JP5176147B2 - ポリイミド樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミド樹脂に関する。
ポリイミド樹脂は、耐熱性に優れる樹脂として、プリント配線基板等の電子材料用途に好適に用いられている(特許文献1及び2参照)。例えば、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させてポリアミック酸の溶液を得た後、この溶液を基板に塗布して加熱することによって、ポリアミック酸が脱水閉環して基板上にポリイミド樹脂の層が形成される。しかし、このようにして基板上にポリイミド樹脂の層を形成する場合、加熱により基板等の部品が破損しやすくなる、脱水反応により樹脂が基板等から剥離しやすくなるなどの問題点があった。そこで、溶剤に可溶なポリイミド樹脂が開発され、あらかじめ合成されたポリイミド樹脂の溶液を基板に塗布する方法が検討されている(特許文献3及び4参照)。
特許第1523920号公報 特許第1694181号公報 特許第3147166号公報 特開2005−44880号公報
しかしながら、ポリイミド樹脂の溶液を基板に塗布する方法は、溶剤を留去するために高温で加熱する工程が必要となる、溶剤が残留するなど、加工性の点で問題があった。また、溶剤可溶性の従来のポリイミド樹脂は、一般にTgが100〜300℃付近であるため、加工時や使用時の加熱により熱膨張係数が変化しやすく、信頼性の点で問題があった。
そこで、本発明は、加工性に優れ、熱膨張係数が変化しにくいポリイミド樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されるポリオキシプロピレンジアミンを含むジアミンと、テトラカルボン酸二無水物と、を反応させて得られる、25℃で液状であるポリイミド樹脂である。式(1)中、nは1〜50の整数を示す。
本発明に係るポリイミド樹脂は、25℃(室温)で液状であるため、基板等に塗布する際に溶剤を必要としない。したがって、溶剤除去のための高温加熱工程を省くことができる、溶剤の残留に起因する問題が生じないなどの点で、加工性に優れる。また、本発明に係るポリイミド樹脂は、加工時や使用時に加熱される温度領域においてTgを有しないため、熱膨張係数の変化が生じにくく、信頼性に優れる。
ポリイミド樹脂は、反応性有機基を含むことが好ましい。ここで、「反応性有機基」とは、架橋構造を形成することが可能な有機基のことをいう。このような反応性有機基を含むことにより、ポリイミド樹脂が硬化可能となる。また、硬化性樹脂組成物とした際に、硬化剤が有する官能基と反応することにより効率よく架橋構造を形成することができ、良好な硬化性が得られる。反応性有機基は、硬化剤が有する官能基との反応性が良好であることから、ヒドロキシル基であることが好ましい。
本発明によれば、加工性に優れ、熱膨張係数が変化しにくいポリイミド樹脂を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表されるポリオキシプロピレンジアミンを含むジアミンと、テトラカルボン酸二無水物と、を反応させて得られるポリイミド樹脂である。式(1)中、nは1〜50の整数を表す。
本実施形態に係るポリイミド樹脂は、25℃(室温)で液状であるため、基板等に塗布する際に溶剤を必要としない。したがって、溶剤除去のための高温加熱工程を省くことができる、溶剤の残留に起因する問題が生じないなどの点で、加工性に優れる。また、加工時や使用時の温度領域においてTgを有しないため、熱膨張係数の変化が生じにくく、信頼性に優れる。より加工性及び信頼性に優れることから、Tgは0℃以下であることが好ましい。Tgの下限は通常、−55℃程度である。
上記式(1)で表されるポリオキシプロピレンジアミンの量は、ジアミンの総量に対し、モル比で0.8〜1.0であることが好ましい。この量が0.8未満であると、得られるポリイミド樹脂が、Tgが高く室温で液状を保ちにくいものとなる傾向がある。
上記式(1)で表されるポリオキシプロピレンジアミンとしては、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000等(いずれも、三菱化学ファイン(株)製、商品名)が挙げられる。
これらのポリオキシプロピレンジアミンのほかに本実施形態で用いられるジアミンとしては、特に限定されないが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4´−ジアミン、2,6,2´,6´−テトラメチル−4,4´−ジアミン、5,5´−ジメチル−2,2´−スルフォニル−ビフェニル−4,4´−ジアミン、3,3´−ジヒドロキシビフェニル−4,4´−ジアミン、(4,4´−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(4,4´−ジアミノ)ジフェニルスルホン、(4,4´−ジアミノ)ベンゾフェノン、(3,3´―ジアミノ)ベンゾフェノン、(4,4´−ジアミノ)ジフェニルメタン、(4,4´−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(3,3´―ジアミノ)ジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノシクロヘキシルオキシ)シクロヘキシル]プロパン、パラフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4´−ジアミン、2,6,2´,6´−テトラメチル−4,4´−ジアミン、5,5´−ジメチル−2,2´−スルフォニル−ビフェニル−4,4´−ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ジアミンと反応させるテトラカルボン酸二無水物の量は、ジアミンの量に対し、モル比で0.8〜1.2とすることが好ましく、1.0とすることがより好ましい。上記範囲外であると、十分に大きな分子量を有するポリイミド樹脂が得られにくくなる傾向がある。
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、1−トリフルオロメチル−2,3,5,6−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3´,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2´,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2´,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4´−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4´−(4,4´イソプロピリデンジフェノキシ)−ビス(フタル酸無水物)、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソビシクロ(2,2,1)ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物)スルホン、1,2,4,5−テトラカルボキシシクロヘキサン二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3:5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物及び3,3´、4,4´−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。これらの無水物を上記のようなポリオキシプロピレンジアミンと組み合わせることにより、25℃で液状である本実施形態に係るポリイミド樹脂が得られる。
本実施形態に係るポリイミド樹脂は、反応性有機基を有することが好ましい。反応性有機基としては、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、グリシジル基、アクリル基等が挙げられる。これらの反応性有機基がポリイミド樹脂の骨格に導入されることによって、ポリイミド樹脂同士で架橋構造を形成することが可能になる。すなわち、ポリイミド樹脂が硬化可能になる。また、ポリイミド樹脂に硬化剤等を添加して硬化性樹脂組成物としたときに、これらの反応性有機基は、硬化剤が有する官能基と反応して、効率よく架橋構造を形成する。硬化剤が有する官能基との反応性が良好であることから、反応性有機基は、ヒドロキシル基であることが好ましい。
反応性有機基としてヒドロキシル基を有するポリイミド樹脂は、ジアミンとしてヒドロキシル基を有するジアミンを用いることで得られる。ヒドロキシル基を有するジアミンとしては、3,3´−ジヒドロキシビフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ジヒドロキシビフェニル−4,4´−ジアミン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−テトラフロロプロパン、1,5−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、ヒドロキシル基を有するジアミンの代わりに、ヒドロキシル基を有するモノアミンを用いて、末端にヒドロキシル基が導入されたポリイミド樹脂を得ることもできる。ヒドロキシル基を有するモノアミンとしては、2−ヒドロキシアニリン、3−ヒドロキシアニリン、4−ヒドロキシアニリン、2,4−ジヒドロキシアニリン、3,4−ジヒドロキシアニリン、2,3−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジヒドロキシアニリン、2−ヒドロキシ−4−メチルアニリン、3−ヒドロキシ−2−メチルアニリン、4−ヒドロキシ−3−メチルアニリン、6−アミノナフトール、5−アミノナフトール等が挙げられる。
本実施形態に係るポリイミド樹脂を得るには、まず、上記ジアミンと上記テトラカルボン酸二無水物とを反応させて、ポリアミック酸を生成させる。このとき、反応温度は0℃〜100℃とすることが好ましい。反応温度が0℃以下であると、十分な反応速度が得られにくくなる傾向がある。
このポリアミック酸生成反応は、触媒を添加することにより、低温及び短時間で進行させることができる。触媒としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン等の3級アミンが挙げられる。触媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物に対して0.1〜200mol%とすることが好ましい。触媒使用量が0.1mol%以下の場合は、反応促進効果が十分に得られにくい傾向があり、200mol%を超える場合は、過剰な触媒により、得られるポリイミド樹脂の特性が十分なものでなくなる傾向がある。
次いで、上記反応で得られたポリアミック酸を脱水閉環させることによって、ポリイミド樹脂が得られる。このときの反応温度は、100℃〜220℃とすることが好ましい。反応温度が100℃以下であると、十分な反応速度が得られにくく、脱水閉環反応が十分に進行しにくくなる傾向がある。一方、反応温度を220℃以上とすることは、熱媒による加熱が困難であることから現実的ではない。
上記脱水閉環反応において、脱水剤を用いることもできる。脱水剤としては、無水酢酸、無水プロピオン酸等の無水酸が好適である。脱水剤の使用量は、テトラカルボン酸二無水物に対して200〜210mol%とすることが好ましい。脱水剤使用量が200mol%以下の場合は、脱水閉環反応が進行しにくくなり、アミック酸部位が残る傾向があり、210mol%を超える場合は、過剰な脱水剤により、得られるポリイミド樹脂の特性が十分なものでなくなる傾向がある。
なお、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを100℃以上で反応させて、ポリアミック酸の生成反応と脱水閉環反応を連続して進行させることもできる。
上記ポリアミック酸生成反応及び脱水閉環反応において、溶媒は用いても用いなくてもよいが、樹脂の重合が進行するに従って粘度が上昇して十分な撹拌ができなくなることがあるため、溶媒を用いることが好ましい。溶媒を用いる場合は、脱水閉環反応後に、反応液を加熱し、又は減圧下に加熱して、溶媒を留去する。
溶媒としては、ポリイミド樹脂が溶解するものであれば特に限定されないが、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ガンマブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係るポリイミド樹脂は、そのままでも粘着剤、接着剤、被覆剤等の用途に用いることができるが、硬化剤等を添加して、溶剤を実質的に含まない無溶剤型の硬化性樹脂組成物とすることにより、より好適に用いられる。硬化剤としては、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂等が挙げられるが、保存安定性及び架橋効率が良好であることから、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、りん含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、エポキシ樹脂の硬化助剤としてフェノール樹脂を用いることもできる。
上記硬化性樹脂組成物は、無機粒子等の粒子を更に含んでもよい。このような粒子を含むことにより、硬化性樹脂組成物やその硬化物の熱膨張率や電気特性を改善することもがきる。粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等からなる無機粒子が好適である。粒子の最大粒径は500nm以下であることが好ましい。最大粒径が500nmを超える粒子を用いると、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜(硬化膜)を形成した場合に、その膜厚によっては膜中の粒子が占める割合が大きくなりすぎ、膜に欠陥が生じやすくなる傾向がある。
硬化性樹脂組成物における粒子の配合量は、ポリイミド樹脂100質量部に対して1〜90質量部とすることが好ましく、10〜50質量部とすることがより好ましい。粒子の配合量が1質量部未満であると、粒子の添加による上述した効果が十分に得られにくくなる傾向がある。一方、粒子の配合量が90質量部を超えると、硬化膜に欠陥が生じやすくなる傾向がある。
硬化性樹脂組成物は、難燃剤を更に含んでもよい。難燃剤を含むことにより、硬化性樹脂組成物やその硬化物の難燃性が向上する。難燃剤としては、一般の難燃剤を用いることができる。難燃剤の配合量は、ポリイミド樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部とすることが好ましい。難燃剤の添加量が0.1質量部未満であると、十分な難燃性が得られにくくなる傾向があり、50質量部を超えると、硬化性樹脂組成物の物性が十分でなくなる傾向がある。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ポリイミド樹脂の合成
(実施例1)
ディーンスターク還流冷却器、温度計及び撹拌器を備えた300mLのセパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレンジアミン(商品名「ジェファーミンD−2000」、三菱化学ファイン(株)製)29.1mmolと、パラアミノフェノール1.8mmolと、ピロメリット酸二無水物30.0mmolと、反応溶媒としてジメチルアセトアミド148mL及びトルエン80mLとを投入し、反応液を調製した。反応液を昇温させて140℃にて4時間還流させた。水分定量受器に理論量の水がたまり、水の留出が見られなくなっていることを確認した後、水分定量受器中の水とトルエンを除去した。反応液を180℃まで昇温させて、反応液中のジメチルアセトアミド及びトルエンを除去することにより、ポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂は、下記一般式(2)又は(3)でそれぞれ表される構成単位のいずれをも含む。
実施例1で調製した反応液の組成は、以下のとおりである。
組成
ジェファーミンD−2000 : 29.1mmol
パラアミノフェノール : 1.8mmol
ピロメリット酸二無水物 : 30.0mmol
ジメチルアセトアミド :148.0mL
トルエン : 80.0mL
(実施例2)
実施例1と同様のフラスコに、以下の組成の反応液を調製した。実施例1とは異なり、反応溶媒としてジメチルアセトアミドは用いず、反応触媒としてトリエチルアミンを用いた。
組成
ジェファーミンD−2000 : 55.2mmol
パラアミノフェノール : 9.6mmol
ピロメリット酸二無水物 : 60.0mmol
トルエン :100.0mL
トリエチルアミン : 2.0mL
反応液を昇温させて120℃にて4時間還流させた。次いで、実施例1と同様にしてポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂は、上記一般式(2)又は(3)でそれぞれ表される構成単位のいずれをも含む。
参考例1
ジアミンとして、48mmolのジェファーミンD−2000及び12mmolのビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(商品名「ワンダミンHM」、新日本理化(株)製)を用い、パラアミノフェノールを用いなかったこと以外は、実施例2と同様にしてポリイミド樹脂を得た。
参考例1で調製した反応液の組成は、以下のとおりである。
組成
ジェファーミンD−2000 : 48.0mmol
ワンダミンHM : 12.0mmol
ピロメリット酸二無水物 : 60.0mmol
トルエン :100.0mL
トリエチルアミン : 2.0mL
参考例1で得られたポリイミド樹脂は、上記一般式(2)又は下記一般式(4)でそれぞれ表される構成単位のいずれをも含む。
参考例2
ジアミンとして60mmolのジェファーミンD−2000のみを用い、酸無水物とし
て、ピロメリット酸二無水物の代わりに3,3’4,4’−ビフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物35mmolを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてポリイミド
樹脂を得た。
参考例2で調製した反応液の組成は、以下のとおりである。
組成
ジェファーミンD−2000 : 60.0mmol
3,3’4,4’−
ビフェニルエーテル
テトラカルボン酸二無水物 : 35.0mmol
トルエン :100.0mL
トリエチルアミン : 2.0mL
参考例2で得られたポリイミド樹脂は、下記一般式(5)で表される構成単位を含む。
(比較例1)
ジェファーミンD−2000及びワンダミンHMの配合量を以下のようにしたこと以外は、参考例1と同様にしてポリイミド樹脂を得た。比較例1で調製した反応液の組成は、以下のとおりである。
組成
ジェファーミンD−2000 : 40.0mmol
ワンダミンHM : 20.0mmol
ピロメリット酸二無水物 : 60.0mmol
トルエン :100.0mL
トリエチルアミン : 2.0mL
比較例1で得られたポリイミド樹脂は、上記一般式(2)又は(4)でそれぞれ表される構成単位のいずれをも含む。
ポリイミド樹脂の評価
実施例1、2、参考例1、2及び比較例1で得たポリイミド樹脂の室温(25℃)における状態を観察した。また、これらのポリイミド樹脂についてDSC測定を行い、吸熱ピークを示した温度をTg(℃)とした。結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1、2、参考例1、2で得たポリイミド樹脂のTgはいずれも0℃以下であり、これらのポリイミド樹脂は室温で液状であった。それに対し、比較例1で得たポリイミド樹脂は室温で固体状であった。
本発明により提供されるポリイミド樹脂は、25℃(室温)で液状であるため溶剤が不要であり、加工性に優れる。また、加工時や使用時の温度領域においてTgを有しないため、熱膨張係数が変化しにくく、信頼性に優れる。そのため、本発明に係るポリイミド樹脂は、粘着剤、接着剤、被覆剤等の用途に好適に用いられる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリオキシプロピレンジアミン及びヒドロキシル基を有するジアミンを含むジアミン、又は、下記一般式(1)で表されるポリオキシプロピレンジアミンを含むジアミン及びヒドロキシル基を有するモノアミンと、テトラカルボン酸二無水物と、を反応させて得られる、
    25℃で液状であり、かつヒドロキシル基を含むポリイミド樹脂。

    [式中、nは1〜50の整数を示す。]
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