以下に本発明の実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
本発明は、複数の回線を有する通信装置に関するものであり、特定の用途に使用される回線として指定されていた回線が使用不可状態になった場合に、他の回線を当該特定の用途に使用される回線として新たに指定するものである。
ここで、特定の用途に使用される回線とは、例えば、通信装置が回線網を介して接続された他の装置に対してデータを送信する際に利用する回線を自動的に選択する場合に、優先して選択される優先送信回線として指定されている回線のことを示す。或いは、通信装置が特定の回線でデータを受信した場合に、当該受信したデータを自動的に他の装置に転送するように指定されている回線のことを示す。本発明では、このように特定の用途に使用される回線として指定されていた回線が使用不可状態になったときに、その用途に使用される回線が存在しなくなってしまうという状況の発生を防ぐために、その用途に使用される回線として他の回線を新たに指定する。
なお、以下に説明する実施形態では、通信装置の一例として画像形成装置であるプリンタについて説明する。しかし、本発明は、通信装置をプリンタとして限定するわけではなく、複数の回線を有し、他の装置と回線を通じてデータの送信または受信を行う通信装置であれば適用できる。
<第1の実施形態>
以下では、図1乃至図7を参照して第1の実施形態について説明する。本実施形態では、複数の回線を有する通信装置において、優先送信回線として指定されている回線が使用不可状態になった場合の制御について説明する。なお、以下では、便宜上、最初にサービス提供業者と電話回線の使用のための契約を行ったときに1本の物理的な回線に対して与えられる電話番号を有する回線を物理回線と称す。そして、サービス提供業者との間でダイヤルインサービスの契約を行うことにより、1本の物理回線に対して当該物理回線の電話番号以外に与えられる電話番号の回線を論理回線とする。ダイヤルインサービスの契約を行うと、サービス提供業者が管理している回線網上の交換機における、本実施形態の通信装置に対するダイヤルインサービスが有効に設定される。一方、ダイヤルインサービスの契約が解除されると、交換機における上記設定が無効にされるため、通信装置からダイヤルインサービスの利用を試みても利用することはできない。
まず、図7を参照して、本実施形態が想定しているケースについて説明する。図7は、本実施形態に係る優先送信回線を指定する機能について説明する図である。通信装置がデータを送信する際に使用する回線を選択する方法としては、特定の回線(例えば、回線1、回線2、回線3など)を送信者が直接指定する方法と、送信者が明示的に特定の回線を指定せずに回線を自動的に選択させる方法(回線自動選択)がある。特定の回線が直接指定された場合には、指定された回線を使用してデータの送信が行われるが、回線自動選択が指定された場合は、通信装置が自動的にデータの送信に使用する回線を選択し、データを送信する。
ここで、データを送信する際に利用する回線を自動的に選択させる場合に優先的に選択される優先送信回線として、予め管理者が特定の回線を指定しておくことができる。即ち、送信者が回線を直接指定しなかった場合には、通信装置は使用する回線を自動的に選択するが、その際、優先送信回線として指定されている回線が他の回線よりも優先して選択されることになる。
また、優先送信の設定とは別に、送信禁止の設定を行うこともできる。即ち、予め通信装置の管理者が特定の回線を送信禁止回線として指定しておけば、その回線を使用したデータの送信が禁止される。これにより、送信禁止回線として指定されている回線は受信専用回線として使用することができる。
図7には、優先送信回線及び送信禁止回線を指定する際の設定画面700を示す。図7に示す例では、通信装置が物理回線及び論理回線を含む6つの回線を有している場合を示しており、それぞれ回線番号が回線1乃至6となっている。この回線1乃至6に対して、それぞれ「優先送信」と「送信禁止」の設定を行える構成になっており、設定された内容を図7では網掛けで示している。具体的には、図7に示す例では、回線2が優先送信回線として指定されており、回線3,5,6が送信禁止回線として指定されている。なお、「送信禁止」は1つまたは複数の回線に対して設定することができるが、「優先送信」はいずれか1つの回線に対してのみ設定できるものとする。また、1つの回線に対して「優先送信」の設定と「送信禁止」の設定とを同時に行うことはできないようになっている。
図7に示す例では、送信時に回線自動選択が指定された場合には、まず優先送信回線として指定されている回線2の使用状況を検出して、回線2が未使用(既に他の通信に使用されていない状態)であった場合には、回線2を使用してデータが送信される。一方、回線2が使用中であった場合には、回線2以外の他の回線のうち、送信禁止が設定されていない回線の中からデータの送信に使用する回線が選択されて、データが送信される。
本実施形態では、このような設定が行われた通信装置において、通信装置の設置場所が移動されたことやサービス提供業者とのダイヤルインサービスの契約が解除されたことなどにより回線が使用不可状態になった場合を想定している。図7の例では、回線2が優先送信回線として指定されているので、この回線2が使用不可状態になった場合について以下に説明する。
即ち、このような状況で、回線2が使用不可状態になった場合に、この設定のまま装置を使用すると、優先送信回線として指定された回線が存在せず、回線の自動選択を行うことができなくなってしまう可能性がある。また、図7に示す例では、送信禁止が設定されていない回線(回線1,4)が存在するため、たとえ優先送信が設定された回線が存在しなくとも、これらの回線が未使用であれば、当該回線を使用してデータを送信できるかもしれない。しかしながら、使用不可状態になった回線以外の回線が全て送信禁止に設定されていた場合には、データの送信に使用できる回線が存在せず、データを送信することができなくなってしまう。また、送信ができなくならなくとも、通信装置の管理者の意図に反した回線がデータの送信に使用されてしまうという問題が考えられる。
そこで、本実施形態では、特定の用途に使用される回線として指定されていた回線(優先送信回線)が使用不可状態になった場合に、他の回線を優先送信回線として新たに指定するようにしている。以下、更に詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る通信装置を含む通信システムを示す図である。以下では、通信装置として、画像形成装置であるプリンタ100を例に説明する。なお、プリンタ100は、複合機であり、FAX機能を有する。
プリンタ100は、回線網(PSTN)110を介してFAX機能を備えた外部装置111,112,113と接続されている。また、プリンタ100と回線網110との間は複数の回線121,122,123,124,125,126で接続されている。これらの回線は、物理回線及び論理回線を含む。プリンタ100は、回線網110を介して接続された外部装置111,112,113に画像データを送信する。その際、プリンタ100は、複数の回線121〜126のうち、何れか1つの回線を選択し、選択された回線を使用して画像データを送信する。
次に、図2を参照して、プリンタ100の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係るプリンタ100の制御構成の一例を示す図である。ここでは、プリンタ100の制御構成として、主に本発明に関する部分の制御構成について説明する。したがって、プリンタ100は、以下で説明される制御ブロック以外の制御ブロックを含んで構成されてもよい。
プリンタ100は、画像入力部201、画像出力部202、コントローラ203、メモリ204、ハードディスク205、ネットワークI/F206、表示部207、操作部208及びFAX制御部210を備える。
画像入力部201は、スキャナなどにより原稿を光学的に読み取って画像データに変換する。画像出力部202は、電子写真方式などのプリンタエンジンなどを備え、画像データを記録紙などに記録する。コントローラ203は、プリンタ100を統括的に制御する。メモリ204は、画像データや、コントローラ203のプログラムコード/データを格納する。ハードディスク205は、画像データなどの各種データを格納する。ネットワークI/F206は、プリンタ100をIPネットワークへ接続する。
表示部207は、LCDなどから構成され、操作者(送信者または管理者)に対して情報を表示する。操作部208は、キーなどから構成され、操作者からの入力を受け付ける。表示部207及び操作部208は、タッチパネル方式を採用することにより、一体化させて構成してもよい。FAX制御部210は、複数の回線を収容するFAX機能を制御するFAX制御部であり、ここから回線網110に接続される。回線網110は、図1で示したように、公衆回線であり、ここでは6回線(回線121〜126)をサポートする。なお、以下では、回線121〜126を省略して、それぞれ回線1〜6とも称す。
次に、図3を参照して、プリンタ100から他の装置へのデータの送信に使用する回線を指定する方法について説明する。図3は、FAX送信する際の設定画面300を示す図である。設定画面300は、表示部207に表示される。なお、表示部207は、タッチパネル方式の液晶が用いられており、設定画面300表示される各ボタンは、選択可能なソフトキーを示す。設定画面300は、データの送信に使用する回線の指定を行う画面である。ユーザは、画面下側の回線指定欄に表示されたソフトキーを選択することで、データの送信に使用する回線を指定することができる。
図3に示すように、設定画面300では、回線を指定するためのボタンとして、回線1、回線2、自動選択の3つのボタンを設けている。しかし、実際には、プリンタ100は、6つの回線を有しているため、回線1、回線2、回線3、回線4、回線5、回線6及び自動選択の7つのボタンが表示される。
設定画面300で、自動選択以外の回線1乃至6のいずれかの回線に対応するボタンが押下された場合、プリンタ100は、押下されたボタンに対応する回線を使用してデータを送信する。一方、設定画面300で自動選択ボタンが押下された場合、プリンタ100は、後述する優先送信の設定に従って自動的にデータの送信に使用する回線を選択し、データを送信する。
図4は、第1の実施形態に係る優先送信の設定について説明する図である。図4に示す設定画面400は、優先送信回線及び送信禁止回線を指定するための画面を示す。
設定画面400は、回線2が優先送信回線として指定され、他の回線1,回線3乃至6は全て送信禁止に設定されている例を示す。この設定状態で回線自動選択を指定して送信する場合は、自動的に回線2がデータの送信に使用する回線として選択され、回線2を使用してデータが送信される。
次に、図5A及び図5Bを参照して、回線が使用不可状態になった場合の制御について説明する。図5Aは、第1の実施形態に係る、回線が使用不可状態になった場合の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明される制御は、コントローラ203によって統括的に制御される。なお、ここでは、使用不可状態になる回線の種類として、物理的な回線だけではなく、ダイヤルイン番号などの論理的な回線も想定される。しかし、以下では、まず、物理回線が使用不可状態になる場合に関して説明する。
<物理回線が使用不可状態になった場合>
図5Aに示すフローチャートは、回線が使用不可状態になった後にプリンタ100に対して電源投入された時点からの処理を示す。なお、ここでは、回線が使用不可状態になる前の各回線に対する設定は、図2に示すハードディスクやメモリに記憶されているものとする。
まず、ステップS501において、プリンタ100に電源が投入されると、コントローラ203は、初期起動処理を実行する。続いて、ステップS502において、コントローラ203は、検出手段として機能し、プリンタ100の現在の回線の構成を検出する。具体的に、コントローラ203は、電源立ち上げ後、まずFAX制御部210が存在するか否かを検出する。さらに、コントローラ203は、FAX制御部210が接続されていると検出された場合に、当該FAX制御部210に収容されている回線の数を検出する。
次に、ステップS503において、コントローラ203は、今回の電源投入時にS502で検出された回線数と、予めハードディスクなどに記憶されている情報が示す、前回の電源投入時の回線数とを比較し、回線数に変更があったか否かを判定する。回線数に変更が無い場合、コントローラ203は、処理を終了する。一方、回線数に変更があった場合、コントローラ203は、処理をS504に遷移させる。続いて、ステップS504において、コントローラ203は、回線数が減少したか又は増加したかを判定する。回線数が増加した場合、コントローラ203は、処理を終了する。一方、回線数が減少した場合、コントローラ203は、少なくとも1つの回線が使用不可状態になったことを検出し、処理をS505に遷移させる。
少なくとも1つの回線が使用不可状態になったことが検出された場合に、ステップS505において、コントローラ203は、使用不可状態になった回線が物理回線であるか論理回線であるかを識別する。ここでは、物理回線が使用不可状態になった場合は、例えば、回線に対応する物理的なデバイス(例えばFAXモデム)などが存在するか否かを検出することにより判定される。
またさらに、上述のデバイスが存在している場合であっても、そのデバイスに対応する回線が回線網110に接続されているか否かに基づいて、回線の状態を検出することができる。この場合、回線網110から供給される電圧を検出することで回線が接続されているか否かを検出できる。このように、使用不可状態になった回線の数を判断するだけではなく、回線の状態を検出することで、使用不可状態になった回線の種別を検出する。
次に、ステップS506において、コントローラ203は、判定手段として機能し、使用不可状態になった回線が特定の用途に使用される回線として指定されていたか否かを判定する。つまり、本実施形態では、使用不可状態になった回線が優先送信回線として指定されていた回線であるかどうかを判定する。なお、この判定は、前回の電源投入時にメモリに記憶された情報に基づいて行われる。即ち、前回の電源投入時に優先送信が設定されていた回線があったにも関わらず、今回の電源投入時には優先送信が設定されている回線がない場合には、使用不可状態になった回線に対して優先送信が設定されていたと判定できる。なお、使用不可状態になった回線が優先送信回線であったかどうかの判定は、上述した方法以外の方法を用いても構わない。
コントローラ203は、使用不可状態になった回線が優先送信回線であった場合には、処理をステップS507に遷移させる。一方、使用不可情報になった回線が優先送信回線でなかった場合には、そのまま処理を終了させる。
次に、ステップS507において、コントローラ203は、指定手段として機能し、使用不可状態になった回線以外の他の回線の中から、優先送信回線として指定する回線を選択し、選択した回線を優先送信回線として新たに指定する。このように、本実施形態に係るプリンタ100は、優先送信回線として指定されていた回線が使用不可状態になった場合に、他の回線を優先送信回線として新たに自動的に指定する。
<論理回線が使用不可状態になった場合>
次に、論理回線が使用不可状態になった場合の制御について図5Aを用いて説明する。なお、上述の物理回線が使用不可状態になった場合の制御と同様の制御については、説明を省略する。即ち、以下では、S502乃至S504の処理についてのみ説明する。
ステップS502乃至S504において、コントローラ203は、上述した方法で物理回線についての検出を行うとともに、ダイヤルインサービスによる論理回線が使用不可状態になったか否かを検出する必要がある。
ダイヤルインサービスに関しては、プリンタ100側でも設定が必要であり、プリンタ100側で各回線毎にダイヤルインサービスを使用する「ON」/使用しない「OFF」のいずれかを選択できるようになっている。したがって、プリンタ100の管理者は、ダイヤルインサービスを契約した場合に、その回線のダイヤルインサービスを使用するための設定を行う必要がある。更に、管理者は、ダイヤルインサービス契約を解除した場合、解除と同時に、プリンタ100内の対応する回線について、ダイヤルインサービスを使用しないようにするための設定を行う必要がある。
論理回線が使用不可状態になったか否かは、このダイヤルインサービスの設定が「ON」から「OFF」に変更されたか否かを確認することで判定することができる。具体的に、コントローラ203は、各回線のダイヤルインサービスの設定を記憶しておき、電源投入時の設定と、記憶していた前記の電源投入時の設定とを比較する。このようにして、コントローラ203は、ダイヤルインサービス契約の解除により論理回線が使用不可状態になったことを検出する。
<優先送信回線の指定処理>
次に、図5AのステップS507で行われる自動的な優先送信回線の指定動作について説明する。以下で説明する処理は、使用不可状態になった回線が優先送信回線として指定されていた場合にのみ実行される。ここでは、まず使用不可状態になった回線以外の他の回線(即ち、使用可能状態の回線)の設定を確認し、その確認結果に従って優先送信回線が新たに指定される。
まず、物理回線が使用不可状態になった場合の動作について説明する。ここでは、設定画面400に示すように、使用不可状態になった回線以外の回線が全て送信禁止に設定されていた場合について説明する。
この場合、コントローラ203は、解除手段及び指定手段として機能し、送信不可状態になった回線以外の他の回線のうち、回線番号が最も小さい回線を選択し、その回線の送信禁止の設定を解除し、優先送信回線として新たに指定する。これは、回線番号が最も小さい回線の使用頻度が高いと予想されるため、優先送信回線として指定するものである。具体的に、コントローラ203は、図4に示す状況で、回線2が使用不可状態になった場合に、残りの回線1,3,4,5,6から回線番号が最も小さい回線1が選択される。ここで、回線1が送信優先回線として新たに指定された状態を図6に示す。図6は、回線1が送信優先回線として新たに指定された後の設定画面600を示す図である。設定画面600に示すように、回線2が使用不可状態になり、回線1が優先送信回線として新たに指定されている。なお、ここでは回線番号が小さい順に新たに優先送信回線として指定する回線を選択する例を説明したが、他の方法を用いて新たに優先送信回線として指定する回線を選択するようにしても構わない。
また、コントローラ203は、送信不可状態になった回線以外の他の回線のうち、外部に通信端末である電話機やハンドセットを接続することができない(或いは、接続されていない)回線を新たな優先送信回線として指定してもよい。これは、外部に電話などが接続可能な回線は通話にも使用されることが予想されるため、当該回線を優先送信回線の候補から除外し、当該回線以外の回線の中から優先送信回線として新たに指定する回線を選択する。なお、外部に電話を接続することができない回線が複数存在する場合は、さらにその中で回線番号が最も小さい回線を選択する。また、記憶手段として機能するメモリ204には、通話のための通信端末を接続可能な回線を示す情報が記憶されており、コントローラ203は、この情報に基づいて回線毎に通信端末を接続可能であるか否かを識別することができる。
プリンタ100のように複数の回線を有する通信装置では、通常、全ての回線に外部電話を接続できるような構成にはなっておらず、外部電話を接続できる回線は1つに限定されている。この場合、回線1がその構成になっていることが多い。図4の例から回線2が使用不可状態になった場合、回線1は外部電話を接続可能であるため、回線1以外の回線のうち、回線番号が最も小さい回線(例えば、回線3)が優先送信回線として新たに指定される回線として選択される。
次に、物理回線が使用不可状態になった場合であって、かつ、図7の設定画面700に示すように、使用不可状態になった回線以外の回線の中に、送信禁止が設定されていない回線が存在する場合について説明する。
この場合、コントローラ203は、指定手段として機能し、使用不可状態になった回線以外の回線のうち、送信禁止が設定されていない回線を優先して選択する。例えば、設定画面700の設定では、回線1,4が送信禁止に設定されていないため、コントローラ203は、そのうちの回線番号がより小さい回線1を優先送信回線として新たに指定する。このように、コントローラ203は、使用不可状態になった回線以外の回線のうち、送信禁止に設定されていない回線が複数存在する場合には、回線番号がより小さい回線を優先送信回線として選択する。
またこの時、コントローラ203は、使用不可状態になった回線のうち、外部に電話機やハンドセットが接続されない回線を優先送信回線として指定する回線として選択してもよい。例えば、回線1に外部電話を接続可能である場合、コントローラ203は、回線1の次に回線番号が小さい回線4を優先送信回線として新たに指定する。
次に、論理回線が使用不可状態になった場合について説明する。論理回線が使用不可状態になった場合も、上述したように使用不可状態になった回線以外の回線の設定を確認する動作は、物理回線が使用不可状態になった場合と同様である。しかし、論理回線の場合は、物理回線とは異なり、それぞれに対応する物理回線が存在する。
ダイヤルインサービスを使用した場合の回線番号の割り振り例を示す。下記は、物理的な回線が3つと、各物理回線にそれぞれ1つずつダイヤルイン番号が付与された場合の例である。
回線1:物理回線
回線2:回線1の論理回線(ダイヤルイン番号回線)
回線3:物理回線
回線4:回線3の論理回線(ダイヤルイン番号回線)
回線5:物理回線
回線6:回線5の論理回線(ダイヤルイン番号回線)
上記のような構成で、回線1(物理回線)に対して行っていたサービス提供業者とのダイヤルインサービス契約を解約し、プリンタ100内の回線1のダイヤルインサービスの設定を「OFF」にした場合、回線2が使用不可状態になる。
ここで注目すべきは、回線2にはそれと共用されていた物理回線(回線1)が存在することである。この場合は、論理回線である回線2が使用不可状態になったことに応じて、当該論理回線に対応する物理回線が優先送信回線として新たに指定される。これは、物理回線に対してサービス提供業者とのダイヤルインサービスを契約することにより追加されている論理回線は、対応する物理回線の使用者と同一である場合が多いためである。つまり、ある論理回線が使用不可状態になった場合に、より使用環境が近い(共通の操作者が利用する等)回線である、対応する物理回線を優先送信回線として指定することにより、使用不可状態になる前の環境により近い状態を維持することができる。
具体的に、図4の設定画面400の設定内容において回線2が使用不可状態になった場合、コントローラ203は、回線2に対応する物理回線である回線1を優先送信回線として新たに指定する。このように、物理回線が使用不可状態になった場合には、外部電話を接続可能な回線を避けて、優先送信回線として新たに指定する回線を選択する。一方、論理回線が使用不可状態になった時には、共用関係の維持を優先し、対応する物理回線に外部電話が接続可能な場合であっても当該物理回線が優先送信回線として新たに指定される。また、論理回線が使用不可状態になった場合であって、対応する物理回線に送信禁止が設定されている場合には、たとえ他に送信禁止が設定されていない回線があったとしても、対応する物理回線の送信禁止を解除して優先送信回線として新たに指定する。
次に、図5Bを参照して、優先送信回線の指定の動作について説明する。図5Bは、第1の実施形態に係る優先送信が設定されていた回線が使用不可状態になった場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下で説明される制御は、コントローラ203によって統括的に制御される。
まず、ステップS511において、コントローラ203は、使用不可状態になった回線が論理回線であるか否かを判定する。論理回線である場合、コントローラ203は、処理をS515に遷移させる。ステップS515において、コントローラ203は、指定手段として機能し、使用不可状態になった論理回線に対応する物理回線を優先送信回線として新たに指定する回線として選択し、処理をS516に遷移させる。
一方、S511で論理回線でないと判定されると、ステップS512において、コントローラ203は、使用不可状態になった回線以外の回線が全て送信禁止に設定されているか否かを判定する。全ての回線が送信禁止に設定されている場合、ステップS513において、コントローラ203は、指定手段として機能し、使用不可状態になった回線以外の回線のうち、回線番号が最も小さい回線を優先送信回線として新たに指定する回線として選択する。ここで、コントローラ203は、上述したように、外部電話を接続可能でない回線のうち、回線番号が最も小さい回線を選択してもよい。
S512で、使用不可状態になった回線以外の回線のうち、少なくとも1つが送信禁止に設定されていないと判定された場合、ステップS514に進む。ステップS514において、コントローラ203は、指定手段として機能し、送信禁止に設定されていない回線のうち、回線番号が最も小さい回線を優先送信回線として新たに指定する回線として選択する。ここで、コントローラ203は、上述したように、外部電話を接続可能でない回線であって、かつ、送信禁止に設定されていない回線のうち、回線番号が最も小さい回線を選択してもよい。
最後に、ステップS516において、コントローラ203は、S513乃至S515のいずれかのステップで選択された回線を優先送信回線として新たに指定する。
以上説明したように、本実施形態に係るプリンタ100は、回線が使用不可状態になり、かつ、当該回線が特定の用途に使用される回線として指定されていた場合に、他の回線を選択し、選択した回線をその特定の用途に指定する回線として新たに指定する。これにより、プリンタ100は、特定の用途に使用する回線として指定されていた回線が使用不可状態になった場合に、その用途に使用される回線が存在しなくなってしまうという状況の発生を防ぐことができる。また、このように、特定の用途に使用される回線として指定されていた回線が使用不可状態になったことに応じて、自動的に他の回線をその特定の用途に使用される回線として新たに指定するので、ユーザに面倒な操作を要求する必要がなく、使い勝手がよい。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、プリンタ100は、使用不可状態になった回線が物理回線であるか、又は、当該物理回線に対して追加されたダイヤルイン番号の論理回線であるかを判定してもよい。この場合、プリンタ100は、この判定の結果に従って特定の用途に使用される回線として指定する回線を選択することができる。これにより、プリンタ100は、例えば、使用不可状態になった回線が論理回線であった場合に、対応する物理回線を特定の用途に使用される回線として新たに使用することができる。これは、物理回線と論理回線との共用関係を維持することとなり、より最適な回線を選択することができるからである。
また、プリンタ100は、使用不可状態になった回線が優先送信回線として指定されていた場合に、他の回線の中から自動的に優先送信回線として指定する回線として最適な回線を選択し、その選択された回線を優先送信回線として新たに指定してもよい。
また、プリンタ100は、回線ごとに、外部に電話やハンドセットなどの通信端末が接続可能であるか否かを判定してもよい。この場合、通信装置は、通信端末が接続可能な回線を特定の用途に使用される回線として新たに指定される回線の候補から除外することができる。これにより、プリンタ100は、データを送信する際に、外部に通信端末が接続可能な回線が優先して選択されてしまうことによる使用上の弊害を抑制することができる。
<第2の実施形態>
次に図8乃至図13を参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、特定の回線を用いて受信してデータを他の装置に対して転送することが設定されている場合に、その回線が使用不可状態になった場合の制御について説明する。
まず、図11を参照して本実施形態で想定するケースについて説明する。図11は、転送条件を設定する設定画面1100を示す図である。ここでの転送とは、データを受信した際に、ユーザが予め登録しておいた転送設定に合致すれば、受信したデータを所定の転送先に転送することを示す。転送設定の一例として、例えば、設定画面1100に示すように受信回線、転送先番号、Fコード及びパスワードなどがある。
転送設定とは、指定された回線でデータを受信した場合に他の装置に当該データを転送する設定をいう。例えば、回線共通、または回線1乃至回線nのいずれかを受信回線として選択することができる。ここで、nは回線数を示し、本実施形態ではn=6となる。回線共通が選択された場合、どの回線で受信された場合でも転送を行うことを意味する。また、回線1乃至回線nが選択された場合、選択された回線でデータを受信した場合に、転送先に受信したデータを転送することを意味する。
またFコードとは、ファクシミリ手順信号で送受信される識別情報であって、送信側の通信装置がFコードを指定した場合、受信側の通信装置に指定のFコードに対応する処理(例えば転送など)を実行させることができる。転送先番号とは、転送先の番号を予め設定しておくことで、転送設定された回線でデータが、この転送先番号に対応する通信装置に対して転送される。また、設定画面1100では、当該回線を使用する際のパスワードも設定することができる。さらに、登録した転送条件を有効化又は無効化する機能も設けられている。
本実施形態によれば、プリンタの設置場所の移動や、ダイヤルインサービス契約の解約などにより、上述した転送の設定が行われた回線が使用不可状態になった場合を想定している。設定画面1100では、受信回線として回線4が設定されている。この場合において、回線4が使用不可状態になれば、それ以降転送が行われなくなる。従来は、転送の設定が行われていた回線が使用不可状態になった場合には、管理者等のユーザが煩雑な作業を行って再設定しなければならなかった。しかし、本実施形態に係る通信装置では、このような煩雑な作業をユーザに要求することなく、自動的に設定を行うことを特徴とする。
なお、本実施形態に係る通信装置の構成は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、本実施形態では、以下の回線構成を前提に説明する。
本実施形態に係る通信装置であるプリンタ100は、3つの物理回線を備える。また、これら物理回線全てに対してダイヤルインサービス契約により論理回線が追加されている。なお、各回線の種別は以下の通りとする。
回線1:物理回線
回線2:物理回線
回線3:物理回線
回線4:回線1の論理回線(ダイヤルイン番号回線)
回線5:回線2の論理回線(ダイヤルイン番号回線)
回線6:回線3の論理回線(ダイヤルイン番号回線)
以下では、図8乃至図13を参照して、上述の回線構成を前提として、ユーザによる転送条件の設定、及び回線が使用不可状態になった場合の制御について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る回線が使用不可状態になった場合の処理手順を示すフローチャートである。図9は、物理回線のダイヤルインサービス設定を行うための設定画面900を示す図である。図10は、転送条件を登録するための登録画面1000を示す図である。図11は、転送条件を設定する設定画面1100を示す図である。図12は、設定された転送条件を有効化又は無効化するための設定画面1200を示す図である。図13は、設定された転送条件を無効に設定した設定画面1300を示す図である。以下では、図8に示すフローチャートに沿って説明を記載する。なお、以下で説明する処理は、コントローラ203によって統括的に制御される。
まず、ステップS801及びS802において、コントローラ203は、ユーザによって行われたダイヤルインサービス設定に従って物理回線である回線1乃至3のダイヤルインサービス設定を有効にする。具体的に、ユーザは、表示部207に表示された設定画面900を介してダイヤルインサービスの設定を行う。設定画面900に示すように、回線1乃至3をONに設定することで、ダイヤルインサービス契約回線(論理回線)である回線4乃至6がそれぞれ使用できるようになる。
次に、ステップS803において、コントローラ203は、表示部207に転送条件を登録するための登録画面1000を表示する。ここで、ユーザによって登録画面1000を介して転送条件の登録が行われ、コントローラ203は、登録内容を取得し、転送条件を示す情報をメモリに登録する。
ここで、転送条件の登録の詳細について説明する。登録画面1000に表示された転送条件のボタンがユーザによって押下されると、コントローラ203は、転送条件を設定するための設定画面1100を表示部207に表示させる。設定画面1100においては、受信回線が選択される。ここでは、論理回線である回線4が選択されることとする。受信回線が選択され、「閉じる」ボタンが押下されると、コントローラ203は、選択された受信回線を反映させた登録画面1000を表示部207に表示させる。このように、登録画面1000において転送条件、転送先などが登録される。
また、コントローラ203は、設定手段として機能し、登録された転送条件を有効化又は無効化するため設定画面1200を表示部207に表示させる。ユーザは、「ON」または「OFF」を選択することにより、登録された転送条件を有効化又は無効化することができる。ここで、設定画面1200に示すように、登録された回線4の転送条件をONに設定することで、回線4の転送条件が有効化される。その後、回線4を用いてデータを受信すると、設定した転送条件に合致すれば転送先に受信したデータが転送されることとなる。
ここまでの処理(S801乃至S803の処理)が受信データを転送するために転送条件を設定する処理となる。次に、上述のようにして転送の設定が行われた回線4が使用不可状態になった場合の制御についてS804乃至S809の処理に沿って説明する。
ステップS804において、コントローラ203は、ユーザによってダイヤルインサービス設定の「OFF」が選択されたことを認識する。つまり、コントローラ203は、ダイヤルインサービス契約が解除され、論理回線が使用不可状態になったことを検知する。ここで、コントローラ203は、「OFF」が選択されたダイヤルインサービス設定を無効化する。これにより、該当する論理回線が使用できなくなる。なお、ダイヤルイン設定については、上述した設定画面900で行われる。
次に、ステップS805において、コントローラ203は、変更された設定を反映させるため、プリンタ100を再起動させる。再起動すると、ステップS806において、コントローラ203は、検出手段として機能し、使用不可状態になった回線が存在することを検出し、さらに、使用不可状態になった回線があれば、当該回線が論理回線であるか否かを判定する。ここで、使用不可状態になった回線が論理回線でない場合、即ち、使用不可状態になった回線が物理回線である場合、コントローラ203は、処理を終了する。
一方、使用不可状態になった回線が論理回線である場合、ステップS807において、コントローラ203は、判定手段として機能し、当該回線に対して転送の設定が行われているか否かを判定する。具体的に、コントローラ203は、メモリに格納されている設定内容を確認することで、当該回線に対して転送の設定が行われているか否かを判定する。ここで、当該回線に対して転送の設定が行われていなければ、コントローラ203は、処理を終了する。
一方、当該回線に対して転送の設定が行われている場合、ステップS808において、コントローラ203は指定手段として機能し、当該論理回線に対応する物理回線に対して、転送の設定を行う。本実施形態では、論理回線の回線4が使用不可状態になったことに応じて、回線4に対応する物理回線である回線1に対して転送の設定が行われる。つまり、回線4を用いて受信したデータを転送するよう設定されている状態で回線4が使用不可状態になった場合に、回線1を用いて受信したデータを転送するよう新たに設定される。そして更に、ステップS809において、コントローラ203は、設定手段として機能し、設定画面1300に示すように、S808で変更された転送条件を無効化する。
このように、本実施形態に係るプリンタ100は、ダイヤルインサービス契約が解除されたことにより、転送設定における受信回線を回線4から回線1に変更し、更にその変更した転送設定を「OFF」に設定する。即ち、変更した転送設定を無効化することで、自動的に変更された内容をユーザ自身が確認し、問題がなければその設定を「ON」にすることで、変更された設定を有効化することができる。したがって、ユーザは、転送の設定が行われた回線が使用不可状態になった場合に、面倒な転送設定を最初から行わずに済み、且つ意図しない転送設定が誤って有効な状態で設定されてしまうことも防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るプリンタ100は、転送設定における受信回線として設定された回線が使用不可状態になった場合であって、当該回線が論理回線であった場合に、当該回線に対応する物理回線を受信回線として選択し、再設定する。つまり、転送の処理に用いられる回線として指定されていた回線が使用不可状態になった場合に、当該回線以外の他の回線を、転送の処理に用いられる回線として新たに指定する。このように、通信装置は、転送設定における受信回線に指定された回線が使用不可状態になった場合に、自動的に設定を変更することで、ユーザの負担を軽減することができる。また、ユーザが手動で設定を変更しなくても済むので、設定を変更する際にユーザが誤った設定を行ってしまうことを防止することができる。
また、ユーザによる確認が行われまでは変更した転送設定を無効化しておくため、誤った転送設定で転送が行われてしまうことを防止することもできる。また、変更後の設定を無効にする方法は、第1の実施形態にも適用してもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、使用不可状態になった回線が特定の用途に使用される回線として指定されていた場合に、他の回線を自動的に該特定の用途に使用される回線として指定する例について説明したが、他の態様であっても構わない。即ち、使用不可状態になった回線が特定の用途に使用される回線として指定されていた場合に、該特定の用途に使用される回線として指定されていた回線が使用不可状態になった旨をユーザに対してガイド表示する等して通知するようにしてもよい。この場合、ガイド表示後にユーザからの指示に基づいて、他の回線が前記特定の用途に使用される回線として新たに指定される。
(その他の実施形態)
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してユーザに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。