〜2dの周囲には、一次帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、転写ローラ5a,5b,5c,5d、ドラムクリーナ装置6a,6b,6c,6dが、それぞれ配置されている。
各感光ドラム2a〜2dは、負帯電のOPC感光体で、アルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有するものである。各感光ドラム2a〜2dは、後述するドライバにより、周速度が所定のプロセススピードに対応する速度になるように、矢印方向(時計回り方向)に回転駆動される。各感光ドラム2a〜2dには、後述するレーザ露光ユニット7により、それぞれ対応する色の静電潜像が形成される。
一次帯電器3a〜3dは、帯電バイアス電源(図示せず)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム2a〜2dの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
各現像装置4a〜4dは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを収納し、それぞれの色のトナーを、対応する感光ドラム2a〜2d上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化するように供給する。
各転写ローラ5a〜5dは、それぞれ、対応する一次転写部32a〜32dにおいて、中間転写ベルト8を介して対応する感光ドラム2a〜2dと当接可能に配置されている。各転写ローラ5a〜5dは、対応する感光ドラム2a〜2d上のトナー像を順に中間転写ベルト8上に重ね合わせて転写する。
各ドラムクリーナ装置6a〜6dは、クリーニングブレードなどから構成され、対応する感光ドラム2a〜2d上の一次転写時に残留したトナーを、対応する感光ドラム2a〜2dから掻き落として感光ドラム2a〜2dの表面を清掃する。
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、感光ドラム2a〜2d間の距離が感光ドラム2a〜2dの外周長の整数倍になるように配置されている。これは、後述する、各感光ドラム2a〜2dの回転変動のプロファイルを一致させる、即ち各感光ドラム2a〜2dの回転位相を一致させるためである。
レーザ露光ユニット7は、レーザ光源、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラー(図示せず)などから構成される。レーザ光源は、各色の画像信号に基づいた駆動信号により駆動され、当該レーザ光源が発光したレーザ光は、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラーを経て対応する感光ドラム2a〜2dに照射される。これにより、感光ドラム2a〜2dのそれぞれは、露光走査され、感光ドラム2a〜2dのそれぞれには、対応する色の静電潜像が形成される。
中間転写ベルト8は、各感光ドラム2a〜2dと当接可能に配置されており、二次転写対向ローラ10とテンションローラ11に掛け渡されている。二次転写対向ローラ10は、中間転写ベルト8を駆動するための駆動ローラであり、二次転写部34において、中間転写ベルト8を介して二次転写ローラ12と当接可能に配置されている。また、中間転写ベルト8は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムなどのような誘電体樹脂から形成されている。上記テンションローラ11の近傍位置には、中間転写ベルト8の表面に残留するトナーを除去して回収するベルトクリーニング装置13が設けられている。
中間転写ベルト8に重ね合わせて転写されたトナー像(フルカラートナー像)は、二次転写部34において、二次転写ローラ12により、給紙カセット17または手差しトレイ20から給紙された用紙P上に転写される。
給紙カセット17には、所定サイズの用紙Pが収納される。また、手差しトレイ20には、所定サイズの用紙Pが積載される。給紙カセット17に収納された用紙Pまたは手差しトレイ20に積載された用紙Pは、1枚ずつ、搬送パス18を経てレジストレーションローラ19に送られる。用紙Pは、レジストレーションローラ19により、斜行が補正された後に、画像形成タイミングに合わせて二次転写部34に向けて送り出される。
定着ユニット16は、定着ローラ16aおよび加圧ローラ16bを有する。定着ローラ16aには、用紙を加熱するためのセラミックヒータなどのヒータが内蔵されている。加圧ローラ16bは、定着ローラ16aと所定の押圧力で押し付けられ、加圧ローラ16bと定着ローラ16aとの間には、用紙Pを狭持、搬送するためのニップ部16cが形成される。トナー像が転写された用紙Pが上記ニップ部16cを通過する際に、当該用紙上のトナー像は、加熱、加圧される。これにより、用紙上のトナー像は、当該用紙上に定着される。上記定着ユニット16を通過した用紙は、排紙ローラ21により、排紙トレイ22上に排紙される。
感光ドラム2a〜2dと一次転写ローラ5a〜5dが中間転写ベルト8を介して長時間当接された状態に保持されると、感光ドラム2a〜2dと一次転写ローラ5a〜5dの接触部に作用する押圧力により当該接触部が変形する場合がある。その結果、良好な画像形成を行うことができない。そこで、本実施の形態においては、各転写ローラ5a〜5dを、対応する感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルトを介して当接する当接位置と、対応する感光ドラム2a〜2dから離間する離間位置にそれぞれ選択的に移動させる転写ローラ当接機構が設けられている。この転写ローラ当接機構の詳細については、後述する。
次に、本実施の形態の画像形成装置における制御構成について図2〜図4を参照しながら説明する。図2は図1の画像形成装置における制御構成を示すブロック図である。図3は感光ドラム2a(2b〜2d)の回転速度を検出するためのセンサの一例を示す図である。図4は中間転写ベルト8の周速度を検出するためのセンサの一例を示す図である。
本実施の形態の画像形成装置は、図2に示すように、当該画像形成装置の全体制御および個別処理を行うための制御ユニット(制御手段)200を備える。
制御ユニット200は、CPU201、アドレスデコーダを含むバスドライバ202、ROM203、RAM204、I/O回路206およびPWM回路205を有する。CPU201は、バスドライバ202を介して、ROM203に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置の全体制御および個別処理を行う。この際、RAM204がCPU201の作業領域として用いられる。
I/O回路206は、操作パネル150、ドライバ群207、センサ群208、高圧ドライバ209、転写ローラ当接機構(中間転写ベルト当接手段)210、およびヒータ電力供給回路211との間の入出力を制御するためのインタフェースである。
操作パネル150は、数値の入力、モードの設定などを行うための各種キー(図示せず)、および装置状態、各種設定されたモードにおける設定内容、エラー情報などを表示するディスプレイ(図示せず)を有する。
ドライバ群207は、感光ドラム2a〜2d、二次転写対向ローラ10、加圧ローラ16bなどのモータを駆動するためのドライド、クラッチ、ソレノイドなどを駆動するためのドライバなどの各種ドライバを含む。ドライバ群207に含まれる各種ドライバは、それぞれ、CPU201からの制御信号に基づいて対応するモータ、クラッチ、ソレノイドなどを駆動する。
センサ群208は、各種センサを含む。例えば、各感光ドラム2a〜2dの回転速度を検出するためのセンサ、中間転写ベルト8の周速度を検出するためのセンサが含まれる。また、搬送路上の用紙Pの有無を検出するための紙検出センサ、各現像装置4a〜4d内のトナー量を検出するためのトーナセンサ、モータなどの各負荷のホームポジションを検出するためのポジションセンサが含まれる。センサ群208の各種センサの出力は、I/O回路206を介してCPU201に入力される。
ここで、感光ドラム2aの回転速度(周速度)を検出するためのセンサとしては、図3(a),(b)に示すように、透過型のフォトセンサ90が用いられている。フォトセンサ90は、感光ドラム2aの駆動軸に設けられたエンコーダ91のスリット91aを検知するものである。フォトセンサ90は、エンコーダ91のスリット91aを検知することにより、感光ドラム2aの1回転当り、1パルスのパルス信号を出力する。このフォトセンサ90から出力されたパルス信号は、感光ドラム2aの回転速度(周速度)および回転位相の制御に用いられる。
また、他の感光ドラム2b,2c,2dのそれぞれに対しても、感光ドラム2aと同様に、フォトセンサ90と、エンコーダ91が設けられている。感光ドラム2b,2c,2dのフォトセンサ90から出力されたパルス信号は、それぞれ、感光ドラム2b,2c,2dの回転速度(周速度)および回転位相の制御に用いられる。
中間転写ベルト8の周速度を検出するためのセンサとしては、図4(a),(b)に示すように、二次転写対向ローラ10の駆動軸に設けられたエンコーダ93のスリット93aを検知するためのフォトセンサ92が用いられている。このフォトセンサ92は、エンコーダ93のスリット93aを検知することにより、二次転写ローラ12の1回転当り、1パルスのパルス信号を出力する。このフォトセンサ92から出力されたパルス信号は、中間転写ベルト8の周速度の制御に用いられる。
高圧ドライバ209は、CPU201からの制御信号に基づいて、各一次帯電器3a〜3dの帯電バイアス、各現像装置4a〜4dの現像バイアス、各転写ローラ5a〜5dの転写電圧、二次転写ローラ12の転写電圧などの各種高電圧を発生する。
転写ローラ当接機構210は、上述したように、各転写ローラ5a〜5dを、中間転写ベルト8を介して対応する感光ドラム2a〜2dと当接する当接位置と、対応する感光ドラム2a〜2dから離間する離間位置にそれぞれ選択的に移動させる機構である。即ち、転写ローラ当接機構210は、各転写ローラ5a〜5dの移動により、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8との当接を離間可能に行う。この転写ローラ当接機構210の構成の詳細については、後述する。
ヒータ電力供給回路211は、定着ユニット16の定着ローラ16aに設けられているヒータを駆動する回路である。
PWM回路205は、画像処理部100から入力された画像データに基づいて、レーザ露光ユニット7を駆動するための駆動信号としてPWM(Plus Wide Modulation)信号を生成し、当該PWM信号をレーザ露光ユニット7に出力する。
ここで、画像処理部100は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)101などから入力されたデータを画像データに変換し、当該画像データをPWM回路205に出力する。
次に、転写ローラ当接機構210の構成について図5を参照しながら説明する。図5(a)は図2の転写ローラ当接機構210の構成を模式的に示す図である。図5(b)は図2の転写ローラ当接機構210により転写ローラ5a(5b〜5d)が感光ドラム2a(2b〜2d)から離間されている状態を示す図である。
転写ローラ当接機構210は、各転写ローラ5a〜5dを、それぞれ独立に、上記当接位置と上記離間位置に選択的に移動させる構成を有する。ここでは、転写ローラ5aを移動させる構成を説明する。また、他の転写ローラ5b〜5dを移動させる構成は、転写ローラ5aの構成と同じであるので、その説明は省略する。
転写ローラ5aを移動させるための構成は、図5(a)に示すように、リフトカム806、移動部材807、モータ804、およびフォトセンサ805を有する。リフトカム806は、モータ804により回転される。移動部材807は、リフトカム806の回転に従動して、転写ローラ5aを、中間転写ベルト8を介して感光ドラム2aと当接する当接位置と、感光ドラム2から離間する離間位置とのいずれかに移動させる。
リフトカム806には、基準部材806aが設けられている。フォトセンサ805は、リフトカム806が上記当接位置に対応する位置へ回転された際に、その基準部材806aを検知する位置に配置されている。そして、フォトセンサ805は、リフトカム806の基準部材806aを検知すると、その検知信号をCPU201へ出力する。
CPU201は、フォトセンサ805からの検知信号(フォトセンサ805がリフトカム806の基準部材806aを検知した信号)を基準にして、モータ804を駆動する。
具体的には、リフトカム806の基準部材806aがフォトセンサ805により検知される位置にあるとき、転写ローラ5aは上記当接位置に移動されており、中間転写ベルト8を介して感光ドラム2aと当接されている状態にある。この状態は、換言すれば、感光ドラム2aと中間転写ベルト8とが当接されている状態である。このとき、CPU201は、フォトセンサ805からの検知信号に基づいて、転写ローラ5aが中間転写ベルト8を介して感光ドラム2aと当接されている即ち感光ドラム2aが中間転写ベルト8と当接されていると判断する。
転写ローラ5aを感光ドラム2aから離間させる際には、CPU201は、所定の駆動量分、モータ804を正転させる。このモータ804の所定の駆動量は、転写ローラ5aを上記当接位置から上記離間位置へ移動させるのに必要な駆動量である。これにより、図5(b)に示すように、リフトカム806は回転され、それに従動する移動部材807により、転写ローラ5aは、上記離間位置へ向けて移動され、感光ドラム2aから離間する。即ち、感光ドラム2aは、中間転写ベルト8から離間された状態になる。
また、転写ローラ5aを上記離間位置から上記当接位置へ戻す際には、CPU201は、上記所定の駆動量分、上記モータ804を逆転させる。これにより、リフトカム806は回転され、それに従動する移動部材807により、転写ローラ5aは、上記当接位置へ向けて移動される。転写ローラ5aが上記当接位置に対応する位置へ到達すると、フォトセンサ805は、リフトカム806の基準部材806aを検知し、その検知信号をCPU301へ出力する。CPU301は、上記検知信号に基づいて転写ローラ5aが感光ドラム2aと当接された即ち感光ドラム2aが中間転写ベルト8と当接されたと判断し、モータ804を停止させる。
本実施の形態においては、CPU201により、各転写ローラ5a〜5dを、同時に、上記当接位置または上記離間位置に移動させるように転写ローラ当接機構210が制御される。
次に、中間転写ベルト8の駆動制御と、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御について説明する。
各感光ドラム2a〜2dの回転中心に偏りがあると、色ずれが生じる。この色ずれの発生を防止するために、感光ドラム2a〜2dの回転位相を一致させるための制御が行われる。この回転位相について図6および図7を参照しながら説明する。図6は感光ドラム2aの回転変動の状態を示す図である。図7は感光ドラム2a〜2d間の回転位相が一致した状態でのトナー像の搬送状態を示す図である。
例えば感光ドラム2aが1回転する際、感光ドラム2aの回転は、例えば図6に示すように変動する。また、他の感光ドラム2b〜2dも、同様に回転変動する。ここで、図6は、1回転分(1周期分)の変動状態を示しており、実際は、感光ドラム2aは回転し続けているので、回転変動は、周期的に生じる。
回転変動がマイナス(−)の状態においては、感光ドラム2aから中間転写ベルト8への転写速度が速くなり、用紙搬送方向に対して画像の目が細かくなる。これに対し、回転変動がプラス(+)の状態においては、感光ドラム2aから中間転写ベルト8への転写速度が遅くなり、用紙搬送方向に対して画像の目が粗くなる。
ここで、各感光ドラム2a〜2dの回転変動のプロファイルを一致させることができれば、絶対的な位置のずれはあるが、色間の相対的なずれを低減、理想的には零にすることができる。通常、形成された画像に関しては、色の用紙に対する絶対的な位置ずれに比して、色間の相対的な位置ずれの方が目立ち易い。よって、画質向上のためには、相対的な色の位置を合わせることは、非常に有効な手段である。
そこで、相対的な色の位置を合わせる(色間の相対的なずれをなくす)ために、各感光ドラム2a〜2dがそれぞれの間の距離がNπDとなるよう配置され、感光ドラム2a〜2dは、それぞれの回転位相が一致するように回転駆動される。ここで、Dは、各感光ドラム2a〜2dの直径、Nは自然数である。
具体的には、図7(a)〜(e)に示すように、感光ドラム2a〜2d間の距離がπD(N=1の場合)で、感光ドラム2aからトナー像(図中の黒丸)が中間転写ベルト8上に転写されて右方向に搬送されるとする。また、各感光ドラム2a〜2dは、それぞれの回転位相が一致した状態で、同一の周速度で回転駆動されているものとする。
感光ドラム2aからトナー像が中間転写ベルト8上に転写されると(図7(a))、この転写されたトナー像は、中間転写ベルト8により、感光ドラム2bに向けて搬送される(図7(b)〜(d))。各感光ドラム2a,2bが1回転すると、各感光ドラム2a,2bの回転位相は一致しているので、上記転写されたトナー像に、当該トナー像と同じ位相関係を有する感光ドラム2b上のトナー像が重ね合わされて転写される(図7(e))。同様に、感光ドラム2cのトナー像および感光ドラム2dのトナー像も、同じ位相関係を有するので、これらのトナー像も、上記転写されたトナー像に重なり合うように転写されることになる。即ち、同じ回転相関関係を有するトナー像が重なり合うように中間転写ベルト8上に転写される。
感光ドラム2a〜2d間の中心距離は、装置への取り付け位置によって一意に定まる。これに対して、感光ドラム2a〜2d間の回転位相に関しては、各感光ドラム2a〜2dが自由度を有するので、回転位相を一致させるための制御が必要である。
次に、中間転写ベルト8の駆動を制御するための制御構成と、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相を制御するための制御構成について図8を参照しながら説明する。図8(a)は中間転写ベルト8の駆動を制御するための制御構成を示すブロック図、図8(b)は各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相を制御するための制御構成を示すブロック図である。
中間転写ベルト8は、図8(a)に示すように、二次転写対向ローラ10により駆動され、二次転写対向ローラ10は、ドライバ60を介して、モータ61により回転駆動される。ドライバ60は、二次転写対向ローラ10のフォトセンサ92(図4)から出力されたパルス信号63に基づいて現在の中間転写ベルト8の周速度を検出する。そして、ドライバ60は、上記検出された中間転写ベルト8の周速度が、CPU201から入力された基準パルス信号62が示す目標周速度に達するように、モータ61を駆動する。また、ドライバ60は、現在の中間転写ベルト8の駆動状態(周速度など)を示す駆動状態信号64をCPU201に出力する。上記二次転写対向ローラ10を駆動するためのドライバ60およびモータ61は、中間転写ベルト駆動手段を構成する。
各感光ドラム2a〜2dに対しては、それぞれの回転速度(周速度)を同一にし、かつ回転位相を一致させる必要がある。本実施の形態においては、図8(b)に示すように、感光ドラム2dの回転速度を基準にして、感光ドラム2a,2b,2cの回転速度および回転位相が制御される。
具体的には、感光ドラム2dは、ドライバ70dを介して、モータ71dにより回転駆動される。ドライバ70dは、感光ドラム2dのフォトセンサ90(図3)から出力されたパルス信号73dに基づいて現在の感光ドラム2dの周速度を検出する。そして、ドライバ70dは、上記検出された感光ドラム2dの周速度が、CPU201から入力された基準パルス信号72が示す目標周速度に達するように、モータ71dを駆動する。また、ドライバ71dは、現在の感光ドラム2dの駆動状態(周速度など)を示す駆動状態信号74dをCPU201に出力する。
各感光ドラム2a〜2cは、対応するドライバ70a〜70cを介して、モータ71a〜71cにより回転駆動される。各ドライバ70a〜70cには、それぞれ、感光ドラム2a〜2cのフォトセンサ90から出力されたパルス信号73a〜73cと感光ドラム2dのフォトセンサ90から出力されたパルス信号73dが入力される。各ドライバ70a〜70cは、それぞれ、パルス信号73d信号を基準にして、パルス信号73a〜73cがパルス信号73d信号に対して同一周期で重なり合うように、モータ71a〜71cを駆動する。ここで、パルス信号73a〜73cがパルス信号73d信号に対して同一周期で重なり合えば、感光ドラム2a〜2cの回転速度が感光ドラム2dの回転速度と一致し、かつ感光ドラム2a〜2cの回転位相が感光ドラム2dの回転位相と一致することになる。また、ドライバ71a〜71cは、現在の感光ドラム2a〜2cの駆動状態(感光ドラム2dに対する速度、回転位相の同期状態など)を示す駆動状態信号74a〜74cをCPU201に出力する。
上記ドライバ70a〜70dおよびモータ71a〜71dは、感光ドラム2a〜2dを駆動するための像担持体駆動手段を構成する。そして、各感光ドラム2a〜2dは、感光ドラム2dを基準にして、回転位相を一致させながら、同一の回転速度(周速度)で回転駆動される。
次に、上記回転速度および回転位相制御により、各感光ドラム2a〜2cの回転速度および回転位相が、感光ドラム2dの回転速度および回転位相に向けて収束する状態について図9および図10を参照しながら説明する。図9は感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御により、各感光ドラム2a〜2cの回転速度が感光ドラム2dの回転速度(中間転写ベルト8の周速度)に収束される状態を示す図である。図10は感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御により、感光ドラム2a〜2d間の回転位相が徐々に一致する状態を示す図である。
例えば感光ドラム2dの周速度(回転速度)を中間転写ベルト8の周速度に一致させる際には、中間転写ベルト8の周速度(基準パルス信号72)を基準にして、感光ドラム2dの周速度が制御される。そして、図9に示すように、感光ドラム2dの周速度(中間転写ベルト8の周速度)を基準にして、各感光ドラム2a〜2cの周速度が制御される。
制御開始時、一時的に、各感光ドラム2a〜2cの周速度と感光ドラム2dの周速度(中間転写ベルト8)との速度差が大きくなる。また、各感光ドラム2a〜2cのそれぞれの速度の大きさが異なる。これは、各感光ドラム2a〜2cの回転位相の初期位相が異なること、各感光ドラム2a〜2cの負荷が異なることなどによるものである。そして、次第に、各感光ドラム2a〜2cの周速度は、それぞれ、感光ドラム2dの周速度に向けて収束し、各感光ドラム2a〜2cと感光ドラム2d間の速度差がなくなる。
また、上記制御により、各感光ドラム2a〜2dの回転位相は、図10に示すように、徐々に一致する。ここで、図中の黒丸は、各感光ドラム2a〜2dにおける基準点を示す。各感光ドラム2a〜2dが回転駆動されると、図10(a)〜(c)に示すように、各感光ドラム2a〜2cに対しては、それぞれの基準点が感光ドラム2dの基準点に同期した状態に近づくように、各感光ドラム2a〜2cのモータ71a〜71cの駆動が制御される。そして、最終的には、図10(d)に示すように、各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する。即ち、各感光ドラム2a〜2dは、それぞれの間の回転位相差がない状態で、同一の周速度(回転速度)で回転駆動される。
次に、各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御について図11および図12を参照しながら説明する。図11は各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図12(a)は各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が離間している状態で、回転速度が制御されている中間転写ベルト8と、回転速度および回転位相が制御されている各感光ドラム2a〜2dの状態を模式的に示す図である。図12(b)は各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が離間している状態で、感光ドラム2a〜2d間の回転位相差がない状態を模式的に示す図である。図12(c)は中間転写ベルト8と回転位相差がない状態で回転する各感光ドラム2a〜2dとの当接状態を模式的に示す図である。図11に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。
プリントジョブの開始時には、図11に示すように、まず、CPU201が、目標周速度を速度Vtに設定し、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップS101)。ここでは、中間転写ベルト8の周速度が上記速度Vtに達するように、ドライバ60を介して、二次転写対向ローラ10のモータ61の駆動が制御される。このとき、各転写ローラ5a〜5dは、転写ローラ当接機構210により、対応する感光ドラム2a〜2dと離間する離間位置に移動された状態にある。即ち、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8は、離間されている状態にある。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8と同じに、目標周速度を速度Vtに設定し、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する(ステップS102)。この回転速度および回転位相制御は、上述した通りであり、各感光ドラム2a〜2dは、対応するドライバ70a〜70dを介して、周速度が上記速度Vtに達し、かつそれぞれの回転位相が一致するように、回転駆動される。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C1になるのを待つ(ステップS103)。ここで、駆動状態C1とは、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの周速度が上記速度Vtに一致し、かつ各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する状態をいう。上記中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C1にあるか否かは、CPU201により、それぞれのドライバ60,70a〜70dからの駆動状態信号64,74a〜74dに基づいて検出される。
上記中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C1になると、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を当接させるための制御を行う(ステップS104)。即ち、転写ローラ当接機構210により、各転写ローラ5a〜5dが、対応する感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を介して当接する当接位置に移動され、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が当接される。そして、CPU201は、本処理を終了する。
このようにして各感光ドラム2a〜2dは、それぞれ、周速度を中間転写ベルト8の周速度に一致させ、かつ回転位相を一致させた状態で、中間転写ベルト8に当接される。
上記中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの当接後、中間転写ベルト8の駆動制御と、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御は、プリントジョブが終了するまで継続される。そして、プリントジョブが終了すると、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dを停止させるように、それぞれのドライバ60,70a〜70dを介して、それぞれのモータ61,61a〜61dが停止される。また、転写ローラ当接機構210により、各転写ローラ5a〜5dが、対応する感光ドラム2a〜2dから離間する離間位置に移動され、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が離間される。
上記制御の手順を模式的に表すと、図12(a)に示すように、最初、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8は、離間している状態にある。この状態で、中間転写ベルト8の周速度が速度Vtになるように中間転写ベルト8の駆動が制御され、各感光ドラム2a〜2dに対する回転速度および回転位相が制御される(ステップS101,S102)。これらの制御により、図12(b)に示すように、中間転写ベルト8の周速度が上記速度Vtに達するとともに各感光ドラム2a〜2dの周速度がそれぞれ上記速度Vtに達する。また、各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する(駆動状態C)。そして、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態Cになると、図12(c)に示すように、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が当接される(ステップS104)。
以上により、感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が当接する際に、感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8間には、大きなすべりが生じない。その結果、当該すべりにより、感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8のそれぞれに大きな損傷を与えることはない。また、感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8のモータに、大きな負荷変動を与えることはない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図13を参照しながら説明する。図13は本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、中間転写ベルト8と感光ドラム2a〜2dを、離間した状態で、周速度が上記速度Vtより低い速度V1に達するように回転駆動した後に、それらを当接させる点で異なる。上記速度V1は、上記速度Vtの大きさ、中間転写ベルト8と感光ドラム2a〜2dの当接の際に生じる衝撃力の大きさなどを考慮して実験的に求められた速度である。
具体的には、図13に示すように、まず、CPU201が、目標周速度を速度V1に設定し、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップS201)。この制御は、上述した通りである。このとき、各転写ローラ5a〜5dは上記離間位置に移動されており、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8は、離間されている。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8と同じに、目標周速度を速度V1に設定し、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する(ステップS202)。この制御は、上述した通りである。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C2になるのを待つ(ステップS203)。ここで、上記駆動状態C2とは、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの周速度が上記速度V1に一致し、かつ各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する状態をいう。
上記中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C2になると、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を当接させるための制御を行う(ステップS204)。これにより、各転写ローラ5a〜5dが当接位置に移動されて、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が当接される。
次いで、CPU201は、目標周速度を上記速度V1から速度Vtに切り換え、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップS205)。これにより、中間転写ベルト8は、その周速度が上記速度V1から上記速度Vtに達するように、駆動される。続いて、CPU201は、目標周速度を上記速度Vtに設定し、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する(ステップS206)。これにより、各感光ドラム2a〜2dは、それぞれの周速度が上記速度V1から上記速度Vtに達するように、かつそれぞれの回転位相が一致するように、駆動される。そして、CPU201は、本処理を終了する。
上記第1の実施の形態のように、周速度が上記速度Vtで駆動される各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を当接する場合、上記速度Vtが高速になるほど、各感光ドラム2a〜2d、中間転写ベルト8のそれぞれに作用する衝撃力は大きくなる。
これに対し、本実施の形態は、周速度が上記速度Vtより低い速度V1で駆動される各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を当接させる。これにより、上記第1の実施の形態の場合に比して、当接の際に各感光ドラム2a〜2d、中間転写ベルト8のそれぞれに作用する衝撃力は小さくなる。その結果、当該衝撃力による各感光ドラム2a〜2d、中間転写ベルト8が損傷される可能性をより低くすることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図14を参照しながら説明する。図14は本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dを、それぞれの間にすべりが生じた状態で駆動する点で異なる。即ち、中間転写ベルト8の周速度を速度Vtと各感光ドラム2a〜2dの周速度を上記速度Vtと異なる速度Vt’とし、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの間に周速度差(=Vt−Vt’)が生じるようにそれぞれが駆動される。上記速度Vtと速度Vt’は、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの間に生じるすべりの大きさが許容される範囲内で設定された速度である。
具体的には、図14に示すように、まず、CPU201が、目標周速度を速度Vtに設定し、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップS301)。このとき、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8は、離間されている。そして、CPU201は、目標周速度を速度Vt’に設定し、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相の制御を開始する(ステップS302)。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C3になるのを待つ(ステップS303)。ここで、駆動状態C3とは、中間転写ベルト8の周速度が速度Vtに一致し、各感光ドラム2a〜2dの周速度が速度Vt’に一致し、かつ各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する状態をいう。
上記中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が上記駆動状態C3になると、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を当接させるための制御を行う(ステップS304)。これにより、各転写ローラ5a〜5dが当接位置に移動されて、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が当接される。そして、CPU201は、本処理を終了する。
このようにして、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dは、周速度差(=Vt−Vt’)が生じた状態で、かつ感光ドラム2a〜2dの回転位相を一致させた状態で当接される。上記中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの当接後、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dは、周速度差(=Vt−Vt’)が生じた状態で、プリントジョブが終了するまで駆動される。そして、プリントジョブが終了すると、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dが停止される。また、転写ローラ当接機構210により、各転写ローラ5a〜5dが離間位置に移動されて、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が離間される。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図15を参照しながら説明する。図15は本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図15に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態は、上記第3の実施の形態に対し、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの当接後に、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの周速度をそれぞれ速度Vt(第1の周速度),Vt’(第2の周速度)まで増速させる点で異なる。
具体的には、図15に示すように、まず、CPU201が、目標周速度を速度Vt1(<Vt)に設定し、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップS401)。このとき、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8は、離間されている。そして、CPU201は、目標周速度を速度Vt1と異なる速度Vt1’(<Vt’)に設定し、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する(ステップS402)。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C4になるのを待つ(ステップS403)。ここで、駆動状態C4とは、中間転写ベルト8の周速度が速度Vt1に一致し、各感光ドラム2a〜2dの周速度が速度Vt1’に一致し、かつ各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する状態をいう。
上記中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C4になると、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8を当接させるための制御を行う(ステップS404)。これにより、各転写ローラ5a〜5dが当接位置に移動されて、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が当接される。
次いで、CPU201は、目標周速度を速度Vt1から速度Vtに切り換えて、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップ405)。これにより、中間転写ベルト8は、その周速度が上記速度Vt1から上記速度Vtに達するように、駆動される。続いて、CPU201は、目標周速度を速度Vt1’から速度Vt’に切り換えて、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する(ステップS406)。これにより、各感光ドラム2a〜2dは、それぞれの周速度が上記速度Vt1’から上記速度Vt’に達するように、かつそれぞれの回転位相が一致するように、駆動される。そして、CPU201は、本処理を終了する。
ここで、速度Vt’は、以下の式を満足するように求められたものである。
Vt−Vt’=Vt1−Vt1’
このように、本実施の形態においては、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dは、周速度差(=Vt1−Vt1’)が生じた状態で、かつ感光ドラム2a〜2dの回転位相を一致させた状態で当接される。上記中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの当接後、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの周速度がそれぞれ増速される。そして、中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dは、周速度差(=Vt−Vt’)が生じた状態で、かつ感光ドラム2a〜2dの回転位相を一致させた状態で、プリントジョブが終了するまで駆動される。プリントジョブが終了すると、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dは、停止される。また、各転写ローラ5a〜5dが離間位置に移動されて、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が離間される。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について図16および図17を参照しながら説明する。図16は本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図17(a)は各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8の当接前の状態を模式的に示す図である。図17(b)は中間転写ベルト8から離間している各感光ドラム2a〜2cの回転位相が、中間転写ベルト8に当接されている感光ドラム2dの回転位相に一致する状態を模式的に示す図である。図16に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態においては、制御開始時に、回転速度および回転位相の基準となる感光ドラム2d(基準像担持体)のみが中間転写ベルト8に当接される。そして、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接され、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間されている状態で、中間転写ベルト8の駆動制御、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御が開始される。この点で、本実施の形態と上記第1の実施の形態とは異なる。
具体的には、図16に示すように、まず、CPU201が、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあるか否かを判定する(ステップS501)。この判定は、転写ローラ当接機構210の各転写ローラ5a〜5dに対応するフォトセンサ805の出力に基づいて行われる。
感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態になければ、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dが上記状態になるように、転写ローラ当接機構210を制御する(ステップS502)。即ち、転写ローラ当接機構210により、対応する転写ローラ5a〜5dが移動されて、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接され、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間される。
次いで、CPU201が、目標周速度を速度Vtに設定し、中間転写ベルト8の駆動制御を開始する(ステップS503)。そして、CPU201は、中間転写ベルト8と同じに、目標周速度を速度Vtに設定し、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する(ステップS504)。ここで、上記感光ドラム2dは中間転写ベルト8に当接されているので、ドライバ60に入力される基準パルス信号62により、感光ドラム2dの周速度が中間転写ベルト8の周速度に同期して立ち上がるように感光ドラム2dの回転駆動が制御される。これは、中間転写ベルト8間に大きな速度差が生じないようにするためである。そして、感光ドラム2dの回転速度および回転位相に一致するように各感光ドラム2a〜2cが回転駆動される。
次いで、CPU201は、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C1になるのを待つ(ステップS505)。ここで、駆動状態C1とは、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの周速度が上記速度Vtに一致し、かつ各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する状態をいう。
上記中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C1になると、CPU201は、各感光ドラム2a〜2cと中間転写ベルト8を当接させるための制御を行う(ステップS506)。即ち、転写ローラ当接機構210により、各転写ローラ5a〜5cが当接位置に移動され、各感光ドラム2a〜2cと中間転写ベルト8が当接される。そして、CPU201は、本処理を終了する。
上記ステップS502において感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあると判定された場合、CPU201は、上記ステップS502をスキップして上記ステップS503に進む。
このようにして各感光ドラム2a〜2cは、それぞれ、中間転写ベルト8に当接された感光ドラム2dを基準にして、周速度を感光ドラム2d(中間転写ベルト8)の周速度に一致させ、かつ回転位相を一致させた状態で、中間転写ベルト8に当接される。
上記中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2cの当接後、中間転写ベルト8の駆動制御と、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御は、プリントジョブが終了するまで継続される。そして、プリントジョブが終了すると、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dは停止される。また、転写ローラ当接機構210により、各転写ローラ5a〜5dが離間位置に移動されて、各感光ドラム2a〜2dと中間転写ベルト8が離間される。
上記制御による中間転写ベルト8と各感光ドラム2a〜2dの駆動状態を模式的に表すと、図17(a)に示すように、感光ドラム2dと中間転写ベルト8は当接されている状態にある。各感光ドラム2a〜2cは、中間転写ベルト8から離間している状態にある。この状態で、中間転写ベルト8の周速度が速度Vtになるように中間転写ベルト8の駆動が制御され、各感光ドラム2a〜2dに対する回転速度および回転位相が制御される(ステップS503,S504)。これらの制御により、図17(b)に示すように、中間転写ベルト8の周速度が上記速度Vtに達するとともに各感光ドラム2a〜2dの周速度がそれぞれ上記速度Vtに達する。また、各感光ドラム2a〜2dの回転位相が一致する(駆動状態C1)。そして、中間転写ベルト8および各感光ドラム2a〜2dの駆動状態が駆動状態C1になると、各感光ドラム2a〜2cは、中間転写ベルト8に当接される(ステップS506)。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について図18を参照しながら説明する。図18は本発明の第6の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図18に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態は、上記第2の実施の形態に対し、回転速度および回転位相の基準となる感光ドラム2dのみを中間転写ベルト8に当接させた状態で、中間転写ベルト8の駆動制御、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する点で異なる。
具体的には、図18に示すように、まず、CPU201が、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態になければ、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dが上記状態になるように、転写ローラ当接機構210を制御する(ステップS602)。即ち、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接され、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間される。そして、CPU201は、図13のフローチャートに示すステップS201に進む。
これに対し、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあると判定された場合、CPU201は、上記ステップS602をスキップして上記ステップS201に進む。
但し、本実施の形態においては、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接された状態で、制御が行われるので、厳密には、図13のフローチャートの一部を変更する必要がある。例えば、図13のステップS204においては、感光ドラム2a〜2cと中間転写ベルト8の当接が行われる。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について図19を参照しながら説明する。図19は本発明の第7の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図19に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態は、上記第3の実施の形態に対し、回転速度および回転位相の基準となる感光ドラム2dのみを中間転写ベルト8に当接させた状態で、中間転写ベルト8の駆動制御、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する点で異なる。
具体的には、図19に示すように、まず、CPU201が、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあるか否かを判定する(ステップS701)。ここで、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態になければ、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dが上記状態になるように、転写ローラ当接機構210を制御する(ステップS702)。即ち、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接され、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間される。そして、CPU201は、図14のフローチャートに示すステップS301に進む。
これに対し、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあると判定された場合、CPU201は、上記ステップS702をスキップして上記ステップS301に進む。
但し、本実施の形態においては、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接された状態で、制御が行われるので、厳密には、図14のフローチャートの一部を変更する必要がある。例えば、図14のステップS304においては、感光ドラム2a〜2cと中間転写ベルト8の当接が行われる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について図20を参照しながら説明する。図20は本発明の第8の実施の形態に係る画像形成装置における各感光ドラム2a〜2dを中間転写ベルト8に当接させる際の制御の手順を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートの手順は、CPU201により、ROM203に格納されているプログラムに従って実行されるものである。ここで、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同じ構成を有するので、ここでは、上記第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明するものとする。
本実施の形態は、上記第4の実施の形態に対し、回転速度および回転位相の基準となる感光ドラム2dのみを中間転写ベルト8に当接させた状態で、中間転写ベルト8の駆動制御、各感光ドラム2a〜2dの回転速度および回転位相制御を開始する点で異なる。
具体的には、図20に示すように、まず、CPU201が、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあるか否かを判定する(ステップS801)。ここで、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態になければ、CPU201は、各感光ドラム2a〜2dが上記状態になるように、転写ローラ当接機構210を制御する(ステップS802)。即ち、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接され、他の感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間される。そして、CPU201は、図15のフローチャートに示すステップS401に進む。
これに対し、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接し、感光ドラム2a〜2cが中間転写ベルト8から離間している状態にあると判定された場合、CPU201は、上記ステップS702をスキップして上記ステップS401に進む。
但し、本実施の形態においては、感光ドラム2dが中間転写ベルト8に当接された状態で、制御が行われるので、厳密には、図15のフローチャートの一部を変更する必要がある。例えば、図15のステップS404においては、感光ドラム2a〜2cと中間転写ベルト8の当接が行われる。