JP5184934B2 - Al合金−セラミックス複合材料用の接合材及びそれを用いた接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、Al合金をマトリックスとするAl合金-セラミックス複合材料を接合するための接合材及びそれを用いた接合体に関するものである。
Al合金は軽量かつ耐食性に優れる材料であり、熱伝導性や導電性においても優れているため、これまでに様々な分野で利用が進んでいる。セラミックスの分野においてもマトリックスにAl合金を用い、強化材にセラミックスを用いて両者を複合化したAl合金−セラミックス複合材料が、Al合金の上記特徴を活かしつつ軽量であり、かつ高剛性な材料として利用されるようになってきた。
さらに、Al合金−セラミックス複合材料を各種の用途に適用・拡大させるためには、大型化や複雑形状化、さらには中空構造化に対応可能な接合技術が必須である。即ち、Al合金-セラミックス複合材料同士が実用に耐え得るほど強固に接合され、かつ、その接合部が気体のリークを防止できるほど良好な気密性を有するAl合金-セラミックス複合材料接合体を作製可能な接合技術が必要であるが、このような報告例はほとんどない。
これまでに接合技術として、例えば、Cuなどのインサート材をAl合金-セラミックス複合材料間に充填し、それを所定の温度と圧力で熱処理することにより、マトリックス合金の融点より低い温度でも接合できる拡散接合方法(特許文献1参照)が提案されているが、拡散接合法では強固な接合ができるものの、かなりの高圧、例えば1MPa程度の圧力下で熱処理しなければならず、加圧するための大型の装置、例えばプレス機などの装置が必要となりコスト高になるという問題があった。加えて、形状が複雑になると、圧力をかけること自体が難しく、接合が困難になるという問題もあった。そこで、大型の加圧装置がなくても気体のリークを防止できるほど良好な気密性を有するAl合金−セラミックス複合材料接合体の作製方法として、本出願人はホウ酸鉛を主成分とするガラスを接合材に使用する接合方法(特許文献2参照)を提案した。
また、本出願人は、簡単に強固に接合できる金属―セラミックス複合材料の接合方法として、Al合金をマトリックスとする金属−セラミックス複合材料と、それと同種または異種の材料との間にAlを40質量%以上含み、かつ500℃以下の液相生成温度を有するロウ材を装填し、それを非酸化雰囲気中500℃以上でかつ複合材料中の金属が融ける融点以下の温度で熱処理して接合することとした金属−セラミックス複合材料の接合方法を提案している(特許文献3参照)。
特開平6−155044号公報 特開2002−263851号公報 特開2000−271737号公報
特許文献2の接合方法であれば大型の加圧装置がなくても気体のリークを防止できるほど良好な気密性を有したAl合金-セラミックス複合材料接合体が得られるものの、接合材にホウ酸鉛ガラスを使用しているため接合部の強度が低く、被接合材の大きさや用途が制限されるという問題があった。加えて近年では、鉛の毒性が問題視されるようになっており、多くの業界で鉛の使用規制が発令されているため、今後ホウ酸鉛ガラスを使用できなくなる可能性が高いことも問題であった。一方、鉛フリーガラスであれば毒性に関する問題は解決できるが、鉛入りのガラスに比べて濡れ性が悪いため接合部に欠陥が生じやすく、接合部の気密がとれないという問題があった。
また、特許文献3の方法では、接合材として、Al−Si−Cu−Sn系、Al−Zn系、Al−Si−Cu−Zn系等が挙げられているが、これらの接合材を用いても気密に接合できないという問題があった。気密性を高めるには、接合材の形態が極めて重要であり、接合に適した均質な接合材が得られなければ気密良く接合することはできない。さらに、被接合部材の種類やその組成によって接合強度や気密性が大きく変化することから、接合に用いる接合材と被接合材とを適正化する必要があった。
特に、半導体やFPD製造の分野においては、真空や所定のガス雰囲気の処理工程が多く、接合体を用いた場合には、接合部の気密性が厳しく要求される。このような接合体の例としては、単に軽量化のために中空構造としたもののほか、中空部に熱媒体を流して加熱・冷却を行うものがある。特に熱媒体を流すものでは、熱媒体の流出を起こすような欠陥は致命的であり、また、部材の均熱性が求められる場合が多いため、密着性及び気密性を高めることが重要な課題であった。
本発明は、上述したAl合金-セラミックス複合材料の接合方法が有する課題に鑑みてなされたものであり、気体のリークを防止できるほど良好な気密性を有したAl合金-セラミックス複合材料接合体が得られ、かつ、接合部の強度が高いAl合金-セラミックス複合材料接合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果本発明を完成した。即ち、本発明は、Mgを0.5〜5質量%含んだAl合金をマトリックスとしたAl合金-セラミックス複合材料同士を気密に接合するための接合材であって、その組成がAl、Znおよび、その他不純物成分からなり、AlとZnの質量比Al/Zn:0.85〜2.33であることを特徴とするAl合金-セラミックス複合材料用の接合材を提供する。
ここで、Mgを含んだAl合金をマトリックスに使用したAl合金-セラミックス複合材料を被接合材に用いる理由は、マトリックスAl合金中に含まれたMgが、接合を阻害するAl合金表面の酸化皮膜を破壊する役割を果たすからである。一般的にAl合金のろう付けにおいては、Al合金の表面に存在する酸化皮膜がろう付けを阻害することが知られており、フラックス等により酸化皮膜を破壊しなければ強固なろう付けはできない。Al合金-セラミックス複合材料同士の接合においても同様に、接合時の熱処理によって接合材が完全に溶ける前に、接合面に露出したマトリックスAl合金表面の酸化皮膜を破壊する必要があり、マトリックスAl合金中に含まれるMgがその役割を果たす。即ち、Mgが接合時の熱処理によりマトリックスAl合金中から蒸発する際に、Al合金の表面酸化膜を破壊してAl合金相を接合面に露出させる。また、蒸発したMgが炉内の残留酸素や水分を除去するゲッターとしての役割も果たすため、新たなAl酸化皮膜の生成を抑制するので強固な接合が可能となる。
被接合材中に含まれるMgの量としては0.5〜5質量%としているが、その理由はMgを0.5質量%より少なくすると十分な量のMgが供給されないため、Al合金表面の酸化皮膜を破壊しきれず接合界面に欠陥が残って強固な接合ができないためである。また、その量が5質量%より多い場合、Alの酸化皮膜と同様に接合を阻害するMgOが接合面に生成してしまうため、強固な接合ができないためである。
さらに、Mgの量が上記範囲であれば、酸化皮膜の除去効果に加え、接合材に含まれるZnとMgの相互拡散が起こり易く、密着性及び接合強度を高めるためである。しかも被接合材にMgが含まれているので、接合材にMgを添加する必要が無く、接合材の圧延性を確保でき、接合に適した厚さの箔形状の接合材を作製することができる。
AlとZnの質量比Al/Zn:0.85〜2.33としているのは、Alの含有量が少ない場合、即ち質量比Al/Znが0.85よりも小さい場合は、腐食しやすい環境下では接合部の陽極腐食が起こりやすいこと、熱がかかる環境下では温度上昇時に生じる接合部での不均一な拡散による欠陥が生じやすいこと等の問題により接合部の信頼性が劣るためである。一方、質量比Al/Znが2.33よりも大きい場合は、接合材の融点が600℃よりも高くなってしまうため、Mgを0.5〜5質量%含んだ低融点のAl合金を使用しているAl合金-セラミックス複合材料の接合には使用が困難であるためである。また、上述のように、上記質量比の接合材を用い、Mgを0.5〜5質量%含んだAl合金をマトリックスとする被接合材を接合することにより、Mgの酸化被膜除去の効果に加え、ZnとMgの相互拡散が起こり易いため、接合強度及び気密性を高めることができる。
また、本発明は、接合材が、厚さ0.05〜0.5mmの箔形状であることを特徴とする。接合材の形状を箔形状としたのは、粉末状の接合材や、粉末状の接合材をグリーンシート化したもの等に比べて、厚さが均等であり、継ぎ目や欠陥がないため容易に気密接合が可能であるためである。箔の厚さについては0.05〜0.5mmとしているが、厚さを0.05mm以上にしている理由は、接合時の熱処理により箔が溶けて流動してもその場に留まる最低限の量が必要であり、厚さが0.05mmよりも薄いと最低限必要な量が確保できず接合層内に欠陥ができて強固な接合ができないためである。一方、0.5mmより厚くしても接合強度や気密性の向上は見られず、厚さが大きいことによる弊害が顕著になるため好ましくない。例えば接合部が中空溝構造のような微細で複雑な形状を有する場合には、接合層外へ染み出して中空溝を埋めてしまうおそれがある。また、このような厚さの箔形状は圧延により形成されるが、AlとZnの質量比が0.85〜2.33の範囲内であれば、圧延性も良好であるので上記範囲の厚さとすることが可能である。
また、本発明は、Mgを0.5〜5質量%含んだAl合金をマトリックスとしたAl合金-セラミックス複合材料同士が上述の接合材を用いてなる接合層を介して接合された接合体であって、前記接合層に接したAl合金−セラミックス複合材料のマトリックスのAl合金中に前記接合材のZnが拡散した拡散層を有することを特徴とする接合体を提供する。
上述のように、Mgを所定量含むAl合金をマトリックスとしたAl合金-セラミックス複合材料を被接合材とし、接合材のAlとZnの重量比を所定範囲とすることにより、ZnとMgの相互拡散により、強固に接合することが可能となる。このとき、Mgの酸化膜除去効果がZnとの相互拡散を促進していることは言うまでもない。その結果、Al合金−セラミックス複合材料のマトリックスを構成するAl合金中にZnが拡散した拡散層が形成される。
前記拡散層は、5〜100μmの厚さとすることが望ましく、さらにその拡散層のAl合金中に含まれるZnを1〜20質量%とすることが望ましい。拡散層の厚さは、熱処理条件によって変わり、これを適切な厚さに制御することにより接合強度と気密性を確保することが可能となる。具体的には、5μmよりも小さいと接合強度が不十分となり、100μmより大きくなると接合層に空隙が生じやすくなり気密性が低下する。拡散層のAl合金中に含まれるZn量は、本発明の接合材を用い、上記のような拡散層厚さに調整することにより上記範囲となり、接合強度、気密性に加え、接合部の耐食性も高めることができる。
前記接合層は、20〜400μmの厚さを有することが望ましい。所定範囲の厚さを持つ接合材を用い、上述したように拡散層の厚みを制御することにより、適切な接合層の厚さに調整することができる。このような範囲の厚さであれば、十分な接合強度及び気密性を得ることが可能となる。
本発明の接合体は、前記接合層により外部との通気が遮断された中空部を有する構造とすることが可能である。軽量化のための内部空間構造はもとより、中空部に熱媒体を流すような部材に好適である。
気体のリークを防止できるほど良好な気密性を有し、かつ、接合部の強度が高いAl合金-セラミックス複合材料接合体を提供できる。
図1は、本発明の接合材の適用例を示す概略断面図である。被接合材の板材11と凹部12bを有する凹型材12が本発明の接合材10により接合される。
接合材は、AlとZnの重量比を所定範囲の組成のAl−Zn合金を鋳造し、その後所定の板厚に圧延を行って箔形状としたものである。本発明の重量比とすれば、圧延性も備えているので所望厚さの箔を形成することができる。
Al−Zn合金に不純物として含まれるAlとZn以外の成分としては、Fe、Si、Cu、Mn等が挙げられる。これらの成分は、いずれも0.05質量%以下とすることが好ましく、また、接合材のAlとZnは、合計で99.8質量%以上であることが好ましい。不純物が多く含まれると耐食性や圧延性が低下するためである。
被接合材は、Mgを0.5〜5質量%含んだAl合金をマトリックスとし、セラミックスを強化材としたAl合金-セラミックス複合材料である。Al合金としては、例えば5052(Mg:2.2〜2.8質量%含有 JIS規格合金)を用いることができる。接合材の融点よりも高い融点のAl合金であって、Mgを0.5〜5質量%含むものであれば、適用できる。
被接合材の強化材のセラミックスとしては、炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア等種々のセラミックスを用いることができる。また、強化材のセラミックスの含有量は、30〜80体積%のものが好ましい。このような複合材料は、熱伝導性や導電性においても優れ、軽量であり、かつ高剛性な材料として好適である。
被接合材の製造方法としては、多孔質セラミックス成形体(プリフォーム)中に、圧力によって溶融金属を強制的に含浸させる加圧浸透法や、溶融Alとセラミックス間の濡れ性が良好になるようセラミックスの表面を改質し、毛管現象を利用して非加圧で溶融金属を含浸させる非加圧浸透法などがあるが、作製したAl合金-セラミックス複合材料のマトリックスAl合金中にMgが0.5〜5質量%含まれていればどの方法で作製してもよい。
図1では、板材11と凹型材12との接合例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹型材同士の接合であっても良い。また、凹型材の凹部の形状も特に限定するものではなく、例えば接合後に熱媒体を流すことができるような溝型であっても良いし、閉空間を形成する箱型であっても良い。また、溝や閉空間の数も特に限定せず、複数の溝や閉空間が形成される形状でも良い。さらには、これらを組み合わせた構造でも良い。
被接合材の接合面11a及び12aは、平面度を10μm以下とすることが望ましい。本発明の所定厚さを有する接合材を用い、かつ被接合材の平面度をこのような範囲とすれば、接合強度に優れ、気密性も十分な接合体を得ることができる。
図2は、本発明の接合体の一例を示す概略断面図である。接合体24は、板材21と凹型材22が接合層20を介して接合されており、接合層により外部との通気が遮断された中空部23を有している。
ここで、「接合層により外部との通気が遮断され」ているか否か、すなわち気密に接合されているか否かは、具体的には、ボンビング法によってHeリーク試験を行って判断した。試験の結果、リーク量が1×10−8Pa・m/secよりも少ないものは、通気が遮断され、十分な気密性があるとした。なお、被接合材である複合材料自体のリーク量が上記数値よりも小さいことは言うまでもない。また、このような気密性の評価は、接合層の耐食性も加味して行った。
図3は、本発明の接合体の接合層近傍を拡大して示した概略断面図である。接合層30を介して被接合材31と32とが接合され、各被接合材の接合層付近には、拡散層31c、32cがそれぞれ形成されている。
拡散層は、5〜100μmの厚さを有し、Al合金中にZnを1〜20質量%含むことが望ましく、また、接合層は、20〜400μmの厚さとすることが望ましい。上述のように、このような範囲に調整することで、接合強度、気密性及び耐食性を高めることができる。ここで、上記拡散層等の厚さをこのような範囲に調整するには、マトリックスのAl合金と、接合材のAlとZnを適切なものにし、接合条件を制御すると良い。
接合は、箔形状の接合材を、Al合金-セラミックス複合材料の接合面に挿入し、被接合材の自重により、または重しを載せることにより、10〜500g/cm程度の荷重がかかるようにする。これを炉内に設置し、0.1〜50Paの真空中または常圧窒素雰囲気中で加熱する。加熱は、複合材料中のマトリックスAl合金の融点よりも低く、接合材の融点よりも高い温度とし、所定時間保持した後、冷却する。このように、重し、焼成温度および焼成時間を調整すると良い。
以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
(作製No.1〜18)
被接合材のAl合金-セラミックス複合材料は、強化材として市販のセラミックス粉末を用い、マトリックスのAl合金として、純Al(純度99.5%)にMgを添加し、Mg含有量を所定量に調整したものを用いた。このAl合金-セラミックス複合材料から試料を図1に示したような板材として幅100mm、奥行50mm、厚さ25mmの板状の被接合材、凹型材として同板材の片面の略中央に幅70mm、奥行20mm、深さ10mmの凹部を有する箱型の被接合材を切り出し、接合面の平面度が5μm以下となるように#800の砥石で研削した。図4に作製した凹型材42の平面図を示す。片面に凹部42bと接合面42aが形成されている。接合面の研削汚れはアセトンで洗浄した。
接合材のAl-Zn箔は、ブックモールド法と圧延にて作製した。AlとZnの質量比が所定値となるようAl、Znを混合し、黒鉛坩堝中で650℃の温度で加熱溶解した溶湯を金型に流し込んでAl-Zn合金を鋳造した。次に、鋳造したAl-Zn合金を370℃で6時間熱処理した後に一度冷却し、片側2.5mmずつ研削加工した。その後、360℃で加熱しながら圧延して所定の厚さに調整した。
このAl-Zn箔からなる接合材を図4に示す接合面(外寸100×50mm、内寸70×20mm)に併せた形状に加工し、表面をアセトンで洗浄した。接合材を図1に示すように、Al合金-セラミックス複合材料の各接合面の間に挿入し、接合面に30g/cmの荷重がかかるよう重しを載せて炉内に設置した。これを0.1〜50Pa程度の真空中600℃で加熱し、600℃で1時間保持した後に炉内で冷却し、図2のように高さおよそ10mm、幅70mm、奥行20mmの中空部を有する接合体を得た。
(作製No.19、20)
作製No.19、20では、接合材にそれぞれ、ホウ酸鉛ガラス(LS3051 日本電気硝子社製)、無鉛ガラス(BNL115BB 旭硝子社製)を用いた。ガラス粉末にアクリル樹脂バインダーを添加して厚さ250μmのグリーンシートにしたものを接合材として使用し、熱処理条件を大気中500℃、5分保持とした以外は、上記作製例と同様の手順で中空部を有する接合体を得た。
(Heリーク試験)
中空部を有する接合体でHeリーク試験を行った。Heリークは、予めボンビング装置にてHeを0.7MPaで30分加圧した試料を、チャンバー内に入れて真空差圧にて流出したHeを検出するボンビング法にて測定した。
次に接合部の耐食性を確認するため、Heリーク試験を終えた接合体を高温度高湿度(85℃-85%RH)環境下に480時間静置し、加速試験を実施した。加速試験実施後の接合体についても同様にHeリーク試験を行い、加速試験前後でのHeリーク量を比較することで耐食性を確認した。
(接合強度測定)
各作製No.と同条件、同形状の接合体を作製し、接合強度試験用の試験片(3mm×4mm×40mm)を切り出して、下部スパン30mm、上部スパン10mmの4点曲げ試験(JISR1624準拠)を行い、接合強度を求めた。
(拡散層厚さ及びZn含有量の測定)
EPMA(JXA-8500F日本電子社製)を用いて図3に示したような接合部断面の成分分布を測定し、成分分布においてZnを含有する層の厚さを拡散層の厚さとした。さらに、拡散層中のAl合金成分に対するZn成分を算出してZn含有量とした。
マトリックスのAl合金中のMg含有量も同様に、EPMAにより測定した。
作製条件及び測定結果を表1に示す。
Figure 0005184934
作製No.3〜6、9〜11、14〜18では、いずれも接合強度は100MPaを超えており、接合材にガラス粉末を使用したNo.19、20の場合に比べて強度が高かった。また、Heリークに関しても、いずれも気体のリークを防止できる目安である1×10−8Pa・m/secよりリークが少なく、かつ耐食試験後にも良好な気密性を維持したままであった。
一方、作製No.1及び2では被接合材のマトリックスAl合金中のMgが少なかったため接合できなかった。マトリックスAl合金中のMg量が6%の作製No.7では、接合はできたものの強度が20MPaと低く、気密もとれなかった。接合材の質量比Al/Znが小さい作製No.8では耐食試験の際に接合層が腐食し、耐食試験後は気密がとれなかった。質量比Al/Znが大きい作製No.12では、600℃で溶ける液相が少ないため接合できなかった。接合材の厚さが30μmの作製No.13では、接合はできたものの強度が30MPaと低く、気密もとれなかった。接合材にホウ酸鉛ガラスを用いた作製No.19では、気密はとれたものの接合強度が45MPaと低かった。接合材に無鉛ガラスを用いたNo.20では、接合強度が30MPaと低く、気密もとれなかった。
本発明の接合材の適用例を示す概略断面図。 本発明の接合体の概略断面図。 本発明の接合体の接合層近傍を拡大して示した概略断面図。 凹型材の平面図
符号の説明
10:接合材
11、21、31:板材(被接合材)
11a、21a、31a:接合面
12、22、32、42:凹型材(被接合材)
12a、42a:接合面
12b、42b:凹部
20、30:接合層
23:中空部
24:接合体
31c、32c:拡散層

Claims (5)

  1. Mgを0.5〜5質量%含んだAl合金をマトリックスとしたAl合金-セラミックス複合材料同士を気密に接合するための接合材であって、その組成がAl、Znおよび、その他不純物成分からなり、AlとZnの質量比Al/Znが0.85〜2.33であることを特徴とするAl合金-セラミックス複合材料用の接合材。
  2. 前記接合材が、厚さ0.05〜0.5mmの箔形状である請求項1記載のAl合金-セラミックス複合材料用の接合材。
  3. Mgを0.5〜5質量%含んだAl合金をマトリックスとしたAl合金-セラミックス複合材料同士が請求項1または2に記載の接合材を用いてなる接合層を介して接合された接合体であって、
    前記接合層に接したAl合金−セラミックス複合材料のマトリックスのAl合金中に前記接合材のZnが拡散した拡散層を有することを特徴とする接合体。
  4. 前記拡散層は、5〜100μmの厚さを有し、Al合金中にZnを1〜20質量%含むことを特徴とする請求項3記載の接合体。
  5. 前記接合層により外部との通気が遮断された中空部を有する請求項3または4記載の接合体。
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