JP5167528B2 - 化学吸着溶液 - Google Patents

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Description

本発明は、化学吸着溶液に関するものである。さらに詳しくは、少なくとも一端に反応性の官能基を持ち他端にアルコキシシリル基を持ち前記反応性の官能基と前記アルコキシシリルが直接又は間接に炭化水素基で接続されている物質と有機溶剤とシラノール縮合触媒を含むことを特徴とする化学吸着溶液に関するものである。
本発明において、反応性の官能基には、熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性の官能基が含まれる。
従来から、両親媒性の有機分子を用い、水面上で分子を並べて基板表面に単分子膜を累積するラングミュアー・ブロジェット(LB)法が知られている。また、界面活性剤を溶かした溶液中で化学吸着法を用いて単分子膜を累積する化学吸着(CA)法が知られている。
しかしながら、任意の基材表面に共有結合した反応性の分子を1層(以下、単分子膜という。)形成する方法およびそれに用いる反応性に優れた処理液(以下、化学吸着溶液という。)は、未だ開発、提供されていなかった。
前記課題を解決するための手段として提供される第一の発明は、一端に3,4−エポキシシクロヘキシル基を持ち、他端にアルコキシシリル基を持ち、前記3,4−エポキシシクロヘキシル基と前記アルコキシシリル基が直接又は間接に炭化水素基で接続されている物質と、有機溶剤と、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類からなる群より選択されるシラノール縮合触媒を含むことを特徴とする化学吸着溶液である。
(削除)
の発明は、第一発明において、反応性の官能基が熱反応性のエポキシ基又はアミノ基、或いは光反応性のジアセチレン基のいずれかであることを特徴とする化学吸着溶液である。
の発明は、第一及び第二の発明において、前記シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする化学吸着溶液である。
の発明は、第一及び第二の発明においてシラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする化学吸着溶液である。
これら発明の要旨をさらに説明すれば、
少なくとも一端に熱反応性の3,4−エポキシシクロヘキシル基又はアミノ基、或いは光反応性のジアセチレン基のいずれかである反応性の官能基を持ち他端にアルコキシシリル基を持ち前記反応性の官能基と前記アルコキシシリル基が炭化水素基で接続されている物質とカルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類からなる群より選択されるシラノール縮合触媒とを有機溶剤で混合溶解させることにより、任意の基材表面に共有結合した反応性の単分子膜を形成する方法に用いる化学吸着溶液を製造提供することを要旨とする。
ここで、反応性の官能基として、熱反応性または光反応性の官能基を組み込んでいるため、応用範囲が広くなり都合がよい。
また、反応性の官能基が3,4−エポキシシクロヘキシル基、アミノ基、またはジアセチレン基のいずれかであるため、後工程での熱反応や光反応の反応時間を短縮できて都合がよい。
さらに、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると、製膜時間を短縮できて都合がよい。
さらにまた、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると製膜時間をさらに短縮できて都合がよい。
以上説明したとおり、本発明によれば、基材表面と共有結合した各種反応性を有する単分子膜等の有機被膜を低コストで提供できる格別の効果がある。
本発明は、一端に3,4−エポキシシクロヘキシル基を持ち他端にアルコキシシリル基を持ち、3,4−エポキシシクロヘキシル基と前記アルコキシシリル基が直接又は間接に炭化水素基で接続されている物質とカルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類からなる群より選択されるシラノール縮合触媒とを有機溶剤で混合溶解させることにより、任意の基材表面に共有結合した反応性の単分子膜を容易に形成できる化学吸着溶液を製造提供する。
ここで、反応性の官能基には、熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性の官能基があるが、熱反応性の3,4−エポキシシクロヘキシル基、アミノ基、または光反応性のジアセチレン基を組み込めば、後工程での熱反応や光反応の反応時間を短縮できる作用がある。
さらに、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると、製膜時間を短縮できる作用がある。
さらにまた、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると製膜時間をさらに短縮できる作用がある。
以下、本願発明の詳細を実施例を用いて説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
また、本発明に関する化学吸着溶液には、熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性等の反応性官能基を組み込んだものがあるが、まず、熱反応性基の代表例としてエポキシ基あるいはミノ基を組み込んだ物質を用いた溶液を取り上げて説明する。
まず、大きさが100nm程度の無水のシリカ微粒子1を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として一端に反応性の官能基、例えば、エポキシ基あるいはアミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、下記式(化1)あるいは(化2)に示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチルスズジアセチルアセトナート、あるいは有機酸である酢酸を1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサンとジメチルホルムアミド(50:50)混合溶媒に1重量%程度の濃度(好ましい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
Figure 0005167528
Figure 0005167528
この吸着液に無水のシリカ微粒子1を混入撹拌して普通の空気中で(相対湿度45%)で2時間反応させた。このとき、無水のシリカ微粒子表面には水酸基2が多数含まれているの(図1(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒、あるいは有機酸である酢酸の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、下記式(化3)あるいは(化4)に示したような結合を形成し、微粒子表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜3あるいはアミノ基を含む化学吸着膜4が約1ナノメートル程度の膜厚で形成された(図1(b)、1(c))。
なお、ここで、アミノ基を含む吸着剤を使用する場合には、スズ系の触媒では沈殿が生成するので、酢酸等の有機酸を用いた方がよかった。また、アミノ基はイミノ基を含んでいるが、アミノ基以外にイミノ基を含む物質には、ピロール誘導体や、イミダゾール誘導体等がある。さらに、ケチミン誘導体を用いれば、被膜形成後、加水分解により容易にアミノ基を導入できた。
その後、塩素系溶媒であるクロロホルムを添加して撹拌洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子5、あるいはアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子6をそれぞれ作製できた。
Figure 0005167528
Figure 0005167528
なお、この被膜はナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、粒子径を損なうことはなかった。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発し粒子表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成された微粒子が得られた。
この方法の特徴は、脱アルコール反応であるため、微粒子が有機、あるいは無機物であったとしても使用可能であり、適用範囲が広い。
実施例1と同様に、まず、ガラス基材11を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として一端に反応性の官能基、例えば、エポキシ基あるいはアミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、前記式(化1)あるいは(化2)に示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチルスズジアセチルアセトナートを1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に1重量%程度の濃度(好ましい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
次ぎに、この吸着液に、ガラス基材11を漬浸して普通の空気中で(相対湿度45%)で2時間反応させた。このとき、ガラス基材11表面には水酸基12が多数含まれているの(図2(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、前記式(化3)あるいは(化4)に、示したような結合を形成し、ガラス基材11表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜13(図2(b))あるいはアミノ基を含む化学吸着膜14(図2(c))が約1ナノメートル程度の膜厚で形成される。
その後、塩素系溶媒であるクロロホルムを用いて洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材15、あるいは、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材16がそれぞれ作製できた。(図2(b)、2(c))
なお、この被膜はナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、ガラス基材の透明性を損なうことはなかった。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発しガラス基材表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成されたガラス基材が得られた。
次に、前記エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材15表面に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子6(前記アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子の組み合わせでもよい。)をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、ガラス基材表面のエポキシ基と接触しているシリカ微粒子表面のアミノ基が下記式(化5)に示したような反応で付加して微粒子とガラス基材は二つの単分子膜を介して結合固化した。なお、このとき、超音波を当てながらアルコールを蒸発させると、被膜の膜厚均一性を更に向上できた。
Figure 0005167528
そこで、再びアルコールで基材表面を洗浄し、余分で未反応のアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子を洗浄除去すると、ガラス基材表面15に共有結合したアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子が1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層微粒子膜17が形成できた。(図3(a))
一方、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子の被膜を形成した場合には、ガラス基材表面に共有結合したエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子が1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層微粒子膜が形成できた。
ここで、シリカ微粒子の単層微粒子膜が形成されたガラス基材の光透過率を測定すると、シリカ微粒子の単層微粒子膜が形成されていないガラス基材より2%程度光透過率が良くなっていた。つまりこの被膜は、反射防止膜の機能がある。
また、シリカ微粒子の単層微粒子膜の厚みが100nm程度であり、極めて均一性が良かったので、干渉色も全く見えなかった
さらに、微粒子膜の膜厚を厚くしたい場合、実施例3に引き続き、共有結合したアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子が1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層微粒子膜17が形成されたガラス基材表面15に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子5をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子の単層微粒子膜が形成されたガラス基材表面のアミノ基と接触しているシリカ微粒子表面のエポキシ基が前記式(化5)に示したような反応で付加して、ガラス基材表面でアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われた微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子は、二つの単分子膜を介して結合固化した。
そこで、再びアルコールで基材表面を洗浄し、余分で未反応のエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子を洗浄除去すると、ガラス基材表面15に共有結合した2層目のシリカ微粒子が1層のみ並んだ状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの2層構造の単層微粒子膜18が形成できた。(図3(b))
以下同様に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子を交互に積層すると、多層構造の微粒子の被膜を累積製造できた。
なお、上記実施例1および2では、反応性基を含む化学吸着剤として式(化1)あるいは(化2)示した物質を用いたが、上記のもの以外にも、下記(1)〜(16)に示した物質が利用できた。
(1) (CHOCH)CHO(CHSi(OCH
(2) (CHOCH)CHO(CH11Si(OCH
(3) (CHCHOCH(CH)CH(CHSi(OCH
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CHSi(OCH
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CHSi(OCH
(6) (CH OCH)CHO(CHSi(OC
(7) (CHOCH)CHO(CH11Si(OC
(8) (CHCHOCH(CH)CH(CHSi(OC
(9) (CHCHOCH(CH)CH(CHSi(OC
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CHSi(OC
(11) HN(CHSi(OCH
(12) HN(CHSi(OCH
(13) HN(CHSi(OCH
(14) HN(CHSi(OC
(15) HN(CHSi(OC
(16) HN(CHSi(OC
ここで、(CHOCH)−基は、下記式(化6)で表される官能基を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、下記式(化7)で表される官能基を表す。
Figure 0005167528
Figure 0005167528
また、使用可能な光反応性の官能基を有する物質には下記(21)〜(29)に示した物質が利用できた。
(21) CH≡C−C≡C(CH15Si(OCH
(22) CH≡C−C≡C(CHSi(CH(CH15Si(OCH
(23) CH≡C−C≡C(CHSi(CH(CHSi(OCH
(24) CH(CHC≡C−C≡C(CH15Si(OCH
(25) CH(CHC≡C−C≡C(CHSi(CH(CH15Si(OCH
(26) CH(CHC≡C−C≡C(CHSi(CH(CHSi(OCH
(27) (C)(CH)CO(C)O(CHOSi(OCH
(28) (C)(CH)CO(C)O(CHOSi(OC
(29) (C)CO(CH)(C)O(CHOSi(OCH
ここで、(C)CO(CH)(C)はカルコニル基を表す。
なお、実施例1および2にいて、シラノール縮合触媒には、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第1スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジプロピルチタネートを用いることが可能であった。
また、膜形成溶液の溶媒としては、水を含まない有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒、あるいはそれら混合物を用いることが可能であった。なお、洗浄を行わず、溶媒を蒸発させて粒子濃度を上げようとする場合には、溶媒の沸点は50〜250℃程度がよい。
具体的に使用可能なものは、クロロシラン系非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。さらに、吸着剤がアルコキシシラン系の場合で且つ溶媒を蒸発させて有機被膜を形成する場合には、前記溶媒に加え、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれら混合物が使用できた。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単層独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いた場合、同じ濃度でも処理時間を半分〜2/3程度まで短縮できた。
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、処理時間をさらに数倍早く(30分程度まで)でき、製膜時間を数分の一まで短縮できる。
例えば、シラノール触媒であるジブチルスズオキサイドをケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を1時間程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3と、シラノール触媒であるジブチルスズビスアセチルアセトネートの混合物(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を30分程度に短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
したがって、以上の結果から、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
さらにまた、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認された。
なお、ここで、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
上記実施例1〜4では、シリカ微粒子とガラス基材を例として説明したが、本発明の化学吸着溶液は、表面に活性水素、すなわち水酸基の水素やアミノ基あるいはイミノ基の水素などを含んだ基材や微粒子であれば、どのような基材や微粒子にでも適用可能である。
具体的には、金属、セラミクス、ガラス、繊維、皮革、毛皮等、適用可能な基材は無限にある。
本発明の第1の実施例における微粒子表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前の微粒子表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。 本発明の第2の実施例におけるガラス基材表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前の表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。 本発明の第3および第4の実施例におけるガラス基材表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は単層微粒子膜が形成された基材表面の図、(b)は、単層微粒子膜が2層形成された基材表面の図を示す。
1 シリカ微粒子
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 アミノ基を含む単分子膜
5 エポキシ基を含む単分子膜で被われたシリカ微粒子
6 アミノ基を含む単分子膜で被われたシリカ微粒子
11 ガラス基材
12 水酸基
13 エポキシ基を含む単分子膜
14 アミノ基を含む単分子膜
15 エポキシ基を含む単分子膜で被われたガラス基材
16 アミノ基を含む単分子膜で被われたガラス基材
17 単層微粒子膜
18 2層構造の単層微粒子膜

Claims (2)

  1. 一端に3,4−エポキシシクロヘキシル基を持ち、他端にアルコキシシリル基を持ち、前記3,4−エポキシシクロヘキシル基と前記アルコキシシリル基が直接又は間接に炭化水素基で接続されている物質と、有機溶剤と、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類からなる群より選択されるシラノール縮合触媒を含むことを特徴とする化学吸着溶液。
  2. 前記シラノール縮合触媒に、助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項1に記載の化学吸着溶液。
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