JP5177531B2 - ホルムアルデヒド吸着材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、そば殻を炭化したそば殻炭の土壌改良剤としての利用も最近では見られるようになっているが、未だわずかであり、そば殻の利用は不十分な状態であり、有効利用が望まれている。
第43回環境工学研究フォーラム講演集・2006、頁4−6
本発明者らは、ホルムアルデヒドの吸着によるシックハウス症候群の解消とそば殻の有効利用とを図るため、誠意研究を重ねた結果、木炭製造用の通常の炭焼き釜でそば殻を炭化してそば殻炭を製造し、ホルムアルデヒドの吸着効果を実験により計測したところ、極めて顕著な効果を得ることができた。即ち本実施形態によれば、そば殻炭を含むホルムアルデヒド吸着材が提供される。尚、そば殻炭によりホルムアルデヒドを吸着させようとする既往の報告や研究は見られない。
まず、ホルムアルデヒド吸着材の製造に用いられるそば殻や容器等について説明する。そば殻としては、特に制限はなく、日本の在来種のそば殻を用いることができる。例えば、熊本県南阿蘇村の休耕田で栽培された在来種を用いることができる。そば殻を収容する容器としては、特に制限はないが、側面に複数の小孔を穿ったトタン製の18L容器を用いることができる。窯としては、特に制限はないが、木炭製造用の炭窯を用いることができる。
活性炭などの吸着材は、通常2〜3回繰り返し使用すると、ホルムアルデヒドの吸着能が実用に耐えられない程度にまで低下する。ところが、実施形態に係るホルムアルデヒド吸着材は、後に実施例の欄で図1を用いて説明するように13回も繰り返し使用することができる。
(そば殻炭(実施例))
実施形態にかかるホルムアルデヒド吸着材の製造方法に準じて、そば殻として熊本県南阿蘇村の休耕田で栽培された在来種を用い、火入れ後2日間加熱し、その後7日かけて自然冷却するという条件で、図8に示すような炭化後未処理の形態のそば殻炭からなるホルムアルデヒド吸着材を製造した。図8中のシャーレの外法直径は100mmであった。その際、そば殻を収容したトタン製の容器としては、数回使用し表面が赤く錆びついたものを使用することにより、亜鉛の影響はないものとした。
比較例として図9に示す特級試薬の粒状(ペレット)の活性炭を使用した。図9中のシャーレの外法直径は100mmであった。その際、ホルムアルデヒドの吸着を目的とする活性炭には、物理的な吸着に加えて、薬液添着方式によりガス処理を行ない活性炭表面における添着薬液とホルムアルデヒドとの化学反応(化学吸着)を利用するものがあるが、本比較例ではこうした特殊な加工を施していない通常の活性炭を使用した。
主として都市で発生した建築廃木材等のリサイクルチップを850℃以上の高温で炭化させた図10に示す高品位炭を用いた。図10中のシャーレの外法直径は100mmであった。
ホルムアルデヒドの吸着効果を見るべく以下の条件で実験を行った。
図11に示すような、上部に開口部を備える10L容のポリエチレン製のタンク4と、タンク4の上部に取り外し可能に取り付けられた蓋5と、タンク4の外部と内部とが連通するように蓋5に貫通して設けられ、タンク4の外部側一端に実験装置内のホルムアルデヒド濃度測定装置に連通可能なゴム管を備えるポリエチレン製の吸引用パイプ6と、タンク4の外部と内部とが連通するように蓋5に貫通して設けられ、タンク4側の一端に圧力調整用の容量2L程度の高密度ポリエチレン袋9が取り付けられたポリエチレン製の圧力調整パイプ8と、ホルムアルデヒド11を収容可能とするタンク4の底部に配置されたシャーレ10aと、吸着材12を収容可能とするタンク4の底部に配置されたシャーレ10bと、を有する実験装置1を用いた。
ホルムアルデヒド濃度の厚生労働省の指針値は0.08PPMであるが、吸着材のホルムアルデヒド吸着能のばらつき、また吸着の優劣や特徴などを把握することが困難と考えられたことから、以下に説明するホルムアルデヒドの吸着実験1、2においては初期ホルムアルデヒドの設定濃度を10PPMとした。
1回の測定につき200mLの気体を吸引
No.91L:0.1〜5.0PPM
1回の測定につき500mLの気体を吸引
No.91M:20〜2000PPM
1回の測定につき100mLの気体を吸引
PPM=(μg/m2)×22.4/M×(273+T)/273×1013/P×1/1000
(式中、Mはホルムアルデヒドの分子量(=30.0)、Tは測定時の絶対温度(K)、Pは測定箇所の気圧(HPa)を表わす。)
(3)ホルムアルデヒドの吸着実験1(対比実験)
吸着材12として実施例にかかるそば殻炭、比較例にかかる活性炭、高品位炭、参考として竹炭を用いて、以下の(イ)〜(ト)の工程を行うことによりホルムアルデヒド吸着実験を行った。そして、各試料が何回繰り返し使用できるか確認した。
そば殻炭が何回まで継続して使用できるかを確認するため、そば殻炭についてのみ上記(3)のホルムアルデヒド吸着実験を継続した。得られた結果を図1に示す。図1より、定量下限値未満が13回であった。このときの削減率は100%、その後ホルムアルデヒド濃度は次第に上昇し、20回目には0.5PPMに達し、削減率は91%であった。尚、吸着実験を一旦休止する際(長くても数日)は、実験中のそば殻炭の入ったシャーレ10bに蓋をして次の実験まで冷蔵庫で保管した。
以下の手順に従いそば殻炭のホルムアルデヒドの吸着速度に関する実験を行った。
以下の手順に従いそば殻炭のホルムアルデヒドの吸着特性に関する実験を行なった。
上記(3)と同様にして、前年の秋に収穫されたそば殻を用いて、6月、7月、9月、10月にホルムアルデヒドの吸着について長期に渡り繰り返し実験を行った。そば殻のホルムアルデヒド吸着量の結果を図12に示す。図12より、そば殻の保管期間が長くなることによりホルムアルデヒドの吸着能が劣化することが分かった。また吸着能が比較的良好な6月に行なわれた実験結果であっても、吸着実験の繰り返し回数が4回を超えると、許容濃度の指標となる0.1ppmを越えた。
上記のように、本発明は実施形態及び実施例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
4:タンク
5:蓋
6:吸引用パイプ
8:圧力調整パイプ
9:高密度ポリエチレン袋
10a、10b:シャーレ
12:吸着材
Claims (6)
- そば殻炭を含むことを特徴とするホルムアルデヒド吸着材。
- 前記そば殻炭は表面にCOOH官能基を備えることを特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒド吸着材。
- K2O及びCaOが全質量基準で80質量%以上含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のホルムアルデヒド吸着材。
- Fe2O3がさらに含まれることを特徴とする請求項3記載のホルムアルデヒド吸着材。
- BET比表面積が137.3〜167.9m2/g、細孔容積が0.13〜0.15cc/g、吸着側細孔直径が3.21〜3.93nmであるのうちのいずれか1つの物性を備えることを特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒド吸着材。
- 側面に複数の小孔が穿られた容器内にそば殻を収容する工程と、
前記容器を窯内に配置し前記そば殻を300〜400℃で40〜50時間加熱してそば殻炭を得る工程と、
前記そば殻炭を7日〜10日かけて自然冷却する工程と、
を有するホルムアルデヒド吸着材の製造方法。
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