JP5175528B2 - トンネル覆工のひび割れ検査装置 - Google Patents
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Description
(イ)10km/h程度の速度でトンネル壁面を撮影することから、営業時間帯以外で撮影するため、撮影による検査周期が2年に1回程度であり、ひび割れなどの変状を発見するのが遅れるおそれがある。
(ハ)撮影した画像からひび割れなどの変状を手動で抽出し、作業員による作業に膨大な労力および時間を要するという問題点があった。なお、変状箇所の進展有無の確認を手動で行うためにも、作業員による作業に膨大な労力および時間を要するという問題があった。
例えば、特許文献1に例示するように、トンネル壁面など、撮影時期の異なる2枚の画像からクラックなどの変状点の進展状況を画像処理技術により抽出する方法も考えられる。具体的には、このような抽出方法は、被測定面の第1回目の実画像データに基づき画像のエッジを抽出する工程と、同一被測定面における所定時間経過後の第2回目の実画像データに基づき画像のエッジを抽出する工程と、第2回目のエッジ画像における特定画素と、この特定画素に対応した第1回目のエッジ画像における画素及びこの画素の周辺画素との差分を求め、この差分の最も小さな値を差分値として出力する差分処理工程と、この差分処理工程で求めた差分を進展した変状点として出力する工程とからなる。なお、変状点以外の直線分は、ハフ変換により抽出して削除する。
[第一実施形態]
図1はトンネル覆工のひび割れ検査装置1の概略構成図である。
図1に示すように、トンネル覆工のひび割れ検査装置1は鉄道車両に搭載され、トンネル覆工の内壁に発生するひび割れを抽出する装置である。
制御装置30は、グラバーボード31、マザーボード32、SCSI Raidカード33、を備えている。なお、各構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
HDD40は、不揮発性メモリで構成され、各種データを記憶するのに利用される。なお、HDD40には、高速処理を可能とするために、Raid0方式でデータが記憶される。
なお、カメラ10は撮影手段に該当する。また、制御装置30は画像処理手段に該当する。また、HDD40は記憶手段に該当する。
次に、トンネル覆工のひび割れ検査装置1の制御装置30が実行するひび割れ検査処理を、図2のフローチャートを参照して説明する。
続いて、二枚の画像において、同じ特徴を持つ部位を探索して特定する。すなわち、上述の明るさの偏りが無くなった同条件の二枚の画像の濃淡を比較するために、一枚目の画像の濃淡度から二枚目の画像の同じ位置の濃淡度を除算する。なお、図3(c)に、(y=1、x=1)の位置のピクセルを中心に計算した場合を示す。そして、計算した各ピクセルの濃淡度を自乗して足し合わせた値を、その位置の値とする。図3(c)の例では次の式(A)のような計算となる。
続くS7では、膨張処理を実行するにより、ひび割れの切れ目を繋ぐ。
続くS9では、ベクトル化処理を実行することにより、ひび割れの面積、長さ、曲率、フラクタル次元などを数値化する。
[試験結果について]
図12は、予めトンネル覆工の内壁に貼付した6枚の解像度チャートの撮影画像から、横軸を縞模様の間隔とし、縦軸に縞模様の白黒部分の輝度差とした表である。撮影画像に存在するひび割れを自動抽出するためには、25以上の輝度差が必要であることが別途判明していることから、輝度差25に対応する解像度チャートの分解能については、2.5mm〜3.0mmまでの間であることが判る。なお、同図には他に比べて輝度差が大きいデータが含まれるが、これは反射率が高い解像度チャート用紙によるものである。この結果は、更に照度を挙げることにより解像度が向上する可能性を示唆したものと考えられる。
(1)このように第一実施形態のトンネル覆工のひび割れ検査装置1によれば、撮影画像からひび割れを抽出するとともに、連続撮影した撮影画像の間で位置合わせを行うとともに画像相関を行ってひび割れの相違点を抽出し、その抽出した相違点に基づいてトンネル覆工の内壁のひび割れの進展の有無を検査する。このことにより、トンネル覆工に発生するひび割れの進展の有無を高精度で検査するとともに、その検査周期を短縮することができる。したがって、トンネル覆工のコンクリート剥落に対する安全性を向上させることができる。また、営業時間帯に撮影ができることから、この点でも検査周期が短縮され、安全性が高まる。また、トンネル覆工のひび割れ抽出を行うための専用車両を用意する必要がなく、既存の車輌を使うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (4)
- トンネル覆工の内壁に発生するひび割れの進展の有無を検査するトンネル覆工のひび割れ検査装置であって、
前記内壁全周を平面的に連続して撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影した撮影画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する撮影画像からひび割れを抽出するとともに、前記記憶手段が記憶する連続撮影した撮影画像の間または前記記憶手段が記憶する撮影画像と前記内壁のひび割れの進展状況を判断する際に基準とするための基準画像の間の少なくとも何れか一方で位置合わせを行うとともに画像相関を行ってひび割れの相違点を抽出し、その抽出した相違点に基づいて前記内壁のひび割れの進展の有無を検査する画像処理手段と、
を備え、
前記画像処理手段は、前記撮影画像から前記トンネル覆工の内壁に規則的に配置されている物体の画像を抽出し、その抽出した画像を前記撮影画像から削除して、細くて長いものをひび割れらしきものと推定して残し、記憶する一般的なひび割れの形状と前記ひび割れらしきものの形状とを比較することで前記撮影画像からひび割れを抽出し、
さらに、前記画像処理手段は、3回以上の抽出結果に基づく前記相違点の進展具合の傾向から前記内壁のひび割れの進展の有無を検査すること
を特徴とするトンネル覆工のひび割れ検査装置。 - 請求項1に記載のトンネル覆工のひび割れ検査装置において、
前記画像処理手段は、一般的なひび割れの形状を追加登録可能であることを特徴とするトンネル覆工のひび割れ検査装置。 - 請求項1または請求項2に記載のトンネル覆工のひび割れ検査装置において、
前記画像処理手段は、前記抽出されたひび割れを強調する処理を行うことを特徴とするトンネル覆工のひび割れ検査装置。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載のトンネル覆工のひび割れ検査装置において、
前記画像処理手段は、前記撮影画像からひび割れが抽出された場合には前記画像相関を行い、一方、前記撮影画像からひび割れが抽出されなかった場合には前記画像相関を行わないことを特徴とするトンネル覆工のひび割れ検査装置。
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