JP5187000B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に係わり、特には活性エネルギー線を照射する半硬化光源を備えたシングルパス方式のインクジェット記録装置であって、エネルギー線硬化反応を使用して多色印刷することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、グラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録装置と、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
一般にインクジェット記録装置には、搬送方向に搬送される記録媒体上において搬送方向に対して直交する走査方向に並んだ複数の吐出口が形成されたラインヘッドからインクを吐出することにより画像記録を行うシングルパス方式と、キャリッジに搭載した記録ヘッドを走査方向に移動させて記録ヘッドの移動中に記録ヘッドの吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うスキャン方式がある。
スキャン方式は、家庭用インクジェット記録装置に特に広く用いられ何回かヘッドを往復させて描画をする方法であるが、一般的に低速で生産性が低い。そこで、産業用途の分野においては、最近は高速で生産性に優れるシングルパス方式が注目を浴びつつある。
しかしながら、上述したようにシングルパス方式は、一回の走査(ヘッドと記録媒体の相対移動)でプリントする方式で、高速で印刷でき生産性に優れるが、そのときの各ノズルから吐出されたインクが、搬送やノズルの精度の影響で印刷後のスジ状の欠陥が画質に大きく影響してくる。
また、今まではシングルパスは1色の印刷で、例えばラベルのモノクロ印刷などが生産されていたが、市場が拡大するにつれて、よりカラフルで高画質な多色印刷が市場から要求されつつある。
しかしシングルパス方式で多色印刷をインクジェットで行う場合は、インクの吐出、その後の定着または固化が間に合わず、そのため異なるインク色間でのインクが混ざったりするという、「滲み」が発生してしまうということがわかってきた。つまりシングルパス方式のインクジェットで多色印刷をするにはスジの発生を抑える為に液滴を広げつつ、しかしスジを消すために液滴を広げすぎることなく滲みの抑制も行うという、相反する性能を制御して高精細な画像を印刷できるように工夫する必要がある。
従来技術として、特許文献1には、スジの発生原因の1つであるインクの凝集を抑えるためにシングルパスの方式で印刷の解像度とインク吸収する受容層媒体に衝突した際のドットのドットサイズと拡散係数とをある関係に規定しインクが凝集しないよう工夫した技術が開示されているが、やはり実質的に非吸収性の記録媒体ではスジが発生し、多色印刷にこれを用いた場合には滲みも大きく発生し役に立たなかった。
インクジェット記録装置は、インクの種類で分類することができ、従来の室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用いる紫外線硬化型インクジェット方式等がある。
これらの中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、専用紙以外にも速乾性・インク吸収性の無い記録媒体に記録できる点で注目されシングルパス方式に広く用いられ始めている。
特許文献2には、これらの利点を用いて活性エネルギ線硬化型インクと活性エネルギ線を照射する半硬化光源を備えたスキャン型のインクジェットの技術が開示されている。この技術では記録ヘッドと前記半硬化光源との距離に基づいて前記記録ヘッドからの液適量を制御することでスジ状の欠陥を低減させるように試みているが、やはり高速でかつ多色印刷のシングルパス方式を組み合わせた場合には、順番に印刷される各インクの間での滲みを抑えることはできず問題であった。
一方、特許文献3には、活性エネルギー線の照射により硬化するインクを記録媒体に吐出するときに、あらかじめ記録媒体上に下塗り液を付与してその後に半硬化させる工程を新たに加えることで、半硬化された下塗り液上のインクの滲みを低減しようとする試みが開示されている。しかし、この方法では、新たに下塗り液を塗布する工程が必要なので生産性に劣る。また、実際の市場では該下塗り液と多種多様の硬化型インクが使用されるのであるが、インクとの相性が悪い場合には、凝集などの化学反応も発生し、下塗り液の処方変更が必要な場合があったし、やはり滲みもすべてでうまく抑制できるわけではなく、市場での生産性を含めた実際の使用には耐えられなかった。
特開2004−114688号公報 特開2007−320120号公報 特開2008−23980号公報
活性エネルギー線の照射により硬化するインクを用いるインクジェット記録装置では、多種多様の記録媒体とインクを用いて画像形成が行われる。
ここで、特に多色の重ね合わせ画像において、インクと記録媒体の種類によって記録媒体上の第1のインクの硬化特性やその上に重ねる第2のインクの乗り方等の特性が異なるために、インクや記録媒体の種類が異なると第2のインクのドットの広がり具合が異なってしまって、スジ状の欠陥や滲みの発生により所望の画像を実現できない場合があった。
本発明の課題は、シングルパス方式で高速での多色印刷する場合において、記録媒体やインクの種類が異なったとしても、スジ状の欠陥の発生を低減しつつ、各色インク間でのインク滲みが少なく画質劣化の少ない良好な画像を高速で記録することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することである。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを前記記録媒体に吐出する複数のフルライン型のインクジェットヘッドを前記搬送方向に配列したヘッド部と、
前記インクジェットヘッド間に配置され、前記搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出されて前記記録媒体上に着弾した第1のインクの上に前記搬送方向の下流側にあるインクジェットヘッドから吐出された第2のインクが着弾する前に、前記第1のインクを半硬化させる活性エネルギー線を照射する半硬化光源と、
前記ヘッド部の下流に配置され、前記記録媒体上に着弾した半硬化状態の前記第1のインク及び前記第2のインクを完全硬化させる光照射を行う完全硬化光源と、
前記記録媒体の識別情報を検出する記録媒体検出手段と、
前記第1のインク及び前記第2のインクの識別情報をそれぞれ検出するインク検出手段と、
前記記録媒体上に、前記活性エネルギー線の照射エネルギー量が各々異なる複数の領域を有する前記第1のインクの画像パターンと、該第1のインクの画像パターン上に前記第2のインクの画像とを形成させた判定プリントを出力する判定プリント出力手段と、
前記第1のインク及び前記第2のインクが完全硬化した前記判定プリントの前記第2のインクの画像のドット半径(R)を測定する判定プリント測定手段と、
前記判定プリント測定手段の測定結果から下記条件式を満足する前記第2のインクの画像のドット半径(R)となる前記活性エネルギー線の1つの照射エネルギー量を、前記判定プリントに使用された複数種類の照射エネルギー量の最小値と最大値の間で選択し、前記判定プリントに用いた前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報と対応づけて格納する照射エネルギー量記憶手段と、
前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出し、読み出した照射エネルギー量を記録時に参照される照射エネルギー量として設定する照射エネルギー量設定手段と、
を備えることを特徴とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
(条件式)
1≦R/r≦0.0013θ −0.1θ+3.8
但し、rは第2のインクの飛翔状態の液滴半径、θは第2のインクの記録媒体の記録面との接触角である。
.前記活性エネルギー線硬化型インクとしてカチオン重合系の紫外線硬化型インクを用い、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録装置。
.前記照射エネルギー量が5mJ/cm〜50mJ/cmの範囲内に設定されていることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録装置。
.前記ヘッド部は、それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを前記記録媒体に吐出する3つ以上のフルライン型のインクジェットヘッドを前記搬送方向に配列したものであり、
前記照射エネルギー量設定手段は、前記記録媒体の識別情報、前記半硬化光源に隣接して前記搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出される第1のインクの識別情報及び半硬化光源に隣接して前記搬送方向の下流側にあるインクジェットヘッドから吐出される第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする前記1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
.前記ヘッド部は、それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを前記記録媒体に吐出する3つ以上のフルライン型のインクジェットヘッドを前記搬送方向に配列したものであり、
前記半硬化光源は、各色の前記インクジェットヘッド間にそれぞれ配置され、
前記照射エネルギー量設定手段は、前記記録媒体の識別情報、各半硬化光源毎に対応する前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする前記1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
.前記記録媒体はインクを実質的に非吸収性の記録媒体であることを特徴とする前記1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
.それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを記録媒体に吐出する複数のフルライン型のインクジェットヘッドを用いて、前記記録媒体上に第1のインクを吐出させた後、前記記録媒体上に着弾した第1のインクを半硬化させる活性エネルギー線を照射し、半硬化した前記第1のインクの上に第2のインクを吐出させて着弾させで画像記録を行った後、半硬化状態の前記第1のインク及び前記第2のインクを完全硬化させるインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体の識別情報を検出する記録媒体検出工程と、
前記第1のインク及び前記第2のインクの識別情報をそれぞれ検出するインク検出工程と、
前記記録媒体上に、前記活性エネルギー線の照射エネルギー量が各々異なる複数の領域を有する前記第1のインクの画像パターンと、該第1のインクの画像パターン上に前記第2のインクの画像とを形成させた判定プリントを出力する判定プリント出力工程と、
前記判定プリントにおける前記第2のインクの画像形成時の該第2のインクの飛翔状態の液滴半径(r)を測定する液滴径測定工程と、
前記第1のインク及び前記第2のインクが完全硬化した前記判定プリントの前記第2のインクの画像のドット半径(R)を測定する判定プリント測定工程と、
前記判定プリント測定工程の測定結果から下記条件式を満足する前記第2のインクの画像のドット半径(R)となる前記活性エネルギー線の1つの照射エネルギー量を、前記判定プリントに使用された複数種類の照射エネルギー量の最小値と最大値の間で選択し、前記判定プリントに用いた前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報と対応づけて照射エネルギー量記憶手段に格納する照射エネルギー量記憶工程と、
記録時に用いる前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出し、読み出した照射エネルギー量を記録時に参照される照射エネルギー量として設定する照射エネルギー量設定工程と、
前記設定された照射エネルギー量で前記画像記録を行う工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
(条件式)
1≦R/r≦0.0013θ −0.1θ+3.8
但し、θは第2のインクの記録媒体の記録面との接触角である。
.前記活性エネルギー線硬化型インクとしてカチオン重合系の紫外線硬化型インクを用い、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする前記に記載のインクジェット記録方法。
.前記照射エネルギー量を5mJ/cm〜50mJ/cmの範囲内に設定することを特徴とする前記7または8に記載のインクジェット記録方法。
10.前記画像記録は、3色以上の活性エネルギー線硬化型インクを用いて行うものであり、
前記照射エネルギー量設定工程は、前記記録媒体の識別情報、前記半硬化の処理の直前に実施される画像記録に用いられる第1のインクの識別情報及び直後に実施される画像記録に用いられる第2のインクの識別情情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする前記の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
11.前記画像記録は、3色以上の活性エネルギー線硬化型インクを用いて行うものであり、
前記半硬化の処理は、各色の前記画像記録間にそれぞれ実施し、
前記照射エネルギー量設定工程は、前記記録媒体の識別情報、各半硬化の処理毎に対応する前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする前記10の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
12.前記記録媒体はインクを実質的に非吸収性の記録媒体であることを特徴とする前記11の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、シングルパス方式で高速での多色印刷する場合であっても、スジ状の欠陥の発生を低減しつつ、各色インク間でのインク滲みが少なく画質劣化の少ない良好な画像を高速で記録することが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の本発明の実施の形態における断定的な説明はベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
<インクジェット記録装置>
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(ヘッド部。以下、ヘッドという。)12Y(イエロー)、12M(マゼンタ)、12C(シアン)、12K(黒)と、各ヘッドに供給する紫外線硬化型インク(いわゆるUVインク)を貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、各ヘッドの下流側にそれぞれ配置された半硬化光源16A、16B、16C、16Dと、最終ヘッド(黒ヘッド12K)後段の半硬化光源16Dの下流に配置された加圧定着部17と、該加圧定着部17の後段に配置された完全硬化光源18と、記録媒体20を供給する給紙部22と、記録媒体20のカールを除去するアンチカール処理部24と、各ヘッド12Y、12M、12C、12Kのノズル面(インク吐出面)及び各半硬化光源16A〜16Dの光出射面に対向して配置され、記録媒体20の平面性を保持しながら記録媒体20を搬送する吸着ベルト搬送部26と、記録済みの記録媒体(プリント物)を外部に排紙する排紙部28とを備えている。
紫外線硬化型インクは、紫外線エネルギーの付与によって硬化(重合化)する成分(モノマー、オリゴマー、又は低分子量ホモポリマー、コポリマーなどの紫外線硬化性成分)と重合開始剤とを含むインクであり、紫外線を受光すると重合を開始し、重合の進行とともに増粘し、やがて硬化する性質を有する。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12Y、12M、12C、12Kに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク14Y、14M、14C、14Kを有し、各タンクは所要の管路30を介して各ヘッド12Y、12M、12C、12Kと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1において、給紙部22の一例として記録媒体がロール状態(連続用紙)のマガジン32が示されているが、紙幅や記録媒体の紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール状のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット状のものが積層装填されたカセットによって供給してもよい。
複数種類の記録媒体を利用可能な構成にした場合、記録媒体の種類等の識別情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類等の識別情報を自動的に判別し、記録媒体の種類等の識別情報に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部22から送り出される記録媒体20はマガジン32に装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、アンチカール処理部24においてマガジン32の巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム34で記録媒体20に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御することもできる。
ロール状で使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター38が設けられており、該カッター38によって記録媒体は所望のサイズにカットされる。カッター38は、記録媒体20の搬送路幅以上の長さを有する固定刃38Aと、該固定刃38Aに沿って移動する丸刃38Bとから構成される。
アンチカール処理後、カットされた記録媒体20は、吸着ベルト搬送部26へと送られる。吸着ベルト搬送部26は、ローラ41、42間に無端状のベルト43が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも各ヘッド12Y、12M、12C、12Kのノズル面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト43は、記録媒体20の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(図示省略)が形成されている。ローラ41、42間に掛け渡されたベルト43の内側には、吸着チャンバなどを設けてファンで吸引して負圧にすることによって記録媒体20がベルト43上に吸着保持されるようにしても良い。
ベルト43が巻かれているローラ41、42の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト43は図1上で反時計回り方向に駆動され、ベルト43上に保持された記録媒体20は図1の矢印で示される搬送方向(副走査方向A)に沿って右から左へと搬送される。搬送速度は、20mm/sec〜1000mm/secが好ましく、本実施形態においては、200mm/secに設定されている。
各ヘッド12Y、12M、12C、12Kは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録媒体20の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体20の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド12Y、12M、12C、12Kは、記録媒体20の送り方向に沿って上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、の色順に配置され、それぞれのヘッド12Y、12M、12C、12Kが記録媒体20の搬送方向と略直交する方向(主走査方向)に沿って延在するように配置される。ヘッド配列順序は、本発明の効果を損なわなければ、硬化感度やインクの透過率を鑑みて、必要に応じて並べてもよい。
吸着ベルト搬送部26により記録媒体20を搬送しつつ各ヘッド12Y、12M、12C、12Kから各色のインクを吐出することにより記録媒体20上にカラー画像を形成し得る。
このように、シングルパス方式のインクジェット記録装置10は、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッドのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)を色別に設ける構成によれば、記録媒体20の搬送方向について記録媒体20をヘッド12Y、12M、12C、12Kに対して相対移動させる動作を1回行うという、シングルパスをするだけで、記録媒体20の全面に画像を記録することができる。
本例では、YMCKの標準色(4色)インクの組み合わせによる構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせは本実施形態には限定されず、色数が2種以上であれば良く、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。
各ヘッドの下流に配置されている半硬化光源16A〜16Dは、ヘッドと同様に記録媒体20の最大紙幅に対応する長さを有し、記録媒体20の搬送方向と略直交する方向に延在するように固定されている。半硬化光源16A〜16Dには、ヘッド部の下流に配置されている完全硬化光源18と比べて発光波長領域の狭いLED素子、或いはLD素子が好適に用いられる。ただし、半硬化光源16A〜16Dや完全硬化光源18の中心波長や発光波長領域は使用されるインクの設計に応じて選択される。
各半硬化光源16は、隣接する2つのヘッド12間にそれぞれ配置され、搬送方向の上流側にある一方のインクジェットヘッドから吐出されて前記記録媒体上に着弾した第1のインクの上に前記搬送方向の下流側にある他方のインクジェットヘッドから吐出された第2のインクが着弾する前に、第1のインクを半硬化させる活性エネルギー線を照射する。
記録媒体20が上流のヘッドを通過して、次のヘッド下に入る前に、半硬化光源16A〜16Cから光を照射して、記録媒体20上のインクを半硬化状態にし、次段の異色ヘッドによる打滴を行うようになっている。
図1の例では、イエローヘッド12Yによる打滴を行い、半硬化光源16Aによる光照射を経てイエローインクを半硬化させてから、マゼンタヘッド12Mによる打滴を行う。同様に、マゼンタヘッド12Mによる打滴後は、半硬化光源16Bによる光照射を経てシアンヘッド12Cによる打滴を行い、その後半硬化光源16Cによる光照射を経て黒ヘッド12Kによる打滴を行う。黒ヘッド12Kによる打滴後は半硬化光源16Dによって光照射を行う。なお、半硬化光源16Dを設けない構成としても良い。
記録媒体20の搬送方向に沿って上流側に存在するヘッドから吐出されたインクは紫外線の照射によって、半硬化して記録媒体20上のインクは半硬化状態を維持することが可能となり、最終の半硬化光源16Dを通過した段階では記録媒体20上のインクは色間の硬化の進行差が小さく平準化された半硬化状態になる。
最終の半硬化光源16Dの後段に設けられた加圧定着部17(平滑化手段)は、表面を剥離性の高い樹脂でコーティングしたローラ45を含んで構成される。該ローラ45は中空構造とし、中心部にハロゲンランプなどのヒータ46を配設し、熱を加えながら記録媒体20の画像面を加圧する構造とする。加圧定着部17によってインク表面を加熱加圧することにより、インク表面の凹凸が平坦化される。また、熱を加えず加圧だけで平滑化可能な場合は、加熱しなくてもよい。なお、多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
加圧定着部17は、加圧圧力を調整できる機構(例えば、バネ負荷によってローラ45の押しつけ力を与える可変する構造)を有し、記録媒体20の厚みやインク量に応じて適切な加圧圧力に制御される。
加圧定着部17の後段には完全硬化光源18が設けられている。完全硬化光源18は、半硬化光源16A〜16Dよりも発光波長域が広く、照射光量が大きいメタルハライドランプや水銀ランプなどを用いる。
加圧定着部17によって平滑化処理が行われた記録媒体20は、完全硬化光源18によってインクを完全に硬化させるに足る光照射が行われ、本定着が行われる。
また、加圧定着部17のローラ45は、図示を省略した移動機構によって記録媒体20と接触しない所定の退避位置へ移動させることができるように構成されている。インク面の平滑化処理を行う場合には、ローラ45を記録媒体20と接触させる所定の位置(平滑化処理位置)に位置させて加圧を行う。一方、インク面の平坦化処理が不要な場合は、ローラ45を退避位置に退避させ、圧力を加えずに完全硬化光源18にて硬化定着させる。これにより、インク表面の凹凸が残ったままの作画も可能である。
なお、加圧定着部17について加圧/非加圧を切り換える手段として、上記した退避機構に代えて、加圧定着部17を取り外し(離脱)可能な構造としてもよい。すなわち、平滑化処理が不要な場合には、当該インクジェット記録装置10から加圧定着部17(又はその一部)を離脱させ、平滑化処理を省略するという態様も可能である。
こうして、完全硬化光源18による完全硬化処理(搬送ハンドリングにおいてもインクこすれ等による画質劣化を起こさない程度に硬化定着させる処理)を経て生成されたプリント物は排紙部28から排出される。なお、図1には示さないが、排紙部28には、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
次に、半硬化光源について説明する。半硬化光源16は、低圧水銀ランプなどを用いて遮光囲い(図示せず)がされた複数の半硬化光源がライン状に並べられて配置されている。
遮光囲いされた半硬化光源の底部には光出射口となるスリット状の開口部(図示せず)などが形成される。各素子の発光量を制御することより、紫外線の照射エリアについて所望の照射範囲及び光量(強度)分布を実現することができる。
この際に、記録媒体20のサイズやヘッド12による打滴範囲及びインク量に応じて半硬化光源の発光位置及び発光量を適切に制御すると共にヘッド12への悪影響(ノズル内インクの硬化など)を極力抑制するようにして必要な発光を行うことができる。
なお、半硬化光源には、紫外線LED、LD(レーザダイオード)、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ブラックライト、熱陰極管、冷陰極管を用いる構成も可能である。
この紫外線硬化型インクを用いて多色画像を形成する際の画質に影響するものとして、例えば記録媒体の種類、記録媒体に先に吐出されている第1のインクの種類、第1のインクの上に吐出される第2のインクの種類等が挙げられる。
第1のインクの半硬化時の照射エネルギー量は、第1のインクが硬化時に受ける被照射エネルギー量であり、この被照射エネルギー量が影響するため、着弾した第1のインクの表面が増粘状態か若しくは半硬化状態となる。増粘程度によって第1のインクの表面エネルギーが変化し、着弾した第1のインクの上に打たれた第2のインクのレベリング挙動が変化するため、第2のインクのドット径が変化する。照射エネルギー量を上げることで、着弾した第1のインクの表面エネルギーが高くなり表面の濡れ性が向上し、着弾した第1のインクの上に打たれた第2のインクは広がりやすくなる。これにより、第1のインク上に着弾した第2のインクは広がることからドット径が増す。このようなドット径の変化により最適条件を外れると滲みやスジ状の欠陥が発生してしまう。
紫外線硬化型インクは、種類(組成)により硬化感度が変化する。硬化感度が変化することで、照射量が一定である場合、第1のインクの種類に応じて、着弾したインクの表面エネルギーが変化する。したがって、表面エネルギーが変化することで、着弾したインクの上から打たれた第2のインクのレベリング挙動が変化するため、第2のインクのドット径が変化する。例えば、紫外線硬化型インクの感度は、重合性化合物の量が多いほど、感度が高くなる。照射量が一定である場合、重合性化合物の量が多いほど、インクの表面エネルギーが高く着弾した第1のインクの表面エネルギーが高くなり表面の濡れ性が向上するため、着弾した第1のインクの上から打たれた第2のインクは広がりやすくなる。すなわち、表面上のインクは広がることから、ドット径が増加する。
また、この第1のインクの半硬化と、第2のインクのドット径(2R)の様子を、第1のインクとして1色目のインクを第2のインクとして2色目のインクを重ねる場合を例に挙げて説明する。図6において、半硬化光源16の照射エネルギー量は(a)が最も小さく(b)、(c)、(d)の順に大きくなっている。図6に示すように、記録媒体に1色目のインクを吐出すると、記録媒体はほとんど浸透しないため、半硬化の程度を変えると、図6に見られるように2色目のインクのもぐり込みと広がり方は驚くべきことに異なり、照射エネルギー量が大きいほどドット径が大きくなる。図6(a)〜(c)では、2色目のインクが記録媒体の記録面まで浸透している。このような状態では、2色目のインクと記録媒体の組み合わせで決まる接触角θが2色目のインクのドット径に影響を及ぼすようになり、接触角θが小さいほどドット径が大きくなる。
このように、1色目のインクがまだ十分硬化しない間に2色目のインクを吐出すると1色目のインクの下側に大きく潜り込み、逆に(d)に示すように硬化させ過ぎた場合は、上に乗りやすく、完全硬化でこの状態に定着することがはじめて判った。
次に、インクジェット記録装置10の制御系について説明する。
図2はインクジェット記録装置の主要部の構成ブロック図である。
システムコントローラ112は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ROM115中のプログラムを実行することでホストコンピュータ130との間の通信制御、画像メモリ114の読み書き制御等を行うとともに、記録媒体20の搬送系のモータ134や加圧定着部17等を制御する制御信号を生成する。
プリント制御部120は、システムコントローラ112の制御に従い、画像メモリ114内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ124に供給する制御部である。プリント制御部120において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ124を介して色別のヘッド12のインク吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。
ヘッドドライバ124はプリント制御部120から与えられるドットデータに基づいて各ヘッド12の吐出駆動用アクチュエータ(図示せず)を駆動する。ヘッドドライバ124にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース110を介して外部から入力され、画像メモリ114に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ114に記憶される。画像メモリ114に蓄えられた画像データは、システムコントローラ112を介してプリント制御部120に送られ、該プリント制御部120において既知のディザ法、誤差拡散法などの手法によりインク色ごとのドットデータに変換される。
こうして、プリント制御部120で生成されたドットデータに基づいて各ヘッド12が駆動制御され、各ヘッド12からインクが吐出される。記録媒体20の搬送速度に同期して各ヘッド12からのインク吐出を制御することにより、記録媒体20上に画像が形成される。
この際に、マルチドロップレットという、一度に、数段階の吐出で吐出液量が可能な方法を用いることで、飛翔時の液滴半径(マルチドロップレットの合体した状態での液滴半径)を制御すると共に、着弾時の半径を予測して制御することが特に好ましい。特に滲みが少なく、スジの少ない高精細な画像をシングルパスでカラー印刷できる。好ましくは、マルチドロップレットとしては、少なくとも3段階以上に液適量が調整できるのが好ましい。
記録媒体認識部としての記録媒体検出部126は、記録媒体20の紙種等の識別情報を検出する手段である。例えば、給紙部22のマガジン32に付されたバーコード等の情報を読み込む手段、用紙搬送路中の適当な場所に配置されたセンサ(反射率を検出するセンサなど)が用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、記録媒体認識部として、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によって紙種等の識別情報を指定する構成も可能である。
インク認識部としてのインク検出部127は、インクの種類等の識別情報を検出する手段である。例えば、インクタンク14に付されたバーコード等の情報を読み込む手段、インクの種類等の識別情報を検出できる適当な場所に配置されたセンサが用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、インク認識部として、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によってインクの種類等の識別情報に関する情報を指定する構成も可能である。
記録媒体検出部126及びインク検出部127により取得された識別情報は照射エネルギー量設定手段129に送られ、システムコントローラ112及び/又はプリント制御部120に通知され、インク吐出制御及び、加圧定着部17、および半硬化光源16A,16B,16C,16Dの制御等に利用される。
光源制御部128は、半硬化光源16の点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯位置、点灯時の発光量等を制御する半硬化光源制御回路と、完全硬化光源18の点灯(ON)/消灯(OFF)並びに点灯時の発光量等を制御する完全硬化光源制御回路と、を含んで構成される。光源制御部128は、プリント制御部120からの指令に従って各光源(16,18)の発光を制御する。この際に、半硬化光源16の照射エネルギー量について、照射強度、もしくは照射時間を可変にして制御することが好ましい。
即ち、半硬化光源16の照射エネルギー量は記録媒体に照射されるエネルギー量であり、半硬化光源16の発光量を変化させることにより照射強度を変化させたり、半硬化光源16の照射時間を変化させることにより照射時間を変化させて照射エネルギー量を制御する。また、照射時間を変化させるには記録媒体の搬送速度を変化させるようにしても良い。実施形態においては、搬送速度は200mm/secで一定とし、半硬化光源16の発光量を変化することにより照射エネルギー量変化させている。記録媒体の搬送速度を変化させるよりも制御が容易である。
更に、記録媒体の特性やインク着弾量の情報を基に加圧定着部17の加圧加熱条件、完全硬化光源18の照射エネルギー量条件を最適とすることにより、安定した定着処理が可能となり、インクの剥離や割れを防止することができる。また、必要であれば完全硬化光源18の後ろにも同様の加圧定着部を設けても構わない。
照射エネルギー量記憶部122に記憶されるデータには、半硬化光源16A、16B、16Cそれぞれについて、画像記録に用いられる記録媒体の識別情報と第1のインクの識別情報と第2のインクの識別情報との組み合わせ毎に対応するように設定された最適の照射エネルギー量のテーブルがある。
照射エネルギー量テーブルは、半硬化光源16A〜16Cに対応するように、各上流側のヘッド12Y〜12Cから吐出される第1のインクを半硬化させるための最適の照射エネルギー量を決定するものである。
テーブルは、実験やシミュレーション等によって記録媒体の種類等の識別情報と第1のインクの種類等の識別情報と第2のインクの種類等の識別情報との組み合わせ毎にそれぞれ設定されている。例えば、イエローインクを半硬化させる半硬化光源16Aであれば、記録媒体の種類と第1のインクであるイエローインクの種類と第2のインクであるマゼンタインクの種類の組み合わせ毎に、照射エネルギー量をそれぞれ異ならせながら、多色画像を記録しそのマゼンタ画像のドット径やスジ、滲みを測定することで、所望の画像となる照射エネルギー量を決定する。同様に、マゼンタインクを半硬化させる半硬化光源16Bであれば、記録媒体の種類と第1のインクであるマゼンタインクの種類と第2のインクであるシアンインクの種類の組み合わせ毎に、照射エネルギー量をそれぞれ異ならせながら、多色画像を記録しそのシアン画像のドット径やスジ、滲みを測定することで、所望の画像となる照射エネルギー量を決定する。
画像のスジや滲みを自動で測定することは容易ではないため、本実施形態においては、各条件で出力した画像のスジや滲みを目視で評価し、評価結果に基づいて、以下の条件式(1)を満足する範囲からドット径を設定し、最適の照射エネルギー量を設定した。
これにより、テストパターン(以下、判定プリントと記す場合がある)の2色目のドット径を自動測定し、ドット径のデータを基に半硬化光源16の照射エネルギー量が調整されることになり、より所定のドット径に近づいたスジ、滲みが少ない画像を記録することが可能となるとともに作業効率が向上する。
本実施形態のインクジェット記録装置は、以下の条件式(1)を満足する範囲内で最適の照射エネルギー量を設定する。
1≦R/r≦0.0013θ−0.1θ+3.8 (1)
ただし、10°≦θ≦40°である。なお、1≦R/rとしているのは、実質的にR/rが1未満になることはないことを意味している。
ここで、Rは2色目のインクの完全硬化後のドット半径、rは2色目のインクの飛翔時の液滴半径、θは2色目のインクと記録媒体の記録面との接触角。
以下に示すインクと記録媒体を用いて、この条件式(1)の範囲内と外の各条件で画像記録を行い、画像評価を行った実験結果について説明する。
<インク>
インクとしてカチオン重合系の紫外線硬化型インクを用いた。粘度はY、M、C、K各色10cp(50℃における測定値)、表面張力は約28dyn/cm(25℃における測定値)であった。
なお、以下の実験結果において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《分散液の調製》
〔分散液Aの調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
PB821(味の素ファインテクノ社製分散剤) 9部
OXT221(東亜合成社製オキセタン化合物) 71部
室温まで冷却した後、これにPigment Black 7(三菱化学社製#52)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液Aを調製した。
〔分散液B〜Dの調製〕
上記分散液Aの調製において、顔料をPigment Black 7に代えて、それぞれPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)、Pigment Red 122(大日精化社製CFR321)、Pigment Yellow 180(大日精化社製CFY313−2)を用いた以外は同様にして、分散液B、分散液C、分散液Dを調製した。
《インクセットの調製》
〔インクセットの調製〕
上記調製した分散液A〜D(カチオン重合性化合物)を用いて、表1に記載の構成からなるインクK、C、M及びYを調製し、これをインクセットとした。
Figure 0005187000
なお、上記表1に記載の数値は、質量部を表す。
また、表1に略称で記載の化合物の詳細は、以下の通りである。
〈カチオン重合性化合物〉
2021P:セロキザイド2021P(脂環式エポキシ化合物、二官能、ダイセル化学工業社製)
OXT212:単官能オキセタン化合物、東亞合成社製
OXT221:二官能オキセタン化合物、東亞合成社製
〈変性シリコーンオイル〉
SDX−1843:変性シリコーンオイルSDX−1843、旭電化工業社製
〈光重合開始剤〉
I−907:イルガキュア907 チバ・ジャパン(株)社製
UVI6992:トリアリールスルホニウム塩、UVI6992、ダウケミカル社製
〈増感剤〉
CPTX:1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン
AHC:3−アセチル−7−ヒドロキシクマリン
<記録媒体>
記録媒体としては、接触角θが12,20,35°の3種を用いた。また、Y、M、C、Kの各インクは、同じ接触角になるように、表面張力調整剤を使用して調整した。
なお、接触角θの測定は、市販されている自動接触角計(協和界面科学DM300)を用いた。
<インクジェットヘッド>
ヘッドはシェアモードタイプのヘッド(AL=3μsec、ノズルピッチ:180dpi、ノズル数:256、ノズルテーパー角6度、ノズル直径26μm、インク滴量:7pl)を各色で4つ用意した。各ヘッドのノズル列が、相互に1/4ピッチずらされ、千鳥状に配置するように貼り合わせ各ヘッドのそれぞれが180dpiのヘッドであるので、ノズルのピッチを互いに1/4ずらせることで、720dpiの記録ヘッドを作製した。評価はDRR駆動波形を用い3Cycle駆動で駆動周期22KHzで射出した。
<インクジェット記録装置>
上記シェアモードタイプのヘッドを備えた図1に記載の構成からなるシングルパス方式のインクジェット記録装置に、上記インクを装填し、搬送速度200mm/secで搬送される上記各記録媒体へ、インクを吐出し画像形成した。
硬化用のエネルギー照射としては、半硬化用の半硬化光源16A〜16Dに低圧水銀灯、完全硬化用の光源18に高圧水銀灯を用いた。
《画像形成と評価》
以下、前記条件式(1)を満足する範囲内のものを実施例、範囲外のものを比較例とする。
(実施例1〜13、比較例1〜6)
下記に示すように形成した各画像について、下記に示す各評価を行った。
〔スジ〕
まず、Cインクのベタ画像を720dpiで直接に上記3種の記録媒体に印刷し、それを半硬化光源16Cで照射エネルギー量を10mJ〜1000mJ/cmの範囲で変化させて半硬化させ、その後にKインクでベタ画像を印刷した後に定着、完全硬化をしてC+Kの2色重ねのベタ画像を作成し、K画像の筋の有無を調べた。
判断基準は以下の通りである。△でも実用上問題ないが○が好ましい。
○:発生比率が5%未満
△:発生比率が5〜10%
×:発生比率が10%を超え評価不可
<滲み>
まず、Cインクのベタ画像を720dpiで直接に上記3種の記録媒体に印刷し、それを半硬化光源16Cで照射エネルギー量を10mJ〜1000mJ/cmの範囲で変化させて半硬化させ、その後にKインクで文字、線を印刷した後に定着、完全硬化をして画像を作成し、滲みの有無を目視評価した。
なお、判断基準は以下の通りである。△でも実用上問題ないが○が好ましい。
○:発生比率が5%未満
△:発生比率が5〜10%
×:発生比率が10%を超え評価不可
<総合評価>
本発明の趣旨から以下の滲み、スジの両立性を評価した。
なお、判断基準は以下の通りである。△でも実用上問題ないが○以上が好ましい。
◎:滲み、スジどちらも○以上
○:どちらかが△で、片方が○
△:両方△
×:×がひとつある
なお、rは高速ビデオで、Rは顕微鏡で観察し測定した
(実施例14)
記録媒体との接触角θを20°に調整したインクを用い、判定プリントを印刷した後に、Rとrを測定させ、制御部に目標のR/r=1.76と設定して自動で制御した。
まず、実施例2のインクと記録媒体を用いて、判定用プリントを印刷し、それを自動で判定プリント測定部200Aの高速ビデオカメラで撮影し、一方rはKのインクで液滴径測定部200Bの高速ビデオカメラで測定しR,rの比を算出した。そして自動的に半硬化の照射エネルギー量を10mJ/cmを設定し、同様の評価を行った。
(実施例15)
判定用プリントを印刷し、それをスキャナーで読み取って、Rを測定する以外は実施例14と同様に行った。
以上により得られた結果を、表2、図3、図9に示す。
図3の接触角θとR/rとの相関図において○、●、△は実施例1〜9、×は比較例1〜3のデータをそれぞれ示しており、添え字は実施例、比較例の番号に対応している。
同様に図9の接触角θとR/rとの相関図において△は実施例7〜9、○は実施例14,15のデータをそれぞれ示しており、添え字は実施例の番号に対応している。
Figure 0005187000
表2より明らかなように、条件式(1)を満足するように半硬化光源の照射エネルギー量を設定することにより、スジ・滲みによる画質劣化の少ない良好な印字品質・画質を得ることができ、極めて優れた結果が得られた。
自動で照射エネルギー量の設定を行った実施例14,15についても問題なく本発明の効果を確認できた。
なお、Y+M、M+Cなど他の色の組み合わせについても同様の評価を行ったが、スジ・滲みについての相違はなく、本発明の効果を確認できた。
これらの実験結果より、前記条件式(1)を満足するように、記録媒体の識別情報、第1のインクの識別情報及び第2のインクの識別情報の少なくとも1つに基づいて記録時に参照される活性エネルギー線の照射エネルギー量を設定すれば、シングルパス方式で高速での多色印刷する場合において、記録媒体やインクの種類異なったとしてもスジ状の欠陥の発生を低減しつつ、各色インク間でのインク滲みが少なく画質劣化の少ない良好な画像を高速で記録することが可能となることがわかった。
以下の条件式(2)を満足することが好ましく、
1≦R/r≦0.0013θ−0.1θ+3.6 (2)
以下の条件式(3)を満足することがより好ましい。
0.0013θ−0.1θ+3.1≦R/r (3)
接触角θは、前述のように10°以上40°以下であるが、10°以上30°以下がより好ましい。
2色目のインクと記録媒体の記録面との接触角θは、記録媒体上の、かつインクが未硬化の状態での静的な接触角をいう。公知の接触角計などを用いて測定できる。
ヘッドのノズルから射出した飛翔状態での液滴の半径rは直接に飛翔状態をヘッドの近傍に配置された液滴径測定部200Bで観察して、その球形の液滴の半径を画像処理によって算出できる。
本実施形態では液滴径測定部200Bとして高速ビデオカメラを用いて図4に示す液滴101の飛翔状態においてストロボ同期により画像を得て、ほぼ真円に近い時点(図4のA)で測定し、その楕円体の半径r1、r2を平均した値を用いた。
Rとは、あらかじめ記録媒体上に1色目のインクを所定の解像度で一面に印刷した画像パターン(いわゆるベタ)を適宜、照射エネルギー量を変えて半硬化状態にした所に2色目のインク滴を印刷し、その後、完全硬化するエネルギーを与えて完全硬化させた後に2色目のインクドットの半径を判定プリント測定部200Aで測定して得られた値で、加圧などをしない値である。完全硬化とは形成した画像中の重合性化合物の反応率を測定し70%以上であれば構わず、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR、例えば、島津製作所社製のIR Prestinge−21、IRAffinity−1等)などで測定することもできる。照射エネルギー量でいえば150mJ/cm以上で十分であるといえる。逆に半硬化とは、反応率を測定し50%以下の状態を意味する。
本実施形態では判定プリント測定部200Aとして高速ビデオカメラを用いて撮影し、その画像から測定データを得る。なお、公知の顕微鏡観察や、高倍率のルーペを用いて人手により測定しても良い。また、更には自動で判定プリントを市販のスキャナーで画像を取り込んでその画像から測定データを得てもよい。
rは、20μm以下が好ましい。R/rが小さすぎると、滲みがすくないがスジが出やすくなるし、大きいと着弾時の最大液滴半径が大きくなり、やはり液滴同士の液寄りそしてその後の後退と移動で線幅がきれいに描画できなくなり好ましくない。
Rは、1色目と2色目のインクの粘度、密度、表面張力のバランスを調整することで調整できる。しかし、特に精度よく制御でき大きく影響する因子としては、2色目のインクを着弾させる直前に堆積している1色目のインクの照射エネルギーによる硬化度と粘度の増大などが大きく影響する。
2色目の画像の記録媒体搬送方向に略直交する方向の解像度をX(dpi:dot/inch、1インチ当たりのドット数)としたときに、R(mm)≦1.4(25.4/X)が好ましい。さらに好ましくは0.8d〜1.2dである。小さいとやはり、位置の点からスジ状が出やすくなる傾向があり1.4を越えると滲みが起き易くなってくる。
また、システムとしては記録媒体の種類がさまざまで、その記録媒体にそれぞれ特性が異なることがあり得る。また、Y,M,C,Kインクを印刷する場合では粘度、密度、表面張力なども色々な組み合わせによるバランスが考えられる。
一方、インクジェットヘッドのノズルから吐出できるインクの粘度範囲が限られることを鑑みると、実際にはある程度インクの物性を調整しておき、後は主として硬化反応インクを用いた利点を最大限に生かし、1色目のインクを半硬化させる度合いを適宜調整することで現実的で一番重要である。
条件式(1)を満足するようにR/rを調整するには、インク内の硬化反応成分の量、種類、および成分比を変えることで調整できるし、前述の方法により半硬化光源での照射エネルギー量を調整することで達成することができる。
照射エネルギー量は、条件式(1)を満足するように、1色目のインクに照射エネルギー量を変えることで決定することができる。滲みと混色防止を両立する観点から好ましくは5mJ/cm〜50mJ/cmである。
また、記録媒体20の搬送方向に沿って上流側に存在するヘッド12から吐出されたインク程、半硬化光源16を通過する回数が多くなる。例えば、記録媒体上に印字される1色目+2色目の組み合わせとして、Y+M、M+C、C+Kでは1回、Y+C、M+Kは2回、Y+Kは3回という具合である。
このように、複数回半硬化光源16によって照射を受けても所望の半硬化状態を維持し、条件式(1)を満たすように照射エネルギー量を調整することが好ましい。
次に判定プリントについて述べる。Rは、記録媒体に1色目のインクをベタ印刷を行った後に、照射する紫外線の照射エネルギーを複数段階変化させた画像パターン上に、2色目のインクを印刷した判定用のプリントから測定して得られたRのデータを用いる。
Rを求めるときの記録媒体は、印刷しようとする記録媒体を示す。特に好ましくは、Rを判定プリントから測定する場合は、自動的に測定し、その後、R/rが条件式(1)を満足するように最適の照射エネルギー量を算出して制御することである。
判定プリントの測定は、前述のように判定プリント測定部200Aで行われる。
図5(a)〜(c)にRの判定パターンの例を示す。R判定パターンとしては、図5の(c)の4つが、Yインクをベタ印刷し、その後に、半硬化光源16Aでそれぞれ発光量を変化させることで半硬化の照射エネルギーを5,10,50,100mJ/cmと変化させて、それぞれにM,C,Kインクを半分の解像度でドット径が計りやすいように印刷し、その後に完全硬化光源18にて完全硬化させたパターンである。同様に(b)の場合は、MインクにY,C,Kを印刷、更に(a)の場合はCインクにY,M,Kインクを印刷したパターンである。
本発明では、このほかの色々なパターン、照射エネルギー量の組み合わせを考えることができるし、3色に限定されない。重要なのは、順番通りに1色目ベタ、2色目のドットを印刷し、このときドットが重ならないようにしてRを測定できる間隔でパターンを印刷することである。本実施形態では、判定プリントを隣り合った各ヘッド(12Yと12M、12Mと12C、12Cと12K)を使用して、Yのベタ印字後半硬化光源16Aで半硬化処理しMのドットを印字して完全硬化するパターン、Mのベタ印字後半硬化光源16Bで半硬化処理しCのドットを印字して完全硬化するパターン、Cのベタ印字後16Cで半硬化処理しKのドットを印字して完全硬化するパターンの3種のパターンの判定プリントを作成し、半硬化光源16A、16B、16Cの各々の照射エネルギー量を設定する。
これにより、記録媒体の識別情報、半硬化光源に隣接して搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出される第1のインクの識別情報及び半硬化光源に隣接して搬送方向の下流側にあるインクジェットヘッドから吐出される第2のインクの識別情報に基づいて各半硬化光源の照射エネルギー量を設定することが可能になり、複数の半硬化光源の照射エネルギー量を設定を間便に行うことができる。
判定プリント出力手段148は、図5に示したような判定パターンのデータを生成し、あるいは所定のメモリから呼び出してヘッドドライバ124を通じて判定パターンのデータを各ヘッド12Y、12C、12M、12Kへ送り、判定プリントとして出力するものである。
出力された図5の判定プリントは前述のように判定プリント測定部200Aによって濃度測定される。測定結果は、液滴径測定部200Bにより測定されたrの測定結果と対応させて照射エネルギー量設定手段129に送られるようになっている。
そして、照射エネルギー量設定手段129は、予め記録媒体とインクで測定されて記録媒体とインクの組み合わせに対応させて記憶されている接触角θのデータとこの計算したR/rとに基づいて、R/rが条件式(1)を満足するように半硬化光源16の照射エネルギー量を設定し、記録媒体の識別情報と1色目のインクの識別情報と2色目のインクの識別情報との組み合わせと対応させて最適照射エネルギー量を記憶する照射エネルギー量記憶部122に記憶させるとともに、プリント制御部120に送る。プリント制御部120は、送られた照射エネルギー量の設定値に基づいて、対応する半硬化光源16の発光量となるように光源制御部128に指示を送り、制御する。
このように、照射エネルギー量記憶部122は、記録媒体別、インク別に最適な照射エネルギー量を設定し、この照射エネルギー量を記録媒体検出部126及びインク検出部127から送られた記録媒体20の種類等の識別情報及びインクの種類等の識別情報と対応付けて記憶しておくことができる。
前記(1)を満足する範囲でR/rの目標値を設定すると、照射エネルギー量とrを一定とした場合、基本的には、記録媒体と2色目のインクの接触角θが相対的に小さいほど、1色目のインクの硬化感度が高いほどRが大きくなる傾向にあるためこのような記録媒体とインクの組み合わせにおいて相対的に照射エネルギー量を小さく設定するようなテーブルが記憶される。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置10の作用について図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、図7のステップS100において、インクジェット記録装置10に記録媒体20を供給するための給紙部22を装填する。前述したように、給紙部22では装填されている記録媒体20の種の等の識別情報を読み取る。記録媒体検出部126で読み取られた識別情報は、照射エネルギー量設定手段129に送られる。一方で、インク検出部127によりインクの種類が検出され、検出されたインク種等の識別情報は同様に照射エネルギー量設定手段129に送られる。
次のステップS110において、照射エネルギー量設定手段129は、送られた媒体種識別情報に対応する最適照射エネルギー量がすでに設定され、照射エネルギー量記憶手段122に記憶されているか否か判断する。その媒体種等の識別情報に対応する最適な照射エネルギー量が存在する場合には、ステップS120へ進み、照射エネルギー量記憶手段122内に記憶されている、その最適照射エネルギー量を呼び出して、プリント制御部120に送る。プリント制御部120は、最適照射エネルギー量に対応する発光量となるように、光源制御部128を通じてそれぞれの半硬化光源16A,16B,16Cに設定する。
このように、前記照射エネルギー量設定手段は、前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する前記照射エネルギー量を
前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報と前記照射エネルギー量を対応させて格納する照射エネルギー量記憶手段から読み出し、読み出した照射エネルギー量を記録時に参照される前記照射エネルギー量として設定することにより照射エネルギー量設定の信頼性を向上できる。
一方、検出された媒体種等に対応する最適な照射エネルギー量が存在しない場合には、最適な照射エネルギー量を設定するための判定パターンを作成するためにステップS130に進む。
ステップS130においては、プリント制御部120は、判定プリント出力手段148から判定プリントデータを読み出し、隣り合った各ヘッド(12Yと12M、12Mと12C、12Cと12K)を使用して半硬化光源16の発光量を変えることで照射エネルギー量を複数段階変えて各画像を出力し判定プリントの画像記録を実行する。この際、照射エネルギー量設定手段129は、液滴径測定部200Bを制御して、2色目となるM、C、Kの各ヘッドのノズルから射出した液滴の飛翔状態での半径rは直接に飛翔状態を液滴径測定部200Bの高速ビデオカメラで観察させて、その球形の液滴の半径rを画像処理によって算出させる。測定結果は、インクの色毎にrと照射エネルギー量とを対応づけて照射エネルギー量設定手段129に送られる。
次に、ステップS140において、照射エネルギー量設定手段129は、判定プリント測定部200Aを制御して、判定プリント測定部200Aの高速ビデオカメラで判定プリントの各プリントを上から撮影させ、その画像を処理することで2色目の画像のドット半径Rを測定する。測定結果は、インクの色毎にRと照射エネルギー量とを対応づけて照射エネルギー量設定手段129に送られる。
次にステップS150では、照射エネルギー量設定手段129は図8に示すような相関関係データを構築すると共に、予め記録媒体とインクで測定されて記録媒体とインクの組み合わせに対応させて記憶されている接触角θのデータに基づいて条件式(1)を満足するR/rの範囲からR/rの目標値を設定する。例えば、R/rが1.76を目標とした場合は、10(mJ/cm)の照射エネルギー量が必要であると算出する。測定した相関関係データは、必要に応じて積算されて精度をあげていくこともできる。
また、各色インク間で図8の相関関係データを揃えるようにすることが、半硬化光源16A〜16Cの照射エネルギーを揃えることができる観点から好ましい。前述のような複数回照射された場合にも条件式(1)を満たすように制御することが容易になる。また、同様な理由により照射エネルギー量の設定はR/rの下限である1〜2の範囲内に設定することが好ましい。図8は後述する実施例13,14に対応するデータを示しており、例えば図8で照射エネルギー量を10に設定することで3回の照射により3倍の照射エネルギー量を受けてもR/rの上限である2.32を超えることはなく条件式(1)を満足することができる。
次にステップS160において、照射エネルギー量設定手段は、これらの最適照射エネルギー量を判定プリントに用いた前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報と対応づけて前記照射エネルギー量記憶手段に格納するとともに、データをプリント制御部120に送る。プリント制御部120は、送られた照射エネルギー量の設定値に対応する半硬化光源16の発光量を求め、光源制御部128を通じてそれぞれの半硬化光源16A,16B,16Cに設定する。
このように、前記照射エネルギー量設定手段は判定プリントに使用された複数種類の照射エネルギー量の最小値と最大値の間で記録時に参照される1つの照射エネルギー量を選択し、判定プリントに用いた前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報の少なくとも1つと対応づけて前記照射エネルギー量記憶手段に格納することにより、以降の画像記録においてこの設定値をそのまま利用できるので照射エネルギー量設定の作業効率を向上できる。
次にステップS170において、これらの最適照射エネルギー量を用いて画像記録(プリント)が行われる。また、ステップS110において、最適照射エネルギー量が存在するとしてステップS120でこの最適照射エネルギー量を設定した場合も、ステップS170でプリントが行われる。ただし、大きく条件がはずれていたり、N数を稼ぐという条件分岐を設定していた場合は、S120で、この最適照射エネルギー量を設定した後にS130の判定プリントを再度行うようにすることもできる。
これにより、テストパターンの2色目のドット径を基に半硬化光源16の照射エネルギー量が調整されることになり、より所定のドット径に近づいたスジ、滲みが少ない画像を記録することが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、画像記録時において記録媒体の識別情報と第1のインクの識別情報と第2のインクの識別情報に基づいて、半硬化光源の照射エネルギー量を設定するので、所望の画像となるように決定された照射エネルギー量により半硬化された第1のインクの上に第2のインクが重ね合わされて多色画像が記録される。これにより記録媒体やインクの種類による第2のインクの広がりの異なりが抑制されて、すじ状の欠陥や滲みの少ない所望の多色画像を記録することができる。特に、識別情報に基づいて設定することにより照射エネルギー量設定の信頼性を向上できる。
なお、照射エネルギー量設定手段は、前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報の少なくとも1つに基づいて記録時に参照される前記活性エネルギー線の照射エネルギー量を設定すればよい。例えば、例えば、図1において1種類のYMCKのインクセットに対して複数種類の記録媒体を用いて記録する場合は、記録媒体の識別情報に基づいて記録時に参照される前記活性エネルギー線の照射エネルギー量を設定すればよい。この場合、照射エネルギー量記憶手段には、記録媒体の識別情報と各半硬化光源の照射エネルギー量とを対応づけて格納する。
表3は、1種類のYMCKのインクセットに対して、接触角が12°、20°、35°の3種類の記録媒体を用いて記録する場合の、最適照射エネルギー量の値が示されたテーブルの一例を示している。照射エネルギー量記憶手段には、3種の記録媒体の識別情報と各半硬化光源の照射エネルギー量とを対応づけて格納される。
Figure 0005187000
表3より、接触角12°の記録媒体に画像記録をする場合には、半硬化光源16A、16B、16Cの照射エネルギー量をそれぞれ46、50,58mJ/cmに設定され、接触角20°の記録媒体に画像記録をする場合には、半硬化光源16A、16B、16Cの照射エネルギー量をそれぞれ52、58,64mJ/cmに設定され、接触角35°の記録媒体に画像記録をする場合には、半硬化光源16A、16B、16Cの照射エネルギー量をそれぞれ59、68,74mJ/cmに設定される。これらの照射エネルギー量はいずれも前記条件式(1)を満足するように設定されている。
《複数の活性エネルギー線硬化性インク》
次に、本発明に係る活性エネルギー線硬化性インクについて説明する。
本発明に係る複数の活性エネルギー線硬化性インク(以下、単にインクともいう)は、色相の異なる2種以上のインクからなるインクセットを構成し、かつ少なくとも1種のインクが含有する光重合開始剤群の構成が、他のインクの光重合開始剤群の構成と異なることを特徴とする。
本発明に係るインクセットを構成するインクとしては、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクから選ばれる少なくとも2種であることが好ましく、更にはイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクの4種を含むことが好ましい。また、必要に応じて、本発明に係るインクセットでは、淡色インク(例えば、ライトマゼンタインク、ライトシアンインク、ライトブラックインク等)や白色顔料を用いたホワイトインク等を加えた構成であっても良い。
本発明に係る各活性エネルギー線硬化性インクは、主には、活性エネルギー線重合性化合物(以下、単に重合性化合物ともいう)、光重合開始剤群の構成化合物及び色材から構成される。本発明でいう光重合開始剤群の構成とは、単一の光重合開始剤、複数種の光重合開始剤、光重合開始剤と増感剤との組み合わせ及び光重合開始剤と増感剤と開始助剤との組み合わせをいい、これらの光重合開始剤群の構成が、少なくとも2種のインク間で異なることを特徴とするものである。
〔活性エネルギー線重合性化合物〕
本発明に係る活性エネルギー線硬化性インクに適用可能な活性エネルギー線重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物を挙げることができる。特に、カチオン重合系の紫外線硬化型インクはラジカル重合系の紫外線硬化型インクに比べて、半硬化状態となる活性エネルギー線の照射エネルギー量の範囲が広く、照射エネルギー量の設定が容易になるため好ましい。
(ラジカル重合性化合物)
本発明に適用可能なラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリンエポキシアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編,「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編,「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」,79頁,(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著,「ポリエステル樹脂ハンドブック」,(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
(カチオン重合性化合物)
本発明に適用可能なカチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合により高分子化することができるエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等を挙げることができる。
本発明で用いることのできるエポキシ化合物としては、例えば、特開2001−220526号、特開2002−188025号、特開2002−317139号、特開2003−55449号、特開2003−73481号公報等に記載の公知のあらゆるエポキシ化合物を用いることができ、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記重合性化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、インク色材による遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
〔光重合開始剤群の構成〕
本発明にかかる光重合開始剤群を構成する添加剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、開始助剤、増感剤等が包含される。これらの光重合開始剤群のインク中への添加量はインク全体の1〜10質量部が必要となる。
本発明にかかる光重合開始剤群は公知の様々な化合物を使用することができるが、上記重合性化合物に溶解するものから選択する。
(光重合開始剤)
〈ラジカル重合開始剤〉
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、同61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び同61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号及び同47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、同37−13109号、同38−18015号、同45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307ページ(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、同126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174ページ(1986年)に記載の金属アレン錯体、特開平4−213861号及び同4−255347号の各公報に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordinantion Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277ページ(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
〈カチオン重合開始剤〉
本発明に係る活性エネルギー線硬化性インクにおいては、カチオン重合性化合物と共に、光重合開始剤としてカチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
カチオン重合開始剤としては、具体的には光酸発生剤等を挙げることができ、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
Figure 0005187000
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を以下に例示する。
Figure 0005187000
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 0005187000
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 0005187000
(増感剤)
本発明に係る活性エネルギー線硬化性インクにおいては、300nmよりも長波長に紫外線スペクトル吸収を有する増感剤を用いることが好ましく、例えば、置換基として水酸基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基またはアルコキシ基を少なくとも1つ有する多環芳香族化合物、カルバゾール誘導体、チオキサントン誘導体等を挙げることができる。
本発明で用いることのできる多環芳香族化合物としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体が好ましい。置換基であるアルコキシ基としては、炭素数1〜18のものが好ましく、特に炭素数1〜8のものが好ましい。アラルキルオキシ基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、特に炭素数7〜8のベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基が好ましい。
本発明に用いることのできるこれらの増感剤を例示すると、カルバゾール、N−エチルカルバゾール、N−ビニルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、1−ステアリルオキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、2−ドデシルオキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、グリシジル−1−ナフチルエーテル、2−(2−ナフトキシ)エチルビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレン、1,1′−チオビス(2−ナフトール)、1,1′−ビ−2−ナフトール、1,5−ナフチルジグリシジルエーテル、2,7−ジ(2−ビニルオキシエチル)ナフチルエーテル、4−メトキシ−1−ナフトール、ESN−175(新日鉄化学社製のエポキシ樹脂)またはそのシリーズ、ナフトール誘導体とホルマリンとの縮合体等のナフタレン誘導体、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−メトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9−エトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、9−イソプロポキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、9−ベンジルオキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、9−(α−メチルベンジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−カルボキシエトキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体、1,4−ジメトキシクリセン、1,4−ジエトキシクリセン、1,4−ジプロポキシクリセン、1,4−ジベンジルオキシクリセン、1,4−ジ−α−メチルベンジルオキシクリセン等のクリセン誘導体、9−ヒドロキシフェナントレン、9,10−ジメトキシフェナントレン、9,10−ジエトキシフェナントレン等のフェナントレン誘導体等を挙げることができる。これら誘導体の中でも、特に、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、チオキサントン誘導体としては、例えば、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン2−クロロチオキサントン等を挙げることができる。
(開始助剤)
開始助剤とは、光照射により、電子供与、電子吸引、熱の発生等により開始剤にエネルギーを供与して、開始剤のラジカルまたは酸の発生効率を向上させる増感色素として作用する物質であり、開始剤と組み合わせて適用される。
開始助剤としては、例えば、キサンテン、チオキサントン色素、ケトクマリン、チオキサンテン色素、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が適用できる。
また、開始助剤としては、上述の化合物の他、「高分子添加剤の開発技術」(シーエムシー出版、大勝靖一監修)等の文献で増感色素として作用することが周知になっている物質を適用することとしてもよい。なお、開始助剤は光重合開始剤の一部をなす構成要素とみなすこともできる。
これらの光開始剤に加え、光重合(硬化)反応を促進するため促進助剤を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
ラジカル重合性組成物に適用されるラジカル重合開始剤と開始助剤との組み合わせの例としては、ラジカル重合開始剤である過酸エステルと開始助剤であるキサンテン、チオキサントン色素、ケトクマリン、チオピリリウム塩との組み合わせ、ラジカル重合開始剤であるジフェニルヨードニウム塩等のオニウム塩と開始助剤であるチオキサンテン色素との組み合わせ等が周知となっている。
また、ラジカル重合開始剤としてチタノセン類を適用する場合には、チタノセン類をレーザ又はLEDに対応して可視光線から近赤外線まで波長増感させる開始助剤として、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が適用できる。
チタノセンと組み合わせて用いる開始助剤としては、更に欧州特許568,993号、米国特許4,508,811号、同5,227,227号、特開2001−125255号、特開平11−271969号等に記載の化合物も適用可能である。このようなチタノセン類のラジカル重合開始剤と開始助剤との組合せの具体例としては、特開2001−125255号、特開平11−271969号に記載のある組合せが挙げられる。
〔色材〕
本発明に係る活性エネルギー線硬化性インクに用いる色材は、顔料あるいは染料を用いることができる。画像の耐候性の観点から、顔料を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,150,151,154,180,185、
C.I.Pigment Red 5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202、
C.I.Pigment Violet 19,23、
C.I.Pigment Blue 1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60、
C.I.Pigment Green 7,36、
C.I.Pigment White 6,18,21、
C.I.Pigment Black 7。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.2μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至30質量%であることが好ましい。白以外のインクにおいては1質量%乃至10質量%が更に好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明に係るインクには、保存性を高める観点から、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。本発明に係るインクは40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
25℃における粘度は、着弾後の液滴の定着のしやすさから25mPa・s以上500mPa・s以下が好ましく、吐出時の駆動電圧、安定性から吐出時の粘度は8mPa・s以上20mPa・s以下が好ましい。インクの自由表面張力は30mN/m以下が着弾後の後退が少なく線の輪郭の描画性が良く好ましい。
記録媒体との接触角は、液寄りによる着弾後の後退が少なく線の輪郭の描画性が良く、かつ記録媒体での定着しやすさから、前述のように10〜30°が好ましい。
本実施形態においては、紫外線を照射することにより硬化するインクを用いて画像記録を行うものとしたが、インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波といった紫外線以外の活性化エネルギー線を照射することにより硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の活性化エネルギー線で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の活性化エネルギー線で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の活性化エネルギー線で硬化する光硬化性のインクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その活性化エネルギー線を照射する光源を適用する。
また、インクジェットヘッド12のインク滴の吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等を具体的な例として挙げることができる。本発明はいずれの吐出方式であってもよいが、特開2004−122760号に記載されているようなシェアモード型が特に好ましい。駆動波形としては圧力室の容積を膨張させて所定時間保持した後に元に戻し、引き続いて容積を収縮させて所定時間保持した後に元に戻す、所謂DRR駆動法が好ましい。
次に、本実施形態に用いられる「記録媒体」について説明する。
本実施形態に用いられる記録媒体としては、通常のインクジェット記録装置に適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。さらに、本実施形態に用いられる記録媒体として、樹脂により記録面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
また、本発明の構成上、特にその効果が顕著に発揮される「インクを実質的に非吸収性の記録媒体」の目安としては、下記の2つの基準:
1)記録媒体への深さにインクの2μmより深い浸透がないこと、
2)記録媒体の表面に噴射された50pLの小滴の20%より多くが記録媒体中に5秒内に消失しないこと、
の少なくとも1つを満足する場合を意味する。記録媒体が上記基準のいずれか又は両方の中に含まれるかどうかを決定するために、当業者は標準分析法を使用することができる。例えば、記録媒体表面にインクを噴射した後、記録媒体の切片を採取しそして透過型電子顕微鏡により検査して、インクの浸透深さが2μmより大きいかどうか、消失していないかを決定することができる。このように適当な分析法を適宜とることができる。
次に、本実施形態に用いられるインクを実質的に非吸水性の記録媒体の例としては、アート紙、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、ガラス、金属、陶器及び表面加工済みの木材等が挙げられる。また本発明においては、機能付加の目的で、これら材質を複数組み合わせて複合化した記録媒体も使用できる。実質的に記録媒体の印刷表面から下側に浸透していくインク量が少ないものを言い、市場で一般的にUV硬化インクを印刷するような支持体も含む。
前記合成樹脂としては、いかなる合成樹脂や印刷用に加工された樹脂フィルムも使用可能であるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、セルロイド等が挙げられる。合成樹脂を用いた場合の被記録媒体の厚みや形状としては、特に限定されるものではなく、フィルム状、ラベル状、カード状、ブロック状のいずれの形状でもよく、また透明又は不透明のいずれであってもよい。
前記合成樹脂の使用形態としては、いわゆる軟包装に用いられるフィルム状にして用いることも好ましく、各種非吸収性のプラスチックス及びそのフィルムを用いることができる。プラスチックスフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、PNyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム、PPフィルム等が挙げられる。その他プラスチックスとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などを使用できる。
前記樹脂コート紙としては、例えば、透明ポリエステルフィルム、不透明ポリエステルフィルム、不透明ポリオレフィン樹脂フィルム及び紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体等が挙げられる。特に好ましいのは、紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体である。また合成紙系でいえばユポ、ピーチコート、カレル、オーバー紙なども当たる。
前記金属としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム、鉄、金、銀、銅、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、シリコン、鉛、亜鉛等及びステンレス等、並びにこれらの複合材料が好適である。
また更に、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスク等を用いることも可能であり、レーベル面側にインクジェット記録することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。 インクジェット記録装置の主制御構成を表すブロック図である。 接触角θとR/rとの相関図である。 rを測定する際のインク滴の飛翔状態を示す模式図である。 Rの判定パターンの例を示す図である。 インクの半硬化とRの関係を説明するための模式図である。 インクジェット記録装置の動作の一例を示したフローチャートである。 照射エネルギー量とR/rの相関図である。 接触角θとR/rとの相関図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置
12Y、12C、12M、12K ヘッド
14 インク貯蔵/装填部
16,16A、16B、16C,16D 半硬化光源
17 加圧定着部
18 完全硬化光源
20 記録媒体
22 給紙部
26 吸着ベルト搬送部
32 マガジン
45 ローラ
46 ヒータ

Claims (12)

  1. 記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
    それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを前記記録媒体に吐出する複数のフルライン型のインクジェットヘッドを前記搬送方向に配列したヘッド部と、
    前記インクジェットヘッド間に配置され、前記搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出されて前記記録媒体上に着弾した第1のインクの上に前記搬送方向の下流側にあるインクジェットヘッドから吐出された第2のインクが着弾する前に、前記第1のインクを半硬化させる活性エネルギー線を照射する半硬化光源と、
    前記ヘッド部の下流に配置され、前記記録媒体上に着弾した半硬化状態の前記第1のインク及び前記第2のインクを完全硬化させる光照射を行う完全硬化光源と、
    前記記録媒体の識別情報を検出する記録媒体検出手段と、
    前記第1のインク及び前記第2のインクの識別情報をそれぞれ検出するインク検出手段と、
    前記記録媒体上に、前記活性エネルギー線の照射エネルギー量が各々異なる複数の領域を有する前記第1のインクの画像パターンと、該第1のインクの画像パターン上に前記第2のインクの画像とを形成させた判定プリントを出力する判定プリント出力手段と、
    前記第1のインク及び前記第2のインクが完全硬化した前記判定プリントの前記第2のインクの画像のドット半径(R)を測定する判定プリント測定手段と、
    前記判定プリント測定手段の測定結果から下記条件式を満足する前記第2のインクの画像のドット半径(R)となる前記活性エネルギー線の1つの照射エネルギー量を、前記判定プリントに使用された複数種類の照射エネルギー量の最小値と最大値の間で選択し、前記判定プリントに用いた前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報と対応づけて格納する照射エネルギー量記憶手段と、
    記録時に用いる前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出し、読み出した照射エネルギー量を記録時に参照される照射エネルギー量として設定する照射エネルギー量設定手段と、
    を備えることを特徴とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
    (条件式)
    1≦R/r≦0.0013θ −0.1θ+3.8
    但し、rは第2のインクの飛翔状態の液滴半径、θは第2のインクの記録媒体の記録面との接触角である。
  2. 前記活性エネルギー線硬化型インクとしてカチオン重合系の紫外線硬化型インクを用い、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記照射エネルギー量が5mJ/cm〜50mJ/cmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ヘッド部は、それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを前記記録媒体に吐出する3つ以上のフルライン型のインクジェットヘッドを前記搬送方向に配列したものであり、
    前記照射エネルギー量設定手段は、前記記録媒体の識別情報、前記半硬化光源に隣接して前記搬送方向の上流側にあるインクジェットヘッドから吐出される第1のインクの識別情報及び半硬化光源に隣接して前記搬送方向の下流側にあるインクジェットヘッドから吐出される第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ヘッド部は、それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを前記記録媒体に吐出する3つ以上のフルライン型のインクジェットヘッドを前記搬送方向に配列したものであり、
    前記半硬化光源は、各色の前記インクジェットヘッド間にそれぞれ配置され、
    前記照射エネルギー量設定手段は、前記記録媒体の識別情報、各半硬化光源毎に対応する前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録媒体はインクを実質的に非吸収性の記録媒体であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. それぞれ異なる色の活性エネルギー線硬化型インクを記録媒体に吐出する複数のフルライン型のインクジェットヘッドを用いて、前記記録媒体上に第1のインクを吐出させた後、前記記録媒体上に着弾した第1のインクを半硬化させる活性エネルギー線を照射し、半硬化した前記第1のインクの上に第2のインクを吐出させて着弾させで画像記録を行った後、半硬化状態の前記第1のインク及び前記第2のインクを完全硬化させるインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体の識別情報を検出する記録媒体検出工程と、
    前記第1のインク及び前記第2のインクの識別情報をそれぞれ検出するインク検出工程と、
    前記記録媒体上に、前記活性エネルギー線の照射エネルギー量が各々異なる複数の領域を有する前記第1のインクの画像パターンと、該第1のインクの画像パターン上に前記第2のインクの画像とを形成させた判定プリントを出力する判定プリント出力工程と、
    前記判定プリントにおける前記第2のインクの画像形成時の該第2のインクの飛翔状態の液滴半径(r)を測定する液滴径測定工程と、
    前記第1のインク及び前記第2のインクが完全硬化した前記判定プリントの前記第2のインクの画像のドット半径(R)を測定する判定プリント測定工程と、
    前記判定プリント測定工程の測定結果から下記条件式を満足する前記第2のインクの画像のドット半径(R)となる前記活性エネルギー線の1つの照射エネルギー量を、前記判定プリントに使用された複数種類の照射エネルギー量の最小値と最大値の間で選択し、前記判定プリントに用いた前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報と対応づけて照射エネルギー量記憶手段に格納する照射エネルギー量記憶工程と、
    記録時に用いる前記記録媒体の識別情報、前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出し、読み出した照射エネルギー量を記録時に参照される照射エネルギー量として設定する照射エネルギー量設定工程と、
    前記設定された照射エネルギー量で前記画像記録を行う工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
    (条件式)
    1≦R/r≦0.0013θ −0.1θ+3.8
    但し、θは第2のインクの記録媒体の記録面との接触角である。
  8. 前記活性エネルギー線硬化型インクとしてカチオン重合系の紫外線硬化型インクを用い、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記照射エネルギー量を5mJ/cm〜50mJ/cmの範囲内に設定することを特徴とする請求項7または8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記画像記録は、3色以上の活性エネルギー線硬化型インクを用いて行うものであり、
    前記照射エネルギー量設定工程は、前記記録媒体の識別情報、前記半硬化の処理の直前に実施される画像記録に用いられる第1のインクの識別情報及び直後に実施される画像記録に用いられる第2のインクの識別情情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記画像記録は、3色以上の活性エネルギー線硬化型インクを用いて行うものであり、
    前記半硬化の処理は、各色の前記画像記録間にそれぞれ実施し、
    前記照射エネルギー量設定工程は、前記記録媒体の識別情報、各半硬化の処理毎に対応する前記第1のインクの識別情報及び前記第2のインクの識別情報に対応する照射エネルギー量を前記照射エネルギー量記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項10の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記記録媒体はインクを実質的に非吸収性の記録媒体であることを特徴とする請求項11の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
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