JP5169933B2 - 周波数制御装置、周波数制御方法及び基地局装置 - Google Patents

周波数制御装置、周波数制御方法及び基地局装置 Download PDF

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Description

ここに開示される実施形態は、移動体から受信した無線信号の周波数を制御する周波数制御装置、周波数制御方法及び基地局装置に関する。
近年、セルラー方式の移動体無線通信システムが広く普及している。そのため、ユーザが列車のような移動物体に乗車している間に、携帯端末のような移動局と基地局との間で通信が行われることも頻繁にある。また、交通機関の発達に伴い、移動物体の高速化が図られている。ここで、移動体無線通信システムでは、移動局が高速に移動すると、ドップラー効果により、基地局が移動局から受信する無線信号の受信周波数が変動する。例えば、移動局が基地局に高速で近づく場合、基地局が移動局から受信する無線信号の周波数は本来の通信周波数よりも高くなる。一方、移動局が基地局から高速で遠ざかる場合、基地局が移動局から受信する無線信号の周波数は本来の通信周波数よりも低くなる。そこで、基地局は、自動周波数制御(Automatic Frequency Control、AFC)回路により、受信周波数の変動を補償している。
例えば、特許文献1には、移動局の速度を正確に推定する方法が開示されている。この速度推定方法は、受信バースト内の情報のドップラー偏移を考慮して、各受信バーストについて周波数オフセット値を算出する。そしてこの速度推定方法は、各バーストについて信号品質値を算出し、その信号品質値が所定の信号品質レベル以上となる周波数オフセット値の平均値を用いて移動局の速度を推定する。
特表2001−504670号公報
AFC回路が受信周波数の変動を正確に補償するためには、基地局は、移動局から受信した無線信号の周波数と、予め設定された通信用周波数との差である周波数偏差を高精度で測定しなければならない。そこで基地局は、所定の測定期間中に一つの移動局から受信した無線信号の周波数偏差を平均することにより補償値を決定する。そして周波数偏差を高精度で測定するために、無線信号の周波数偏差の測定期間は長く設定されることが望ましい。
一方、移動局が基地局の近傍を通過する場合、基地局がその移動局から受信する無線信号の周波数は急激に高い値から低い値へ変化する。このように、無線信号の周波数偏差が急激に変動する場合、周波数偏差の測定期間が長く設定されていると、基地局のAFC回路は、周波数偏差の変動に追従できないおそれがある。そしてAFC回路が周波数偏差の変動に追従できないと、基地局は移動局から受信した無線信号を正確に復号できなくなるので、無線通信品質が低下してしまう。
そこで、本明細書は、無線信号の周波数偏差が急激に変化しても、その受信周波数偏差を補償できる周波数制御装置を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、複数の移動局から信号を受信する周波数制御装置が提供される。この周波数制御装置は、各移動局から受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差をそれぞれ検出する周波数偏差検出部と、各移動局の現在位置または移動に関する情報を分類情報としてそれぞれ取得する分類情報検出部と、分類情報検出部から取得した複数の分類情報に従って、同一の移動方向及び移動速度で移動すると推定される移動局ごとにグループ化するグループ化部と、グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差の統計的代表値を算出する偏差代表値算出部と、周波数偏差の統計的代表値に従って周波数偏差補償量に相当する制御値を求める制御値算出部と、その制御値に従った周波数を有する周期信号を発振し、その周期信号とグループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号を乗じた第2の周波数を有する信号を出力する周波数偏差補償部とを有する。
また他の実施形態によれば、基地局装置が提供される。この基地局装置は、移動局から送信された信号を受信するアンテナと、アンテナにより受信された信号を増幅する増幅器と、増幅器により増幅された信号の第1の周波数からの周波数偏差を補償して、第2の周波数を有する信号に変換する周波数変換部と、周波数変換部から出力された信号を復調する復調部と、復調部により復調された信号に含まれるデータを復号し、その復号されたデータをコアネットワークへ出力するベースバンド処理部とを有し、周波数変換部は、上記の周波数制御装置を有する。
さらに他の実施形態によれば、周波数制御方法が提供される。この周波数制御方法は、複数の移動局のそれぞれから受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差をそれぞれ検出し、複数の移動局のそれぞれについての現在位置または移動に関する情報を分類情報としてそれぞれ取得し、複数の分類情報に従って、同一の移動方向及び移動速度で移動すると推定される移動局ごとにグループ化し、同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差の統計的代表値を算出し、周波数偏差の統計的代表値に従って周波数偏差補償量に相当する制御値を求め、その制御値に従った周波数を有する周期信号を発振し、その周期信号と同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号を乗じた第2の周波数を有する信号を出力することを含む。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された周波数制御装置は、無線信号の周波数偏差が急激に変化しても、その受信周波数偏差を補償できる。
第1の実施形態に係る周波数制御装置の概略構成図である。 移動局から受信した無線信号の周波数偏差の分布の一例を示す図である。 移動局から受信した無線信号の遅延時間の分布の一例を示す図である。 参照テーブルの一例を示す図である。 一つの実施形態に係る周波数制御装置が実行する周波数制御処理の動作フローチャートである。 第2の実施形態に係る周波数制御装置の概略構成図である。 第3の実施形態に係る周波数制御装置の概略構成図である。 第4の実施形態に係る周波数制御装置の概略構成図である。 第5の実施形態に係る周波数制御装置の概略構成図である。 第6の実施形態に係る周波数制御装置の概略構成図である。 各実施形態による周波数制御装置の何れかが組み込まれた基地局装置の概略構成図である。
以下、図を参照しつつ、第1の実施形態による、周波数制御装置について説明する。
高速に移動する移動物体に乗車中の複数のユーザが携帯端末のような移動局を利用して通信を行っている場合、それら移動局は同一方向かつ同一速度で移動する。そのため、それら移動局の基地局に対する相対的な移動速度は等しく、したがって、基地局がそれら移動局から受信した無線信号のドップラー効果による周波数偏差も等しい。そこで、この周波数制御装置は、同一方向及び同一速度で移動していると推定される複数の移動局から受信した無線信号の周波数偏差の統計的代表値を算出する。そしてこの周波数制御装置は、その統計的代表値をそれら移動局から受信した無線信号に対する周波数偏差の補償に利用することで、周波数偏差の補償値の算出に利用する周波数偏差の測定期間を短縮化する。
図1は、第1の実施形態による周波数制御装置1の概略構成図である。この周波数制御装置1は、例えば、移動局との通信に使用される基地局に組み込まれる。周波数制御装置1は、n個の周波数偏差検出部11−k及び分類情報検出部12−k(1≦k≦n)と、一つのグループ化部13と、m個の偏差代表値算出部14−j、AFC制御値算出部15−j及び周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)を有する。さらに周波数制御装置1は、n個のグループ選択スイッチ17−k及びユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)を有する。なお、nは2以上の整数であり、基地局が同時に受信可能な移動局の最大数に対応する。また、mはn以下の自然数であり、周波数制御装置1が同時に周波数制御を行うことが可能なグループの最大数に対応する。
周波数制御装置1が有するこれらの各部は、それぞれ別個の回路として形成される。あるいは周波数制御装置1が有するこれらの各部は、その各部に対応する回路が集積された一つの集積回路として周波数制御装置1に実装されてもよい。
周波数偏差検出部11−1、11−2、...、11−nは、それぞれ、通信中の一つの移動局に対応する。そして周波数偏差検出部11−1、11−2、...、11−nは、それぞれ、一つの移動局から受信した無線信号の周波数偏差を検出する。周波数偏差検出部11−1、11−2、...、11−nは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つの周波数偏差検出部11−k(1≦k≦n)について説明する。
複数の移動局から受信した無線信号が分配器(図示せず)により分配され、周波数偏差検出部11−kに入力される。そして周波数偏差検出部11−kは、その無線信号から、同一の移動局に割り当てられた複数のタイムスロットを抽出する。そして周波数偏差検出部11−kは、例えば、同一の移動局に割り当てられた複数のタイムスロットに含まれる既知の信号を検出し、その既知の信号の位相の回転量を調べることにより、周波数偏差を検出する。例えば、第三世代移動通信システムの標準規格であるInternational Mobile Telecommunication-2000(IMT-2000)による通信方式の一つにWideband Code Division Multiple Access(W-CDMA)がある。このW-CDMAでは、Dedicated Physical Control Channel(DPCCH)制御チャネルの連続する各タイムスロットの先頭にパイロット信号が配置されている。そこで周波数偏差検出部11−kは、同一の移動局との通信に使用される、連続した複数のタイムスロットに対してパイロット信号に対応する信号波形との相関演算を実行することにより、それぞれのタイムスロットからパイロット信号を検出する。そして周波数偏差検出部11−kは、それぞれのパイロット信号のI成分及びQ成分から、パイロット信号の位相を算出する。そして周波数偏差検出部11−kは、以下の式に従ってパイロット信号間の位相回転量から周波数偏差を算出する。
Figure 0005169933
ここでΔφは、二つのタイムスロットのパイロット信号間の位相回転量であり、Tsはその二つのパイロット信号のそれぞれが含まれるタイムスロットの周期である。そしてfeは周波数偏差である。
周波数偏差検出部11−kは、求めた周波数偏差を、周波数偏差検出部11−kと同じ移動局に対応するグループ選択スイッチ17−kへ出力する。
分類情報検出部12−1、12−2、...、12−nは、それぞれ、通信中の一つの移動局に対応する。そして分類情報検出部12−1、12−2、...、12−nは、それぞれ、移動局から受信した無線信号に基づいて、移動局を同一の移動方向及び同一の移動速度を持つグループに分類するために、移動局の位置あるいは移動に関する情報を分類情報として検出する。分類情報検出部12−1、12−2、...、12−nは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つの分類情報検出部12−k(1≦k≦n)について説明する。また分類情報検出部12−kは、周波数偏差検出部11−kと同じ移動局に対応する。そのため、分類情報検出部12−kは、例えば、周波数偏差検出部12−kが周波数偏差を検出するのと同じ移動局に割り当てられたタイムスロットから分類情報を検出する。
分類情報検出部12−kは、分類情報として、例えば、移動局から受信した無線信号の周波数偏差あるいは移動局から受信した無線信号の遅延時間、若しくはその周波数偏差と遅延時間の両方を求める。
分類情報検出部12−kは、分類情報として移動局から受信した無線信号の周波数偏差を求める場合、周波数偏差検出部11−kと同様に、同一の移動局との通信に使用される複数のタイムスロットからパイロット信号を検出する。そして分類情報検出部12−kは、パイロット信号間の位相回転量から周波数偏差を算出する。
また分類情報検出部12−kは、分類情報として移動局から受信した無線信号の遅延時間を求める場合も、分類情報検出部12−kに対応する移動局との通信に使用されるタイムスロットからパイロット信号を検出する。そして分類情報検出部12−kは、パイロット信号が検出されたタイミングと、周波数制御装置1の内部クロックにより定められる基準タイミングとの差から、その移動局から受信した無線信号の遅延時間を算出する。
分類情報検出部12−kは、求めた分類情報をグループ化部13へ出力する。
なお、グループ化部13が移動局から受信した無線信号の周波数偏差のみに基づいて移動局を分類する場合、一つの移動局に対応する分類情報算出部12−kと周波数偏差検出部11−kは一体的に形成されてもよい。
グループ化部13は、分類情報検出部12−1、12−2、...、12−nからそれぞれ受信した分類情報に基づいて、同一の移動方向及び同一の移動速度で移動していると推定される移動局ごとにグループ化する。
図2に、移動局から受信した無線信号の周波数偏差のサンプルの分布の一例を示す。なお、周波数偏差の個々のサンプルは、何れか一つの分類情報検出部12−kから受け取った、一つの移動局に対応する周波数偏差である。図2において、横軸は周波数偏差であり、縦軸は移動局の数である。図2に示されるように、静止していたり、あるいは徒歩で移動するユーザが使用する移動局から受信した無線信号の周波数偏差のサンプルの分布201は、0近辺に密集する。一方、基地局に高速で近づく移動物体に乗車しているユーザが使用する移動局から受信した無線信号の周波数偏差のサンプルの分布202は、ドップラー効果により、その移動物体と基地局間の相対速度に応じて決まる0よりも高い値を中心とした分布となる。また、基地局から高速で遠ざかる移動物体に乗車しているユーザが使用する移動局から受信した無線信号の周波数偏差のサンプルの分布203は、ドップラー効果により、その移動物体と基地局間の相対速度に応じて決まる0よりも低い値を中心とした分布となる。そして、複数のユーザが同一の移動物体に乗車していれば、それらユーザが使用する移動局の基地局に対する相対速度はほぼ等しい。そのため、分布202及び203が同一の移動物体に乗車するユーザが使用する移動局から受信した無線信号の周波数偏差の分布である場合、分布202及び203は、その相対速度に応じた周波数偏差を中心とした非常に狭い範囲の分布となる。
ここで、ドップラー効果による周波数偏差、すなわち、ドップラー周波数fdは、次式で表される。
Figure 0005169933
fは通信信号のキャリア周波数であり、vは相対速度であり、cは光速である。例えば、キャリア周波数が2GHzであり、移動局と基地局間の相対速度が350km/hであれば、ドップラー周波数fdは648Hzとなる。
そこでグループ化部13は、周波数偏差に基づいて移動局を分類する場合、周波数偏差の絶対値が所定の閾値以上となる範囲で、サンプル数が最大となる周波数偏差値に相当するピーク周波数を求める。そのために、例えば、グループ化部13は、周波数偏差を調べる周波数帯域を、複数の狭帯域に区分し、各狭帯域に含まれる周波数偏差のサンプル数を合計する。そしてグループ化部13は、サンプル数が最大となった狭帯域の中心値を周波数偏差の分布のピーク周波数とする。なお、各狭帯域の幅は、例えば、周波数偏差の測定解像度に相当する幅とすることが好ましい。例えば、各狭帯域の幅は、10Hzに設定される。また、ピーク周波数を探索する範囲を決める閾値は、例えば、ドップラー効果による受信周波数の変動を補償することが好ましい最小値、例えば、300Hzに設定される。なお、グループ化部13は、そのような閾値を設定せず、全てのサンプルに対してピーク周波数を探索してもよい。
グループ化部13は、ピーク周波数を検出すると、そのピーク周波数を中心とする所定範囲に含まれる周波数偏差を持つ無線信号に対応する移動局を同一のグループに分類する。例えば、その所定範囲は、ピーク周波数を中心として分布する周波数偏差の標準偏差の±3倍の範囲とすることができる。あるいは、その所定範囲は、ピーク周波数を中心として、ピーク周波数における周波数偏差のサンプル数の1/5あるいは1/10以下のサンプル数を持つ周波数までの範囲としてもよい。
グループ化部13は、グループに分類されなかった残りの周波数偏差のサンプルについて、上記と同様に、ピーク周波数の検出、同一グループに属する周波数偏差の範囲の決定及びその範囲内の周波数偏差に対応する移動局を同一グループへ分類する処理を繰り返し実行する。そしてグループ化部13は、ピーク周波数におけるサンプル数が1以下となった場合、残りの周波数偏差に対応する移動局をそれぞれ別個のグループに分類する。さらにグループ化部13は、周波数偏差の絶対値が上記の閾値未満である周波数偏差に対応する移動局をそれぞれ別個のグループに分類する。
図3に、移動局から受信した無線信号の遅延時間のサンプルの分布の一例を示す。なお、遅延時間の個々のサンプルは、何れか一つの分類情報検出部12−kから受け取った、一つの移動局に対応する遅延時間である。図3において、横軸は遅延時間であり、縦軸は移動局の数である。図3に示されるように、基地局の近くにいるユーザが使用する移動局から受信した無線信号の遅延時間のサンプルの分布301は、0近辺に密集する。そしてその分布301はほぼ変動しない。そして移動局から受信した無線信号の遅延時間は、基地局から移動局までの距離が長くなるにつれて大きくなる。
一方、基地局から離れた位置いるユーザが使用する移動局から受信した無線信号の遅延時間のサンプルの分布は、相対的に大きな遅延時間を中心とする分布302となる。ここで、基地局に高速で近づく移動物体に乗車している複数のユーザが使用する移動局から受信した無線信号の遅延時間のそれぞれは、移動物体の基地局に対する相対速度に応じて、同じ速度で減少する。逆に、基地局から高速で遠ざかる移動物体に乗車している複数のユーザが使用する移動局から受信した無線信号の遅延時間のそれぞれは、移動物体の基地局に対する相対速度に応じて、同じ速度で増加する。
そこでグループ化部13は、遅延時間に基づいて移動局を分類する場合、遅延時間の変化を調べるために、各移動局から受信した無線信号に対する遅延時間を一定の時間間隔で複数回算出された遅延時間を、一旦グループ化部13が有するメモリに記憶する。そしてグループ化部13は、各移動局について、2以上の所定回数遅延時間を算出すると、遅延時間の変動量を、それら遅延時間算出時間の差で割ることにより、各移動局から受信した無線信号に対する遅延時間の変化速度を求める。
グループ化部13は、同じ速度で遅延時間が変化するサンプルのうち、サンプル数が最大となる遅延時間に相当するピーク遅延時間を求める。そのために、例えば、グループ化部13は、遅延時間を調べる時間範囲を複数のサブ範囲に区分し、各サブ範囲に含まれる遅延時間のサンプル数を合計する。そしてグループ化部13は、サンプル数が最大となったサブ範囲の中心値を遅延時間の分布のピーク遅延時間とする。なお、各サブ範囲の幅は、例えば、遅延時間の測定解像度に相当する幅とすることが好ましい。例えば、各サブ範囲の幅は、0.1μsecに設定される。
グループ化部13は、ピーク遅延時間を検出すると、そのピーク遅延時間を中心とする所定範囲に含まれる遅延時間を持つ無線信号に対応する移動局を同一のグループに分類する。例えば、その所定範囲は、ピーク遅延時間を中心として分布する遅延時間のサンプルの標準偏差の±3倍の範囲とすることができる。あるいは、その所定範囲は、ピーク遅延時間におけるサンプル数の1/5あるいは1/10以下のサンプル数を持つ遅延時間までの範囲としてもよい。
グループ化部13は、グループに分類されなかった残りの遅延時間のサンプルについて、上記と同様に、ピーク遅延時間の検出、同一グループに属する遅延時間の範囲の決定及びその範囲内の遅延時間に対応する移動局を同一グループへ分類する処理を繰り返し実行する。そしてグループ化部13は、ピーク遅延時間におけるサンプル数が1以下となった場合、残りの遅延時間に対応する移動局をそれぞれ別個のグループに分類する。
あるいはまた、グループ化部13は、移動局から受信した無線信号の周波数偏差及び遅延時間の両方に基づいて、移動局を分類してもよい。この場合、グループ化部13は、例えば、上記の処理により、周波数偏差に基づいて同一のグループに分類された移動局のうち、さらに遅延時間に基づいて同一のグループに分類された移動局を、最終的に一つのグループに分類する。そしてグループ化部13は、周波数偏差または遅延時間の何れか一方あるいは両方に関して、同一のグループに分類されなかった移動局を、別個のグループに分類する。
グループ化部13は、グループごとに、偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)の何れかに対応する識別番号を付す。そしてグループ化部13は、各グループに含まれる移動局を示す識別番号と、グループの識別番号が関連付けられた参照テーブルを作成する。
図4は、参照テーブルの一例を示す図である。図4に示されるように、参照テーブル400では、1行ごとに一つのグループの情報が記録される。そして参照テーブル400の左側の欄には、グループの識別番号が記録され、右側の欄には、そのグループに含まれる移動局の識別番号が記録されている。例えば、一番上の行に示されたグループ401は、識別番号1が付され、グループ401に、識別番号2、3及び5である3個の移動局が含まれていることが分かる。また上から2番目の行に示されたグループ402は、識別番号2が付され、グループ402に、識別番号1及び4である2個の移動局が含まれていることが分かる。
グループ化部13は、その参照テーブルを各グループ選択スイッチ17−k及び各ユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)へ出力する。
グループ選択スイッチ17−1、17−2、...、17−nは、それぞれ、グループ化部13から受信した参照テーブルに基づいて、周波数偏差検出部11−kから受信した周波数偏差を何れかの偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)へ出力する。なおグループ選択スイッチ17−1、17−2、...、17−nは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つのグループ選択スイッチ17−k(1≦k≦n)について説明する。
グループ選択スイッチ17−kは、参照テーブルを参照して、グループ選択スイッチ17−k及び周波数偏差検出部11−kに対応する移動局の識別番号と関連付けられたグループの識別番号を特定する。そしてグループ選択スイッチ17−kは、周波数偏差検出部11−kから受信した周波数偏差を、特定されたグループの識別番号に対応する偏差代表値算出部14−jに出力する。この結果、各偏差代表値算出部14−jには、グループ化部13により同一のグループに分類された移動局に対応する周波数偏差が入力される。
例えば、再度図4の参照テーブル400を参照すると、識別番号が2、3または5である移動局が、識別番号が1であるグループ401に関連付けられている。そこで識別番号2の移動局に対応するグループ選択スイッチ17−2は、周波数偏差検出部11−2から受信した周波数偏差を識別番号1のグループに対応する偏差代表値算出部14−1に出力する。同様に、グループ選択スイッチ17−3、17−5も、それぞれ、周波数偏差検出部11−3、11−5から受信した周波数偏差を偏差代表値算出部14−1に出力する。一方、識別番号が1または4である移動局が、識別番号が2であるグループ402に関連付けられている。そこでグループ選択スイッチ17−1、17−4は、それぞれ、周波数偏差検出部11−1、11−4から受信した周波数偏差を偏差代表値算出部14−2に出力する。
偏差代表値算出部14−1、14−2、...、14−mは、入力された周波数偏差の統計的代表値を求める。なお偏差代表値算出部14−1、14−2、...、14−mは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つの偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)について説明する。
例えば、偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値として、所定期間の間に入力された全ての周波数偏差の平均値を算出する。あるいは、偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値として、所定期間の間に入力された周波数偏差の最頻値あるいは中央値を算出してもよい。
偏差代表値算出部14−jは、複数の移動局から受信した無線信号の周波数偏差に基づいてその統計的代表値を算出できる。そのため、周波数偏差の統計的代表値の算出のための所定期間は、一つの移動局から受信した無線信号の周波数偏差からその統計的代表値を算出するための期間よりも短くてよい。例えば、その所定期間は、ユーザが乗車した移動物体が基地局近傍を通過する際における、そのユーザが使用する移動局から受信した無線信号の周波数変動に追従可能で、かつ極力長い期間とすることが好ましい。
例えば、移動物体が移動速度350km/hで進行し、基地局と最も接近した地点で、基地局のアンテナとの距離が10mであると仮定する。この場合、アンテナからの最接近点を通過する10m手前におけるドップラー周波数は、移動局が基地局から十分に離れているときのドップラー周波数の√1/2となる。したがって、キャリア周波数が2GHzであれば、アンテナの再接近点を通過する10m手前におけるドップラー周波数は458Hzとなる。また、移動物体がアンテナの再接近点を通過する際のドップラー周波数は0となり、移動物体がアンテナの再接近点を10m通過した時点でのドップラー周波数は-458Hzとなる。また、アンテナの再接近点の前後10mを通過する時間は206msecなので、206msecの間にドップラー周波数が+458Hzから−458Hzに急激に変化することになる。そこで、周波数偏差の統計的代表値の算出のための所定期間は、このようなドップラー周波数の急激な変動にも追従可能なように、例えば、その急激に変動する期間の1/10程度である20msecに設定される。
また、偏差代表値算出部14−jは、偏差代表値算出部14−jに対して周波数偏差を出力するグループ選択スイッチ17−mの数が多くなるほど、周波数偏差の統計的代表値の算出のための所定期間を短くしてもよい。例えば、偏差代表値算出部14−jは、その所定期間を、予め設定された初期設定期間を偏差代表値算出部14−jに対して周波数偏差を出力するグループ選択スイッチ17−mの数で割った値に設定してもよい。この初期設定期間は、ドップラー周波数が変動しない場合において一つの移動局から受信した無線信号の周波数偏差に基づいて、その周波数偏差に対する補償値を正確に求められる最小期間であることが好ましく、例えば、100msecに設定される。
偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値を、偏差代表値算出部14−jに入力される周波数偏差に対応する移動局が分類されたグループに対応するAFC制御値算出部15−jに出力する。
AFC制御値算出部15−1、15−2、...、15−mは、対応する偏差代表値算出部14−jから入力された周波数偏差の統計的代表値に基づいて、周波数偏差を補償するためのAFC制御値を求める。なおAFC制御値算出部15−1、15−2、...、15−mは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つのAFC制御値算出部15−j(1≦j≦m)について説明する。
AFC制御値算出部15−jは、偏差代表値算出部14−jから入力された周波数偏差の統計的代表値の周波数に相当するAFC制御値を求める。例えば、その周波数偏差の統計的代表値が10Hzであれば、AFC制御値算出部15−jは、AFC制御値として、10Hzに相当する値を求める。このAFC制御値は、AFC制御値算出部15−jに対応するグループに含まれる全ての移動局から受信した無線信号に対して適用される値である。そしてAFC制御値算出部15−jは、AFC制御値を、AFC制御値算出部15−jに対応する移動局が分類されたグループに対応する周波数偏差補償部16−jに出力する。
周波数偏差補償部16−1、16−2、...、16−mは、対応するAFC制御値算出部15−jから入力されたAFC制御値に基づいて、グループ化部13により決定されたグループ単位で無線信号の周波数偏差を補償する。なお周波数偏差補償部16−1、16−2、...、16−mは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つの周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)について説明する。
周波数偏差補償部16−jは、電圧制御発振器を有する。この電圧制御発振器は、AFC制御値に示された周波数だけ局部発振周波数から増減した周波数を持つ周期信号を発生する。一方、周波数偏差補償部16−jには、分配器(図示せず)により分配された、各移動局から受信した無線信号が入力される。そして周波数偏差補償部16−jは、電圧制御発振器により発振された周期信号を、各移動局から受信した無線信号に乗じる。これにより、周波数偏差補償部16−jは、その周波数偏差補償部16−jに対応するグループに含まれる移動局から受信した無線信号に対して、周波数偏差が補償され、所定の中間周波数(Intermediate Frequency)を持つIF信号を生成できる。
周波数偏差補償部16−jは、生成されたIF信号を全てのユーザ選択スイッチ18−1、18−2、...、18−nへ出力する。
ユーザ選択スイッチ18−1、18−2、...、18−nは、それぞれ、グループ化部13から受信した参照テーブルに基づいて、周波数偏差補償部16−1、16−2、...、16−mから入力されたIF信号から特定の移動局に対応するIF信号を選択する。
なおユーザ選択スイッチ18−1、18−2、...、18−nは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つのユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)について説明する。
ユーザ選択スイッチ18−kは、参照テーブルを参照して、IF信号から復調される移動局の識別番号と関連付けられたグループの識別番号を特定する。そしてユーザ選択スイッチ18−kは、周波数偏差補償部16−1、16−2、...、16−mから入力されたIF信号のうち、特定されたグループの識別番号に対応する周波数偏差補償部から入力されたIF信号を選択する。そしてユーザ選択スイッチ18−kは、選択したIF信号を、そのユーザ選択スイッチ18−kと接続された復調器50−kへ出力する。
例えば、再度図4の参照テーブル400を参照すると、識別番号が2、3または5である移動局が、識別番号が1であるグループ401に関連付けられている。そこで識別番号2の移動局に対応するユーザ選択スイッチ18−2は、識別番号1のグループに対応する周波数偏差補償部16−1から入力されたIF信号を選択し、その選択されたIF信号をユーザ選択スイッチ18−2に接続された復調器50−2へ出力する。同様に、ユーザ選択スイッチ18−3、18−5も、それぞれ、周波数偏差補償部16−1から入力されたIF信号を選択し、その選択されたIF信号をユーザ選択スイッチ18−3、18−5に接続された復調器へ出力する。一方、識別番号が1または4である移動局が識別番号が2であるグループ402に関連付けられている。そこでユーザ選択スイッチ18−1、18−4は、それぞれ、周波数偏差補償部16−2から入力されたIF信号を選択し、その選択されたIF信号をユーザ選択スイッチ18−1、18−4に接続された復調器へ出力する。
図5は、周波数制御装置1が実行する周波数制御処理の動作フローチャートである。
図5に示されるように、まず、周波数制御装置1は、複数の移動局のそれぞれから受信した無線信号を、分配器(図示せず)を介して各移動局に対応する周波数偏差検出部11−k及び分類情報検出部12−k(1≦k≦n)に入力する。そして各周波数偏差検出部11−kは、移動局から受信した無線信号の周波数偏差を検出する(ステップS101)。そして周波数偏差検出部11−kは、求めた周波数偏差を、周波数偏差検出部11−kと同じ移動局に対応するグループ選択スイッチ17−kへ出力する。
一方、各分類情報検出部12−kは、入力された無線信号から、同一の移動方向及び同一の移動速度で移動していると推定される移動局ごとにグループ化するために移動局の現在位置または移動に関する情報を分類情報として検出する(ステップS102)。そして分類情報検出部12−kは、求めた分類情報をグループ化部13へ出力する。
グループ化部13は、各分類情報検出部12−kから入力された分類情報に基づいて、同一の移動方向及び同一の移動速度で移動していると推定される移動局ごとにグループ化する(ステップS103)。そしてグループ化部13は、グループごとに、偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)の何れかに対応する識別番号を付す。そしてグループ化部13は、各グループに含まれる移動局を示す識別番号と、グループの識別番号が関連付けられた参照テーブルを作成する。グループ化部13は、その参照テーブルを各グループ選択スイッチ17−k及び各ユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)へ出力する。
その後、各グループ選択スイッチ17−k(1≦k≦n)は、それぞれ、参照テーブルを参照して、同一のグループに属する移動局から受信した無線信号の周波数偏差を同じ偏差代表値算出部14−jへ出力する(ステップS104)。そのために、グループ選択スイッチ17−kは、グループ選択スイッチ17−k及び周波数偏差検出部11−kに対応する移動局の識別番号と関連付けられたグループの識別番号を特定する。そしてグループ選択スイッチ17−kは、周波数偏差検出部11−kから受信した周波数偏差を、特定されたグループの識別番号に対応する偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)へ出力する。
各偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)は、グループごとに所定期間の間に入力された全ての周波数偏差の統計的代表値を求める(ステップS105)。その際、偏差代表値算出部14−jは、複数の移動局から受信した無線信号の周波数偏差が入力されていれば、それら全ての周波数偏差に基づいてその統計的代表値を算出できる。そのため、周波数偏差の統計的代表値の算出のための所定期間は、一つの移動局から受信した無線信号の周波数偏差からその統計的代表値を算出するための期間よりも短くてよい。偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値を、偏差代表値算出部14−jに入力される周波数偏差に対応する移動局が分類されたグループに対応するAFC制御値算出部15−j(1≦j≦m)へ出力する。
次に、各AFC制御値算出部15−j(1≦j≦m)は、対応する偏差代表値算出部14−jから入力された周波数偏差の統計的代表値に基づいて、グループ単位で周波数偏差を補償するためのAFC制御値を求める(ステップS106)。そしてAFC制御値算出部15−jは、AFC制御値を、AFC制御値算出部15−jと同じグループに対応する周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)に出力する。
各周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)は、対応するAFC制御値算出部15−jから入力されたAFC制御値に基づいて、グループ化部13により分類されたグループ単位で無線信号の周波数偏差を補償することにより、IF信号を生成する(ステップS107)。そして周波数偏差補償部16−jは、生成されたIF信号を各ユーザ選択スイッチ18−1、18−2、...、18−nへ出力する。
各ユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)は、それぞれ、グループ化部13から受信した参照テーブルに基づいて、グループ単位で周波数偏差が補償されたIF信号から特定の移動局に対応するIF信号を選択する(ステップS108)。そしてユーザ選択スイッチ18−kは、選択したIF信号を、そのユーザ選択スイッチ18−kと接続された復調器50−kへ出力する。
以上の動作手順に従って動作することにより、周波数制御装置1は、各移動局から受信した無線信号に対して周波数偏差が補償されたIF信号を、各移動局に対応する復調器へ出力できる。なお、上記のステップS101の処理と、ステップS102及びS103の処理の順序は逆であってもよい。あるいは、周波数制御装置1は、ステップS101の処理と、ステップS102及びS103の処理を並列に実行してもよい。
以上に説明してきたように、この周波数制御装置は、同一方向及び同一速度で移動していると推定される複数の移動局から受信した無線信号の周波数偏差の統計的代表値を算出する。そしてこの周波数制御装置は、その統計的代表値をそれら移動局から受信した無線信号の周波数偏差を補償するために利用する。そのため、この周波数制御装置は、短い期間の間に多数の周波数偏差のサンプルを取得できるので、短期間で正確に周波数偏差の補償量を求めることができる。したがってこの周波数制御装置は、高速に移動し、かつ基地局の近傍を通過する移動物体に乗車する複数のユーザが使用する移動局からの受信周波数偏差を補償することができる。
次に、第2の実施形態に係る周波数制御装置について説明する。この第2の実施形態に係る周波数制御装置は、分類情報として、復調器により既に復調された信号から求められる移動局の移動情報を利用するものである。
図6は、第2の実施形態による周波数制御装置2の概略構成図である。周波数制御装置2は、第1の実施形態による周波数装置1と同様に、n個の周波数偏差検出部11−k、分類情報検出部12−k、グループ選択スイッチ17−k及びユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)と、一つのグループ化部13と、m個の偏差代表値算出部14−j、AFC制御値算出部15−j及び周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)を有する。さらに周波数制御装置2は、n個の位置情報取得部19−k(1≦k≦n)を有する。なお、nは2以上の整数であり、基地局が同時に受信可能な移動局の個数に対応する。また、mはn以下の自然数であり、周波数制御装置2が同時に周波数制御を行うことが可能なグループ数に対応する。
また、図6に示される周波数制御装置2の各構成要素には、図1に示された周波数制御装置1の対応する構成要素と同一の参照番号を付した。周波数制御装置2は、移動局を分類するために、移動局の移動情報を利用する点で周波数制御装置1と異なる。そこで、以下では、移動局を分類するための分類情報の算出及び移動局のグループ化について説明する。第2の実施形態による周波数制御装置2のその他の点については、上述した第1の実施形態による周波数制御装置1の説明を参照されたい。
位置情報取得部19−1、19−2、...、19−nは、それぞれ、移動局から受信した無線信号を復調することにより得られた信号に基づいて、対応する移動局の位置情報を取得する。なお位置情報取得部19−1、19−2、...、19−nは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つの位置情報取得部19−k(1≦k≦n)について説明する。
周波数制御装置2が実装された基地局と通信する移動局が全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)受信機を有する場合、移動局はGPSを構成するGPS衛星からの情報に基づいて、移動局の現在位置情報を得ることができる。あるいは、移動局は、基地局からの同期信号を用いて、Advanced Forward Link Trilateration(AFLT)方式による測位を実行することにより、移動局の現在位置情報を得ることができる。そこで移動局は、基地局へ送信する無線信号に、移動局の現在位置情報を含める。
一方、位置情報取得部19−kは、一定の時間間隔で、復調器50−k(1≦k≦n)から、その位置情報取得部19−kに対応する移動局から受信した無線信号を復調することにより得られた信号を取得する。そして位置情報取得部19−kは、その信号から移動局の現在位置情報を抽出する。そして位置情報取得部19−kは、一定の時間間隔で抽出された現在位置情報を位置情報取得部19−kと対応する分類情報検出部12−kに渡す。
分類情報検出部12−kは、移動局の移動方向及び移動速度を推定するために、位置情報取得部19−kから一定の時間間隔で受信した現在位置情報を一旦分類情報検出部12−kが有するメモリに記憶する。そして分類情報検出部12−kは、2以上の所定回数現在位置情報を取得すると、それら現在位置間の距離を、それら現在位置情報が取得された時間の差で割ることにより、対応する移動局の移動方向及び移動速度を表す移動情報を分類情報として算出する。
分類情報検出部12−kは、移動情報をグループ化部13へ出力する。
グループ化部13は、各分類情報検出部12−1、12−2、...、12−nから取得した各移動局の移動情報から、同一の移動方向及び同一の移動速度を持つとみなせる移動局ごとにグループ化する。例えば、グループ化部13は、所定の速度範囲内の移動速度で移動し、かつ、所定の方向範囲内の移動方向に沿って移動する移動局を同じグループに分類する。なお、所定の速度範囲は、移動速度の測定解像度に相当する範囲であり、例えば、±10km/hに設定される。また、所定の方向範囲は、移動方向の測定解像度に相当する範囲であり、例えば、±5°に設定される。
グループ化部13は、グループごとに、偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)の何れかに対応する識別番号を付す。そしてグループ化部13は、各グループに含まれる移動局を示す識別番号と、グループの識別番号が関連付けられた参照テーブルを作成する。そしてグループ化部13は、その参照テーブルを各グループ選択スイッチ17−k及び各ユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)へ出力する。
この第2の実施形態による周波数制御装置2は、移動局自身が測定した移動局の現在位置情報を用いて移動局の移動速度及び移動方向を推定する。そのため、この周波数制御装置2は、同一の移動速度及び移動方向で移動する移動局ごとにグループ化するために、その移動局の移動速度及び移動方向を用いることができる。したがって、この周波数制御装置2は、同一の移動速度及び移動方向で移動する移動局を同じグループに正確に分類できる。
次に、第3の実施形態に係る周波数制御装置について説明する。この第3の実施形態に係る周波数制御装置は、分類情報として、移動局から受信した無線信号を復調することにより得られた信号から求められる移動局の位置情報と、地図情報を利用するものである。
図7は、第3の実施形態による周波数制御装置3の概略構成図である。周波数制御装置3は、第2の実施形態による周波数装置2と同様に、n個の周波数偏差検出部11−k、分類情報検出部12−k、グループ選択スイッチ17−k、ユーザ選択スイッチ18−k及び位置情報取得部19−k(1≦k≦n)と、一つのグループ化部13と、m個の偏差代表値算出部14−j、AFC制御値算出部15−j及び周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)を有する。さらに周波数制御装置3は、地図情報を記憶する記憶部20を有する。なお、nは2以上の整数であり、基地局が同時に受信可能な移動局の個数に対応する。また、mはn以下の自然数であり、周波数制御装置3が同時に周波数制御を行うことが可能なグループ数に対応する。
また、図7に示される周波数制御装置3の各構成要素には、図6に示された周波数制御装置2の対応する構成要素と同一の参照番号を付した。周波数制御装置3は、移動局を分類するために、移動局の現在位置情報とともに地図情報を利用する点で周波数制御装置2と異なる。そこで、以下では、移動局を分類するための分類情報の算出及び移動局のグループ化について説明する。第3の実施形態による周波数制御装置3のその他の点については、上述した第1の実施形態による周波数制御装置1及び第2の実施形態による周波数制御装置2の説明を参照されたい。
分類情報検出部12−kは、位置情報取得部19−kから受信した現在位置情報を、分類情報としてグループ化部13へ出力する。なお、分類情報検出部12−kは、第2の実施形態による周波数制御装置2と同様に、移動局の移動方向及び移動速度を、現在位置情報とともに分類情報として求め、その移動方向及び移動速度もグループ化部13へ出力してもよい。
記憶部20は、不揮発性の半導体メモリを有する。記憶部20は、周波数制御装置3が実装された基地局がカバーする通信可能範囲に対応する地図情報を記憶する。この地図情報では、道路あるいは線路など、移動局のユーザが乗車する移動物体が通行する領域を示す情報を含む。例えば、地図情報は、その地図情報に表される地図上に存在する線路を、直線とみなせる線分の集合で表し、各線分の端点の座標をその線路の識別情報に関連付けて記憶する。そして記憶部20は、グループ化部13に対してその地図情報を出力する。
グループ化部13は、各分類情報検出部12−1、12−2、...、12−nから取得した移動局の現在位置情報及び記憶部20から取得した地図情報に基づいて、同一の移動物体内に存在するとみなせる移動局ごとにグループ化する。例えば、グループ化部13は、現在位置が線路上であり、かつ所定の距離範囲内に存在する移動局を同じグループに分類する。なお、所定の距離範囲のうちの線路に平行な方向に沿った長さは、移動局の現在位置に相当する線路を走行する列車の大きさに相当する長さとすることができる。例えば、所定の距離範囲は、線路に平行な方向に沿って400mに設定される。また、所定の距離範囲のうちの線路に対して直交する方向に沿った長さは、現在位置の測定解像度に相当する長さとすることができる。例えば、所定の距離範囲は、線路に対して直交する方向に沿って線路を中心とする20mに設定される。また、グループ化部13は、移動局の現在位置が線路上に存在するか否かを、地図情報に示される線路を表す直線と、現在位置との距離に基づいて判定する。グループ化部13は、移動局の現在位置と線路を表すそれぞれの直線との距離を算出し、その最小距離が現在位置の測定解像度以下である場合、その移動局は線路上に位置すると判定する。
またグループ化部13は、所定の距離範囲内に存在し、かつ、移動方向及び移動速度が同一である移動局を同じグループに分類してもよい。
グループ化部13は、グループごとに、偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)の何れかに対応する識別番号を付す。そしてグループ化部13は、各グループに含まれる移動局を示す識別番号と、グループの識別番号が関連付けられた参照テーブルを作成する。そしてグループ化部13は、その参照テーブルを各グループ選択スイッチ17−k及び各ユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)へ出力する。
この第3の実施形態による周波数制御装置3は、移動局自身が測定した移動局の現在位置を、地図情報を用いて移動物体が通行する経路上に存在するか否か確認した上で、移動物体のサイズを考慮してグループ化する。そのため、この周波数制御装置3は、同一の移動物体に乗車した複数のユーザが有する移動局を同じグループに正確に分類できる。そして同一の移動物体に乗車中のユーザが使用する移動局は、同一方向及び同一速度で移動する。したがって、この周波数制御装置3は、同一の移動速度及び移動方向で移動する移動局を同じグループに正確に分類できる。
次に、第4の実施形態に係る周波数制御装置について説明する。この第4の実施形態に係る周波数制御装置は、分類情報として、移動局から受信した無線信号を復調することにより得られた信号から求められる移動局が持つ列車などの移動物体の運行情報を利用するものである。
図8は、第4の実施形態による周波数制御装置4の概略構成図である。周波数制御装置4は、n個の周波数偏差検出部11−k、グループ選択スイッチ17−k及びユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)と、一つのグループ化部13と、m個の偏差代表値算出部14−j、AFC制御値算出部15−j及び周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)を有する。さらに周波数制御装置4は、n個の乗車情報取得部21−k(1≦k≦n)を有する。なお、nは2以上の整数であり、同時に受信可能な移動局の個数に対応する。また、mはn以下の自然数であり、同時に周波数制御を行うことが可能なグループ数に対応する。
また、図8に示される周波数制御装置4の各構成要素には、図1に示された周波数制御装置1の対応する構成要素と同一の参照番号を付した。周波数制御装置4は、移動局を分類するために、移動局を持つユーザが乗車する移動物体の情報を利用する点で周波数制御装置1と異なる。そこで、以下では、移動局を分類するための分類情報の算出及び移動局のグループ化について説明する。第4の実施形態による周波数制御装置4のその他の点については、上述した第1の実施形態による周波数制御装置1の説明を参照されたい。
乗車情報取得部21−1、21−2、...、21−nは、それぞれ、分類情報検出部として機能する。そして乗車情報取得部21−1、21−2、...、21−nは、復調器により移動局から受信した無線信号を復調することにより得られた信号に基づいて、対応する移動局を持つユーザが乗車する移動物体の情報を取得する。なお乗車情報取得部21−1、21−2、...、21−nは、同一の構成及び機能を有するため、以下では、一つの乗車情報取得部21−k(1≦k≦n)について説明する。
例えば、ユーザが移動局を通じて列車の切符を購入する場合、移動局はユーザが乗車する列車に関する情報を取得できる。列車に関する情報には、その列車の列車名、乗車駅、降車駅、、乗車時刻及び降車時刻が含まれる。そこで移動局は、基地局へ送信する無線信号に、移動局を持つユーザが乗車する列車などの移動物体に関する情報を含める。
一方、乗車情報取得部21−kは、復調器50−k(1≦k≦n)から、その乗車情報取得部21−kに対応する移動局から受信した無線信号を復調することにより得られた信号を取得する。そして乗車情報取得部21−kは、その復調された信号から、移動物体に関する情報を抽出する。乗車情報取得部21−kは、移動物体に関する情報のうちの乗車時刻から降車時刻までの間に現在時刻が含まれるとき、その移動物体に移動局のユーザが乗車中であると判定する。そして乗車情報取得部21−kは、ユーザが乗車中であると判定された移動物体に関する情報を分類情報として、グループ化部13へ出力する。
グループ化部13は、各乗車情報取得部21−1、22−2、...、22−nから取得した移動物体に関する情報のうち、移動物体名が同一である移動局ごとにグループ化する。なお、移動物体の運行情報がグループ化部13と接続されたメモリに予め記憶されている場合、グループ化部13は、移動局を正確に分類するために、その運行情報を参照してもよい。例えば、グループ化部13は、各乗車情報取得部21−1、22−2、...、22−nから取得した移動物体に関する情報に示された移動物体が、現在時刻において周波数制御装置4が組み込まれた基地局がカバーする通信範囲内を通行中か否か確認してもよい。そしてその移動物体が、基地局がカバーする通信範囲内を通行中であれば、グループ化部13は、その移動物体の名称を用いて移動局をグループ化する。一方、その移動物体が、基地局がカバーする通信範囲内を通行中でなければ、グループ化部13は、その移動物体に関する情報を移動局のグループ化に使用しない。
グループ化部13は、グループごとに、偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)の何れかに対応する識別番号を付す。そしてグループ化部13は、各グループに含まれる移動局を示す識別番号と、グループの識別番号が関連付けられた参照テーブルを作成する。そしてグループ化部13は、その参照テーブルを各グループ選択スイッチ17−k及び各ユーザ選択スイッチ18−k(1≦k≦n)へ出力する。
この第4の実施形態による周波数制御装置4は、移動局自身が有する、ユーザが乗車中の移動物体に関する情報を用いて移動局をグループ化する。そのため、この周波数制御装置4は、同一の移動物体に乗車中のユーザが使用する移動局を同じグループに正確に分類できる。そして同一の移動物体に乗車中のユーザが使用する移動局は、同一方向及び同一速度で移動する。したがって、この周波数制御装置4は、同一の移動速度及び移動方向で移動する移動局を同じグループに正確に分類できる。
次に、第5の実施形態に係る周波数制御装置について説明する。この第5の実施形態に係る周波数制御装置は、グループごとの移動局の速度を利用して、周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を可変とするものである。
図9は、第5の実施形態による周波数制御装置5の概略構成図である。周波数制御装置5は、第2の実施形態による周波数装置2と同様に、n個の周波数偏差検出部11−k、分類情報検出部12−k、グループ選択スイッチ17−k、ユーザ選択スイッチ18−k及び位置情報取得部19−k(1≦k≦n)と、一つのグループ化部13と、m個の偏差代表値算出部14−j、AFC制御値算出部15−j及び周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)を有する。さらに周波数制御装置5は、グループ移動速度算出部22を有する。なお、nは2以上の整数であり、基地局が同時に受信可能な移動局の個数に対応する。また、mはn以下の自然数であり、周波数制御装置5が同時に周波数制御を行うことが可能なグループ数に対応する。
また、図9に示される周波数制御装置5の各構成要素には、図6に示された周波数制御装置2の対応する構成要素と同一の参照番号を付した。周波数制御装置5は、グループごとの移動局の速度を利用して、周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を可変とする点で周波数制御装置2と異なる。そこで、以下では、周波数偏差取得期間の決定及び周波数偏差の統計的代表値の算出について説明する。第5の実施形態による周波数制御装置5のその他の点については、上述した第1の実施形態による周波数制御装置1及び第2の実施形態による周波数制御装置2の説明を参照されたい。
グループ移動速度算出部22は、グループ化部13から、各グループに含まれる移動局を示す識別番号とグループの識別番号とが関連付けられた参照テーブルと、各移動局の移動速度を取得する。そしてグループ移動速度算出部22は、グループごとに、そのグループに属する移動局の平均移動速度をグループ移動速度として算出する。なお、グループ移動速度算出部22は、平均移動速度の代わりに、グループに属する移動局の移動速度の最頻値あるいは中央値を、グループ移動速度としてもよい。
そしてグループ移動速度算出部22は、各グループに対応する偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)へ、そのグループのグループ移動速度を通知する。
偏差代表値算出部14−jは、グループ移動速度に応じて、周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を決定する。その際、偏差代表値算出部14−jは、グループ移動速度が速くなるにつれて周波数偏差取得期間を短くする。例えば、偏差代表値算出部14−jは、ドップラー周波数の急激な変動にも追従可能なように、周波数偏差取得期間をドップラー周波数が急激に変動する期間の1/10程度に設定する。
例えば、第1の実施形態による周波数制御装置1に関して説明したように、移動局が移動速度350km/hで進行し、基地局と最も接近した地点で、基地局のアンテナとの距離が10mとなると仮定する。この場合、移動局がアンテナの再接近点の前後10mを通過するために要する206msecの間に、ドップラー周波数は+458Hzから−458Hzに急激に変化する。そこで、偏差代表値算出部14−jは、グループ移動速度が350km/hであれば、周波数偏差取得期間を20msecに設定する。一方、移動局が移動速度120km/hで進行し、基地局と最も接近した地点で、基地局のアンテナとの距離が10mとなると仮定する。この場合、移動局がアンテナの再接近点の前後10mを通過するために要する600msecの間に、ドップラー周波数は+157Hzから−157Hzに変化する。そこで、偏差代表値算出部14−jは、グループ移動速度が120km/hであれば、周波数偏差取得期間を60msecに設定する。
偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値として、グループ移動速度に応じて設定された周波数偏差取得期間中に入力された全ての周波数偏差の平均値を算出する。あるいは、偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値として、その周波数偏差取得期間中に入力された周波数偏差の最頻値あるいは中央値を算出してもよい。
偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値を、偏差代表値算出部14−jに入力される周波数偏差に対応する移動局が分類されたグループに対応するAFC制御値算出部15−jに出力する。
この第5の実施形態による周波数制御装置5は、グループごとの移動局の移動速度が速くなるにつれて周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を短くする。そのため、この周波数制御装置5は、移動局が高速に移動していても、周波数偏差の変動に追従して移動局から受信した無線信号の周波数偏差を補償することができる。一方、この周波数制御装置5は、移動局が低速で移動している場合には、多数の周波数偏差のサンプルに基づいて、その統計的代表値を算出できるので、良好な精度で周波数偏差を補償することができる。
次に、第6の実施形態に係る周波数制御装置について説明する。この第6の実施形態に係る周波数制御装置は、グループごとの移動局の位置と基地局間の距離を利用して、周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を可変とするものである。
図10は、第6の実施形態による周波数制御装置6の概略構成図である。周波数制御装置6は、第3の実施形態による周波数装置3と同様に、n個の周波数偏差検出部11−k、分類情報検出部12−k、グループ選択スイッチ17−k、ユーザ選択スイッチ18−k及び位置情報取得部19−k(1≦k≦n)と、一つのグループ化部13及び記憶部20と、m個の偏差代表値算出部14−j、AFC制御値算出部15−j及び周波数偏差補償部16−j(1≦j≦m)を有する。さらに周波数制御装置6は、グループ距離算出部23を有する。なお、nは2以上の整数であり、基地局が同時に受信可能な移動局の個数に対応する。また、mはn以下の自然数であり、周波数制御装置6が同時に周波数制御を行うことが可能なグループ数に対応する。
また、図10に示される周波数制御装置6の各構成要素には、図7に示された周波数制御装置3の対応する構成要素と同一の参照番号を付した。周波数制御装置6は、グループごとの移動局の現在位置を利用して、周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を可変とする点で周波数制御装置3と異なる。そこで、以下では、周波数偏差取得期間の決定及び周波数偏差の統計的代表値の算出について説明する。第6の実施形態による周波数制御装置6のその他の点については、上述した第1の実施形態による周波数制御装置1〜第3の実施形態による周波数制御装置3の説明を参照されたい。
グループ距離算出部23は、グループ化部13から、各グループに含まれる移動局を示す識別番号とグループの識別番号とが関連付けられた参照テーブルと、各移動局の現在位置情報と、周波数制御装置6が組み込まれた基地局の位置情報を取得する。そしてグループ距離算出部23は、グループごとに、そのグループに属する移動局の重心位置と、周波数制御装置6が組み込まれた基地局間の距離をグループ距離として算出する。
そしてグループ距離算出部23は、各グループに対応する偏差代表値算出部14−j(1≦j≦m)へ、そのグループのグループ距離を通知する。
偏差代表値算出部14−jは、グループ距離に応じて、周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を決定する。その際、偏差代表値算出部14−jは、グループ距離が短くなるにつれて周波数偏差取得期間を短くする。例えば、偏差代表値算出部14−jは、ドップラー周波数の急激な変動にも追従可能なように、周波数偏差取得期間をドップラー周波数が急激に変動する期間の1/10程度に設定する。
例えば、第1の実施形態による周波数制御装置1に関して説明したように、移動局が移動速度350km/hで進行し、基地局と最も接近した地点で、基地局のアンテナとの距離が10mとなると仮定する。この場合、移動局がアンテナの再接近点の前後10mを通過するために要する206msecの間に、ドップラー周波数は+458Hzから−458Hzに急激に変化する。そこで、偏差代表値算出部14−jは、グループ距離が10m以下であれば、周波数偏差取得期間を20msecに設定する。一方、グループ距離が10mよりも離れていれば、ドップラー周波数は急激に変化しない。そこで偏差代表値算出部14−jは、グループ距離が10mよりも離れていれば、周波数偏差取得期間を100msecに設定する。
偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値として、グループ移動速度に応じて設定された周波数偏差取得期間中に入力された全ての周波数偏差の平均値を算出する。あるいは、偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値として、その周波数偏差取得期間中に入力された周波数偏差の最頻値あるいは中央値を算出してもよい。
偏差代表値算出部14−jは、周波数偏差の統計的代表値を、偏差代表値算出部14−jに入力される周波数偏差に対応する移動局が分類されたグループに対応するAFC制御値算出部15−jに出力する。
この第6の実施形態による周波数制御装置6は、グループごとの移動局と基地局間の距離が短くなるにつれて周波数偏差の統計的代表値を算出するための周波数偏差取得期間を短くする。そのため、この周波数制御装置6は、移動局が基地局の近傍を通過していても、周波数偏差の変動に追従して移動局から受信した無線信号の周波数偏差を補償することができる。一方、この周波数制御装置6は、移動局が基地局から離れている場合には、多数の周波数偏差のサンプルに基づいて、その統計的代表値を算出できるので、良好な精度で周波数偏差を補償することができる。
第2の実施形態から第6の実施形態にかかる周波数制御装置が有するこれらの各部は、それぞれ別個の回路として形成される。あるいはその周波数制御装置が有するこれらの各部は、その各部に対応する回路が集積された一つの集積回路として周波数制御装置に実装されてもよい。
また、上記の各実施形態において、理解を容易とするために、周波数制御装置は、複数の周波数偏差検出部及び複数の分類情報検出部を有することとした。しかし、これらの周波数制御装置は、それぞれ周波数偏差検出部及び分類情報検出部を一つずつ有し、それら周波数偏差検出部及び分類情報検出部が、それぞれ、各移動局から受信した無線信号の周波数偏差及び分類情報を検出してもよい。同様に、一つの移動局に関する情報を取得する位置情報取得部を複数有する周波数制御装置は、それら複数の位置情報取得部の代わりに、複数の移動局に関する情報をそれぞれ取得する一つの位置情報取得部を有してもよい。さらに、一つの移動局に関する情報を取得する乗車情報取得部を複数有する周波数制御装置は、それら複数の乗車情報取得部の代わりに、複数の移動局に関する情報をそれぞれ取得する一つの乗車情報取得部を有してもよい。
図11は、上述した各実施形態による周波数制御装置の何れかが組み込まれた基地局装置の概略構成図である。基地局装置100は、インターフェース部101と、ベースバンド処理部102と、変調部103と、送信用周波数変換部104と、送信用増幅器105と、デュプレクサ106と、アンテナ107と、受信用増幅器108と、受信用周波数変換部109と、復調部110とを有する。このうち、受信用周波数変換部109は、上述した各実施形態による周波数制御装置の何れかとすることができる。また、ベースバンド処理部102、変調部103、送信用周波数変換部104、復調部110及び受信用周波数変換部109は、それぞれ、別個の回路であってもよく、あるいは、これらの各部は、それら回路が集積された一つの集積回路であってもよい。
インターフェース部101は、コアネットワークと接続するための通信インターフェースを有する。そしてインターフェース部101は、移動局へ送信されるダウンリンク信号をコアネットワークから受信し、そのダウンリンク信号をベースバンド処理部102に出力する。一方、インターフェース部101は、移動局から受信したアップリンク信号をベースバンド処理部102から受信し、そのアップリンク信号をコアネットワークへ出力する。
ベースバンド処理部102は、ダウンリンク信号に対して畳込み符号化あるいはターボ符号化などの誤り訂正用符号化処理及び拡散処理などの送信処理を実行し、その符号化されたダウンリンク信号を変調部103へ出力する。またベースバンド処理部102は、復調部110により復調されたアップリンク信号を受信し、その信号に対して逆拡散処理及び誤り訂正復号処理などの受信処理を実行する。そしてベースバンド処理部102は、復号されたアップリンク信号をインターフェース部101へ出力する。
変調部103は、ベースバンド処理部102から受信した、符号化されたダウンリンク信号に対してDifferential Quadrature Phase Shift Keying(DQPSK)などの直交変調処理を行い、ダウンリンク信号を多重化する。変調部103は、直交変調されたダウンリンク信号を送信用周波数変換部104に出力する。
送信用周波数変換部104は、直交変換されたダウンリンク信号を、無線周波数を持つ搬送波に重畳する。そして送信用周波数変換部104は、搬送波に重畳されたダウンリンク信号を送信用増幅器105に出力する。
送信用増幅器105は、ハイパワーアンプを有する。そして送信用増幅器105は、搬送波に重畳されたダウンリンク信号の強度を所望のレベルに増幅し、その信号をデュプレクサ106を介してアンテナ107へ伝達する。そしてアンテナ107は、送信用増幅器105から伝達されたダウンリンク信号を放射する。
またアンテナ107は、移動局から送信されたアップリンク信号を受信し、そのアップリンク信号をデュプレクサ106を介して受信用増幅器108に伝達する。
受信用増幅器108は、低ノイズアンプを有する。そして受信用増幅器108は、受信したアップリンク信号を増幅し、その増幅されたアップリンク信号を受信用周波数変換部109へ出力する。
受信用周波数変換部109は、各実施形態に関して上述したように、アップリンク信号の周波数偏差を補償するとともに、アップリンク信号の周波数を無線周波数から中間周波数に変換する。その際、受信用周波数変換部109は、同一の移動速度及び同一の移動方向で移動していると推定される複数の移動局をグループ化する。そして受信用周波数変換部109は、同一のグループに属する移動局から受信したアップリンク信号に対して、一つのAFC制御値を用いて周波数偏差を補償する。そして受信用周波数変換部109は、周波数偏差が補償され、中間周波数を持つアップリンク信号を復調部110に渡す。
復調部110は、複数の復調器を有し、個々の復調器は、それぞれ、一つの移動局に対応する。そして個々の復調器は、それぞれ、受信用周波数変換部109から受信した中間周波数を持つアップリンク信号から、その復調器に対応する移動局からのアップリンク信号を選択的に復調する。そして復調部110は、復調された各移動局からのアップリンク信号をベースバンド処理部102に出力する。また受信用周波数変換部109として、上記の周波数制御装置2〜6の何れかが使用される場合、復調部110は、各復調器から出力されるアップリンク信号を、受信用周波数変換部109にも出力する。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
以上説明した実施形態及びその変形例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の移動局から信号を受信する周波数制御装置であって、
各移動局から受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差をそれぞれ検出する周波数偏差検出部と、
各移動局の現在位置または移動に関する情報を分類情報としてそれぞれ取得する分類情報検出部と、
前記分類情報検出部から取得した複数の分類情報に従って、同一の移動方向及び移動速度で移動すると推定される移動局ごとにグループ化するグループ化部と、
前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差の統計的代表値を算出する偏差代表値算出部と、
前記周波数偏差の統計的代表値に従って周波数偏差補償量に相当する制御値を求める制御値算出部と、
前記制御値に従った周波数を有する周期信号を発振し、該周期信号と前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号を乗じた第2の周波数を有する信号を出力する周波数偏差補償部と、
を有する周波数制御装置。
(付記2)
前記偏差代表値算出部は、所定期間の間に前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差に基づいて前記周波数偏差の統計的代表値を算出し、かつ該所定期間を、同一のグループに属する移動局の数が多くなるにつれて短くする、付記1に記載の周波数制御装置。
(付記3)
前記分類情報検出部は、各移動局から受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
前記グループ化部は、前記周波数偏差が最も集中するピーク周波数を検出し、該ピーク周波数から同一の移動速度で移動局が移動しているとみなせる所定の範囲内に含まれる周波数偏差を有する受信信号に対応する移動局を同一のグループに分類する、付記1または2に記載の周波数制御装置。
(付記4)
前記グループ化部は、前記ピーク周波数が、移動局が所定の速度以上で移動していることに対応する所定の閾値以上である場合に、前記ピーク周波数から前記所定の範囲内に含まれる周波数偏差を有する受信信号に対応する移動局を同一のグループに分類する、付記3に記載の周波数制御装置。
(付記5)
前記分類情報検出部は、各移動局から受信した信号の遅延時間を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した複数の遅延時間のうち、同一の速度で減少または増加する遅延時間が最も集中するピーク遅延時間を検出し、該ピーク遅延時間から所定の範囲内に含まれる遅延時間を有する受信信号に対応する移動局を同一のグループに分類する、付記1または2に記載の周波数制御装置。
(付記6)
前記分類情報検出部は、過去に各移動局から受信した信号に含まれる移動局の現在位置情報を所定の時間間隔で複数取得し、該複数の現在位置情報と該時間間隔から算出される当該移動局の移動方向及び移動速度を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した移動局の移動方向及び移動速度に基づいて、同一の移動方向及び移動速度を有する移動局を同一のグループに分類する、付記1または2に記載の周波数制御装置。
(付記7)
前記分類情報検出部により取得された複数の移動局の移動速度から、同一のグループに属する移動局の速度を代表するグループ速度を算出するグループ速度算出部をさらに有し、
前記偏差代表値算出部は、所定期間の間に前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差に基づいて前記周波数偏差の統計的代表値を算出し、かつ該所定期間を、前記グループ速度が速くなるにつれて短くする、付記6に記載の周波数制御装置。
(付記8)
前記分類情報検出部は、過去に各移動局から受信した信号に含まれる移動局の現在位置情報を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した移動局の現在位置情報と、前記周波数制御装置の設置場所を含む地図情報から、同一の移動物体上に位置すると推定される移動局を同一のグループに分類する、付記1または2に記載の周波数制御装置。
(付記9)
前記分類情報検出部により取得された複数の移動局の現在位置情報及び前記地図情報から、同一のグループに属するそれぞれの移動局と前記周波数制御装置間の距離を代表するグループ距離を算出するグループ距離算出部をさらに有し、
前記偏差代表値算出部は、所定期間の間に前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差に基づいて前記周波数偏差の統計的代表値を算出し、かつ該所定期間を、前記グループ距離が短くなるにつれて短くする、付記8に記載の周波数制御装置。
(付記10)
前記分類情報検出部は、過去に各移動局から受信した信号に含まれる移動局を使用するユーザが乗車した移動物体に関する情報を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した移動物体に関する情報から、同一の移動物体上に位置すると推定される移動局を同一のグループに分類する、付記1または2に記載の周波数制御装置。
(付記11)
移動局から送信された信号を受信するアンテナと、
前記アンテナにより受信された信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器により増幅された信号の第1の周波数からの周波数偏差を補償して、第2の周波数を有する信号に変換する周波数変換部と、
前記周波数変換部から出力された信号を復調する復調部と、
前記復調部により復調された信号に含まれるデータを復号し、該復号されたデータをコアネットワークへ出力するベースバンド処理部と、
を有し、
前記周波数変換部は、付記1〜10の何れか一項に記載の周波数制御装置を有する、
基地局装置。
(付記12)
複数の移動局のそれぞれから受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差をそれぞれ検出し、
複数の移動局のそれぞれについての現在位置または移動に関する情報を分類情報としてそれぞれ取得し、
前記複数の分類情報に従って、同一の移動方向及び移動速度で移動すると推定される移動局ごとにグループ化し、
同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差の統計的代表値を算出し、
前記周波数偏差の統計的代表値に従って周波数偏差補償量に相当する制御値を求め、
前記制御値に従った周波数を有する周期信号を発振し、該周期信号と前記同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号を乗じた第2の周波数を有する信号を出力する、
ことを含む周波数制御方法。
1〜6 周波数制御装置
11−1、11−2、...、11−n 周波数偏差検出部
12−1、12−2、...、12−n 分類情報検出部
13 グループ化部
14−1、14−2、...、14−m 偏差代表値算出部
15−1、15−2、...、15−m AFC制御値算出部
16−1、16−2、...、16−m 周波数偏差補償部
17−1、17−2、...、17−n グループ選択スイッチ
18−1、18−2、...、18−n ユーザ選択スイッチ
19−1、19−2、...、19−n 位置情報取得部
20 記憶部
21−1、21−2、...、21−n 乗車情報取得部
22 グループ移動速度算出部
23 グループ距離算出部
50−1、50−2、...、50−n 復調器
100 基地局装置
101 インターフェース部
102 ベースバンド処理部
103 変調部
104 送信用周波数変換部
105 送信用増幅器
106 デュプレクサ
107 アンテナ
108 受信用増幅器
109 受信用周波数変換部
110 復調部

Claims (10)

  1. 複数の移動局から信号を受信する周波数制御装置であって、
    各移動局から受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差をそれぞれ検出する周波数偏差検出部と、
    各移動局の現在位置または移動に関する情報を分類情報としてそれぞれ取得する分類情報検出部と、
    前記分類情報検出部から取得した複数の分類情報に従って、同一の移動方向及び移動速度で移動すると推定される移動局ごとにグループ化するグループ化部と、
    前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差の統計的代表値を算出する偏差代表値算出部と、
    前記周波数偏差の統計的代表値に従って周波数偏差補償量に相当する制御値を求める制御値算出部と、
    前記制御値に従った周波数を有する周期信号を発振し、該周期信号と前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号を乗じた第2の周波数を有する信号を出力する周波数偏差補償部と、
    を有する周波数制御装置。
  2. 前記偏差代表値算出部は、所定期間の間に前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差に基づいて前記周波数偏差の統計的代表値を算出し、かつ該所定期間を、同一のグループに属する移動局の数が多くなるにつれて短くする、請求項1に記載の周波数制御装置。
  3. 前記分類情報検出部は、各移動局から受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
    前記グループ化部は、前記周波数偏差が最も集中するピーク周波数を検出し、該ピーク周波数から同一の移動速度で移動局が移動しているとみなせる所定の範囲内に含まれる周波数偏差を有する受信信号に対応する移動局を同一のグループに分類する、請求項1または2に記載の周波数制御装置。
  4. 前記分類情報検出部は、各移動局から受信した信号の遅延時間を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
    前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した複数の遅延時間のうち、同一の速度で減少または増加する遅延時間が最も集中するピーク遅延時間を検出し、該ピーク遅延時間から所定の範囲内に含まれる遅延時間を有する受信信号に対応する移動局を同一のグループに分類する、請求項1または2に記載の周波数制御装置。
  5. 前記分類情報検出部は、過去に各移動局から受信した信号に含まれる移動局の現在位置情報を所定の時間間隔で複数取得し、該複数の現在位置情報と該時間間隔から算出される当該移動局の移動方向及び移動速度を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
    前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した移動局の移動方向及び移動速度に基づいて、同一の移動方向及び移動速度を有する移動局を同一のグループに分類する、請求項1または2に記載の周波数制御装置。
  6. 前記分類情報検出部により取得された複数の移動局の移動速度から、同一のグループに属する移動局の速度を代表するグループ速度を算出するグループ速度算出部をさらに有し、
    前記偏差代表値算出部は、所定期間の間に前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差に基づいて前記周波数偏差の統計的代表値を算出し、かつ該所定期間を、前記グループ速度が速くなるにつれて短くする、請求項5に記載の周波数制御装置。
  7. 前記分類情報検出部は、過去に各移動局から受信した信号に含まれる移動局の現在位置情報を前記分類情報としてそれぞれ取得し、
    前記グループ化部は、前記分類情報検出部から取得した移動局の現在位置情報と、前記周波数制御装置の設置場所を含む地図情報から、同一の移動物体上に位置すると推定される移動局を同一のグループに分類する、請求項1または2に記載の周波数制御装置。
  8. 前記分類情報検出部により取得された複数の移動局の現在位置情報及び前記地図情報から、同一のグループに属するそれぞれの移動局と前記周波数制御装置間の距離を代表するグループ距離を算出するグループ距離算出部をさらに有し、
    前記偏差代表値算出部は、所定期間の間に前記グループ化部により同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差に基づいて前記周波数偏差の統計的代表値を算出し、かつ該所定期間を、前記グループ距離が短くなるにつれて短くする、請求項7に記載の周波数制御装置。
  9. 移動局から送信された信号を受信するアンテナと、
    前記アンテナにより受信された信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器により増幅された信号の第1の周波数からの周波数偏差を補償して、第2の周波数を有する信号に変換する周波数変換部と、
    前記周波数変換部から出力された信号を復調する復調部と、
    前記復調部により復調された信号に含まれるデータを復号し、該復号されたデータをコアネットワークへ出力するベースバンド処理部と、
    を有し、
    前記周波数変換部は、請求項1〜8の何れか一項に記載の周波数制御装置を有する、
    基地局装置。
  10. 複数の移動局のそれぞれから受信した信号の第1の周波数からの周波数偏差をそれぞれ検出し、
    複数の移動局のそれぞれについての現在位置または移動に関する情報を分類情報としてそれぞれ取得し、
    前記複数の分類情報に従って、同一の移動方向及び移動速度で移動すると推定される移動局ごとにグループ化し、
    同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号の周波数偏差の統計的代表値を算出し、
    前記周波数偏差の統計的代表値に従って周波数偏差補償量に相当する制御値を求め、
    前記制御値に従った周波数を有する周期信号を発振し、該周期信号と前記同一のグループに属すると判定されたそれぞれの移動局から受信した信号を乗じた第2の周波数を有する信号を出力する、
    ことを含む周波数制御方法。
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