JP5177603B2 - 組合せ鋼矢板壁 - Google Patents

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Description

本発明は、土留め壁、護岸壁、擁壁等の地中連続壁に用いられる組合せ鋼矢板壁に関するものである。
土留め壁等として鋼矢板を一列に連結して設けられる鋼矢板壁が用いられている。また、前記鋼矢板に、例えば、H形鋼やT形鋼などの形鋼を固定して補剛した組合せ鋼矢板およびこの組合せ鋼矢板を用いた組合せ鋼矢板壁が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。例えば、図17に示すように、鋼矢板本体(ハット形鋼矢板)1は、ウェブ2とその左右側縁にそれぞれウェブ2に対して斜めで互いに広がるように設けられたフランジ3と、2つのフランジ3の先端部にそれぞれウェブ2に対して略平行に設けられたアーム4と、2つのアーム4の先端にそれぞれ設けられた継手5とを備えている。そして、継手5同士を繋ぐことにより、複数の鋼矢板本体1を連結して鋼矢板壁を構築可能となっている。この鋼矢板本体1のウェブ2に、ウェブ6の両端にそれぞれウェブ6に対して直角にフランジ7を設けてなるH形鋼8の一方のフランジ7の両側縁部をそれぞれ溶接することにより、組合せ鋼矢板9が構成される。
前記組合せ鋼矢板9を用いた組合せ鋼矢板壁においては、鋼矢板本体1と例えばH形鋼8が略全長に渡って溶接されているので、図18(a)に示すように、土圧等により、組合せ鋼矢板9が変形する場合に、これらが上下方向にずれることがなく一体に変形し、大きな断面剛性を得ることができるが、以下のような問題がある。例えば、鋼矢板本体1の略全長に渡って連続的もしくは断続的に溶接により形鋼が固定されていることから、溶接の手間がかかる。また、溶接による熱影響で鋼矢板本体1に歪みが生じる虞があり、溶接方法を工夫したり、溶接の温度管理等の加工管理を行ったり、溶接後に歪みを確認するために形状測定を行ったり、歪が生じている場合に矯正作業を行ったりする必要があり、これに費やす手間やコストが問題となる。
また、鋼矢板本体1に形鋼を溶接した状態で地盤中に埋設する場合に、地盤の抵抗が大きくなるという問題がある。また、工場等で鋼矢板本体1に形鋼を溶接した後に施工現場に運送する場合に、鋼矢板本体1単独の場合に比較して組合せ鋼矢板9は嵩張る形状となっており、一度に運送できる数が限られ、運送効率が悪いという問題がある。
そこで、鋼矢板本体に対して、例えば、H形鋼を全長に渡って溶接せずに、鋼矢板本体にH形鋼のフランジに係合する係合片を設けて係合させた組合せ鋼矢板が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、鋼矢板本体に対してH形鋼を全長に渡って溶接せずに、鋼矢板本体とH形鋼の一方の端部どうしだけを溶接やボルト接合等により固定した組合せ鋼矢板が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
これらの組合せ鋼矢板を用いた組合せ鋼矢板壁では、H形鋼と鋼矢板本体が全長にわたっては一体になっていないが、図18(b)に示すように、互いの接触する面で上下にずれが生じた状態でH形鋼8と鋼矢板本体1のたわみ挙動が同じになり、重ね梁式の組合せ鋼矢板として断面剛性の向上を図ることができる。
上述の全長に渡って溶接された組合せ鋼矢板9を用いた組合せ鋼矢板壁に比較すると、断面剛性は及ばないものの、溶接加工、加工管理、形状測定、矯正作業に費やす手間やコストを削減することが可能となる。また、現場でH形鋼8および鋼矢板本体1を接合したり、地盤中に埋設する際に、鋼矢板本体1とH形鋼8を別々に施工したりすることも可能であり、H形鋼8と鋼矢板本体1を別々に荷造りして運送効率の向上を図ったり、鋼矢板本体1およびH形鋼8の打設や圧入等に際して地盤抵抗の減少を図ったりすることができる。
以上のような重ね梁式組合せ鋼矢板壁では、必ずしも鋼矢板本体1とH形鋼8が係合していたり、一端部同士が固定されていなくても、変形時に上述のようにずれが生じるが、互いに離れない状態となっていることで、断面剛性の向上を図ることができる。
特許3603793号公報 特開2008−175029号公報 特開2005−299202号公報 特開2008−267069号公報
ところで、特許文献3,4の組合せ鋼矢板や、或いは図19に示すように係合も接合もされていない鋼矢板本体1およびH形鋼8を用いて、図20に示すように鋼矢板壁11を構築し、例えば、土留め壁とした場合に、土留めされる土砂側、すなわち土圧(図中において矢印で示す。)がかかる側(相対的に土圧が高い側)にH形鋼8を配置すると、H形鋼8に土圧が作用するだけではなく、H形鋼8どうしの間から鋼矢板本体1にも直接大きな土圧が作用してしまう。このように鋼矢板本体1に直接大きな土圧が作用すると、鋼矢板本体1をH形鋼8から引き離す力が作用するとともに、鋼矢板本体1とH形鋼8とでたわみ挙動が異なってしまう虞がある。
鋼矢板本体1とH形鋼8が離れて、たわみ挙動が異なった状態となると、H形鋼8による補剛の効果がなくなってしまう。したがって、基本的に、特許文献2,3の組合せ鋼矢板を用いた鋼矢板壁11や図19の構成を用いた鋼矢板壁11において、H形鋼8を鋼矢板本体1に対して土圧がかかる側に配置するのは困難である。特許文献2の組合せ鋼矢板の場合に、鋼矢板本体1とH形鋼8とが全長に渡って係合部材によって係合しているので、この係合部分の構造や強度によっては、鋼矢板本体1に対してH形鋼8を土圧がかかる側に配置することが可能となる場合もあるが、係合部材の一体成形や、係合部材の鋼矢板への接合等にコストがかかる。
本発明は、鋼矢板本体とH形鋼等の形鋼が略全長に渡って固定されていない重ね梁式の構造となっていても、H形鋼を鋼矢板に対して土圧がかかる側に配置可能な組合せ鋼矢板および組合せ鋼矢板壁を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の組合せ鋼矢板壁は、鋼矢板本体と、当該鋼矢板本体に実質的に接触して当該鋼矢板本体の軸方向に沿って配置される長尺な補剛材とを備え、前記鋼矢板本体を隣接する前記鋼矢板本体と継手を介して連続して配置することで構築する組合せ鋼矢板壁であって、
前記鋼矢板本体と前記補剛材とは略全長に渡る固定はされておらず、
前記補剛材は、前記連続配置した鋼矢板本体により仕切られた二つの区域のうちの相対的に土圧の高い区域側に配置され、
前記補剛材は、前記鋼矢板本体に実質的に接触する矢板接触部と、前記矢板接触部から離れた位置に設けられる土圧受け部と、これら矢板接触部および土圧受け部の間にあってこれら矢板接触部および土圧受け部を接続された状態とする接続部とを備え、前記土圧受け部の左右幅が、前記矢板接触部の左右幅より広くなっていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、補剛材の土圧受け部の左右幅が、この土圧受け部を有する補剛材と前記鋼矢板本体とが同等にたわむことが可能なように前記土圧受け部に土圧が作用するように、前記補剛材の矢板接触部の左右幅より広くなっているので、土圧により補剛材から鋼矢板本体が離されることがなく、鋼矢板本体と補剛材とのたわみ挙動を同じ状態とすることが可能になる。
したがって、特許文献1、2のように鋼矢板本体と補剛材とを一体に固定しなくても、重ね梁方式による鋼矢板本体の補剛をすることが可能となる。この構造では、例えば、鋼矢板本体と補剛材とを全長に渡って溶接した場合の上述の問題は生じない。また、組合せ鋼矢板壁を土留め壁等とした場合に、補剛材が地盤から露出されない側に配置されることにより、鋼矢板壁のスペース効率を向上することが可能となるとともに施工外観上も好ましい。
請求項2に記載の組合せ鋼矢板壁は、請求項1に記載の鋼矢板壁において、前記補剛材はH形鋼からなり、当該H形鋼の一方のフランジが前記矢板接触部とされ、他方のフランジが土圧受け部とされ、ウェブが接続部とされ、前記一方のフランジより前記他方のフランジの幅が広くされていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、補剛材として、フランジの幅が異なるH形鋼を用いる。このようなH形鋼をそのまま補剛材として用いることで、部品点数および施工工数の削減を図ることができる。
請求項3に記載の組合せ鋼矢板壁は、請求項1に記載の鋼矢板壁において、前記補剛材は、矢板接触部材と土圧受け部材とを備え、前記矢板接触部材は、前記矢板接触部および接続部を備え、前記土圧受け部材は前記土圧受け部を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、例えば、矢板接触部材としてH形鋼やI形鋼や溝形鋼等の形鋼を用いてこれを鋼矢板本体に接触させ、この形鋼とは別部材の幅の広い土圧受け部材を形鋼に取り付ける(接触する)ことで、すなわち、通常の形鋼に幅の広い土圧受け部材を組み合わせることで、補剛材とすることができる。
請求項4に記載の組合せ鋼矢板壁は、請求項3に記載の鋼矢板壁において、前記矢板接触部材がH形鋼であり、前記土圧受け部材が鋼板、形鋼または鋼矢板のいずれかであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、建築資材として広範に使用され、各種のサイズ、強度等のものを容易に調達可能なH形鋼を補剛材の矢板接触部材として用いるとともに、土圧受け部材をH形鋼のフランジとは別に設けることで、例えば、H形鋼のフランジの一方を加工するなどして一対のフランジの幅が互いに異なるH形鋼を設けなくても、矢板接触部材に対して土圧受け部材の幅を広くすることができる。なお、鋼板は、形鋼としての平鋼であってもよい。
請求項5に記載の組合せ鋼矢板壁は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鋼矢板壁において、前記土圧受け部の左右幅が、前記鋼矢板本体の有効幅以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、土圧受け部の左右幅を鋼矢板本体の有効幅以下とすることで、鋼材使用量が少なくて済みコストを低減することができる。本発明の組合せ鋼矢板壁では、土圧受け部を有する補剛材と前記鋼矢板本体とが同等にたわむことが可能なように前記土圧受け部に土圧が作用すればよく、そのためには、隣り合う土圧受け部どうしは、端部が接触したりまたはその一部が重なり合う必要は必ずしもなく、ある程度の間隔が空いていてもよい。なお、鋼矢板本体の有効幅とは、鋼矢板本体の左右幅から左右で隣り合う鋼矢板本体の継手と重なり合う部分の半分の幅を除いたものである。
請求項6に記載の組合せ鋼矢板壁は、請求項5に記載の組合せ鋼矢板壁において、前記土圧受け部の左右幅Xは、次式(a)および(b)の条件を満たすことを特徴とする。
Figure 0005177603
請求項7に記載の組合せ鋼矢板壁は、請求項5に記載の組合せ鋼矢板壁において、前記土圧受け部の左右幅Xは、次式(c)の条件を満たすことを特徴とする。
Figure 0005177603
請求項6および請求項7に記載の発明においては、土圧受け部の左右幅を各請求項に記載の式で表わされる範囲とすることで、隣り合う土圧受け部どうしの端部が接触したりまたはその一部が重なり合わなくとも、より確実に補剛材と鋼矢板本体とが同等にたわむように土圧を作用させることができると考えられる。
本発明によれば、鋼矢板本体とこれを補剛する形鋼等の補剛材とからなる組合せ鋼矢板壁を構築するに際し、鋼矢板本体と補剛材とを略全長に渡って固定せずに、補剛材を鋼矢板壁の土圧を受ける側や相対的に土圧が高い側に配置しても、土圧により補剛材から鋼矢板本体が引き離されることがなく、重ね梁式組合せ鋼矢板壁として断面剛性を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 第3実施形態の変形例となる組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 第3実施形態の別の変形例となる組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 第3実施形態のさらに別の変形例となる組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 第4実施形態の変形例となる組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 本発明の第6実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 本発明の第7実施形態に係る組合せ鋼矢板壁を示す平面図である。 土圧受け部の好ましい幅の算出方法を説明するための図である。 土圧受け部の好ましい幅の算出方法を説明するための図である。 土圧受け部の好ましい幅の算出方法を説明するための図である。 土圧受け部の好ましい幅の算出方法を説明するための図である。 土圧受け部の好ましい幅の別の算出方法を説明するための図である。 従来の組合せ鋼矢板を示す斜視図である。 従来の組合せ鋼矢板壁と重ね梁式組合せ鋼矢板壁の作用を説明するための図である。 従来の重ね梁式組合せ鋼矢板壁(の一部)を示す斜視図である。 従来の重ね梁式組合せ鋼矢板を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示す図である。
図1に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁26は、従来と同様のハット形の鋼矢板本体1と、鋼矢板本体1を補剛する補剛材として機能し、一対のフランジ22,23の左右幅が異なるH形鋼24とからなるものである。鋼矢板本体1は、上述のように、ウェブ2、フランジ3、アーム4および継手5を備えており、隣接する鋼矢板本体1と継手5を介して接続されている。H形鋼24は、ウェブ25の両端部にそれぞれ相対的に左右幅(フランジ幅)の狭いフランジ22と、このフランジ22より左右幅の広いフランジ23とを備えている。
幅の狭いフランジ22は、鋼矢板本体1のウェブ2の左右幅より少し幅の狭い幅を有し、ウェブ2に接触させられる矢板接触部となっている。この例では、幅の狭いフランジ22が鋼矢板本体1の谷側(凹側)となる面でウェブ2に接触している。
なお、幅の狭いフランジ22を鋼矢板本体1の山側(凹側)の面でウェブ2に接触させる場合には、幅の狭いフランジ22の左右幅の方が鋼矢板本体1のウェブ2の左右幅より広くなってもよい。
また、鋼矢板壁26を構築した際に、鋼矢板本体1に対して、土留め壁として土砂を支えて土圧(図中において矢印で示す。)がかかる側にH形鋼24が配置される。幅の広いフランジ23は、幅の狭いフランジ22を鋼矢板本体1に接触した状態で、鋼矢板本体1と離れた側に配置されることになる。すなわち、幅の広いフランジ23は、補剛材としてのH形鋼24において主に土圧を受ける土圧受け部となっている。また、H形鋼24のウェブ25は、矢板接触部としてのフランジ22と土圧受け部としてのフランジ23とを接続する接続部として機能する。
組合せ鋼矢板壁26は、通常の鋼矢板壁と同様に、鋼矢板本体1どうしが継手5を介して接続するように鋼矢板本体1を地盤に埋設(打設、圧入等)するとともに、各鋼矢板本体1毎にH形鋼24を埋設することにより構築される。そして、複数の鋼矢板本体1が接続されているとともに、鋼矢板壁26の同じ面側において、各鋼矢板本体1のウェブ2にH形鋼24の幅の狭いフランジ22の外面が接触した状態となっている。
組合せ鋼矢板壁26の施工においては、鋼矢板本体1とH形鋼24とを別々に埋設するものとしてもよいし、鋼矢板本体1とH形鋼24とを一体にして埋設してもよい。また、一本の鋼矢板本体1を埋設した後に一本のH形鋼24を埋設していくことを繰り返すものとしてもよいし、複数の鋼矢板本体1を埋設した後に複数のH形鋼24を順次埋設していくものとしてよい。鋼矢板本体1とH形鋼24とは、基本的に接合しないが、一方の端部同士を接合したり係合できるようにしてもよく、特に鋼矢板本体1とH形鋼24とを一体に地盤に打設や圧入する場合に、鋼矢板本体1とH形鋼24との下端側を互いに接合してもよい。
この組合せ鋼矢板壁26においては、鋼矢板本体1が土圧のかからない側(相対的に土圧が低い側)に配置され、H形鋼24が土圧のかかる側(相対的に土圧が高い側)に配置される。例えば、組合せ鋼矢板壁26をその上端付近まで埋設して構築した後に、組合せ鋼矢板壁26で仕切られる地盤の二つの区域の一方の区域側を掘削した場合は、掘削された区域側が土圧のかからない側であり、掘削されていない区域側が土圧のかかる側である。また、組合せ鋼矢板壁26の上部が地盤上に露出するように組合せ鋼矢板壁を構築した後に、仕切られた二つの区域のうちの一方の区域側に土砂を充填する場合は、土砂が充填される一方の区域側が土圧のかかる側であり、他方の区域側が土圧のかからない側である。
この状態で、H形鋼24には、幅の広いフランジ23から主に土圧が作用し、鋼矢板本体1では、隣り合うH形鋼24の同士の間から鋼矢板本体1に土圧が作用することになる。H形鋼24では、フランジ23の左右幅を広くすることで、受ける土圧が大きくなり、鋼矢板本体1では、左右幅の広いフランジ23に遮られることにより受ける土圧が弱くなる。
ここで、フランジ23の幅が十分に広くH形鋼24にかかる土圧が十分に高くなると、土圧により鋼矢板本体1にH形鋼24が押し付けられて、鋼矢板本体1とH形鋼24とが接触した状態が維持されるとともに、鋼矢板本体1とH形鋼24とのたわみ挙動が一致することになる。なお、フランジ23の幅が不十分だと、H形鋼24にかかる土圧による変形よりも、鋼矢板本体1の土圧による変形が大きくなってしまい、鋼矢板本体1とH形鋼24が土圧により離れてしまい、鋼矢板本体1とH形鋼24のたわみ挙動が一致せず重ね梁として機能しない。
したがって、フランジ23の幅は、H形鋼24の土圧による変形より鋼矢板本体1の土圧による変形が大きくならないように設定される。すなわち、H形鋼24から鋼矢板本体1が土圧により離れないようにフランジ23の幅が設定される。このようなフランジ23の幅は、鋼矢板本体1およびH形鋼24の形状、サイズ、板厚、材質等に基づく強度や、地盤を構成する土砂の条件等に基づいて計算もしくは実験的に求められることになる。なお、隣り合うフランジ23の幅が鋼矢板本体1の有効幅を超えると、互いのフランジ23が接触する状態となり、鋼矢板本体1の後側を完全に覆った状態となる。この場合は、鋼矢板本体1側に直接的に土圧がかかる状態とならず、鋼矢板本体1がH形鋼24から離れることはない。しかし、必要以上の鋼材が使用されることになるので、幅の広いフランジ23の幅は、鋼矢板本体1の有効幅以下とすることが好ましい。
このH形鋼24のフランジ23の幅が十分広い場合には、鋼矢板本体1にH形鋼24を溶接等により固定してない状態で、H形鋼24を鋼矢板本体1に対して土圧のかかる側、または相対的に土圧が高くなる側に配置しても、H形鋼24から鋼矢板本体1が離れることがなく、H形鋼24と鋼矢板本体1とのたわみ挙動が一致する。これにより、組合せ鋼矢板壁26は、鋼矢板本体1とH形鋼24とが重ね梁として機能して土圧を支持するので、鋼矢板本体1からなる鋼矢板壁よりも土圧による変形量を小さくすることができる。
組合せ鋼矢板26の曲げモーメントに対する物体の変形のしにくさを表した量である断面二次モーメントaは、鋼矢板本体1とH形鋼24とが重ね梁として機能する場合、鋼矢板本体1の断面二次モーメントbと、H形鋼24の断面二次モーメントcとの足し合わせにより求めることができる。すなわち、a=b+cとなる。
なお、第1実施形態では、鋼矢板本体1の谷側となる面にH形鋼24を配置したが、山側となる側面にH形鋼24を配置してもよい(図2参照)。但し、鋼矢板本体1の谷側となる面にH形鋼24を配置した場合よりも、山側となる面にH形鋼24を配置した方が、鋼矢板本体1の接続方向(前記左右となる方向)、すなわち、組合せ鋼矢板壁26の延在する長さ方向と直交する方向に沿った長さ(厚さ)が長くなる。したがって、打設スペースは鋼矢板本体1の谷側となる面にH形鋼24を配置する方が小さくて済む。
次に、本発明の第2実施形態を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁36は、第1実施形態と同様のハット形の鋼矢板本体1と、一対のフランジ32の幅が互いに等しい一般的な形状のH形鋼33と、土圧受け部材となる鋼板34とから構成されている。なお、鋼板34は、形鋼としての平鋼であってもよい。第2実施形態においては、矢板接触部材であるH形鋼33の一方のフランジ32が鋼矢板本体1のウェブ2に接触させられ、他方のフランジ32にフランジ32より幅の広い鋼板34が土圧受け部材として取り付けられる。この構造ではH形鋼33の鋼矢板本体1に接触している一方のフランジ32が矢板接触部、鋼板34が土圧受け部、H形鋼のウェブ35および鋼板34が取り付けられる他方のフランジ32が接続部として機能する。
すなわち、第1実施形態では、H形鋼33の一対のフランジ22,23の幅を互いに異なるものとすることにより、幅の狭いフランジ22を矢板接触部とし、幅の広いフランジ23を土圧受け部としていたが、第2実施形態では、フランジ32より幅の広い鋼板34を他方のフランジ32に取り付けることで、鋼板34を土圧受け部(土圧受け部材)としている。
鋼板34は、鋼矢板本体1およびH形鋼33と同様に長尺な構造を有するもので、H形鋼33とほぼ同じ長さを有するものとなっている。
また、鋼板34の長さ方向と直交する左右幅は、第1実施形態の幅の広いフランジ23の左右幅と同様に決定される。
H形鋼33のフランジ32の左右幅は、第1実施形態のH形鋼24の幅の狭いフランジ22と同様に鋼矢板本体1のウェブ2の左右幅より少し短いものとなっている。
組合せ鋼矢板壁36を施工する際には、鋼矢板本体1、H形鋼33、鋼板34を一体として施工してもよいし、それぞれ別々に施工してもよいし、鋼矢板本体1を施工し、これらとは別にH形鋼33と鋼板34とを一体に施工してもよいし、鋼矢板本体1とH形鋼33とを一体に施工し、これらとは別に鋼板34を施工してもよい。これらの施工に対して各部材の施工順は任意に決められる。
第2実施形態の組合せ鋼矢板壁36は、第1実施形態の組合せ鋼矢板壁26と同様の作用効果を奏する。また、第1実施形態では、補剛材として、H形鋼24以外の部材を必要とせず、施工性に優れるが、一般的なH形鋼と異なる形状のH形鋼24を必要とする。それに対して、第2実施形態では、補剛材としてH形鋼33のほかに鋼板34が必要となるが、H形鋼33として一般的な形状のものを用いることができる。
なお、図2では、鋼矢板本体1の山側となる面にH形鋼33を配置しているが、鋼矢板本体1の谷側となる面にH形鋼33を配置する方が打設スペースは小さくて済む。
また、H形鋼33の他方のフランジ32と、鋼板34との接合方法は、例えば、コーピング、溶接、ボルト、ドリルねじのいずれか、またはこれらのうちのいくつかの組合せで行うことができる。また、H形鋼33と鋼板34とは、ほぼ全長に渡って接合する必要はなく、例えば、上端部もしくは下端部だけを接合するものであってもよい。また、H形鋼33と鋼板34とを接合しないものとしてもよい。なお、コーピングは、鋼矢板式岸壁で、鋼矢板頭部を巻き込んで打設するコンクリートであり、このコンクリートにより鋼矢板本体1、H形鋼33、鋼板34が接合された状態となる。
また、このような第2実施形態の組合せ鋼矢板壁36における断面二次モーメントは、鋼矢板本体1、H形鋼33および鋼板34それぞれの断面二次モーメントを足し合わせることにより求めることができる。
次に、本発明の第3実施形態を図3に基づいて説明する。
図3に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁47は、第2実施形態と同様の鋼矢板本体1と、第2実施形態と同様の矢板接触部材としてのH形鋼33と、土圧受け部材として第2実施形態の鋼板に代えて補剛用鋼矢板42とからなるものである。この例で補剛用鋼矢板42は、ウェブ43と、その左右側縁にそれぞれウェブ43に対して斜めで互いに広がるように設けられたフランジ44と、フランジ44の先端部に設けられた継手45とからなるU形の鋼矢板である。なお、補剛用鋼矢板42は、接続して用いる必要はないので、継手45がなくてもよい。
この例では、矢板接触部材であるH形鋼33の鋼矢板本体1に接触する一方のフランジ32が矢板接触部であり、H形鋼33の他方のフランジ32に接触する補剛用鋼矢板42が土圧受け部であり、H形鋼33のウェブ35および補剛用鋼矢板42に接触する他方のフランジ32が接続部である。矢板接触部としてのH形鋼33の一方のフランジ32の左右幅より、土圧受け部材としての補剛用鋼矢板42の左右幅の方が広くなっている。また、鋼矢板本体1のウェブ2および補剛用鋼矢板42のウェブ43の左右幅より、H形鋼33のフランジ32の左右幅の方が少し狭くなっている。また、H形鋼33の一対のフランジ32のうちの一方のフランジ32は、鋼矢板本体1の谷側に接触し、他方のフランジ32は、補剛用鋼矢板42の谷側に接触している。
第3実施形態の組合せ鋼矢板壁47は、第2実施形態の組合せ鋼矢板壁36における鋼板34を補剛用鋼矢板42に代えたものであり、第2実施形態と同様の方法で、組合せ鋼矢板壁47を構築することができ、また、第2実施形態の組合せ鋼矢板壁36と同様の作用効果を得ることができる。また、補剛用鋼矢板42の左右幅は、第1実施形態のH形鋼24の幅の広い方のフランジ23の左右幅と同様に決定することができる。
なお、補剛用鋼矢板42としては、U形鋼矢板以外に、ハット形鋼矢板、直線形鋼矢板等を用いることが可能である。
図4から図6は、第3実施形態の組合せ鋼矢板壁47の変形例を示すものである。
図4に示す変形例としての組合せ鋼矢板壁52は、第3実施形態のU形の補剛用鋼矢板42に代えて、ハット形の補剛用鋼矢板53を用い、かつ、補剛用鋼矢板53のうちの一方の継手を無くしたものである。それ以外の構成については、第3実施形態と同様の構成を有するものとなっている。
なお、補剛用鋼矢板53は、ハット形の鋼矢板本体1と略同様に、ウェブ54、フランジ55およびアーム56とを備え、一方のアーム56に継手57を備え、他方のアーム56には継手57が設けられていないものとなっている。接合に使われない継手57を一つ設けないことで、コストの低減を図ることができる。また、継手57を両方とも設けないものとしてもよい。
図5に示す変形例としての組合せ鋼矢板壁62は、図3に示す第3実施形態において、補剛用鋼矢板42の谷側にH形鋼33のフランジ32を接触していたのに対して、補剛用鋼矢板42の山側にH形鋼33のフランジ32を接触したものであり、それ以外の構成は第3実施形態と同様の構成を有するものとなっている。なお、スペース効率的には、図3に示す第3実施形態の組合せ鋼矢板壁47のように、補剛用鋼矢板42の谷側にH形鋼33のフランジ32を接触することが好ましい。
図6に示す変形例としての組合せ鋼矢板壁72は、第3実施形態のU形の補剛用鋼矢板42に代えて、図4に示す補剛用鋼矢板53と同様に、一方の継手のないハット形の補剛用鋼矢板53を用い、かつ、補剛用鋼矢板42の山側にH形鋼33のフランジ32を接触したものであり、それ以外の構成は第3実施形態と同様の構成を有するものとなっている。なお、上述のようにスペース効率的には、補剛用鋼矢板53の谷側にH形鋼33を接触させることが好ましい。
次に、本発明の第4実施形態を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁86は、第1実施形態と同様の鋼矢板本体1と、第2実施形態と同様のH形鋼33と、土圧受け部材として第2実施形態の鋼板34に代えて補剛用H形鋼82とからなるものである。
第4実施形態の組合せ鋼矢板壁86は、第2実施形態と同様の方法で、組合せ鋼矢板壁86を構築することができ、また、第2実施形態の組合せ鋼矢板壁36と同様の作用効果を得ることができる。また、H形鋼82のウェブ83の幅は、第1実施形態のH形鋼24の幅の広い方のフランジ23の左右幅と同様に決定することができる。
図8は、図7の組合せ鋼矢板壁86の変形例を示すものである。
図7に示す組合せ鋼矢板壁86は、補剛用H形鋼82のウェブ83を、H形鋼33の他方のフランジ32に接触させて、補剛用H形鋼82のウェブ83を土圧受け部材としたが、図8の組合せ鋼矢板壁96は、補剛用H形鋼92の一方のフランジ94を、H形鋼33の他方のフランジ32に接触させて、補剛用H形鋼92の一方のフランジ94と他方のフランジ94を土圧受け部材としたものである。この補剛用H形鋼92は、ウェブ93とその両端部にそれぞれ設けられたフランジ94とからなるものである。
矢板接触部材となるH形鋼33のフランジ32より、土圧受け部材となる補剛用H形鋼92のフランジ94の方が幅が広くなっている。この変形例においても、上述の第4実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、補剛用H形鋼92のフランジ94の幅は、第1実施形態のH形鋼24の幅の広い方のフランジ23の左右幅と同様に決定することができる。
また、鋼矢板本体としては、以下に説明するように、U型鋼矢板やZ型鋼矢板を用いることもできる。
本発明の第5実施形態を図9に基づいて説明する。
図9に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁64は、U形の鋼矢板本体65と、第2の実施形態と同様の、一対のフランジ32の幅が互いに等しい一般的な形状のH形鋼33と、土圧受け部材となる鋼板34とから構成されている。またこの例では、鋼矢板本体が1枚おきに補剛されている。
本発明の第6実施形態を図10に基づいて説明する。
図10に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁67は、Z形の鋼矢板本体68と、第2の実施形態と同様の、一対のフランジ32の幅が互いに等しい一般的な形状のH形鋼33と、土圧受け部材となる鋼板34とから構成されている。H形鋼33の矢板接触部となるフランジ32は、隣接する鋼矢板本体68の継手69a、69bの接続部において鋼矢板本体68に接触される。
本発明の第7実施形態を図11に基づいて説明する。
図11に示すように、この例の組合せ鋼矢板壁71は、Z形の鋼矢板本体68と、第2の実施形態と同様の、一対のフランジ32の幅が互いに等しい一般的な形状のH形鋼33と、土圧受け部材となる鋼板34とから構成されている。H形鋼33の矢板接触部となるフランジ32は、隣接する鋼矢板本体68の継手69a、69bの接続部においてスペーサー70を介して鋼矢板本体に接触される。
以上のように、各種鋼矢板の土圧がかかる側(土圧が高くなる側)に補剛材を配置しても、補剛材に広い左右幅を備えた土圧受け部(土圧受け部材)を設けることで、補剛材が大きな土圧を受けて、鋼矢板と補剛材とのたわみ挙動がほぼ同様となり、組合せ鋼矢板の断面2次モーメントを高めることができる。また、図示した実施形態の例では、図9を除き、全ての鋼矢板本体が補剛されているが、鋼矢板壁の断面性能が許容されるのであれば、例えば鋼矢板本体を1枚おきに補剛する等、鋼矢板壁を構成する鋼矢板本体の全てが補剛されていなくてもよい。
さらに、土圧受け部(土圧受け部材)の好ましい左右幅(の下限値)ついて、算出方法を図12から図15に基づいて説明する。
土塊内の任意の面での応力状態を示す基本的な表示となるものとして、図12に示す「モールの応力円」がある。図12(a)で示すように土塊に上下左右より応力が作用した場合、任意の面ABでの主応力σとせん断応力τは、図12(b)のモールの応力円上のσ,τの値となる。図13に示す式(1)のラインは、モール・クーロンの破壊基準と呼ばれ、土塊に作用する応力が大きくなり、破壊基準のラインに接すると土塊は破壊に至る。なお、このときの図12における破壊面角度θはθ=45°+φ/2となる。
Figure 0005177603
一方、本発明の組合せ鋼矢板壁を考えた場合、図14の斜線に示す部分に対して、図15に示すように矢板壁に垂直な方向に長さdx分抜き出して力の釣り合いを考えると、下式(2)が成り立つ。
Figure 0005177603
ここで、式(2)のせん断力τ0において、式(1)で示すような最大のせん断力が作用すると考えると、下式(3)が成立し、式(2)と式(3)より、式(4)が成り立つ。
Figure 0005177603
Figure 0005177603
x=0での主働土圧(すなわち、土圧受け部にかかる土圧)をP0とすると、x=Hでの土圧(すなわち、鋼矢板本体に直接作用する土圧)σhsは以下のようになる。
Figure 0005177603
式(5),(6)より、鋼矢板本体に直接土圧が作用しない(すなわちσhs≦0となる)ような土圧受け部の左右幅Xは、式(7),(8)となる。
Figure 0005177603
以上より、土圧受け部の左右幅Xが式(7),(8)で示される範囲であれば、鋼矢板本体に直接土圧が作用せず、鋼矢板本体と補剛材のたわみ挙動が一致し、重ね梁式の組合せ鋼矢板とみなすことができると考えられる。
さらに、土圧受け部の好ましい左右幅(の下限値)ついて、別の算出方法を下記の参考文献1の考え方を応用しつつ図16を用いて説明する。
[参考文献1:野本哲也,今泉繋良,阿部秀治,坪井正行,二見智子;基盤の局所沈下に伴う敷設高密度ポリエチレン(HDPE)ジオメンブレンの伸び挙動評価の模型実験,土木学会論文集No.652/lll-51,35-45,200.6]
参考文献1では、廃棄物処分場に敷設されるジオメンブレンに対して、その基盤の局所沈下を起こった際の引張ひずみの評価方法が提案されている。その本文中で、下式(9)の砂層のすべり面を仮定して、ジオメンブレンのひずみを算出している(参考文献1の図1およびp.42の式(15)参照)。
Figure 0005177603
その考え方を水平方向に適用して、鋼矢板壁に作用する土圧と考える。図16に示すように、土圧受け部から式(9)の角度αに伸ばした線が、鋼矢板壁本体にぶつかる前に交差する条件であれば、鋼矢板本体に直接土圧が作用して補剛材と離れるように変形する条件ではないと考えられる。したがって、土圧受け部の左右幅が下式(10)を満たせば、鋼矢板本体に直接土圧が作用して補剛材と離れるように変形することはないと考えられる。
Figure 0005177603
以上より、土圧受け部の左右幅Xが式(10)で示される範囲であっても、矢板に直接土圧が作用せず、鋼矢板本体と補剛材のたわみ挙動が一致し、重ね梁式の組合せ鋼矢板とみなすことができると考えられる。
1 鋼矢板本体
22 フランジ(矢板接触部)
23 フランジ(土圧受け部)
24 H形鋼(補剛材、形鋼)
25 ウェブ(接続部)
26 組合せ鋼矢板壁
32 フランジ(矢板接触部、接続部)
33 H形鋼(形鋼、矢板接触部材)
34 鋼板(土圧受け部材)
35 ウェブ(接続部)
36 組合せ鋼矢板壁
42 補剛用鋼矢板(土圧受け部材)
47 組合せ鋼矢板壁
52 組合せ鋼矢板壁
53 補剛用鋼矢板(土圧受け部材)
62 組合せ鋼矢板壁
72 組合せ鋼矢板壁
82 補剛用H形鋼(土圧受け部材)
83 ウェブ(土圧受け部)
86 組合せ鋼矢板壁
92 補剛用H形鋼(土圧受け部材)
94 フランジ(土圧受け部)
96 組合せ鋼矢板壁

Claims (5)

  1. 鋼矢板本体と、当該鋼矢板本体に実質的に接触して当該鋼矢板本体の軸方向に沿って配置される長尺な補剛材とを備え、前記鋼矢板本体を隣接する前記鋼矢板本体と継手を介して連続して配置することで構築する組合せ鋼矢板壁であって、
    前記鋼矢板本体と前記補剛材とは略全長に渡る固定はされておらず、
    前記補剛材は、前記連続配置した鋼矢板本体により仕切られた二つの区域のうちの相対的に土圧の高い区域側に配置され、
    前記補剛材は、前記鋼矢板本体に実質的に接触する矢板接触部と、前記矢板接触部から離れた位置に設けられる土圧受け部と、これら矢板接触部および土圧受け部の間にあってこれら矢板接触部および土圧受け部を接続された状態とする接続部とを備え、
    前記土圧受け部の左右幅Xは、次式(a)および(b)の条件を満たすことを特徴とする組合せ鋼矢板壁。
    Figure 0005177603
  2. 鋼矢板本体と、当該鋼矢板本体に実質的に接触して当該鋼矢板本体の軸方向に沿って配置される長尺な補剛材とを備え、前記鋼矢板本体を隣接する前記鋼矢板本体と継手を介して連続して配置することで構築する組合せ鋼矢板壁であって、
    前記鋼矢板本体と前記補剛材とは略全長に渡る固定はされておらず、
    前記補剛材は、前記連続配置した鋼矢板本体により仕切られた二つの区域のうちの相対的に土圧の高い区域側に配置され、
    前記補剛材は、前記鋼矢板本体に実質的に接触する矢板接触部と、前記矢板接触部から離れた位置に設けられる土圧受け部と、これら矢板接触部および土圧受け部の間にあってこれら矢板接触部および土圧受け部を接続された状態とする接続部とを備え、
    前記土圧受け部の左右幅Xは、次式(c)の条件を満たすことを特徴とする組合せ鋼矢板壁。
    Figure 0005177603
  3. 前記補剛材はH形鋼からなり、当該H形鋼の一方のフランジが前記矢板接触部とされ、他方のフランジが土圧受け部とされ、ウェブが接続部とされ、前記一方のフランジより前記他方のフランジの幅が広くされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組合せ鋼矢板壁。
  4. 前記補剛材は、矢板接触部材と土圧受け部材とを備え、前記矢板接触部材は前記矢板接触部および接続部を備え、前記土圧受け部材は前記土圧受け部を備えている請求項1または請求項2に記載の組合せ鋼矢板壁。
  5. 前記矢板接触部材がH形鋼であり、前記土圧受け部材が鋼板、形鋼または鋼矢板のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の組合せ鋼矢板壁。
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