JP5179553B2 - 蛍光表示管及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中付けの制御電極を備えた蛍光表示管の焼成中における制御電極の熱膨張を許容し、焼成後の制御電極の変形を抑えて制御電極にテンションを付与する蛍光表示管及びその製造方法に関する。
蛍光表示管は、自発光の表示装置であり、視認性が高く、耐環境性に優れていることから、電子レンジなどの家電機器、オーディオなどのAV機器、カーオーディオなどの車載用表示機器など、幅広い分野で使用されている。真空管の一種でもある一般的な蛍光表示管1は、図3に示すように、ガラス基板などからなる陽極基板2と、前面板3aと側面板3bからなる蓋部材3とを有し、陽極基板2の内面に、配線導体4(陽極配線4a)、絶縁層5、陽極導体層6、蛍光体層7が積層され、蛍光体層7の上方に、メッシュ状の開口8aを有する制御電極8、端部が陰極支持体10に支持されたフィラメント状の陰極9が配設され、この状態で陽極基板2と蓋部材3とを低融点ガラス11で接着することにより封止し、気密容器を構成している。この他、気密容器内には真空を維持するための図示しないゲッターが配設されている。蛍光表示管1は、陰極9から放出された電子を制御電極8により制御し、陽極導体層6上の蛍光体層7に選択的に射突させて所望の表示を得るものである。なお、図3に示す例は、制御電極8を後述する中付け方式によって組み込んだものである。また、陽極導体層6は絶縁層5に形成されたスルーホール5aを介して陽極配線4aと接続されている。
蛍光表示管には制御電極を気密容器内に組み込む場合に二つの方式が採用されている。第一の方式は、陰極、陰極支持体、制御電極、リード線を単一の枠状フレーム部材に集約し、陽極基板と蓋部材とで挟み込み、封止時に固定し、その後、フレーム部材の不要なものを削除するものである(フレーム支持方式)。第二の方式は、陰極9、陰極支持体10、外部引出しリード線12を単一のフレーム部材で連結し、制御電極8だけを別に形成して陽極基板2上に個々に固定するものである(中付け方式)。中付け方式では、配線導体4として陽極配線4aの他、陽極基板2上に形成され、制御電極8と外部引出しリード線12の間を接続するグリッド配線4bを備えている(図3参照)。
上述した二つの方式のうち、中付け方式は、制御電極8を個別部品として形成して個々に取り付けるため、制御電極8を保持する部材を設ける必要がなく、外部引出しリード線12の位置などを自由に設計できる利点がある。そのため、グラフィック表示の蛍光表示管にも適用されており、細長い形状の制御電極を複数並べて配設した構成のものなどがある。
また、蛍光表示管1では、制御電極8に通電した際にこの制御電極8が過熱されるため、制御電極8が熱膨張によって弛まないように十分にテンションを付与して配設する必要がある。制御電極8にテンションを付与する方法としては、制御電極8と陽極基板2との熱膨張係数の差を利用することが一般的である。通常、陽極基板2にはソーダライムガラス基板が使用され、図4に示すように、その熱膨張係数は90×10-7/℃であるのに対し、制御電極8に使用されるSUS430(Cr17%、Mn1%、残りはFe)は110×10-7/℃である。すなわち、制御電極8の熱膨張係数の方が陽極基板2の熱膨張係数よりも大きいので、制御電極8を高い温度で陽極基板2に固着すると、常温まで温度が下がるうちに制御電極8が陽極基板2に対して大きく収縮しようとして、制御電極8にテンションを付与することができる。
ここから、図5,6を参照して、蛍光表示管1(1B)において、制御電極8を陽極基板2(図5,6に示す例では陽極基板2上の絶縁層5)上に固定する例を説明する。図5,6に示すように、複数の制御電極8を絶縁層5に固定する場合、まず、陽極基板2の配線導体4(グリッド配線4b)と導通をとることを主目的とした第一固着材21を設け、次に、制御電極8を固定するための第二固着材22を、第一固着材22を覆うように設ける。第一固着材21は、銀粉と溶融温度が360℃程度の低融点ガラスとを主成分とし、有機溶剤と混ぜてペースト状にしたもので、絶縁層5上に所定パターンに形成しておき、その上に制御電極8を載置した後に500℃程度に加熱(焼成)し、有機溶剤を除去するとともに低融点ガラスを溶融させてから冷却することにより、制御電極8を仮固定するものである。その後、400〜450℃で結晶化する結晶化ガラスと有機溶剤からなる第二固着材22を、第一固着材21を覆うように塗布し、500℃程度に再加熱(焼成)し、第二固着材22のガラス成分を結晶化させることにより、制御電極8を絶縁層5上に固定する。なお、低融点ガラスは、溶融温度以上の温度になると溶融を開始し、溶融温度以下の温度に下がると固化する特徴を有する。これに対し、結晶化ガラスは、所定温度以上になると固化し、一度固化すると温度を上げても下げても再溶融しない特徴を有する。
本発明の発明者等は当初、第一固着材21は、低融点ガラスが360℃程度から溶融を始め、第二固着材(結晶化ガラス)22が結晶化する400〜450℃までは絶縁層5に対して制御電極8が移動可能な状態にあると考えていた。すなわち、絶縁層5に制御電極8が固着する温度は第二固着材22が結晶化する温度であり、400℃以上の高い温度で絶縁層5に制御電極8を固着し、その後、常温まで温度を下げるので、制御電極8が陽極基板2に対してより収縮することになり、制御電極8に十分なテンションが付与されると考えていた。ところが実際は、図7(a)に示すように、第二固着材22、つまり、結晶化ガラスの焼成工程において、結晶化ガラス22の固化温度では制御電極8は陽極基板2よりも大きく変形し、制御電極8が変形した状態で結晶化ガラス22により制御電極8の高さ構造が固定されるため、図7(b)に示すように、最初に制御電極8を配置したときとは異なる高さの立体構造となって固定されるようになる。そのため、例えば、制御電極8が並列に配設されている場合(図5参照)には、隣接する制御電極8の高さ構造に差異が生じ、この結果、製品の表示輝度に差異が発生して表示ムラとなる。ところで、蛍光表示管の表示の微細化にあわせて制御電極8は、径が細くなり、長さも長くなる傾向にある。その中には、縦2mm、長さ40mmのものもあり、しかも、メッシュ状の開口8aを有している。そのため、これまで問題視されていなかったが、上述したように制御電極8が変形した状態で固定されるという不良が多発し、不良は90%におよび、製品化することができなかった。なお、図7(a)は、第二固着材22の焼成(400〜500℃に加熱)中の状態を示し、図7(b)は、常温に温度を下げた状態を示している。また、図5〜7において、絶縁層5上に積層された陽極導体層6や蛍光体層7などは省略している。
また、下記特許文献1には、図7に示すような制御電極の変形を抑える制御電極の固定構造及び方法が開示されている。ここで開示される固定構造及び方法によれば、制御電極の両端を固定する固着材として、一端側に導電ペースト、他端側に低融点ガラスペーストを用いることにより、焼成中に低融点ガラスが溶融して制御電極の他端側が陽極基板に対して移動し、これにより、制御電極の伸長を許容して変形を抑制することができるという効果が得られる。
特開2003−31167号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される制御電極の固定構造及び方法では、一端側を導電ペースト、他端側を低融点ガラスペーストというように、制御電極の両端を異なる材質の固着材により固定するため、これらを別々の工程として形成する必要がある。そのため、固着材の形成工程が煩雑となり、製造プロセス上の不利となる。なお、上記特許文献1では、上述した(図5〜7に示す)例とは異なり、制御電極を第一固着材だけで固定するものであり、第二固着材を使用していないため、第二固着材のこと(例えば、第二固着材の固化温度との兼合いのこと)などは考慮されていない。
そこで本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、特に第二固着材の焼成中において、制御電極の両端のうちの配線導体と電気的に接続されない側が制御電極の熱膨張を許容して移動することにより、常温に冷却された制御電極の変形を抑制して制御電極にテンションを付与し、製品化のときに表示ムラなどが発生することを防止して歩留りが向上するとともに、製造容易となる蛍光表示管及びその製造方法を提供することを目的としている。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明に係る請求項1記載の蛍光表示管は、溶融を開始する温度である所定の溶融温度と該溶融温度よりも低温であり固化する温度である所定の固化温度を有する第一固着材21と該第一固着材21の前記溶融温度よりも高温の固化温度を有して、該固化温度に達すると再び温度を上げても下げても再溶融しない結晶化ガラスを主成分とする第二固着材22とを用いて、陽極基板2上に形成された絶縁層5上に固定する中付けの制御電極8を備え、
前記制御電極8の一端部31aを、前記第一固着材21により配線導体4(グリッド配線4b)と電気的に接続するとともに、前記第一固着材21及び前記第二固着材22により前記絶縁層5に固着し、前記制御電極8の他端部31bを、前記第一固着材21及び前記第二固着材22により前記絶縁層5に固着してなる蛍光表示管1(1A)において、
前記制御電極8の前記他端部31b側における前記第一固着材21と前記絶縁層5との間に、前記第二固着材22の前記固化温度以下の温度のときに流動性を有するスライド層23を形成したことを特徴としている。
なお、絶縁層5における制御電極8の一端部31a側にはスルーホール5aが設けられており、スルーホール5aを介して、第一固着材21は制御電極8と配線導体4bとを電気的に接続する。
請求項2記載の蛍光表示管は、前記スライド層23を少なくとも前記第一固着材21がはみ出さない形状に形成したことを特徴としている。
例えば、複数の制御電極8が並列に配設されている場合は、スライド層23を制御電極8の並び方向に沿ってパッチ状、ライン状、梯子状などの形状にパターン形成する。また、スライド層23は、制御電極8が熱膨張する方向に余裕を有し、制御電極8の他端部31bの移動を許容可能とする形状に形成することが望ましい。
請求項3記載の蛍光表示管は、前記第一固着材21には銀粉を含んだ低融点ガラスを用いたことを特徴としている。
例えば、複数の制御電極8が並列に配設されている場合は、第一固着材21を制御電極8の並び方向に沿ってパッチ状、ライン状、梯子状などの形状にパターン形成する。また、これと同様に、第二固着材22を制御電極8の並び方向に沿ってパッチ状、ライン状、梯子状などの形状にパターン形成する。
請求項4記載の蛍光表示管の製造方法は、上記請求項1又は2又は3記載の蛍光表示管1(1A)の製造方法であって、
前記配線導体4(グリッド配線4b)を露出させるためのスルーホール5aを設けた前記絶縁層5上の所定位置に前記スライド層23を形成した後、前記絶縁層5の前記スルーホール5a上及び前記スライド層23上に前記第一固着材21を塗布し前記第一固着材21に前記制御電極8の前記一端部31aを付着するとともに前記スライド層23上の前記第一固着材21に前記制御電極8の前記他端部31bを付着してから乾燥又は焼成し、その後、前記第一固着材21を覆うように前記第二固着材22を塗布してから焼成したことを特徴としている。
本発明に係る蛍光表示管によれば、制御電極の両端部のうち、配線導体と電気的に接続しない他端部側において、第一固着材と絶縁層との間にスライド層を形成し、スライド層が第二固着材の固化温度以下の温度のとき流動性を有することにより、第二固着材の焼成中に制御電極の他端部が熱膨張する方向に移動可能となり、焼成中の制御電極が弛まないようになる。また、焼成中に制御電極が弛まないことで、常温に温度を下げたときに制御電極に十分なテンションを付与することができる。これにより、制御電極の変形を抑制し、製品化したときの表示ムラを防止することができる。したがって、不良が減り、歩留りが向上する。
また、スライド層を少なくとも第一固着材がはみ出さない形状に形成するため、スライド層上に第一固着材が完全に載置されることになり、第二固着材の焼成中に第一固着材が固化したときに制御電極の他端部が移動可能となる。
また、第一固着材に銀粉を含んだ低融点ガラスを用いると、電気的接続性を得ることができるという利点がある。
また、製造方法においては、制御電極の他端部が配置される側にスライド層を形成する以外は従来同様の製造工程とすればよいことから、製造容易となる。
本発明に係る蛍光表示管における制御電極を絶縁層上に固定した状態を示す模式的な側面図である。 (a)〜(c)本発明に係る蛍光表示管におけるスライド層(第一固着材、第二固着材)の形状の様々な例を示す模式的な平面図である。 一般的な蛍光表示管(中付け方式)を示す概略構成図である。 制御電極と陽極基板の熱膨張係数の関係を示すグラフである。 従来の蛍光表示管における制御電極を絶縁層上に固定した状態を示す模式的な平面図である。 従来の蛍光表示管における制御電極を絶縁層上に固定した状態を示す模式的な側面図である。 (a)従来の蛍光表示管における焼成中の制御電極が変形した状態を示す模式的な側面図である。 (b)従来の蛍光表示管における常温に下げたときの制御電極が変形した状態を示す模式的な側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
まず、この実施の形態の蛍光表示管の構成を説明する。なお、図1において、符号1(1A)は蛍光表示管、2は陽極基板、4(4b)は配線導体(グリッド配線)、5は絶縁層、8は制御電極(メッシュグリッド)、21は第一固着材、22は第二固着材、23はスライド層である。なお、絶縁層5上には本来は、陽極導体層6や蛍光体層7などが積載されているが(図3参照)、図1では省略している。
図1に示すように、蛍光表示管1Aは、ガラスなどの絶縁性基板からなる陽極基板2上に形成されている絶縁層5上に固定された中付けの制御電極8を備えている。制御電極となるメッシュグリッド8は、導電性を有する金属などからなり、両端部31a,31bが屈曲されて略コ字状に形成されている。また、両端部31a,31bの先端32a,32bはそれぞれ外側に向けて更に屈曲されている。メッシュグリッド8は、一般的には長さが20mm以上、幅が10mm以下に形成されているが、中には、長さが40mm以上、幅が2mm以下の細長いものもあり、図5に示すように、絶縁層5上に並列に配設されている。絶縁層5の所定位置にはスルーホール5aが設けられており、陽極基板2上に配設されている配線導体4となる導電性を有する金属などのグリッド配線4bを絶縁層5から露出させている。
絶縁層5上に固定されたメッシュグリッド8は、その両端部31a,31bのうち一端部31aがスルーホール5a上に配置されている。メッシュグリッド8の一端部31aの先端32aの周囲には導線性を有する第一固着材21が設けられており、第一固着材21により、スルーホール5aを介して、グリッド配線4bと電気的に接続されるとともに、絶縁層5上に固着されている。また、絶縁層5上におけるメッシュグリッド8の他端部31bが配置される位置には絶縁性を有するスライド層23が形成されている。メッシュグリッド8の他端部31bの先端32bの周囲には第一固着材21が設けられており、第一固着材21により、スライド層23を介して絶縁層5上に固着されている。
メッシュグリッド8の一端部31aの周囲には、第一固着材21を覆うように、絶縁性を有する第二固着材22が設けられており、一端部31aは、第二固着材22により、絶縁層5上に固着されている。メッシュグリッド8の他端部31bの周囲には、第一固着材21とスライド層23を覆うように、第二固着材22が設けられており、他端部31bは、第二固着材22により、絶縁層5上に固着されている。
スライド層23は、少なくともその上に載置される第一固着材21がはみ出さない形状に形成されている。スライド層23には低融点ガラスペーストを用いており、そのため、第二固着材22の焼成中に第二固着材22の固化温度以下の温度のときに流動性を有するが、これについては後述する。また、第一固着材21には銀粉を含んだ低融点ガラスペーストを用いている。さらに、第二固着材22には結晶化ガラスペーストを用いている。
なお、本発明の発明者等はこの発明に至るまでに、制御電極が変形して固定される原因を調査した。ここでは、その調査結果を述べる。本発明の発明者等は当初、第二固着材の焼成中、第二固着材が固化温度になるまで第一固着材の低融点ガラス成分が溶融しており、陽極基板に対して制御電極を固定するのは第二固着材が作用しているものと考えていた。ところが、実験を繰り返すことで、第一固着材に含まれる銀粉が200℃ほどで粒子が互いに付着し、すなわち、第一固着材が固化を始め、陽極基板に対する制御電極の動きを阻害する作用をしていることが判明した。そのため、焼成中に温度を上げていく過程で、陽極基板と制御電極の熱膨張係数の差(図4参照)に起因する制御電極の伸長を吸収できなくなり、制御電極が変形していた。このままの状態で第二固着材が固化することで、制御電極が変形したまま固化し、これが製品化したときの表示ムラの原因となっていた。
そこで、上述した構成のように、制御電極8の一端部31a側における第一固着材21と陽極基板2(絶縁層5)の間に、低融点ガラスからなるスライド層23を設けた。上述したように、スライド層23は、第一固着材21よりも大きく形成する。また、第二固着材21は、第一固着材22とスライド層23を覆うように形成する。スライド層23に採用した低融点ガラスは、360℃ほどで溶融し、その後、温度を上げて、第二固着材22の結晶化ガラスが固化する400〜450℃まではスライド層23は溶融し続けることになる。
次に、この実施の形態の蛍光表示管1Aの製造方法を説明する。最初に、陽極基板2上に配線導体4(グリッド配線4b)を含む配線パターンを形成する。次に、陽極基板2上に絶縁層5、陽極導体層6及び蛍光体層7(図3参照)を積層形成する。その後、絶縁層5上の所定位置にスライド層23を印刷により形成する。このとき、スライド層23は、図2に示すように、メッシュグリッド8の並び方向に沿ってパッチ状、ライン状、梯子状などの形状にパターン形成する。なお、図2には、(a)パッチ状、(b)ライン状、(c)梯子状のパターン形状を示している。
スライド層23を形成した後、絶縁層5のスルーホール5a上及びスライド層23上に第一固着材21を印刷により塗布する。このとき、第一固着材21は、スライド層23と同様にメッシュグリッド8の並び方向に沿って上述したパッチ状などのように隣接するメッシュグリッド8同士が電気的に分離可能となる形状に塗布する。その後、スルーホール5a上に塗布した第一固着材21にメッシュグリッド8の一端部31aを付着(挿入)するとともに、スライド層23上に塗布した第一固着材21にメッシュグリッド8の他端部31bを付着(挿入)し、この状態のまま加熱(焼成)又は乾燥し、メッシュグリッド8の両端部31a,31bを絶縁層5上に仮固定する。
第一固着材21でメッシュグリッド8を仮固定した後、一端部31aの第一固着材21を覆うように第二固着材22を印刷により塗布するとともに、他端部31bの第一固着材21とスライド層23を覆うように第二固着材22を塗布する。このとき、第二固着材22は、スライド層23や第一固着材21と同様にメッシュグリッド8の並び方向に沿ってパッチ状、ライン状、梯子状などの形状(メッシュグリッド8にテンション付与可能となるように、メッシュグリッド8の両外側周辺の陽極基板2上の絶縁層5に接触する部分を有する形状)に塗布する。第二固着材22は、スライド層23の周辺部分(少なくともメッシュグリッド8が延設された方向と反対方向の外側部分)の絶縁層5上にはみ出た部分を有する形状に形成する。例えば、図2(a)の場合には、第二固着材22は、スライド層23の周辺部分の全体又は外側部分の絶縁層5上にはみ出た部分を有する形状とする。また、図2(b)の場合には、第二固着材22は、スライド層23の外側部分の絶縁層5上にはみ出た部分を有する形状とする。さらに、図2(c)の場合には、第二固着材22は、スライド層23の外側部分及び/又はスライド層23の絶縁層5が露出した開口33部分の絶縁層5上にはみ出た部分を有する形状とする。第二固着材22を塗布した後、500℃程度に加熱(焼成)し、焼成後に常温まで温度を下げてメッシュグリッド8の固定が完了する。
第二固着材22の焼成中において、常温から温度を上げていくと、400〜450℃で第二固着材22の主成分である結晶化ガラスが固化するが、途中、温度が200℃ほどに上昇したときに第一固着材21が含んだ銀粉が付着し、第一固着材21が固化を始める。ところが、温度が360℃ほどに上昇したときにスライド層23の低融点ガラスが溶融し、また、375℃ほどに上昇したときに第二固着材22が溶融(軟化)するのでメッシュグリッド8の他端部31bが移動可能になる。その後、温度を上昇させ、第二固着材22の固化温度まではスライド層23の低融点ガラスは溶融を続ける。これにより、メッシュグリッド8は第二固着材22の固化温度まで変形せずに、熱膨張によって伸長する。
温度が400〜450℃に上昇すると、メッシュグリッド8の他端部31bが、陽極基板2との熱膨張係数の差によりメッシュグリッド8が伸長した分だけ移動することにより、メッシュグリッド8に弛みがない状態、つまり、高さ方向に変形せず、常温時の状態を保った状態で第二固着材22が固化する。その後、温度を下げると、スライド層23の低融点ガラスの溶融温度(360℃程度)まではスライド層23のこの低融点ガラスは溶融を続けるが、固化した第二固着材22により、メッシュグリッド8の他端部31bは移動することができず、絶縁層5を介して陽極基板2に固定されたままの状態(第二固着材22の固化時の固定状態)を維持する。常温に温度が下がると、第二固着材22と、常温との温度差に対応した陽極基板2との熱膨張係数の差によりメッシュグリッド8にテンションを付与する。なお、第一固着材21だけでは固着強度が不足して、メッシュグリッド8の一端部31aが浮き上がったり、抜けてしまうことがある。これらを防止するため、他端部31b側だけでなく一端部31a側にも第二固着材22を設けることが好ましい。
上述した実施の形態によれば、メッシュグリッド8の両端部31a,31bのうちグリッド配線4bと電気的に接続しない他端部31b側において、第一固着材21と絶縁層5との間にスライド層23を形成し、スライド層23が第二固着材22となる結晶化ガラスの固化温度(400〜450℃)以下の温度のとき流動性を有することにより、第二固着材22の焼成中にメッシュグリッド8の他端部31bが熱膨張する方向に移動可能となり、焼成中にメッシュグリッド8が弛まないようになる。また、焼成中にメッシュグリッド8が弛まないことで、常温に温度を下げたときにメッシュグリッド8に十分なテンションを付与することができる。これにより、メッシュグリッド8の変形を抑制し、製品化したときの表示ムラを防止することができる。
また、スライド層23を少なくとも第一固着材21がはみ出さない形状に形成するため、スライド層23上に第一固着材21が完全に載置されることになり、第二固着材22の焼成中に第一固着材21が固化したときにメッシュグリッド8の他端部31bが移動可能となる。
さらに、第一固着材21に銀粉を含んだ低融点ガラスを用いると、電気的接続性を得ることができるという利点がある。
また、複数のメッシュグリッド8が並列に配設されている場合、スライド層23、第一固着材21及び第二固着材22をメッシュグリッド8の並び方向に沿ってパッチ状、ライン状、梯子状などの形状にパターン形成することにより、スライド層23、第一固着材21及び第二固着材22のそれぞれを一度に印刷することができ、製造プロセス上にも有利となり、製造容易となる。
さらに、製造方法においては、メッシュグリッド8の他端部31bが配置される位置にスライド層23を形成する以外は従来同様の製造工程とすればよいことから、製造容易となる。
なお、上述した実施の形態では、図1に示すように、メッシュグリッド8の一端部31a(先端32aを含む)の一部を第一固着材21にて覆い、メッシュグリッド8を陽極基板2上に確実に仮固定しているが、メッシュグリッド8をグリッド配線4bと電気的に接続することができ、且つ、絶縁層5を介して陽極基板2上に仮固定することができれば、先端32aを第一固着材21で完全に覆わずに一部を露出させるようにしてもよい。さらには、一端部32aを必ずしも第一固着材21で覆わなくてもよい。これは、メッシュグリッド8の他端部31b(及びその先端32b)についても同様である。
また、上述した実施の形態では、第二固着材22は、絶縁層5から第一固着材21に覆われた一端部31a(先端32aを含む)を経てメッシュグリッド8のメッシュ状の開口8a(図3参照)を有する部分を含む面まで連続的に延在(完全被覆)している。同様に、第二固着材22は、絶縁層5からスライド層23、第一固着材21に覆われた他端部31b(先端32bを含む)を経てメッシュグリッド8のメッシュ状の開口8aを有する部分を含む面まで連続的に延在(完全被覆)している。ところが、メッシュグリッド8を絶縁層5を介して陽極基板2上に固定することができ、且つ、第二固着材22が固化した後(固化温度から温度を下げていく時)に第二固着材22によりメッシュグリッド8にテンションを付与することができれば、第二固着材22で完全被覆する必要はない。すなわち、メッシュグリッド8のそれぞれの先端32a,32bを含む一端部31a及び他端部31bの大部分が覆われていればよい。さらには、メッシュグリッド8のメッシュ状の開口8aを有する部分を含む面を必ずしも第二固着材22で覆わなくてもよい。
1(1A)…蛍光表示管
2…陽極基板
4…配線導体となるグリッド配線
5…絶縁層
8…制御電極となるメッシュグリッド
21…第一固着材
22…第二固着材
23…スライド層
31a…(制御電極の)一端部
31b…(制御電極の)他端部

Claims (4)

  1. 溶融を開始する温度である所定の溶融温度と該溶融温度よりも低温であり固化する温度である所定の固化温度を有する第一固着材と該第一固着材の前記溶融温度よりも高温の固化温度を有して、該固化温度に達すると再び温度を上げても下げても再溶融しない結晶化ガラスを主成分とする第二固着材とを用いて、陽極基板上に形成された絶縁層上に固定する中付けの制御電極を備え、
    前記制御電極の一端部を、前記第一固着材により配線導体と電気的に接続するとともに、前記第一固着材及び前記第二固着材により前記絶縁層に固着し、前記制御電極の他端部を、前記第一固着材及び前記第二固着材により前記絶縁層に固着してなる蛍光表示管において、
    前記制御電極の前記他端部側における前記第一固着材と前記絶縁層との間に、前記第二固着材の前記固化温度以下の温度のときに流動性を有するスライド層を形成したことを特徴とする蛍光表示管。
  2. 前記スライド層を少なくとも前記第一固着材がはみ出さない形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の蛍光表示管。
  3. 前記第一固着材には銀粉を含んだ低融点ガラスを用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光表示管。
  4. 請求項1又は2又は3記載の蛍光表示管の製造方法であって、
    前記配線導体を露出させるためのスルーホールを設けた前記絶縁層上の所定位置に前記スライド層を形成した後、前記絶縁層の前記スルーホール上及び前記スライド層上に前記第一固着材を塗布し、前記第一固着材に前記制御電極の前記一端部を付着するとともに前記スライド層上の前記第一固着材に前記制御電極の前記他端部を付着してから乾燥又は焼成し、その後、前記第一固着材を覆うように前記第二固着材を塗布してから焼成したことを特徴とする蛍光表示管の製造方法。
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