JP5195787B2 - 回転センサ - Google Patents
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したがって、前述した従来のものは、永久磁石107の相対回転角度αの演算に時間がかかるという問題がある。
つまり、従来は、磁気発生部の相対回転中は、常時、各検出素子からの各検出信号の信号レベルを用いて、相対回転角度が含まれる角度範囲を判定する必要があったが、第1の特徴によれば、各検出素子からの各検出信号の信号レベルは、磁気発生部が相対回転を開始する前に演算角度の初期値を決定するときにのみ用いるだけであり、磁気発生部の相対回転中は、各検出素子からの各検出信号の信号レベルと閾値の比較を行う必要がないため、相対回転角度の演算時間を短縮することができる。
つまり、従来は、磁気発生部の相対回転中は、常時、各検出素子からの各検出信号の信号レベルを用いて、相対回転角度が含まれる角度範囲を判定する必要があったが、第2の特徴によれば、各検出素子からの各検出信号の信号レベルは、磁気発生部が相対回転を開始する前と、相対回転を開始した後の予め定めされた時間とにおいてそれぞれ演算角度の初期値を決定するときにのみ用いるだけであり、磁気発生部が相対回転する毎に各検出素子からの各検出信号の信号レベルと閾値の比較を行う必要がないため、相対回転角度の演算時間を短縮することができる。
つまり、相対回転角度が90°変化する毎に、検出信号の信号レベルの組合せを変えることができる。
したがって、初期値決定部は、検出信号の信号レベルの組合せを用いることにより、相対回転角度の初期値が存在する角度範囲を90°単位で判定することができる。
したがって、上記の正弦波信号および余弦波信号を用いて相対回転角度を演算することができる。
この発明の実施形態について図を参照して説明する。図1は、この実施形態の回転センサの主要構成をブロックで示す説明図である。図2は、図1に示すセンサチップの使用状態の一例を示す説明図であり、(a)はセンサチップおよび永久磁石の縦断面図、(b)は(a)に示す永久磁石の平面図である。図3は、図2(a)に示す永久磁石が180°回転した状態を示す縦断面図である。
この実施形態の回転センサの主要構成について説明する。図1に示すように、この実施形態の回転センサ1は、センサチップ5と、このセンサチップ5と電気的に接続された検出回路50とを備える。センサチップ5は、磁気抵抗素子から成る2つの異方性磁気抵抗センサ(以下、AMRセンサという)M1,M2と、2つのホール素子H1,H2とを備える。
図2(b)に示すように、永久磁石2は、円板形状を成しており、径方向で同じ大きさに2分された一方がN極の永久磁石2aに、他方がS極の永久磁石2bになっている。図2(a)に示すように、永久磁石2は、回転シャフト3の先端に取付けられており、矢印F1で示す方向に回転する。
増幅部52は、ホール素子H1,H2から出力される出力信号を増幅する。初期値決定部53は、増幅部52から出力された各増幅信号を閾値と比較し、その各比較結果に基いて永久磁石2の相対回転角度θの初期値θ0が、何度から何度までの角度範囲に存在するかを判定し、その判定した角度範囲に対応する演算角度φの初期値φ0を決定する。
センサチップ5の構造について説明する。図4は、センサチップの構造を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。図5(a)は、磁気抵抗素子領域E1およびホール素子領域E2の平面図であり、(b)は、ホール素子H1,H2の配置角度を示す説明図である。なお、各図では、ホール素子H1,H2の配置状態を分かり易くするため、実際の寸法よりも大きく描いてある。また、磁気抵抗素子の形状も、素子の形成方向を分かり易くするため、実際の寸法よりも大きく描いてある。
また、AMRセンサM1,M2およびホール素子領域H1,H2は、永久磁石2の相対回転軸C1(図2(a))に対応する方向に重ねられている。
したがって、センサチップ5を永久磁石2の相対回転中心方向に縮小することができるため、永久磁石2の回転面2cと対向する空間を有効活用することができる。
次に、AMRセンサM1,M2の構造について説明する。図6は、AMRセンサM1の構造を模式的に示す平面図である。図7は、AMRセンサM2の構造を模式的に示す平面図である。図8は、AMRセンサM1の等価回路であり、図9は、AMRセンサM2の等価回路である。図10は、AMRセンサM1,M2およびホール素子H1,H2の各出力信号を示す説明図である。
この実施形態では、磁気抵抗素子R1〜R8は、強磁性体の金属薄膜により形成されている。強磁性体としては、NiFe(パーマロイ)やNiCoなどを用いることができる。また、強磁性体の金属薄膜は、スパッタ法や蒸着法により成膜することができる。
また、出力端子31,32は、差動増幅回路(図12において符号51aで示す)に接続され、中点出力Vout1,Vout2が差動増幅される。このため、AMRセンサM1を1つのハーフブリッジ回路によって構成する場合と比較して、AMRセンサM1の出力振幅を2倍にすることができるため、磁気の検出感度を高めることができる。
また、出力端子37,38は、差動増幅回路(図12において符号51bで示す)に接続され、中点出力Vout3,Vout4が差動増幅される。このため、AMRセンサM2を1つのハーフブリッジ回路によって構成する場合と比較して、AMRセンサM2の出力振幅を2倍にすることができるため、磁気の検出感度を高めることができる。
次に、ホール素子H1,H2の構造について説明する。なお、ホール素子H1,H2は同一の構造であるため、ここでは、ホール素子H2を例に挙げて説明する。図11は、ホール素子H2の説明図であり、(a)はホール素子H2およびその周辺の一部を示す平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
図11(b)に示すように、端子Sから端子G3へ、さらに、端子Sから端子G4へそれぞれ一定の駆動電流iを流すと、その駆動電流iは、コンタクト領域94から磁気検出部HP、そして拡散層93,98の下方の半導体領域91を通じてコンタクト領域97,98へとそれぞれ流れる。
また、ホール素子H1は、CMOS工程で製造するため、バイポーラ工程で製造する縦型ホール素子よりもコスト的に有利である。
次に、回転センサ1の主な電気的構成について説明する。図12は、回転センサ1の主な電気的構成をブロックで示す説明図であり、図1に対応する図である。図13は、図12に示す各ブロック間の信号の流れを示す説明図である。図14は、図12に示す初期値テーブル54bの構成を示す説明図である。図15は、ホール素子などの出力波形を示す説明図であり、(a)はホール素子H1の出力波形、(b)は比較回路53aの出力波形、(c)はホール素子H2の出力波形、(d)は比較回路53bの出力波形、(e)は出力部70の出力波形である。
増幅部52は、増幅回路52aおよび52bを備える。増幅回路52aは、ホール素子H1から出力される検出信号sinθを増幅し、増幅回路52bは、ホール素子H2から出力される検出信号cosθを増幅する。初期値決定部53は、比較回路53aおよび53bと、初期値読出し部53cと、初期値テーブル53dとを備える。
比較回路53aは、増幅回路52aから出力される検出信号(図15(a))の信号レベルVH1と閾値(0V)とを比較し、その比較結果に対応するパルス信号(図15(b))を出力する。比較回路53bは、増幅回路52bから出力される検出信号(図15(c))の信号レベルVH2と閾値(0V)とを比較し、その比較結果に対応するパルス信号(図15(d))を出力する。
つまり、比較回路53aおよび53bから出力される各パルス信号の信号レベルの組合せを用いることにより、永久磁石2の相対回転角度θの初期値θ0が存在する象限(角度範囲)を判定することができる。
増幅部51は、差動増幅回路51aおよび51bを備える。差動増幅回路51aは、AMRセンサM1の出力信号sin2θを差動増幅し、差動増幅回路51bは、AMRセンサM2の出力信号cos2θを差動増幅する。角度演算部60は、トラッキングループ型デジタル角度変換回路であり、信号作成部61と、偏差算出部62と、正負判定部63と、アップダウンカウンタ(U/Dカウンタ)64とを備える。
信号作成部61が実行する処理内容について図13を参照して説明する。図13において符号61a〜61kで示す各ブロックは、信号作成部61が実行する処理の内容、または、その処理によって発生する信号、あるいは、データを示す。
次に、出力部70は、アップダウンカウンタ64から出力される演算角度φをアナログ値に変換した信号を出力する。詳しくは、出力部70は、アップダウンカウンタ64から出力される演算角度φをラッチし、偏差(2θ−2φ)が0になったときにラッチした演算角度φをアナログ電圧Voに変換し、演算角度φの0〜360°に対応して電圧(Vo)がリニアに上昇する特性を有する角度信号を作成して出力する(図15(e))。
ここで、この実施形態のように、相対回転角度θの初期値θ0が属する角度範囲に基づいて決定した演算角度φの初期値φ0を用いるのではなく、演算角度φの初期値φ0を決定しないで0°を初期値φ0として用いる場合の問題点について図を参照して説明する。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×45°−2×0°)=90°となる。また、演算角度φが相対回転角度θに対して追従する方向、つまり、演算角度φがカウントアップされるかカウントダウンされるかは、偏差(2θ−2φ)の正負によって決定される。演算角度φは、偏差が正の場合にカウントアップされ、偏差が負の場合にカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×89°−2×0°)=178°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)≒0.07となるので、sin(2θ0−2φ0)=0.035となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=2°になる。偏差は2°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×91°−2×0°)=182°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)≒−0.07となるので、sin(2θ0−2φ0)=−0.035となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−2°になる。偏差は−2°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×135°−2×0°)=270°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−2となるので、sin(2θ0−2φ0)=−1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−90°になる。偏差は−90°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×225°−2×0°)=450°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=2となるので、sin(2θ0−2φ0)=1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=90°になる。偏差は90°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×315°−2×0°)=630°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−2となるので、sin(2θ0−2φ0)=−1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−90°になる。偏差は−90°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
ここで、この実施形態のように、初期値φ0を決定する場合の効果について図を参照して説明する。図18ないし図21は、演算角度φの初期値φ0が相対回転角度θの初期値θ0に追従する過程を示す説明図である。前述したように、初期値φ0は、相対回転角度θの初期値θ0が属する角度範囲に基づいて決定する。
(例1)相対回転角度θの初期値θ0が0°の場合(図18(a))
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×0°−2×45°)=−90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−2となるので、sin(2θ0−2φ0)=−1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−90°になる。偏差は−90°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×30°−2×45°)=−30°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−1となるので、sin(2θ0−2φ0)=−0.5となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−30°になる。偏差は−30°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×80°−2×45°)=70°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)≒1.88となるので、sin(2θ0−2φ0)≒0.94となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=70°になる。偏差は70°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
(例1)相対回転角度θの初期値θ0が90°の場合(図19(a))
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×90°−2×135°)=−90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−2となるので、sin(2θ0−2φ0)=−1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−90°になる。偏差は−90°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×150°−2×135°)=30°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=1となるので、sin(2θ0−2φ0)=0.5となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=30°になる。偏差は30°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×180°−2×135°)=90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=2となるので、sin(2θ0−2φ0)=1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=90°になる。偏差は90°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
(例1)相対回転角度θの初期値θ0が180°の場合(図20(a))
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×180°−2×225°)=−90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−2となるので、sin(2θ0−2φ0)=−1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−90°になる。偏差は−90°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×240°−2×225°)=30°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=1となるので、sin(2θ0−2φ0)=0.5となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=30°になる。偏差は30°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×270°−2×225°)=90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=2となるので、sin(2θ0−2φ0)=1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=90°になる。偏差は90°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
(例1)相対回転角度θの初期値θ0が270°の場合(図21(a))
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×270°−2×315°)=−90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=−2となるので、sin(2θ0−2φ0)=−1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=−90°になる。偏差は−90°<0であるため、演算角度φはカウントダウンされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×330°−2×315°)=30°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=1となるので、sin(2θ0−2φ0)=0.5となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=30°になる。偏差は30°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
偏差(2θ−2φ)の初期値は、(2θ0−2φ0)=(2×360°−2×315°)=90°となる。したがって、2sin(2θ0−2φ0)=2となるので、sin(2θ0−2φ0)=1となる。これをアークサイン演算すると、初期値の偏差(2θ0−2φ0)=90°になる。偏差は90°>0であるため、演算角度φはカウントアップされる。
(1)以上のように、この実施形態の回転センサ1は、相対回転角度θの初期値θ0と、演算角度φの初期値φ0との間で、|θ0−φ0|<90°の条件を満たせば、演算角度φは相対回転角度θを正確に追従することができる。また、永久磁石2が相対回転する前に演算角度φの初期値φ0が相対回転角度θの初期値θ0に追従して等しくなり、その後、永久磁石2の回転中は、演算角度φが相対回転角度θに正確に追従することができる。
つまり、永久磁石2が相対回転しているときの相対回転角度θの演算時間を短縮することができるし、検出回路50の処理負荷および消費電力を軽減することもできる。
したがって、初期値決定部53は、検出信号の信号レベルの組合せを用いることにより、相対回転角度θの初期値θ0が存在する角度範囲を90°単位で判定することができる。
したがって、上記の正弦波信号および余弦波信号を用いて相対回転角度を演算することができる。
次に、演算角度φの初期値φ0に対応する相対回転角度θの初期値θ0の余裕度について図を参照して説明する。図22は、初期値φ0に対応する初期値θ0の余裕度を示す説明図である。
初期値φ0が45°の場合、追従可能な初期値θ0の範囲は、(45°−90°)<θ0<(45°+90°)、つまり、−45°<θ0<135°である。これをφ0=0°(360°)を基準にすると、0°≦θ0<135°および315°<θ0≦360°になる。
初期値φ0が135°の場合、追従可能な初期値θ0の範囲は、(135°−90°)<θ0<(135°+90°)、つまり、45°<θ0<225°である。
初期値φ0が225°の場合、追従可能な初期値θ0の範囲は、(225°−90°)<θ0<(225°+90°)、つまり、135°<θ0<315°である。
初期値φ0が315°の場合、追従可能な初期値θ0の範囲は、(315°−90°)<θ0<(315°+90°)、つまり、225°<θ0<405°である。これをφ0=0°(360°)を基準にすると、0°≦θ0<45°および225°<θ0≦360°になる。
また、逆に、図22において、初期値θ0=90°は、初期値φ0=45°および135°のどちらにも対応しているため、初期値θ0が90°のときに初期値φ0として135°を選択するところを誤って45°を選択した場合でも、演算角度φは相対回転角度θを正確に追従することができる。
演算角度φの初期値φ0は、永久磁石2が相対回転する前と、相対回転を開始した後の予め定めされた時間とにおいてそれぞれ決定するように構成することもできる。この構成を用いれば、永久磁石2の相対回転中に相対回転角度θに対する演算角度φの追従ルートが外れ、演算角度φに誤差が発生している場合であっても、新たに初期値φ0を決定し、その初期値φ0を用いて相対回転角度θを演算することができるため、追従ルートを元の正確な追従ルートに戻すことができるので、演算角度φの誤差を補正することができる。
次に、この発明の第2実施形態について説明する。図23は、この実施形態の回転センサに備えられたセンサチップの構造を模式的に示す説明図である。図24は、AMRセンサM1,M2およびホール素子H1,H2の各出力信号を示す説明図である。図25は、初期値テーブル54bの構成を示す説明図である。図26は、初期値φ0に対応する初期値θ0の余裕度を示す説明図である。
初期値φ0=22.5°が追従可能な初期値θ0の範囲は、(22.5°−90°)<θ0<(22.5°+90°)、つまり、−67.5°<θ0<112.5°である。これをφ0=0°(360°)を基準にすると、0°≦θ0<112.5°および292.5°<θ0≦360°になる。
次に、この発明の第3実施形態について説明する。図27は、この実施形態の回転センサに備えられたセンサチップの構造を模式的に示す説明図である。図28は、AMRセンサM1,M2およびホール素子H1〜H3の各出力信号を示す説明図である。図29は、初期値テーブル54bの構成を示す説明図である。図30は、初期値φ0に対応する初期値θ0の余裕度を示す説明図である。
初期値φ0=30°が追従可能な初期値θ0の範囲は、(30°−90°)<θ0<(30°+90°)、つまり、−60°<θ0<120°である。これをφ0=0°(360°)を基準にすると、0°≦θ0<120°および300°<θ0≦360°になる。
次に、この発明の第4実施形態について説明する。図31は、初期値テーブル54bの構成を示す説明図である。図32は、初期値φ0に対応する初期値θ0の余裕度を示す説明図である。
初期値φ0=22.5°が追従可能な初期値θ0の範囲は、(22.5°−90°)<θ0<(22.5°+90°)、つまり、−67.5°<θ0<112.5°である。これをφ0=0°(360°)を基準にすると、0°≦θ0<112.5°および292.5°<θ0≦360°になる。
(1)ホール素子H1,H2の各出力信号間の位相差は、90°、60°および45°以外でも良い。つまり、ホール素子H1,H2の各出力信号間の位相差が0°を超えていれば、演算角度φは相対回転角度θを正確に追従することができる。したがって、ホール素子の磁気検出面間が成す角度の選択範囲が非常に広いため、ホール素子の配置位置に関する自由度を高くすることができる。
(8)初期値決定部53が行う内容は、出力部70が行うようにしても良い。
(9)検出回路50をシリコン基板10に形成し、センサチップ5および検出回路50を一体化することもできる。
(11)永久磁石に代えて、磁気インクを塗布した部材を用いることもできる。また、導電性部材の表面に着磁した部材を用いることもできる。
(12)縦型ホール素子に代えて横型ホール素子を用いることもできる。また、横型ホール素子を磁気検出部が磁気抵抗素子に対して垂直になるように、磁気抵抗素子領域に重ねて配置して用いることもできる。
10・・シリコン基板、H1,H2・・ホール素子、M1,M2・・AMRセンサ、
R1〜R8・・磁気抵抗素子、θ・・相対回転角度、θ0・・初期値、
φ・・演算角度、φ0・・初期値。
Claims (13)
- 相対回転する磁気発生部の磁界中に配置されており、前記磁気発生部が1回転する間に前記磁界の強度に応じて信号レベルが2周期で変化する信号をそれぞれ出力し、かつ、各信号間に位相差が出るように配置された複数の磁電変換素子を備え、
各磁電変換素子から出力される信号を用いて前記磁気発生部に対する相対回転角度を求めるように構成された回転センサにおいて、
前記磁気発生部が1回転する間に、前記磁界の強度に応じて信号レベルが1周期で変化する検出信号を出力し、かつ、検出信号間に位相差が出るように配置された複数の検出素子と、
各磁電変換素子から出力される信号を用い、前記磁気発生部に対する相対回転角度と演算により求めた演算角度との偏差が所定値に収束するようにフィードバック制御を行って前記相対回転角度を演算する角度演算部と、
各検出素子から出力された各検出信号の各信号レベルと閾値との各比較結果を用い、相対回転角度の初期値が含まれる角度範囲を判定し、その判定した角度範囲の中で発生し得る相対回転角度の初期値と前記演算角度の初期値との差の絶対値が90°未満となるように前記演算角度の初期値を決定する初期値決定部と、
前記角度演算部が演算した演算角度に対応する信号を、前記磁気発生部が1回転する間に1周期で出力する出力部と、を備えており、
前記初期値決定部は、前記磁気発生部が相対回転を開始する前にのみ前記演算角度の初期値を決定し、
前記角度演算部は、前記初期値決定部により決定された演算角度の初期値を用いて前記フィードバック制御を開始し、前記相対回転角度を演算することを特徴とする回転センサ。 - 相対回転する磁気発生部の磁界中に配置されており、前記磁気発生部が1回転する間に前記磁界の強度に応じて信号レベルが2周期で変化する信号をそれぞれ出力し、かつ、各信号間に位相差が出るように配置された複数の磁電変換素子を備え、
各磁電変換素子から出力される信号を用いて前記磁気発生部に対する相対回転角度を求めるように構成された回転センサにおいて、
前記磁気発生部が1回転する間に、前記磁界の強度に応じて信号レベルが1周期で変化する検出信号を出力し、かつ、検出信号間に位相差が出るように配置された複数の検出素子と、
各磁電変換素子から出力される信号を用い、前記磁気発生部に対する相対回転角度と演算により求めた演算角度との偏差が所定値に収束するようにフィードバック制御を行って前記相対回転角度を演算する角度演算部と、
各検出素子から出力された各検出信号の各信号レベルと閾値との各比較結果を用い、相対回転角度の初期値が含まれる角度範囲を判定し、その判定した角度範囲の中で発生し得る相対回転角度の初期値と前記演算角度の初期値との差の絶対値が90°未満となるように前記演算角度の初期値を決定する初期値決定部と、
前記角度演算部が演算した演算角度に対応する信号を、前記磁気発生部が1回転する間に1周期で出力する出力部と、を備えており、
前記初期値決定部は、前記磁気発生部が相対回転を開始する前と、相対回転を開始した後の予め定めされた時間とにおいてそれぞれ前記演算角度の初期値を決定し、
前記角度演算部は、前記初期値決定部により決定された演算角度の初期値を用いて前記フィードバック制御を行い、前記相対回転角度を演算することを特徴とする回転センサ。 - 前記相対回転角度の初期値をθ0とし、前記演算角度の初期値をφ0とした場合に、前記角度演算部は、(φ0−90°)<θ0<(φ0+90°)の範囲に存在する相対回転角度の初期値θ0を演算可能なことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転センサ。
- 前記複数の検出素子は、各検出信号間に90°の位相差が出るように配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の回転センサ。
- 前記複数の磁電変換素子は、各信号間に45°の位相差が出るように配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の回転センサ。
- 前記相対回転角度の0〜360°を前記各検出素子の出力信号間の位相差で除した値をnとし、0〜360°の範囲をnで除することによりn個の角度範囲を設定した場合に、前記各検出信号の各信号レベルと閾値との各比較結果の組合せが各角度範囲において総て異なるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の回転センサ。
- 前記相対回転角度をθとし、前記演算角度をφとした場合に、
前記角度演算部は、各磁電変換素子から出力される信号を用いて偏差(2θ−2φ)が0になるようにフィードバック制御を行い、かつ、そのフィードバック制御を開始するときの前記演算角度φの初期値として前記初期値決定部において決定された初期値を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の回転センサ。 - 前記複数の磁電変換素子は、sin2θ信号およびcos2θ信号を出力し、
前記角度演算部は、
前記sin2θ信号およびcos2θ信号に基づいてsin(2θ−2φ)信号を作成し、かつ、その作成されたsin(2θ−2φ)に基づいて偏差(2θ−2φ)を演算し、その偏差(2θ−2Φ)が0になるようにフィードバック制御を行って前記相対回転角度を演算することを特徴とする請求項7に記載の回転センサ。 - 前記角度演算部は、
前記演算角度φに対応するカウント値をカウントするカウンタを備え、前記偏差(2θ−2φ)の正負を判定し、その判定結果に基いて前記カウンタのカウント値を増減することを特徴とする請求項8に記載の回転センサ。 - 前記角度演算部は、
前記sin(2θ−2φ)信号を逆正弦演算することにより前記偏差(2θ−2φ)を演算し、その演算結果に基いて前記正負を判定することを特徴とする請求項9に記載の回転センサ。 - 前記角度演算部は、
前記sin(2θ−2φ)信号が0よりも大きいときは前記偏差(2θ−2φ)が正であると判定し、前記sin(2θ−2φ)信号が0よりも小さいときは前記偏差(2θ−2φ)が負であると判定することを特徴とする請求項9に記載の回転センサ。 - 前記複数の検出素子は、それぞれホール素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の回転センサ。
- 前記複数の磁電変換素子は、それぞれ磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1つに記載の回転センサ。
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