JP5181487B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体分子をチャネル材料として用いる半導体装置及びその製造方法であって、詳しくは、電気伝導性に優れたチャネル領域を有し、かつ、作製が容易な半導体装置及びその製造方法に関するものである。
従来の有機トランジスタなどの有機半導体装置は、 電極|分子集合体|電極 の図式で示される構造をもち、2つの電極間に、分子結晶や凝集した分子集合体などの形で有機半導体分子材料を配置し、電極間にチャネル層を形成する。このような場合、一方の電極から他方の電極に至る電流の通路には複数個の分子が介在しており、チャネル層における電気伝導には、分子内で電荷が移動する分子内電荷移動過程と、1つの分子から次の分子へ分子間で電荷が移動する分子間電荷移動過程が含まれる。一般に、分子間での移動度は分子内の移動度に比べてはるかに小さい。この結果、分子集合体によって構成されるチャネル層の移動度は、分子間電荷移動過程によって制限されることになり、小さい。
一方、大きさが10nm(=10-8m)程度の微細構造を観察・作製・利用する技術であるナノテクノロジーにおいて、単一分子トランジスタなど、個々の分子に電子部品としての機能を発揮させようとする研究が注目を集めている。
このような分子デバイスは、 電極|分子|電極 の図式で示される構造をもち、2つの電極間に挟まれた半導体分子は、その両端で2つの電極のそれぞれに接続されている。単分子デバイスを含めて、このような分子デバイスにおける電極間の電気伝導は、分子内電荷移動過程が支配的となり、分子間電荷移動過程によって律速されないため、速やかな電気伝導が可能となる。
図14は、非特許文献1に示されている分子トランジスタ100の構造を示す概略図(a)と、半導体分子の構造を示す構造式(b)である。図14(a)に示すように、この分子トランジスタ100は、ボトムゲート型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとして構成されている。基板101は、ゲート電極を兼ねており、例えば、n型の不純物のドーピングによってn型の導電性を有するシリコン基板である。基板101の表面には、酸化シリコンからなるゲート絶縁膜102が、基板101の熱酸化によって形成され、その上に、金からなるソース電極103およびドレイン電極104が対向して設けられている。そして、半導体分子105が、ゲート絶縁膜102上でソース電極103とドレイン電極104とを連結するように配置されている。
図14(b)に示すように、半導体分子105は、2個のテルピリジル基を配位子とするコバルト(III)錯体であり、その両端に、アルキレン鎖−(CH2)n−を介して、金などに吸着されやすいチオール基−SHを有している。半導体分子105は、このチオール基によってソース電極103およびドレイン電極104のそれぞれに結合している。半導体分子105における2個のチオール基間の距離は、アルキレン鎖−(CH2)n−の長さによって多少変化するが、2〜3nm程度である。
分子トランジスタ100では、半導体分子105の分子内伝導によってソース電極103とドレイン電極104との間に流れる電流が、ゲート電極に印加されるゲート電圧によって変調され、絶縁ゲート型電界効果トランジスタとして機能する。図14(a)から容易に推察されるように、半導体分子105が、その両端のチオール基で電極103および104のそれぞれと良好な接合(ジャンクション)を形成し、分子デバイスとして信頼性の高い動作をするには、半導体分子105の長さと同程度の間隙部をもつ対向電極が再現性よく形成されていることが重要である。
非特許文献1には、分子トランジスタ100は、電子ビームリソグラフィによるパターニングによって細い帯状の連結部で連結されたソース電極103およびドレイン電極104を一体で形成し、この表面に半導体分子105を吸着させた後、エレクトロマイグレーションによって連結部を切断して、ソース電極103とドレイン電極104とに分離することによって作製されたと記載されている。
また、後述の非特許文献2には、両端にチオール基を有するフェニレンビニレンオリゴマーを半導体分子として用いて、分子トランジスタ100と同様の構造をもつ単分子トタンジスタを作製した例が示されている。この場合には、シャドウマスクを用いた「斜め蒸着」によって、2〜3nmの間隙部をもつ対向電極を形成した例が報告されている。なお、非特許文献1および2では、いずれも、トランジスタ動作はクーロンブロッケードを利用しており、その測定は極低温で行われている。
以上の例で示したように、分子デバイスで用いられる半導体分子の自然長は、長くとも数nmである場合が多いため、 電極|分子|電極 の図式で示される構造をもち、分子内伝導を利用する分子デバイスは、数nmの長さの半導体分子が、数nmの間隙部をもつ対向電極間に配置され、両端で各電極に接続された構造にならざるを得ない。
このような分子デバイスの製造方法として、これまでに様々な方法が提案されているが、大別すると、(方法1)まず、数nmの間隙部をもつ対向電極を作製し、その後、間隙部に半導体分子を配置する方法(後述の非特許文献3参照。)と、(方法2)まず、一方の電極を作製し、次に、その上に半導体分子を配置し、その後、他方の電極を作製する方法(後述の非特許文献4参照。)とに分けることができる。
また、後述の非特許文献5には、1,6−ヘキサンジチオールによって連結された金の微粒子鎖によって、ソース電極とドレイン電極との間を接続した電界効果トランジスタが報告されている。このトランジスタでは、構造は上述の 電極|分子|電極 で示される分子デバイスとは少し異なるが、導電路に分子間の電荷移動が含まれず、移動度が分子間の電荷移動によって制限されることがないため、速やかな電気伝導が可能となる。また、ソース電極とドレイン電極との間隙部の長さは30nmで、電子線リソグラフィを用いて作製可能である利点がある。
J. Park, A. N. Pasupathy, J. I. Goldsmith, C. Chang, Y. Yaish, J. R. Petta, M. Rinkoski, J. P. Sethna, H. D. Abruna, P. L. McEuen, D. C. Ralph, Nature, 417, 722 (2002) S. Kubatkin, A. Danilov, M. Hjort, J. Cornil, J. Bredas, N. Stuhr-Hansen, P. Hedegard, T. Bjornholm, Nature, 425, 698 (2003) C. Kergueris, K. P. Bourgoin, S. Palacin, D. Esteve, C. Urbina, M. Magoga, and C. Joachim, Phys. Rev. B, 59, 12505-12513 (1999) Adi Salomon, David Cahen, Stuart Lindsay, John Tomfohr, Vincent B. Engelkes, and C. Daniel Frisbie, Adv. Mater., 15, 1881-1890 (2003) T. Sato, H. Ahmed, D. Brown, B. F. G. Johnson, J. Appl. Phys., 82, 696 (1997) Amy V. Walker, Timothy B. Tighe, Orlando M. Cabarcos, Michael D. Reinard, Brendan C. Haynie, Sundararajan Uppili, Nicholas Winograd, and David L. Allara, J. Am. Chem. Soc., 126, 3954-3963 (2004)
非特許文献3に示されている方法1は、製造工程の最後に半導体分子を導入するため、半導体分子にダメージを与えることがない反面、長さ数nmの間隙部を有する2つの電極を高い精度で、かつ、高い再現性で作製することは容易ではなく、期待した通りの半導体分子と電極の接合を形成することが困難である場合が多い。このため、信頼性の高い分子デバイスを再現性よく作製できるまでには至っていない。
一方、非特許文献4に示されている方法2は、あらかじめ半導体分子の長さに合わせた間隙部をもつ対向電極を作製する必要がないため、半導体分子と電極との接合の形成に関しては有利である。しかし、第2の電極を半導体分子膜上に形成する際に、半導体分子膜にダメージを与えたり、半導体分子膜に存在する欠陥中に電極材料が入り込み(Amy V. Walker, Timothy B. Tighe, Orlando M. Cabarcos, Michael D. Reinard, Brendan C. Haynie, Sundararajan Uppili, Nicholas Winograd, and David L. Allara, J. Am. Chem. Soc., 126, 3954-3963 (2004)参照。)、デバイス特性に想定外の影響を与えたりすることがある問題点が存在する。従って、半導体分子膜へのダメージの少ない第2の電極の形成方法が必要とされる。
また、方法2では、多くの場合、第1の電極の上に半導体分子膜を形成し、さらにその上に第2の電極を形成するというように、縦方向に構成物を積み上げていくように分子デバイスを作製する。このような縦型のデバイスでは、ゲート電極を半導体分子膜の側方に配置せざるを得ず、ゲート絶縁膜の形成やその厚みの制御が一般的な横型のデバイスに比べて困難である。
また、非特許文献5に報告されている電界効果トランジスタでは、約30nmの間隙部を有する2つの電極間に、約10nmの粒径の金微粒子を数個配置し、電極と金微粒子との間、および金微粒子同士の間を、1,6−ヘキサンジチオールによって連結する。この方法では、1,6−ヘキサンジチオール分子にダメージを与えることなく、電極間を 分子|金微粒子|分子|・・・|金微粒子|分子 の繰り返し構造で連結することができる。しかも、縦型デバイスのように、ゲート電極を配置する上での問題もない。しかしながら、非特許文献5に報告されている方法では、電極間における金微粒子の配置は偶然にまかされているため、電極のどの部分に何個の繰り返し構造を形成するか、制御することができない。また、電極周辺に吸着された金微粒子が想定外の導電路を形成してしまう可能性もある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、半導体分子をチャネル材料として用い、かつ、チャネル領域の導電性が分子間電荷移動によって制限されず優れており、しかも、容易かつ確実に作製可能な半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、
複数の電極が対向して配置され、
これらの対向電極において、半導体分子がその一端部で電極表面に結合するように配 置され、
前記対向電極の一方の電極に配置されている半導体分子の他端部の少なくとも一部と 、前記対向電極の他方の電極に配置されている半導体分子の他端部の少なくとも一部と を、電気的に接続する導電体が設けられ、
前記対向電極間の導電性が、前記半導体分子のうち、前記対向電極間において前記導 電体に電気的に接続されている半導体分子の導電性によって、実質的に決定される
ように構成されている、第1の半導体装置に係わり、また、
複数の電極が対向して配置され、
これらの対向電極の一方の電極において、半導体分子がその一端部で電極表面に結合 するように配置され、
この半導体分子の他端部の少なくとも一部と、他方の電極とを電気的に接続する導電 体が設けられ、
前記対向電極間の導電性が、前記半導体分子のうち、前記対向電極間において前記導 電体に電気的に接続されている半導体分子の導電性によって、実質的に決定される
ように構成されている、第2の半導体装置に係わるものである。
なお、上記「実質的に決定される」とは、前記導電体に電気的に接続されている半導体分子の抵抗が、前記導電体の抵抗に比べてはるかに大きく、例えば10倍以上で、前記対向電極間の導電性は、上記半導体分子によってほとんど決定され、前記導電体の抵抗が多少変化してもほとんど変化しない、ということを意味する。
また、前記第1および前記第2の半導体装置の製造方法であって、
複数の電極を対向させて形成する工程と、
これらの対向電極の一方又は両方の電極の表面に、前記半導体分子を、その一端部で 電極表面に結合するように配置する工程と、
前記一方の電極に配置した半導体分子の他端部の少なくとも一部と、他方の電極に配 置した半導体分子の他端部の少なくとも一部とを、電気的に接続する導電体を形成する か、又は、前記半導体分子の他端部の少なくとも一部と、他方の電極とを電気的に接続 する導電体を形成する工程と
を有する、半導体装置の製造方法に係わるものである。
本発明の第1の半導体装置によれば、前記半導体分子は前記一端部で前記対向電極の表面に結合しており、また、少なくとも一部の分子では、前記他端部が前記導電体に電気的に接続されており、この導電体は前記対向電極間を電気的に接続するように設けられている。従って、前記対向電極間に電圧が印加されると、電流は、前記一方の電極から、前記一方の電極に前記一端部で結合し、前記他端部で前記導電体に結合している前記半導体分子中を通って、前記導電体に入り、前記導電体内を通過後、前記導電体に前記他端部で結合し、前記一端部で前記他方の電極に結合している前記半導体分子中を通って、前記他方の電極へ流れる。すなわち、前記対向電極のそれぞれと前記導電体とによって挟まれる2箇所の領域に前記半導体分子によるチャネル領域が形成される。
一般に半導体分子中の導電性は比較的低いので、前記導電体の材料や構造を適切に選択することによって、前記導電体の導電性を上記チャネル領域の導電性よりはるかに高くすることができる。このような場合、前記対向電極間の導電性は、上記チャネル領域の半導体分子の導電性によって、実質的に決定されるので、前記導電体は、前記対向電極間の間隙部において前記対向電極を補完する電極代替物とみなすことができる。すなわち、前記対向電極のそれぞれと前記導電体とによって挟まれる2箇所の領域に、前記対向電極の1つと前記導電体とを実質的な対向電極とし、前記半導体分子をチャネル材料とする半導体素子が実効的に形成されており、本発明の第1の半導体装置は、これら2つの半導体素子が前記導電体によって直列に接続されたものであると見なすことができる。
上記の実効的に形成されている半導体素子において、前記半導体分子は前記対向電極の1つに前記一端部で結合し、かつ、少なくとも一部の分子では、前記他端部で前記導電体に電気的に接続されているので、上記チャネル領域における電荷移動は主として分子内電荷移動によって行われ、移動度の遅い分子間電荷移動によって移動度などが制限されることがない。従って、本発明の第1の半導体装置は、導電性に関しては、先述した非特許文献1または2に示されている分子トランジスタと同等の性能を実現できると考えられる。
一方、製造に関しては、本発明の第1の半導体装置は、非特許文献1または2に示されている分子トランジスタに比べて、はるかに作製が容易である。先述したように、従来の分子トランジスタは、対向電極間の距離を半導体分子の長さとほぼ同程度の大きさに整合させる必要があり、その実現にはナノメートルレベルの加工技術が必要である。それに対し、本発明の第1の半導体装置では、前記対向電極間の距離は、数μm〜数十μm程度、最小で100nm程度であり、この間隙部の大部分は前記導電体によって占められ、高い加工精度を必要としないので、従来の半導体技術で作製可能である。本発明の第1の半導体装置においてナノメートルレベルの精度が必要になるのは、実効的な上記半導体素子において対向電極として機能する、前記対向電極の1つと、それに対向している前記導電体との距離である。本発明の第1の半導体装置の製造方法では、次に説明するように、この距離は自己組織化的な方法によって容易にナノメートルレベルの精度で制御することができる。
すなわち、前記半導体分子として適切な分子を選択し、前記対向電極を前記半導体分子の溶液や蒸気に曝すことにより、前記半導体分子自身の自己組織化作用によって、前記対向電極の表面に前記半導体分子からなる単分子膜を自発的に形成させる。この単分子膜では、各分子は電極表面に前記一端部で結合し、分子の長さ方向を電極表面に直交させ、分子同士が分子間相互作用により分子の側面で互いに接触するように集合する。この結果、単分子膜の厚さは分子の長さと等しくほぼ一定で、表面(電極とは反対側の面)には、前記半導体分子の前記他端部が一面にびっしりと並ぶことになる(自己組織化的に形成された単分子膜によって半導体層を形成した例としては、ソース電極又はドレイン電極表面に形成した例として、K. Sasao et al., Jpn. J. Appl. Phys., 43 (2004), L337、及び、G. Hwang et al., Appl. Phys. Lett., 89 (2006), 133120、また、ゲート絶縁膜表面に形成し、チャネル層とした例として、G. S. Tulevski et al., J. Am. Chem. Soc., 126 (2004), 15048などを参照。)。
従って、この表面に、例えば、前記他端部と結合しやすい材料からなる金属微粒子などを付着させ、この金属微粒子で前記導電体を形成すれば、前記対向電極とそれに対向している前記導電体との距離は、自動的に前記半導体分子の長さと等しくなる。以上のように、既に形成されている上記単分子膜に「合わせ」で前記導電体を形成するので、ナノメートルレベルの精度を容易に実現することができる。
本発明の第2の半導体装置およびその製造方法は、前記対向電極の両方ではなく、前記一方の電極にのみ前記半導体分子が設けられ、実効的な半導体素子がこの側に1個だけ形成されている点が、本発明の第1の半導体装置と異なっているだけである。従って、本発明の第1の半導体装置と本質的な違いはなく、同様の特徴を有する。
ただし、実際的には両者の違いが重要になる場合もある。まず、製造方法としては、第2の半導体装置では、前記一方の電極のみに選択的に前記半導体分子を配置する際、それを可能にするために、前記他方の電極をマスクする必要があり、第1の半導体装置に比べ煩雑になる。一方、前記半導体分子の両端にはゲート電極による電界効果ができるだけ大きく得られるような最適な電圧を印加する必要がある。第1の半導体装置では、前記対向電極の両方に前記半導体分子が設けられているため、前記導電体の抵抗による電圧降下によって制限されて、両方の前記半導体分子に最適な電圧を印加することが困難になる場合がある。或いは、最適な電圧を印加できるように、前記導電体の抵抗が制限される場合がある。これに対し、第2の半導体装置では、前記半導体分子が前記対向電極の一方にだけ設けられているので、ソース−ドレイン間の電圧を簡単に調整して前記半導体分子に最適電圧を印加することができ、また、第1の半導体装置に比べてより低い電圧で動作させることができるという特徴がある。
本発明の第1および第2の半導体装置は、前記対向電極をソース電極及びドレイン電極とし、前記導電体に電気的に接続されている前記半導体分子によってチャネル領域が形成され、前記チャネル領域の導電性を電界制御するゲート電極が設けられ、電界効果トランジスタとして構成されているのがよい。例えば、前記ゲート電極がゲート絶縁膜を介して設けられ、ボトムゲート型又はトップゲート型電界効果トランジスタとして構成されているのがよい。
また、前記導電体が、導体又は半導体からなる微粒子と、リンカー分子とが交互に結合することによって形成され、隣接し合う前記微粒子同士が前記リンカー分子によって連結されて、ネットワーク型の導電路が形成されているのがよい。これによって、電気伝導性の高い前記導電体が形成される。
この際、前記微粒子は、前記導体として、金Au、銀Ag、白金Pt、銅Cu、パラジウムPd、又は鉄Feからなるか、或いは前記半導体として、不純物をドープされたシリコンSiからなる微粒子で、その粒子径は10nm以下であるのがよい。粒子径が10nm以下であれば、前記リンカー分子による前記微粒子間の連結が確実に行われる。
そして、前記リンカー分子は、両端に有する官能基で前記微粒子と結合しているのがよく、この官能基が、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2 、シアノ基−CN、又はイソシアノ基−NCであるのがよい。
また、前記リンカー分子は、分子骨格の少なくとも一部に共役系結合を有する分子であり、例えば、その分子骨格が、フェニレン基、フェニレンエチニレン基、又はチオフェン骨格を含有するのがよい。
また、前記分子骨格が金属錯体部を含有しているのもよい。この金属錯体部は共役系配位子を含有するのがよく、例えば、前記共役系配位子が、フェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、又はキノリンであるのがよい。
前記リンカー分子は、微粒子間に効率よくトンネル電流が流れるように、分子長が5nm以下であるのがよい。分子長が十分に短ければ(1nm以下)、トンネル電流が増加して共役系かどうかに関係なく低抵抗になるので、分子骨格はアルキレン基やシクロアルキレン基など、共役系結合を全く含まなくてもよい。このような前記リンカー分子の例として、1,3−プロパンジチオールなどが挙げられる。このような非共役系分子は、通常、共役系分子に比べてHOMO(最高被占分子軌道)−LUMO(最低空分子軌道)間のエネルギーギャップが大きいため、適当なソース−ドレイン電圧を選択すれば、ほとんどゲート電極の電場による変調効果を示さないと考えられる。この場合、前記半導体分子に対する変調効果が相対的に強調されるという利点がある。また、非共役系部位が、例えばエーテル、チオエーテル、ケトン、エステルなどでつながっていてもよい。
また、前記導電体は、前記微粒子同士が融着することによって形成されていてもよい。前記微粒子同士を融着させて薄膜状の前記導電体を形成する方法としては、光照射による加熱や通常の方法による加熱がある。また、前記微粒子に付着している保護膜分子を化学的に除去した後、前記微粒子同士を自発的に融着させる方法や、めっき法によって前記微粒子同士を連結する方法もある。
この際、前記微粒子が、金Au、銀Ag、白金Pt、銅Cu、パラジウムPd、アルミニウムAl、鉄Fe、又はこれらの合金からなるのがよい。前記微粒子同士を融着させる場合には、前記リンカー分子で連結する必要がないので、これによって前記微粒子の粒子径が制限されることはない。加熱による融着を行う場合には、前記微粒子の粒子径は100nm以下の微粒子であるのがよい。融着温度は前記微粒子のサイズが小さいほど低下するが、金の場合、粒子径が50nm程度以下に小さくなると、通常、200℃以下の温度で融着が可能になる。
また、前記半導体分子は、分子骨格の少なくとも一部に共役系結合を有する分子であり、例えば、その分子骨格が、フェニレン基、フェニレンエチニレン基、又はチオフェン骨格を含有するのがよい。また、前記分子骨格が金属錯体部を含有しているのもよい。この金属錯体部は共役系配位子を含有するのがよく、例えば、前記共役系配位子が、フェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、又はキノリンであるのがよい。
また、前記半導体分子は、前記一端部としての電極結合部と、前記他端部としての導電体結合部とを、分子の両端に有しており、前記電極結合部が、チオール基−SH(電極がAu、Ag、Pt、Pd、Cu、Feの場合)、ジスルフィド基−S−S−(電極がAu、Ag、Pt、Pd、Cu、Feの場合)、セレノール基−SeH(電極がAu、Agの場合)、テルロール基−TeH(電極がAu、Agの場合)、アミノ基−NH2(電極がAu、Agの場合)、シアノ基−CN(電極がAuの場合)、チオイソシアニド基−SCN(電極がAu、Ag、Pt、Pd、Cu、Feの場合)、又はイソシアノ基−NC(電極がAu、Ag、Pt、Pdの場合)からなり、前記導電体結合部が、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、セレノール基−SeH、テルロール基−TeH、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、チオイソシアニド基−SCN、又はイソシアノ基−NCからなるのがよい。
前記電極結合部と前記導電体結合部は、同じ官能基からなっていても、異なる官能基からなっていてもよい。ただし、前記電極結合部と前記導電体結合部とが異なる官能基で構成される場合、前記導電体結合部として、前記電極結合部に比べて前記電極に結合する力が弱いものを選択する必要がある。例えば、前記電極結合部がチオール基またはジスルフィド基である場合、前記導電体結合部として、アミノ基、シアノ基、チオイソシアニド基、又はイソシアノ基を選択することが可能である。
また、前記分子骨格部が左右非対称であり、前記分子骨格部の、前記電極あるいは前記導電体に対する向きを制御することがデバイスの特性を左右する場合、前記電極結合部と前記導電体結合部との前記電極に対する結合力の差を利用して、前記半導体分子の向きを一方向にそろえることが可能である。有機半導体分子の向きの制御が必要であり、かつ前記電極結合部と前記導電体結合部が同じ官能基で構成されている場合は、一方の官能基を保護基で保護しておき、電極に結合させた後に保護基を除去することによって、向きの制御が可能である(S. K. Pollack et al., Langmuir, 20 (2004), 1838参照。)。
本発明の第1および第2の半導体装置の製造方法において、導体又は半導体からなる微粒子と、リンカー分子とを交互に結合させることによって前記導電体を形成し、隣接し合う前記微粒子同士を前記リンカー分子によって連結することによって、ネットワーク型の導電路を形成するのがよい。
このような前記導電体を形成する方法としては、保護膜分子で被覆・保護された前記微粒子を、前記導電体を形成する位置に配置した後、これらの微粒子に前記リンカー分子を接触させ、前記リンカー分子によって前記保護膜分子を置換し、前記リンカー分子が有する官能基によって前記リンカー分子と前記微粒子とを結合させるのがよい。
或いは、前駆体分子が結合した前記微粒子を、前記導電体を形成する位置に配置した後、前記微粒子に結合した前記前駆体分子と、隣接する前記微粒子に結合した他の前記前駆体分子とを結合させ、前記微粒子間を連結する前記リンカー分子を生成させるのがよい。
この前記前駆体分子を用いる一つの方法として、前記前駆体分子として、前記微粒子の凝集を防ぐ保護膜を形成する保護膜分子を用いる方法がある。この際、前記保護膜が前記保護膜分子のみで形成されていてもよいし、前記保護膜が前記保護膜分子と他の保護膜分子とで形成されていてもよい。例えば、他の保護膜分子が主に前記微粒子に対する保護作用を担い、前記保護膜分子が前記微粒子に対する保護作用を補完するようにすれば、より広い選択肢の中から前記保護膜分子を選ぶことができる。また、前記保護膜分子として、電気伝導性の高い分子を用いるのがよい。
前記前駆体分子を用いる別の方法として、
前記微粒子を、凝集を防ぐための保護膜分子で表面を被覆した状態で形成する工程と 、
前記微粒子と結合できる官能基を有する前記第1の分子を前記微粒子に作用させ、前 記保護膜分子を置換して、前記微粒子に結合させる工程と、
前記微粒子に結合した前記第1の分子と、1種以上の第2の分子とを重合させ、前記 前駆体分子を生成させる工程と
によって、前記前駆体分子が結合した前記微粒子を形成する方法がある。
前記前駆体分子を用いる方法では、前記微粒子の保護膜分子を前記リンカー分子で置換して、同時に前記微粒子間を前記リンカー分子で連結する工程が不要になり、隣接し合う前記前駆体分子同士を反応させるだけでよいので、前記導電体の形成が容易になる利点がある。
前記前駆体分子を用いる方法では、前記前駆体分子と前記他の前駆体分子とを反応させるのに、錯体形成反応、縮合反応、置換反応、カップリング反応、付加反応、水素結合形成反応、及びπ−πスタッキング形成反応からなる群より選ばれた少なくとも一種の反応を用いることができる。
この際、前記反応を、加熱、光照射、系への反応開始剤や金属イオンの導入、及び溶媒の除去からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段によって引き起こすのがよい。光による化学反応を用いる場合、光を当てる領域を光学的に絞り込むことで、特定の領域に存在する前記微粒子のみを反応させることができ、必要であれば、その後に未反応の微粒子を洗い流すこともできる。
また、本発明の第1および第2の半導体装置の製造方法において、保護膜分子で被覆・保護された前記微粒子を、前記導電体を形成する位置に配置した後、前記保護膜分子を除去し、隣接し合う前記微粒子同士を融着させ、前記導電体を形成するのもよい。
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的かつ詳細に説明する。
実施の形態1
実施の形態1では、主として、請求項1〜5および15に記載した半導体装置、並びに、請求項26〜28および34に記載した半導体装置の製造方法に関わる例として、絶縁ゲート型電界効果トランジスタとして構成された半導体装置およびその製造方法について説明する。
図1(a)は、請求項1および3〜5に対応する、実施の形態1に基づく絶縁ゲート型の電界効果トランジスタ(FET)10の構造を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、トランジスタ10はボトムゲート・ボトムコンタクト型構造のFETとして構成されている。
基板1は、ゲート電極を兼ねており、例えば、n型の不純物がドープされ、導電性を有するシリコン基板などである。基板1の表面には、酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜2が設けられ、その上に金などからなるソース電極3およびドレイン電極4が対向して設けられている。ソース電極3およびドレイン電極4には、その上面を被覆するように絶縁膜11が設けられている。
ソース電極3およびドレイン電極4の側面には、有機半導体分子5からなる単分子膜が形成されている。図1(b)に示すように、有機半導体分子5は、電極3または4に結合可能な電極結合部5a、分子骨格部5b、および後述する微粒子6に結合可能な導電体結合部5cからなる。単分子膜が再現性よく形成させるためには、有機半導体分子5は細長い形状をもち、分子骨格部5bの長さは適当な長さを有するのがよい。
この単分子膜では、各有機半導体分子5は、前記一端部である電極結合部5aによって電極側面に結合し、分子の長さ方向を電極側面に直交させ、分子同士が分子の側面で互いに接するように分子間力で集合する。この結果、単分子膜の厚さは分子の長さと等しく一定になり、単分子膜の表面(電極とは反対側の面)には、前記半導体分子の前記他端部である導電体結合部5cが、一面にびっしりと並ぶことになる。図1(a)に示すように、導電体結合部5cは、電極と結合せず、電極から遠ざかるように配向しているのが望ましく、少なくともその一部が微粒子6と結合しており、できるだけ多くが微粒子6と結合しているのが望ましい。
電極3または4に結合可能な電極結合部5aとして、例えば、電極が金Auである場合には、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、イソシアノ基−NCなどが挙げられる。また、微粒子6に結合可能な導電体結合部5cとして、例えば、微粒子が金Auである場合には、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、イソシアノ基−NCなどが挙げられる。電極結合部5aとなる官能基と、導電体結合部5cとなる官能基とは、異なっていてもよい。
有機半導体分子5は、共役系を有することが望ましく、分子全体にわたる共役系を有することがより望ましい。必要な電気伝導性が保たれるのであれば、オリゴマーやポリマーであってもよい。例えば、分子骨格5bとしてフェニレン基、フェニレンエチニレン基、チオフェン骨格などをもつ分子が挙げられる。有機半導体分子5はポリアセン系分子であってもよい。ゲート電極1からの電界が微粒子6によって遮蔽されずに有効に有機半導体分子5に作用するには、電極3または4と微粒子6との距離が大きくなるように、有機半導体分子5の分子長は長い方がよく、例えば、5〜100nmであるのがよい。
ソース電極3に形成された有機半導体分子5の単分子膜と、ドレイン電極4に形成された有機半導体分子5の単分子膜との間には、導電体8が配置されている。図1(c)に示すように、導電体8は、微粒子6とそれらをつなぐリンカー分子7とによって構成されており、両端の微粒子6によって、有機半導体分子5の導電体結合部5cと結合している。微粒子6は、粒子径10nm以下の微粒子で、その材料としては、例えば、金Au、銀Ag、白金Pt、銅Cu、パラジウムPd、鉄Feなどの金属などの導体や、ドープされたシリコンSiなどの半導体など、電気伝導性の高い材料が用いられる。
微粒子6同士を連結するリンカー分子7は、両端に微粒子6に結合可能な官能基を有する。例えば、微粒子が金Auからなる場合、リンカー分子7が両端に有する官能基として、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、イソシアノ基−NCなどが挙げられる。リンカー分子7は、優れた導電性を示せるように共役系を有することが望ましく、分子全体にわたる共役系を有することがより望ましい。例えば、リンカー分子7として、フェニレン基、フェニレンエチニレン基、チオフェン骨格などをもつ分子を挙げることができる。リンカー分子7の分子長は、微粒子6同士を連結させることのできる十分な長さであり、かつ、リンカー分子7の電気伝導性を高めるために、できるだけ短い方がよい。
導電体8では、リンカー分子7が両端にある官能基によって微粒子6と結合し、微粒子6とリンカー分子7とが交互に連結され、微粒子6内の導電路とリンカー分子7内の導電路とが接続された導電路が形成される。この導電路では、リンカー分子7内の電荷移動がその主鎖に沿った分子軸方向で支配的に起こるため、分子の軸方向の移動度、例えば非局在化したπ電子による高い分子内移動度などを最大限に利用することができる。さらに、微粒子6には多数のリンカー分子7が結合できるので、全体としては二次元または三次元網目状に連結されたネットワーク型の導電路が形成され、導電体8における電気伝導は、このネットワーク型の導電路を通じて行われる。以上の結果、導電体8では高い移動度および高い電気伝導性が得られる。
絶縁ゲート型の電界効果トランジスタ10では、前記対向電極であるソース電極3とドレイン電極4との間に電圧が印加されると、電子は、ソース電極3から、ソース電極3の側面に結合した有機半導体分子5中を通って、導電体8に入り、導電体8を通過後、ドレイン電極4の側面に結合した有機半導体分子5中を通って、ドレイン電極4へ流れる。この結果、ソース電極3およびドレイン電極4のそれぞれと導電体8とによって挟まれた2つの領域に、半導体分子5によるチャネル領域9が形成される。次に述べるように、電界効果トランジスタ10の特性は、2つのチャネル領域9を形成している有機半導体分子5の特性によって決まる。
すなわち、有機半導体分子5中の導電性は比較的低く、かつ、導電体8の導電性は高いため、対向電極3および4間の導電性は、実質的に、2つのチャネル領域9を占める有機半導体分子5の導電性によって決定される。導電体8は、電界効果トランジスタ10の特性にはほとんど影響を与えず、2つのチャネル領域9の間を電気的に接続し、有機半導体分子5と電子の授受を行う実効的な電極として機能する。このように、電界効果トランジスタ10では、ソース電極3と導電体8とを実質的な対向電極とし有機半導体分子5をチャネル材料とする半導体素子(電界効果トランジスタ)10aと、導電体8とドレイン電極4とを実質的な対向電極とし有機半導体分子5をチャネル材料とする半導体素子(電界効果トランジスタ)10bとが実効的に形成されており、電界効果トランジスタ10は、これら2つの半導体素子10aと10bとが導電体8によって直列に接続されたものと見なすことができる。
図1(a)に示すように、2つの半導体素子10aと10bにおいて、有機半導体分子5は、対向電極の1つであるソース電極3またはドレイン電極4に電極結合部5aで結合し、かつ、対向電極の他の1つである導電体8に導電体結合部5cで結合しているので、チャネル領域9における電荷移動は主として分子内電荷移動によって行われ、分子間電荷移動によって移動度などが制限されることがない。従って、電界効果トランジスタ10は、導電性に関して、先述した非特許文献1または2に示されている分子トランジスタと同等の性能を実現できると考えられる。そして、ゲート絶縁膜2を介してゲート電極1が設けられているので、そのチャネル領域9における導電性が効果的に電界制御される。
図1(a)から明らかなように、ゲート電極は、チャネル領域9にゲート電界を作用させることができる、チャネル領域9の近傍にあれば十分であるので、ゲート電極をそのようにパターニングして設けてもよい。
なお、ゲート絶縁膜2は、通常用いられる酸化シリコンなどの無機酸化物や、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルフェノール(PVP)などの有機絶縁性高分子などによって構成されているのがよい。
また、ソース電極3およびドレイン電極4は、例えば、金Au、銀Ag、白金Pt、クロムCr、銅Cu、パラジウムPd、アルミニウムAl、およびチタンTiなどの金属、不純物がドープされ導電性が高められたシリコンなどの無機半導体、グラファイト(黒鉛)、および、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などの有機導電性材料、またはこれらを組み合わせた材料によって構成されているのがよい。
基板1上に形成されたトランジスタは、ディスプレイ装置として応用する場合のように、基板1ごと多数のトランジスタを集積したモノリシック集積回路として利用してもよいし、各トランジスタを切断して個別化し、ディスクリート部品として利用してもよい。
電界効果トランジスタ10では、ソース電極3とドレイン電極4との間の距離は、通常、5〜50μm程度、最小で100nm程度である。この間隙部の大部分は導電体8によって占められ、マイクロメートルレベルの加工精度があれば十分であるので、従来の半導体技術で容易に作製可能である。(なお、ソース電極3およびドレイン電極4の高さは20〜50nm程度であり、長さは5〜10μm程度である。)。電界効果トランジスタ10においてナノメートルレベルの精度が必要になるのは、実効的な半導体素子10aまたは10bにおいて対向電極として機能する、ソース電極3またはドレイン電極4と、それに対向している導電体8との距離である。次に説明するように、この距離は自己組織化的な方法によって容易にナノメートルレベルの精度で制御することができる。
図2は、請求項26〜28に対応する、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ10の作製工程のフローを示す断面図である。以下、基板1として不純物がドープされたシリコン基板を用い、ソース電極3、ドレイン電極4、および微粒子6の材料として金を用いることを想定して、その作製工程を説明する。
まず、図2(a)に示すように、基板1の表面に熱酸化法などによって酸化シリコンからなるゲート絶縁膜2を形成する。次に、リフトオフ法などの公知の方法によって、ソース電極3、ドレイン電極4、および絶縁膜11を形成する。
例えば、まず、ゲート絶縁膜2上の全面に塗布法などによってフォトレジスト層を形成した後、フォトリソグラフィによってパターニングして、ソース電極3およびドレイン電極4を形成する領域以外を被覆するマスク層を形成する。次に、蒸着法などによって全面に金などからなる電極材料層を形成し、さらにその上に、スパッタリング法や真空蒸着法などの物理的気相成長法、または化学的気相成長法によって、酸化シリコンや酸化アルミニウムなどの無機酸化物からなる絶縁材料層を5nm程度の厚さに形成する。次に、マスク層を溶解除去することにより、その上に堆積した電極材料層および絶縁材料層を除去し、ソース電極3、ドレイン電極4、および絶縁膜11のみを残す。
次に、図2(b)に示すように、基板1を有機半導体分子5を含む溶液に浸漬するか、あるいは、基板1を有機半導体分子5の蒸気に曝すことによって、半導体分子5自身の自己組織化作用によって、ソース電極3およびドレイン電極4の側面に半導体分子5からなる単分子膜を形成させる。この単分子膜では、各分子5は電極側面に電極結合部5aで結合し、分子5の長さ方向を電極側面に直交させ、分子同士が分子の側面で互いに接するように分子間力で集合する。この結果、単分子膜の厚さは分子5の長さと等しく一定となり、単分子膜の表面(電極とは反対側の面)には、半導体分子5の導電体結合部5cが一面にびっしりと並ぶことになる。この際、有機半導体分子5は、導電体結合部5cが電極と結合しないように、導電体結合部5cを電極表面から遠ざけるように配向するのが望ましい。
次に、図2(c)に示すように、凝集を防ぐための保護膜分子12で表面が覆われた微粒子6を、浸漬法、キャスト法、ラングミュア−ブロジェット(LB)法、インクジェット法、またはスタンプ法などにより、有機半導体分子5が結合しているソース電極3とドレイン電極4との間のゲート絶縁膜2の上に配置する。この際、微粒子6は両電極を橋渡しするのに十分な面積で配置する。ただし、ゲートリーク電流を低減させるため、電極間距離より無意味に広い面積で形成することは避けるようにする。
例えば、浸漬法によって微粒子6を配置する場合には、金微粒子6をトルエンやクロロフォルム等の溶媒に分散させた分散液(濃度数mM)に基板1を数分間〜数時間浸漬した後、溶媒を蒸発させる。これにより、基板1の表面に金微粒子6を配置する。
キャスト法では、金微粒子6をトルエンやクロロフォルム等の溶媒に分散させた分散液を基板上に滴下し、徐々に溶媒を蒸発させる。これにより、基板1の表面に金微粒子6を配置する。
LB法では、静置した水面上に金微粒子6をトルエンやクロロフォルム等の溶媒に分散させた分散液を展開し、金微粒子層を形成させる。次に、水面下降法などにより基板1の上に金微粒子層を転写し、基板1の表面に金微粒子6を配置する。
スタンプ法では、固体表面や水面にキャスト法やLB法で形成した金微粒子層を一度ポリジメチルシロキサンなどの表面に転写し、それをスタンプのように基板1の上に押しつけて、基板1の表面に金微粒子6を配置する。
なお、金微粒子6は、その粒子径が10nmまたはそれ以下のコロイド粒子である。この金微粒子6をトルエンやクロロフォルム等の溶媒に安定に分散させるためには、金微粒子6同士が凝集して沈殿してしまうのを防止する保護膜分子12を付着させ、保護膜分子12で被覆した状態にしておく必要があり、基板1の上にはこの状態で導入する。なお、有機半導体分子5に接する位置に配置された金微粒子6では、保護膜分子12の一部が有機半導体分子5の導電体結合部5cによって置換され、有機半導体分子5の導電体結合部5cと金微粒子6との結合が形成される。
次に、リンカー分子7を含む溶液に基板1を浸漬し、保護膜分子12をリンカー分子7で置換し、図2(d)に示すように、隣接する微粒子6の間をリンカー分子7によって連結して、導電体8を形成する。この後、有機半導体分子5に連結されていない不要な微粒子6は溶媒などに分散させ、溶媒とともに除去する。
リンカー分子7による連結によって、導電体8の良好な電気伝導性が実現する。このリンカー分子7による連結は、WO2004/006337(または、特開2004−88090号公報)で述べられている方法に準ずる。また、特開2006−100519号公報で述べられているように、有機金属錯体の配位子となり得る分子を、ソース・ドレイン電極パターン上に固定化された微粒子層表面に結合させ、次に金属イオンを導入することによって微粒子間が錯体分子で連結された構造を形成させることも可能である。
図2(c)および(d)に示したように、既に形成されている有機半導体分子5の単分子膜の表面に、この表面を形成している導電体結合部5cと結合しやすい材料からなる微粒子6を付着させることによって導電体8を「後付け」で形成するので、ソース電極3およびドレイン電極4のそれぞれと、それに対向している導電体8との距離を、自動的に半導体分子5の長さと等しくすることができる。この方法によれば、間隙の大きさがナノメートルレベルの精度を有する実効的な対向電極を、既に形成されている単分子膜に対する「合わせ」で形成することができるので、ナノメートルレベルの精度を容易に実現することができる。
図3は、実施の形態1の変形例に基づく絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構造を示す概略断面図である。
図3(a)は、請求項2に対応する絶縁ゲート型電界効果トランジスタの例を示している。このトランジスタでは、有機半導体分子5をソース電極3およびドレイン電極4のどちらかの前記一方の電極(図3(a)ではソース電極3)にのみ配置している。有機半導体分子5が配置されていない前記他方の電極(図3(a)ではドレイン電極4)の上では、導電体8aの微粒子6は、リンカー分子7を介してドレイン電極4に連結されている。
この場合、実効的な半導体素子10aがソース電極3側にだけ形成され、両電極に有機半導体分子5を配置している絶縁ゲート型電界効果トランジスタ10に比べるとチャネル領域の全長が半分になる。有機半導体分子5の1分子の長さで十分なチャネル長を実現できない場合には、この構造をとることはできないが、有機半導体分子5の1分子の長さで十分なチャネル長を実現できる場合には、この構造をとることができる。その場合には、有機半導体分子5がソース電極3およびドレイン電極4の一方(図3(a)ではソース電極3)にだけ設けられているので、ソース−ドレイン間の電圧の設定がより単純になり、半導体分子5に最適電圧を印加することができ、また、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ10に比べてより低い電圧で動作させることができるという利点がある。なお、この電界効果トランジスタでは、有機半導体分子5を配置する際に、有機半導体分子5を配置しない電極(図3(a)ではドレイン電極4)をマスクしておく必要がある。
図3(b)は、請求項15〜17に対応する絶縁ゲート型電界効果トランジスタの例を示している。このトランジスタでは、微粒子6をリンカー分子7で連結するのではなく、隣り合う微粒子6同士を融着させて、薄膜状の導電体8bを形成する。この場合、導電体8bの電気伝導性は、リンカー分子7の電気伝導性に制限されることがないので、高くできる利点がある。
微粒子6同士を融着させて薄膜状の導電体8bを形成する方法としては、光照射や加熱などのほかに、微粒子6に付着している保護膜を化学的に除去する方法も可能である。この場合、微粒子6を所定の領域に配置した後、保護膜のみを溶解する溶媒に浸漬し、保護膜を除去すると、微粒子6同士が融着し、電気伝導性の高い薄膜状の導電体8bが形成される。微粒子6の粒径は10nm以下であるのがよい。
実施の形態2
実施の形態2では、トップゲート型構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとして構成された半導体装置およびその製造方法について説明する。
図4は、実施の形態2に基づく絶縁ゲート型の電界効果トランジスタ(FET)20の構造を示す概略断面図である。トランジスタ20は、トップゲート型構造である点のみが絶縁ゲート型の電界効果トランジスタ(FET)10と異なっているので、相違点に重点をおいて説明する。
基板21は絶縁性基板で、例えば、ポリイミドやポリカーボネートやポリエチレンテレフタラート(PET)などのプラスチック基板や、ガラス基板や、石英基板、マイカ(雲母)などである。プラスチック基板を用いると、例えば曲面形状をもつディスプレイのように、フレキシブルな形状の半導体装置を製造することができる。
基板21の表面には、金などからなるソース電極3およびドレイン電極4が対向して設けられている。ソース電極3およびドレイン電極4の側面には、有機半導体分子5が電極結合部5aを介して結合している。有機半導体分子5の導電体結合部5cは、電極と結合せず、電極から遠ざかるように配向しているのが望ましく、少なくともその一部が微粒子6と結合しており、できるだけ多くが微粒子6と結合しているのが望ましい。導電体8は、実施の形態1と同様、微粒子6とそれらをつなぐリンカー分子7とによって形成されている。
導電体8の上部には、ソース電極3とドレイン電極4との間隙部を埋め込むようにゲート絶縁膜22が形成され、それを介してゲート電極23が設けられている。ゲート絶縁膜22の材料としては、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機酸化物や、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリイミドなどの有機絶縁性高分子などを用いることができる。また、ゲート電極23の材料としては、例えば、金Au、銀Ag、白金Pt、クロムCr、銅Cu、パラジウムPd、アルミニウムAl、およびチタンTiなどの金属、不純物がドープされ導電性が高められたシリコン、インジウムスズ酸化物などの無機半導体、グラファイト(黒鉛)、および、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などの有機導電性材料、またはこれらを組み合わせた材料を用いることができる。
図5および図6は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ20の作製工程のフローを示す断面図である。以下、ソース電極3、ドレイン電極4、および微粒子6の材料として金を用いることを想定して、その作製工程を説明する。
まず、図5(a)に示すように、基板21の表面にリフトオフ法などの公知の方法によって、ソース電極3、ドレイン電極4、および絶縁膜11を形成する。
次に、図5(b)に示すように、基板21を有機半導体分子5を含む溶液に浸漬するか、あるいは、基板21を有機半導体分子5の蒸気に曝すことによって、ソース電極3およびドレイン電極4の側面に有機半導体分子5を自己組織化的に結合させる。この際、有機半導体分子5は、電極結合部5aで電極表面に結合し、導電体結合部5cを電極表面から遠ざけるように配向させるのが望ましい。
次に、図5(c)に示すように、凝集を防ぐために保護膜分子12で表面が覆われた微粒子6を、浸漬法、キャスト法、ラングミュア−ブロジェット(LB)法、インクジェット法、またはスタンプ法などにより、有機半導体分子5が結合しているソース電極3とドレイン電極4との間のゲート絶縁膜2の上に配置する。
次に、リンカー分子7を含む溶液に基板21を浸漬し、保護膜分子12をリンカー分子7で置換し、図5(d)に示すように、隣接する微粒子6の間をリンカー分子7によって連結して、導電体8を形成する。
次に、図6(e)に示すように、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理的気相成長法、化学的気相成長法、キャストコーター法やスプレーコーター法やスピンコート法などのコーティング法、インクジェット法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法やグラビア印刷法などの印刷法、スタンプ法、リフトオフ法、浸漬法、あるいはキャスティング法などによりゲート絶縁膜を形成する。
次に、図6(f)に示すように、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理的気相成長法、化学的気相成長法、キャストコーター法やスプレーコーター法やスピンコート法などのコーティング法、インクジェット法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法やグラビア印刷法などの印刷法、スタンプ法、リフトオフ法、シャドウマスク法、あるいはめっき法などによりゲート電極を形成する。
本実施の形態によれば、作製工程における処理温度を200℃以下に抑えることができるので、上記の材料をすべて有機化合物で構成することもできる。
実施の形態3
実施の形態3では、主として、請求項12および20に記載した、前記リンカー分子および前記半導体分子が要部に電気伝導性の高い前記金属錯体部を有する半導体装置に関わる例として、絶縁ゲート型電界効果トランジスタについて説明する。また、請求項29および31に記載した半導体装置の製造方法に関わる例として、前記微粒子に結合している前記保護膜分子を前記第1の分子で置換し、この第1の分子に前記第2の分子を重合させて、前記微粒子に結合した前記前駆体分子を形成した後、前記微粒子を所定の位置に配置し、隣接する前駆体分子同士を結合させて前記リンカー分子を形成する例について説明する。
図7(a)は、実施の形態3に基づく絶縁ゲート型の電界効果トランジスタ(FET)30の構造を示す概略断面図である。図7(a)に示すように、電界効果トランジスタ30は実施の形態1で説明した電界効果トランジスタ10と同様に構成されており、半導体分子31およびリンカー分子32が、電気伝導性の高い金属錯体部をもつ点のみが異なっている。以下、相違点に重点をおいて説明する。
基板1は、ゲート電極を兼ねており、例えば、n型の不純物がドープされ、導電性を有するシリコン基板などである。基板1の表面には、酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜2が設けられ、その上に金などからなるソース電極3およびドレイン電極4が対向して設けられている。
ソース電極3およびドレイン電極4の側面には、半導体分子31からなる単分子膜が形成されている。図7(b)に示すように、半導体分子31は、電極3または4に結合可能な電極結合部31aと配位子部31bとをそれぞれ分子の両端に有する配位子分子51、2つの配位子部31cを分子の両端に有する配位子分子52、前記他端部に形成された導電体結合部31d、および、配位子部31b及び/又は31cと金属錯体部31fを形成することによって配位子分子51と52又は配位子分子52同士を結合させる金属イオン31eからなる。xは、なくてもよいが、例えば、単数または複数のエチニレン基−C≡C−基、ビニレン基−CH=CH−、フェニレン基などである。単分子膜が再現性よく形成させるためには、有機半導体分子5は細長い形状をもち、分子骨格部5bの長さは適当な長さ、例えば、5〜100nmであるのがよい。
この単分子膜では、各半導体分子31は、前記一端部である電極結合部31aによって電極側面に結合し、分子の長さ方向を電極側面に直交させ、分子同士が分子の側面で互いに接するように分子間力で集合する。この結果、単分子膜の厚さは分子の長さと等しく一定になり、単分子膜の表面(電極とは反対側の面)には、前記半導体分子の前記他端部である導電体結合部31dが、一面にびっしりと並ぶことになる。図7(a)に示すように、導電体結合部31dは、電極と結合せず、電極から遠ざかるように配向しているのが望ましく、少なくともその一部が微粒子6に結合した前駆体分子41の連結部43と結合しており、できるだけ多くが前駆体分子41の連結部43と結合しているのが望ましい。前駆体分子41については後に詳述する。
電極3または4に結合可能な電極結合部31aとして、例えば、電極が金Auである場合には、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH、シアノ基−CN、イソシアノ基−NCなどが挙げられる。また、前駆体分子41の連結部43に結合可能な導電体結合部31dは、連結部43がフェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、およびキノリンなどの共役系配位子である場合には、例えばRu3+などの中心金属イオンを有する共役系配位子であるのがよい。
有機半導体分子5は、共役系を有することが望ましく、分子全体にわたる共役系を有することがより望ましい。加えて、本実施の形態の特徴として、請求項20に記載した半導体装置に対応して、有機半導体分子31には、導電性の高い金属錯体部31fが含まれる。このような金属錯体部31fの例として、フェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、およびキノリンなどの共役系配位子からなる配位子部31bおよび31cが、Ru3+などの金属イオン31eに配位した錯体部や、この錯体部の複数ユニットが連結された構造などを挙げることができる。ゲート電極1からの電界が微粒子6によって遮蔽されずに有効に半導体分子31に作用するには、電極3または4と、微粒子6との距離が大きくなるように、半導体分子31の分子長は長い方がよい。
ソース電極3に形成された半導体分子31の単分子膜と、ドレイン電極4に形成された半導体分子31の単分子膜との間には、導電体33が配置されている。図7(c)に示すように、導電体33は、微粒子6とそれらをつなぐリンカー分子32とによって構成されており、両端の微粒子6に結合した前駆体分子41の連結部43によって、半導体分子31の導電体結合部31dと結合している。微粒子6は、粒子径10nm以下の微粒子で、その材料としては、例えば、金Au、銀Ag、白金Pt、銅Cu、パラジウムPd、鉄Feなどの金属などの導体や、不純物がドープされて導電性が高められたシリコンSiなどの半導体など、電気伝導性の高い材料が用いられる。
微粒子6同士を連結するリンカー分子32は、微粒子6に結合可能な官能基を両端の結合部42に有する。例えば、微粒子が金Auからなる場合、リンカー分子7が両端に有する官能基として、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、イソシアノ基−NCなどが挙げられる。リンカー分子32は、優れた導電性を示せるように共役系を有することが望ましく、分子全体にわたる共役系を有することがより望ましい。
本実施の形態の特徴として、請求項29に記載した製造方法に対応して、リンカー分子32は、微粒子6に結合した前駆体分子41と、その微粒子6に隣接する微粒子6に結合した他の前駆体分子41とが、連結部43で結合することによって形成される。また、請求項31に記載した製造方法に対応して、前駆体分子41は、微粒子6に結合した前記第1の分子に、前記第2の分子が重合することによって形成される。
結合部42と連結部43との間には、優れた導電性を示し得るように、分子骨格に共役系を有する導電部44が配置されている。この導電部44の主要部は、通常、同一構造単位45の繰り返しによって形成される。さらに、本実施の形態の特徴として、請求項12に記載した半導体装置に対応して、導電部44には導電性の高い金属錯体部が含まれる。この金属錯体部の例として、半導体分子31に関して説明したと同様に、フェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、およびキノリンなどの共役系配位子と金属イオンとの錯体部や、この錯体部の複数ユニットが連結された構造などを挙げることができる。リンカー分子32の分子長は、微粒子6同士を連結させることのできる十分な長さであり、かつ、リンカー分子32の電気伝導性を高めるために、できるだけ短い方がよい。
導電体33では、リンカー分子32が両端の官能基によって微粒子6と結合することによって、微粒子6とリンカー分子7とが交互に連結され、微粒子6内の導電路とリンカー分子32内の導電路とが接続された導電路34が形成される。この導電路では、リンカー分子32内の電荷移動がその主鎖に沿った分子軸方向で支配的に起こるため、分子の軸方向の移動度、例えば非局在化したπ電子による高い分子内移動度などを最大限に利用することができる。さらに、微粒子6には多数のリンカー分子32が結合できるので、全体としては二次元または三次元網目状に連結されたネットワーク型の導電路が形成され、導電体33における電気伝導は、このネットワーク型の導電路を通じて行われる。以上の結果、導電体33では高い移動度および高い電気伝導性が得られる。
電界効果トランジスタ30では、電界効果トランジスタ10と同様、前記対向電極であるソース電極3とドレイン電極4との間に電圧が印加されると、電子は、ソース電極3から、ソース電極3の側面に結合した有機半導体分子31中を通って、導電体33に入り、導電体33を通過後、ドレイン電極4の側面に結合した半導体分子31中を通って、ドレイン電極4へ流れる。この結果、ソース電極3およびドレイン電極4のそれぞれと導電体33とによって挟まれた2つの領域に、半導体分子31によるチャネル領域が形成される。電界効果トランジスタ10と同様、電界効果トランジスタ30の特性は、2つのチャネル領域を形成している半導体分子31の特性によって決まる。
すなわち、半導体分子31中の導電性は比較的低く、かつ、導電体33の導電性は高いため、対向電極3および4間の導電性は、実質的に、2つのチャネル領域を占める半導体分子31の導電性によって決定される。導電体33は、電界効果トランジスタ30の特性にはほとんど影響を与えず、2つのチャネル領域の間を電気的に接続し、半導体分子31と電子の授受を行う実効的な電極として機能する。このように、電界効果トランジスタ30では、ソース電極3と導電体33とを実質的な対向電極とし有機半導体分子31をチャネル材料とする半導体素子(電界効果トランジスタ)30aと、導電体33とドレイン電極4とを実質的な対向電極とし有機半導体分子31をチャネル材料とする半導体素子(電界効果トランジスタ)30bとが実効的に形成されており、電界効果トランジスタ30は、これら2つの半導体素子30aと30bとが導電体33によって直列に接続されたものと見なすことができる。
図7(a)に示すように、2つの半導体素子30aと30bにおいて、半導体分子31は、対向電極の1つであるソース電極3またはドレイン電極4に電極結合部31aで結合し、かつ、対向電極の他の1つである導電体33に導電体結合部31dで結合しているので、チャネル領域における電荷移動は主として分子内電荷移動によって行われ、分子間電荷移動によって移動度などが制限されることがない。従って、電界効果トランジスタ30は、導電性に関して、先述した非特許文献1または2に示されている分子トランジスタと同等の性能を実現できると考えられる。そして、ゲート絶縁膜2を介してゲート電極1が設けられているので、そのチャネル領域における導電性が効果的に電界制御される。
加えて、リンカー分子32に高い導電性を有する金属錯体部が含まれており、より高い導電性をもつ導電体33が形成可能である。また、金属錯体部31fを有する有機半導体分子31を用いることによって、金属錯体の構造および性質の多様性を利用して、より高い変調効果や新たな機能の発現を期待することができる。
図8および図9は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ30の作製工程のフローを示す断面図である。以下、基板1として不純物がドープされたシリコン基板を用い、ソース電極3、ドレイン電極4、および微粒子6の材料として金を用いることを想定し、その作製工程を説明する。また、有機半導体分子31と前駆体分子41とを、同種の材料を用いて同種の反応で合成すれば、前駆体分子41同士を連結してリンカー分子32を形成する反応と、有機半導体分子31と前駆体分子41とを連結して、有機半導体分子31を導電体33に結合させる反応を同時に行えるので好都合であるので、そのような例を説明する。
まず、図8(a)に示すように、基板1の表面に熱酸化などによって酸化シリコンからなるゲート絶縁膜2を形成する。次に、ゲート絶縁膜2の上にリフトオフ法などの公知の方法によって、ソース電極3、ドレイン電極4、および絶縁膜11を形成する。
次に、図8(b)に示すように、基板1を配位子分子51を含む溶液に浸漬するか、あるいは、基板1を配位子分子51の蒸気に曝すことによって、ソース電極3およびドレイン電極4の側面に配位子分子51を自己組織化的に結合させる。配位子分子51は、例えば、図10に示す構造式で表される分子であり、(反応1)によって電極結合部31aによって電極表面に結合する。この際、配位子分子51は、配位子部31bを電極表面から遠ざけるように配向するのが望ましい。
次に、図8(c)に示すように、金属イオン31eを含む溶液に基板1を浸漬することによって、図10に示す(反応2)によって配位子部31bに金属イオン31eを結合させる。
次に、図8(d)に示すように、配位子分子52を含む溶液に基板1を浸漬することによって、図10に示す(反応3)によって配位子分子52の配位子部31cが金属イオン31eに結合し、配位子部31bおよび配位子部31cと金属イオン31eとからなる電気伝導性の高い金属錯体部31fが形成される。この後、必要な回数だけ(反応2)と(反応3)とを繰り返し、所定の長さの半導体分子31を得る。
次に、図9(e)に示すように、前駆体分子41が結合した微粒子6からなる単粒子膜を、浸漬法、キャスト法、ラングミュアーブロジェット(LB)法、インクジェット法、またはスタンプ法などにより作製し、ソース電極3およびドレイン電極4が形成された基板1の表面に配置する。このとき、微粒子6は六方最密充填に基づく二次元の規則的配列を形成していることが望ましい。
<微粒子に結合した前駆体分子の合成>
図12は、微粒子6に結合した前駆体分子41の合成経路を示す説明図である。以下、前駆体分子41の合成方法について説明する。
まず、公知の方法によって、表面が、微粒子同士の融合を防ぐための保護膜で覆われた微粒子6を合成する。この微粒子6が分散した溶液中に、前記第1の分子に相当する反応分子61を導入し、(反応11)によって保護膜分子を置換する。反応分子61は、例えば共役系のように電気伝導性が高い構造単位45をもち、一方の端部に、微粒子6と結合する結合部(微粒子6と結合可能な官能基)42を有し、他の端部に、後述する反応分子62との重合の際、反応分子62の反応部位bとの反応部位として働く反応部位aを有する分子である。反応1の結果、反応分子61は物理的かつ電気的に微粒子6と結合する。その後、限外ろ過、溶媒抽出、サイズ排除クロマトグラフィー、電気泳動などの方法によって、微粒子6に結合していない分子61を溶液中から除去する。
次に、構造単位45をもち、その両端に反応部位aおよび反応部位bをもち、そのうち反応部位aが保護基cによって不活化されている反応分子62を導入する。反応分子62は、(反応12)により反応部位bによって反応分子61の反応部位aと反応し、反応分子62と反応分子61とが重合する。この後、限外ろ過、溶媒抽出、サイズ排除クロマトグラフィー、電気泳動などの方法によって、未反応の分子62を溶液中から除去する。
次に、(反応13)によって、反応分子62の反応部位aに結びついている保護基cを取り除き、反応部位aを反応活性の状態にする。
この後、(反応12)と(反応13)とを繰り返し行い、構造単位45の繰り返しによって導電部44が所定の長さを有する重合体分子を形成する。
次に、必要なら、分子の両端に反応部位bと、連結部43を有する反応分子63を重合させ、重合体分子に連結部43を導入する(反応14)。図10には、反応分子63が反応部位bおよび連結部43のみからなる例を示したが、中間に構造単位45などが含まれていてもよい。以上によって、微粒子6に結合した前駆体分子41の合成が終了する。
反応分子としては種々の分子を用いることができるが、半導体分子31の合成に用いた配位子分子51および52を、それぞれ、反応分子61および62として用いることができる。その場合、(反応1)〜(反応3)が(反応11)〜(反応13)に相当する。すなわち、反応分子61は、電気伝導性が高い構造単位45としてフェニレン基などであるXをもち、一方の端部に結合部42としてチオール基を有し、他の端部に反応部位aとしてテルピリジル基を有する。反応分子62は、電気伝導性が高い構造単位45としてフェニレン基などであるXをもち、分子の両端部にそれぞれ反応部位bおよびaとしてテルピリジル基を有する。テルピリジル基はルテニウム(III)イオンRu3+に配位しやすいので、(反応2)および(反応3)に示すように、Ru3+との錯体形成反応によって反応分子同士を連結することができる。このRu3+との錯体形成反応は、後述する前駆体分子41同士を連結して、リンカー分子32を形成する際にも用いられる。なお、図中、DMFはジメチルホルムアミドである。この例の場合、反応分子62が連結部43を有するので、連結部43を導入する(反応14)は不要である。
次に、図9(f)に示すように、微粒子6に結合した前駆体分子41と、隣接する他の微粒子6に結合した前駆体分子41とを結合させ、微粒子6間を連結するリンカー分子32を生成させることによって、微粒子6をネットワーク状に連結する導電路33を形成する。このとき、同様の反応によって、半導体分子31と前駆体分子41との結合も形成される。
図13は、前駆体分子41間の連結工程を説明する説明図である。この連結工程には、特開2006−100519号公報に報告した方法を用いることができる。例えば、連結部43が金属錯体の配位子となりうるような原子団で構成されている場合には、金属イオンを含む溶液に微粒子6層が形成された基板1を浸漬することによって、図13(a)に示すように、金属イオンを連結部43間に導入し、錯体形成反応によって前駆体分子41間を連結する(J. Park, A. N. Pasupathy, J. I. Goldsmith, C. Chang, Y. Yaish, J. R. Petta, M. Rinkoski, J. P. Sethna, H. D. Abruna, P. L. McEuen, and D. C. Ralph, Nature(2002), 417, 722-725参照。)。
一方、連結部43同士が反応して結合を形成できる場合には、図13(b)に示すように、加熱、光照射、反応開始剤や触媒の導入などによって反応させ、前駆体分子41間を連結する。また、連結部43が隣接する連結部43と静電引力、ファンデルワールス力、水素結合、π-πスタッキングなどにより相互作用する場合には、これらの作用で前駆体分子41間を連結することも可能である。
図11は、半導体分子31と前駆体分子41との連結反応、または前駆体分子41間の連結反応を、錯体形成反応によって行う例を示す説明図である。半導体分子31と前駆体分子41との連結反応の場合は、まず、(反応4)によって半導体分子31の配位子部31cにRu3+が導入されて導電体結合部31dが形成され、続いて、このRu3+に前駆体分子41の連結部43が結合して、両者が連結される。前駆体分子41間の連結反応の場合は、まず、(反応4)によって一方の前駆体分子41の連結部43にRu3+が導入され、続いて、このRu3+に他方の前駆体分子41の連結部43が結合して、両者が連結される。
上記のように、配位子分子51および52、並びに反応分子61および62として、同じ官能基を有する分子を用いると、同じ型の反応によって、半導体分子31と前駆体分子41との連結反応、および前駆体分子41間の連結反応を同時に行うことができ、好都合である。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。例えば、実施の形態1〜3では微粒子層を単層で設ける例を示したが、複数層の微粒子層を積層して前記導電体を形成してもよい。
本発明の半導体装置及びその製造方法は、将来、無機半導体装置に代わって、種々の電子回路に用いられることが期待されている有機半導体装置及びその製造方法として用いられ、その実現に寄与することができる。
本発明の実施の形態1に基づく絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構造を示す概略断面図(a)、並びに、半導体分子および導電体の構造を示す概略説明図(b)および(c)である。 同、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの作製工程のフローを示す断面図である。 同、変形例による絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構造を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態2に基づく絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構造を示す概略断面図(a)、半導体分子および導電体の構造を示す概略説明図(b)および(c)である。 同、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの作製工程のフローを示す断面図である。 同、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの作製工程のフローを示す断面図である。 本発明の実施の形態3に基づく絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構造を示す概略断面図(a)、半導体分子および導電体の構造を示す概略説明図(b)および(c)である。 同、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの作製工程のフローを示す断面図である。 同、絶縁ゲート型電界効果トランジスタの作製工程のフローを示す断面図である。 同、半導体分子および前駆体分子の合成反応の例を示す説明図である。 同、連結反応の例を示す説明図である。 同、前駆体分子の合成経路を示す説明図である。 同、前駆体分子間の連結工程を示す説明図である。 非特許文献1に示されている分子トランジスタの構造を示す概略図(a)と、半導体分子の構造を示す構造式(b)である。
符号の説明
1…基板(不純物がドープされたシリコン基板などで、ゲート電極を兼ねる。)、
2…ゲート絶縁膜、3…ソース電極(金など)、4…ドレイン電極(金など)、
5…有機半導体分子、5a…電極結合部、5b…分子骨格部、5c…導電体結合部、
6…微粒子(金など)、7…リンカー分子、8…導電体、9…チャネル領域、
10…絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、
10a、10b…実効的な半導体素子(電界効果トランジスタ)、11…絶縁膜、
12…保護膜分子、20…絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、21…基板、
22…ゲート絶縁膜、23…ゲート電極、30…絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、
30a、30b…実効的な半導体素子(電界効果トランジスタ)、31…半導体分子、
31a…電極結合部、31b、31c…配位子部、31d…導電体結合部、
31e…金属イオン、31f…金属錯体部、32…リンカー分子、33…導電体、
34…導電路、41…前駆体分子、42…結合部、43…連結部、44…導電部、
45…構造単位、51、52…配位子分子、61〜63…反応分子、
101…基板(不純物がドープされたシリコン基板などで、ゲート電極を兼ねる。)、
102…ゲート絶縁膜、103…ソース電極(金など)、
104…ドレイン電極(金など)、105…半導体分子、a,b…反応部位、c…保護基

Claims (20)

  1. 複数の電極が対向して配置され、
    これらの対向電極の対向し合う各側面において、複数の半導体分子がその一端部 で電極と分子長方向が直交するようにそれぞれ結合した状態で、その電極側面に沿 って積層されて集合体を形成して配置され、
    前記対向電極の一方の電極に配置されている前記半導体分子の集合体の各半導体分子 他端部の少なくとも一部と、前記対向電極の他方の電極に配置されている前記半導体 分子の集合体の各半導体分子の他端部の少なくとも一部とを電気的に接続する導電体が 設けられ、
    前記対向電極間の導電性が、前記対向電極間において前記導電体に電気的に接続され ている前記半導体分子の集合体の導電性によって実質的に決定されるように、前記半導 体分子の抵抗が前記導電体の抵抗の10倍以上大きい
    半導体装置。
  2. 複数の電極が対向して配置され、
    これらの対向電極の対向し合う各側面のうち一方の電極の電極側面において、複数の 半導体分子がその一端部で電極と分子長方向が直交するようにそれぞれ結合 た状態で、その電極側面に沿って積層されて集合体を形成して配置され、
    前記対向電極の一方の電極に配置されている前記半導体分子の集合体の各半導体分子 他端部の少なくとも一部と、前記対向電極の他方の電極とを電気的に接続する導電体 が設けられ、
    前記対向電極間の導電性が、前記対向電極間において前記導電体に電気的に接続され ている前記半導体分子の集合体の導電性によって実質的に決定されるように、前記半導 体分子の抵抗が前記導電体の抵抗の10倍以上大きい
    半導体装置。
  3. 導体又は半導体からなる微粒子と、リンカー分子とが交互に結合することによって前記導電体が形成され、隣接し合う前記微粒子同士が前記リンカー分子によって連結されて、ネットワーク型の導電路が形成されている、請求項1又は2に記載した半導体装置。
  4. 前記微粒子は、前記導体として、金Au、銀Ag、白金Pt、銅Cu、パラジウムPd、又は鉄Feからなるか、或いは前記半導体として、不純物をドープされたシリコンSiからなる、請求項に記載した半導体装置。
  5. 前記微粒子は粒子径100nm以下の微粒子である、請求項に記載した半導体装置。
  6. 前記リンカー分子は、両端に有する官能基で前記微粒子と結合している、請求項に記載した半導体装置。
  7. 前記官能基が、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、又はイソシアノ基−NCである、請求項に記載した半導体装置。
  8. 前記リンカー分子は、分子骨格の少なくとも一部に共役系結合を有する分子である、請求項に記載した半導体装置。
  9. 前記リンカー分子の前記分子骨格が、フェニレン基、フェニレンエチニレン基、又はチオフェン骨格を含有する、請求項に記載した半導体装置。
  10. 前記リンカー分子の前記分子骨格が金属錯体部を含有する、請求項に記載した半導体装置。
  11. 前記金属錯体部が共役系配位子を含有する、請求項10に記載した半導体装置。
  12. 前記共役系配位子が、フェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、又はキノリンである、請求項11に記載した半導体装置。
  13. 前記リンカー分子は、分子長が5nm以下である、請求項に記載した半導体装置。
  14. 前記半導体分子は、分子骨格の少なくとも一部に共役系結合を有する分子である、請求項1又は2に記載した半導体装置。
  15. 前記半導体分子の前記分子骨格が、フェニレン基、フェニレンエチニレン基、又はチオフェン骨格を含有する、請求項14に記載した半導体装置。
  16. 前記半導体分子の前記分子骨格が金属錯体部を含有する、請求項14に記載した半導体装置。
  17. 前記金属錯体部が共役系配位子を含有する、請求項16に記載した半導体装置。
  18. 前記共役系配位子が、フェロセン、ピリジン、ビピリジン、テルピリジン、フェナントロリン、キノリノール、又はキノリンである、請求項17に記載した半導体装置。
  19. 前記半導体分子は、前記一端部としての電極結合部と、前記他端部としての導電体結合部とを、分子の両端に有している、請求項に記載した半導体装置。
  20. 前記電極結合部又は前記導電体結合部が、チオール基−SH、ジスルフィド基−S−S−、アミノ基−NH2、シアノ基−CN、又はイソシアノ基−NCからなる、請求項19に記載した半導体装置。
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