JP5173876B2 - 3次元構造及び発光デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、3次元周期構造を有する3次元フォトニック結晶中に反射抑制構造を設けた3次元構造及びこれを用いた光学デバイスに関する。
フォトニック結晶とも称される、入射波長以下の周期を有する周期構造体によって電磁波としての光の透過及び反射特性等を制御できることが、Yablonovitchによって提唱されている(非特許文献1)。
いわゆるフォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶を利用することにより、新しい機能を持つ光学素子の実現が可能となる。例えば、フォトニック結晶内に点状又は線状の周期欠陥部を設けることにより、共振器や導波路として動作させることができる。
フォトニック結晶内に、導波路として動作する線状欠陥部を設けると、光は導波路の構造に応じた固有の電磁エネルギー分布を有する状態で伝播する。また、フォトニック結晶の外部においても、光はその外部の構造に応じた固有の電磁エネルギー分布を有する状態で伝播する。
以下、固有の電磁エネルギー分布を有して伝播する光の状態をその光の導波モードという。また、ある導波モードでの固有の電磁エネルギー分布を導波モードパターンという。また、フォトニック結晶内の導波路を導波路1とし、該導波路1を伝播する光の導波モードを導波モード1とする。
フォトニック結晶内の導波路1を伝播する導波モード1の光は、該導波モード1とは異なる導波モード(以下、導波モード2という)で伝播する光と結合する、すなわち導波モードを変換することで利用可能となる。以下、導波モード1で伝播する光と導波モード2で伝播する光が結合する際に、導波モード1で伝播する光のエネルギーのうち導波モード2で伝播する光のエネルギーに変換される割合を結合効率という。
フォトニック結晶内の導波路1と導波モード2で光を伝播させる構造とを接続すると、導波路1を導波モード1で伝播する光の一部は導波モード2で伝播する光と結合する。また、導波モード1で伝播する光の一部は反射波となり、導波路1を伝播する。
導波モード1で伝播する光を導波モード2で伝播する光に変換して効率良く利用するためには、導波モード1で伝播する光と導波モード2で伝播する光との結合効率を向上させるとともに、導波路1を伝播する反射波を低減することが課題である。
このような課題を解決するために、特許文献1では、フォトニック結晶内における導波路1と自由空間との間に、線状欠陥部の幅を徐々に拡大することでテーパー状の欠陥部としての導波路2を形成する例が開示されている。ここで、自由空間を伝播する光の導波モードを導波モード2とし、テーパー状の欠陥部により形成される導波路2を伝播する光の導波モードを導波モード3とする。特許文献1では、導波路2を、導波路1と自由空間とに接続することによって、導波路1を伝播する導波モード1の光を導波モード2の導波モードパターンに近いパターン形状を有する導波モード3の光に変換し、導波モード2の光と結合させる。これにより、導波路1を導波モード1で伝播する光と、自由空間を導波モード2で伝播する光との結合効率を向上させ、かつ導波路1を伝播する反射波を低減できる。
特開2003−315572号公報
Physical Review Letters, Vol. 58, pp. 2059, 1987年
特許文献1に開示された構造において、フォトニック結晶内の導波路1を伝播する光の導波モード1と、テーパー状の欠陥部により形成された導波路2を伝播する光の導波モード3は互いに異なる導波モードである。このため、導波路1と導波路2とを接続すると、導波路1を導波モード1で伝播する光の一部は反射波となる。この反射波は、導波モード3で伝播する光と結合しないため、損失となる。つまり、導波路1と導波路2との接続部において、導波モード1で伝播する光の一部が反射波となることを抑制することができない。
本発明は、3次元フォトニック結晶中の導波路と、該導波路での導波モードとは異なる導波モードで光を伝播する領域とを接続する場合に、作製が容易な構造を用いて接続部において発生する反射波を抑制して、結合効率を向上させる3次元構造を提供する。また、本発明は、該3次元構造を用いた発光デバイスを提供する。
本発明の一側面としての3次元構造は、第1の媒質と該第1の媒質よりも屈折率が小さい第2の媒質とが周期的に配置されて構成された3次元フォトニック結晶中に線状欠陥部として形成され、第1の導波モードで光を伝播させる第1の導波路と、3次元フォトニック結晶中に線状欠陥部として形成され、第2の導波モードで光を伝播させる第2の導波路と、第1の導波路内および第2の導波路内に設けられ、該第1の導波路および第2の導波路を伝播する光の一部を反射する反射部と、該反射部を介して第2の導波路を伝播してきた光の少なくとも一部を第2の導波モードとは異なる第3の導波モードで伝播させるように第2の導波路に接続された第1の領域とを有する。そして、反射部は、第1の導波路および第2の導波路を構成する媒質の屈折率とは異なる屈折率を有する媒質によって形成され、第1の導波路および第2の導波路が延びる方向に直交する断面の全体において均一な屈折率分布を有し、該反射部は、以下の条件を満足することを特徴とする。

ただし、R1、φ1はそれぞれ、第2の導波路を伝播する光が反射部で反射されるときの反射率および該反射部で反射されることによって変化する該光の位相量であり、R2、φ2はそれぞれ、第2の導波路を伝播する光が第2の導波路と第1の領域とを接続する接続部で反射されるときの反射率および該接続部で反射されることによって変化する該光の位相量であり、
Kzは第2の導波路を伝播する光の波数ベクトルの該第2の導波路が延びる方向に平行な方向での大きさであり、
Lは第2の導波路における反射部から第1の領域までの長さである。
また、本発明の他の一側面としての発光デバイスは、上記3次元構造と、3次元フォトニック結晶中に点状欠陥部を設けることで形成された共振器と、3次元フォトニック結晶の外部に設けられ、均一な屈折率分布を有する第2の領域とを有する。共振器の内部には、利得媒質が配置されている。そして、利得媒質を励起することによって共振器で発生した光が共振器で増幅され、第1の導波路および第1の領域を伝播して第2の領域に出力されることを特徴とする。
本発明によれば、作製が容易な構造を用いて、3次元フォトニック結晶中の導波路と該導波路での導波モードとは異なる導波モードで光を伝播する領域とを接続する接続部で発生する反射波を抑制し、かつ両導波モードの光の結合効率を向上させることができる。したがって、共振器や導波路等として良好な特性を有する光学素子を実現することができる。
本発明の実施例1である3次元構造の概略図。 本発明の実施例2である3次元構造の概略図。 実施例2の3次元構造の斜視図。 実施例2の3次元構造の各層を示すxz断面図。 実施例2における反射部のxy断面図。 実施例2における反射部のxz断面図。 実施例2における戻り光の強度を計算した結果を示すグラフ。 実施例2における位相量ΦのCOS値を計算した結果を示すグラフ。 実施例2における戻り光の強度を計算した結果を示すグラフ。 実施例2における反射部の反射率を計算した結果を示すグラフ。 本発明の実施例3である3次元構造の概略図。 実施例3における戻り光の強度を計算した結果を示すグラフ。 実施例3における位相量ΦのCOS値を計算した結果を示すグラフ。 実施例3における戻り光の強度を計算した結果を示すグラフ。 本発明の実施例4である発光デバイスの構造を示す概略図。 本発明の実施例5における3次元構造体の概略図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本発明の実施例1である3次元構造を、図1を用いて説明する。本実施例における説明は、後述する他の実施例にも共通する3次元構造の動作原理に関するものである。図1は、反射抑制構造を含む3次元構造Aの概略構成を示している。
3次元構造Aは、3次元フォトニック結晶構造(以下、単にフォトニック結晶という)100の内部に導波路(第1の導波路)101と反射部103を含む。さらに、3次元構造Aは、出力領域(第1の領域)102を含んでいる。
なお、本明細書では、図1において反射部103に対して左の導波路を第1の導波路といい、反射部103と第1の領域102との間に設けられている右の導波路を第2の導波路と表現することもある。但し、実施例1においては、第1の導波路と第2の導波路が同一の導波路で構成されているため、これらを併せて第1の導波路(導波路101)という。
また、フォトニック結晶100は、3次元的に周期的な屈折率分布を有する構造である。すなわち、第1の媒質と該第1の媒質よりも屈折率が小さい第2の媒質とが周期的に配置された構造を持つ。このフォトニック結晶100は、完全フォトニックバンドギャップを有する。
導波路101は、フォトニック結晶100の内部に線状欠陥部を設けることによって得られる構造である。フォトニック結晶100中に線状欠陥部を設けると、フォトニック結晶100が有する完全フォトニックバンドギャップ内に含まれる周波数帯域の光のうち、一部の帯域の光が線状欠陥部に存在できる状態を作ることができる。また、フォトニック結晶100中に線状欠陥部を設けることによって、光は線状欠陥部が延びる方向に伝播する。線状欠陥部を伝播する光は、フォトニック結晶の構造や線状欠陥部の構造に応じて、固有の電磁エネルギー分布を有している。導波路101を伝播する光の導波モードを導波モード1(第1の導波モード)とする。
導波モードとは、固有の電磁エネルギー分布を有して伝播する光の状態を意味し、その光が伝播する導波路の構造によって決まる。また、ある導波モードでの固有の電磁エネルギー分布を導波モードパターンという。さらに、固有の電磁エネルギー分布で伝播する光の周波数を導波モード周波数という。
出力領域102は、導波路101とは異なる構造を含む領域であり、出力領域102では、導波路101を伝播する光の導波モード1とは異なる導波モードで伝播する。出力領域102は、例えば、フォトニック結晶100の内部に導波路101とは異なる欠陥部を設けることで形成することができる。また、出力領域102は、フォトニック結晶100とは異なるフォトニック結晶を用いて形成することもできる。さらに、出力領域102は、空気などの媒質を空間的に一様に分布させた領域や、細い線状の導波路を設けた領域であってもよい。出力領域102を伝播する光の導波モードを導波モード3(第3の導波モード)とする。
導波路101を伝播する光の導波モード周波数の帯域と、出力領域102を伝播する光の導波モード周波数の帯域は、少なくとも一部において同じ周波数を含んでいる。
導波路101と出力領域102は、接続部104によって接続されている。
さらに、3次元微細構造体Aは、反射部103を含む。ここで、反射部103は、導波路101を構成する線状欠陥部の一部に欠陥部を設けることで形成されている。反射部103は、導波路101を形成する線状欠陥部を構成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質によって構成される欠陥部として形成されている。そして、反射部103は、導波路101を形成する線状欠陥部が延びる方向に対して直交する断面の全体にわたって均一な屈折率分布(同一の屈折率)を有している。
なお、以下の説明において、導波路(線状欠陥部)が延びる方向又は光が伝播する方向を導波方向(又は伝播方向)という。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
反射部103の導波方向に直交する断面の形状及び寸法は、該反射部103の断面に接する導波路101の導波方向に直交する断面の形状及び寸法と同じである。
ただし、ここにいう形状及び寸法が同じとは、完全に一致する場合だけでなく、製造誤差の範囲でわずかな差を有するが一致しているとみなすことができる場合も含む。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
図1で示した3次元構造Aにおいて、入力部105から光を入力すると、入力光は導波路101を導波モード1で接続部104に向かって伝播する。導波路101を伝播する光が反射部103に到達すると、その導波モードパターンが乱される。このとき、反射部103の周囲に配置されたフォトニック結晶100は完全フォトニックバンドギャップを有しているので、放射モードで伝播する光は存在することができない。このため、導波路101を伝播する光の導波モードパターンが反射部103によって乱されても、導波モード1で伝播する光が放射モードで伝播する光と結合し、損失となることを抑制できる。
反射部103によって導波路101を伝播する光の導波モードパターンが乱されると、その光の一部は、導波路101を入力部105の方向に導波モード1で伝播する光と結合する。また、他の一部の光は、導波路101を接続部104に向かって導波モード1で伝播する光と結合する。すなわち、導波路101を伝播する光の一部は反射部103によって反射され、他の一部の光は透過する。反射部103を透過した光を透過波107という。反射部103の反射率は、反射部103の形状、媒質及び位置のうち少なくとも1つを変えることで制御することができる。
具体的には、導波路101を伝播する光のエネルギーの大部分は線状欠陥部に集中するため、反射部103を該線状欠陥部である導波路101内に設けることで、導波路101を伝播する光の導波モードパターンを大きく乱すことができる。このため、反射部103の形状、媒質及び位置のうち少なくとも1つに応じて、反射部103の反射率を任意の値に制御することができる。
また、反射部103を線状欠陥部内(第1の導波路内)に設けると、フォトニック結晶100の構造が乱されないため、反射部103を設けることによって完全フォトニックバンドギャップによる光の閉じ込め効果が変化することを回避することができる。
さらに、反射部103の形状を、導波路(線状欠陥部)101が延びる導波方向に直交する断面内における全体にわたって均一な屈折率分布を有する形状としている。これにより、導波方向に直交する断面内での反射部103の形状を調整する必要がなく、容易に反射部103を作製することができる。また、反射部103をこのような形状とすることで、反射部103の反射率を、導波方向での反射部103の長さを調整するだけで容易に制御することができる。
入力部105から入力されて導波路101を伝播する光の一部は、反射部103を透過し、導波路101を接続部104に向かって伝播する。導波路101を接続部104に向かって伝播する光は、接続部104を介して出力領域102を導波モード3で伝播する光と結合する。
導波路101を伝播する光の導波モード1と出力領域102を伝播する光の導波モード3は互いに異なる導波モードである。このため、接続部104に到達した光の一部は、導波路101を反射部103の方向に伝播する光と結合する。すなわち、接続部104に到達した光の一部は接続部104で反射される。この反射された光は、導波路101を伝播し、反射部103での反射と導波路101の伝播と接続部104での反射を繰り返す。この反射波のうち、導波路101を接続部104の方向に向かって伝搬する光を反射波108という。
透過波106と反射波107は互いに干渉し、導波路101を接続部104の方向に向かって伝搬する光となる。入力部105から入力され、導波路101を伝搬する光のうち、透過波106と反射波108の干渉波と結合しない光は、反射され、入力部105の方向に伝播して入力部105に戻る光となる。この光は、出力領域102に出力されず、損失となる。以下の説明において、入力部105からの入力光のうち、出力領域102に出力されずに入力部105に戻って損失となる光を、戻り光108という。
このとき、透過波106の位相と反射波107の位相が互いに2πの整数倍の大きさだけ異なる状態で干渉すると、透過波106と反射波107は互いに強め合う。その結果、入力部105からの入力光は、干渉波と強く結合し、戻り光108の強度I108は低減する。戻り光108の強度を低減すると、導波路101を接続部104に向かって伝播する光の強度が増大し、その結果、出力領域102に出力される光の強度は高くなる。すなわち、導波路101を導波モード1で伝播する光と、出力領域102を導波モード3で伝播する光との結合効率を向上することができる。
戻り光108の強度I108は、式1で表わすことができる。
式1において、R103は、導波路101を導波モード1で伝播する光が反射部103で反射するときのパワー反射率を表す。φ103は、導波路101を導波モード1で伝播する光において反射部103で反射することによって変化する位相量を表す。R104は導波路101を導波モード1で伝播する光が接続部104で反射するときのパワー反射率を表す。φ104は導波路101を導波モード1で伝播する光において接続部104で反射することによって変化する位相量を表す。Kzは導波路101を導波モード1で伝播する光の波数ベクトルの導波方向に平行な大きさを表す。L1は導波路101のうち反射部103から接続部104までの長さを表す。
式1から、戻り光108の強度I108が最小となる条件、すなわち戻り光108を低減するために満足すべき条件を求めると、式2及び式3で示す条件が導かれる。
式2は、導波路101を伝播する光の位相に関係する条件式である。反射部103と接続部104の間の導波路101を伝播することによって付与される位相量2・Kz・L1と、反射部103及び接続部104における反射によって変化する位相量φ103及びφ104の和を、位相量Φと定義する。nは任意の整数である。また、式3は、導波路101を伝播する光の振幅に関する条件式である。式2及び式3の条件を満たすように反射部103の構造を設計することで、戻り光108を低減することができる。
式2において、接続部104における反射によって変化する位相量φ104は、導波路101や出力領域102の構造、それらの位置関係及びそれらの間の距離によって決定される。また、反射部103における反射によって変化する位相量φ103は、反射部103の形状、反射部103を設ける位置及び反射部103を構成する媒質によって決定される。反射部103と接続部104との間の導波路101の長さL1は、反射部103を設ける位置によって決定される。反射部103を適切な位置に設けることで、反射部103と接続部104との間の導波路101の長さL1を制御することができる。
また、式2の条件は、位相量Φが2πの整数倍に近い値であるほど、戻り光108の強度を低減できることを示している。すなわち、反射部103を設ける位置を変化させ、反射部103と接続部104との間の導波路101の長さL1を適切な値に設定することで、位相量Φの値を制御し、式2の条件を満たすことができる。また、反射部103の形状及び反射部103を構成する媒質を変えることによって、反射部103での反射によって変化する位相量φ103を適切な値に設定でき、これにより位相量Φの値を制御して、式2の条件を満たすことができる。
式3において、接続部104の反射率R104は、導波路101や出力領域102の構造、それらの位置関係及びそれらの間の距離によって決定される。また、反射部103の反射率R103は、反射部103の形状及び反射部103を設ける位置及び反射部103を構成する媒質によって決定される。式3の条件は、反射部103の反射率と接続部104の反射率が互いに近いほど(望ましくは一致すれば)、戻り光108を低減できることを示している。
反射部103の形状、反射部103を設ける位置及び反射部103を構成する媒質を変えることによって、反射部103の反射率R103を制御することができ、式3の条件を満たすことができる。
このようにして式2及び式3の条件を満たすことで、戻り光108を抑制し、損失を低減することができる。また、戻り光108を抑制し、出力領域102に出力される光の強度を増大させることで、導波路101を導波モード1で伝播する光と、出力領域102を導波モード3で伝播する光との結合効率を向上させることができる。
なお、式2及び式3の条件を満足することは理想的であるが、反射部103の反射率R103及び位相量Φが式4及び式5で示す条件を満足すれば、十分な戻り光108の抑制効果と結合効率の向上効果とを得ることができる。
これら式4及び式5を、一般的な形で書き換えると、
Φ=φ1+φ2+2K
cosΦ≧cos25°
R2−0.30≦R1≦R2+0.20
となる。
ここで、R1及びφ1はそれぞれ、反射部103の反射率R103及び位相量φ103に相当する。また、R2及びφ2はそれぞれ、接続部104の反射率R104及び位相量φ104に相当する。さらに、Lは反射部103と接続部104との間の導波路101の長さL1に相当する。
より望ましくは、式6及び式7で示す条件を満足するように反射部103を設けるとよい。ただし、式4及び式6において、反射部103の反射率R103は、接続部104の反射率R104の大きさに関らず、0.0から1.0の間の値を有する。さらに、反射部の反射率R103は、接続部の反射率R104以下の値にすることが望ましい。これにより、位相量Φの変化に対する戻り光の強度の変化を小さくすることができる。
戻り光の強度の減少量は、任意に設定することができ、そのときに反射部103に求められる条件式は、式1を用いて導くことができる。反射部103の反射率R103及び位相量Φは、戻り光の強度を、反射部103を設けない場合の半分未満の強度にするために、式8及び式9で示す条件を満足することが望ましい。
さらに、より望ましくは、反射部103の反射率R103及び位相量Φは、戻り光の強度を、反射部を設けない場合の3分の1未満の強度にするとよい。このために、式10及び式11で示す条件を満足するように反射部103を設けるとよい。
図2には、本発明の実施例2である反射抑制構造を含む3次元構造Bの概略構造を示す。3次元構造Bは、3次元フォトニック結晶構造(以下、単にフォトニック結晶という)200の内部に導波路(第1の導波路)201と反射部203とを含む。
なお、図2において、反射部203に対して左の導波路を第1の導波路といい、反射部203と第1の領域202との間に設けられている右の導波路を第2の導波路と表現することもある。但し、実施例2においては、第1の導波路と第2の導波路が同一の導波路で構成されているため、これらを併せて第1の導波路(導波路201)という。
導波路201は、フォトニック結晶200の内部に線状欠陥部を設けることによって得られる。反射部203は、導波路201を構成する線状欠陥部の一部に欠陥部を設けることで形成されている。反射部203は、導波路201の線状欠陥部を構成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質で形成されている。
さらに、3次元構造Bは、出力領域(第1の領域)202を含んでいる。出力領域202は、フォトニック結晶200の内部に導波路(第3の導波路)206を含む。導波路206は、フォトニック結晶200の内部に線状欠陥部を設けることによって得られる。導波路201と導波路206は互いに異なる構造を有し、接続部204を介して互いに接続されている。
図3には、フォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶200の概略構造を示す。3次元フォトニック結晶200は、xz平面を含む層2000〜2011の12層を基本周期として構成されている。
図4は、各層2000〜2011のxz断面(y軸方向視図)の一部を示している。柱状構造層としての第1層2000及び第7層2006ではそれぞれ、x軸方向(第1の方向)に延びる複数の柱状構造部(第1の柱状構造部)2000a及び2006aが等間隔Pでz軸方向に配置されている。柱状構造部2000a及び2006aは、互いにz軸方向にP/2だけずれて配置されている。
また、柱状構造層としての第4層2003及び第10層2009ではそれぞれ、x軸方向に直交するz軸方向(第2の方向)に延びる複数の柱状構造部(第2の柱状構造部)2003a及び2009aが等間隔Pでx軸方向に配置されている。柱状構造部2003a及び2009aは、互いにx軸方向にP/2だけずれて配置されている。
つまり、フォトニック結晶200は、x軸方向に延びる複数の柱状構造部を有する柱状構造層(第1層、第7層)と、z軸方向に延びる複数の柱状構造部を有する柱状構造層(第4層、第10層)とが交互に積層された基本構造を有する。
柱状構造層である第1層2000と第4層2003との間には、付加層としての第2層2001及び第3層2002が設けられている。第2層2001及び第3層2002ではそれぞれ、y軸方向視における第1層2000の柱状構造部2000aと第4層2003の柱状構造部2003aとの交点に相当する位置に配置された離散構造部2001a及び2002aを有する。離散構造部2001a及び2002aはそれぞれ矩形板形状を有し、第2層2001及び第3層2002におけるxz平面内で互いに接しないように離散的に配置されている。
なお、離散構造部2001a及び2002aは、一方をxz面内で90度回転させることで他方に重なる矩形板形状を有している。
また、第4層と第7層の間、第7層と第10層の間及び第10層と次の基本周期における第1層の間にも、付加層としての第5層2004と第6層2005、第8層2007と第9層2008及び第11層2010と第12層2011がそれぞれ配置されている。これら第5層2004と第6層2005、第8層2007と第9層2008及び第11層2010と第12層2011も、第2層2001及び第3層2002と同様に構成されている。すなわち、互いに直交する方向に延びる柱状構造部を含む柱状構造層間のy軸方向視での柱状構造部の交点に相当する位置に、離散構造部2004a、2005a、2007a、2008a、2010a及び2011aが配置されている。
柱状構造層とこれに隣り合う付加層において、柱状構造部と離散構造部とは互いに接している。柱状構造部及び離散構造部の材料の屈折率、形状、間隔及び各層の厚さ等の構造パラメータを適切に設定することで、特定の広い周波数帯域(波長帯域)において完全フォトニックバンドギャップを得ることができる。
このようなフォトニック結晶200の内部に周期を乱す欠陥部を設けると、完全フォトニックバンドギャップ内の周波数を有する欠陥モードの光が生成される。この欠陥モードは、欠陥部の形状や媒質によって、周波数(波長)及び波数ベクトルが決まるモードである。
本実施例においては、フォトニック結晶200の完全フォトニックバンドギャップ内において互いに異なる導波モードを有するように導波路201と導波路206を構成する。
3次元構造Bにおいて、導波路201と導波路206は、接続部204を介して互いに接続されている。導波路201を構成する第1の線状欠陥部20における該欠陥部20が延びるz軸方向(導波方向)に直交する断面での中心座標は、導波路206を構成する第2の線状欠陥部22の該欠陥部22が延びる方向に直交する断面での中心座標に一致する。
反射部203は、導波路201を構成する第1の線状欠陥部20に欠陥部を設けることで形成されている。
図5Aは反射部203のxy断面を、図5Bは反射部203のxz断面をそれぞれ示している。
本実施例でも、反射部203の導波方向に直交する断面の形状及び寸法は、該反射部203の断面に接する導波路201の導波方向に直交する断面の形状及び寸法と同じである。また、反射部203は、導波方向に直交する断面の全体にわたって均一な屈折率を有する。
導波路201を伝播する光のエネルギーの大部分は線状欠陥部に集中する。このため、反射部203を導波路201内に設けることで、導波路201を伝播する光の導波モードパターンを大きく乱すことができる。したがって、反射部203の形状、媒質及び位置に応じて、反射部203の反射率を大きく変えることができ、反射部203の反射率を任意の値に制御することができる。
また、反射部203を導波路201内に設けると、フォトニック結晶200の構造が乱されないため、反射部203を設けることに起因して完全フォトニックバンドギャップによる光の閉じ込め効果が変化することを回避できる。
さらに、反射部203は、導波方向に直交する断面において均一な屈折率分布を有するため、導波方向に直交する断面内での反射部203の形状を調整する必要がなく、反射部203を容易に作製することができる。このため、反射部203の導波方向に平行な方向の長さ(反射部長さ)を調整するだけで、容易に反射部203の反射率を制御することができる。
図2において、入力部205から入力されて、導波路201を導波モード1で伝播する光が反射部203に入射すると、実施例1でも述べたように、その光の導波モードパターンが乱される。反射部203の周囲に存在するフォトニック結晶200は、完全フォトニックバンドギャップを有しており、放射モードは存在しない。このため、導波路201を導波モード1で伝播する光が放射モードで伝播する光と結合して損失となることを抑制できる。
導波路201を伝播し、反射部203によって導波モードパターンが乱された光の一部は、導波路201を接続部204の方向に伝播する反射波となる。反射部203によって発生する反射波を透過波207という。また、反射部203を透過した光の一部は、反射部203と接続部204との間で多重反射する。この反射波のうち、導波路201を接続部204の方向に伝搬する光を反射波208という。
透過波207と反射波208は互いに干渉し、導波路201を接続部204の方向に向かって伝搬する光となる。入力部205から入力され、導波路201を伝搬する光のうち、透過波207と反射波208の干渉波と結合しない光は、反射され、入力部205の方向に伝播して入力205に戻る。この光は、出力領域202に出力されず、損失となる。このような欠陥モードの光のうち、出力領域202に出力されず、入力部205に戻って損失となる光を、戻り光209という。また、戻り光209の強度をI209とする。
戻り光209の強度I209は、実施例1と同様に、式1によって表される。また、実施例1と同様に、式4及び式5の条件(理想的には式2及び式3の条件)を満足することで、戻り光209の強度I209を低減することができ、損失を抑制することができる。戻り光209の強度I209を低減すると、導波路201を接続部204に向かって伝播する光の強度が増大し、その結果、出力領域202に出力される光の強度が増加する。すなわち、導波路201を導波モード1で伝播する光と、出力領域202を導波モード3で伝播する光との結合効率を向上させることができる。
図6は、3次元構造Bにおいて、反射部203の長さ203Dを0.20Pとし、反射部203と接続部204との間の導波路201の長さL21を変化させたときの戻り光209の強度I209を、TMM(転送行列法)を用いて計算した結果を示すグラフである。図6のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した長さL21の値を表しており、グラフの縦軸は、入力光の強度を1としたときの戻り光209の強度I209を示している。
また、図6において、破線で示した直線は、反射部203を設けないときの戻り光209の強度を示している。
また、図7は、3次元構造Bにおいて、反射部203の長さ203Dを0.20Pとし、反射部203と接続部204との間の導波路201の長さL21を変化させたときの位相量Φを、TMMを用いて計算した結果を示すグラフである。図7のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した長さL21の値を表しており、グラフの縦軸は、位相量ΦのCOS値を示している。
図6において、戻り光209の強度I209は、L21の値が11P及び15Pの付近で、破線で示した強度よりも低減している。すなわち、L21の値を11P又は15Pかこれらに近い値とすることで、反射部203を設けない場合よりも戻り光209を低減することができる。
また、図7において、L21の値が11P及び15Pの付近のときに、COSΦの値が1に近くなる。すなわち、L21の値を11P又は15Pかこれらに近い値とすることで、位相量Φが2πの整数倍又はこれに近い値となる。図6と図7を比較すると、位相量Φが2πの整数倍に近づくにつれて、戻り光209の強度I209が低減していることが分かる。つまり、式4(又は式2)の条件を満足することで、戻り光209の強度I209が低減される。このように、反射部203と接続部204との間の導波路201の長さL21を変化させて位相量Φを制御することによって、戻り光209の強度I209を低減させることができる。
図8は、3次元構造Bにおいて、L21の値を11Pとし、反射部203の長さ(欠陥部長さ)203Dを変えることによって反射部203の反射率R203を変化させたときの戻り光209の強度I209をTMMを用いて計算した結果を示したものである。図8のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した反射部203の長さ203Dの値を表しており、グラフの縦軸は、入力光の強度を1.0としたときの戻り光209の強度I209を示している。図8において、破線で示した線は、反射部203を設けないときの戻り光209の強度を示している。
また、図9は、3次元構造Bにおいて、L21の値を11Pとし、反射部203の長さ203Dを変化させたときの反射部203の反射率R203をTMMを用いて計算した結果を示すグラフである。図9のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した反射部203の長さ203Dの値を表しており、グラフの縦軸は、反射部203の反射率R203を示している。また図9において、破線で示した直線は、反射部203を設けないときの反射率を示している。
図8において、戻り光209の強度I209は、反射部203の長さ203Dを変えることで変化し、破線で示したレベルよりも低減する。すなわち、反射部203を設けることによって、反射部203を設けない場合と比べて戻り光209を低減することができる。戻り光209の強度I209は、反射部203の長さ203Dが0.20Pの付近で最も低減していることが分かる。
また、図9に示すように、反射部203の長さ203Dが0.20Pの付近で、反射部203の反射率R203が、反射部203を設けないときの接続部204の反射率(破線で示された値)に近づく。
すなわち、反射部203の反射率R203と、接続部204の反射率が近いほど、図8が示すように、戻り光209の強度I209が大きく低減される。すなわち、式5(又は式3)の条件を満足することで、戻り光209の強度I209を低減させることができる。
また、反射部203の長さ203Dを変化させて反射部203の反射率R203を制御して式5(又は式3)を満足することにより、戻り光209の強度I209を低減させることができる。
以上、式4及び式5の条件(理想的には式2及び式3の条件)を満足するように反射部203を設けることで、戻り光209の強度を低減できることを説明した。
戻り光209の強度が低減されると、導波路201を接続部204に向かって伝播する光の強度が増大し、その結果、出力領域202に出力される光の強度は強くなる。すなわち、導波路201を導波モード1で伝播する光と、出力領域202を導波モード3で伝播する光との結合効率を向上させることができる。
なお、本実施例では、付加層を設けたウッドパイル構造の3次元フォトニック結晶について説明したが、付加層を設けないウッドパイル構造の3次元フォトニック結晶を利用して導波路を形成してもよい。
また、ウッドパイル以外の3次元フォトニック結晶を利用して導波路を形成しても良い。
また、導波路は、直線導波路であっても曲げ導波路であっても良い。
また、第1の導波路(第2の導波路)は単一の導波モードで光を伝播させるように構成することがデバイス応用を考えると好ましい。
次に、本発明の実施例3である反射防止構造を含む3次元構造Cについて説明する。本実施例では、図2で示した導波路206とは異なる導波路を設けた3次元構造について説明する。
図10には、3次元構造Cの概略構造を示す。該3次元構造Cは、フォトニック結晶200の内部に導波路201と反射部203とを含む。本実施例において、フォトニック200、導波路201及び反射部203は、実施例2と同じ構造を有する。
一方、第1の出力領域(第1の領域)210は、フォトニック結晶200の内部にテーパー形状を有する線状欠陥部を設けることで形成した導波路211を含む。また、第2の出力領域(第2の領域)212は、空間的に一様な媒質(例えば空気)で形成された領域である。
第1の出力領域210に含まれる導波路211は、導波路201と異なる構造を有し、導波路201と接続部213を介して接続されている。また、導波路211は、第2の出力領域212に接続されている。
そして、線状欠陥部23は、A−A′断面の位置からB−B′断面の位置にかけてxy面内での幅及び厚さが徐々に増加するテーパー状に形成されている。
線状欠陥部23は、フォトニック結晶200に含まれる柱状構造部を形成する媒質(第1の媒質)と同じ屈折率(欠陥部屈折率)を有する媒質で形成されている。
第1の出力領域210の導波路211を構成する線状欠陥部23の該線状欠陥部23が延びるz軸方向(導波方向)に直交する断面の中心座標は、導波路201を構成する線状欠陥部20の導波方向に直交する断面の中心座標に一致する。導波路201と導波路211を接続すると、導波路201を導波モード1で伝播する光の一部は、導波路211を導波モード2で伝播する光と結合して該導波路211を伝播する。導波路211を導波モード3で伝播する光は、該導波路211に接続された第2の出力領域212を、導波モード1や3と異なる導波モード4で伝播する光と結合して第2の出力領域212中に射出される。導波路211を伝播する光の導波モードパターンは、A−A′断面からB−B′断面の方向に伝播するにしたがって拡大され、該パターンの大きさに応じた広がり角度で第2の出力領域212へ射出される。テーパー状の線状欠陥部23を適切に設計すると、所定の広がり角度と強度分布を有する光を第2の出力領域212に射出することができる。
このようなテーパー状の線状欠陥部23を有する構造(射出パターン制御構造)をフォトニック結晶200内の導波路201の端部に設けることで、射出パターンが制御された発光デバイスを得ることができる。
また、射出パターン制御構造での導波モードパターンを、ファイバや細線導波路等により構成される第2の出力領域212の導波モードパターンに近づけることで、射出パターン制御構造と第2の出力領域212との間の結合効率を向上させることもできる。
このような射出パターン制御構造を、フォトニック結晶200内の導波路201の端部に設けると、導波路201と射出パターン制御構造との接続部において反射波が発生する。
これに対し、本実施例では、導波路201中に反射部203を適切に設けることによって、このような反射波による損失を抑制する。そして、反射による損失を抑制することで、導波路201を導波モード1で伝播する光と、導波路211を導波モード4で伝播する光との結合効率を向上させることができる。
3次元構造Cにおいて、入力部205から規格化周波数0.491の光を入力すると、導波路201を伝播する光のうち一部は、第1の出力領域210に出力されず、入力部205に戻って損失となる。このような光を、戻り光214という。また、このときの戻り光214の強度をI214とする。
図11は、3次元構造Cにおいて、反射部203の長さ(欠陥部長さ)203Dを0.25Pとし、反射部203と接続部213との間の導波路201の長さL22を変化させたときの戻り光214の強度I214をTMMを用いて計算した結果を示すグラフである。図11のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した長さL22の値を表しており、グラフの縦軸は、戻り光214の強度I214を示している。
また、図11において、破線で示した直線は、反射部203を設けないときの戻り光214の強度を示している。破線で示すように、反射部203を設けない場合は、入力光のうち36.74%の強度の光が接続部213で反射されて損失となる。
図12は、3次元構造Cにおいて、反射部203の長さ203Dを0.25Pとし、反射部203と接続部213との間の導波路201の長さL22を変化させたときの位相量ΦをTMMを用いて計算した結果を示すグラフである。図12のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した長さL22の値を表しており、グラフの縦軸は、位相量ΦのCOS値を示している。
図11において、戻り光214の強度I214は、L22の値が11P及び15Pの付近で、破線で示した強度よりも低減している。すなわち、L22の値を11P又は15Pかこれらに近い値とすることで、反射部203を設けない場合よりも戻り光214を低減することができる。
また、図12において、L22の値が11P及び15Pの付近のときにCOSΦの値が1に近くなっている。つまり、L22の値が11P又は15Pかこれらに近い値のときに、位相量Φは2πの整数倍に近い値となっている。
図11と図12を比較すると、位相量Φが2πの整数倍に近づくにつれて、戻り光214の強度I214が低減していることが分かる。すなわち、式4(又は式2)の条件を満足することにより、戻り光214の強度I214が低減する。このように、反射部203と接続部213との間の導波路201の長さL22を変化させて位相量Φを制御することによって、戻り光214の強度I214を低減することができる。
図13は、3次元構造Cにおいて、反射部203と接続部213との間の導波路201の長さL22を11.0Pとし、反射部203の長さ203Dを変化させたときの戻り光214の強度I214をTMMを用いて計算した結果を示すグラフである。図13のグラフの横軸は、格子周期Pで規格化した反射部203の長さ203Dの値を表しており、グラフの縦軸は、入力光の強度を1としたときの戻り光214の強度I214を示している。また、図13において、破線で示した直線は、反射部203を設けないときの戻り光214の強度を示している。
図13に示したように、反射部203を設けることで、破線で示したレベルよりも戻り光214の強度が抑制されている。これにより、反射部203の長さ203Dを変えて反射部203の反射率を制御することで、戻り光214の強度を抑制できることが分かる。
このように、本実施例における3次元構造において出力領域に含まれる構造は、3次元フォトニック結晶中に直線状の欠陥部を設けることで形成された導波路以外の構造でもよく、3次元フォトニック結晶中にテーパー状の欠陥部を設けた構造でもよい。また、出力領域に含まれる構造は、入力部から接続部に延びる導波路とは異なる方向に延びる線状欠陥部を3次元フォトニック結晶中に形成することで形成した導波路でもよい。さらに、出力領域に含まれる構造は、フォトニック結晶構造を有さない構造でもよく、空気等の媒質を空間的に一様に設けることで形成された領域でもよい。また、細線導波路やプレーナー導波路を出力領域に含んでもよい。
そして、このような出力領域の構造に応じて3次元フォトニック結晶内の導波路中に設けた反射部を適切に設計することで、戻り光を抑制することができる。戻り光を抑制し、出力領域に出力される光の強度を増大させることで、導波路を伝播する光と出力領域を伝播する光との結合効率を向上することができる。
本実施例では、フォトニック結晶内の導波路中に反射部を設け、式4及び式5の条件(又は式2及び式3の条件)を満足することで、互いに異なる導波モードで光を伝播させる構造間の接続部で発生する反射波を抑制し、かつ結合効率を向上できることを述べた。また、反射部と接続部との間の導波路の長さを変化させて位相量Φを制御することで式4(又は式2)の条件を満足し、さらに反射部の形状を変化させて反射部の反射率を制御することで式5(又は式3)の条件を満足することができることを述べた。
なお、本発明における3次元構造において、フォトニック結晶中に設ける導波路の構造は、上記各実施例にて説明したものに制限されない。例えば、フォトニック結晶200を構成する複数の柱状構造部の1つを、他の柱状構造部を構成する媒質よりも低い屈折率を有する媒質で構成することで線状欠陥部を設け、これを導波路としてもよい。
さらに本発明において、位相量Φを制御する方法は上記各実施例にて説明したものに制限されない。例えば、反射部の形状を変化させて位相量Φを制御してもよい。また、反射部を構成する媒質を変化させて位相量Φを制御してもよい。さらに、反射部と接続部との間の導波路の長さLと反射部の形状又は媒質を同時に変化させて位相量Φを制御してもよい。
また、本発明において、反射部の反射率を制御する方法は、反射部の形状だけでなく、反射部を構成する媒質や反射部を設ける位置を変えることで制御してもよい。
さらに、反射部の個数は1つに限定されるものではなく、複数の反射部を設けてもよい。複数の反射部を設けることで、反射部の形状や反射部を構成する媒質の屈折率や反射部を設ける位置の変化に対する戻り光強度の変化を少なくすることができる。すなわち、反射抑制構造を含む3次元構造を作製する場合に、複数の反射部を設けることで、作製誤差の影響が小さくなり、作製を容易にすることができる。
本発明の実施例4である反射抑制構造を含む発光デバイスについて説明する。本実施例の発光デバイスは、完全フォトニックバンドギャップを有する3次元フォトニック結晶中に、線状欠陥部で構成された導波路、点状欠陥部で構成された共振器、モード変換構造、及び反射抑制構造を有する。
点状欠陥部は、その形状や媒質が適切に選択されることによって、完全フォトニックバンドギャップ内の特定の周波数において共振モードを有する共振器として機能する。共振器の内部には、発光スペクトルに共振波長が含まれる発光媒質(利得媒質)が配置される。この発光媒質に対して外部から電磁波や電流等でエネルギを供給することで該発光媒質を励起して発光させ、光を共振器内で増幅することにより、非常に効率の高いレーザやLED等の発光デバイスを実現することができる。
点状欠陥共振器の近傍に該共振器の共振モードの周波数を有する導波モード1(第1の導波モード)で光を伝播させる導波路を配置すると、共振器の内部で発生した光は該導波モード1で導波路を伝播する光と結合して、共振器の外部に抽出される。抽出された光は、導波モード1で導波路を伝播する。
図14には、本実施例である反射抑制構造を含む発光デバイスEの概略構造を示す。図14の上図及び下図はそれぞれ、発光デバイスEのxz断面及びyz断面を示している。

発光デバイスEは、実施例2と同様の構造を有する3次元フォトニック結晶構造(以下、単にフォトニック結晶という)400内に点状欠陥部401を設けることにより形成される共振器(点状欠陥共振器)401を有する。また、フォトニック結晶400内には、p型電極402と、p型キャリア伝導路403と、n型電極404と、n型キャリア伝導路405とが設けられている。
点状欠陥共振器401の内部には、キャリア注入により発光作用を呈する活性部が形成されている。p型電極402及びp型キャリア伝導路403を介して共振器401に正孔が供給され、n型電極404及びn型キャリア伝導路405を介して共振器401に電子が供給される。正孔と電子が共振器401の内部で結合することで光が発せられ、レーザ発振が行われる。
この光を共振器401の外部へ取り出すために、発光デバイスEに導波路(第1の導波路)406を設けている。導波路406の構造は、z軸方向に延びる柱状の形状を有する。より詳しくは、導波路406は、フォトニック結晶400内に、その柱状構造部を構成する媒質(第1の媒質)と同じ屈折率を有する媒質で形成された第1の線状欠陥部40と、第1の線状欠陥部40とは異なる層に形成された第2の線状欠陥部41とにより構成されている。導波路406は、共振器401の共振モードの周波数を有する導波モード1(第1の導波モード)で光を伝播する。この導波路406を共振器401に対して適切な位置に配置することにより、共振器401の共振モードで存在する光を、導波路406を導波モード1で伝播する光に効率良く変換することができる。
導波路406の端部には、フォトニック結晶400の外部に向けて任意の導波モードパターンで光を射出するためのモード変換構造(射出パターン制御構造ともいう)が設けられている。本実施例では、モード変換構造の一例として、導波路406が延びる方向(導波方向)に直交する断面の寸法が、導波方向に向かって徐々に増加するテーパー状の線状欠陥部42により構成される導波路(第3の導波路)407を設けている。テーパー状導波路407が設けられた領域は、第1の領域(出力領域)に相当する。
導波路406とテーパー状導波路407とは、接続部408で接続されている。また、テーパー状導波路407は、フォトニック結晶外部の自由空間(第2の領域)409と接続されている。テーパー状導波路407は、導波路406を伝播する光の導波モードパターンを、導波方向に直交する断面内において単峰性の強度分布を有し、かつテーパー形状に応じた大きさを有する導波モードパターンに変換することができる。このようなテーパー状導波路407を導波路406の端部に接続することで、導波路407を伝播する光の導波モードパターンを制御しつつ、光をフォトニック結晶400の外部に取り出すことができる。
このように、完全フォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶中に、点状欠陥共振器401、導波路406及びモード変換構造(テーパー状導波路407)を設けることで、発光デバイスを得ることができる。
この発光デバイスにおいて、導波路406とモード変換構造(テーパー状導波路407)の接続部408、及びモード変換構造とフォトニック結晶の外部の自由空間との接続部では反射波が発生する。発生した反射波は、フォトニック結晶400の外部に射出されず、導波路406を点状欠陥共振器401の方向に伝播して損失となる。
本実施例では、このような発光デバイスに、反射抑制構造としての反射部410を設ける。反射部410は、導波路406を構成する第1の線状欠陥部40に欠陥部として設けられている。反射部410は、第1の線状欠陥部40を構成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質で形成されている。反射部410は、第1の線状欠陥部40が延びる導波方向に直交する断面の全体にかけて均一な屈折率分布を有する。なお、反射部410における導波方向に直交する断面の形状及び寸法(幅及び高さ)は、導波路406を構成する第1の線状欠陥部40の導波方向に直交する断面での形状及び寸法と同じである。
導波路406を伝播する光が反射部410に到達すると、反射部410によって導波モードパターンが乱される。反射部410の周囲に存在するフォトニック結晶400は、完全フォトニックバンドギャップを有しており、導波モード以外の放射モードは存在しない。このため、導波路406を伝播する光が放射モードで伝播する光と結合して損失となることを抑制することができる。
反射部410によって導波モードパターンが乱された光の一部は、導波路406を接続部408の方向へ伝播する光と結合する。すなわち、導波路406を反射部410の方向に伝播する光の一部は、反射部410を透過する。この透過波を透過波411という。
また、反射部410を透過した光は、接続部408又はテーパー状導波路407と自由空間との接続部で反射され、反射部410と接続部408との間で多重反射する。この反射波のうち、導波路406を接続部408の方向に伝搬する光を、この反射波を反射波412という。
透過波411と反射波412は互いに干渉し、導波路406を接続部408の方向に向かって伝搬する光となる。導波路406を反射部410の方向に伝搬する光のうち、透過波407と反射波408の干渉波と結合しない光は、反射され、戻り光413となる。戻り光413は、フォトニック結晶400の外部に抽出されずに損失となる。
これまでの実施例と同様に、反射部410の形状や媒質及び反射部410を設ける位置を適切に選択し、式4及び式5の条件(理想的には式2及び式3の条件)を満足する反射部410を設けることで、戻り光413の強度を抑制することができる。戻り光413の強度を抑制することで、導波路406を接続部408の方向に向かって伝播する光の強度を増加させ、自由空間に出力(射出)される光の強度を増加させることができる。すなわち、導波路406を伝播する光と、自由空間を伝播する光との結合効率を向上させることができる。
以上のように、反射部410を、導波路406を構成する線状欠陥部内に設けることで、導波路406を伝播する光の導波モードパターンを大きく乱すことができる。このため、反射部410の形状、媒質及び位置に応じて、反射部410の反射率を大きく変えて任意の値に制御することができる。
また、反射部410を線状欠陥部内に設けると、フォトニック結晶400の構造が乱されないため、反射部410を設けることに起因して完全フォトニックバンドギャップによる光の閉じ込め効果が変化することを回避できる。さらに、反射部410は、第1の線状欠陥部40が延びる導波方向に直交する断面において均一な屈折率分布を有する。これにより、導波方向に直交する断面内における反射部410の形状を調整する必要がなく、容易に反射部410を作製することができる。
また、反射部410の反射率を、反射部410の導波方向に平行な方向の長さを調整することで、容易に制御することができる。
本実施例では、完全フォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶400中に、点状欠陥共振器401及び導波路406を設け、導波路406の端部にテーパー状導波路407を設けている。これにより、導波モードパターンを変換しつつフォトニック結晶400の外部に光を射出する発光デバイスを得ることができる。
このような発光デバイスにおいて、反射抑制構造を導波路406中に設けることで、導波路406とテーパー状導波路407との接続部408やテーパー状導波路407の端部での反射波の発生を抑制することができる。また、本実施例の反射抑制構造を、点状欠陥共振器401、線欠陥導波路406及びモード変換構造407を含む発光デバイスに用いることで、低損失で、射出光の導波モードパターンが制御された、高性能なレーザデバイスを実現することができる。
実施例1に記載の反射防止構造を含む3次元構造の場合、所定の周波数において、反射防止効果が小さい場合がある。そこで、本実施例では反射防止効果をさらに改善することができる構造について述べる。具体的には、反射部に光学的に結合する導波路が互いに異なる導波路であることを特徴とする3次元構造について説明する。
図15は、反射抑制構造を含む3次元構造Dの概略構成を示している。
3次元構造Dは、フォトニック結晶600の内部に導波路(第1の導波路)601と導波路602(第2の導波路)とを有する。また、反射部604が第1の導波路内および第2の導波路内に設けられている。さらに、3次元構造Dは、出力領域(第1の領域)603を含んでいる。
また、フォトニック結晶600は、3次元的に周期的な屈折率分布を有する構造、すなわち、第1の媒質と該第1の媒質よりも屈折率が小さい第2の媒質とが周期的に配置された構造を持ち、完全フォトニックバンドギャップを有する。
導波路601は、フォトニック結晶600の内部に線状欠陥部60を設けることによって得られる構造である。導波路601を伝播する光の導波モードを導波モード1(第1の導波モード)とする。
導波路602は、フォトニック結晶600の内部に線状欠陥部61を設けることによって得られる構造である。導波路602の線状欠陥部61は、導波路601の線状欠陥部60が延びる方向と同じ方向に延びている。導波路602の線状欠陥部61は、導波路601の線状欠陥部60とは異なる形状あるいは媒質で構成されている。導波路602を伝播する光の導波モードを導波モード2(第2の導波モード)とする。導波モード2は、導波モード1とは異なるモードである。
出力領域603は、導波路601および導波路602とは異なる構造を含む領域であり、出力領域603では、導波モード1および導波モード2とは異なる導波モードで伝播する。出力領域603を伝播する光の導波モードを導波モード3(第3の導波モード)とする。
導波路601を伝播する光の導波モード周波数の帯域と、導波路602を伝播する光の導波モード周波数の帯域と、出力領域603を伝播する光の導波モード周波数の帯域は、少なくとも一部において同じ周波数を含んでいる。
導波路602と出力領域603は、接続部605によって接続されている。
さらに、3次元構造体Dは、反射部604を含む。反射部604は、導波路601を構成する線状欠陥部60と導波路602を構成する線状欠陥部61に接する位置に配置され、線状欠陥部60の一部あるいは線状欠陥部61の一部あるいは、その両方に欠陥部を設けることで形成されている。
反射部604は、線状欠陥部60および線状欠陥部61を構成する媒質とは異なる屈折率を有する媒質によって構成される欠陥部として形成されている。そして、反射部604は、線状欠陥部60および線状欠陥部61が延びる方向(導波方向)に対して直交する断面の全体にわたって均一な屈折率分布(同一の屈折率)を有している。
反射部604の導波方向に直交する断面の形状及び寸法は、該反射部604の断面に接する導波路601または導波路602の導波方向に直交する断面の形状及び寸法と同じである。
反射部604によって導波路601を伝播する光の導波モードパターンが乱されると、その光の一部は、導波路601を入力部606の方向に導波モード1で伝播する光と結合する。また、他の一部の光は、導波路602を接続部605に向かって導波モード2で伝播する光と結合する。すなわち、導波路601を伝播する光の一部は反射部604によって反射され、他の一部の光は透過する。反射部604を透過した光を透過波607という。
入力部606から入力されて導波路601を伝播する光の一部は、反射部604を透過し、導波路602を接続部605に向かって伝播する。導波路601を接続部605に向かって伝播する光は、接続部605を介して出力領域603を導波モード3で伝播する光と結合する。
導波路602を伝播する光の導波モード2と出力領域603を伝播する光の導波モード3は互いに異なる導波モードである。このため、接続部605に到達した光の一部は、導波路602を反射部604の方向に伝播する光と結合する。すなわち、接続部605に到達した光の一部は接続部605で反射されて反射波となる。この反射波は、導波路602を伝播し、反射部604での反射と導波路602の伝播と接続部605での反射を繰り返す。この反射波のうち、導波路602を接続部605の方向に向かって伝搬する光を反射波608という。
透過波607と反射波608は互いに干渉し、導波路602を接続部605の方向に向かって伝搬する光となる。入力部606から入力され、導波路601を伝搬する光のうち、透過波607と反射波608の干渉波と結合しない光は、反射され、入力部606の方向に伝播して入力部606に戻る。この光は、出力領域603に出力されず、損失となる。以下の説明において、入力部606からの入力光のうち、出力領域603に出力されずに入力部606に戻って損失となる光を、戻り光609という。
このとき、透過波607の位相と反射波608の位相が互いに2πの整数倍の大きさだけ異なる状態で干渉すると、透過波607と反射波608は互いに強め合う。その結果、入力部606からの入力光は、干渉波と強く結合し、戻り光609の強度I609は低減する。また、透過波607に振幅と反射波608の振幅とが同程度の大きさであるほど干渉の影響が大きく、戻り光609の強度は低減する。戻り光609の強度を低減すると、導波路601を接続部605に向かって伝播する光の強度が増大し、その結果、出力領域603に出力される光の強度は高くなる。すなわち、導波路601を導波モード1で伝播する光と、出力領域603を導波モード3で伝播する光との結合効率を向上することができる。
戻り光609の強度I609は、式12で表わすことができる。
式12において、R604は、導波路602を導波モード2で伝播する光が反射部604で反射するときのパワー反射率を表す。φ604は、導波路602を導波モード2で伝播する光において反射部604で反射することによって変化する位相量を表す。R605は導波路602を導波モード2で伝播する光が接続部605で反射するときのパワー反射率を表す。φ605は導波路602を導波モード2で伝播する光において接続部605で反射することによって変化する位相量を表す。Kzは導波路602を導波モード2で伝播する光の波数ベクトルの導波方向に平行な大きさを表す。L1は導波路602の反射部604から接続部605までの長さを表す。
式12から、戻り光609の強度I609が最小となる条件、すなわち戻り光609を低減するために満足すべき条件を求めると、式13及び式14で示す条件が導かれる。
式13は、導波路602を伝播する光の位相に関係する条件式である。反射部604と接続部605の間の導波路602を伝播することによって付与される位相量2・Kz・L1と、反射部604及び接続部605における反射によって変化する位相量Φ604及びΦ605の和を、位相量Φと定義する。nは任意の整数である。
また、式14は、導波路601を伝播する光の振幅に関する条件式である。式13及び式14の条件を満たすように反射部604の構造を設計することで、戻り光609を低減することができる。
式13において、位相量φ605は、導波路602や出力領域603の構造、それらの位置関係及びそれらの間の距離によって決定される。また、位相量φ604は、反射部604の形状、反射部604を設ける位置及び反射部604を構成する媒質、導波路602の構造によって決定される。位相量φ604は、反射部604を設ける位置を、導波路602(あるいは導波路601)が延びる方向に沿って変化させると、フォトニック結晶600の、導波路602が延びる方向と同じ方向の周期間隔で、周期的に変動する。導波路602を伝搬する光の波数ベクトルの導波方向に並行な大きさKzは、導波路602の構造で決定される。導波路602の長さL1は、反射部604を設ける位置によって決定される。
また、式13の条件は、位相量Φが2πの整数倍に近い値であるほど、戻り光609の強度を低減できることを示している。すなわち、反射部604を設ける位置を変化させ、導波路602の長さL1および位相量φ604を適切な値に設定することで、位相量Φの値を制御し、式13の条件を満たすことができる。また、反射部604の形状及び反射部604を構成する媒質を変えることによって、位相量φ604を適切な値に設定でき、これにより位相量Φの値を制御して、式13の条件を満たすことができる。導波路602の構造を変化させ、導波路602を伝搬する光の波数ベクトルの導波方向に並行な大きさKz、位相量φ604、φ605を適切な値に設定することで位相量Φの値を制御し、式13の条件を満たすことができる。
式14において、接続部605の反射率R605は、導波路602や出力領域603の構造、それらの位置関係及びそれらの間の距離によって決定される。また、反射部604の反射率R604は、反射部604の形状及び反射部604を設ける位置及び反射部604を構成する媒質、導波路602の構造によって決定される。反射率R604は、反射部604を設ける位置を、導波路602が延びる方向に沿って変化させると、フォトニック結晶600の、導波路602が延びる方向と同じ方向における周期間隔で、周期的に変動する。
式14の条件は、反射部604の反射率と接続部605の反射率が互いに近いほど(望ましくは一致すれば)、戻り光609を低減できることを示している。反射部604の形状、反射部604を設ける位置及び反射部604を構成する媒質を変えることによって、反射部604の反射率R604を制御することができ、式14の条件を満たすことができる。導波路602の構造を変えることによって、反射率R604および反射率R605を制御することができ、式14の条件を満たすことができる。
このようにして式13及び式14の条件を満たすことで、戻り光609を抑制し、損失を低減することができる。また、戻り光609を抑制し、出力領域603に出力される光の強度を増大させることで、導波路601を導波モード1で伝播する光と、出力領域603を導波モード3で伝播する光との結合効率を向上させることができる。
ところで、実施例1に記載の反射防止構造を含む3次元構造の場合、所定の周波数において、反射防止効果が小さい場合がある。そこで、以下、本実施例の構造によって、反射防止効果をさらに改善することができる理由について述べる。
実施例1に記載の3次元構造は、図15における導波路601と導波路602が同じ構造である(図1参照)。
ここで、式14の条件を満たすために、反射部604の形状、設ける位置および構成する媒質を適切に設定する。
次に、式13の条件を満たすために、反射部604の構成と、導波路602の長さL1を適切に設定する。このとき、反射部604の形状、設ける位置、構成する媒質は、式14の条件を満たすために、所定の形状・位置・媒質に固定され、反射部604の位相量φ604は一定の値となる。また、反射部604の反射率R604および位相量φ604は、導波路602が延びる方向において、反射部604を設ける位置(導波路602の長さL1)によって、周期的に変動する。そのため、導波路602の長さL1は、式14の条件を満たす(反射部604の反射率が接続部605の反射率と同じとなる)、離散的な値に制限される。そのため、ある所定の周波数においては、導波路602の長さL1を変化させても、式13の条件を十分に満たさず、反射防止効果が小さい場合がある。
一方、本実施例における3次元構造は、導波路601と導波路602とは異なる構造を有しており、所定の周波数において、式13および式14の条件を満たし、戻り光609を抑制する。式14の条件は、反射部604の形状、設ける位置、構成する媒質に加えて、導波路602の構造を変え、反射部604の反射率R604、接続部605の反射率R605を制御することで、満たすことできる。導波路602の構造と反射部604の構造の両方を変えることで、実施例1の構成に比べて、各値をより自由に制御し、適切な値にすることができる。また、式13の条件は、反射部604の構成、導波路602の長さL1に加えて、導波路602の構造を適切に設定することで満たすことができる。導波路602の構造を変えることで、波数ベクトルの導波方向の大きさKz、反射部604の位相量φ604、接続部605の位相量Φ605を制御することできる。反射部604の構造、導波路602の構造、長さL1を変えることで、各値をより自由に制御し、適切な値にすることができ、式13及び式14の条件を満たすことができる。これにより、所定の周波数において、式13および式14の条件を満たし、より高い反射防止効果を得ることができる。
特に、導波路602の構造を変え、導波路602を伝搬する光の波数ベクトルの導波方向の大きさKzを変えると、導波路602の長さL1と係数2が掛かることで、位相量が大きく変化し、式13の条件を満たすのに有効である。
式13の条件において、反射部604の反射率R604、接続部605の反射率R605は導波路602を伝搬する光の周波数によって異なる値となる。また、式14の条件において、位相量φ604、位相量φ605、導波路602の伝搬する光の波数ベクトルの導波方向の長さKzも、周波数によって異なる値となる。
広い周波数帯域で、反射防止効果を得るためには、できるだけ広い波長帯域において、式13及び式14の条件に近づけることが必要である。
本実施例の構成のように、導波路602を導波路601とは異なる構造にし、導波路602の構造を制御することで、反射部604の構成、導波路602の長さL1をより自由に制御し、式13及び式14の各値を適切に設定することができる。そのため、より広い周波数帯域で、式13および式14の条件を満たし、反射防止効果を得ることができる。
周波数によって導波路602の波数ベクトルの大きさKzが変動すると、波数ベクトルの大きさKzに、導波路602の長さL1と係数2が掛かるため、位相量φの値は大きく変化し、式13の条件が崩れやすい。広い周波数帯域で反射防止効果を得るためには、式13及び式14を満たすと同時に、導波路602の長さL1が小さい値となるように、各値を制御することが有効である。
なお、式13及び式14の条件を満足することは理想的である。
しかし、反射部604の反射率R604及び位相量Φが以下に示す式15及び式16で示す条件を満足すれば、十分な戻り光609の抑制効果と結合効率の向上効果とを得ることができる。
これら式15及び式16を、一般的な形で書き換えると、
Φ=φ1+φ2+2KL1
cosΦ≧cos25°
R2−0.30≦R1≦R2+0.20
となる。
ここで、R1及びφ1はそれぞれ、反射部604の反射率R604及び位相量φ604に相当する。また、R2及びφ2はそれぞれ、接続部605の反射率R605及び位相量φ605に相当する。さらに、Lは反射部604と接続部605との間の導波路602の長さL1に相当する。
より望ましくは、以下に示す式17及び式18で示す条件を満足するように反射部604を設けるとよい。ただし、反射部604の反射率R604は、接続部605の反射率R605の大きさに関らず、0.0から60の間の値を有する。さらに、反射部の反射率R604は、接続部の反射率R605以下の値にすることが望ましい。これにより、位相量Φの変化に対する戻り光の強度の変化を小さくすることができる。
戻り光の強度の減少量は、任意に設定することができ、そのときに反射部604に求められる条件式は、式12を用いて導くことができる。反射部604の反射率R604及び位相量Φは、戻り光の強度を、反射部604を設けない場合の半分未満の強度にするために、式19及び式20で示す条件を満足することが望ましい。
さらに、より望ましくは、反射部604の反射率R604及び位相量Φは、戻り光の強度を、反射部を設けない場合の3分の1未満の強度にするように設定するとよい。このために、式21及び式22で示す条件を満足するように反射部604を設けるとよい。
なお、本実施例においても3次元フォトニック結晶はどのような形態のフォトニック結晶であってもよい。
また、欠陥部に配置された利得媒質と、エネルギー供給手段を用いて発光デバイスを実現することも可能である。
また、第1の導波路と第2の導波路は単一の導波モードで光を伝播させるように構成することがデバイス応用を考えると好ましい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
3次元フォトニック結晶中の導波路と、該導波路での導波モードとは異なる導波モードで光を伝播する領域とを接続する場合に、作製が容易な構造を用いて接続部において発生する反射波を抑制して、結合効率を向上させる3次元構造を提供する。
100,200,300,400,500 3次元フォトニック結晶構造
101,201,301,406,501 導波路(第1の導波路)
102,202,210,212,302 出力領域
103,203,303,410 反射部
104,204,213,304,408 接続部
105,205,305,504 入力部
106,206,306,407,502 導波路(第2の導波路)
401 点状欠陥共振器
402 p型電極
403 p型キャリア伝導路
404 n型電極
405 n型キャリア伝導路

Claims (6)

  1. 第1の媒質と該第1の媒質よりも屈折率が小さい第2の媒質とが周期的に配置されて構成された3次元フォトニック結晶中に線状欠陥部として形成され、第1の導波モードで光を伝播させる第1の導波路と、
    前記3次元フォトニック結晶中に線状欠陥部として形成され、第2の導波モードで光を伝播させる第2の導波路と、
    前記第1の導波路内および第2の導波路内に設けられ、該第1の導波路および第2の導波路を伝播する光の一部を反射する反射部と、
    前記反射部を介して前記第2の導波路を伝播してきた光の少なくとも一部を前記第2の導波モードとは異なる第3の導波モードで伝播させるように前記第2の導波路に接続された第1の領域とを有する3次元構造であって、
    前記反射部は、前記第1の導波路および前記第2の導波路を構成する媒質の屈折率とは異なる屈折率を有する媒質によって形成され、前記第1の導波路および前記第2の導波路が延びる方向に直交する断面の全体において均一な屈折率分布を有し、
    前記反射部は、以下の条件を満足することを特徴とする3次元構造。

    ただし、R1、φ1はそれぞれ、前記第2の導波路を伝播する光が前記反射部で反射されるときの反射率および前記反射部で反射されることによって変化する該光の位相量であり、R2、φ2はそれぞれ、前記第2の導波路を伝播する光が前記第2の導波路と前記第1の領域とを接続する接続部で反射されるときの反射率および該接続部で反射されることによって変化する該光の位相量であり、
    Kzは前記第2の導波路を伝播する光の波数ベクトルの該第2の導波路が延びる方向に平行な方向での大きさであり、
    Lは前記第2の導波路における前記反射部から前記第1の領域までの長さである。
  2. 前記第1の導波路と前記第2の導波路は同一の導波路であることを特徴とする請求項1に記載の3次元構造。
  3. 前記第1の導波路と前記第2の導波路は異なる導波路であることを特徴とする請求項1に記載の3次元構造。
  4. 前記反射部における前記第1の導波路が延びる方向に直交する断面の形状および寸法が、前記第1の導波路あるいは前記第2の導波路における該第1の導波路が延びる方向に直交する断面の形状および寸法と同じであることを特徴とする請求項1に記載の3次元構造。
  5. 該第1の導波路および該第2の導波路は単一の導波モードで光を伝搬させることを特徴とする請求項1に記載の3次元構造。
  6. 請求項1に記載の3次元構造と、
    前記3次元フォトニック結晶中に点状欠陥部を設けることで形成された共振器と、
    前記3次元フォトニック結晶の外部に設けられ、均一な屈折率分布を有する第2の領域とを有し、
    前記共振器の内部には、利得媒質が配置されており、
    前記利得媒質を励起することによって前記共振器で発生した光が前記共振器で増幅され、前記第1の導波路および前記第1の領域を伝播して前記第2の領域に出力されることを特徴とする発光デバイス。
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