JP5188480B2 - 殺菌用光源 - Google Patents

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本発明は、電子線源から放出される電子を利用して特定波長の紫外光を発光させて殺菌に使用する殺菌用光源に関する。
紫外光は一般に紫外線と称せられ、照明、害虫駆除、樹脂の硬化などに広く使用されている。昨今は、特にその波長が200〜350nmの深紫外光や、200nm以下の真空紫外光への関心が高まっている。深紫外光な中でも、250〜270nmの紫外光は、ウイルス、バクテリア、カビに対する殺菌効果が高いとされている。その殺菌メカニズムについても研究され、この波長の紫外光が生体内のDNAに作用して増殖機能を失なわせるとされている。この殺菌作用を利用して、生肉、水産加工品、米飯、飲料用の水や湯、工場排水や生活排水、食品や医療用の容器など実に様々なものを対象とした殺菌装置が開発され、利用されている。
しかしながら、これらの紫外光の光源としては、エキシマレーザーや各種SHGレーザー(第2高調波発生レーザー)などのガスや固体を媒体とする紫外レーザー;エキシマランプ、キセノンフラッシュランプ、低圧水銀ランプなどのガスランプなどしか実用化されていない。これらは、大型で、寿命も短く、また高価であるため一般家庭や医療への応用が難しい。このため、コンパクトで安価な、そして高効率、高寿命の紫外光光源の開発が望まれていた。
現在、窒化アルミニウムガリウム系の半導体材料を使った深紫外発光ダイオードの開発が進められている。この材料は、200〜360nm帯に発光域を有し、高効率発光が可能であり、素子の寿命が長いなどの特徴をもつものである。しかしながら、これまで、発光素子の下地基板となる窒化アルミニウムの高品質の結晶が作製できなかったため、未だ発光効率が低く、高輝度の深紫外発光ダイオードの実現はできていない。また、この半導体発光ダイオードは、複雑な半導体伝導性制御、並びに複雑なデバイス構造(PN構造あるいはPIN構造)を必要とするものである。
ところで、高純度六方晶窒化ホウ素に電子線を照射して、215nmの深紫外光を発光させる方法が知られている(特許文献1)。一方、セリウム元素を含有するフッ化リチウムカルシウムアルミニウム(Ce:LiCaAlF)の電子線の照射による発光挙動について報告があり、290nm、310nmの紫外光が発光することが記載されている(非特許文献1)。これら電子線照射による発光は、何れも塊状の結晶体に電子線を照射して発光を行わせしめるため、大面積の殺菌は実質困難であった。また、発光材料が限定されているために、殺菌に有用な260nm付近の発光ができないという問題がある。
特開2005−228886号公報
本発明は、現在使用されている紫外線殺菌用光源の欠点、即ち、大型であり、消費電力が大きく、寿命が短く、強度が不安定であるという問題点を改善した新たな発光手段を採用し、簡易な構造の殺菌用光源を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み、種々の結晶材料についてその紫外光の発光特性を検討した結果、金属フッ化物結晶を用いしかも薄膜化して電子線源と組み合わせることにより、上記特性を満たした殺菌用光源になりうることを見出だし本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
透明基板と該透明基板上に形成された金属フッ化物薄膜層とからなる発光基板並びに電子線源を備え、該発光基板の金属フッ化物層に電子線を照射することにより、殺菌に有効な200乃至320nmの波長の深紫外光を含む光を発生させることを特徴とする殺菌用光源が提供される。
上記殺菌用光源の発明においては、
金属フッ化物薄膜層が、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、又はプラセオジウム(Pr)を含有する金属フッ化物からなる薄膜層であること
が好適である。
本発明によれば、小型で、消費電力が低く、寿命が長く、しかも簡易な構造で大面積の殺菌が可能な殺菌用光源を提供でき、一般家庭や医療分野において好適に使用することができるだけでなく、小型で高出力の携帯用殺菌用光源として応用分野が飛躍的に広がることが期待できる。
本発明の殺菌用光源の構造図である。 本発明の殺菌用光源の他の例の概略構造図である。 パルスレーザー堆積装置の概略図である。 本発明の殺菌用光源を組み込んだ殺菌装置の概略図である。 実施例1で作製された深紫外発光器の発光スペクトル図である。 実施例2で作製された発光デバイスの発光スペクトル図である。 実施例3で作製された発光デバイスの発光スペクトル図である。
本発明の殺菌用光源は、極めて簡易な構造の紫外光発光部を有する点に特徴がある。当該殺菌用光源は、透明基板と該透明基板上に形成された金属フッ化物薄膜層とからなる発光基板、並びに電子線を発生させる電子線源を備え、該電子線源からの電子を発光基板に照射して、殺菌に有効な200乃至320nmの波長の深紫外光を含む光を発生させるものである。
図1に、この殺菌用光源の基本構造を概略図で示す。発光基板は、透明基板5と該透明基板上に形成された金属フッ化物薄膜4とからなり、電子線源1、後出の陽極3、金属フッ化物薄膜4、透明基板5の順に配置されて殺菌用光源を形成する。図1では、透明基板1が本発明の殺菌用光源の筐体である真空容器6の窓部材を兼ねているが、図2のように、透明基板1の代わりに別途窓部材7を設け、透明基板5および該透明基板5上に形成された金属フッ化物薄膜層4とからなる発光基板を本発明の殺菌用光源の真空容器6内部に設置しても良い。
発光基板を構成する透明基板5は、電子を照射することにより金属フッ化物薄膜層4から発生する200乃至320nmの深紫外光を透過する必要がある。また、この透明基板は金属フッ化物薄膜の形成・保持のための下地基板としての働きもなす。図1に示した構造では、窓部材としての働きもなす。このような性質をもつ材料としては、石英、石英ガラス、サファイア、フッ化ガラス、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウムなどの材料があり、特に石英、石英ガラス、フッ化ガラス、フッ化カルシウムなどが大面積の基板の作製が容易である点で好適である。
透明基板5の厚みは特に限定されないが、強度と透過性の観点から0.1〜20mmの範囲であることが好ましい。特に窓部材を兼ねる場合は、強度の観点から1〜10mmの範囲であることが好ましく、別途窓部材を設ける場合には強度はあまり必要ないので0.1〜1mmであることが好ましい。透明基板5の面積は特に限定されず、後述する金属フッ化物薄膜4の設けたい面積に依存し、薄膜層4並びに透明基板5が大きいほど大面積の殺菌用光源となり得る。
上記透明基板5上に金属フッ化物薄膜層4が形成される。電子線源1から放出された電子は該薄膜層4に照射されて薄膜層4から深紫外光を発光し、次いでこの深紫外光が透明基板5を透過して(別途窓部材を設ける場合には更に窓部材を透過して)本発明の殺菌用光源外へ照射される。
金属フッ化物薄膜4を構成する金属フッ化物としては、電子線の照射により200乃至320nmの深紫外光を発光する金属フッ化物を用いる必要がある。このような金属フッ化物としては、自己束縛励起子(STE:self trapped exciton、self-trapped exciton)により200乃至320nmの深紫外光を発光するCaF、SrF、BaFなどが挙げられる。また、プラセオジウム(Pr)の5d−4f遷移による当該深紫外光を発光するPrF及びPrをドープしたCaF、SrF、BaF、LaF、CeF、BaY、KYF、KY10、YLiF、LuLiF、LiCaAlF、LiSrAlF等の金属フッ化物なども挙げられる。
金属フッ化物薄膜層4の結晶性は特に限定されず、非晶質、多結晶、単結晶の何れででも良いが、Prを含有(ドープ)した場合には結晶性が高い方がドープ元素であるPrが発光中心として働きやすいので、多結晶又は単結晶であることが好ましい。また、金属フッ化物薄膜層の大面積化の観点からは、非晶質又は多結晶であることが好ましい。
金属フッ化物薄膜層4の膜厚の下限は特に限定されない。ただし、形成する金属フッ化物薄膜層4の膜厚が不均一となり、著しく膜厚が薄い部分が生じないようにするため、平均100nm以上とすることが好ましい。更に発光効率の点で、1μm以上の厚みであることが好ましい。膜厚の上限は任意であるが、結晶性維持の観点や小型軽量化、発光の再吸収の観点から平均10μm未満であることが好ましい。形成する金属フッ化物薄膜層4の面積は特に限定されず、小さ過ぎて取り扱いや陽極形成が困難になってしまわない大きさであればよい。むしろ、大きくすることにより、大面積の発光が可能となり大面積化が必要な殺菌用光源となりうる。
このような金属フッ化物薄膜層4を透明基板5上に一層形成するだけで発光基板として動作可能であるが、必ずしも一層の膜である必要はなく、多層膜とすることも可能である。例えば、透明基板5と金属フッ化物薄膜層4の間に格子不整合を解消する何らかの緩衝層を形成することで金属フッ化物薄膜層4の結晶性を向上させることが可能である。また、発光基板の最表面(深紫外光放出面側)に酸化防止膜を形成しても良い。
前記金属フッ化物薄膜層4を作製する方法は特に限定されず、公知の結晶成長法、薄膜化法を用いることができる。具体的には、パルスレーザー堆積法(レーザーアブレーション法)、真空中で蒸発させた分子状材料から結晶を成長させる分子線成長法、または高温で液体となった金属に結晶材料を溶かし種となる基板を入れて冷やすことで基板上に結晶を成長させるLPE法、スパッタ法などの方法を用いることができる。また、金属フッ化物粉末からなる薄膜層としてもよい。中でも気相成長法の一種であるパルスレーザー堆積法が好適である。パルスレーザー堆積法は、レーザーパルス照射によって原料に大きなエネルギーを与えて昇華させ基板上に堆積させる物理的気相成長法である。この方法は、形成される薄膜の光学的性質が不均一になりやすい化学的気相成長法に対し、光学的性質の均一な薄膜が容易に作製でき、従って発光性能が均一になるという点で優れている。
以下、代表的な気相成長法であるパルスレーザー堆積法を例にして、透明基板5上に金属フッ化物薄膜層4を形成する具体的説明を、図3に従って行う。パルスレーザー堆積法は、レーザー光を原料蒸発のエネルギー源とする物理的気相成長の一つであり、レーザーアブレーション法とも呼ばれている。高出力パルスレーザー光をレーザー光源8ら入射し、ターゲット9の表面に集光、照射し、その時に起きる表面層部の瞬間的な剥離(アブレーション)を利用して、構成元素の原子、分子、イオンやクラスタを透明基板10に堆積させる成膜プロセスである。ターゲット9には前記した金属フッ化物の単結晶体、多結晶体、ペレットなどを用いることができる。レーザー光源8にはNd:YAGレーザーの第三高調波などを用いることができる。
金属フッ化物薄膜層4の上には、通常、電子線源からの電子の引き出し、加速を目的として陽極3が設置される。この陽極3としては、金属薄板、金属膜もしくは導電性の金属酸化物膜を用いることができる。膜厚は特に限定されないが、1nm以上とすると最低限の耐久性があるため好ましく、1000μm以下であることが小型軽量化の観点から好ましい。また、複数の金属もしくは金属酸化物を用いて多層膜としても良い。該陽極3の材料としては、従来公知の金属、導電性酸化物を任意に用いることができる。具体的にはアルミニウム、チタン、ニッケル、コバルト、金、銀、銅、クロム、ITO(酸化インジウムスズ)などの少なくとも一種類からなる。
金属膜や金属酸化物膜を金属フッ化物薄膜層4上に形成する方法は、従来公知の金属膜形成技術を任意に用いることができる。具体的には真空蒸着法を用いることができる。真空蒸着法は、真空中で蒸着材料を加熱により昇華または蒸発させて生じた粒子を基板に沈着させて均一な膜状試料を形成する方法である。マスクと呼ばれる遮蔽物を用いることで、蒸着させたくない部分を遮蔽して、任意の形状の陽極を形成できる。また、金属薄板を機械加工することにより所望の形状として陽極3とすることもできる。
陽極の形状に特に制限はない。ただし、陽極3を電子線が通過して金属フッ化物薄膜層4に到達する必要があるため、メッシュ形状もしくは、スリット形状の陽極が好ましい。金属フッ化物薄膜4上全面に陽極を形成すると電子源から照射された電子線が全て陽極3に捕まり、発光しない。また、陽極3は透明基板5の金属フッ化物薄膜層4が形成されている面とは反対側の面上に形成しても良く、その場合は金属フッ化物薄膜層4上に形成した場合よりも大きな電圧を印加する必要がある。
深紫外光を発光させるための電子線は、電子線源1から照射される。この電子線源1としては、従来公知の、タングステンフィラメントやホウ化ランタン(LaB)フィラメントなどを用いる、金属を高温度に加熱した時に放出される電子を利用する熱電子銃;カーボンナノチューブやダイヤモンドやシリコンなどの固体表面に電界を印加することにより放出される電子を利用する電界放出電子銃(フィールドエミッター)が採用される。熱が発生せず、電圧が低くて済み省電力であるうえ、薄くできるので殺菌用光源を小型化できることから、フィールドエミッターが好適である。電子線源1がフィールドエミッターの場合フィールドエミッター自体が陰極となる。
前出のフィールドエミッターは真空中に保持される必要がある。真空度が低いとフィールドエミッターがスパッタリングされ、劣化する傾向にあるので、スパッタリングが生じない程度の真空度とすることが好ましい。具体的には、真空容器6の中に発光基板および電子線源1を設置し、この真空容器6の内部を好ましくは1Pa以下、より好ましくは1×10−3Pa以下の真空状態にする方法が採用される。
電子線源1としてフィールドエミッターを用いた場合、フィールドエミッターの材質や形状、陽極との間隔等により異なるが、例えばフィールドエミッターと陽極3間には電子密度1〜100mAで100V〜10kVの電圧をかければよい。
本発明の殺菌用光源は、波長200〜320nmの深紫外光を発光する。例えば金属フッ化物としてCaFを用いた場合には、波長280近辺にピークを有する波長230〜320nmの範囲の深紫外光を含んだ紫外光を発光する。
上記発光基板と電子線源1とは、陽極3などの他の必要な部材と一体化され殺菌用光源を構成する。当該殺菌用光源を深紫外光の光源として組み込んで殺菌装置とするが、装置の構成自体は公知のものが採用でき、既存の殺菌装置に配置されている低圧水銀ランプに代えて本発明の殺菌用光源を設置すれば良い。
具体的には、水の殺菌処理の場合は、タンク内に本発明の殺菌用光源を設置し、必要に応じて、水を輸送するポンプ、ろ過機、加熱器や冷却器が配備される。殺菌用光源は、タンク内において、完全に浸漬する構造、半浸漬構造、或いは水の上面から照射する構造など処理対象物の種類、透明度などに応じて任意に設計し得る。
もちろん水の殺菌処理だけでなく、他の対象物の処理にも適用可能であり、例えば、対象物が自動販売機の水や湯である場合は、特開2004−50003に記載の殺菌装置が、生肉や水産加工品である場合は、特開平8−242829記載の殺菌装置が、食品容器や医療容器の内外表面を殺菌する場合は、特開平9−201401記載の殺菌装置が何ら制限なく採用され、これら既存の装置の紫外線ランプに代えて、本発明の殺菌用光源を配置することができる。
本発明の殺菌用光源は、殺菌対象物の形状に合わせて、複数立体的に配列することも、水平または垂直方向に並列させることもできる。この点は、本発明の殺菌用光源が、極めて小型で大面積が可能な装置であるため、棒状で長径の既存の紫外線ランプに比べてその組み合わせの自由度は大変高いものである。
例えば図3に示すように、本発明の殺菌用光源の表面に複数の屈曲部を有するつづら折り状の水路を設けることにより、大面積の発光面上に広い殺菌領域を設けることができ、殺菌時間を長くすることが可能となる。このとき、水路を挟むように別の殺菌用光源を設置しても良い。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。また、実施例の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
実施例1
[透明基板上への金属フッ化物薄膜の形成例]
パルスレーザー堆積装置を用いて石英ガラス基板上にフッ化カルシウム(CaF)薄膜を製造した。基板には20×20×0.5(幅×長さ×厚さ、単位mm)の石英ガラスを用いた。ターゲットにはCaFの焼結体を用いた。先ず、ロータリーポンプと油拡散ポンプを用いてチャンバー内を約2.0×10−4Paの真空とした。次いで、成膜が行われないよう基板とターゲットを金属板で遮断した状態で、波長355nm、繰り返し周波数10Hzのパルスレーザーをターゲットに照射して、不純物が付着している可能性のあるターゲット表層の剥離・除去を10分間行った後、基板とターゲット間の金属板を外して、成膜した。ターゲットと基板間の距離は4.2cm、堆積時間は240分とし、成膜は基板温度を400℃、単位面積あたりのレーザー照射のエネルギー量を15.5(J/cm)として成膜を行った。なお、単位面積あたりのレーザー照射のエネルギー量はレーザー照射後のターゲットのレーザー照射痕の幅Dと実験時のパルスエネルギーEから、E/πD/4として算出した。パルスエネルギーEは実験時の平均レーザーパワーPを基に、
E(J)=P(W)/10(Hz)、
の式より算出した。この成膜条件で作製した金属フッ化物薄膜の膜厚を断面SEM像の観察によって評価したところ300nmであった。
[殺菌用光源の作製]
次に上から、石英ガラス基板、CaF薄膜、板厚0.05mmのメッシュ状銅板陽極(0.1mm幅の電極が0.1mm間隙で配列)、板厚0.1mmのテフロン製のスペーサー、カーボンナノファイバーフィールドエミッターの順に配置し、これらをテフロン板で挟みこみ固定した。これを石英ガラスを窓部材(厚さ3mm)とした真空容器の中に封入し、4×10−4Pa以下の真空度として、殺菌用光源を得た。
[殺菌用光源の深紫外発光特性]
このようにして作製した殺菌用光源を、エレクトロメーターと接続した。エレクトロメーターにはKeithley Electrometer Model 6517を用いた。殺菌用光源にはエレクトロメーター内蔵電源より770Vを印加し深紫外線発光スペクトルを測定した。スペクトル測定には、ステラネット社製EPP2000-UVN-SR型小型分光器を用い、F1000-UV-VIS-SR光ファイバーを通して測定を行った。得られた発光スペクトルを図5に示した。
実施例2
[透明基板上への金属フッ化物薄膜の形成]
ターゲットとしてPrF粉末とCaF粉末を混合してペレット化したもの(PrF:1モル%)を用いた他は実施例1と同様にして、石英ガラス基板上にPr:CaF2薄膜を製造した。膜厚は100nmであった。
[デバイスの作製]
実施例1と同様にして殺菌用光源を作製した。
[デバイスの発光特性]
印加電圧を1000Vとした他は実施例1と同様にして、作製した殺菌用光源の発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルを図6に示した。
実施例3
[透明基板上への金属フッ化物薄膜の形成]
ターゲットとしてBaF粉末を溶融固化したものを用いた他は実施例1と同様にして、石英ガラス基板上にBaF薄膜を製造した。膜厚は100nmであった。
[デバイスの作製]
実施例1と同様にして殺菌用光源を作製した。
[デバイスの発光特性]
印加電圧を1000Vとした他は実施例1と同様にして、作製した殺菌用光源の発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルを図7に示した。
1 電子線源
2 スペーサー
3 陽極
4 金属フッ化物薄膜層
5 透明基板
6 真空容器
7 窓部材
8 レーザー光源
9 ターゲット
10 透明基板
11 殺菌用光源
12 水路

Claims (2)

  1. 透明基板と該透明基板上に形成された金属フッ化物薄膜層とからなる発光基板並びに電子線源を備え、該発光基板の金属フッ化物層に電子線を照射することにより、殺菌に有効な200乃至320nmの波長の深紫外光を含む光を発生させることを特徴とする殺菌用光源。
  2. 金属フッ化物薄膜層が、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、又はプラセオジウム(Pr)を含有する金属フッ化物からなる薄膜層であることを特徴とする請求項1に記載の殺菌用光源。
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