JP5173152B2 - β−アラニン化合物、ピペリドン化合物及びアミノピペリジン化合物の製造方法 - Google Patents

β−アラニン化合物、ピペリドン化合物及びアミノピペリジン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はβ−アラニン化合物、ピペリドン化合物及びアミノピペリジン化合物の製造方法に関する。
式(6):
Figure 0005173152
(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状又は炭素数3〜6の環状のアルキル基を表す。)で示されるアミノピペリジン化合物(以下、アミノピペリジン化合物(6)という。)は医薬原料として有用な化合物である(例えば、特許文献1又は2参照)。従来、アミノピペリジン化合物(6)の製造法としては、式(1):
Figure 0005173152
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるアルキルアミン化合物(以下、アルキルアミン化合物(1)という。)を式(2):
Figure 0005173152
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるアクリル酸エステル(以下、アクリル酸エステル(2)という。)と反応させて、式(3):
Figure 0005173152
(式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で示されるβ−アラニン化合物(以下、β−アラニン化合物(3)という。)を得た後、得られたβ−アラニン化合物(3)を塩基の存在下で環化縮合させ、次いで環化縮合生成物を酸性条件下で加水分解脱炭酸反応せしめて、式(5):
Figure 0005173152
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるピペリドン化合物(以下、ピペリドン化合物(5)という。)を製造し、次いで、得られたピペリドン化合物(5)をアンモニア及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムと還元アミノ化反応せしめる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来製法では、β−アラニン化合物(3)の製造において、高価な耐圧容器を用い175℃の高温で反応を行う必要があり、工業的に不利である。さらには、ピペリドン化合物(5)の還元アミノ化反応に還元剤としてシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いており、シアン化水素の発生の危険性があるので工業的に取り扱うには問題がある。
US4005208 特開2005−514365
本発明は、従来製法に比べて、温和な条件で製造できる工業的に優位なβ−アラニン化合物(3)の製造法、そうして得られたβ−アラニン化合物(3)を原料とするピペリドン化合物(5)の製造法並びにシアン化水素の発生しない工業的に安全な還元剤を用いたアミノピペリジン化合物(6)の製造法を提供することを課題とする。
本発明者が上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルキルアミン化合物(1)とアクリル酸エステル(2)を反応してβ−アラニン化合物(3)を製造するにあたり、式(4):
Figure 0005173152
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるカルボン酸(以下、カルボン酸(4)という。)の存在下で反応することにより、従来製法に比べて低温で反応が進行し、また好収率でβ−アラニン化合物(3)を製造できることを見出した。こうして得られたβ−アラニン化合物(3)を塩基の存在下で環化縮合させ、次いで環化縮合生成物を酸性条件下で加水分解脱炭酸反応せしめてピペリドン化合物(5)を製造でき、さらに還元剤としてシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いることなく、水素化触媒の存在下で、ピペリドン化合物(5)をアンモニア及び水素と還元アミノ化反応せしめてアミノピペリジン化合物(6)が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、アルキルアミン化合物(1)をアクリル酸エステル(2)と反応させてβ−アラニン化合物(3)を製造するにあたり、カルボン酸(4)の存在下で反応することを特徴とするβ−アラニン化合物の製造法、こうして得られたβ−アラニン化合物(3)を塩基の存在下で環化縮合させた後、次いで環化縮合生成物を酸性条件下で加水分解脱炭酸反応せしめることを特徴とするピペリドン化合物(5)の製造法、並びに水素化触媒の存在下で、ピペリドン化合物(5)をアンモニア及び水素と還元アミノ化反応せしめることを特徴とするアミノピペリジン化合物(6)の製造法に関する。
本発明によれば、従来製法に比べて、工業的に簡便にアルキルアミン化合物(1)からアミノピペリジン化合物(6)が製造できるので、工業的利用価値が高い。
以下、本発明を具体的に説明する。
式(1)、式(3)、式(5)及び式(6)中、Rは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状又は炭素数3〜6の環状のアルキル基を表す。中でも好ましくは炭素数3〜6の環状のアルキル基である。炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状のアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(2)及び式(3)中、Rで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基である。
式(4)中、Rで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、上述のRで表される炭素数1〜4のアルキル基と同様のものが挙げられる。
アルキルアミン化合物(1)の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、シクロプロピルアミン、ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
アクリル酸エステル(2)の具体例としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられ、好ましくはアクリル酸メチル又はアクリル酸エチルであり、特に好ましくはアクリル酸メチルである。
β−アラニン化合物(3)の具体例としては、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−メチル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−エチル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−プロピル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−イソプロピル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−ブチル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−tert−ブチル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロペンチル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロヘキシル−β−アラニンメチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−メチル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−エチル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−プロピル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−イソプロピル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−ブチル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−tert−ブチル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロペンチル−β−アラニンエチルエステル、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロヘキシル−β−アラニンエチルエステル等が挙げられる。
カルボン酸(4)の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられ、好ましくは酢酸である。
ピペリドン化合物(5)の具体例としては、1−メチル−4−ピペリドン、1−エチル−4−ピペリドン、1−プロピル−4−ピペリドン、1−イソプロピル−4−ピペリドン、1−シクロプロピル−4−ピペリドン、1−ブチル−4−ピペリドン、1−tert−ブチル−4−ピペリドン、1−シクロペンチル−4−ピペリドン、1−シクロヘキシル−4−ピペリドン等が挙げられる。
アミノピペリジン化合物(6)の具体例としては、4−アミノ−1−メチルピペリジン、4−アミノ−1−エチルピペリジン、4−アミノ−1−プロピルピペリジン、4−アミノ−1−イソプロピルピペリジン、4−アミノ−1−シクロプロピルピペリジン、4−アミノ−1−ブチルピペリジン、4−アミノ−1−tert−ブチルピペリジン、4−アミノ−1−シクロペンチルピペリジン、4−アミノ−1−シクロヘキシルピペリジン等が挙げられる。
まずβ−アラニン化合物(3)の製造方法について述べる。
本発明のβ−アラニン化合物(3)の製造方法は、カルボン酸(4)の存在下で、アルキルアミン化合物(1)をアクリル酸エステル(2)と反応させることで実施される。カルボン酸(4)の存在下で反応を行うことで、従来製法に比べて低温で反応が進行し、かつ好収率でβ−アラニン化合物(3)を製造できる。アルキルアミン化合物(1)、アクリル酸エステル(2)及びカルボン酸(4)の混合順序は特に限定されないが、アルキルアミン化合物(1)及びカルボン酸(4)を混合した後に、アクリル酸エステル(2)を添加するのが好ましく、中でもアクリル酸エステル(2)を徐々に滴下するのが特に好ましい。
カルボン酸(4)の使用量は、アルキルアミン化合物(1)1モルに対して、通常0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.5モルである。
アクリル酸エステル(2)の使用量は、アルキルアミン化合物(1)1モルに対して、通常1.7〜5モル、好ましくは1.8〜3モル、特に好ましくは1.9〜2.3モルである。
本発明のβ−アラニン化合物(3)の製造方法には、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられ、好ましくはアルコール系溶媒である。これらの溶媒は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。かかる溶媒の使用量はアルキルアミン化合物(1)1重量部に対し、通常0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは0〜60℃である。
反応終了後、反応混合物に適当な抽出溶媒(例えば、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等)を用いて抽出後、得られた有機層を濃縮して、β−アラニン化合物(3)を得ることができる。かかるβ−アラニン化合物(3)はそのまま次工程の原料として用いることができるが、さらに蒸留等所望の精製手段により精製して用いてもよい。
次に、ピペリドン化合物(5)の製造方法について述べる。
本発明のピペリドン化合物の製造方法は、上述により得られたβ−アラニン化合物(3)を塩基の存在下で環化縮合した後(以下、環化工程という。)、次いで環化縮合生成物を酸性条件下で加水分解脱炭酸反応すること(以下、脱炭酸工程という。)で実施される。
環化工程で用いられる塩基としては、通常アルカリ金属化合物が挙げられ、具体的には例えばアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。アルカリ金属水素化物としては、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。アルカリ金属アルコキシドとしては、例えばリチウムアルコキシド(例えばリチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムブトキシド等)、ナトリウムアルコキシド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムブトキシド等)、カリウムアルコキシド(例えばカリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムブトキシド等)等が挙げられる。アルカリ金属アルコキシドを塩基として用いる場合、β−アラニン化合物(3)のRで示されるアルキル基と同じ炭素鎖長のアルコキシ基を持つアルカリ金属アルコキシドを用いるのが好ましい。かかる塩基の使用量は、β−アラニン化合物(4)1モルに対して通常0.8〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
環化工程は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。かかる溶媒の使用量は、β−アラニン化合物(3)1重量部に対して、通常1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。
環化工程の反応温度は、通常70〜150℃である。
環化工程は、上述の塩基及び溶媒の混合溶液に、β−アラニン化合物(3)を滴下しながら行うことが好ましい。
本発明の環化工程では、反応の進行にしたがってROH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルコールが生成するが、該アルコールを反応系外に除去しながら行うのが好ましい。該アルコールを反応系外に除去する方法としては、例えば、該アルコールの沸点以上の温度で反応を行い反応系外に留去する方法、反応溶媒の沸点以上の温度で反応を行い反応溶媒と共に該アルコールを反応系外に留去する方法、還流中の溶媒をモレキュラーシーブス等で処理することにより該アルコールを除去する方法等が挙げられる。
反応終了後、得られた反応混合物を、例えば20〜40℃まで冷却し、析出した固体を濾過し乾燥することで、β−アラニン化合物(3)の環化縮合生成物である式(7):
Figure 0005173152
(式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で示される化合物(以下、化合物(7)という。)の塩を得ることができる。化合物(7)の塩としては、例えば化合物(7)のアルカリ金属塩が挙げられる。
また0℃〜30℃程度の温度で、反応混合物を酸水溶液(例えば塩酸水溶液、硫酸水溶液等)で中和後、適当な有機溶媒で抽出し、得られた有機層を乾燥した後、濃縮することで、化合物(7)を得ることができる。
このようにして得られた化合物(7)又はその塩は脱炭酸工程の原料として用いられるが、化合物(7)又はその塩を単離せずに、反応混合物をそのまま脱炭酸工程の原料として用いることもできる。
脱炭酸工程は、酸性条件下で、環化工程で得られた化合物(7)或いはその塩又はそれらを含有する環化工程の反応混合物を加水分解脱炭酸反応して実施される。
脱炭酸工程では、酸水溶液を反応溶媒として用いる。酸水溶液としては、例えば塩酸水溶液、硫酸水溶液等の無機酸の水溶液が挙げられる。かかる酸水溶液の使用量は、化合物(7)1モルに対して、酸水溶液中の酸として、通常1.5〜10モル、好ましくは2〜5モルである。
該反応には他の溶媒を混合して用いてもよい。他の溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
反応温度は通常80〜110℃である。
反応終了後、得られた反応混合物に塩基性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等)を加えて反応混合物を塩基性とした後、有機層を得る。また反応溶媒に酸水溶液のみを用いた場合には、塩基性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等)を加えて反応混合物を塩基性とした後、必要に応じて抽出溶媒を加えて抽出して有機層を得る。こうして得られた有機層を乾燥した後、濃縮すればピペリドン化合物(5)を得ることができる。得られたピペリドン化合物(5)は蒸留、カラムクロマトグラフィー等の所望の精製操作によりさらに精製してもよい。
最後にアミノピペリジン化合物(6)の製造方法について述べる。
アミノピペリジン化合物(6)を製造するには、水素化触媒の存在下で上述により得られたピペリドン化合物(5)をアンモニア及び水素と還元アミノ化反応せしめればよい。
水素化触媒としては、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル系触媒、還元コバルト、ラネーコバルト等のコバルト触媒、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、イリジウム等の貴金属触媒等が挙げられ、好ましくはニッケル系触媒である。これらは担体に担持されたものであっても使用し得る。水素化触媒の使用量は、ピペリドン化合物(5)1重量部に対して0.01〜50重量%である。
アンモニアの使用量は、ピペリドン化合物(5)1モルに対して通常1〜6モル、好ましくは1〜4モルである。
かかる反応は、溶媒の共存下でも実施し得る。かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくはアルコール系溶媒と芳香族炭化水素系溶媒の混合溶媒である。かかる溶媒の使用量は、ピペリドン化合物(5)1重量部に対して、通常0.5〜10重量である。
還元アミノ化反応の反応形態の一例を示すと、例えば、反応器に水素化触媒、ピペリドン化合物(5)、アンモニア及び所望により溶媒を仕込み、加熱、攪拌下に水素を導入しながら反応を行えばよい。反応温度は、通常40〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。また反応における水素圧は、通常0.5〜5MPaであり、好ましくは、1〜4MPaで行う。反応により水素が消費されるので水素を導入しながら上記水素圧に保ち、上記温度で反応を行う。反応が終了すると水素の吸収が認められなくなる。
反応終了後、反応混合物を濾過して水素化触媒を濾別した後、蒸留等の所望の分離操作によりアミノピペリジン化合物(6)を得ることができる。
つぎに、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。
実施例1
シクロプロピルアミン5.0g(87.6mmol)、メタノール5.0g及び酢酸0.53g(8.83mmol)の混合液に、アクリル酸メチル15.1g(175.4mmol)を添加後、25℃で2時間、さらに40℃で6時間反応した。反応終了後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィ分析により分析した結果、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステルが収率85.3%、反応中間生成物のN−シクロプロピル−β−アラニンエチルエステルが収率7.67%で生成していた。
比較例1
シクロプロピルアミン5.0g(87.6mmol)及びメタノール5.0gの混合液に、アクリル酸メチル15.1g(175mmol)を添加後、50℃で20時間反応した。反応終了後、反応混合物をガスクロマトグラフィ分析により分析した結果、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステルが収率68.0%、反応中間生成物のN−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステルが収率20.1%で生成していた。実施例1と比較して、反応温度が高く反応時間が長いにもかかわらず、目的物の収率が低くかつ反応中間生成物の収率が高いので、明らかに反応の進行が遅い結果であった。
実施例2
実施例1のメタノールにかえてエタノールを用い、アクリル酸メチルにかえてアクリル酸エチル17.5g(175mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物をガスクロマトグラフィ分析により分析した結果、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンエチルエステルが収率69.8%、N−シクロプロピル−β−アラニンエチルエステルが収率28.4%で生成していた。
比較例2
比較例1のメタノールにかえてエタノールを用い、アクリル酸メチルにかえてアクリル酸エチル17.5g(175mmol)を用いた以外は比較例1と同様にして行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物をガスクロマトグラフィ分析により分析した結果、N−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンエチルエステルが収率29.9%、反応中間生成物のN−シクロプロピル−β−アラニンエチルエステルが収率40.4%で生成していた。実施例2と比較して、反応温度が高く反応時間が長いにもかかわらず、目的物の収率が低くかつ反応中間生成物の収率が高いので、明らかに反応の進行が遅い結果であった。
実施例3
シクロプロピルアミン170g(2.98mol)、メタノール170g、酢酸17.9g(0.298mol)の混合液に、アクリル酸メチル513g(5.96mol)を15〜30℃で徐々に滴下した。滴下終了後、25℃で2時間、さらに40℃で6時間反応した。このときの反応混合物をガスクロマトグラフィ分析により分析した結果、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステルが収率91.7%、反応中間生成物のN−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステルが収率6.3%で生成していた。
反応終了後、反応混合物に水255gを添加し、トルエン1020gで抽出後、有機層を濃縮して、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステル618gを得た。得られたN−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステルのH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.40(2H,m)、0.47(2H,m)、1.72(1H,m)、2.52(4H,t)、2.92(4H,t)、3.67(6H,s)
実施例4
キシレン1818gとナトリウムメトキシド78.6gの混合液に、実施例3で得たN−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステル303gを90℃〜110℃で徐々に滴下し、滴下終了後90℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を約40℃まで冷却し析出した結晶を濾過後、乾燥して、式(8):
Figure 0005173152
で示される化合物を得た。得られた式(8)で示される化合物のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(DMSO)δ(ppm):0.28(2H,m)、0.38(2H,m)、1.63(1H,m)、1.94(4H,t)、2.60(4H,t)、3.24(1H,s)、3.39(6H,s)
さらに式(8)で示される化合物を水に溶解して塩酸で中和後、トルエンで抽出し、有機層を乾燥した後、濃縮して、式(9):
Figure 0005173152
で示される化合物を得る。式(9)で示される化合物の質量分析の結果を以下に示す。
MS(GC/MS):198(M+H,化学イオン化法)
なお、式(8)で示される化合物は、式(9)で示される化合物のナトリウム塩である。
実施例5
キシレン1818gとナトリウムメトキシド78.6gの混合液に、実施例3で得たN−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−N−シクロプロピル−β−アラニンメチルエステル303gを90℃〜110℃で徐々に滴下し、滴下終了後90℃で2時間反応させた。次いで得られた反応液に水214g及び35%塩酸427gを混合し、90℃で10時間反応した。反応終了後、反応混合物に水121gを添加し、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応混合物をpH13に調整し、得られたキシレン層を濃縮して、1−シクロプロピル−4−ピペリドン132.6gを得た。得られた1−シクロプロピル−4−ピペリドンのH−NMRデータ及び質量分析の結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.50(4H,m)、1.74(1H,m)、2.43(4H,t)、2.92(4H,t)
MS(GC/MS):139(M+,電子イオン化法)
実施例6
容量3Lのオートクレーブに、実施例5と同様にして得られた1−シクロプロピル−4−ピペリドン250g、キシレン750g及び5重量%Pd/C(含水率50%)12.5gを仕込み、攪拌下、24〜27℃でアンモニア91.8gを徐々に添加した。アンモニア添加後、80℃、水素圧3.5MPaで5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、得られた反応混合物を濾過して触媒を濾別後、得られた濾液をガスクロマトグラフィ内部標準法にて定量分析した結果、4−アミノ−1−シクロプロピルピペリジンが146g含有されていた(収率58.0%)。4−アミノ−1−シクロプロピルピペリジンの質量分析の結果を以下に示す。
MS(GC/MS):140(M+,電子イオン化法)
実施例7
容量3Lのオートクレーブに、1−シクロプロピル−4−ピペリドン279g、キシレン209g、メタノール70g、及びラネーニッケル83.7gを仕込み、攪拌下、24〜27℃でアンモニア102.4gを徐々に添加した。アンモニア添加後、80℃、水素圧3.5MPaで1時間反応を行った。反応終了後、冷却し、反応混合物を濾過して触媒を濾別後、得られた濾液をガスクロマトグラフィ内部標準法にて定量分析した結果、4−アミノ−1−シクロプロピルピペリジンが263g含有されていた(収率93.6%)。

Claims (4)

  1. 式(1):
    Figure 0005173152
    (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状又は炭素数3〜6の環状のアルキル基を表す。)で示されるアルキルアミン化合物を、式(2):
    Figure 0005173152
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるアクリル酸エステルと反応させて、式(3):
    Figure 0005173152
    (式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で示されるβ−アラニン化合物を製造するにあたり、式(4):
    Figure 0005173152
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるカルボン酸の存在下で反応することを特徴とするβ−アラニン化合物の製造法。
  2. 請求項1で得られた式(3)で示されるβ−アラニン化合物を塩基の存在下で環化縮合させた後、次いで環化縮合生成物を酸性条件下で加水分解脱炭酸反応せしめることを特徴とする式(5):
    Figure 0005173152
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるピペリドン化合物の製造法。
  3. 塩基がアルカリ金属アルコキシドである請求項2記載の製造法。
  4. 水素化触媒の存在下で、請求項2で得られた式(5)で示されるピペリドン化合物を、アンモニア及び水素と還元アミノ化反応せしめることを特徴とする式(6):
    Figure 0005173152
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるアミノピペリジン化合物の製造法。
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