JP5177570B2 - 有機elパネルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、配線付き基体を用いた有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルの製造方法に関する。
従来、有機材料によって形成される自発光素子である有機EL素子を備える有機ELパネルは、例えば、陽極となるインジウム錫酸化物(ITO)等からなる第一電極と、有機発光層を含む有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の第二電極と、を順次積層して有機EL素子を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる有機ELパネルは第一電極から正孔を注入し、また第二電極から電子を注入して正孔及び電子が発光層にて再結合することによって光を発するものであり、視認性に優れていて、低温での高速応答性に優れているため瞬間判読が必要な車載計器や移動通信端末等に採用されている。
有機EL素子は、有機層として正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層及び電子注入層が適宜積層形成される。有機層は低分子材料か高分子材料かにより成膜方法が異なり、低分子材料の成膜工程は蒸着法が主に用いられるドライ工程であり、高分子材料の成膜工程は塗布法,スピンコート法,インクジェット法またはスプレー法等が用いられるウェット工程である(例えば、特許文献2参照)。
ところで、パッシブマトリクス型の有機ELパネルは、所定の発光電流を必要とし、電流密度に比例して発光輝度が上昇するが、配線の抵抗により電圧降下が生じるため、配線部の低抵抗化が必要とされている。しかしながら、従来から配線材料に用いられたITO層の低抵抗化には限界がある。そこで、アルミニウム(Al)あるいはAl合金などの低抵抗金属を補助配線としてITO層と組み合わせることで実質的に有機EL素子回路の更なる低抵抗化を実現することが知られている。例えば、引用文献3には、Al合金として、Alにニッケル(Ni)を含有させたAl−Ni合金が開示されている。
特開昭59−194393号公報 特開2003−113069号公報 特開2007−142356号公報
Al−Ni合金は抵抗率を下げるために成膜後に例えば200℃以上の温度で加熱する熱処理を行う必要がある。しかしながら、有機ELパネルの製造においてウェット工程が行われると、熱処理によって配線内に形成されるAl−Ni合金粒子が配線内から発光部へ遊離し、それにより表示異常や表示欠陥を引き起こし有機ELパネルの品質悪化や歩留まりの低下が起こるという問題点があった。ウェット工程としては、発光画素を画定する絶縁膜及び隔壁の形成後に行われる洗浄工程や、高分子材料の成膜工程が上げられる。なお、Al−Ni合金上にキャップ層を形成する場合であっても熱処理後にパターニングを行うと配線端部からAl−Ni合金粒子の遊離が生じてしまうという問題点がある。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、低抵抗のAl−Ni合金を用いた配線付き基体を用いた有機ELパネルにおいて、品質及び歩留まりを向上させることが可能な有機ELパネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、少なくともアルミニウムとニッケルとを含有する導体層を含む配線部が形成される基体上に、前記基体側に形成される第一電極とこの第一電極と対向する第二電極とで少なくとも正孔注入層と有機発光層を狭持してなる発光部を形成してなり、前記配線部は前記第一,第二電極の少なくとも一方と電気的に接続されてなる有機ELパネルの製造方法であって、少なくとも前記配線部を形成し、前記正孔注入層をウェット工程で形成した後に前記基体を加熱して前記配線部の抵抗率を下げる熱処理を行うことを特徴とする。
また、前記有機ELパネルは、前記基体上に、少なくとも前記第一電極の端部を覆うように形成される絶縁膜と、前記第二電極を複数に分離するように形成される隔壁と、を形成してなり、少なくとも前記配線部,前記絶縁膜,前記隔壁及び前記正孔注入層を形成した後に前記基体を加熱して前記配線部の抵抗を下げる熱処理を行うことを特徴とする。
また、前記配線部は、モリブデンまたはモリブデン合金を含有するキャップ層を前記導体層上に形成してなることを特徴とする。
また、前記配線部は、前記基体と前記導体層との間に透明導電体層を形成してなることを特徴とする。
また、前記配線部は、モリブデンまたはモリブデン合金を含有するキャップ層を前記透明導電体層と前記導体層との間に形成してなることを特徴とする。
また、前記配線部は、前記第一,第二電極の少なくとも一方と駆動回路とを電気的に接続するための配線であることを特徴とする。
本発明は、Al−Ni合金を用いた配線付き基体を用いた有機ELパネルにおいて、品質及び歩留まりを向上させることが可能となるものである。
本発明の実施形態における有機ELパネルの背面図。 同上実施形態における有機ELパネルの要部拡大図。 同上実施形態における有機ELパネルを示す断面図。 同上実施形態における有機ELパネルを示す要部断面図。 同上実施形態の配線付き支持基板及び有機ELパネルの製造方法を示す図。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。なお、これらの説明及び図面等は本発明を例示するものであり、特許請求の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
図1は、有機ELパネルを示す図である。有機ELパネルは、支持基板(基体)1と、発光領域2と、ドライバーIC(駆動回路)3と、陽極配線部4と、陰極配線部5と、を有する。
支持基板1は、長方形形状の透明ガラス材からなる電気絶縁性の配線付き基体である。支持基板1上には、発光領域2と、ドライバーIC3と、陽極配線部(配線部)4と、陰極配線部(配線部)5と、が形成されている。また、支持基板1上には発光領域2を気密的に覆う封止部材が配設されるが、図1及び図2においては封止部材を省略している。
発光領域2には、図2及び図3に示すように、ライン状に複数形成される陽極(第一電極)6と、絶縁膜7と、隔壁8と、有機層9と、ライン状に複数形成される陰極(第二電極)10と、が形成されている。すなわち、有機ELパネルは、各陽極6と各陰極10とが交差するとともに有機層9を陽極6と陰極10とで挟持する個所からなる複数の発光部(有機EL素子)がマトリクス状に配置されるものである。また、陽極6及び陰極10は、陽極配線部4及び陰極配線部5を介してドライバーIC3と電気的に接続される。また、前記各発光部は、図3に示すように、封止部材11によって気密的に覆われている。
ドライバーIC3は、発光領域2の前記各発光部を駆動させる駆動回路を構成するものであり、信号線駆動回路及び走査線駆動回路等を備える。ドライバーIC3は、COG(Chip On Glass)技術によって支持基板1上に配設され、陽極配線部4及び陰極配線部5を介して各陽極6及び各陰極10と電気的に接続される。
陽極配線部4及び陰極配線部5は、陽極6及び陰極10とドライバーIC3とをそれぞれ電気的に接続するための部材である。陽極配線部4及び陰極配線部5は、支持基板1上に形成される透明導電体層と、モリブデン(Mo)あるいはMo合金からなる第一のキャップ層と、アルミニウム(Al)に少なくともニッケル(Ni)を含有するAl−Ni合金化合物からなる導体層と、モリブデン(Mo)あるいはMo合金からなる第二のキャップ層と、を支持基板1からこの順に積層形成した構造を有する積層体である。図3には、陰極配線部5が示されており、陰極配線部5は、支持基板1上に透明導電体層5a,第一のキャップ層5b,導体層5c及び第二のキャップ層5dを積層形成してなる。なお、図示しないが陽極配線部4も同様の積層構造を有し、陽極6から延設されるITO等の透明導電体層,第一のキャップ層,導体層及び第二のキャップ層が積層形成されてなる。
透明導電体層5aは、例えば陽極6と同材料であるITO,IZOあるいはZnO等からなり、陽極6と同工程で支持基板1上に形成される。
第一のキャップ層5bは、MoあるいはMo合金からなり、導体層5bにAl酸化物が形成されることを防止するために透明導電体層5aと導体層5cとの間に形成されるものである。Mo合金の例としては、Ni−Mo,Mo−ニオブ(Nb),Mo−タンタル(Ta),Mo−バナジウム(V),Mo−タングステン(W)などが上げられる。キャップ層5cは、パターニング性の観点からその膜厚が10〜100nmであることが好ましい。
導体層5bは、Al−Ni合金からなり、配線を低抵抗化させるために支持基板1の透明導電体層5a上に形成されるものである。導体層5bは、十分な導電性や良好なパターニングが得られるようにその膜厚が100〜500nmであることが好ましい。なお、導体層5bはボロン(B)等の他の金属材料がさらに含有されていても良い。また、Al−Ni合金は、透明導電体層5aと直接接合が可能であり、第一のキャップ層5bを省略してもよい。
第二のキャップ層5cは、MoあるいはMo合金からなり、導体層5bを腐食から保護するために導体層5b上に形成されるものである。Mo合金の例としては、Ni−Mo,Mo−ニオブ(Nb),Mo−タンタル(Ta),Mo−バナジウム(V),Mo−タングステン(W)などが上げられる。キャップ層5cは、耐湿性及びパターニング性の観点からその膜厚が10〜100nmであることが好ましい。
陽極6は、ITO等の透明導電材料からなり、蒸着法やスパッタ法等の手段によって支持基板1上に透明導電材料を層状に形成した後、フォトエッチング等によって互いに略平行となるようにライン状に複数形成される。また、陽極6は、端部の一方側(図1における下方側)から延設される陽極配線部4を介してドライバーIC3と接続される。
絶縁膜7は、例えばポリイミド系の電気絶縁性材料から構成され、陽極6と陰極10との間に位置するように少なくとも陽極6の端部上に形成され両電極6,10の短絡を防止するとともに、発光領域2の前記各発光部を画定する開口部7aを有する。また、絶縁膜7は、陰極配線部5と陰極10との間にも延設されており、陰極配線部5と陰極10とを接続させるコンタクトホール7bを有する。
隔壁8は、例えばフェノール系の電気絶縁性材料からなり、絶縁膜7上に形成される。隔壁8は、その断面が絶縁膜7に対して逆テーパー形状となるようにフォトエッチング等の手段によって形成されるものである。また、隔壁8は、陽極6と直交する方向に等間隔にて複数形成される。隔壁8は、その上方から蒸着法やスパッタリング法等によって有機層9及び陰極10となる金属膜を形成する際に有機層9及び前記金属膜を陽極6と直交する方向に複数に分離させるものである。
有機層9は、陽極6上に形成されるものであり、少なくとも正孔注入層と有機発光層とを有するものである。なお、本実施形態においては、図4に示すように、有機層9は正孔注入層9a,正孔輸送層9b,有機発光層9c,電子輸送層9d及び電子注入層9eを順次積層形成してなるものである。有機層9のうち、陽極6上に形成される正孔注入層9aは、高分子材料からなり塗布法,スピンコート法,インクジェット法またはスプレー法等が用いられるウェット工程にて成膜される。また、正孔輸送層9b,有機発光層9c,電子輸送層9d及び電子注入層9eは蒸着法によるドライ工程にて成膜される。
陰極10は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の陽極6よりも導電率が高い金属性導電材料を蒸着法等の手段により陽極6と交差するようにライン状に複数形成してなるものである。陰極10は、前記導電材料が成膜時に隔壁8によって複数に分離されてなる。また、陰極10は、絶縁膜7に設けられるコンタクトホール7bを介して陰極配線部5と接続され、この陰極配線部5を介してドライバーIC3と電気的に接続されている。
封止部材11は、例えばガラス材料からなる平板部材であり、発光領域2の前記各発光部を収納する凹部11aと、この凹部11aの全周を取り巻くように形成される接合部11bとを備えており、接着剤11cを介して支持基板1上に配設される。
以上の各部によって有機ELパネルが構成されている。
次に、有機ELパネルの製造方法の一例を図5を用いて説明する。
先ず、陽極等形成工程S1において、スパッタ法等の手段によって支持基板1上にITOを膜厚150nmの層状に形成した後、フォトエッチング等によってパターニングして陽極配線部4の透明導電体層,陰極配線部5の透明導電体層5a及び陽極6を形成した。
次に、配線部形成工程S2において、洗浄した支持基板1上に、Moを膜厚20nm、Al−Ni合金を膜厚360nm、Moを膜厚20nmでスパッタ法により成膜した。スパッタ直後の積層体の抵抗率は10μΩ/cm程度と高い。その後フォトエッチングによってパターニングして陽極配線部4の第一のキャップ層,導体層及び第二のキャップ層と陰極配線部5の第一のキャップ層5b,導体層5c及び第二のキャップ層5dを形成した。これにより、配線として陽極配線部4及び陰極配線部5を有する配線付き支持基板1が得られる。このとき、フォトリソグラフィーで使用する温度は、100℃以下とすることで、陽極配線部4及び陰極配線部5はスパッタリング直後の組成や構造を維持している。
次に、絶縁膜形成工程S3において、支持基板1上に感光性ポリイミド膜をスピンコーティングし、その後フォトエッチングによってパターニングして発光領域2の開口部7aとコンタクトホール7bを有する絶縁膜7を膜厚1.0μmで形成した。
次に、隔壁形成工程S4において、支持基板1上に感光性アクリル樹脂をスピンコーティングし、その後フォトエッチングによってパターニングして絶縁膜7上に陽極6と直交する隔壁8を形成した。隔壁形成後、ウェット工程となる支持基板1の洗浄を行った。
次に、並行平板RFプラズマ装置を用いてアルゴンプラズマ照射を実施してITO膜の表面改質を行い、正孔注入層形成工程S5において、支持基板1上にスピンコート法で膜厚150nmの正孔注入層9aを形成した。具体的には、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)をスピンコーターを用いて成膜した。したがって、正孔注入層形成工程S5はウェット工程となる。
正孔注入層9a形成後、直ちに熱処理工程S6において支持基板1を加熱して熱処理を実行した。熱処理工程S6は、前記導体層及び導体層5bをAl−Ni合金化して抵抗率を所望の値にすること、絶縁膜7及び隔壁8を脱水すること、及び正孔注入層9aを焼成して固化させることを同時に行うものである。そのため、熱処理工程S6における加熱温度は、絶縁膜7,隔壁8及び正孔注入層9aへの熱ダメージが発生せず、かつ陽極配線部4の前記導体層及び陰極配線部5の導体層5bの抵抗率を下げることが可能な温度であることを要する。本実施例においては、支持基板1を200℃で1時間、5.0×10−4Paの環境下で真空加熱脱水処理を行った。熱処理により、陽極配線部4及び陰極配線部5は抵抗率が低下し、所望の抵抗率を得た。なお、加熱温度及び加熱時間は、絶縁膜7,隔壁8及び正孔注入層9aの材料によって適宜設定されるものである。
そして、正孔輸送層〜電子注入層形成工程S7にて陽極6に対応するように蒸着装置を用いて正孔輸送層9b,有機発光層9c,電子輸送層9d及び電子注入層9eを積層形成し、さらに、陰極形成工程S8にて蒸着装置を用いて有機層9上に陰極10を積層形成して、前記各発光部を得た。具体的には、正孔輸送層9bとしてNPDを膜厚30nmで成膜し、有機発光層9cとしてAlqを膜厚30nmで成膜し、電子輸送層9dとしてBCPを膜厚20nmで成膜し、電子注入層9eとしてフッ化リチウム(LiF)を0.5nmで成膜し、陰極10としてAlを膜厚150nmで成膜した。
そして、封止工程S9において、発光領域2を覆う凹部11aを有する封止部材11を用意し、紫外線硬化性の接着剤11cを介して支持基板1上に配設固定した。凹部11aの前記各発光部との対向面には水分を吸着する吸湿剤(図示しない)が配設されることが望ましい。以上の製造工程により発光領域2を有する有機ELパネルが得られた。
(比較例)
次に、比較例としての有機ELパネルの製造方法について説明する。比較例においては、熱処理工程S6を行わず、陽極配線部4及び陰極配線部5の形成後に支持基板1を200℃、30分の陽極配線部4及び陰極配線部5の低抵抗化を目的とする熱処理を窒素環境下にて行い、正孔注入層9aの形成後に200℃で1時間、5.0×10−4Paの環境下で真空加熱脱水処理を行った。その他の工程については実施例と同様にして有機ELパネルを得た。
以下、表1に実施例及び比較例の歩留まりを示す。
Figure 0005177570
実施例による製造工程によって得られた有機ELパネルは、表示異常や表示欠陥を起こさず、品質及び歩留まりが向上することを確認した。これに対し、比較例による製造工程で得られた有機ELパネルは、Al−Ni合金粒子が発光部上に流れ込み、表示異常や表示欠陥を起こして歩留まりが著しく低下した。従来、有機ELパネルの品質及び歩留まりの低下は、熱処理によって配線内に形成されたAl−Ni合金粒子がウェット工程によって発光部上に流れ込むことに起因すると思われる。本願発明者は、この点に着目し、有機ELパネルの製造工程において、ウェット工程によって得られる正孔注入層9aの形成後に前記導体層及び導体層5bの抵抗率を下げる熱処理を行うことで、Al−Ni合金粒子が生成され始めても正孔注入層9aが固化するためAl−Ni合金粒子が遊離することがなく、品質及び歩留まりを向上させることが可能であることを見いだした。本発明が十分な効果を奏することは、表1の結果からも明らかである。
なお、本実施形態においては、陰極配線部5は、透明導電体層5a,導体層5b及びキャップ層5cの積層体からなり、陽極配線部4も同様の積層構造からなるものであったが、本発明においては、配線部は少なくともAl−Ni合金からなる導体層を含むものであればよく、透明導電体層が形成されず基体上に直接導体層が形成される構成であってもよく、キャップ層が形成されない構成であってもよい。
本発明は、有機ELパネルの製造方法に関し、特にAl−Ni合金を用いた配線付き基体を用いた有機ELパネルの製造方法に関するものである。
1 支持基板
2 発光領域
3 ドライバーIC
4 陽極配線部
5 陰極配線部
5a 透明導電体層
5b 第一のキャップ層
5c 導体層
5d 第二のキャップ層
6 陽極
7 絶縁膜
7a 開口部
7b コンタクトホール
8 隔壁
9 有機層
10 陰極
11 封止部材

Claims (6)

  1. 少なくともアルミニウムとニッケルとを含有する導体層を含む配線部が形成される基体上に、前記基体側に形成される第一電極とこの第一電極と対向する第二電極とで少なくとも正孔注入層と有機発光層を狭持してなる発光部を形成してなり、前記配線部は前記第一,第二電極の少なくとも一方と電気的に接続されてなる有機ELパネルの製造方法であって、
    少なくとも前記配線部を形成し、前記正孔注入層をウェット工程で形成した後に前記基体を加熱して前記配線部の抵抗率を下げる熱処理を行うことを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  2. 前記有機ELパネルは、前記基体上に、少なくとも前記第一電極の端部を覆うように形成される絶縁膜と、前記第二電極を複数に分離するように形成される隔壁と、を形成してなり、
    少なくとも前記配線部,前記絶縁膜,前記隔壁及び前記正孔注入層を形成した後に前記基体を加熱して前記配線部の抵抗を下げる熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
  3. 前記配線部は、モリブデンまたはモリブデン合金を含有するキャップ層を前記導体層上に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
  4. 前記配線部は、前記基体と前記導体層との間に透明導電体層を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
  5. 前記配線部は、モリブデンまたはモリブデン合金を含有するキャップ層を前記透明導電体層と前記導体層との間に形成してなることを特徴とする請求項4に記載の有機ELパネルの製造方法。
  6. 前記配線部は、前記第一,第二電極の少なくとも一方と駆動回路とを電気的に接続するための配線であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
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