JP5170768B2 - 冷陰極電離真空計 - Google Patents

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Description

本発明は冷陰極電離真空計に関し、特に放電を誘発させることにより、放電開始時の遅れをより抑制し、測定を効率的に行える冷陰極電離真空計に関する。
一般に、高真空状態の気体の圧力を計測する真空計として、冷陰極電離真空計(CCG)が良く使用されており、この冷陰極電離真空計には、ペニング真空計、マグネトロン真空計、倒置型マグネトロン真空計等、様々な形式のものがある。
この冷陰極電離真空計の構成を、ペニング真空計を例にとって、図8に基づいて説明する。図に示すように、この冷陰極電離真空計41はチャンバー50に取り付けられたペニング真空計であって、この真空計41は、エンクロージャ42内に、陰極43と、筒状の陰極43により囲まれた棒状の陽極44と、エンクロージャ42の外側の磁気手段(磁石45a及び45b)と、前記陽極44に電圧を印加する電源46と、陽極44を流れる電流を測定する電流計47とを有している。
なお、前記チャンバー50、エンクロージャ42、陰極43は、接地(アース)されている。
この冷陰極電離真空計41の動作、原理について簡単に説明する。まず、自然放射線等により陰極43と陽極44の空間に初期電子が生成され、その電子が磁石45a,45bの磁界の磁力線に巻きつくような螺旋運動し、最後に陽極44に捕集される。このとき、該電子が気体と衝突し、電離イオンを生成する。そして、この電離イオンを陽極44に収集し、その電流値を電流計47によって測定し、該電流値から圧力が測定される。
ところで、この冷陰極電離真空計において、陰極と陽極との間に高電圧を印加しても放電が生じないことがあり、また放電が生じても、冷陰極電離真空計に対して高電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間には時間の遅れが生ずることがあった。
この遅れは、気体の圧力によって変わり、標準的な真空計では、10-3Paの圧力下で数秒間、10-8Paの圧力下で数時間である。このように、低圧力下における放電開始時の遅れは、許容しがたい長さであり、測定の効率化を阻害するものであった。
これを解決する提案が特許文献1においてなされている。この提案された発明について図9、図10に基づいて説明する。尚、図8に示した部材と同一または相当する部材にあっては、同一符号を付する。
この発明にあっては、陽極44がリング状に形成されると共に、陽極電圧供給部48によって支持されている。そして、点火補助部材(放電誘発部材)として、金属ストリップ49が設けられている。この金属ストリップ49は、陽極44の下端部に固定されており、この金属ストリップ49の自由端部は、この陽極リング44の開口部から側面に突き出している。この自由端部は、前記陰極43の近傍にまで延びている。
この箇所における高い電界の強度が、この金属板ストリップ49の端部から電離イオンを引き離し、この電離イオンがケーシング壁に当たった際に2次電子を生成する。この電子によって、迅速かつ確実なペニング測定セルの点火が低い圧力の場合でも可能になる。
特表平10−510921号公報
ところで、前記特許文献1記載の発明においては、陽極側に金属ストリップを固定して、放電を誘発するようになしている。
しかしながら、特許文献1記載の発明にあっては、陽極の所定位置に金属ストリップを固定しなければならず、取付け作業において特別な工具等を必要とし、取付け作業が困難であった。特に、金属ストリップは消耗品であるため、所定時間経過毎に交換作業を行う必要があった。その際、陽極を取り外さなければならず、その交換作業が煩わしいものであった。
しかも、冷陰極電離真空計を所定時間使用すると、陽極表面、陰極表面が油皮膜や炭化層、また測定気体による反応、スパッタ等で汚染され、放電特性が変化するため、洗浄作業を行う必要があり、煩わしいものであった。
本発明者らは、放電誘発部材の取付け、交換作業を容易になすことができ、更に洗浄作業をより容易になすことができる冷陰極電離真空計について鋭意研究を行った。
そして検討の結果、陽極側に金属ストリップ(放電誘発部材)を取付けた場合、金属ストリップ(放電誘発部材)の交換作業の際、陽極も取り外さなければならないという課題の克服は困難であることが明らかになった。
そこで更に、本発明者らは、陰極側に放電誘発部材を取付ける場合について検討を行った。即ち、電子は陰極側から放出されるため、陰極側に電子が放出されやすい放電誘発部材を取付ける方が、陽極側に放電誘発部材を取付けるより好ましいと考え、陰極側に放電誘発部材を取付ける場合について検討を行った。
その結果、陰極側に放電誘発部材を取付けた場合に、陽極等を取外すことなく、放電誘発部材のみを交換できる新規、有用な構成を知見し、更に陰極の洗浄作業を放電誘発部材の交換により簡素化した冷陰極電離真空計を想到するに至った。
本発明は、取付けを容易に行うことができる放電誘発部材を備え、前記放電誘発部材によって放電が生じやすく、高電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れをより抑制した冷陰極電離真空計を提供することを目的とする。
また、陰極の洗浄作業を放電誘発部材を交換することにより、陰極の洗浄作業を簡素化できる冷陰極電離真空計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる冷陰極電離真空計は、筒状の陰極と、前記筒状の陰極の内部空間に配置された棒状の陽極と、前記陽極と陰極との間の電界にほぼ直交する磁界を形成し、前記陽極と陰極との間に放電を起こす磁性手段と、前記陰極内に収納される放電誘発部材とを備えた冷陰極電離真空計において、前記放電誘発部材が、前記板状の基体と、前記基体に形成された陽極が挿通する貫通孔と、前記基体の外縁部から斜方向に延設され、前記貫通孔の軸線方向に弾性変形可能な板状の固定部と、前記固定部と対峙する基体の外縁部に設けられた、前記貫通孔の軸線方向に延設された板状のガイド部とを備え、前記貫通孔が複数の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成されると共に、前記貫通孔の中心部に前記陽極が配置されていることを特徴としている。
このように、放電誘発部材は、板状の基体と、前記基体の外縁部から斜方向に延設され、前記貫通孔の軸線方向に弾性変形可能な板状の固定部と、前記固定部と対峙する基体の外縁部に設けられた、前記貫通孔の軸線方向に延設された板状のガイド部とを備えている。
そのため、放電誘発部材のガイド部が陰極の内壁上を摺動しながら収納され、固定部は貫通孔の軸線方向に弾性変形しながら収納される。その結果、放電誘発部材は陰極内に収納され、放電誘発部材の固定部の圧接力によって、放電誘発部材は陰極に取り付けられる。
このように、放電誘発部材は、陰極に対して容易に取付けができ、またガイド部あるいは固定部をピンセット等の把持手段により把持し、陰極から引き出すことにより、放電誘発部材を容易に取外すことができる。
更に、基体に形成された陽極が挿通する貫通孔とを備え、前記貫通孔が複数の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成されると共に、前記貫通孔の中心部に前記陽極が配置されているため、前記突起部と陽極との間で放電が生じやすく、また冷陰極電離真空計に対して高電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れが小さく、測定を効率的に行なうことができる。
ここで、前記陰極が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材は、その基体が前記陰極の底面に接して収容されていることが望ましい。
このように、陰極の底面が放電誘発部材によって覆われているため、陰極表面が油皮膜や炭化層、また測定気体による反応、スパッタ等で汚染される度合が少なく、前記放電誘発部材を交換することで、陰極の底面の洗浄を省略することができ、洗浄作業を簡素化することができる。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる冷陰極電離真空計は、筒状の陰極と、前記筒状の陰極の内部空間に配置された棒状の陽極と、前記陽極と陰極との間の電界にほぼ直交する磁界を形成し、前記陽極と陰極との間に放電を起こす磁性手段と、前記陰極内に収納される放電誘発部材とを備えた冷陰極電離真空計において、前記放電誘発部材は有底筒状に形成されると共に、前記放電誘発部材の底面に、前記陽極が挿通する貫通孔が形成され、前記貫通孔が複数の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成されると共に、前記貫通孔の中心部に前記陽極が配置され、かつ前記陰極が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材の底面が前記陰極の底面に接して収容されていることを特徴としている。
このように、放電誘発部材は有底筒状に形成され陰極内に収納されるため、放電誘発部材は陰極に対して容易に取付けができ、また放電誘発部材を陰極から引き出すことにより、放電誘発部材を容易に取外すことができる。
また、放電誘発部材の底面に前記陽極が挿通する貫通孔が形成され、前記貫通孔が複数の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成されると共に、前記貫通孔の中心部に前記陽極が配置されているため、前記突起部と陽極との間で放電が生じやすく、また冷陰極電離真空計に対して高電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れが小さく、測定を効率的に行なうことができる。
特に、陰極及び放電誘発部材が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材の底面が前記陰極の底面に接して収容されているため、陰極の内表面は、放電誘発部材によって覆われる。そのため、陰極表面が油皮膜や炭化層、また測定気体による反応、スパッタ等で汚染される度合が少なく、前記放電誘発部材を交換することで、陰極の内表面の洗浄を省略することができ、洗浄作業を簡素化することができる。
ここで、前記貫通孔は、少なくとも4個の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成され、少なくとも4個の突起部が前記貫通孔内に形成されていることが望ましい。
このように、4個の長孔が放射状に連結された貫通孔である場合、隣接する長孔によって突起部が4個形成される。この突起部の数が多いほど、突起部と陽極との間で放電が生じやすく、また冷陰極電離真空計に対して高電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れが小さく、測定を効率的に行なうことができる。
また、放電誘発部材の上端面に載置されるポールピースを備え、前記ポールピースを陰極に対して固定することによって、前記放電誘発部材を陰極内部に固定することが望ましい。
このようにポールピースを陰極に固定することにより、放電誘発部材を陰極内部に容易に固定することができる。
本発明の冷陰極電離真空計によれば、放電が生じ易く、また冷陰極電離真空計に対して高電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れを小さくできるという効果を奏する。
また、本発明の冷陰極電離真空計によれば、放電誘発部材を陰極に対して、容易に取付け、取外すことができるという効果を奏する。
更に、本発明の冷陰極電離真空計によれば、陰極の洗浄作業を放電誘発部材を交換することにより、陰極の洗浄作業を簡素化できるという効果を奏する。
本発明の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。ここで、図1は、本発明にかかる冷陰極電離真空計を示す概略構成図、図2は、図1に用いられている放電誘発部材の正面図、図3は図2に示した放電誘発部材の側面図、図4は図2に示した放電誘発部材のA−A部分の拡大図、図5は図4のB−B断面図である。尚、図8に示した部材と同一、相当部材は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本発明にかかる冷陰極電離真空計1の概略構成について、図1に基づいて説明する。この陰極電離真空計1の陽極44の一端は、コネクタ6に取り付けられ、陽極44はコネクタ6に対して電気的に接続される。
一方、陽極44の他端は、フィードスルー(電流導入端子)13を介し、更に放電誘発部材20の貫通孔22を挿通し、陰極43の筒内の空間に配置される。
前記陽極44及び陰極43はエンクロージャ42内に配置されている。この筒状の陰極43の開口先端部には、放電状態を維持するポールピース14が嵌合し、図示しない固定手段により固定されている。このポールピース14は円盤形状を有し、複数の貫通孔14aを備えている。
また、前記エンクロージャ42には、フランジ7及び前記フランジ7に取り付けられた補助圧力センサとしてのピラニ真空計8が設けられている。尚、図1中、符号7aは前記フランジ7を固定するために螺子である。
また、
また、前記コネクタ6は、回路基板3c、3b、3aを介して、コネクタ9bに電気的に接続されている。更に、このコネクタ9bは図示しないが従来と同様に前記陽極44に電圧を印加する電源46に接続され、更に前記電源46は陽極44を流れる電流を測定する電流計47に接続されている。
更にまた、このエンクロージャ42は、カソード板4を介して基板3cに接続され、接地されている。尚、これら回路基板3a,3b,3cは基板保持部材10によって保持され、ケース2内に収容されている。
また、このケース2の背面には、前記したコネクタ9bのほか、スイッチ9a、電源のオン−オフを表示するLED9cが設けられている。更に、図中の符号11は回路基板3a,3bを接続するコネクタ、符号12は回路基板3b、3cを接続するコネクタである。
更に、放電誘発部材20について説明する。
図2に示すように、放電誘発部材20はステンレス製の板状部材で形成されており、陽極44が挿通する貫通孔22が形成された基体21を備えている。前記基体の外縁部21b、21cは、筒状の陰極43の円状底面と同一の円弧(同一径)で形成されている。
また、前記基体の外縁部21b、21cを連結する側縁部21d、21eは直線状に形成されている。このように側縁部21d、21eは直線状に形成することによって、放電誘発部材20が陰極43の底面に配置された際、陰極43の底面に形成されたピラニ真空計8のための貫通孔(図示せず)を塞がないようにしている。尚、基体21を陰極底面と同一の円形状(同一径)になし、基体21に陽極が挿通する貫通孔及びピラニ真空計8のための貫通孔を形成しても良い。
また、図2、3に示すように、前記基体21の外縁部21bには、外縁部から斜め方向に延設され、前記貫通孔22の軸線方向(基体21に対して垂直な方向)に弾性変形可能な固定部23が設けられている。
更に、前記固定部23の形成部と対峙する基体21の外縁部21cには、外縁部から前記貫通孔22の軸線方向(基体21に対して垂直な方向)に延設されたガイド部24が設けられている。
前記貫通孔22は、図2、4に示すように正面視上、8個の先端部が円弧上の長孔22aが放射状に連結され、いわゆる花びら形状に形成されている。更に、隣接する長孔22aが連結されることによって、先端が尖がった突起部21aが貫通孔22内に形成される。そして、8個の長孔22aが放射状に連結された貫通孔22の中心部に、前記陽極44が配置されるように構成されている。
したがって、この放電誘部材20にあっては、貫通孔22の中心部に配置された陽極44から、前記突起部21aまでの距離が最も短く、しかも陽極44の外周囲には、8個の突起部21aが配置されている。
この前記放電誘発部材20は、基体21が前記陰極43の底面に接する(密接する)ように収納しても良いし、あるいは前記陰極43の底面に接することなく、陰極43の中間部に位置するように収納しても良い。
この放電誘発部材20を陰極43に装着するには、筒状の陰極43の先端開口部側から陰極43の底面まで基体21を挿入する。このとき、基体21の外縁部21b、21cは陰極43の内壁に接しながら、また基体21に形成されたガイド部24が陰極43の内壁上を摺動しながら挿入される。
一方、固定部23は、前記基体21の外縁部21cから斜方向に延設されているため、図3に示すように陰極43の内壁によって、貫通孔22の軸線方向(基体21に対して垂直な方向)に弾性変形しながら挿入される。
即ち、基体21の陰極43内への挿入に伴い、固定部23は矢印方向に変形し、陰極43内に挿入される。その結果、固定部23は陰極43の内壁に圧接しながら挿入され、この放電誘発部材20はこの固定部23の圧接力によって陰極43に固定される。
このように、放電誘発部材20は、陰極43内に挿入することによって取付けることができるため、取付け作業を容易になすことができる。
また、前記放電誘発部材20を陰極43から取り外すには、ガイド部24あるいは固定部23をピンセット等の把持手段により把持し、陰極43から引き出すことにより、放電誘発部材20を容易に取外すことができ、交換作業を容易になすことができる。
また、前記したように、放電誘発部材20が陰極43に取付けられ、貫通孔22に陽極44が挿通した状態にあっては、隣接する長孔が連結されたことによって形成された突起部21aと陽極44が最も接近する。
そのため、前記突起部21aと陽極44の間で放電が生じ易く、特に、陽極の外周囲には、8個の突起部21aが配置されているため、より放電が生じ易い。
その結果、電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れが小さく、放電開始時の遅れを抑制し、測定の効率化を図ることができる。
尚、陽極の外周囲には数多くの突起部21aを配置するのが好ましいが、少なくとも4個配置するのが好ましい。
また、冷陰極電離真空計が所定時間使用されると、陽極表面、陰極表面が油皮膜や炭化層、また測定気体による反応、スパッタ等で汚染され、放電特性が変化するため、洗浄作業が行われる。
このとき、前記陰極が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材の基体が前記陰極の底面に接して収容されている場合には、陰極の底面が放電誘発部材によって覆われているため、陰極表面が油皮膜や炭化層、また測定気体による反応、スパッタ等で汚染される度合が少ない。したがって、前記放電誘発部材を交換することで、陰極の底面の洗浄を省略することができ、洗浄作業を簡素化することができる。
次に、第2の実施形態を図6、図7に基づいて説明する。
この実施形態における放電誘発部材30は、陰極43と同様に有底円筒状に形成され、陰極43内壁に接して収納されている。また、この放電誘発部材30の底面31には、陽極44が挿通する貫通孔32及びピラニ真空計8用の貫通孔33が設けられている。
前記貫通孔32は、図7に示すように正面視上、5個の三角形状の長孔32aが放射状に連結され、いわゆる星形状に形成されている。更に、隣接する三角形状の長孔32aが連結することによって、先端が尖がった突起部31aが貫通孔32内に形成される。そして、いわゆる星形状の貫通孔32の中心部に、前記陽極44が配置されるように構成されている。
したがって、この放電誘部材30にあっては、貫通孔32の中心部に配置された陽極44から、隣接する長孔32aが連結されることによって形成された突起部31aまでの距離が最も短く、しかも陽極44の外周囲には、5個の突起部31aが配置されている。
この放電誘発部材30を陰極43に装着するには、放電誘発部材30の底面31側を陰極43の開口先端部から陰極43の底面まで挿入する。このとき、放電誘発部材30の側壁が陰極の内壁と接しながら挿入される。
そして、放電誘発部材30を陰極43内部に収納した後、ポールピース14を陰極13の開口先端部の内部に収納する。このとき、前記ポールピース14は放電誘発部材30の上端面に載置される。
したがって、前記ポールピース14を陰極43に対して螺子等の手段(図示せず)によって固定することによって、前記放電誘発部材30は陰極43の内部に収納、取付けられる。即ち、放電誘発部材30を陰極43内に挿入し、前記ポールピース14を陰極43に固定することによって、前記放電誘発部材30は陰極43内部に収納、取付けられるため、取付け作業、交換作業を容易になすことができる。
また、前記したように、放電誘発部材30が陰極43に取付けられ、貫通孔32に陽極44が挿通した状態にあっては、突起部31aと陽極44と最も接近する。そのため、前記突起部31aと陽極44の間で放電が生じ易い。更に、陽極44の外周囲には、5個の突起部31aが配置されているため、より放電が生じ易いものである。尚、陽極の外周囲には数多くの突起部31aを配置するのが好ましいが、少なくとも4個配置するのが好ましい。
その結果、電圧をかけた時刻と、放電して電流が流れ始める時刻との間の時間の遅れが小さく、放電開始時の遅れを小さくでき、測定の効率化を図ることができる。
この前記放電誘発部材30においても、第1の実施形態と同様に、底面30が前記陰極43の底面に接するように収納しても良いし、あるいは前記陰極43の底面に接することなく、陰極43の中間部に位置するように収納しても良い。尚、前記陰極43の底面に接することなく、陰極43の中間部に位置するように収納する場合には、ポールピース14によって放電誘発部材30を固定することができないため、放電誘発部材30の固定手段を別に設ける必要がある。
また、陰極及び放電誘発部材が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材の底面が前記陰極の底面に接して収容されている場合には、陰極の内表面は放電誘発部材によって覆われる。そのため、陰極表面が油皮膜や炭化層、また測定気体による反応、スパッタ等で汚染される度合が少なく、前記放電誘発部材を交換することで陰極の内表面の洗浄を省略することができ、洗浄作業を簡素化することができる。
尚、上記実施形態にあっては、ピラニ真空計8を設けた場合について説明したが、ピラニ真空計8は補助圧力センサであるため、必ずしも設ける必要はない。
図1は、本発明にかかる第1の実施形態を示す概略構成図である。 図2は、図1に用いられている放電誘発部材の正面図である。 図3は、図2に示した放電誘発部材の側面図である。 図4は、図2に示した放電誘発部材のA−A部分の拡大図である。 図5は、図4に示した放電誘発部材のB−B断面図である。 図6は、本発明にかかる第2の実施形態を示す要部断面図である。 図7は、図6に示した放電誘発部材の正面図である。 図8は、従来の冷陰極電離真空計を示す概略構成図である。 図9は、従来の放電誘発部材を示す正面図である。 図10は、図9に示した放電誘発部材の側面図である。
符号の説明
1 冷陰極電離真空計
14 ポールピース
20 放電誘発部材
21 基体
21a 突起部
22 貫通孔
22a 長孔
23 固定部
24 ガイド部
30 放電誘発部材
31 底面
31a 突起部
32 貫通孔
32a 長孔
43 陰極
44 陽極

Claims (5)

  1. 筒状の陰極と、前記筒状の陰極の内部空間に配置された棒状の陽極と、前記陽極と陰極との間の電界にほぼ直交する磁界を形成し、前記陽極と陰極との間に放電を起こす磁性手段と、前記陰極内に収納される放電誘発部材とを備えた冷陰極電離真空計において、
    前記放電誘発部材が、前記板状の基体と、前記基体に形成された陽極が挿通する貫通孔と、前記基体の外縁部から斜方向に延設され、前記貫通孔の軸線方向に弾性変形可能な板状の固定部と、前記固定部と対峙する基体の外縁部に設けられた、前記貫通孔の軸線方向に延設された板状のガイド部とを備え、
    前記貫通孔が複数の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成されると共に、前記貫通孔の中心部に前記陽極が配置されていることを特徴とする冷陰極電離真空計。
  2. 前記陰極が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材は、その基体が前記陰極の底面に接して収容されていることを特徴とする請求項1記載の冷陰極電離真空計。
  3. 筒状の陰極と、前記筒状の陰極の内部空間に配置された棒状の陽極と、前記陽極と陰極との間の電界にほぼ直交する磁界を形成し、前記陽極と陰極との間に放電を起こす磁性手段と、前記陰極内に収納される放電誘発部材とを備えた冷陰極電離真空計において、
    前記放電誘発部材は有底筒状に形成されると共に、前記放電誘発部材の底面に、前記陽極が挿通する貫通孔が形成され、
    前記貫通孔が複数の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成されると共に、前記貫通孔の中心部に前記陽極が配置され、かつ前記陰極が有底筒状に形成され、前記放電誘発部材の底面が前記陰極の底面に接して収容されていることを特徴とする冷陰極電離真空計。
  4. 前記貫通孔は、少なくとも4個の長孔が放射状に連結された貫通孔であって、隣接する長孔によって突起部が形成され、少なくとも4個の突起部が前記貫通孔内に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項3記載の冷陰極電離真空計。
  5. 放電誘発部材の上端面に載置されるポールピースを備え、前記ポールピースを陰極に対して固定することによって、前記放電誘発部材を陰極内部に固定することを特徴とする請求項3記載の冷陰極電離真空計。
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